JP5930706B2 - ロール及び洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状の被洗浄面に付着した水分、油分、あるいは薬品成分等の液体を除去、搾取、洗浄する為のロール、及びそのロールを搭載した洗浄装置に関するものである。
従来のこの種のロールに関しては、不織布ロール、ゴムロール等が一般的に使用され、例えば、不織布ロールに関しては、合成繊維不織布で構成されたディスク状物を、多数枚重畳させてなるロールにおいて、該合成繊維不織布が融点の異なる複数の繊維成分が混繊されてなるスパンボンド長繊維不織布であり、かつ、該合成繊維の低融点繊維成分が接合することにより形態固定されており、しかも該ロールの表面はJISK6301におけるスプリング式C型ゴム硬度計で測定したとき60°以上の硬度を有するものであることを特徴とする不織布ロール(特許文献1)が考案されている。
上記の不織布ロールは、表面の硬度が60°以上あり、比較的硬いことから、被洗浄面に付着した液体を不織布ロールで堰き止めて除去するダム機能は良好である。ダム機能は、不織布ロールで液体を堰き止めると共に、液体を被洗浄面の両エッジに向けて流し去り、液体を除去する機能である。しかしながら、例えば、厚みが5mm以上あるような厚板の如くの被洗浄面においては、上下の不織布ロールの間に被洗浄面を挟み込み、不織布ロールの両端部に圧力を付加しても、不織布ロールの両端部は押し潰されず、上下の不織布ロールと被洗浄面の間に隙間が発生する。従って、被洗浄面の略中央部の近傍は不織布ロールが強く圧接するが、両エッジの近傍は不織布ロールの圧接時の圧力が弱く、特に、側面には不織布ロールは接触しない。その為、被洗浄面の略中央部の液体は除去されるが、両エッジの端面、及び側面には液体が残る。前記の如くは、一般的にエッジドリップ現象と呼ばれている。エッジドリップ現象は、被洗浄面に不均一に液体が残ることから、製品不良につながる。
ところで、ロールの長手方向における全体の硬度を40°程度に低く設定し、加圧の際、ロールの端部が押し潰されるようにするということが考えられる。しかしながら、ロール全体の硬度を下げると、ロールが柔らかい為、ロールのダム機能が劣り、被洗浄面全体に液体が残るという問題が発生する。
上記に示した問題を解決する為、両端に設けられた空洞部を有する端空洞軸部分、及びこの端空洞軸部分の最中に設けられた中央中実軸部分でなる軸本体と、この軸本体の両端に設けられ、かつ前記空洞部に連通する軸方向に貫設した貫通孔を、少なくとも一方に設けた軸受部と、前記軸本体の空洞部に連通する前記両端空洞軸部分の周壁面に穿設した多数の透孔と、前記軸本体の中央中実軸部分に套嵌されたゴムロール筒体と、このゴムロール筒体の軸方向に並設するように設けられ、かつ前記軸の両端空洞軸部分に套嵌された多数枚で形成する不織布ロール、又はスポンジロール等の毛細管作用を有する吸引ロール筒体と、この吸引ロール筒体の両端面で、かつ軸本体と軸受部との連設部に固定される一対のフランジと、で構成されるオイルプロセスライン等で採用される流体均一排除機能を備えた複合構造ゴムリンガーロール(特許文献2)が提案されている。
特開平7−190046号公報 特開平5−15856号公報
特許文献2の複合構造ゴムリンガーロールは、両端部が不織布で構成されると共に、負圧作用により、不織布を構成する繊維の毛細管での吸液作用を増幅することができるので、被洗浄面の両エッジには液体は残りにくい。しかしながら、ゴムロール筒体と、吸引ロール筒体はほぼ同様な硬度を備えていることから、硬度が高く設定された場合、加圧しても両端部は押し潰されず、被洗浄面にはエッジドリップ現象が発生する。一方、硬度が低く設定された場合、略中央部のゴムロール筒体のダム機能が劣ると共に、ゴムで構成されている為、不織布ロールの如く、繊維の毛細管現象が作用せず、吸液性能が発現されず、被洗浄面の略中央部に液体が残り、均一に液体を除去できないという課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、被洗浄面の両エッジに液体が残らず、被洗浄面から均一に液体を除去できるロール、及びそのロールを搭載した洗浄装置を提供することを目的としている。
