JP6827639B2 - 介助用移乗器及び移乗方法 - Google Patents

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Description

本発明は、介助用移乗器及び介助用移乗器を用いた移乗方法に関する。
日本における要介助者は、社会の高齢化に伴い年々増加傾向にあり介助者への負担も増加している。介助者が行う介助作業の中で特に負担が大きいのは、被介助者の移乗作業である。移乗作業とは、身体的障害や高齢化によって自力での歩行が困難な人をベッドから車椅子へ、車椅子からトイレの便座へ、あるいは車椅子から乗用車の座席へ移動させる際の待機位置と目的位置との相互間の乗り移り作業である。乗り移り作業では、介助者は中腰での作業や脱力した状態の被介助者を抱き上げる必要があるため、関節や腰など身体への負担が大きい。
特許文献1では、介助者を補助するための移乗器具を用いて移乗作業を行っている。移乗器具による移乗動作の際は、着座した状態の被介助者が自ら足を上げてローラクッションを跨ぎ、介助者が被介助者を押してローラクッション上を滑らせることによって被介助者を移乗器具に乗せている。介助者は、ローラクッションを膝裏に引き上げて固定し、被介助者を前傾姿勢にして胸部保持部材に上半身を預け、ベルトを背中に回して被介助者を固定している。
特許文献2に記載されている介護補助装置では、被介助者が立膝の状態でベッド等に座らせて、差込部材を被介助者とベッドとの間に差し込む。このとき同時に、腕部を被介助者の脇の下に差し込む。被介助者は、膝を伸ばすことによって重心を前方に移動させる。同時に、昇降装置で差込部材を上昇させ、被介助者をベッドから引き離すことにより、被介助者を任意の場所に移動することができる。
特開2011−156255号公報 特開2013−31635号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている移乗器具では、被介助者が自ら足を上げてローラクッションを跨ぐ必要がある。介助者によっては足が不自由な場合もあり、膝や太腿の関節が硬くなってしまって足を上げることに痛みを感じるケースもある。また、被介助者は介助者の介助のもと、ローラクッション上を滑ってベッドから移乗器具に乗り移る必要がある。しかし、体重が臀部にかかっている状態から腿裏のローラクッションの滑りを利用して移乗器具に乗り移ることは身体が不自由な被介助者にとって負担が大きい。さらに、被介助者が脱力した状態の場合には、介助者が被介助者を移乗器具に乗り移らせることが困難となる。
特許文献2に記載の介護補助装置では、被介助者とベッドとの間に差込部材を挿入する必要がある。差込部材を挿入する際には、衣服やシーツの状態によっては円滑に挿入することが難しい場合もあり、被介助者が脱力した状態では差込部材を挿入することが困難となることも考えられる。また、被介助者は立膝の状態でベッド上で待機し、差込部材の挿入の後に膝を伸ばす。介助者によっては足が不自由な場合もあり、膝や太腿の関節が硬くなってしまって膝を曲げることに痛みを感じるケースもある。
そこで、本発明は被介助者及び介助者にかかる負担を低減した介助用移乗器及び介助用移乗器を用いた移乗方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために第1の発明は、複数の車輪が設けられたベース部と、前記ベース部に立設され、被介助者の胸部を支持する胸支持部と、前記ベース部に接続され、前記被介助者の大腿部に当接する大腿支持部が着脱可能に設けられた支持部材と、前記支持部材を移動させ任意の位置で固定可能な移動手段と、を有する介助用移乗器であって、前記大腿支持部は、前記支持部材に装着された状態で前記支持部材と交差する方向に延び、前記支持部材は、前記大腿支持部を取り外した状態で前記被介助者の下腿部の間又は側面を通過可能であって、前記大腿支持部を取り付けた状態で前記下腿部の間又は側面を通過不能であることを特徴とする介助用移乗器を提供する。
第1の発明によると、大腿支持部が支持部材に着脱可能に設けられているため、大腿支持部を取り外して支持部材を被介助者の下腿部間又は側面を通過させた後に大腿支持部を支持部材に取り付けることにより、被介助者は座位状態で下半身を動かすことなく介助用移乗器の乗り降りが可能になる。これにより、膝や太腿の関節が不自由な比較的重度な被介助者であっても、被介助者に負担をかけることなく介助用移乗器への移乗を行うことができる。介助者も被介助者の身体を動かす必要がなくなるため、介助者の身体的負担も低減することができる。また、被介助者は胸支持部と大腿支持部とによって身体を支持されるため、被介助者の体重が分散される。これにより、安定して被介助者を支持することができる。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記支持部材の一端部は前記ベース部の回動支持部に接続され、前記支持部材の他端部に前記大腿支持部が着脱可能に設けられ、前記移動手段は、前記一端部と前記他端部との間の被押圧部を押圧することにより、前記支持部材を前記回動支持部を中心に回動させることを特徴としている。
第2の発明によると、移動手段は被押圧部を押圧することにより支持部材を回動支持部を中心に回動させるため、移動手段のストロークが短くても大腿支持部の移動距離を大きく確保することができる。これにより、移動手段の小型化を図ることができる。また、移動手段が任意の位置で支持部材を固定可能であるため、大腿支持部を任意の高さで固定することができる。これにより、移乗の前後で高低差がある場合であっても、被介助者を移乗させることができる。さらに、移動手段を設置する位置によって、移動手段のストロークと大腿支持部の動作量を任意に設定することができる。
また、第3の発明は、第1の発明及び第2の発明において、前記大腿支持部は、前記被介助者が着座した状態において、前記被介助者の前記大腿部に当接することを特徴としている。
第3の発明によると、大腿支持部は被介助者の大腿部に当接するため、被介助者の臀部には大腿支持部が干渉しない。これにより、被介助者が介助用移乗器に乗った状態のまま容易にズボンの脱ぎ着をすることができる。介助用移乗器では、トイレへの移動に利用することが多いため、介助用移乗器に乗った状態のままズボンを脱ぎ着させることで、被介助者が立ち上がる必要がなくなる。これにより、被介助者及び介助者の身体的負担を軽減することができる。
本発明の別の観点によると、第4の発明では、複数の車輪が設けられたベース部と、前記ベース部に立設され、被介助者の胸部を支持する胸支持部と、前記ベース部に接続され、前記被介助者の大腿部に当接する大腿支持部が着脱可能に設けられた支持部材と、前記支持部材を移動させ任意の位置で固定可能な移動手段と、を有する介助用移乗器であって、前記大腿支持部は、前記支持部材に装着された状態で前記支持部材と交差する方向に延び、前記支持部材は、前記大腿支持部を取り外した状態で前記被介助者の下腿部の間又は側面を通過可能であって、前記大腿支持部を取り付けた状態で前記下腿部の間又は側面を通過不能であることを特徴とする前記介助用移乗器によって前記被介助者を移乗させる方法であって、前記大腿支持部を取り外した状態で前記支持部材を前記下腿部の間又は側面を通過させるステップと、前記大腿支持部を前記支持部材に装着するステップと、前記被介助者が前傾姿勢になることにより前記胸部を前記胸支持部で支持するステップと、前記移動手段によって前記支持部材を移動させ前記被介助者を持ち上げるステップと、前記介助用移乗器を移動させるステップと、前記移動手段によって前記支持部材を移動させ前記被介助者を下ろすステップと、前記大腿支持部を前記支持部材から取り外すステップと、前記支持部材を前記下腿部の間又は側面を通過させて前記介助用移乗器を前記被介助者から離間させるステップと、を有することを特徴とする移乗方法を提供している。
第4の発明によると、大腿支持部が着脱可能に設けられているため、大腿支持部を取り外して支持部材を被介助者の下腿部間を通過させて大腿支持部を支持部材に取り付けることにより、被介助者は下半身を動かすことなく介助用移乗器の乗り降りが可能になる。これにより、膝や太腿の関節が硬くなった被介助者への身体の負担を低減することができる。介助者も被介助者の身体を動かす必要がなくなるため、介助者の身体的負担も低減することができる。また、被介助者は胸支持部と大腿支持部とによって身体を支持されるため、被介助者の体重が分散される。これにより、安定して被介助者を支持することができる。
本発明の別の観点によると、第5の発明では、複数の車輪が設けられたベース部と、前記ベース部に立設され、被介助者の胸部を支持する胸支持部と、前記ベース部に接続され、前記被介助者の大腿部に当接する大腿支持部が設けられた支持部材と、前記支持部材を移動させ任意の位置で固定可能な移動手段と、を有する介助用移乗器であって、前記大腿支持部は、閉じ位置と開き位置とを移動可能であって、前記開き位置にあるときは前記支持部材と交差する方向に延び、前記支持部材は、前記大腿支持部が閉じ位置にあるときは前記被介助者の下腿部の間又は側面を通過可能であって、前記大腿支持部が開き位置にあるときは前記下腿部の間又は側面を通過不能であることを特徴とする介助用移乗器を提供している。
