JP6827862B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法などを利用した記録方法に用いられるトナーに関する。
近年、電子写真法を用いた複写機やプリンターは、様々な国や地域で使用されるようになっているため、多様な環境において、安定した画像形成を行うことが求められている。
また、省エネルギー化が求められており、低温定着性に優れたトナーに対するニーズが高まっている。
一方、東南アジア、インド、中近東地域といった気温の高い地域では、長期休暇中といった空調が停止される期間の日中において、オフィス内の温度が45℃に到達することもある。また、予備のトナーなどは、空調の効いた場所に保管されていない場合もあり、このような場合も同様に、日中は45℃を超えるような温度にさらされることになる。このような環境では、日中の高い温度と夜間のやや下がった温度とのヒートサイクルをトナーが繰り返し経ることになり、結着樹脂に相溶しているワックスがトナー表面に析出してしまい、帯電性が低下してしまう。また、ヒートサイクルを経ることによって、結着樹脂とワックスとの相溶が進むと、結着樹脂の可塑化が進み、外添剤の埋め込みが生じて、流動性が低下してしまう。
これらの現象は、結着樹脂に対する相溶性が低いワックスを使用したり、結着樹脂の硬度とガラス転移点などを高めに設定したりすることで、改善することができるが、その場合には、低温定着性が低下してしまう。
特許文献1、2では、スチレンアクリル樹脂とポリエステルとをミクロなレベルで分散させることで、ワックス−結着樹脂の相溶性以外の可塑効果を用いて、定着性を向上させ、低温定着性と環境安定性とを両立させたトナーが提案されている。
また、特許文献2では、スチレンアクリル樹脂をマトリクスとし、ポリエステルをドメインとするトナーにおいて、炭素鎖長6以上のアルキル基を非極性部位として有するポリエステルとアルキル基を有さないスチレンアクリル樹脂とを用いることが提案されている。
特開2014−235361号公報 特開2015−152703号公報
提案された技術でもある程度の改善効果は見られるが、低温定着性と環境安定性の両立に関しては、未だ改善の余地があった。
本発明は、低温定着性と環境安定性とに優れたトナーを提供することを目的とする。
本発明は、結着樹脂、着色剤、ワックス、および、非晶性ポリエステルを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂は、ビニル系樹脂を含有し、
該非晶性ポリエステルは、炭素数のピーク値が25以上102以下である脂肪族モノカルボン酸に由来する構造、及び/又は、炭素数のピーク値が25以上102以下である脂肪族モノアルコールに由来する構造を、分子鎖の末端に有する非晶性ポリエステルであり、
透過型電子顕微鏡(TEM)で観察されるトナー粒子の断面において、
該ビニル系樹脂をマトリクスとし、該非晶性ポリエステルで構成される複数のドメインが該マトリクス中に分散した、マトリクス−ドメイン構造が確認され、
該トナー粒子断面の輪郭から、該輪郭と該断面の中心点間の距離の25%以内の領域に存在するドメインの割合が、該トナー粒子断面に存在する該ドメインの総面積を基準として、30面積%以上70面積%以下である、
ことを特徴とするトナーに関する。
低温定着性と環境安定性とが両立されたトナーを提供することができる。
現像装置の一例を示す図 流動曲線の模式図
本発明のトナーは、ビニル系樹脂をマトリクスとし、非晶性ポリエステルで構成される複数のドメインがビニル系樹脂のマトリクス中に分散した、マトリクス−ドメイン構造を有する。
ビニル系樹脂は、トナーの剛性を制御しやすく、トナーの耐ストレス性を制御しやすい樹脂である。また、非晶性ポリエステルは、特定の温度領域で溶融する部位を容易に導入しやすいため、トナーの溶融特性を改善しやすい傾向がある。
つまり、上記のマトリクス−ドメイン構造とすることで、トナーに耐ストレス性と定着性の両方の特性を持たせることが可能となる。
また、ヒートサイクルによるワックスの析出は、トナー内部に相溶しているワックスが多いと起こりやすくなる傾向がある。そのため、トナー内部に相溶しているワックスの量を減らすことが重要である。そこで、ワックスと親和性の高いアルキル部位を末端に導入した非晶性ポリエステルを用い、それをビニル系樹脂に分散させることで、結着樹脂に相溶しているワックスの結晶化を促進して、結着樹脂へワックスの相溶量を低下させることが必要となる。
また、本発明においては、トナー粒子の表面近傍に非晶性ポリエステルのドメインをある程度分布させることで、トナー粒子表面近傍を低温で軟化しやすくし、トナー粒子同士或いはトナー粒子と紙との接着性を高めることで、低温定着性を改善している。
上記した通り、非晶性ポリエステルは、ワックスとの親和性が高いアルキル基を有することが必要である。そのため、本発明に係る非晶性ポリエステルは、炭素数のピーク値が25〜102である脂肪族モノカルボン酸に由来する構造、及び/又は、炭素数のピーク値が25〜102である脂肪族モノアルコールに由来する構造を、分子鎖の末端に有する。
脂肪族モノカルボン酸に由来する構造とは、
*−O−C(=O)−R
であり、Rの部分が上記のアルキル部位である。
また、脂肪族モノアルコールに由来する構造とは、
*−O−R’
であり、R’の部分が上記のアルキル部位である。尚、*は、非晶性ポリエステルの主鎖部分との結合部である。
これらの構造は、前駆体の末端がヒドロキシ基である場合には、脂肪族モノカルボン酸を縮合させることによって形成され、前駆体の末端がカルボキシ基である場合には、脂肪族モノアルコールを縮合させることによって導入される。尚、炭素数のピーク値が25〜102である脂肪族モノカルボン酸と炭素数のピーク値が25〜102である脂肪族モノアルコールとを総称して、「長鎖モノマー」ともいう。また、ここで、“炭素数のピーク値”とは、長鎖モノマーのメインピーク分子量から算出される炭素数のことである。
ここで、「末端」とは、非晶性ポリエステルが分岐鎖を有している場合は、その分岐鎖の末端も含む。本発明において、非晶性ポリエステル樹脂が分岐鎖を有しており、該分岐鎖の末端に縮合した形態は好ましい態様の一つである。
非晶性ポリエステルの末端に長鎖モノマーを結合することで、非晶性ポリエステルの末端にアルキル部位を導入することができる。該アルキル部位の影響によりワックスの結晶化が促進されることに加え、熱溶融時には、ワックスが瞬時に非晶性ポリエステルを可塑することで低温定着性が良化する。
また、末端に結合する長鎖モノマーに由来するユニットの炭素数のピーク値が25〜102であることでワックスとの親和性が高まり、ビニル系樹脂に相溶したワックスの結晶化を促進させ、前述した低温定着性と環境安定性が得られる。
炭素数のピーク値が25未満の場合、ワックスとの親和性が低くなり結晶化の促進が不十分となる。一方、炭素数のピーク値が102を超える場合、長鎖アルキルの可塑効果の影響で非晶性ポリエステルの一部が可塑され、トナーの流動性や帯電性が低下しやすくなる。
また、透過型電子顕微鏡で観察されるトナー粒子の断面において、トナー粒子断面の輪郭から、輪郭と断面の中心点間の距離の25%以内の領域に存在するドメインの割合が、断面に存在するドメインの総面積を基準として、30〜70面積%である。
上記範囲内である場合には、トナー粒子の表面近傍でのワックスの結晶化を良好に行うことができ、低温定着性と環境安定性の両立を達成できる。
なお、トナー粒子表面近傍に非晶性ポリエステルが複数のドメインを形成するためには、例えば懸濁重合法であれば、非晶性ポリエステルの酸価および水酸基価を調整すれば良い。また、非晶性ポリエステルの分子鎖末端に親油性部位を有することや、非晶性ポリエステルとトナーの軟化点の制御やトナー製造時のアニール条件の制御により調整することができる。
以下に本発明のトナーに用いられる材料を具体的に説明する。
<結着樹脂>
結着樹脂として用いられるビニル系樹脂としては、以下のものが挙げられる。
ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;
スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;
ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸;
を用いることができ、これらは単独でまたは複数種を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にスチレン系共重合体、さらにはスチレン−アクリル酸ブチル共重合体が、現像特性、定着性の制御のしやすさといった観点で好ましい。