前記従来の課題を解決する為に、請求項1の発明のロールは、鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状の被洗浄面に付着した水分、油分、あるいは薬品成分等の液体を除去、搾取、洗浄する為のロールにおいて、前記ロールはロール部及び台座を有し、前記台座は前記ロール部が外周に形成される本体部、及び前記本体部の両端に連接される継ぎ手部A及び継ぎ手部Bを有し、前記ロール部は、長手方向における両方の端部の近傍部分と、該両方の端部の近傍部分と境界を有しつつ連接された略中央部の近傍部分とを備え、前記両方の端部の近傍部分が前記略中央部の近傍部分より表面の硬度が小であると共に、前記両方の端部の近傍部分と前記略中央部の近傍部分には不織布からなる複数の概円環状のロール片が積層されて形成されてあるもので、被洗浄面のエッジ部分が通過するロール部の端部の硬度は、略中央部に比べて、低く設定されている。従って、ロール部の表面部は、柔らかい為、ロールの弾力性が向上し、ロール部と被洗浄面との接触面積が広がり、ロールに圧力を付加すると、端部は押し潰され、被洗浄面のエッジ部分にロール部が当接する。その為、被洗浄面が、例えば5mm以上の厚板の場合においても、エッジドリップ現象が発生することなく、被洗浄面のエッジ部分の液体が除去される。
また、ロール部の略中央部は、端部より硬度が高く設定されていると共に、不織布にて形成されている。従って、被洗浄面の略中央部においては、付着した液体を堰き止めるダム機能が効果的に作用すると共に、不織布の有する繊維による毛細管現象により、ダム機能で除去できなかった液体を吸い上げることができる。その為、ロールは被洗浄面の略中央部、両エッジ部とも液体を除去することができるので、均一な液体の除去性能が発揮される。なお、硬度とは物質の硬さを表わし、JISK6253加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法に記載のデュロメータ硬さ試験により測定した硬度である。
本発明のロールにおいては、ロール部の端部の近傍部分を構成する材質は、略中央部の近傍部分を構成する不織布と同一であってもよいし、異なる不織布であってもよい。また、本発明のロールにおいては、被洗浄面が厚板の場合に限らず、薄板の場合においても、同様にエッジドリップ現象を防止できる。
請求項2の発明のロールは、特に、請求項1のロールにおいて、台座の本体部の長手方向における両方の端部の近傍に当たり部が構成されてあるもので、本体部の端部の近傍の外径を、略中央部の外径より小さくし、端部の近傍にリングやスペーサー等の当て部材を嵌めて、本体部に固定する等により当たり部を設けることで、本体部の端部の近傍にロール片を積層する場合は、当たり部より本体部の略中央部側にロール片がずれることがない。また、当たり部より本体部の端部側にロール片がずれることもない。従って、本体部の端部の近傍と、略中央部の近傍において、軸心方向の単位長さあたりにおけるロール片の積層枚数を任意に変えることができる。その為、ロール部の端部の近傍と、略中央部の近傍において、表面の硬度を任意に設定することができる。
請求項3の発明のロールは、特に、請求項1又は2のロールにおいて、ロール部は長手方向における両方の端部の近傍部分が略中央部の近傍部分より単位体積あたりの見掛け密度が小にて形成されてあるもので、ロール部の端部の近傍部分は、略中央部の近傍部分よりも硬度を低く設定することができる。ロール部の端部の近傍部分における単位体積あたりの見掛け密度を低く設定するには、例えば、ロール片の本体部にたいする積層枚数を調整することにより、設定することができる。すなわち、ロール片の積層枚数が多ければ見掛け密度が高く、硬度は高くなり、少なければ見掛け密度が低く、硬度は低くなるので、単位長さあたりのロール部の端部の近傍部分におけるロール片の積層枚数を、略中央部の近傍部分における積層枚数よりも少なく設定してロール部を形成すればよい。
請求項4の発明のロールは、特に、請求項1から3のいずれかのロールにおいて、ロール部は長手方向における両方の端部の近傍部分と、略中央部の近傍部分においてロール片の材質が異なるもので、例えば、ロール部の略中央部の近傍部分は、常に被洗浄面が通過することから、耐摩耗性に優れた材質をロール片に採用し、端部の近傍部分は、硬度が低いことからダム機能は劣るので、吸液性能に優れた材質等をロール片に採用する等、使用目的や使用環境に応じて、任意にロール片の材質を選択し、ロール部を形成することができる。
