JP6826713B2 - 鋼板のアルカリ洗浄工程で使用されるゴムロール - Google Patents

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本発明は、鋼板のアルカリ洗浄工程にてアルカリ水溶液及び脱脂油を含む水素イオン指数(pH)が13以上の混合液で使用されるゴムロールに関する。
冷延圧延された鋼板の焼鈍処理、あるいはめっきや塗装などの表面処理の前処理として鋼板のアルカリ洗浄が行われる。一般に、鋼板は、アルカリ洗浄工程において洗浄液に浸漬され、次の水洗工程、酸洗工程と連続的に処理され、これらの工程においては作業が速やかに行われるように鋼板案内用の多数のロールが用いられている。この鋼板のアルカリ洗浄工程で使用されるロールは、耐食性、耐油性、耐摩耗性、耐熱性、機械的強度が求められる。
特許文献1に、耐食性及び耐摩耗性に優れた鋼板のアルカリ洗浄ライン用ロールの製造方法が提案されている。すなわち、重量比にて、C:0.1〜2.0%、Cr:1.0〜20%、Si:0.5〜10%、B:0.5〜10%を含み残部がNiより成る合金粉末をロール母材表面に溶射する段階と、前記溶射後加熱による封孔処理を施す段階と、を有して成るアルカリ洗浄ライン用ロールの製造方法が提案されている。この製造方法により成形されたアルカリ洗浄ライン用ロールは、耐食性及び耐摩耗性に優れている。そして、このアルカリ洗浄ライン用ロールは、耐食性に優れるが耐摩耗性に劣るポリクロロプレンやクロロスルホン化ポリエチレンのゴムライニングロールの問題、耐摩耗性に優れるが耐食性に劣るクロムめっきロールの問題を解決することができるとされる。
特許文献2に、ヨウ素価が60以下であるニトリル基含有高飽和ゴムに、エチレン性不飽和カルボン酸の亜鉛塩および有機過酸化物を配合してなる強度特性、耐摩耗性、および耐熱性に優れたゴムロール用ゴム組成物が提案されている。このゴムロール用ゴム組成物は、印刷用、製紙用、製鉄用、事務機器用、プラスチック工業用及び合板工業用などのゴムロール用途として有用であるとされる。そして、その実施例として、アクリロニトリル結合量及びヨウ素価の異なるアクリルニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)とアクリロニトリル−ブタジエン−ブチルアクリレ−ト三元共重合ゴムについて引張試験、ピコ摩耗試験などが記載されており、NBRについては発明例の引張強さや伸びが比較例の約1.5倍、摩耗量が0.5倍であるとされる。
特許文献3に、耐油性が良好な、さらに種々の力学的物性が良好なクロロプレン単量体単位と不飽和ニトリル単量体単位とを含む統計的共重合体が提案されている。すなわち、重合反応開始後にクロロプレン単量体を連続添加又は10回以上間欠分添する工程を有する、クロロプレン単量体と不飽和ニトリル単量体とを含む統計的共重合体の製造方法が提案されている。この統計的共重合体は、ゴムロールの機械的強度と耐油性と耐へたり性(低い圧縮永久ひずみ性)を高めることが可能であり、従来のCR(クロロプレンゴム)では困難であった油が付着する環境下で用いられるゴムロールを製造することが可能であるとされる。また、この統計的共重合体、該統計的共重合体を含むラテックス及びゴム組成物、並びに該ゴム組成物を含む組成物を加硫した加硫成形体は、伝動ベルト、コンベアベルト、ホース、ワイパー、浸漬製品、シール部品、接着剤、ブーツ、ゴム引布、ゴムロール、防振ゴム及びスポンジ製品に好適に用いられるとされる。
特開昭63-125652号公報 特開平1-311142号公報 国際公開第2018/207940号
特許文献1に記載の合金粉末を溶射してなるロールは、従来の耐食性に優れるが耐摩耗性に劣るポリクロロプレンやクロロスルホン化ポリエチレンのゴムライニングロールの問題、耐摩耗性に優れるが耐食性に劣るクロムめっきロールの問題を解決することができるとされる。しかしながら、ロールの製作容易性やメンテナンスなどを考慮すると他のゴム系の優れた特性を有するゴムロールが望まれる。