また、本発明のトナーの軟化点について、軟化点をある程度の範囲内に調整することが低温定着性とヒートサイクル後の耐久後の濃度の改善に有効であり、具体的には、トナーの軟化点が110〜140℃であることが好ましい。軟化点が上記の範囲内であれば、良好な低温定着性を維持しつつ、ヒートサイクルを経た後であっても外添剤の遊離や埋没を抑制することができる。そのため、帯電性と流動性とをより良好に維持しやすくなる。
なお、トナーの軟化点に関しては、架橋剤の種類や量、又、懸濁重合法(後述)においては開始剤の種類や量、反応温度などでも調整することができる。
<非晶性ポリエステル>
非晶性ポリエステルの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、5.0〜30.0質量部であることが好ましい。上記の範囲内であれば、該ビニル系樹脂中でのドメイン状態を制御しやすく、またワックスの染み出しを抑制しやすい。
非晶性ポリエステルは、トナー粒子の表面近傍に分散して、トナー粒子表面付近の溶融を促進させる成分であることが好ましく、この観点から低軟化点材料であることが好ましい。
低軟化点材料とするために、非晶性ポリエステルの合成の際に、炭素数6〜12の直鎖脂肪族ジカルボン酸を用いて、それに由来する構造を非晶性ポリエステル中に存在させることが好ましい。炭素数が6以上であると疑似結晶状態のような構造を有しやすく、樹脂が可塑しやすい傾向となり、炭素数が12以下であると非晶性ポリエステルのピーク分子量を高くした状態で、非晶性ポリエステルの軟化点を低下させやすくなる。そのため、炭素数が上記範囲内であることによって、樹脂としての耐久性を維持しつつも定着時の可塑が可能である。
また、非晶性ポリエステルは、炭素数6〜12の直鎖脂肪族ジカルボン酸を全酸成分に対して10〜50mol%含有する酸成分と、ジオールとの重縮合物であることが好ましい。この場合に、耐久性と低温定着性により優れたトナーが得られやすくなる。
非晶性ポリエステルを得るために用いられる、炭素数6〜12の直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸が挙げられる。
また、その他のカルボン酸としては、下記のものが挙げられる。2価のカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、グルタル酸、n−ドデセニルコハク酸、及びこれらの酸の無水物、もしくは低級アルキルエステル等が挙げられる。3価以上の多価カルボン酸としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸及びこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。これらの中で、テレフタル酸がピーク分子量を高く維持でき、耐久性を維持しやすくなるため好ましく用いられる。
非晶性ポリエステルを得るために用いられるアルコールとしては、以下のものが挙げられる。2価のアルコールとしては、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。3価以上のアルコールとしては、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。上記2価のアルコール及び3価以上のアルコールは、単独で、又は複数の化合物を組み合わせて用いることができる。この中で、ビスフェノールA由来のアルコールが、トナー中における非晶性ポリエステルの存在状態の制御のしやすさといった観点で好ましく用いられる。
非晶性ポリエステルは、上記のアルコール及びカルボン酸を用いて、エステル化反応、又はエステル交換反応によって製造することができる。重縮合の際には、反応を促進させるため、酸化ジブチル錫等の公知のエステル化触媒等を適宜使用してもよい。
非晶性ポリエステルの原料モノマーであるアルコールとカルボン酸とのモル比(カルボン酸/アルコール)は、0.60〜1.00であることが好ましい。
また、非晶性ポリエステルは、前述した通り、炭素数のピーク値が25〜102である脂肪族モノカルボン酸に由来する構造、及び/又は、炭素数のピーク値が25〜102である脂肪族モノアルコールに由来する構造を、分子鎖の末端に有する。結晶化促進と表面可塑とのバランスの観点から、これらの構造における炭素数のピークが27〜50であることがより好ましい。
また、上記構造の合計の含有割合は、該非晶性ポリエステルの質量を基準として、2.0〜10.0質量%であると好ましい。この範囲であると、ワックスとの関係が良好となり、ワックスの可塑効果を得つつ、ヒートサイクルを経た際のワックスの染み出しを抑制できる。
該非晶性ポリエステルのガラス転移温度(Tg)は、定着性及び耐熱保存性の観点から45〜75℃であることが好ましい。尚、ガラス転移点(Tg)は示差走査型熱量計(DSC)で測定することができる。
非晶性ポリエステルのピーク分子量(Mp(P))は、8000〜13000であることが好ましい。ピーク分子量が上記範囲内であると、低温定着性を維持しつつ、長期使用時でのトナー耐久性をさらに良化できる。
また、軟化点が85〜105℃であることが好ましい。非晶性ポリエステルの軟化点が85℃以上であると、耐久を通じてトナーの耐久性を改善しやすくなる。また、軟化点が105℃以下であると、熱による溶融が瞬時に起きるようになるため、低温定着性がより良化する。
次に、トナーに対して、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を行った際に得られる、ビニル系樹脂に由来するピーク強度をS85、非晶性ポリエステルに由来するピーク強度をS211としたとき、下記式(1)を満たすことが好ましい。
0.30≦ S211/S85 ≦3.00 式(1)
飛行時間型二次イオン質量分析では、トナー粒子表面から数nmの情報を得ることができるため、トナー粒子の最表層の構成材料を特定することができる。
S211/S85が0.30以上であると、本発明に係る非晶性ポリエステルが、トナー粒子最表層に存在することを意味し、この場合、定着時に瞬時に溶融できるため、低温定着性を良化しやすくなる。また、S211/S85が3.00以下であると、長期使用時のトナー劣化を良好に抑制できる。
<ワックス>
次に、ワックスについて説明する。ワックスとしては、トナー用途として公知のワックスを用いることができる。
例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどの石油系ワックスおよびその誘導体;
モンタンワックスおよびその誘導体;
フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスおよびその誘導体;
ポリエチレンなどのポリオレフィンワックスおよびその誘導体;
カルナバワックス、キャンデリラワックスなどの天然ワックスおよびその誘導体;などが挙げられる。誘導体には、酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物が含まれる。また、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸、酸アミドワックス、エステルワックス、硬化ヒマシ油およびその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックスなども使用できる。
また、これらのワックスにおいて、非晶性ポリエステルの末端部位との親和性を高める観点で、ワックスの炭素数は30〜70であることが好ましく、より好ましくは40〜60である。
また、トナー中でのポリエステルおよびビニル系樹脂の双方との相溶性を高めてワックスの分散性および結晶成長の促進をさせる観点からワックスとしてはモノエステルワックスおよびジエステルワックスが好ましい。これらのワックスを用いることで、ビニル樹脂中での分散性を向上させつつ、ポリエステルとの親和性向上による末端部に位置するアルキル部位との相互作用が強くなるため、ヒートサイクルでのワックス析出の抑制や、低温定着性の良化にも効果が発揮される。
ワックスの含有量は、ビニル樹脂に対して、1〜30質量%であることが好ましい。
ワックスの結晶成長に関しては後述する懸濁重合法の重合終了後の冷却工程によって、さらに改善することができる。その結果、ヒートサイクルでのワックス析出の抑制、また、ビニル系樹脂への相溶性をきわめて低減することができる。そのため、外添剤の埋没を抑制することができ、トナーの潜像担持体に対する付着力を低減することができ、転写性についても改善することができる。
