JP6489573B2 - ロール及び洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状の被洗浄面に付着した水分、油分、薬品成分等の液体を除去、搾取、洗浄する為のロール、及びそのロールを搭載した洗浄装置に関するものである。
従来のこの種のロールに関しては、研磨直後の表面粗度Raが0.1μmから2.5μmの範囲内であって、表面最大粗度Rmaxが1μmから20μmの範囲内にあることを特徴とする不織布絞りロール(例えば、特許文献1参照)がある。
特開平11−226626号公報
特許文献1の不織布絞りロールは、研磨直後の表面粗度Raが0.1μmから2.5μmの範囲内にあることから、表面粗度Raの値が大きく表面の粗いロールに比べて、金属冷間圧延条とロール表面の密着性が良好なので、初期の液体の絞り性能は高く、ロールの慣らし使用を必要としない。しかしながら、表面粗度Raの値が0.1μmから2.5μmの範囲内においては、ロール表面は平滑で、ロールのグリップ力が劣り、摩擦係数が小さくなるので、金属冷間圧延条が蛇行するという課題を有していた。金属冷間圧延条が洗浄ライン内で蛇行した場合、ラインが停止し、生産工程における生産計画を予定通りに遂行できず、生産に支障をきたすことになる。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、初期段階から水分、油分、薬品成分等の液体の除去性能が高く、高いグリップ力を有するロール、及びそのロールを搭載した洗浄装置を提供することを目的としている。
前記従来の課題を解決する為に、請求項1の発明のロールは、鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状の被洗浄面に付着した水分、油分、薬品成分等の液体を除去、搾取、洗浄する為のロールにおいて、前記ロールは、ロール部及び台座を有し、前記ロール部は不織布からなる概円環状の複数枚のロール片が前記台座の外周に積層されて形成されてあり、前記不織布は、複数本の繊維と該繊維を接着させる高分子弾性体からなる結合剤とを有し、前記繊維は短繊維の綿からなるコーマ糸とナイロンとを有し、前記ロール部の表面粗度Ra(平均粗さ)が2.5μm以上5.0μm以下であるもので、優れたグリップ力が発揮され、被洗浄面の蛇行が防止されると共に、ロールと被洗浄面の密着性が上がり、ダム機能が効果的に発現するので、被洗浄面に付着した液体の除去性能が飛躍的に向上する。
表面粗度Raが2.5μmより小さいと、ロール部の表面部は平滑な状態となるが、グリップ力は劣化し、摩擦係数が小さくなるので、被洗浄面が蛇行しやすくなる。特に、ピース状の鋼板や非鉄金属板等において蛇行が顕著に現れる。一方、表面粗度Raが9.5μmより大きいと、ロール部の表面部の凹凸が顕著となり、ロール部と被洗浄面の密着性が劣り、ダム機能が弱くなることから、液体の除去性能が低下する。なお、表面粗度RaはJISB0601の規格により測定した値である。
また、請求項の発明のロールは、不織布は複数本の繊維を有し、前記繊維は短繊維のコーマ糸を有するので、ロール部が被洗浄面から液体を吸液する際、異物の少ないコーマ糸を有することから、吸液性能を阻害する異物がロール部の表面に少なく、迅速且つ確実に、ロールの吸排機能が発揮される。
また、異物の少ないコーマ糸を有することから、異物がロール部の表面に少なく、平滑にロール部の表面が形成されるので、被洗浄面との密着性が高まり、良好なダム機能が発揮される。
ロールによる被洗浄面からの液体の除去機能の原理は、コンプレッサー等を介してエアー圧、油圧等の一定の圧力がかかりながら回転しているロールに、液体が付着した被洗浄面が接触することにより、液体を被洗浄面の両端部から流し去るダム機能と、ロールが回転しながら被洗浄面に接触して圧力により圧縮される圧縮ゾーンにおいて、ロール部の空隙部に吸収された液体を被洗浄面に一旦放出し、次いでロールが圧力による圧縮から開放される開放ゾーンにおいて、不織布を形成する繊維質の毛細管現象により被洗浄面の液体がロール部に吸い上げられ、ロール部の空隙部に放出される仕組みからなる吸排機能とから構成されている。前記ダム機能はゴムロール等にも発現する機能であるが、前記吸排機能は不織布ロールに特有の機能である。すなわち、不織布に充填された高分子弾性体が弾性変形する為、ロール部の空隙率が前記圧縮ゾーンで0%となり、前記開放ゾーンで元の空隙率に復元すると共に、復元した空隙部に繊維の毛細管現象により吸い上げられた液体が放出されることにより発現する機能である。