第5の発明によると、大腿支持部が閉じ位置と開き位置との移動可能に設けられているため、大腿支持部を閉じ位置にして支持部材を被介助者の下腿部間を通過させ大腿支持部を開き位置に戻すことにより、被介助者は下半身を動かすことなく介助用移乗器の乗り降りが可能になる。これにより、膝や太腿の関節が硬くなった被介助者への身体の負担を低減することができる。介助者も被介助者の身体を動かす必要がなくなるため、介助者の身体的負担も低減することができる。また、被介助者は胸支持部と大腿支持部とによって身体を支持されるため、被介助者の体重が分散される。これにより、安定して被介助者を支持することができる。
本発明の別の観点によると、第6の発明では、複数の車輪が設けられたベース部と、前記ベース部に立設され、被介助者の胸部を支持する胸支持部と、前記ベース部に接続され、前記被介助者の大腿部に当接する大腿支持部が設けられた支持部材と、前記支持部材を移動させ任意の位置で固定可能な移動手段と、を有する介助用移乗器であって、前記大腿支持部は、閉じ位置と開き位置とを移動可能であって、前記開き位置にあるときは前記支持部材と交差する方向に延び、前記支持部材は、前記大腿支持部が閉じ位置にあるときは前記被介助者の下腿部の間又は側面を通過可能であって、前記大腿支持部が開き位置にあるときは前記下腿部の間又は側面を通過不能であることを特徴とする前記介助用移乗器によって前記被介助者を移乗させる方法であって、前記大腿支持部を前記閉じ位置とし前記支持部材を前記下腿部の間又は側面を通過させるステップと、前記大腿支持部を前記開き位置とするステップと、前記被介助者が前傾姿勢になることにより前記胸部を前記胸支持部で支持するステップと、前記移動手段によって前記支持部材を移動させ前記被介助者を持ち上げるステップと、前記介助用移乗器を移動させるステップと、前記移動手段によって前記支持部材を移動させ前記被介助者を下ろすステップと、前記大腿支持部を閉じ位置とし、前記支持部材を前記下腿部の間又は側面を通過させて前記介助用移乗器を前記被介助者から離間させるステップと、を有することを特徴とする移乗方法を提供している。
第6の発明によると、大腿支持部が閉じ位置と開き位置との移動可能に設けられているため、大腿支持部を閉じ位置にして支持部材を被介助者の下腿部間を通過させ大腿支持部を開き位置に戻すことにより、被介助者は下半身を動かすことなく介助用移乗器の乗り降りが可能になる。これにより、膝や太腿の関節が硬くなった被介助者への身体の負担を低減することができる。介助者も被介助者の身体を動かす必要がなくなるため、介助者の身体的負担も低減することができる。また、被介助者は胸支持部と大腿支持部とによって身体を支持されるため、被介助者の体重が分散される。これにより、安定して被介助者を支持することができる。
本発明の別の観点によると、第7の発明では、複数の車輪が設けられたベース部と、被介助者の胸部を支持する胸支持部と、前記被介助者の大腿部に当接する大腿支持部が設けられた支持ユニットと、前記支持ユニットを移動させ任意の位置で固定可能な移動手段と、前記支持ユニットと前記移動手段とを繋ぐリンク機構と、前記リンク機構を支持する第1リンク支持部と、前記リンク機構を前記第1リンク支持部とは異なる位置で支持する第2リンク支持部と、を有する介助用移乗器であって、前記大腿支持部は、閉じ位置と開き位置とを移動可能であって、前記リンク機構は、第1端部が前記移動手段に接続し、前記第1端部と反対に位置する第2端部が接続部材に接続し、前記第1端部と前記第2端部との間であって中央よりも前記第1端部側に寄った位置で前記第1リンク支持部に回動可能に支持される第1リンクと、第3端部が前記接続部材に接続し、前記第3端部と反対に位置する第4端部が前記支持ユニットに接続し、前記第3端部と前記第4端部との間であって中央よりも前記第3端部側に寄った位置で前記第2リンク支持部に回動可能に支持される第2リンクと、から構成され、前記支持ユニットは、前記大腿支持部が閉じ位置にあるときは前記被介助者の下腿部の間又は側面を通過可能であって、前記大腿支持部が開き位置にあるときは前記下腿部の間又は側面を通過不能であることを特徴とする介助用移乗器を提供している。
第7の発明によると、リンク機構は移動手段と支持ユニットとを繋いでいるため、移動手段の移動量がリンク機構を介して拡大されて支持ユニットに伝達される。具体的には、第1リンク部は、中央から移動手段に接続される第1端部側に寄った位置で第1リンク支持部に支持されているため、移動手段の移動量は第1リンク部によって拡大される。さらに、第2リンク部は、中央から接続部材に接続される第3端部側に寄った位置で第2リンク支持部に支持されているため、第1リンク部によって拡大された移動量が第2リンク部によってさらに拡大されて支持ユニットに伝達される。これにより、少ない移動手段の移動量で支持ユニットを多く移動させることができるため、移動手段に手動式の油圧ジャッキを用いた場合には、省力で被介助者を持ち上げることが可能となる。
本発明の別の観点によると、第8の発明では、複数の車輪が設けられたベース部と、被介助者の胸部を支持する胸支持部と、前記被介助者の大腿部に当接する大腿支持部が設けられた支持ユニットと、前記支持ユニットを移動させ任意の位置で固定可能な移動手段と、前記支持ユニットと前記移動手段とを繋ぐリンク機構と、前記リンク機構を支持する第1リンク支持部と、前記リンク機構を前記第1リンク支持部とは異なる位置で支持する第2リンク支持部と、を有する介助用移乗器であって、前記大腿支持部は、閉じ位置と開き位置とを移動可能であって、前記リンク機構は、接続部材と、第1端部が前記移動手段に接続し、前記第1端部と反対に位置する第2端部が前記接続部材に接続し、前記第1端部と前記第2端部との間であって中央よりも前記第1端部側に寄った位置で前記第1リンク支持部に回動可能に支持される第1リンクと、第3端部が前記接続部材に接続し、前記第3端部と反対に位置する第4端部が前記支持ユニットに接続し、前記第3端部と前記第4端部との間であって中央よりも前記第3端部側に寄った位置で前記第2リンク支持部に回動可能に支持される第2リンクと、から構成され、前記支持ユニットは、前記大腿支持部が閉じ位置にあるときは前記被介助者の下腿部の間又は側面を通過可能であって、前記大腿支持部が開き位置にあるときは前記下腿部の間又は側面を通過不能であることを特徴とする前記介助用移乗器によって前記被介助者を移乗させる方法であって、前記大腿支持部を前記閉じ位置とし前記支持ユニットを前記下腿部の間又は側面を通過させるステップと、前記大腿支持部を前記開き位置とするステップと、前記被介助者が前傾姿勢になることにより前記胸部を前記胸支持部で支持するステップと、前記移動手段によって前記リンク機構を介して前記支持ユニットを移動させ前記被介助者を持ち上げるステップと、前記介助用移乗器を移動させるステップと、前記移動手段によって前記リンク機構を介して前記支持ユニットを移動させ前記被介助者を下ろすステップと、前記大腿支持部を閉じ位置とし、前記支持ユニットを前記下腿部の間又は側面を通過させて前記介助用移乗器を前記被介助者から離間させるステップと、を有することを特徴とする移乗方法を提供している。
第8の発明によると、リンク機構が移動手段と支持ユニットとを繋いでいるため、移動手段の移動量がリンク機構を介して拡大されて支持ユニットに伝達される。具体的には、第1リンク部は、中央から移動手段に接続される第1端部側に寄った位置で第1リンク支持部に支持されているため、移動手段の移動量は第1リンク部によって拡大される。さらに、第2リンク部は、中央から接続部材に接続される第3端部側に寄った位置で第2リンク支持部に支持されているため、第1リンク部によって拡大された移動量が第2リンク部によってさらに拡大されて支持ユニットに伝達される。これにより、少ない移動手段の移動量で支持ユニットを多く移動させることができるため、移動手段に手動式の油圧ジャッキを用いた場合には、省力で被介助者を持ち上げることが可能となる。さらに、大腿支持部が閉じ位置と開き位置との移動可能に設けられているため、大腿支持部を閉じ位置にして支持部材を被介助者の下腿部間を通過させ大腿支持部を開き位置に戻すことにより、被介助者は下半身を動かすことなく介助用移乗器の乗り降りが可能になる。これにより、膝や太腿の関節が硬くなった被介助者への身体の負担を低減することができる。介助者も被介助者の身体を動かす必要がなくなるため、介助者の身体的負担も低減することができる。また、被介助者は胸支持部と大腿支持部とによって身体を支持されるため、被介助者の体重が分散される。これにより、安定して被介助者を支持することができる。