特許文献2に各種機器のロールに使用されるゴムロール用ゴム組成物が記載され、また、特許文献3にゴムロールの他各種ゴム製品に好適に使用されるクロロプレン単量体と不飽和ニトリル単量体とを含む統計的共重合体が記載されている。また、ゴムロールは、印刷用、製紙用、製鉄用、事務機器用、プラスチック工業用等さまざまの分野・用途に使用され、その要求される特性は耐食性、耐油性、耐摩耗性、耐熱性又は機械的強度などさまざまであり、各種要求に応えるべく各種ゴムの特性一欄表が公表されている(https://www.maruichi-rubber.co.jp/products/pdf/gom.pdf、http://www.kayo-corp.co.jp/common/pdf/rub_proof.pdf)。しかしながら、具体的に鋼板のアルカリ洗浄工程で使用されるゴムロールとして優れた特性を有するゴムを選択するのは容易でない。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、鋼板のアルカリ洗浄工程にてアルカリ水溶液及び脱脂油を含むpH13以上の混合液に対して好適に使用することができるゴムロールを提供することを目的とする。
本発明に係るゴムロールは、鋼板の洗浄時の水素イオン指数(pH)が13以上の塩基性環境のアルカリ洗浄工程で使用され、鋼製ロールにゴムがライニングされたゴムロールであって、前記ゴムは、アクリロニトリル結合量が5〜21wt%であるクロロプレン-アクリロニトリル共重合体からなるものである。
上記発明において、クロロプレン-アクリロニトリル共重合体のアクリロニトリル結合量は、5〜18wt%であるのがよい。
本発明に係るゴムロールは、鋼板のアルカリ洗浄工程で使用される洗浄液に対する体積変化率、強度及び硬度の変化が少なく安定した特性を有し、鋼板のアルカリ洗浄工程で好適に使用することができる。
洗浄液浸漬試験における体積変化率の結果を示すグラフである。 洗浄液浸漬試験におけるゴム硬度変化率の結果を示すグラフである。 各種ゴムのテーバー摩耗試験結果を示すグラフである。 AN分率の異なるCR-AN共重合に係るゴムの浸漬試験(耐油性)における体積変化率、引張強さ、伸びを示すグラフである。 AN分率の異なるCR−NBR混合体に係るゴムの浸漬試験(耐アルカリ性)における体積変化率を示すグラフである。 アルカリ度の異なる洗浄液を用いた浸漬試験の体積変化率を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、鋼板の洗浄時の水素イオン指数(pH)が13以上の塩基性環境のアルカリ洗浄工程で使用される、鋼製ロールにゴムがライニングされたゴムロールに係る発明である。そして、そのライニングされるゴムは、アクリロニトリル結合量が5〜21wt%であるクロロプレン-アクリロニトリル共重合体(CR-AN共重合体)に係るゴムである。すなわち、本ゴムロールは、冷延圧延された鋼板の焼鈍処理、あるいはめっきや塗装などの表面処理を行う前にpH13以上のアルカリ洗浄液を用いて、圧延油、防錆油の油汚れや鉄粉等の固体汚れを除去するために行われるアルカリ洗浄工程において使用される。本ゴムロールは、耐油性及び耐アルカリ性に優れ、かかるpH13以上のアルカリ水溶液に脱脂油を含む混合液に対して好適に使用することができる。なお、加硫は公知の加硫方法を使用することができる。ゴムの鋼製ロールへのライニングは、加硫接着により行うことができる。