上記に示したように、本発明のロールはダム機能、及び吸排機能が効果的に発揮されるので、初期段階から水分、油分、薬品成分等の液体の除去性能が高いのである。
また、繊維の表面に異物の付着が少ないコーマ糸を有することから、ロール部の表面から異物が脱落し、被洗浄面に付着して製品不良につながることが防止される。
なお、コーマ糸とは、一般的にカード糸に対する繊維で、カード糸の表面の異物の除去と、繊維の平行度を改良する為のコーマという機械を通して精製した繊維のことである。すなわち、カード糸の表面の異物を除去すると共に、平行度を改良した繊維がコーマ糸となる。短繊維のコーマ糸を採用することにより、長繊維を用いた場合に比べ、不織布の厚みを調整しやすくなる。
また、請求項の発明のロールは、コーマ糸綿であるので、不織布は吸液性能に優れた綿を有することから、被洗浄面に付着した液体の除去性能が大幅に向上する。
また、請求項の発明のロールは、不織布複数本の繊維及び前記繊維を接着させる結合剤を有するので、繊維の接着性が強固になり、繊維の脱落が防止されると共に、ロールにゴム弾性が付与され、一段と優れた吸排機能が発揮される。
請求項の発明の洗浄装置は、請求項に記載されたロールと、前記ロールを回転駆動する駆動手段を少なくとも有するもので、初期段階から優れた液体の除去性能を有すると共に、被洗浄面の蛇行が防止される洗浄装置が提供される。
請求項1の発明のロールは、被洗浄面の蛇行が防止されると共に、被洗浄面に付着した液体の除去性能が飛躍的に向上する。
また、請求項の発明のロールは、初期段階から効果的にダム機能、及び吸排機能が発現し、優れた液体の除去性能を発揮すると共に、異物の脱落による被洗浄面の製品不良を防止することができる。
また、請求項の発明のロールは、被洗浄面に付着した液体の除去性能が大幅に向上する。
また、請求項の発明のロールは、繊維の脱落が防止されると共に、ロールにゴム弾性が付与される。
請求項の発明の洗浄装置は、初期段階から優れた液体の除去性能が発揮されると共に、被洗浄面の蛇行が防止される。
本発明のロールの正面図である。 図1のA−A断面図である。 ロール片を前面側から見た斜視図である。 不織布の部分拡大図である。 (a)カード糸の正面図、(b)コーマ糸の正面図、(c)本発明のロール片の表面状態を表す拡大断面図、(d)本発明のロール片よりも表面粗度が大の表面状態を表す拡大断面図である。 本発明のロールが搭載された洗浄装置の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
図1から図5を用いて、実施例1のロールについて説明する。
図1、及び図2において、ロール1は、台座3、止め金具5、プレート6、及び複数枚のロール片4からなるロール部2より構成されている。台座3は、鉄、SUS、アルミニウム等の金属材料からなり、外周にロール部2が形成される中実状の略円柱形状である。本実施例においては、台座3は中実状であるが、中空状であっても構わない。ロール部2は、複数枚のロール片4が台座3の外周に積層されると共に、重ね合わされて形成されてあり、両側から止め金具5、及びプレート6にて挟み付けられて形成されてある。止め金具5は、スナップリングが使用されている。なお、挟み付ける方法について、前記以外にも、例えば、スナップリングの代わりにリング状のネジにて台座3にネジ止め固定する方法等も採用できる。
ロール部2の表面部の硬度は、40°〜90°程度に設定されるのが望ましい。硬度が40°未満の場合、硬度が低すぎて、被洗浄面の端面が繰り返しロール部2に当接すると、早期にロール部2が摩耗する。また、硬度が90°を超えると、硬度が高すぎて、液体の通気性が悪く、吸液性が劣る。なお、硬度とは物質の硬さを表わし、JISK6253加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法に記載のデュロメータ硬さ試験により測定した硬度である。
また、ロール部2の表面粗度Ra(平均粗さ)は、2.5μm以上9.5μm以下にて設定される。表面粗度Raが2.5μmより小さいと、ロール部の表面部が平滑となり、グリップ力が劣り、摩擦係数が小さくなるので、被洗浄面が蛇行しやすくなる。特に、ピース状の鋼板や非鉄金属板等において蛇行が顕著に現れる。一方、表面粗度Raが9.5μmより大きいと、ロール部の表面部の凹凸が顕著となり、ロール部と被洗浄面の密着性が劣り、ダム機能が弱くなることから、液体の除去性能が低下する。なお、ロール1の液体の除去性能とグリップ力のバランスをなお一層取るには、ロール部2の表面粗度Raを3.0μm以上6.0μm以下に設定するのが望ましい。表面粗度RaはJISB0601の規格により測定した値である。