本発明の別の観点によると、第9の発明では、複数の車輪が設けられたベース部と、被介助者の胸部を支持する胸支持部と、前記被介助者の大腿部に当接する大腿支持部が着脱可能に設けられた支持ユニットと、前記支持ユニットを移動させ任意の位置で固定可能な移動手段と、前記支持ユニットと前記移動手段とを繋ぐリンク機構と、前記リンク機構を支持する第1リンク支持部と、前記リンク機構を前記第1リンク支持部とは異なる位置で支持する第2リンク支持部と、を有する介助用移乗器であって、前記リンク機構は、接続部材と、第1端部が前記移動手段に接続し、前記第1端部と反対に位置する第2端部が前記接続部材に接続し、前記第1端部と前記第2端部との間であって中央よりも前記第1端部側に寄った位置で前記第1リンク支持部に回動可能に支持される第1リンクと、第3端部が前記接続部材に接続し、前記第3端部と反対に位置する第4端部が前記支持ユニットに接続し、前記第3端部と前記第4端部との間であって中央よりも前記第3端部側に寄った位置で前記第2リンク支持部に回動可能に支持される第2リンクと、から構成され、前記支持ユニットは、前記大腿支持部を取り外した状態で前記被介助者の下腿部の間又は側面を通過可能であって、前記大腿支持部を取り付けた状態で前記下腿部の間又は側面を通過不能であることを特徴とする介助用移乗器を提供している。
第9の発明によると、大腿支持部が支持ユニットに着脱可能に設けられているため、大腿支持部を取り外して支持ユニットを被介助者の下腿部間又は側面を通過させた後に大腿支持部を支持ユニットに取り付けることにより、被介助者は座位状態で下半身を動かすことなく介助用移乗器の乗り降りが可能になる。これにより、膝や太腿の関節が不自由な比較的重度な被介助者であっても、被介助者に負担をかけることなく介助用移乗器への移乗を行うことができる。
本発明の別の観点によると、第10の発明では、複数の車輪が設けられたベース部と、被介助者の胸部を支持する胸支持部と、前記被介助者の大腿部に当接する大腿支持部が着脱可能に設けられた支持ユニットと、前記支持ユニットを移動させ任意の位置で固定可能な移動手段と、前記支持ユニットと前記移動手段とを繋ぐリンク機構と、前記リンク機構を支持する第1リンク支持部と、前記リンク機構を前記第1リンク支持部とは異なる位置で支持する第2リンク支持部と、を有する介助用移乗器であって、前記リンク機構は、接続部材と、第1端部が前記移動手段に接続し、前記第1端部と反対に位置する第2端部が前記接続部材に接続し、前記第1端部と前記第2端部との間であって中央よりも前記第1端部側に寄った位置で前記第1リンク支持部に回動可能に支持される第1リンクと、第3端部が前記接続部材に接続し、前記第3端部と反対に位置する第4端部が前記支持ユニットに接続し、前記第3端部と前記第4端部との間であって中央よりも前記第3端部側に寄った位置で前記第2リンク支持部に回動可能に支持される第2リンクと、から構成され、前記支持ユニットは、前記大腿支持部を取り外した状態で前記被介助者の下腿部の間又は側面を通過可能であって、前記大腿支持部を取り付けた状態では前記下腿部の間又は側面を通過不能であることを特徴とする前記介助用移乗器によって前記被介助者を移乗させる方法であって、前記大腿支持部を取り外した状態で前記支持ユニットを前記下腿部の間又は側面を通過させるステップと、前記大腿支持部に前記支持ユニットに装着するステップと、前記被介助者が前傾姿勢になることにより前記胸部を前記胸支持部で支持するステップと、前記移動手段によって前記リンク機構を介して前記支持ユニットを移動させ前記被介助者を持ち上げるステップと、前記介助用移乗器を移動させるステップと、前記移動手段によって前記リンク機構を介して前記支持ユニットを移動させ前記被介助者を下ろすステップと、前記大腿支持部を前記支持ユニットから取り外すステップと、前記支持ユニットを前記下腿部の間又は側面を通過させて前記介助用移乗器を前記被介助者から離間させるステップと、を有することを特徴とする移乗方法を提供している。
第10の発明によると、大腿支持部が着脱可能に設けられているため、大腿支持部を取り外して支持部材を被介助者の下腿部間を通過させて大腿支持部を支持部材に取り付けることにより、被介助者は下半身を動かすことなく介助用移乗器の乗り降りが可能になる。これにより、膝や太腿の関節が硬くなった被介助者への身体の負担を低減することができる。介助者も被介助者の身体を動かす必要がなくなるため、介助者の身体的負担も低減することができる。また、被介助者は胸支持部と大腿支持部とによって身体を支持されるため、被介助者の体重が分散される。これにより、安定して被介助者を支持することができる。さらに、少ない移動手段の移動量で支持ユニットを多く移動させることができるため、移動手段に手動式の油圧ジャッキを用いた場合には、省力で被介助者を持ち上げることが可能となる。
本発明によれば、被介助者及び介助者に負担をかけることなく乗り降りすることができる介助用移乗器及び介助用移乗器を用いた移乗方法を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態の介助用移乗器の斜視図。 本発明の第1の実施の形態の介助用移乗器の側面図。 本発明の第1の実施の形態の介助用移乗器を用いた移乗作業を説明するための図であって、(a)介助用移乗器を被介助者にセットした図、(b)介助用移乗器の大腿支持部を支持部材に装着した図、(c)被介助者が前傾姿勢となった図、(d)介助用移乗器の支持部材を移動手段で移動させた図、(e)介助用移乗器で被介助者を移動させている図、(f)介助用移乗器で他の椅子に移動させた図。 本発明の第2の実施の形態の介助用移乗器の側面図。 本発明の第3の実施の形態の介助用移乗器の斜視図。 本発明の第4の実施の形態の介助用移乗器の斜視図。 本発明の第5の実施の形態の介助用移乗器の側面図。 本発明の第6の実施の形態の介助用移乗器の斜視図。 本発明の第6の実施の形態の介助用移乗器の側面図。 本発明の第6の実施の形態の介助用移乗器のリンク機構を説明するための概念図。 本発明の第6の実施の形態の介助用移乗器の大腿支持部であって、図11(a)は大腿支持部が開き位置のときの斜視図であって、図11(b)は大腿支持部が閉じ位置のときの斜視図。 本発明の第7の実施の形態の介助用移乗器の斜視図。
本発明の第1の実施の形態による介助用移乗器1を図1から図3に基づき説明する。介助用移乗器1は、図3に示すように、介助者が被介助者11を椅子12に着座させた状態のまま移乗することができる介護用具である。図1に示すように、上下左右前後方向を定義する。
介助用移乗器1は、ベース部2と、胸支持部3と、フレーム部4と、支持ユニット5と、移動手段54と、から構成されている。ベース部2は、一対のベースフレーム21と、4つの車輪22と、横架フレーム23と、支持フレーム24と、調整フレーム25と、から構成されている。ベース部2、胸支持部3を構成する各フレーム、フレーム部4、及び支持ユニット5を構成する各フレームは、軽量化及び剛性確保のため断面形状が略矩形の中空のアルミ角材を用いている。
ベースフレーム21は前後方向に延び、その両端にそれぞれ車輪22が設けられている。横架フレーム23は、支持フレーム24の前側と後側とにそれぞれ設けられていて、左右方向に延び、右端部が一のベースフレーム21に固定され左端部が他のベースフレーム21に固定されている。図3(a)に示すように、被介助者11は、移乗に際して支持フレーム24の後側に位置する横架フレーム23上に足13を載置してもよい。支持フレーム24の前側に位置する横架フレーム23には、介助用移乗器1のブレーキ26が設けられている。ブレーキ26は、ロック部26Aとペダル26Bとを有し、ペダル26Bを踏み込むことでロック部26Aが地面と当接し介助用移乗器1が移動不能になる。
支持フレーム24は左右方向に延びる2本の角材から構成され、左右方向中央に移動手段54が固定されている。調整フレーム25は、支持フレーム24の上下方向の位置を調整するためのフレームであって、一つのベースフレーム21に対して2本の調整フレーム25が設けられている。移動手段54のストローク等に応じて、調整フレーム25の本数や形状は任意に調整することができる。各ベースフレーム21に対して1本の調整フレーム25を設けてもよく、調整フレーム25を設けなくてもよい。
胸支持部3は被介助者11が介助用移乗器1に乗り移った際に上半身の体重の一部を支える部材であって、一対の胸フレーム31と、胸受け部32と、上サポートフレーム33と、下サポートフレーム34と、から構成される。胸フレーム31は、上サポートフレーム33及び支持ユニット5を介してベース部2に支持されており、ベース部2から上方に向けて立設されている。詳細には、図2に示すように、胸支持部3はベース部2から斜め上前方向に延びるように設けられている。胸受け部32は、胸フレーム31に対して着脱可能に設けられていて、一対の支持ロッド32Aと、受けクッション32Bと、から構成される。支持ロッド32Aは、断面形状が円形のアルミロッドであって、上部に受けクッション32Bが固定され、下部が胸フレーム31に挿入される。胸受け部32は、胸フレーム31と一体的に構成されていてもよい。支持ロッド32Aの胸フレーム31への差込量は、図示せぬストッパピンによって任意に設定することができ、これにより胸受け部32の高さを調整することができる。受けクッション32Bは、被介助者11の上半身を支えることができるように弾性を有する素材から構成されている。上サポートフレーム33及び下サポートフレーム34は、胸フレーム31とフレーム部4とを繋ぎ介助用移乗器1の剛性を高めるための部材である。