<着色剤>
次に、着色剤について説明する。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中への分散性を考慮して選択される。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性微粒子、後述のイエロー着色剤/マゼンタ着色剤/シアン着色剤を用い、黒色に調色されたものを用いることができる。染料やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので、重合を経てトナーを製造する際に注意を要する。尚、磁性トナーとする場合には、磁性微粒子を黒色着色剤として使用することが好ましく、磁性微粒子としては、個数平均粒径が0.10〜0.40μmであるものが好ましい。
磁性微粒子の含有量としては、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し、20〜200質量部が好ましく、40〜150質量部がより好ましい。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。具体的には、以下の、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、128、129、138、147、150、151、154、155、168、180、185、214が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、以下の、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレッド19が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合して、更には固溶体の状態で用いることができる。
磁性微粒子以外の着色剤は、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対して、1〜20質量部添加されることが好ましい。
<製造方法>
トナーの製造方法は、特に限定されず、粉砕法、分散重合法、会合凝集法、溶解懸濁法、懸濁重合法などで製造することができる。
粉砕法でトナーを製造する場合において、非晶性ポリエステルの分散状態を制御するには、非晶性ポリエステルを外添するといった方法が挙げられる。
トナーに含まれるトナー粒子(外添剤を添加する前の粒子)は、粉砕法でも製造することができるが、分散重合法、会合凝集法、溶解懸濁法、懸濁重合法など、水系媒体中で製造されることが好ましく、それらの中でも、懸濁重合法がより好ましい。
懸濁重合法とは、重合性単量体中に、着色剤、必要に応じて、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤を溶解または分散させて、重合性単量体組成物を得る。その後、重合性単量体組成物を水系媒体(必要に応じて、分散安定剤を含有させてもよい。)に加え、重合性単量体組成物の粒子を形成し、該粒子に含有される重合性単量体を重合して、トナー粒子を得る方法である。懸濁重合法で得られるトナー(以下「重合トナー」ともいう。)は、個々のトナー粒子の形状がほぼ球形に揃っているため、規制部での流動性が向上しやすく、均一な摩擦帯電がしやすくなるため、画質が向上しやすくなる。
重合トナーの製造に用いる重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。
重合性単量体としては、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレンなどのスチレン系単量体;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル類;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル類;
などが挙げられる。その他、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなども挙げられる。これらは単独でまたは複数種を組み合わせて用いることができる。
上述の重合性単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体、を単独でまたは複数種組み合わせて使用することが、トナーの現像特性および耐久性の観点から好ましい。
尚、本発明においては、重合性単量体組成物に、上記したような非晶性ポリエステルを含有させておく必要がある。懸濁重合で用いる場合には、非晶性ポリエステルは、酸価Avが1.0〜10.0mgKOH/gであることが好ましい。この場合、非晶性ポリエステルの分散状態が好適なものとなりやすい。同様の理由で、非晶性ポリエステルの水酸基価OHvが40.0mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価、水酸基価を上記範囲とするためには、非晶性ポリエステルの分子鎖末端に長鎖アルキル基を導入することが好ましい。
その他、重合性単量体組成物には、極性樹脂を含有させることが好ましい。懸濁重合法では、水系媒体中でトナー粒子を製造するため、極性樹脂を含有させることによって、トナー粒子の表面に極性樹脂を偏在させることができ、帯電性が向上しやすくなり、濃度低下を抑制しやすい。
極性樹脂としては、例えば、
ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;
スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;
ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル、スチレン−ポリエステル、ポリアクリレート−ポリエステル、ポリメタクリレート−ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸、テルペン樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。これらは単独でまたは複数種を組み合わせて用いることができる。また、これらポリマー中に、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、スルフォン酸基、グリシジル基、ニトリル基などの官能基を導入してもよい。
重合開始剤としては、重合反応時における半減期が0.5〜30.0時間であるものが好ましい。また、使用量としては、重合性単量体100質量部に対して0.5〜20.0質量部が好ましい。
具体的な重合開始剤の例としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレートなどの過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
トナー粒子を重合法により製造する際は、架橋剤を添加してもよく、好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対して0.01〜5.00質量部である。
ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、
ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどのような芳香族ジビニル化合物;
エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;
ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;
3個以上のビニル基を有する化合物;
が単独で、または2種以上の混合物として用いられる。
水系媒体中に存在させる分散安定剤としては、各種の界面活性剤や有機分散剤・無機分散剤が使用できる。中でも無機分散剤は、有害な超微粉を生じにくく、その立体障害により分散安定性を得ているので好ましく使用できる。こうした無機分散剤の例としては、燐酸三カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛、ヒドロキシアパタイトなどの燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの無機化合物が挙げられる。