請求項5の発明のロールは、特に、請求項1から4のいずれかのロールにおいて、ロール部は少なくとも長手方向における両方の端部の近傍部分においてロール片よりも回転外径が小である補強部材を有するもので、ロール部の端部は、ロール片よりも回転外径が小さい補強部材が積層されていることから、ロール部の表面部は、芯部に比べて硬度が低く、柔らかい為、ロールの弾力性が向上し、ロール部と被洗浄面との接触面積が広がり、被洗浄面からの液体の除去性能が向上する。また、ロール部の芯部は、表面部に比べて硬度が高く、硬い為、ロールの回転中にロール片が本体部から位置ずれすることがなく、ロール部の表面部が凹凸になることが抑制されるので、ロール部は均一に被洗浄面に摺接し、ロールは高い耐久性を維持することができる。
請求項6の発明のロールは、特に、請求項1から5のいずれかのロールにおいて、ロール部は長手方向における少なくとも一方の端部の近傍部分及び/又は略中央部の近傍部分が、積層された複数のロール片が接合され、一体化されたロールモジュールにて形成されてあるもので、ロール片が一体化されたロールモジュールを有することから、ロール部の表面部が凹凸になることが防止され、長期間に亘り、ロール部の形態安定化を図ることができる。また、ロール片のズレが抑制され、硬度ムラの発生が解消されるので、より均一に被洗浄面から液体を除去することができる。
請求項7の発明のロールは、特に、請求項1から6のいずれかのロールにおいて、台座は本体部に開口部が形成されてあると共に、前記本体部の両端に連接される継ぎ手部A及び/又は継ぎ手部Bに中空部が形成されてあり、少なくとも本体部の長手方向における略中央部の外周には前記開口部に連通する孔部が開設されてあるもので、継ぎ手部A及び/又は継ぎ手部Bの端部に、配管等を介してコンプレッサーや真空ポンプ等の外部装置を接続し、コンプレッサーから圧縮流体をロール部に送出したり、あるいは真空ポンプを用いてロール部に真空圧を加えることにより、ロール部に吸収された液体を、ロールの外部に排出することができる。その為、ロール部の吸液飽和状態が解消され、ロールの耐用期間の大幅な長期化につながる。
上記の如く、ロールをコンプレッサーと接続した場合、コンプレッサーから圧縮流体を噴射すると、圧縮流体は配管を通り、中空部、開口部の順に流れ込み、孔部を介してロール部に入り、ロール部に吸収された液体と共に、ロールの外部に放出される。その為、ロール部の吸液飽和状態が解消され、ロールは長期間に亘って、被洗浄面に付着した液体を除去、搾取、洗浄することができる。なお、圧縮流体を噴射するタイミングは、ロールの稼働時においては、被洗浄面に液体が付着する為、ロールの非稼働時がよい。
また、ロールを真空ポンプと接続した場合、ロール部に吸収された液体は、ロール部に付加された真空圧により、孔部、開口部、中空部の順に通り、配管を介してロールの外部に放出される。その為、ロール部の吸液飽和状態が解消され、ロールは長期間に亘って、被洗浄面に付着した液体を除去、搾取、洗浄することができる。なお、ロール部に真空圧を付加するタイミングは、上記の噴射タイプのロールと異なり、稼働時においても被洗浄面に液体が付着することなく、ロールの外部に液体が排出される為、ロールの稼働時、非稼働時のいずれでもよい。
請求項8の発明の洗浄装置は、請求項1から7のいずれか1項に記載されたロールと、前記ロールを回転駆動する駆動手段を少なくとも有するもので、1本のロールにおいて端部の近傍部分と略中央部の近傍部分におけるロール部の硬度が異なると共に、被洗浄面に付着した液体の除去性能に優れたロールが搭載されていることから、エッジドリップ現象の発生を抑え、生産性の向上を図ることができると共に、品質が安定した鋼板、非鉄金属板、樹脂板、フィルム状樹脂組成物等を生産することができる。
請求項1の発明のロールは、ロール部の端部の近傍部分が略中央部の近傍部分に比べて硬度が低く設定されていることから、ロールに圧力を付加すると、ロール部の端部が押し潰され、被洗浄面の両エッジの液体を除去することができる。また、ロール部の略中央部の表面硬度は、端部の近傍の表面硬度に比べて高く設定されていると共に、不織布からなる為、ダム機能、及び毛細管現象により被洗浄面から液体を除去できる。その為、被洗浄面が厚板の場合においても、ロールはエッジドリップ現象を発生させることなく、均一に被洗浄面から液体を除去することができる。
請求項2の発明のロールは、台座の本体部の長手方向における両方の端部の近傍に当たり部が形成されているので、ロール片の積層枚数を調整することにより、ロール部の端部の近傍部分と、略中央部の近傍部分において、表面の硬度を任意に設定することができる。また、ロール片のずれを防止できる。