フレーム部4は、一対の縦フレーム41と、一対の斜めフレーム42とから構成される。縦フレーム41は、ベースフレーム21の前端部から上方に向けて延びるように設けられている。縦フレーム41の上部には、左右方向に貫通する貫通孔41aが形成されている。斜めフレーム42は、一端が縦フレーム41の上端に固定され、他端がベースフレーム21の後端部に固定されている。換言すると、斜めフレーム42は、後ろに向かうにつれて下方に傾斜するように設けられている。斜めフレーム42の略中央部分には上サポートフレーム33が固定され、下部には下サポートフレーム34が固定されている。
支持ユニット5は、回動支持部51と、支持部材52と、大腿支持部53と、から構成されている。回動支持部51は、各貫通孔41aに挿通されることにより、縦フレーム41に回動可能に支承されている。回動支持部51を軸受等によって回動可能に支持してもよい。支持部材52は2本のアルミ角材から構成され、移動手段54によって押圧される被押圧部52A(図2)を備えている。支持部材52の一端部は回動支持部51の左右方向中央部に固定され、他端部には支持孔51aが左右方向に貫通するように形成されている。図2に示すように、支持部材52は、左右方向から見て回動支持部51を中心に回動可能となる。大腿支持部53は、アルミロッドであって支持孔51aに挿通されることにより支持部材52に回動可能に支承される。図1の点線で示すように、大腿支持部53は左右方向に移動させることにより支持部材52から着脱される。
移動手段54は、支持部材52の左右方向中央に設けられている手動の油圧式ジャッキである。移動手段54は、ハンドル部54Aと、ストローク部54Bと、解除部54Cと、から構成される。移動手段54によって大腿支持部53を上げる時は、ハンドル部54Aを上下動させてストローク部54Bで被押圧部52Aを押圧し、右側面視において支持部材52を回動支持部51を中心に時計回りに回動させる(図2の点線)。移動手段54は、ハンドル部54Aの押圧を停止することにより、任意の位置でストローク部54Bを固定することができる。大腿支持部53を下げる時は、解除部54Cを操作することによりストローク部54Bを下げ、右側面視において支持部材52を回動支持部51を中心に反時計回りに回動させる(図2の実線)。
次に、介助者が介助用移乗器1を用いて被介助者11を移乗させる方法について図3に基づいて説明する。
大腿支持部53を支持部材52に取り付けた状態では、椅子12に着座して自然体で両足13を地面に着けた被介助者11の大腿部13Bの間に支持部材52を挿入することができないため、支持部材52から大腿支持部53を取り外した状態を初期状態とする。図3(a)に示すように、介助者は介助用移乗器1を被介助者11に近づける。このとき、被介助者11の両足13はベースフレーム21の間を通過するとともに、支持部材52が被介助者11の下腿部13Aの間を通過し、支持孔51aが被介助者11の大腿部13Bの下方に位置する。被介助者11は、必要に応じて両足13を横架フレーム23の上に乗せてもよく、両足13を地面に着けたままでもよい。
図3(b)に示すように、介助者は大腿支持部53を支持孔51aに通す。このとき、大腿支持部53の左右方向中央が支持孔51aに位置し、回動支持部51からの左右方向の突出量が均等になるように配置する。同時に、介助者はペダル26Bを踏んでロック部26Aと地面とを当接させてブレーキ26をセットし介助用移乗器1を移動不能にする。
図3(c)に示すように、介助者は被介助者11が前傾姿勢になるように介助し、被介助者11の胸部14を受けクッション32Bに当接させて上半身を胸受け部32に預ける。このとき、被介助者11は斜めフレーム42を把持してもよい。介助者は、固定ベルト35を被介助者11の胸部14に回して胸受け部32と被介助者11とを固定する。
図3(d)に示すように、介助者は移動手段54のハンドル部54Aを操作して支持部材52を回動支持部51を中心に右側面視において時計回りに回動させる。支持部材52が回動するにつれて大腿部13Bと大腿支持部53とが当接し、被介助者11が椅子12から離間する。このとき、被介助者11の体重は胸支持部3(胸受け部32)と支持ユニット5(大腿支持部53)とによって支えられている。大腿支持部53は、膝裏からの距離Lが10cm以内の位置の大腿部13Bに当接することが好ましい。
図3(e)に示すように、介助者はペダル26Bを再度踏んでブレーキ26を解除し、被介助者11を乗せた介助用移乗器1を引いて介助用移乗器1と椅子12とを離間させる。
図3(f)に示すように、介助者は介助用移乗器1を別の椅子15の位置まで移動させたらペダル26Bを踏んでブレーキ26をセットし、移動手段54の解除部54Cを操作してストローク部54Bを下げる。これにより、支持部材52が回動支持部51を中心に右側面視において反時計回り方向に回動し、被介助者11が椅子15に着座する。介助者は、固定ベルト35を外し、大腿支持部53を支持部材52から取外し、介助用移乗器1を被介助者11から離間させる。
このような構成によると、大腿支持部53が支持部材52に着脱可能に設けられているため、大腿支持部53を取り外して支持部材52を被介助者11の下腿部13Aの間を通過させた後に大腿支持部53を支持部材52に取り付けることにより、被介助者11は下半身を動かすことなく座位状態で介助用移乗器1の乗り降りが可能になる。これにより、膝や太腿の関節が不自由な比較的重度な被介助者11であっても移乗を行うことができる。介助者も被介助者11の身体を動かす必要がなくなるため、介助者の身体的負担も低減することができる。また、被介助者11は胸支持部3と大腿支持部53とによって身体を支持されるため、被介助者11の体重が分散される。これにより、安定して被介助者11を支持することができる。さらに、被介助者11を固定ベルト35で胸支持部3に固定しているため、被介助者11が誤って介助用移乗器1から落ちることを防止できる。
このような構成によると、移動手段54は被押圧部52Aを押圧することにより支持部材52を回動支持部51を中心に回動させるため、移動手段54のストロークが短くても大腿支持部53の移動距離を大きく確保することができる。これにより、移動手段54の小型化を図ることができる。また、移動手段54が任意の位置で支持部材52を固定可能であるため、大腿支持部53を任意の高さで固定することができる。これにより、移乗の前後で高低差がある場合であっても、被介助者11を移乗させることができる。さらに、移動手段54を設置する位置によって、移動手段54のストロークと大腿支持部53の動作量を任意に設定することができる。
このような構成によると、大腿支持部53は被介助者11の大腿部13Bに当接するため、被介助者11の臀部には大腿支持部53が干渉しない。これにより、被介助者11が介助用移乗器1に乗った状態のまま容易にズボンの脱ぎ着をすることができる。介助用移乗器1では、トイレへの移動に利用することが多いため、介助用移乗器1に乗った状態のままズボンを脱ぎ着させることで、被介助者11が立ち上がる必要がなくなる。これにより、被介助者11及び介助者の身体的負担を軽減することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について、図4を参照しながら説明する。第1の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付し説明を省略する。
介助用移乗器101の胸支持部3は、第1の実施の形態の上サポートフレーム33に替えてダンパー133が設けられている。ダンパー133は、本体部133Aと、ロッド133Bと、ロッド端部133Cと、本体端部133Dと、を有している。本体部133Aにはオイル等の緩衝材が封入されていて、ロッド133Bが本体部133Aに対して長手方向に移動可能である。ロッド端部133Cは胸フレーム31に回動可能に接続され、本体端部133Dは斜めフレーム42に回動可能に接続されている。
下サポートフレーム34と胸フレーム31との接続部分には回動軸131Aが設けられていて、胸フレーム31が回動軸131Aを中心に回動可能である。
このような構成によると、被介助者11が介助用移乗器1の胸受け部32に上半身を傾ける時、ダンパー133によって被介助者11への衝撃を緩和することができる。これにより、被介助者11の介助用移乗器101への移乗を円滑に行うことができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について、図5を参照しながら説明する。第1の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付し説明を省略する。