これらの無機分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜20.0質量部を用いることが好ましい。また、上記分散安定剤は単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。さらに、界面活性剤を併用してもよい。
重合性単量体を重合する工程において、重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定される。この温度範囲で重合を行うと、ワックスが相分離により析出して、より良好なワックスの内包化が起こる。
本発明で規定するような非晶性ポリエステルのドメインを有したトナーを懸濁重合法で得るためには、以下の工程が重要である。
重合性単量体の重合を終了して樹脂粒子を得た後、樹脂粒子が水系媒体に分散した状態で、非晶性ポリエステルの軟化点近辺まで昇温させ、その温度で、30分以上保持する。
前述したワックスのさらなる分散性の改良。およびトナー表面近傍に非晶性ポリエステルのドメインを形成させ、非晶性ポリエステルのドメインの個数平均径を制御するためには、以下の工程を実施することが好ましい。
まず、ワックスや非晶性ポリエステルを均一に溶融/分散させる観点から重合性単量体の重合を終了して樹脂粒子を得た後、樹脂粒子が水系媒体に分散された分散体を、非晶性ポリエステルの軟化点近辺まで昇温し、その温度で、30分以上保持することが好ましい。軟化点近辺の温度とは、例えば、非晶性ポリエステルの軟化点から軟化点+10℃程度であって、具体的には100℃程度が好ましい。
保持時間は、60分以上であることがより好ましく、120分以上であることがさらに好ましい。保持時間の上限は、製造効率の関係から24時間以下である。
その後、ワックスや非晶性ポリエステルの分散状態を維持するために、分散体を、樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以下まで、冷却速度5℃/分以上で冷却することが好ましい。冷却速度としては、20℃/分以上であることがより好ましく、冷却速度100℃/分以上であることがさらに好ましい。冷却速度の上限は、製造効率の関係から500℃/分以下程度である。
また、急速に冷却した後、ワックスの微結晶成分および非晶性ポリエステルの末端に存在する長鎖モノマーを起点とする結晶化を促進するため、冷却速度で冷却した後に、Tg−10℃以上Tg+10℃以下の温度領域で30分以上保持することが好ましい。より好ましくは、Tg−5℃以上Tg+5℃以下の温度領域である。
保持時間は、60分以上であることがより好ましく、120分以上であることがさらに好ましい。保持時間の上限は、製造効率の関係から24時間以下程度である。
得られた樹脂粒子を、濾過し、洗浄し、乾燥させることによりトナー粒子が得られる。乾燥後、粗粉や微粉の分級を行ってもよく、さらに、トナー粒子に無機微粒子などの外添剤を加えてもよい。
こうして得られるトナーのTHF可溶分のピーク分子量(Mp(T))は、15000〜30000であることが好ましい。トナーのTHF可溶分のピーク分子量(Mp(T))が上記範囲内にあると、良好な定着性を有したまま、耐久を通じて、トナーの帯電性がより良好となる。
<外添剤>
外添剤としての無機微粒子としては、一次粒子の個数平均粒径が4〜80nmのものが好ましく、より好ましくは6〜40nmのものである。さらに、上記の無機微粒子に加えて、一次粒子の個数平均粒径が100〜200nmの無機微粒子を併用することがより好ましい。こうすることで、耐久を通してトナーの流動性が確保でき、均一且つ安定した摩擦帯電性能が得られ、濃度が良化しやすくなる。無機微粒子は、トナーの流動性改良およびトナー粒子の帯電均一化のために添加されるが、シリコーンオイルやシランカップリング剤などによる疎水化処理によってトナーの帯電量の調整、環境安定性の向上などの機能を付与することも好ましい形態である。
無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径の測定は、走査型電子顕微鏡により拡大撮影したトナーの写真を用いて行う。
無機微粒子としては、シリカ、酸化チタン、アルミナなどの微粒子、あるいはそれらの複合酸化物の微粒子が使用できる。シリカ微粒子としては、例えば、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ、および、湿式シリカが挙げられる。
無機微粒子の添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.1〜3.0質量部であることが好ましい。無機微粒子の含有量は、蛍光X線分析を用い、標準試料から作成した検量線を用いて定量できる。
本発明のトナーには、上記以外の外添剤、例えば、
フッ素樹脂粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子のような滑剤粒子;
酸化セリウム粒子、炭化ケイ素粒子、チタン酸ストロンチウム粒子などの研磨剤;
ケーキング防止剤;
トナー粒子と電気的に逆極性を有する有機微粒子および無機微粒子;
を用いることもできる。これらも表面を疎水化処理して用いることも可能である。
次いで、本発明における各物性の測定方法を記載する。
<トナーおよび非晶性ポリエステルの軟化点の測定方法>
トナーおよび非晶性ポリエステルの軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。尚、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である(流動曲線の模式図を図2に示す)。
測定試料は、約1.0gのトナーまたは非晶性ポリエステルを、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
<重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに該電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに該電解水溶液約30mLを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを約2mL添加する。
(4)上記(2)のビーカーを該超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)上記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ該電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となるように適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した上記(1)丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した上記(5)電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の該専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「算術径」が重量平均粒径(D4)である。
<トナーのピーク分子量Mp(T)および非晶性ポリエステルのピーク分子量Mp(P)の測定方法>
トナーおよび非晶性ポリエステルのTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレンF−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<トナー粒子の表面からトナー粒径の25%内側までの領域に存在する、非晶性ポリエステルドメインの総面積に対する比率(面積%)の測定方法>
可視光硬化性樹脂(アロニックス LCRシリーズ D800)中にトナーを十分に分散させた後、短波長光を照射し硬化させる。得られた硬化物を、ダイアモンドナイフを備えたウルトラミクロトームで切り出し、250nmの薄片状サンプルを作製する。次いで、切り出したサンプルを透過型電子顕微鏡(日本電子社製電子顕微鏡JEM−2800)(TEM−EDX)を用いて40000〜50000倍の倍率で拡大し、トナー粒子の断面を観察し、EDXを用いて元素マッピングを行う。
なお、観察するトナー粒子断面は以下のように選択する。まずトナー粒子断面画像から、トナーの断面積を求め、その断面積と等しい面積を持つ円の直径(円相当径)を求める。この円相当径とトナーの重量平均粒径(D4)との差の絶対値が1.0μm以内であるトナー粒子断面の画像についてのみ、観察対象とする。