図2において、台座3の外周等分2箇所には、鉄、SUS、アルミニウム等の金属材料からなる略四角柱形状のキー7が、軸心方向に渡り搭載され、ネジ(図示せず)にて固定して装着されている。また、概円環状のロール片4の内周等分2箇所には、溝部8が形成され、溝部8はキー7に嵌合挿入されている。キー7は、ロール1の回転時におけるロール片4の回り止めとなる。
図3において、ロール片4は、不織布11からなり、端面には側縁部9、中心には穴部10、内周等分2箇所には溝部8が設けられた概円環状にて形成されている。
次に、図3、及び図4を用いて、不織布11について詳説する。
不織布11の重量、厚み等は、特に限定されるものではないが、例えば、重量は280±20g/m、厚みは1.3±0.3mm程度に設定される。
図3、及び図4において、不織布11は、複数本の絡合された繊維12の表面に結合剤13が付着して形成されている。結合剤13は、繊維12の表面に付着することにより、絡合された繊維12を強固に接着し、不織布11の摩耗、剥離、切れ、ほつれ等を長期間に亘り防止する。繊維12と結合剤13の重量配合比率は、90:10〜30:70にて形成される。結合剤13の重量比率が10%未満の場合、ロール1は弾力性が発現しにくく、効果的なダム機能、及び吸排機能を発揮することができない。また、繊維12の重量比率が30%未満の場合、被洗浄面に付着した液体を吸い上げる繊維12の量が少ないので、液体を効率よく迅速に除去することができない。なお、より効果的にダム機能、及び吸排機能をロール1に発現させ、被洗浄面に付着している液体の量や粘度等に対応して、効率よく確実に液体を除去するには、繊維12と結合剤13の重量配合比率を、80:20〜55:45にて設定し、繊維12の比率を、結合剤13の比率より高く設定することが望ましい。
繊維12は、天然繊維、半合成繊維、合成繊維が単独使用、あるいは併用される。天然繊維は、綿、麻、リンネル等の植物繊維、羊毛、絹、カシミヤ等の動物繊維、石綿、ガラス繊維等の鉱物繊維が挙げられる。半合成繊維は、アセテート、トリアセテート、プロミックス等が挙げられる。合成繊維は、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ青化ビニリデン、ポリユリア、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリフルオロエチレン等が挙げられる。本発明のロール1のロール片4に使用される不織布11の繊維12は、短繊維の綿、及びナイロンから構成される。綿は吸液性能に優れており、ナイロンは耐摩耗性が良好である。短繊維を用いることにより、長繊維を用いた場合に比べ、不織布11の厚みを調整しやすくなる。なお、短繊維とは、一般的に繊維12の長さが50mm以下の繊維12のことをいう。
繊維12の繊度は、特に限定されるものではなく、1デニール(d)未満のマイクロファイバー、1デニール(d)以上のレギュラーファイバーのいずれでもよい。なお、1デニール(d)とは9000mで1gとなる繊維12の太さである。
結合剤13は、高分子弾性体からなり、アクリロニトリルブタジエンラバー(NBR)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、メタクリル酸メチルブタジエンラバー(MBR)、ポリウレタン等が挙げられ、単独使用、あるいは併用される。結合剤13の選択は、耐油性、耐水性、耐摩耗性などロール1の使用される環境、被洗浄面に付着している液体の種類、コストなどを勘案し、適宜、決定される。結合剤13は、高分子弾性体からなることから、繊維12を結合すると共に、ロール1に弾力性を付与することができる。その為、ロール1は効率よく確実にダム機能、及び吸排機能を発揮することができる。