介助用移乗器201の支持部材52の他端には、大腿支持部253と、大腿保持部254と、が設けられている。大腿支持部253は、アルミロッドであって大腿保持部254から均等に左右方向に延びていて、大腿支持部253は左右方向に伸縮可能である。大腿保持部254は、支持部材52に対して大腿支持部253を回動軸254Aを中心に回動可能に保持している。これにより、大腿支持部253は回動軸254Aを中心に回動可能となる。図5に実線で示すように大腿支持部253が支持部材52と交差する方向に延びる位置が開き位置であって、大腿支持部253と支持部材52とが平行となるような大腿支持部253の位置が閉じ位置である。
介助用移乗器201では、支持部材52を被介助者11の下腿部13Aの間に通す際には、大腿支持部253を縮んだ状態で閉じ位置に配置する。支持部材52が下腿部13Aの間を通過した後、大腿支持部253を開き位置に配置し、大腿支持部253を伸ばし、大腿支持部253を大腿部13Bの直下に配置する。
このような構成によると、大腿支持部253が閉じ位置と開き位置との移動可能に設けられているため、大腿支持部253を閉じ位置にして支持部材52を被介助者の下腿部13A間を通過させ大腿支持部253を開き位置に戻すことにより、被介助者11は下半身を動かすことなく介助用移乗器201の乗り降りが可能になる。これにより、膝や太腿の関節が硬くなった被介助者11への身体の負担を低減することができる。介助者も被介助者11の身体を動かす必要がなくなるため、介助者の身体的負担も低減することができる。また、大腿支持部253が伸縮可能であるため、被介助者11の下腿部13Aと大腿部13Bとに囲まれた狭い空間であっても大腿支持部253を大腿保持部254を中心に回動させることができる。
次に、本発明の第4の実施の形態について、図6を参照しながら説明する。第1の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付し説明を省略する。
介助用移乗器301の支持部材52の他端には、大腿支持部353が設けられている。大腿支持部353は、実線で示す閉じ位置と点線で示す開き位置との間を移動可能であって、図示せぬストッパによって開き位置に固定される。大腿支持部353が閉じ位置のときは上下方向に延び、開き位置のときは左右方向に延びている。換言すると、大腿支持部353が開き位置のときは支持部材52と交差する方向に延びている。大腿支持部353は、前後方向に所定の幅を有しており、略平板形状を成している。
介助用移乗器301では、支持部材52を被介助者11の下腿部13Aの間に通す際には、大腿支持部353を閉じ位置に配置する。支持部材52が下腿部13Aの間を通過した後、大腿支持部353を開き位置に配置し、図示せぬストッパで位置を固定する。
このような構成によると、第5の実施の形態の効果に加え、大腿支持部353が前後方向に所定の幅を有しているため、被介助者11の体重が大腿支持部353に掛かった際の大腿部13Bへの負担を低減することができる。
次に、本発明の第5の実施の形態について、図7を参照しながら説明する。第1の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付し説明を省略する。
介助用移乗器401の各ベースフレーム21には、延長フレーム421と、車輪422と、が設けられていて、後部には図示せぬストッパピンが挿入されるピン孔421aが形成されている。延長フレーム421は、ベースフレーム21の後端部から後方に向けて伸縮可能に設けられていて、後端には車輪422が設けられている。
介助用移乗器401では、延長フレーム421を伸ばした状態で移乗作業を行うことにより、ベース部2の前後方向の長さが伸びるため、安定して被介助者11を移乗することができる。また、延長フレーム421を収納することにより、狭い場所などさまざまな状況に対応することができる。
次に、本発明の第6の実施の形態について、図8から図11を参照しながら説明する。第1の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付し説明を省略する。
介助用移乗器501は、ベース部502と、上半身支持部503と、リンク機構504と、支持ユニット505と、移動手段54と、から構成されている。ベース部502は、一対のベースフレーム521と、車輪522と、横架フレーム523と、支持フレーム524と、第1リンク支持部525と、第2リンク支持部526と、から構成されている。ベース部502、上半身支持部503を構成する各フレーム、リンク機構504、支持ユニット505、第1リンク支持部525、及び第2リンク支持部526を構成する各フレームは、軽量化及び剛性確保のため断面形状が略矩形の中空のアルミ角材を用いている。
ベースフレーム521は前後方向に延び、その両端及び中央からやや後方寄りの位置にそれぞれ車輪522が設けられている。車輪522は、横架フレーム523及び支持フレーム524の左右方向中央部にも2つ設けられており、介助用移乗器501は合計8つの車輪522を備えている。介助用移乗器501に移乗する被介助者の体重を主に支えるため、横架フレーム523及び支持フレーム524に設けられた車輪522はベースフレーム521に設けられた車輪522よりも大きい。
横架フレーム523は、前後方向に間隔を空けて4つが並列配置され、左右方向に延び、右端部が一のベースフレーム521に固定され左端部が他のベースフレーム521に固定されている。被介助者は、移乗に際して横架フレーム523上に足を載置する。横架フレーム523には、図示せぬブレーキが設けられている。
支持フレーム524は左右方向に延びる角材であって、右端部が一のベースフレーム521に固定され左端部が他のベースフレーム521に固定され、左右方向中央に移動手段54が固定されている。上述の実施の形態のように、支持フレーム524の高さを調整する調整フレームを設けてもよい。
第1リンク支持部525は2つの角材から構成され、リンク機構504を挟持するように支持している。第1リンク支持部525は、下端部が横架フレーム523及び支持フレーム524に固定され、上端部がリンク機構504を回動可能に支承している。第2リンク支持部526は、2つの角材から構成され、リンク機構504を挟持するように支持している。第2リンク支持部526は、下端部が横架フレーム523に固定されるとともに上端部がリンク機構504に接続され、第1リンク支持部525とは異なる位置、具体的には第1リンク支持部525よりも前方の位置でリンク機構504を回動可能に支承している。
上半身支持部503は被介助者が介助用移乗器501に乗り移った際に上半身の体重の一部を支える部材であって、胸支持部531と、サポートフレーム532と、から構成される。胸支持部531は略コ字状のフレームであって、胸受け部533と、一対の腕受け部534と、から構成される。胸受け部533は被介助者が支持ユニット505上に大腿部を載置したときに被介助者の胸を受け止める。腕受け部534は、胸受け部533の左右方向両端部から後方に延び、被介助者が支持ユニット505上に大腿部を載置したとき、被介助者の両腕を受け止める。胸支持部531は、クッション性を有する弾性材によって覆われていてもよい。サポートフレーム532は、上端部が胸受け部533に固定され、下端部がリンク機構504に固定されることにより胸受け部533及び腕受け部534を支持している。サポートフレーム532は、上下方向に伸縮可能としてもよい。これにより、被介助者の身体の大きさに応じて胸受け部533及び腕受け部534の位置を調整することができる。
図9に示すように、リンク機構504は支持ユニット505と移動手段54とを繋ぎ、第1リンク部541と、第2リンク部542と、第1リンク部541と第2リンク部542とを繋ぐ接続部材543と、により構成される。第1リンク部541は、後端部であって移動手段54のストローク部54Bによって押圧される第1端部541Aと、前端部であって接続部材543に回動可能に接続される第2端部541Bと、を有している。第1リンク部541は、第1リンク部541における前後方向の中央から後方寄りの第1回動中心541Cで第1リンク支持部525によって回動可能に支持されている。第1回動中心541Cは、第1リンク部541と第1リンク支持部525とを回動可能に接続するピンである。第1リンク部541には、前後方向における中心よりも後方寄りに第1回動中心541Cが位置しているため、移動手段54の上下方向のストロークを拡大することができる。換言すると、第1回動中心541Cが第1リンク部541の前後方向中央よりも第1端部541A側に寄った位置に設けられているため、ストローク部54Bが第1端部541Aを押圧したとき、第1端部541Aの上方向への移動距離よりも第2端部541Bの下方向への移動距離のほうが大きくなる。詳細には、図10に示すように、第1端部541Aの上下方向の移動距離と第2端部541Bの上下方向の移動距離の拡大倍率は、第2端部541Bと第1回動中心541Cとの距離L2を第1端部541Aと第1回動中心541Cとの距離L1で割った値に比例する。