請求項3の発明のロールは、ロール部の長手方向における両方の端部の近傍部分が略中央部の近傍部分より単位体積あたりの見掛け密度が小さいので、端部の近傍における硬度を、略中央部における硬度よりも低く設定することができる。
請求項4の発明のロールは、使用目的や使用環境に応じて、任意にロール片の材質を選択し、ロール部を形成することができる。
請求項5の発明のロールは、少なくともロール部の両端部の近傍部分において、ロール片よりも回転外径が小さい補強部材が積層されていることから、ロール部の表面部は、芯部に比べて硬度が低く、柔らかい為、ロールの弾力性が向上し、ロール部と被洗浄面との接触面積が広がり、被洗浄面からの液体の除去性能が向上する。また、ロール部の芯部は、表面部に比べて硬度が高く、硬い為、ロールの回転中にロール片が本体部から位置ずれすることがなく、ロール部の表面部が凹凸になることが抑制されるので、ロール部は均一に被洗浄面に摺接し、ロールは高い耐久性を維持することができる。
請求項6の発明のロールは、ロール片が一体化されたロールモジュールにて形成されてあることから、硬度ムラを抑制し、ロール部の表面部における凹凸の発生が防止され、長期間に亘り、ロール部の形態安定化を図ることができる。
請求項7の発明のロールは、継ぎ手部A及び/又は継ぎ手部Bの端部に、配管等を介してコンプレッサーや真空ポンプ等の外部装置を接続し、コンプレッサーから圧縮流体をロール部に送出したり、あるいは真空ポンプを用いてロール部に真空圧を加えることにより、ロール部に吸収された液体を、ロールの外部に排出することができるので、ロール部の吸液飽和状態が解消され、ロールの耐用期間の大幅な長期化を図ることができる。
請求項8の発明の洗浄装置は、品質が安定した鋼板、非鉄金属板、樹脂板、フィルム状樹脂組成物等を生産することができると共に、生産性の向上を図ることができる。
本発明の第1の実施例におけるロールの正面図である。 図1の断面図である。 台座の正面図である。 (a)本体部の端部の近傍に積層されるロール片の平面図、(b)本体部の略中央部の近傍に積層されるロール片の平面図、(c)補強部材の平面図である。 本発明の第2の実施例におけるロールの断面図である。 (a)本体部の略中央部の近傍に積層されるロール片を前面側から見た斜視図、(b)弾性繊維の斜視図、(c)本体部の端部の近傍に積層されるロール片を前面側から見た斜視図、(d)図6(c)の部分拡大斜視図である。 ロールモジュールを前面側から見た斜視図である。 本発明の第3の実施例におけるロールの断面図である。 本発明のロールが搭載された洗浄装置の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
図1から図4を用いて、実施例1のロールについて説明する。
図1、及び図2において、ロール1は、ロール部2、台座3、止め金具9、及びプレート10より構成されている。台座3は、鉄、SUS、アルミニウム等の金属材料からなる略円柱形状であり、外周にロール部2が形成される本体部4、及び本体部4の両端に連接される継ぎ手部A5と、継ぎ手部B6から構成されている。本体部4の端部の近傍には、スペーサーからなる当て部材15が、ボルトからなる止め具16にて本体部4に固定され、本体部4と一体化されている。台座3は、略円筒形状でもよい。ロール部2は、複数のロール片7A、7Bが台座3の外周に積層されると共に、重ね合わされて形成されてあり、両側から止め金具9、及びプレート10にて挟み付けられて形成されている。ロール片7Aとロール片7Bは、同一素材である。止め金具9には、スナップリングが使用されている。特に図示しないが、ナットを止め金具9として用いてもよい。ロール片7Aは、本体部4の端部の近傍に積層され、ロール片7Bは、本体部4の略中央部の近傍に積層されている。また、本体部4の端部の近傍に積層されたロール片7Aの所定枚数毎に、ロール片7Aよりも回転外径が小さい補強部材11が挿入されている。補強部材11は、ロール片7A2〜10枚程度にたいし、1枚挿入される。