マッピング条件としては、保存レート:9000〜13000、積算回数:120回とする。観察画像より確認される樹脂由来の各ドメインの中で炭素元素に由来するスペクトル強度と、酸素元素に由来するスペクトル強度を測定し、酸素元素に対する炭素元素のスペクトル強度が0.05以上のドメインが非晶性ポリエステルのドメインである。非晶性ポリエステルのドメインを特定後、トナー粒子断面画像を二値化処理する。その後、トナー粒子断面に存在する非晶性ポリエステルのドメインの総面積に対する、トナー粒子の断面の輪郭から、輪郭と該断面の中心点間の距離の25%以内に存在する非晶性ポリエステルドメインの面積比率(面積%)を計算する。なお、二値化処理には、Image Pro PLUS(日本ローパー株式会社製)を用いる。
算出方法は、以下の通りである。TEM画像において、トナー粒子断面の輪郭及び中心点を求める。トナー粒子断面の輪郭は、TEM画像で観察されるトナー粒子の表面に沿ったものとする。また、トナー粒子断面の中心点は、トナー粒子断面の重心とする。
求められた中心点から、トナー粒子断面の輪郭上の点に対して線を引く。線上において、輪郭から、該輪郭と該断面の中心点間の距離の25%の位置を特定する。
そして、トナー粒子断面の輪郭に対して一周分、この操作を行い、トナー断面の輪郭から、輪郭と断面の中心点間の距離の25%の境界線を明示する。
25%の境界線が明示されたTEM画像をもとに、トナー粒子の断面の輪郭と、25%の境界線とで囲まれた領域に存在する非晶性ポリエステルのドメインの面積を計測する。そして、トナー粒子断面に存在する非晶性ポリエステルのドメインの総面積を計測し、該総面積を基準とした面積%を算出する。
<非晶性ポリエステルの酸価Avの測定方法>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。非晶性ポリエステルの酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1Lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、フェノールフタレイン溶液を数滴加え、該水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した水酸化カリウム溶液の量から求める。0.1モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕した非晶性ポリエステルの試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として該フェノールフタレイン溶液を数滴加え、水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
<非晶性ポリエステル、長鎖モノマーの水酸基価OHvの測定方法>
水酸基価とは、試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。非晶性ポリエステルの水酸基価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
特級無水酢酸25gをメスフラスコ100mLに入れ、ピリジンを加えて全量を100mLにし、十分に振りまぜてアセチル化試薬を得る。得られたアセチル化試薬は、湿気、炭酸ガス等に触れないように、褐色びんにて保存する。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム35gを20mLの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1Lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。水酸化カリウム溶液のファクターは、0.5モル/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、該フェノールフタレイン溶液を数滴加え、水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した該水酸化カリウム溶液の量から求める。0.5モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕した非晶性ポリエステルの試料1.0gを200mL丸底フラスコに精秤し、これに該のアセチル化試薬5.0mLをホールピペットを用いて正確に加える。この際、試料がアセチル化試薬に溶解しにくいときは、特級トルエンを少量加えて溶解する。
フラスコの口に小さな漏斗をのせ、約97℃のグリセリン浴中にフラスコ底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首の温度が浴の熱を受けて上昇するのを防ぐため、丸い穴をあけた厚紙をフラスコの首の付根にかぶせることが好ましい。
1時間後、グリセリン浴からフラスコを取り出して放冷する。放冷後、漏斗から水1mLを加えて振り動かして無水酢酸を加水分解する。さらに完全に加水分解するため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱する。放冷後、エチルアルコール5mLで漏斗およびフラスコの壁を洗う。
指示薬として該フェノールフタレイン溶液を数滴加え、該水酸化カリウム溶液で滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
非晶性ポリエステルの試料を用いない以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、水酸基価を算出する。
A=[{(B−C)×28.05×f}/S]+D
ここで、A:水酸基価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)、D:非晶性ポリエステルの酸価(mgKOH/g)である。
長鎖モノマーの水酸基価も上記のようにして、測定することが可能である。
<トナーのガラス転移温度Tg(℃)の測定>
トナーのガラス転移温度Tg(℃)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
先ず、トナー約4mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。この昇温過程で、温度40〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、トナー粒子のガラス転移温度Tgとする。
<飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)によるビニル系樹脂に由来するピーク強度(S85)と非晶性ポリエステルに由来するピーク強度(S211)の強度比(S211/S85)の測定方法>
TOF−SIMSを用いたビニル樹脂に由来するピーク強度(S85)と非晶性ポリエステルに由来するピーク強度(S211)の強度比(S211/S85)の測定には、アルバック・ファイ社製、TRIFT−IVを使用する。
分析条件は以下の通りである。
サンプル調製:トナー粒子をインジウムシートに付着させる。
サンプル前処理:なし
一次イオン:Auイオン
加速電圧:30kV
電荷中和モード:On
測定モード:Negative
ラスター:100μm
ビニル樹脂に由来するピーク強度(S85)の算出:
アルバック・ファイ社標準ソフト(Win Cadense)に従い、質量数84.5〜85.5の合計カウント数をピーク強度(S85)とする。
非晶性ポリエステルに由来するピーク強度(S211)の算出:
アルバック・ファイ社標準ソフト(Win Cadense)に従い、質量数210.5〜211.5の合計カウント数をピーク強度(S211)とする。
強度比(S211/S85)の算出:
算出されたS85、S211を用い、強度比(S211/S85)を算出する。
以下実施例に基づいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、これによって本発明の実施の態様がなんら限定されるものではない。実施例中の部数は特に記載が無い限り質量部である。
<トナー担持体1の作製>
(基体1の用意)
基体1として、SUS304製の直径6mmの芯金にプライマー(商品名、DY35−051;東レダウコーニング社製)を塗布し、焼き付けしたものを用意した。
(弾性ローラ1の作製)
基体1を金型に配置し、以下の材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。