第2リンク部542は、前端部であって接続部材543に回動可能に接続される第3端部542Aと、後端部であって支持ユニット505に回動可能に接続される第4端部542Bと、を有している。第2リンク部542は、第2リンク部542における前後方向の中央から前方寄りの第2回動中心542Cで第2リンク支持部526によって回動可能に支持されている。第2回動中心542Cは、第2リンク部542と第2リンク支持部526とを回動可能に接続するピンである。第2リンク部542には、前後方向における中心よりも前方寄りに第2回動中心542Cが位置しているため、移動手段54の上下方向のストロークを拡大することができる。換言すると、第2回動中心542Cが第2リンク部542の前後方向中央よりも第3端部542A側に寄った位置に設けられているため、第2端部541Bの移動に伴って接続部材543が下方に移動したとき、第3端部542Aの下方向への移動距離よりも第4端部542Bの上方向への移動距離のほうが大きくなる。詳細には、図10に示すように、第3端部542Aの上下方向の移動距離と第4端部542Bの上下方向の移動距離の拡大倍率は、第4端部542Bと第2回動中心542Cとの距離L4を第3端部542Aと第2回動中心542Cとの距離L3で割った値に比例する。
接続部材543は2つの角材から構成され、左右方向から第1リンク部541の第2端部541B及び第2リンク部542の第3端部542Aを挟むように設けられている。接続部材543は、上端部で第2端部541Bに回動可能に接続され、下端部で第3端部542Aに回動可能に接続されている。接続部材543は、第1リンク部541の移動を第2リンク部542に伝達するために設けられている。
本実施の形態では、第1リンク部541の拡大率を移動手段54による押し上げ及び第2リンク部542との干渉を考慮して低倍率の1.8倍とし、第2リンク部542の拡大率を3.4倍とした。これにより、移動手段54のストロークは、リンク機構504を介することによって、支持ユニット505に1.8と3.4とを乗じた約6倍となって伝達される。第1回動中心541C、第2回動中心542C、第1リンク部541と接続部材543との接続部分、及び第2リンク部542と接続部材543との接続部分には、図示せぬベアリングが用いられていて、回動動作が円滑に行われる。第1の実施の形態では、移動手段54を図3(c)に示す状態から図3(d)に示す状態とするまでに16回以上の押圧が必要だったが本実施の形態ではリンク機構504が設けられていることにより、5回程度の押圧で被介助者を持ち上げることができる。
支持ユニット505は、スライド部551と、大腿支持部552と、から構成される。スライド部551は第1リンク部541との干渉を避けるために左右方向から第1リンク部541を挟むように構成され、下端部が第4端部542Bに回動可能に接続され、上端部に大腿支持部552が固定されている。スライド部551には、上下方向に延びるスライド溝551aが形成され、スライド溝551aには第1リンク部541に固定されたスライドピン553が挿入されている。第4端部542Bが上方に移動したとき、スライド部551が上方に移動し、スライドピン553が相対的にスライド溝551a内を下方に移動する。
大腿支持部552は、図11に示すように左右方向に伸縮可能であって、平常時は内部に設けられた図示せぬ押圧部材によって左右方向に押圧されることにより、図11(a)のような左右方向に伸長した開き位置となる。図11(b)に示すように、左右方向から押圧することにより、約半分程度の長さの閉じ位置とすることができる。押圧を解除すると、内部の押圧部材によって自動的に図11(a)に示す開き位置に戻る。大腿支持部552の周囲に、クッション性のある弾性材を設けても良い。
次に、介助用移乗器501を用いて被介助者を移乗させる方法について説明する。
大腿支持部552が図11(a)に示す開き位置にあるときは椅子に着座して自然体で両足を地面に着けた被介助者の大腿部の間に支持ユニット505を挿入することができないため、大腿支持部552を左右方向から圧縮して図11(b)に示す閉じ位置とする。介助者は、介助用移乗器501を被介助者に近づける。このとき、被介助者の両足はベースフレーム521の間を通過するとともに、リンク機構504が被介助者の下腿部13Aの間に位置し、閉じ位置にある大腿支持部552が被介助者11の大腿部13Bの下方に位置する。介助者は、大腿支持部552が下腿部の間を通過したら大腿支持部552の押圧を解除することにより、大腿支持部552が自動的に図11(a)に示す開き位置となる。同時に、介助者は図示せぬブレーキをセットし介助用移乗器501を移動不能にする。
介助者は被介助者が前傾姿勢になるように介助し、被介助者11の胸部14を胸受け部533に当接させて上半身を胸受け部533に預けると同時に、両腕を腕受け部534に載置する。介助者は、図示せぬ固定ベルトを被介助者11の胸部に回して介助用移乗器501は、に対して被介助者を固定する。
介助者は移動手段54のハンドル部54Aを操作して第1端部541Aを上方に押圧すると、第1リンク部541が第1回動中心541Cを中心に図9における時計回り方向に回動し、第2端部541Bが第1端部541Aの上方向への移動距離の1.8倍下方向に移動する。第2端部541Bと第3端部542Aは接続部材543によって互いに接続されているため、第3端部542Aも同様に下方向に移動する。これに伴い、第2リンク部542が第2回動中心542Cを中心に図9における時計回り方向に回動し、第4端部542Bが第3端部542A下方向への移動距離の3.4倍上方向に移動する。スライド部551が上方に移動することにより、支持ユニット505も上方に移動する。これにより、第1端部541Aの上方への移動量が、リンク機構504を介することによって支持ユニット505に6倍になって伝達される。
支持ユニット505が上方に移動するにつれて被介助者の大腿部と大腿支持部552とが当接し、被介助者が椅子から離間する。このとき、被介助者の体重は上半身支持部503と支持ユニット505(大腿支持部552)とによって支えられている。大腿支持部552は、膝裏からの距離が10cm以内の位置の大腿部に当接することが好ましい。
介助者はブレーキを解除し、被介助者を乗せた介助用移乗器501を引いて介助用移乗器501と椅子とを離間させる。介助者は介助用移乗器501を別の椅子の位置まで移動させたらブレーキをセットし、移動手段54の解除部54Cを操作して第1端部541Aを下げる。これにより、支持ユニット505が下がって被介助者が椅子に着座する。介助者は、固定ベルトを外し、大腿支持部552を再び閉じ位置として介助用移乗器501を被介助者から離間させる。
このような構成によると、リンク機構504は移動手段54と支持ユニット505とを繋いでいるため、移動手段54の移動量がリンク機構504を介して拡大されて支持ユニット505に伝達される。具体的には、第1リンク部541は、中央から移動手段54に接続される第1端部541A側に寄った第1回動中心541Cで第1リンク支持部525に支持されているため、移動手段54の移動量は第1リンク部541によって拡大される。さらに、第2リンク部542は、中央から接続部材543に接続される第3端部542A側に寄った位置で第2リンク支持部526に支持されているため、第1リンク部541によって拡大された移動量が第2リンク部542によってさらに拡大されて支持ユニット505に伝達される。これにより、少ない移動手段54の移動量で支持ユニットを多く移動させることができるため、省力で被介助者を持ち上げることが可能となる。
このような構成によると、第1の実施の形態から第5の実施の形態の介助用移乗器のように前後方向に長い支持部材52がリンク機構504となって前後方向に短くなるため、介助用移乗器501のサイズを小型化することができる。これにより、介護施設においてベッドなどが複数置かれている狭い通路や、テーブル及び椅子などによって通り難い食堂などでも使用することができる。
次に、本発明の第7の実施の形態について、図12を参照しながら説明する。第6の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付し説明を省略する。第7の実施の形態の介助用移乗器601は、第6の実施の形態の介助用移乗器501において、大腿支持部を支持ユニットから着脱可能としている。
介助用移乗器601は、スライド部551と、支持部材652と、大腿支持部653と、を有する支持ユニット605を備えている。支持部材652はスライド部551の上端部に固定されていて、大腿支持部653が挿入される支持孔652aが左右方向に貫通するように形成されている。大腿支持部653は、支持孔652aに挿通されることにより支持部材652に支持されている。大腿支持部653は、図12に点線で示すように、左右方向に移動させることにより支持部材652から着脱される。
次に、介助用移乗器601を用いて被介助者を移乗させる方法について説明する。