ロール1の弾力性、及び耐摩耗性の向上を目的に、高分子弾性体の分子間に橋架け構造を形成してもよい。結合剤13に架橋剤を加え、100〜150℃程度に加熱して高分子弾性体と反応させることにより、高分子弾性体の分子間に橋架け構造を形成することができる。架橋剤としては、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン等のメラミン樹脂、ブロックイソシアネート等のイソシアネート樹脂、脂肪族エポキシ等のエポキシ樹脂が挙げられ、単独使用、あるいは併用される。架橋剤は、高分子弾性体の100重量部にたいして、0.5〜5重量部配合されるのが好ましい。0.5重量部未満の場合には、高分子弾性体の分子間全てに渡り、橋架け構造が形成されず、分子間に未架橋部分が生成され、高分子弾性体に一段と優れた弾力性を付与することができない。5重量部より多い場合には、高分子弾性体が硬くなり、却ってロール1の弾力性が劣ることになる。また、架橋剤に、有機アミン塩、複合金属塩等の架橋助剤を、架橋剤の使用量の10〜50%添加して用いてもよい。架橋助剤は、高分子弾性体の分子間に橋架け構造が形成されるのを促進する目的で添加されるものである。さらに、前記架橋剤を用いずに、高分子弾性体を加熱することにより、高分子間反応を起こし、高分子弾性体を自己架橋させて、橋架け構造を形成する方法を用いることもできる。
次に、図5(a)、及び図5(b)を用いて、本発明のロール1のロール片4に使用される不織布11を構成する綿15について説明する。
不織布11を構成する綿15は、図5(b)に示したコーマ糸18である。コーマ糸18は、カード糸14に対する繊維で、綿15の表面の一般的に綿カス16と呼ばれる異物の除去と、綿15の平行度を改良する為のコーマという機械を通して精製した繊維のことである。すなわち、カード糸14の表面の異物を除去すると共に、平行度を改良した繊維がコーマ糸18となる。また、綿15は、表面に複数の亀裂部17を有し、亀裂部17にて液体を毛細管現象により吸い上げるので、他の繊維に比べて、吸液性能に優れているのである。
次に、図5(c)、及び図5(d)を用いて、本発明のロール1のロール部2を構成するロール片4の表面状態について説明する。
図5(c)、及び図5(d)に記載のロール片4は、ロール1の回転方向にたいして、ロール片4の先端部の表面加工方向の順目が、鋼板25に当接されてある。また、本発明のロール片4は、表面粗度Ra(平均粗さ)が、2.5μm以上9.5μm以下にて形成されてあり、図5(c)の如く、繊維12が互いに密着した一体構造となっている。ロール片の表面粗度が9.5μm以上の場合には、図5(d)の如く、繊維12間の先端部に隙間19が形成されてある。隙間19は、ロール片4の表面加工時に、ロール片4の表面に加えられる押し付け力にたいして、繊維12の反力により発生するものである。本発明のロール片4においては、表面粗度Ra(平均粗さ)が、2.5μm以上9.5μm以下にて形成されてある為、繊維12の反力を極力、抑えることができ、鋼板25にロール片4の先端部が当接した時には、隙間19が発生する事が無いと共に、鋼板25にロール片4が押し付けられることにより、ロール片4と鋼板25との密着性が高まり、優れたグリップ力が発揮され、被洗浄面の蛇行が防止されると共に、ダム機能が効果的に発現するので、被洗浄面に付着した液体の除去性能が飛躍的に向上する。
一方、図5(d)の如く、表面粗度Raが9.5μmより大きいと、鋼板25にロール片4の先端部が当接した時においても、ロール片4の先端部に形成された隙間19が、ロール片4と鋼板25との間に形成されることにより、鋼板25に筋目等の表面ムラが発生し、ロール片4と鋼板25の密着性が劣化して、ダム機能が弱くなり、液体の除去性能が低下する。
また、表面粗度Raが2.5μmより小さいと、図5(c)の表面状態と同様に、ロール片4の先端部には隙間19は形成されないが、繊維12間の先端部において、鋼板25にたいする摩擦力が急激に低下すると共に、すべりが発生する為、鋼板25がロール片4との当接時に、蛇行が発生する。
次に、不織布11の製造方法について述べる。最初に複数本の繊維12を集積させ、ニードルパンチングと呼ばれる特殊な針を繊維12に突き刺すことにより、3次元に絡合されたウエッブと呼ばれる布状体を得る。次いで、高分子弾性体からなる結合剤13をスプレー、浸漬、含浸等の方法を用いて繊維12の表面に付着させ、加熱することにより平板状の不織布11を形成する。結合剤13には、必要に応じて架橋剤、架橋助剤、界面活性剤等を配合することができる。前記の製造方法は、一般的にケミカルボンド法と呼ばれている。
次に、ロール1の製作方法について説明する。