・液状シリコーンゴム材料(商品名SE6724A/B;東レ・ダウコーニング社製)
100部
・カーボンブラック(商品名、トーカブラック#4300;東海カーボン社製)
15部
・耐熱性付与剤としてのシリカ粒子 0.2部
・白金触媒 0.1部
続いて、金型を加熱してシリコーンゴムを温度150℃で15分間加硫して硬化させる。周面に硬化したシリコーンゴム層が形成された基体1を金型から脱型した後、さらに温度180℃で1時間加熱して、シリコーンゴム層の硬化反応を完了させた。こうして、基体の外周面を被覆するようにシリコーンゴム弾性層が形成された直径12mmの弾性ローラ1を作製した。
(表面層1の形成)
・イソシアネート基末端プレポリマーの合成
窒素雰囲気下、反応容器中でトリレンジイソシアネート(TDI)(商品名:コスモネートT80;三井化学社製)17.7部に対し、ポリプロピレングリコール系ポリオール(商品名:エクセノール4030;旭硝子社製)100.0部を反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で2時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量3.8質量%のイソシアネート基末端プレポリマーを得た。
・アミノ化合物1の合成
攪拌装置、温度計、還流管、滴下装置および温度調整装置を取り付けた反応容器中で、攪拌しながらエチレンジアミン100.0部(1.67mol)、純水100部を40℃まで加温した。次に、反応温度を40℃以下に保持しつつ、プロピレンオキシド425.3部(7.35mol)を30分かけて少しずつ滴下した。さらに1時間攪拌して反応を行い、反応混合物を得た。得られた反応混合物を減圧下加熱して水を留去し、アミノ化合物426部を得た。
・表面層の形成
表面層の材料として、
イソシアネート基末端プレポリマー 617.9部
アミノ化合物 34.2部
カーボンブラック(商品名、MA230;三菱化学社製) 117.4部
ウレタン樹脂微粒子(商品名、アートパールC−400;根上工業社製)
130.4部
を混合し、攪拌した。
次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトン(MEK)を加えた後、サンドミルにて混合する。次いで、さらに、MEKで粘度を10〜13cpsに調整して表面層形成用塗料を調製した。
先に作製した弾性ローラ1を、表面層形成用塗料に浸漬して、弾性ローラ1の弾性層の表面に当該塗料の塗膜を形成し、乾燥した。さらに、温度150℃にて1時間加熱を行い、シリコーンゴム弾性層外周に、膜厚15μmの表面層が形成されたトナー担持体1を得た。
<長鎖モノマー1の製造例>
炭素数のピーク値が35の脂肪族炭化水素1200gをガラス製の円筒型反応容器に入れ、そこに、温度140℃で硼酸38.5gを添加した。直ちに空気50容量%と窒素50容量%の酸素濃度約10容量%の混合ガスを毎分20リットルの割合で吹き込み、200℃で3.0時間反応させた。その後、反応液に温水を加え、95℃で2時間加水分解を行い、静置後上層の反応物を捕集した。反応物20部をn−ヘキサン100部に加え、未変性成分の除去を行い、脂肪族モノアルコールである長鎖モノマー1を得た。得られた長鎖モノマー1の諸物性を表1に示す。尚、表1中における“変性率”とは、長鎖アルキル成分の分子の数に対する、変性によって導入された官能基の割合のことであり、長鎖アルキル成分の分子の数と導入された官能基の数が同じであれば、100%となる。長鎖アルキル成分の分子数は、平均炭素数を用いて算出され、導入された官能基の数は、水酸基価や酸価を測定することにより求めることができる。
<長鎖モノマー2〜8の製造例>
使用する脂肪族炭化水素の炭素数のピーク値と反応時間や温度を表1に示した通りに変更した以外は長鎖モノマー1の製造例と同様にして長鎖モノマー2〜8を製造した。
<非晶性ポリエステル1の製造例>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、表2に示す量のモノマーを加え、さらに、触媒としてジブチル錫をモノマー総量100部に対して1.5部添加した。次いで、窒素雰囲気下にて常圧で180℃まで素早く昇温後、180℃から210℃まで10℃/時間の速度で加熱しながら水を留去して重縮合を行った。210℃に到達してから反応槽内を5kPa以下まで減圧し、210℃、5kPa以下の条件下にて重縮合を行い、非晶性ポリエステル1を得た。非晶性ポリエステル1の物性を表2に示す。
<非晶性ポリエステル2〜24の製造例>
原料モノマー及びその使用量を表2に記載のように変更した以外は、非晶性ポリエステル1の製造例と同様にして、非晶性ポリエステル2〜24を得た。尚、得られる非晶性ポリエステルのピーク分子量が表2の値となるように重合時間を調整した。これらの非晶性ポリエステルの物性を表2に示す。
<非晶性ポリエステル25の製造>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物100g、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物189g、テレフタル酸51g、フマル酸61g、アジピン酸25g及びエステル化触媒(オクチル酸スズ)2gを入れ、230℃で重縮合反応させた。
さらに、8kPaで1時間反応させ、160℃まで冷却した後、アクリル酸6g、スチレン70g、n−ブチルアクリレート31g及び重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド)20gの混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下し、滴下後、160℃に保持したまま、付加重合反応を継続させた。
その後、200℃に昇温し、10kPaで1時間保持して、未反応のアクリル酸、スチレン及びn−ブチルアクリレートを除去し、ビニル重合体部位とポリエステル部位とが結合してなる複合樹脂である非晶性ポリエステル25を得た。得られた非晶性ポリエステル25の軟化点(Tm)は105℃、酸価(Av)は10mgKOH/gであった。
<処理磁性体の製造>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.00〜1.10当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対しリン元素換算で0.15質量%となる量のP、鉄元素に対して珪素元素換算で0.50質量%となる量のSiOを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを8.0とし、空気を吹き込みながら85℃で酸化反応を行い、種晶を有するスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.90〜1.20当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加え、スラリー液をpH7.6に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。濾過、洗浄した後、この含水スラリー液を一旦取り出した。この時、含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておく。次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に投入し、撹拌すると共にスラリーを循環させながらピンミルにて再分散させ、再分散液のpHを約4.8に調整した。そして、撹拌しながらn−ヘキシルトリメトキシシランを磁性酸化鉄100部に対し1.6部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、加水分解を行った。その後、撹拌を十分行い、分散液のpHを8.6にして表面処理を行った。生成した疎水性磁性体をフィルタープレスにてろ過し、多量の水で洗浄した後に100℃で15分、90℃で30分乾燥し、得られる粒子を解砕処理して個数平均粒径が0.21μmの処理磁性体を得た。
<トナー粒子1の製造例>
イオン交換水720部に0.1モル/L−NaPO水溶液450部を投入して60℃に加温した後、1.0モル/L−CaCl水溶液67.7部を添加して、分散安定剤を含む水系媒体を得た。
・スチレン 75.0部
・n−ブチルアクリレート 25.0部
・非晶性ポリエステル1 10.0部
・ジビニルベンゼン 0.6部
・モノアゾ染料の鉄錯体(T−77:保土ヶ谷化学社製) 1.5部