図2、及び図3において、台座3は、本体部4の両方の端部に継ぎ手部A5と継ぎ手部B6が溶接により連接され、固定されている。本体部4の長手方向における略中央部の近傍における範囲Lの外径はDであり、両方の端部の近傍における範囲Lの外径はDである。端部の近傍の外径Dは、略中央部の近傍の外径Dよりも小さくなるよう設定されている。そして、本体部4のLの範囲に、略円筒形状で鉄、SUS、アルミニウム、合成樹脂等からなる当て部材15を嵌合挿入すると共に、止め穴17に止め具16を挿入して本体部4に固定して、一体化する。当て部材15の内径は、本体部4の範囲Lの外径Dと略同一で、外径は本体部4の範囲Lの外径Dよりも大きく設定されている。その為、必然的に当たり部8が本体部4の端部の近傍に形成される。また、継ぎ手部A5と継ぎ手部B6には、止め金具9が嵌合挿入される凹状の嵌合部12がそれぞれ設けられている。
図4(a)において、本体部4の端部の近傍における範囲Lに積層されるロール片7Aは、中心部に穴部13A、外周部に側縁部14が形成された概円環状の不織布からなる。図4(b)において、本体部4の略中央部の近傍における範囲Lに積層されるロール片7Bは、中心部に穴部13B、外周部に側縁部14が形成された概円環状の不織布からなる。ロール片7Aとロール片7Bの外径は略同一であり、内径はロール片7Aの方が、ロール片7Bよりも大きい。すなわち、ロール片7Aの内径は、本体部4の端部の近傍における範囲Lに嵌合挿入され一体化した当て部材15の外径と略同一であり、ロール片7Bの内径は、本体部4の略中央部の近傍における範囲Lの外径Dと略同一である。図4(c)において、補強部材11は、中心部に穴部13Aが形成された概円環状の不織布からなる。補強部材11を構成する不織布は、ロール片7A、7Bと同一の材質であってもよいし、異なる材質であっても構わない。また、補強部材11の材質は、特に限定されるものではなく、織布、編物、樹脂板、フィルム状樹脂組成物、合成樹脂発泡体、ゴム板等でも何ら支障はない。補強部材11の外径は、ロール片7Aよりも小さく、内径はロール片7Aと略同一である。なお、特に図示しないが、台座3にたいするロール片7A、7Bと補強部材11の回転ズレを防止する為に、ロール片7A、7Bと補強部材11の内周に凹状の溝を形成すると共に、本体部4の長手方向の外周に凸状となるキーを装着して、前記凹状の溝を、凸状のキーに嵌合挿入させることにより、ロール片7A、7Bと補強部材11を本体部4に積層してもよい。
次に、ロール1の製作方法について説明する。
最初に、平板状の不織布を用意し、不織布をトムソン型、あるいはレーザーカッター等を用いて、穴部13A、13B、及び側縁部14を有する概円環状のロール片7A、7Bに形成する。補強部材11についても、前記と略同一の方法にて形成する。
上記に示したロール片7A、7B、補強部材11が用意されたならば、台座3を構成する継ぎ手部B6側における本体部4の範囲Lの外周に、当て部材15を嵌合挿入すると共に、止め穴17に止め具16を挿入し、本体部4に固定して一体化する。次に、台座3を構成する継ぎ手部A5の端部から所定枚数のロール片7Bを、穴部13Bが台座3に貫通するように挿入し、本体部4の略中央部の近傍における範囲Lに積層すると共に、所望の硬度が得られるようプレス機にて圧縮する。次いで、台座3を構成する継ぎ手部A5側における本体部4の範囲Lの外周に、当て部材15を嵌合挿入すると共に、止め穴17に止め具16を挿入し、本体部4に固定して一体化し、本体部4の略中央部の範囲Lにロール部2を構成するロール片7Bを形成する。圧縮されたロール片7Bは、継ぎ手部A5側に構成された当たり部8、及び継ぎ手部B6側に構成された当たり部8により、外側に反発して広がろうとする作用が抑制され、所望の硬度を維持することができるよう固定される。
次に、継ぎ手部A5の端部からロール片7Aと、ロール片7Aの所定枚数毎に挿入された補強部材11を、穴部13Aが台座3に貫通するように挿入し、本体部4と一体化された当て部材15の外周に積層すると共に、所望の硬度が得られるようプレス機にて圧縮し、プレート10、及び止め金具9にて固定する。次いで、台座3を反転させ、継ぎ手部B6の端部から所定枚数のロール片7Aと、ロール片7Aの所定枚数毎に挿入された補強部材11を、穴部13Aが台座3に貫通するように挿入し、本体部4と一体化された当て部材15の外周に積層すると共に、所望の硬度が得られるようプレス機にて圧縮し、プレート10、及び止め金具9にて固定する。そして、所定時間放置することにより、重ね合わせた複数のロール片7A、7B、及び補強部材11の内部応力を均一化させ、側縁部14をバイト、砥石等により切削加工及び研磨加工し、台座3の外周にロール部2を形成してロール1が製作される。