図1は、JIS K6258に準じた浸漬試験による体積変化率を示すグラフである。横軸は浸漬期間(週)、縦軸は体積変化率(%)を示す。試験条件は、アルカリ洗浄液として80℃苛性ソーダ3〜5%+脱脂油(鉱物油系+エステル)4%を用いた。供試材の発明例は、AN分率が9.1%のCR-AN共重合体に係るゴムを使用した。AN分率とは、CR−AN共重合体のアクリロニトリル結合量(AN結合量)の割合(wt%)を示し、CHN自動分析法(エレメンター社製vario MICRO cube全自動元素分析装置)により求めた窒素(N)量からAN分率を求めた。その他のクロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルニトリル−ブタジエンゴム共重合体(NBR)、水素化ブタジエン-アクリロニトリル共重合体(HNBR)あるいは塩素化ポリエチレンゴム(CPE)は、市販のものを使用した。なお、発明例のCR-AN共重合体のCR結合量を酸素燃焼/電位差滴定法(平沼産業株式会社製自動滴定装置COM-1750、銀-比較複合電極AGR-801)による塩素(Cl)量から求めたところ、本発明例の組成はANが9.1wt%、CRが82.4wt%その他分散材、乳化剤等が8.6wt%であった。また、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定から、本発明例の平均分子量(Mn)は150×103、重量平均分子量(Mw)は360×103、分子量分布(Mw/Mn)は2.4であった。JIS K6251に準ずる引張り試験による引張強さは21.5MPa、伸びは352%であった。
図1によると、発明例の体積変化率は小さく、かつ1〜4週間の浸漬試験においてほぼ一定である。一方、CR及びCPEの体積変化率は大きい。発明例の体積変化率は、CR及びCPEの体積変化率の約20%である。HNBRの体積変化率は小さいが、体積変化率が浸漬期間に対してほぼ直線的に増大しており、形状安定性という点からは発明例が優れる。なお、NBRは、体積変化率が浸漬期間に対してほぼ直線的に減少している。NBRやHNBRの体積収縮はアルカリ洗浄液による脱脂作用に起因すると解される。
図2は、図1に示すものと同一の供試材及び同一のアルカリ洗浄液を用いて所定期間の浸漬試験を行い、JIS K6253に準じたゴム硬度測定試験を行った結果を示す。図2の横軸はアルカリ洗浄液への浸漬期間(週)、縦軸はゴム硬度変化率を示す。図3は、図1に示すものと同一の供試材のテーバー摩耗試験を行った結果を示す。図3の横軸は各種ゴム、縦軸は摩耗量を示す。
図2によると、各供試材の特性は概して図1に示す特性と似ている。CR又はCPEのゴム硬度変化率は高く、アルカリ洗浄液による膨潤と関係している。発明例とHNBR(データが重複している)は、最もゴム硬度変化率が小さく浸漬期間0〜3週においてゼロである。NBRは、ゴム硬度変化率が浸漬期間0〜3週の間は増大し、3週以降はゴム硬度変化率が発明例とHNBRと同等になる。
図3によると、NBRの摩耗量が突出している。HNBRの摩耗量が最も少なく、CRの摩耗量も比較的小さい。発明例の摩耗量は、CRの摩耗量の約2倍、NBRの摩耗量の約40%である。図1〜3によると、本例のアルカリ洗浄液に対し、好ましいのは発明例又はHNBRであり、これらに対しNBRは劣り、CR又はCPEはさらに劣っているといえる。
図1は、所定のアルカリ洗浄液に対する浸漬試験の結果であるが、実際の鋼板のアルカリ洗浄工程においてはアルカリ洗浄が流動槽内で行われるため、洗浄液の脱脂油及びアルカリ度が変動する。このため、鋼板のアルカリ洗浄工程で使用されるゴムロールは、かかる変動範囲でも好適に使用可能な耐油性及び耐アルカリ性が求められる。
上記先行技術文献、各種ゴムの特性一欄表によると、耐油性に優れるゴムとして、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルニトリル−ブタジエンゴム共重合体(NBR)、水素化ブタジエン-アクリロニトリル共重合体(HNBR)あるいはアクリルゴム(ACM)が使用されている。これらのゴムを耐油性及び耐アルカリ性について順位付けをすると、耐油性はACM,NBR,HNBR>CPE,CR,CSMとなり、耐アルカリ性はCSM,CR,CPE,HNBR>NBR,ACMとなる。上記ゴムについて、耐油性と耐アルカリ性は、概して反する特性を示すことが分かる。なお、HNBRは、耐油性及び耐アルカリ性のいずれについても優れている。