・上記処理磁性体 65.0部
上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて分散混合して単量体組成物を得た。この単量体組成物を63℃に加温し、そこにエステルワックス(融点70℃)9.0部を添加混合し、溶解した。その後、重合開始剤tert−ブチルパーオキシピバレート6.0部を溶解した。
上記水系媒体中に上記単量体組成物を投入し、60℃、N雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))にて12000rpmで10分間撹拌し、造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ70℃で4時間反応した。反応終了後、ここで得られた水系媒体中には、着色粒子が分散しており、着色粒子表面には無機分散剤として、リン酸カルシウムが付着していることを確認した。
続いて、着色粒子が分散した水系媒体を100℃まで昇温させ、120分間保持した。その後、水系媒体に5℃の水を投入し、100℃/分の冷却速度で100℃から50℃に冷却した。続いて、水系媒体を50℃で120分間保持した。
その後、水系媒体に、塩酸を加えてリン酸カルシウムを溶解した後に、洗浄濾過し、乾燥してトナー粒子1を得た。得られたトナー粒子を用いてガラス転移温度Tgを測定したところ、55℃であった。トナー粒子1の製造条件を表3に示した。
<トナー粒子2〜41の製造>
トナー粒子1の製造において、非晶性ポリエステルおよびワックスの種類/添加量、製造条件を表3および表4に記載するように変更した。また、トナー粒子36〜38の製造においては、処理磁性体に変えて、カーボンブラック(商品名:MA−100、三菱化学社製)8.0部を用いた。
それ以外はトナー粒子1の製造と同様にして、トナー粒子2〜41を製造した。
<トナー粒子42の製造>
(各分散液の調製)
〔樹脂粒子分散液(1)〕
・スチレン 325部
・n−ブチルアクリレート 100部
・アクリル酸 13部
・1,10−デカンジオールジアクリレート 1.5部
・ドデカンチオール 3部
上記成分を予め混合して、混合液を調製した。アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックスA211)9部をイオン交換水580部に溶解した界面活性剤溶液をフラスコに収容し、そこに上記混合液のうち400部を投入して分散し、乳化して10分間ゆっくりと撹拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム6部を溶解したイオン交換水50部を投入した。
次いで、フラスコ内を窒素で十分に置換した後、フラスコを撹拌しながらオイルバスでフラスコ内が75℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続して樹脂粒子分散液(1)を得た。
樹脂粒子分散液(1)から樹脂粒子を分離して物性を調べたところ、個数平均粒径は195nm、分散液中の固形分量は42%、ガラス転移温度は51.5℃、重量平均分子量(Mw)は32000であった。
〔樹脂粒子分散液(2)〕
・非晶性ポリエステル25 20部
・イオン交換水 79部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)
有効成分として1部
上記成分を混合した後、混合液のpHをアンモニアを用いて8.5に調整した。その後、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)を高温高圧型に改造した装置を用いて、
・回転子の回転速度60Hz
・圧力5kg/cm
・熱交換器により140℃に加熱
の条件で運転して、樹脂微粒子分散液(2)を得た。
樹脂粒子分散液(2)から樹脂粒子を分離して物性を調べたところ、分散液中の固形分量は20%、個数平均粒径は200nmであった。
〔着色剤分散液〕
・カーボンブラック: 20部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR): 2部
・イオン交換水: 78部
上記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、3000rpmで2分間、顔料を水になじませた。さらに5000回転で10分間分散後、通常の撹拌器で1昼夜撹拌させて脱泡した後、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン社製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで約1時間分散させて着色剤分散液を得た。さらに分散液のpHを6.5に調整した。
〔離型剤分散液〕
・炭化水素系ワックス: 45部
(フィッシャートロプシュワックス、最大吸熱ピークのピーク温度が78℃、重量平均分子量が750)
・カチオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬): 5部
・イオン交換水: 200部
上記成分を混合後、95℃に加熱して、ホモジナイザー(同上)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、個数平均径190nm、固形分量25%の離型剤分散液を得た。
(トナー粒子の製造)
・イオン交換水 400部
・樹脂粒子分散液(1)620部(樹脂粒子濃度:42%)
・樹脂粒子分散液(2)279部(樹脂粒子濃度:20%)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、有効成分量:60%)
1.5部(有効成分として0.9部)
以上の成分を、温度計、pH計、撹拌機を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、撹拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、着色剤分散液88部、離型剤分散液60部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。次いで、撹拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(同上)にて、3000rpmで分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.33部、0.1%硝酸水溶液37.5部の混合溶液の半分を添加した。その後、分散回転数を5000rpmにして、残りの半分を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、6分間分散した。
反応容器に、撹拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に撹拌するように撹拌機の回転数を適宜調整しながら、42℃まで、0.5℃/分で昇温し、42℃で15分保持した。その後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、コールターマルチサイザーにて粒径を測定し、重量平均粒径が7.8μmとなったところで、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で96℃まで昇温し、96℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、2時間目でほぼ球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で通水洗浄し、ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になった粒子を取り出し、粒子質量の10倍量のイオン交換水中に投入した。次いで、スリーワンモータで撹拌し、充分に粒子がほぐれたところで、1.0%硝酸水溶液でpHを3.8に調整して10分間保持した。その後、再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。得られたケーキ状になった粒子をサンプルミルで解砕して、40℃のオーブン中で24時間乾燥した。さらに得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子42を得た。
<トナー1の製造>