最初に、外周等分2箇所に略四角柱形状のキー7が、軸心方向に渡り搭載され、ネジにて固定して装着された台座3を用意する。次に、平板状の不織布11を用意し、不織布11をトムソン型、あるいはレーザーカッター等を用いて、2箇所の溝部8、側縁部9、及び穴部10を有する概円環状のロール片4に打ち抜く。次いで、ロール片4を複数枚重ね合わせて、穴部10を台座3にたいして貫通させると共に、溝部8をキー7に嵌合挿入することにより、台座3の外周にロール片4を積層する。そして、台座3の長手方向からプレス機にて所定長さだけ圧縮させた後、止め金具5、及びプレート6にて複数のロール片4を挟み付けて固定する。次に、所定時間放置することにより、重ね合わせた複数のロール片4の内部応力を均一化させ、側縁部9をバイト、ナイフ等により切削加工及び研磨加工する。最後に、粒度#100〜#1000程度のサンドペーパーやエメリーペーパー等の研磨紙、あるいは粒度#30〜#4000程度のカッティングホイール、ベルトサンダー、砥石等を用いて、ロール部2の表面粗度Ra(平均粗さ)が2.5μm以上9.5μm以下となるように仕上げ、ロール1が製作される。ロール部2の研磨方向の順目が被洗浄面に摺接するようにする。
上記の如く構成されたロール1の動作、作用は下記の通りである。
ロール部2の表面粗度Ra(平均粗さ)は2.5μm以上9.5μm以下であり、優れたグリップ力が発揮され、被洗浄面の蛇行が防止されると共に、ロール1と被洗浄面の密着性が上がり、ダム機能が効果的に発現するので、被洗浄面に付着した液体の除去性能が飛躍的に向上する。
ロール1は、ロール部2、及び台座3を有し、ロール部2は不織布11からなる概円環状の複数枚のロール片4が台座3の外周に積層されて形成されてあり、不織布11は複数本の繊維12を有し、繊維12は短繊維のコーマ糸18を有するもので、ロール部2が被洗浄面から液体を吸液する際、異物の少ないコーマ糸18を有することから、吸液性能を阻害する異物がロール部2の表面に少なく、迅速且つ確実に、ロール1の吸排機能が発揮される。また、短繊維のコーマ糸18を採用することにより、長繊維を用いた場合に比べ、不織布の厚みを調整しやすくなる。
異物の少ないコーマ糸18を有することから、異物がロール部2の表面に少なく、平滑にロール部2の表面が形成されるので、被洗浄面との密着性が高まり、良好なダム機能が発揮される。
繊維12の表面に異物の付着が少ないコーマ糸18を有することから、ロール部2の表面から異物が脱落し、被洗浄面に付着して製品不良につながることが防止される。
コーマ糸18は綿15であり、不織布11は吸液性能に優れた綿15を有することから、被洗浄面に付着した液体の除去性能が大幅に向上する。
不織布11は、複数本の繊維12、及び繊維12を接着させる結合剤13を有し、繊維12の接着性が強固になり、繊維12の脱落が防止されると共に、ロール1にゴム弾性が付与され、一段と優れた吸排機能が発揮される。
次に、本発明のロール1の油分除去性能について、下記要領にて試験した。本発明のロール1に使用した不織布11の組成及びロール部2のRaを実施例1、比較対象として比較例1、及び比較例2に使用した不織布11の組成及びロール部2のRaを、それぞれ表1に示す。また、油分除去性能の試験結果を、それぞれ表2に示す。
Figure 0006489573
(油分除去性能)
外径が100mm、内径が70mm、全長が300mmのロール部2を有するロール1を、それぞれ2本ずつ製作し、洗浄装置に上下一対にて前記ロール1を設置した。ロール部2の表面部の硬度は83°にて設定した。次に、溶融亜鉛メッキ鋼板に、スギムラ化学工業株式会社製の洗浄油プレトンR−303PX2(動粘度5.0cSt/40℃)を30g/m塗布し、周速を毎分100mにて回転させた前記ロール1にたいして、線圧8kgf/cmの圧力を加えて押し付け、上下のロール1の間に溶融亜鉛メッキ鋼板を通過させた。
そして、溶融亜鉛メッキ鋼板の残油量を測定すると共に、1mあたりの残油量に換算し、下記基準により判定した。
○・・・残油量が1.0g/m以下であった。
△・・・残油量が1.0g/mを超え、2.0g/m以下であった。
×・・・残油量が2.0g/mを超えていた。
Figure 0006489573
上記試験結果より、実施例1のロール1は、ロール部2の表面粗度Raが5.0μmにて形成されており、ロール部2と鋼板との密着性が良好で、残油量は0.5g/mで、油分除去性能は良好な結果が得られた。ロール部2の表面を研磨する際、レジンダーによるベルトサンダーを用いた。ベルトサンダーは、ロール部2の表面にたいして、面接触することから、ロール部2の表面の凹凸を極力小さくすることができる。