大腿支持部653を支持部材652に取り付けた状態では椅子に着座して自然体で両足を地面に着けた被介助者の大腿部の間に支持ユニット605を挿入することができないため、大腿支持部653を取り外した状態を初期状態とする。介助者は、介助用移乗器601を被介助者に近づける。このとき、被介助者の両足はベースフレーム521の間を通過するとともに、リンク機構504が被介助者の下腿部13Aの間に位置し、支持部材652が被介助者11の大腿部13Bの下方に位置する。介助者は、支持部材652が下腿部の間を通過したら大腿支持部653を支持孔652aに通す。このとき、大腿支持部653の左右方向中央が支持孔652aに位置し、支持部材652からの左右方向の突出量が均等になるように配置する。介助者は、図示せぬブレーキをセットし介助用移乗器601を移動不能にする。
介助者は被介助者が前傾姿勢になるように介助し、被介助者11の胸部14を胸受け部533に当接させて上半身を胸受け部533に預けると同時に、両腕を腕受け部534に載置する。介助者は、図示せぬ固定ベルトを被介助者11の胸部に回して介助用移乗器501は、に対して被介助者を固定する。
介助者は移動手段54のハンドル部54Aを操作してリンク機構504を介して支持ユニット605を上方に移動させる。支持ユニット605が上方に移動するにつれて被介助者の大腿部と大腿支持部653とが当接し、被介助者が椅子から離間する。このとき、被介助者の体重は上半身支持部503と支持ユニット605(大腿支持部653)とによって支えられている。大腿支持部653は、膝裏からの距離が10cm以内の位置の大腿部に当接することが好ましい。
介助者はブレーキを解除し、被介助者を乗せた介助用移乗器601を引いて介助用移乗器601と椅子とを離間させる。介助者は介助用移乗器601を別の椅子の位置まで移動させたらブレーキをセットし、移動手段54の解除部54Cを操作して第1端部541Aを下げる。これにより、支持ユニット605が下がって被介助者が椅子に着座する。介助者は、固定ベルトを外し、大腿支持部653を取り外して介助用移乗器601を被介助者から離間させる。
このような構成により、大腿支持部653が支持ユニット605に着脱可能に設けられているため、大腿支持部653を取り外して支持ユニット605を被介助者の下腿部間又は側面を通過させた後に大腿支持部653を支持ユニット605に取り付けることにより、被介助者は座位状態で下半身を動かすことなく介助用移乗器601の乗り降りが可能になる。これにより、膝や太腿の関節が不自由な比較的重度な被介助者であっても、被介助者に負担をかけることなく介助用移乗器601への移乗を行うことができる。さらに、少ない移動手段54の移動量で支持ユニット605を多く移動させることができるため、移動手段54に手動式の油圧ジャッキを用いた場合には、省力で被介助者を持ち上げることが可能となる。
本発明による介助用移乗器及び移乗方法は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
上述の実施の形態では、移動手段54として手動の油圧式ジャッキを用いたが、被介助者11を持ち上げることができる出力を備える機器であればこれに限定されない。例えば、電動モータ又は空圧式シリンダを用いても良く、ネジ式ジャッキ、ワイヤ式ウィンチ等を用いてもよい。
上述の実施の形態では、介助用移乗器1を構成するフレームとしてアルミ製の中空の角材を用いたが、アルミ製の中空のパイプを用いてもよく、軽量化のためにFRPを用いてもよい。
上述の実施の形態では、支持部材52は下腿部13Aの間を通過させて介助用移乗器1を図3(a)に示す位置に移動させたが、これに限定されない。例えば、支持部材を回動支持部の左右方向端部にそれぞれ設け、下腿部13Aの外側(側面)を通過させて介助用移乗器を図3(a)に示す位置に移動させてもよい。第2の実施の形態から第7の実施の形態の介助用移乗器においても同様に、被介助者の下腿部の外側(側面)を通過させてもよい。
上述の実施の形態では、支持部材52は移動手段54によって回動支持部51を中心に回動することにより大腿支持部53が大腿部13Bに当接したが、これに限定されない。移動手段は、支持部材及び支持部材に着脱可能に設けられた大腿支持部を上下方向に動かす構造であってもよい。
上述の第1実施の形態では、大腿支持部53はアルミパイプで構成されていたが、クッション性の材料で覆われていてもよい。また、第4の実施の形態の大腿支持部353の上面にクッション材を設けてもよい。これにより、被介助者11への大腿部13Bへの刺激を低減することができる。
上述の第4の実施の形態では、大腿支持部253は左右方向に伸縮可能であったが、これに限定されない。例えば、支持部材52の位置をさらに下げるように移動手段54及び調整フレーム25を設計することにより被介助者11に干渉することなく支持部材52を下腿部の間に通すことができる。
1,101,201,301,401,501,601 介助用移乗器
2,502 ベース部
3,503 胸支持部
4 フレーム部
5,505,605 支持ユニット
11 被介助者
13A 下腿部
13B 大腿部
14 胸部
22,522 車輪
35 固定ベルト
51 回動支持部
52,652 支持部材
52A 被押圧部
53,253,353,552,653 大腿支持部
54 移動手段
504 リンク機構
525 第1リンク支持部
526 第2リンク支持部
541 第1リンク部
541A 第1端部
541B 第2端部
542 第2リンク部
542A 第3端部
542B 第4端部
543 接続部材

Claims (10)

  1. 複数の車輪が設けられたベース部と、
    前記ベース部に立設され、被介助者の胸部を支持する胸支持部と、
    前記ベース部に接続され、前記被介助者の大腿部に当接する大腿支持部が着脱可能に設けられた支持部材と、
    前記支持部材を移動させ任意の位置で固定可能な移動手段と、を有する介助用移乗器であって、
    前記大腿支持部は、前記支持部材に装着された状態で前記支持部材と交差する方向に延び、
    前記支持部材は、前記大腿支持部を取り外した状態で前記被介助者の下腿部の間又は側面を通過可能であって、前記大腿支持部を取り付けた状態で前記下腿部の間又は側面を通過不能であることを特徴とする介助用移乗器。
  2. 前記支持部材の一端部は前記ベース部の回動支持部に接続され、前記支持部材の他端部に前記大腿支持部が着脱可能に設けられ、
    前記移動手段は、前記一端部と前記他端部との間の被押圧部を押圧することにより、前記支持部材を前記回動支持部を中心に回動させることを特徴とする請求項1に記載の介助用移乗器。
  3. 前記大腿支持部は、前記被介助者が着座した状態において、前記被介助者の前記大腿部に当接することを特徴とする請求項1または2に記載の介助用移乗器。
  4. 複数の車輪が設けられたベース部と、前記ベース部に立設され、被介助者の胸部を支持する胸支持部と、前記ベース部に接続され、前記被介助者の大腿部に当接する大腿支持部が着脱可能に設けられた支持部材と、前記支持部材を移動させ任意の位置で固定可能な移動手段と、を有する介助用移乗器であって、前記大腿支持部は、前記支持部材に装着された状態で前記支持部材と交差する方向に延び、前記支持部材は、前記大腿支持部を取り外した状態で前記被介助者の下腿部の間又は側面を通過可能であって、前記大腿支持部を取り付けた状態で前記下腿部の間又は側面を通過不能であることを特徴とする前記介助用移乗器によって前記被介助者を移乗させる方法であって、
    前記大腿支持部を取り外した状態で前記支持部材を前記下腿部の間又は側面を通過させるステップと、
    前記大腿支持部を前記支持部材に装着するステップと、
    前記被介助者が前傾姿勢になることにより前記胸部を前記胸支持部で支持するステップと、
    前記移動手段によって前記支持部材を移動させ前記被介助者を持ち上げるステップと、
    前記介助用移乗器を移動させるステップと、
    前記移動手段によって前記支持部材を移動させ前記被介助者を下ろすステップと、
    前記大腿支持部を前記支持部材から取り外すステップと、
    前記支持部材を前記下腿部の間又は側面を通過させて前記介助用移乗器を前記被介助者から離間させるステップと、を有することを特徴とする移乗方法。
  5. 複数の車輪が設けられたベース部と、
    前記ベース部に立設され、被介助者の胸部を支持する胸支持部と、
    前記ベース部に接続され、前記被介助者の大腿部に当接する大腿支持部が設けられた支持部材と、
    前記支持部材を移動させ任意の位置で固定可能な移動手段と、を有する介助用移乗器であって、
    前記大腿支持部は、閉じ位置と開き位置とを移動可能であって、前記開き位置にあるときは前記支持部材と交差する方向に延び、
    前記支持部材は、前記大腿支持部が前記閉じ位置にあるときは前記被介助者の下腿部の間又は側面を通過可能であって、前記大腿支持部が前記開き位置にあるときは前記下腿部の間又は側面を通過不能であることを特徴とする介助用移乗器。