トナー粒子1を100部と、BET比表面積値が120m/gの疎水性シリカ微粒子1.2部(一次粒子の個数平均粒径12nmのシリカにヘキサメチルジシラザンで処理をした後、シリコーンオイルで処理したもの)を、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))を用い混合し、トナー1を調製した。トナー1の物性を表5に示す。
<トナー2〜38、比較用トナー1〜4の製造>
トナー1の製造において、表5に示すようにトナー粒子を変更し、トナー2〜38、比較用トナー1〜4を得た。トナー2〜38、比較用トナー1〜4の物性を表5に示す。
<実施例1〜38、比較例1〜4>
トナー1〜38、比較用トナー1〜4を用いて、以下の評価を行った。評価結果を表6に示す。
プリンターLBP7700C(キヤノン製)を改造して画像出力評価に用いた。改造点としては、トナー担持体1に変更し、現像装置のトナー供給部材(図1に示しているトナーの供給ローラ:48)をはずし、トナー供給部材への電圧印加をオフにした。なお、トナー担持体と感光ドラムの当接部の幅が1.1mmとなるように当接圧を調整し、さらに、プロセススピードを35ppmになるように改造した。
このようにすることで、トナーの担持体への搬送性を厳しくすると共に耐久中のストレスを高くすることができるため、画像濃度及び耐久による画像濃度変化を厳しく評価することが可能となる。
上記のように改造した現像装置に評価するトナーを100g充填し、シアンステーションにセットし、画像評価を行った。なお、耐久印字画像としては印字率が1%となるような横線を用い、耐久条件としては2枚間欠通紙にて試験を行った。評価結果を表5に示す。
各評価の評価方法とその判断基準について、以下に述べる。
[低温定着性(テープ剥離)]
上記装置から一旦定着器を取り外し、未定着画像を排出できるように改造した。その後、ベタ画像のトナー載り量が0.8mg/cmとなるように印加電圧を調整し、評価紙(坪量105g/mのbusiness4200、ゼロックス社製)上に未定着画像を形成した。その後、常温常湿環境下(23℃、50%RH)で、取り外した定着器の定着ローラの設定温度を170℃から220℃までの温度域で5℃ずつ変化させながら、定着画像を形成した。
得られた定着画像のベタ黒画像部の画像濃度を5点測定して、その平均値を算出し、「初期濃度」とした。
その後、ベタ黒画像部にポリエステルテープ(No.5515 ニチバン社製)を張り付け、ポリエステルテープ上において、100gの荷重を3往復して、該ポリエステルテープを画像に密着させた。その後、該ポリエステルテープをゆっくりとはがした後、ポリエステルテープをはがした箇所該の画像濃度を5点測定して、その平均値を算出し、「テープ剥離後濃度」とした。なお画像濃度の測定はエックスライト(エックスライト社製、500シリーズ、濃度測定モード)を使用した。
そして、初期濃度とテープ剥離後濃度との差を初期濃度で除して100倍することにより、テープ剥離後の濃度低下率(%)を求めた。テープ剥離後の濃度低下率が10%未満となる最低温度を定着性の評価指標とし、以下の基準でA〜Dにランク付けした。
A:180℃以下
B:185℃、あるいは190℃
C:195℃、あるいは200℃
D:205℃以上
[高温高湿環境における初期及び多数枚画像形成後の画像濃度]
高温高湿環境下(32.5℃,85%RH)で画像形成を行い、初期及び多数枚画像形成後(5000枚後)にベタ画像(FFH)を印字した。濃度計エックスライト(エックスライト社製、500シリーズ、濃度測定モード)を用いて、得られた画像上の6点の画像濃度を測定し、それらの平均値をとって、該画像の画像濃度とした。初期の画像濃度、および初期の画像濃度と多数枚画像形成後の画像濃度の差を用いて、以下の基準で評価した。
・初期画像濃度
A:1.45以上
B:1.35以上1.45未満
C:1.25以上1.35未満
D:1.25未満
・初期と多数枚画像形成後の画像濃度の差
A:濃度の差分が0.05未満
B:濃度の差分が0.05以上0.10未満
C:濃度の差分が0.10以上0.15未満
D:濃度の差分が0.15以上
[ヒートサイクル後の初期及び多数枚画像形成後の画像濃度]
評価するトナーをヒートサイクル環境下に放置した。ヒートサイクルの条件を以下に示す。
(1)25℃で1時間保持する。
(2)11時間かけて45℃まで直線的に温度を上げる。
(3)45℃で1時間保持する。
(4)11時間かけて25℃まで直線的に温度を下げる。
上記(1)から(4)までを1サイクルとして、計20サイクル行った。その後、高温高湿環境下(32.5℃,85%RH)で、1000枚の画像形成を行った。初期及び1000枚後に、ベタ画像(FFH)を印字した。濃度計エックスライト(エックスライト社製、500シリーズ、濃度測定モード)を用いて、得られた画像上の6点の画像濃度を測定し、それらの平均値をとって該画像の画像濃度とした。初期の画像濃度、および初期の濃度と1000枚出力後の画像濃度の差を用いて、以下の基準で評価した。
・初期
A:1.45以上
B:1.35以上1.45未満
C:1.25以上1.35未満
D:1.25未満
・初期と1000枚出力後の画像濃度の差
A:濃度の差分が0.05未満
B:濃度の差分が0.05以上0.10未満
C:濃度の差分が0.10以上0.15未満
D:濃度の差分が0.15以上
[ヒートサイクル後の高温高湿環境における初期の転写性]
トナーの載り量を0.65mg/cmに設定したベタ画像を出力する際、感光体上のトナー量と評価紙上のトナー量との質量変化から転写効率を求めた(感光体上トナー量が全量評価紙上に転写された場合を転写効率100%とする)。
A:転写効率が90%以上
B:転写効率が80%以上90%未満
C:転写効率が70%以上80%未満
D:転写効率が70%未満

Claims (7)

  1. 結着樹脂、着色剤、ワックス、および、非晶性ポリエステルを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該結着樹脂は、ビニル系樹脂を含有し、
    該非晶性ポリエステルは、炭素数のピーク値が25〜102である脂肪族モノカルボン酸に由来する構造、及び/又は、炭素数のピーク値が25〜102である脂肪族モノアルコールに由来する構造を、分子鎖の末端に有する非晶性ポリエステルであり、
    透過型電子顕微鏡(TEM)で観察されるトナー粒子の断面において、
    該ビニル系樹脂をマトリクスとし、該非晶性ポリエステルで構成される複数のドメインが該マトリクス中に分散した、マトリクス−ドメイン構造が確認され、
    該トナー粒子断面の輪郭から、該輪郭と該断面の中心点間の距離の25%以内の領域に存在するドメインの割合が、該トナー粒子断面に存在する該ドメインの総面積を基準として、30〜70面積%である、
    ことを特徴とするトナー。
  2. 該非晶性ポリエステルの含有量が、該結着樹脂100質量部に対して5.0〜30.0質量部である、請求項1に記載のトナー。
  3. 該非晶性ポリエステルのピーク分子量(Mp)が8000〜13000であり、
    非晶性ポリエステルの軟化点が85〜105℃である、請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該非晶性ポリエステルは、炭素数のピーク値が27〜50の脂肪族モノカルボン酸及び炭素数のピーク値が27〜50の脂肪族モノアルコールに由来する構造を末端に有する非晶性ポリエステルである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 該非晶性ポリエステルの酸価が、1.0〜10.0mgKOH/gである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 該非晶性ポリエステルが、炭素数6〜12の直鎖脂肪族ジカルボン酸を全酸成分に対して10〜50mol%含有する酸成分と、ジオールとの重縮合物である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトナー。
  7. 飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)で得られる該トナーの該ビニル樹脂に由来するピーク強度をS85、該非晶性ポリエステル樹脂に由来するピーク強度をS211としたとき、下記式(1)を満たす、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のトナー。
    0.30≦ S211/S85 ≦3.00 (1)
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