比較例1のロール1は、ロール部2の表面粗度Raが7.5μmにて形成されており、残油量は1.5g/mで、油分除去性能は実施例1のロール1に比べてやや劣るものであった。ロール部2の表面を研磨する際、グラインダーによるカッティングホイールを用いた。カッティングホイールは、ロール部2の表面にたいして、エッジ部分が線接触することから、実施例1のロール1よりもロール部2の表面のRaがやや高く、鋼板との密着性もやや劣る為、残油量も実施例1のロール1よりも多めとなった。
比較例2のロール1は、ロール部2の表面粗度Raが10.0μmにて形成されており、ロール部2の表面粗度Raが高いことから、残油量は2.5g/mで、油分除去性能は劣るものであった。ロール部2の表面を研磨する際、バイトを用いた。バイトは、ロール部2の表面にたいして、先端が点接触することから、ロール部2の表面の凹凸が大きく、Raが大きく、鋼板との密着性が劣り、残油量も多くなった。
図6を用いて、実施例2の洗浄装置について説明する。なお、構成の説明を容易にする為に、各部品の軸受け部や、支持部品の図示、説明は省略することとする。また、ロールは、鋼板に付着した油分除去用として用いられるものとする。
ロール21a、21bは、洗浄装置20に上下一対で設置され、上部に位置するロール21aの台座23の両端部に一定の圧力が加えられ、駆動手段24により矢印の方向に回転駆動し、上部のロール21aと下部のロール21bの間を、両面に油分(図示せず)が付着したピース状の鋼板25が白抜き矢印の方向に送出されている。
上部に位置するロール21aは鋼板25の表面から油分を除去し、下部に位置するロール21bは鋼板25の裏面から油分を除去する。油分が付着した鋼板25は、ロール部22と接触すると、ロール21a、21bのダム機能により、油分が鋼板25の両端部から流れ去ると共に、吸排機能により、圧力による圧縮ゾーン(鋼板25の流れ方向、すなわち白抜き矢印の方向において、ロール21a、21bより鋼板25の上流側)においてロール部22から鋼板25に一旦、油分が放出され、圧力からの開放ゾーン(鋼板25の流れ方向、すなわち白抜き矢印の方向において、ロール21a、21bより鋼板25の下流側)においてロール部22を構成する不織布の有する繊維の毛細管現象が発現し、油分がロール部22に吸い上げられると共に、ロール部22の空隙に放出され、油分は鋼板25から除去される。なお、ロール21a、21bは、上記に示した実施例1のロール1と同一である。
上記の如く構成された洗浄装置20の動作、作用は下記の通りである。
洗浄装置20は、初期段階から優れた液体の除去性能を有すると共に、鋼板25の蛇行が防止される。
本発明のロールは、主に、鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状の被洗浄面に付着した水分、油分、薬品成分等の液体を除去、搾取、洗浄する目的以外にも、長期間に亘り、優れた耐久性を必要とするロールとして、広く好適に使用することができる。
1、21a、21b ロール
2、22 ロール部
3、23 台座
4 ロール片
5 止め金具
6 プレート
7 キー
8 溝部
9 側縁部
10 穴部
11 不織布
12 繊維
13 結合剤
14 カード糸
15 綿
16 綿カス
17 亀裂部
18 コーマ糸
19 隙間
20 洗浄装置
24 駆動手段
25 鋼板

Claims (2)

  1. 鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状の被洗浄面に付着した水分、油分、薬品成分等の液体を除去、搾取、洗浄する為のロールにおいて、前記ロールは、ロール部及び台座を有し、前記ロール部は不織布からなる概円環状の複数枚のロール片が前記台座の外周に積層されて形成されてあり、前記不織布は、複数本の繊維と該繊維を接着させる高分子弾性体からなる結合剤とを有し、前記繊維は短繊維の綿からなるコーマ糸とナイロンとを有し、前記ロール部の表面粗度Ra(平均粗さ)が2.5μm以上5.0μm以下であることを特徴とするロール。
  2. 請求項に記載されたロールと、前記ロールを回転駆動する駆動手段を少なくとも有する洗浄装置。
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