  6. 複数の車輪が設けられたベース部と、前記ベース部に立設され、被介助者の胸部を支持する胸支持部と、前記ベース部に接続され、前記被介助者の大腿部に当接する大腿支持部が設けられた支持部材と、前記支持部材を移動させ任意の位置で固定可能な移動手段と、を有する介助用移乗器であって、前記大腿支持部は、閉じ位置と開き位置とを移動可能であって、前記開き位置にあるときは前記支持部材と交差する方向に延び、前記支持部材は、前記大腿支持部が前記閉じ位置にあるときは前記被介助者の下腿部の間又は側面を通過可能であって、前記大腿支持部が前記開き位置にあるときは前記下腿部の間又は側面を通過不能であることを特徴とする前記介助用移乗器によって前記被介助者を移乗させる方法であって、
    前記大腿支持部を前記閉じ位置とし前記支持部材を前記下腿部の間又は側面を通過させるステップと、
    前記大腿支持部を前記開き位置とするステップと、
    前記被介助者が前傾姿勢になることにより前記胸部を前記胸支持部で支持するステップと、
    前記移動手段によって前記支持部材を移動させ前記被介助者を持ち上げるステップと、
    前記介助用移乗器を移動させるステップと、
    前記移動手段によって前記支持部材を移動させ前記被介助者を下ろすステップと、
    前記大腿支持部を閉じ位置とし、前記支持部材を前記下腿部の間又は側面を通過させて前記介助用移乗器を前記被介助者から離間させるステップと、を有することを特徴とする移乗方法。
  7. 複数の車輪が設けられたベース部と、
    被介助者の胸部を支持する胸支持部と、
    前記被介助者の大腿部に当接する大腿支持部が設けられた支持ユニットと、
    前記支持ユニットを移動させ任意の位置で固定可能な移動手段と、
    前記支持ユニットと前記移動手段とを繋ぐリンク機構と、
    前記リンク機構を支持する第1リンク支持部と、
    前記リンク機構を前記第1リンク支持部とは異なる位置で支持する第2リンク支持部と、を有する介助用移乗器であって、
    前記大腿支持部は、閉じ位置と開き位置とを移動可能であって、
    前記リンク機構は、
    接続部材と、
    第1端部が前記移動手段に接続し、前記第1端部と反対に位置する第2端部が前記接続部材に接続し、前記第1端部と前記第2端部との間であって中央よりも前記第1端部側に寄った位置で前記第1リンク支持部に回動可能に支持される第1リンクと、
    第3端部が前記接続部材に接続し、前記第3端部と反対に位置する第4端部が前記支持ユニットに接続し、前記第3端部と前記第4端部との間であって中央よりも前記第3端部側に寄った位置で前記第2リンク支持部に回動可能に支持される第2リンクと、から構成され、
    前記支持ユニットは、前記大腿支持部が閉じ位置にあるときは前記被介助者の下腿部の間又は側面を通過可能であって、前記大腿支持部が開き位置にあるときは前記下腿部の間又は側面を通過不能であることを特徴とする介助用移乗器。
  8. 複数の車輪が設けられたベース部と、被介助者の胸部を支持する胸支持部と、前記被介助者の大腿部に当接する大腿支持部が設けられた支持ユニットと、前記支持ユニットを移動させ任意の位置で固定可能な移動手段と、前記支持ユニットと前記移動手段とを繋ぐリンク機構と、前記リンク機構を支持する第1リンク支持部と、前記リンク機構を前記第1リンク支持部とは異なる位置で支持する第2リンク支持部と、を有する介助用移乗器であって、前記大腿支持部は、閉じ位置と開き位置とを移動可能であって、前記リンク機構は、接続部材と、第1端部が前記移動手段に接続し、前記第1端部と反対に位置する第2端部が前記接続部材に接続し、前記第1端部と前記第2端部との間であって中央よりも前記第1端部側に寄った位置で前記第1リンク支持部に回動可能に支持される第1リンクと、第3端部が前記接続部材に接続し、前記第3端部と反対に位置する第4端部が前記支持ユニットに接続し、前記第3端部と前記第4端部との間であって中央よりも前記第3端部側に寄った位置で前記第2リンク支持部に回動可能に支持される第2リンクと、から構成され、
    前記支持ユニットは、前記大腿支持部が閉じ位置にあるときは前記被介助者の下腿部の間又は側面を通過可能であって、前記大腿支持部が開き位置にあるときは前記下腿部の間又は側面を通過不能であることを特徴とする前記介助用移乗器によって前記被介助者を移乗させる方法であって、
    前記大腿支持部を前記閉じ位置とし前記支持ユニットを前記下腿部の間又は側面を通過させるステップと、
    前記大腿支持部を前記開き位置とするステップと、
    前記被介助者が前傾姿勢になることにより前記胸部を前記胸支持部で支持するステップと、
    前記移動手段によって前記リンク機構を介して前記支持ユニットを移動させ前記被介助者を持ち上げるステップと、
    前記介助用移乗器を移動させるステップと、
    前記移動手段によって前記リンク機構を介して前記支持ユニットを移動させ前記被介助者を下ろすステップと、
    前記大腿支持部を閉じ位置とし、前記支持ユニットを前記下腿部の間又は側面を通過させて前記介助用移乗器を前記被介助者から離間させるステップと、を有することを特徴とする移乗方法。
  9. 複数の車輪が設けられたベース部と、
    被介助者の胸部を支持する胸支持部と、
    前記被介助者の大腿部に当接する大腿支持部が着脱可能に設けられた支持ユニットと、
    前記支持ユニットを移動させ任意の位置で固定可能な移動手段と、
    前記支持ユニットと前記移動手段とを繋ぐリンク機構と、
    前記リンク機構を支持する第1リンク支持部と、
    前記リンク機構を前記第1リンク支持部とは異なる位置で支持する第2リンク支持部と、を有する介助用移乗器であって、
    前記リンク機構は、
    接続部材と、
    第1端部が前記移動手段に接続し、前記第1端部と反対に位置する第2端部が前記接続部材に接続し、前記第1端部と前記第2端部との間であって中央よりも前記第1端部側に寄った位置で前記第1リンク支持部に回動可能に支持される第1リンクと、
    第3端部が前記接続部材に接続し、前記第3端部と反対に位置する第4端部が前記支持ユニットに接続し、前記第3端部と前記第4端部との間であって中央よりも前記第3端部側に寄った位置で前記第2リンク支持部に回動可能に支持される第2リンクと、から構成され、
    前記支持ユニットは、前記大腿支持部を取り外した状態で前記被介助者の下腿部の間又は側面を通過可能であって、前記大腿支持部を取り付けた状態で前記下腿部の間又は側面を通過不能であることを特徴とする介助用移乗器。
  10. 複数の車輪が設けられたベース部と、被介助者の胸部を支持する胸支持部と、前記被介助者の大腿部に当接する大腿支持部が着脱可能に設けられた支持ユニットと、前記支持ユニットを移動させ任意の位置で固定可能な移動手段と、前記支持ユニットと前記移動手段とを繋ぐリンク機構と、前記リンク機構を支持する第1リンク支持部と、前記リンク機構を前記第1リンク支持部とは異なる位置で支持する第2リンク支持部と、を有する介助用移乗器であって、前記リンク機構は、接続部材と、第1端部が前記移動手段に接続し、前記第1端部と反対に位置する第2端部が前記接続部材に接続し、前記第1端部と前記第2端部との間であって中央よりも前記第1端部側に寄った位置で前記第1リンク支持部に回動可能に支持される第1リンクと、第3端部が前記接続部材に接続し、前記第3端部と反対に位置する第4端部が前記支持ユニットに接続し、前記第3端部と前記第4端部との間であって中央よりも前記第3端部側に寄った位置で前記第2リンク支持部に回動可能に支持される第2リンクと、から構成され、
    前記支持ユニットは、前記大腿支持部を取り外した状態で前記被介助者の下腿部の間又は側面を通過可能であって、前記大腿支持部を取り付けた状態では前記下腿部の間又は側面を通過不能であることを特徴とする前記介助用移乗器によって前記被介助者を移乗させる方法であって、
    前記大腿支持部を取り外した状態で前記支持ユニットを前記下腿部の間又は側面を通過させるステップと、
    前記大腿支持部に前記支持ユニットに装着するステップと、
    前記被介助者が前傾姿勢になることにより前記胸部を前記胸支持部で支持するステップと、
    前記移動手段によって前記リンク機構を介して前記支持ユニットを移動させ前記被介助者を持ち上げるステップと、
    前記介助用移乗器を移動させるステップと、
    前記移動手段によって前記リンク機構を介して前記支持ユニットを移動させ前記被介助者を下ろすステップと、
    前記大腿支持部を前記支持ユニットから取り外すステップと、
    前記支持ユニットを前記下腿部の間又は側面を通過させて前記介助用移乗器を前記被介助者から離間させるステップと、を有することを特徴とする移乗方法。
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