図4は、CR−AN共重合体の耐油性を示すグラフであり、CR−AN共重合体のAN分率に対する体積変化率、引張強さ及び伸びを示すグラフである。横軸はAN分率、縦軸は体積変化率、引張強さ又は伸びなどの特性を示す。図4において、曲線a、bは浸漬試験における体積変化率曲線を示し、曲線c、dはそれぞれ引張り試験における引張強さ曲線、伸び曲線を示す。●印又は○印は、浸漬試験の結果(JIS 6258に基づくIRM903油又はASTM D5964に基づくASTM No.3oilsによる体積変化率(%))を示す。△印又は□印は、引張り試験の結果を示し、△印は伸び量の1/10(%)、□印は引張強さの1/10(kg/cm2)を示す。▼印からなる曲線bは、CRとNBRの混合組成物においてCRとNBRの含有割合を変えて浸漬試験を行って体積変化率を求め、NBRに含まれるAN結合量の混合物中の割合をAN分率とし、AN分率と体積変化率の関係を求めた体積変化率曲線である。浸漬試験は、JIS K6258に基づいて行った(体積変化率はIRM903油、100℃×4日)。図4において図中の体積変化率曲線aに沿って記載の数字(●印部)は、下記引用文献に記載の試験結果である。体積変化率と同一のAN分率における引張強さ又は伸びは、同一の引用文献に基づいている。引用文献は、WO2018/207940(1)、特開昭56-38336(2)、特許昭63-245449(3)、特開昭55-145715(4)及び日本ゴム協会誌第58巻第3号(1985、203〜211頁)(5)である。
図4によると、体積変化率曲線aは、AN分率0〜11%において、AN分率に比例して体積変化率が減少している。そして、AN分率11〜17%において体積変化率はほぼ一定で、AN分率が11〜16%で最低になる。さらに、AN分率が17%を越えると、体積変化率は急速に大きくなることが示されている。また、CR-AN共重合体、CSM又はNBRの体積変化率(○印)を対比すると、CSM40の体積変化率は体積変化率曲線aのAN分率が5%又は21%の体積変化率と同等で、CMS48の体積変化率は体積変化率曲線aのAN分率が9%又は18%の体積変化率と同等である。NBRの体積変化率は、体積変化率曲線aのAN分率11〜16%における体積変化率と同等又は少し劣る。なお、体積変化率曲線aのAN分率がゼロ(CR相当、●印)のデータ(体積変化率1,2)とCRのデータ(体積変化率5、○印)は、よく一致している。また、AN分率11〜16%のCR-AN共重合体の耐油性は、NBRの耐油性と同等以上であるといえる。AN分率5〜21%のCR-AN共重合体の耐油性は、CSMの耐油性と同等以上であるといえる。
引張強さ曲線cは、AN分率0〜25%の範囲においてほぼ水平で、引張強さは220〜230kg/cm2で一定である。伸び曲線dは、AN分率0〜25%の範囲において、直線的に増加しており、伸びが250%から580%まで次第に増加している。なお、図1に示すCR-AN共重合体の供試材(AN分率が9.1%)の引張強さ(21.5MPa)及び伸び352%は、図4の引張強さ曲線cのAN分率9.1の引張強さ、伸び曲線dのAN分率9.1の伸びとほぼ同等である。
図4に示す体積変化率曲線aと体積変化率曲線bとを対比すると、両者の傾斜角は異なるがともに体積変化率は、AN分率の増加に対し直線的に減少している。すなわち、CR-AN共重合体又はCRとNBR(アクリルニトリル−ブタジエンゴム共重合体)の混合物のいずれも、AN結合量の増加により急速に体積変化量が小さくなっていることが分かる。
図5は、図4の体積変化率曲線bに示す浸漬試験と同一の供試材(CRとNBRの混合物)により、5%苛性ソーダ溶液(脱脂油なし、100℃)に浸漬したときの体積変化率を示す。図5において、横軸はAN分率、縦軸は体積変化率を示す。図5によると、体積変化率は、AN分率が3%を越えると急速に減少し、AN分率5〜12%でほぼ一定になり、AN分率が6〜8%で最も小さくなっている。この耐アルカリ性曲線によると、AN分率は5%以上が好ましいと解される。図5(耐アルカリ性曲線)と図4(耐油性曲線)とを対比すると、ともにその形状はU字形状(下に凸)をしているといえる。しかしながら、耐アルカリ性曲線は低AN分率側(0〜3%)に緩やかな勾配部分があってハット型に近く、しかも体積変化率が急速に小さくなってその値が最も小さく、かつ一定になるAN分率の値は、耐油性曲線よりも低AN分率側にずれている。すなわち、体積変化率が最低安定域に入るのは、耐アルカリ性曲線はAN分率が5%であるのに対し、耐油性曲線はAN分率が10%である点で異なっている。図5によると、耐アルカリ性曲線において体積変化率がAN分率の増加と共に急速に大きくなる部分、あるいはその開始点となるAN分率が存在するか否かは明確でないが、AN分率12%の耐アルカリ性曲線は、最低かつ安定した体積変化率部(AN分率6〜8%)よりは大きくなっている。
図6は、CRとNBRの混合物のAN分率8.6の供試材について、苛性ソーダを5%、10%又は15%の苛性ソーダ溶液(脱脂油なし、100℃)を用いて浸漬試験を行ったときの体積変化率を示すグラフである。横軸は浸漬期間、縦軸は体積変化率を示す。パラメータは苛性ソーダ%である。図6によると、苛性ソーダ濃度が5〜15%においてほぼ同等の体積変化率を示す。苛性ソーダ濃度が10%又は15%の場合は、浸漬期間7日以降において体積変化率が約1%で一定になり、安定状態になっている。すなわち、苛性ソーダ濃度が5〜15%において、体積変化率の苛性ソーダ濃度(アルカリ濃度)依存性は小さいと解される。ただし、体積変化率の苛性ソーダの濃度依存性は単純でなく、5%苛性ソーダ溶液の場合の体積変化率が最も小さく、10%苛性ソーダ溶液の場合の体積変化率が最も大きくなっている。15%苛性ソーダ溶液の体積変化率は、10%苛性ソーダ溶液の場合の体積変化率よりもわずかであるが小さくなっている。なお、鋼板のアルカリ洗浄においては、アルカリ濃度は、苛性ソーダ1.5%(pH13.57)以上が好ましい。
以上、鋼板のアルカリ洗浄工程で使用されるゴムロールは耐油性及び耐アルカリ性が求められるが、CR-AN共重合体からなるゴムロールは、耐油性及び耐アルカリ性にすぐれる。このため、脱脂油と水素イオン指数pH13以上のアルカリ度の流動するアルカリ洗浄液にされられるゴムロールとしては、AN分率が5〜21%がよく、5〜18%のものが好ましい。かかるゴムロールは、鋼板のアルカリ洗浄工程で使用されるゴムロールとして好適に使用することができ、CR又はCSMからなるゴムロールよりは優れ、NBR又はHNBRからなるゴムロールと同等以上に優れている。本発明に係るAN分率が5〜21%のCR-AN共重合体からなるゴムロールは、鋼板のアルカリ洗浄工程にて使用されるゴムロールとして、NBR又はHNBRからなるゴムロールと同等以上に優れており、特にHNBRに対しては経済性が高いという利点を有する。

Claims (2)

  1. 鋼板の洗浄時の水素イオン指数(pH)が13以上の塩基性環境のアルカリ洗浄工程で使用され、鋼製ロールにゴムがライニングされたゴムロールであって、
    前記ゴムは、アクリロニトリル結合量が5〜21wt%であるクロロプレン-アクリロニトリル共重合体であるゴムロール。
  2. クロロプレン-アクリロニトリル共重合体のアクリロニトリル結合量は、5〜18wt%である請求項1に記載のゴムロール。
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