ロール部2の表面部の硬度は、両方の端部の近傍が、略中央部の近傍よりも低くなるよう設定されている。すなわち、本体部4の長手方向における単位長さあたりのロール片7A、7Bの積層枚数が、端部の近傍におけるロール片7Aの方が略中央部の近傍におけるロール片7Bよりも少なく、ロール部2の単位体積あたりの見掛け密度が小さくなるように設定されているからである。ロール部2の端部の近傍における表面の硬度は、30°以上50°未満程度に設定されるのが望ましい。硬度が30°未満の場合、硬度が低すぎて、ロール1に圧力が加わるとロール部2にヘタリが生じやすくなる。硬度が50°以上の場合、硬度が高すぎて、上下のロール1の間に被洗浄面が挟み込まれ、ロール部2が圧接されても、ロール部2が押し潰されず、被洗浄面の両エッジ部分にたいする圧接時の圧力が弱くなり、被洗浄面のエッジに液体が残るエッジドリップ現象が発生しやすくなる。一方、ロール部2の略中央部の近傍における表面の硬度は、50°以上90°未満程度に設定されるのが望ましい。硬度が50°未満の場合、ダム機能が弱く、被洗浄面から液体を、端部方向に流しにくくなる。硬度が90°以上の場合、硬度が高すぎて、ロール部2と被洗浄面の接触面積が狭く、被洗浄面から液体を、均一に除去することが難しくなる。
次に、ロール片7A、7B、及び補強部材11を構成する不織布の製造方法について、いくつか述べる。
第1の方法は、複数本の繊維を、平板状に集積させて布状体を形成し、前記布状体を複数枚、重ね合わせた後、特殊な針を突き刺して、3次元に絡合された不織布を得る。前記の製造方法は、一般的には、ニードルパンチングと呼ばれている。また、布状体はウエッブと呼ばれている。得られた不織布は、ポリウレタン溶液中に含浸され、不織布にポリウレタンを充填させる。次いで、ポリウレタンを充填させた不織布を、水中に浸漬させると共に、水中に二酸化炭素を注入し、炭酸発泡させることにより、不織布、及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる平板状の二重構造体を形成する。なお、不織布を形成する繊維には、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、別名ウレタン弾性糸とも呼ばれるスパンデックス繊維等が単独使用、あるいは併用される。
第2の方法は、複数本の繊維を、平板状に集積させて布状体となるウエッブを形成し、ニードルパンチングにより3次元に絡合された不織布を得る。得られた不織布にたいして、架橋剤を配合した高分子弾性体をスプレー、浸漬、含浸等の方法を用いて付着させ、加熱することにより不織布を形成する繊維の間を結合させるもので、前記の製造方法により得られた不織布は、一般的にケミカルボンド法不織布と呼ばれている。なお、不織布を形成する繊維には、綿、レーヨン、セルロース等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成樹脂繊維が単独使用、あるいは併用される。また、高分子弾性体には、ニトリルゴム、アクリルゴム、スチレンゴム、ウレタンゴム、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が単独使用、あるいは併用される。また、架橋剤は、前記高分子弾性体の分子間に橋架け構造を形成し、一段と優れた弾力性を高分子弾性体に付与する目的で配合されるものであり、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン等のメラミン樹脂、ブロックイソシアネート等のイソシアネート樹脂、脂肪族エポキシ等のエポキシ樹脂を単独、あるいは併用して用いることができる。
第3の方法は、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂を溶融紡糸すると共に、得られた熱可塑性樹脂繊維にたいして100〜150kgf程度の高圧水流を噴射することにより、繊維を絡合させる。次いで、架橋剤を配合した高分子弾性体をスプレー、浸漬、含浸等の方法を用いて繊維に付着させ、加熱することにより不織布を形成するもので、前記の製造方法により得られた不織布は、一般的に水流絡合法不織布と呼ばれている。
上記に示した不織布の製造方法は代表的な例であり、上記以外にも、例えば、熱溶融した合成樹脂を連続的に紡糸して繊維を形成し、繊維を延伸しながら捕集ネット上に集積して熱ロールで加圧することにより繊維を結合して不織布を形成するスパンボンド法、熱溶融した合成樹脂を紡糸口から吐出する際、高温エアーで紡出し、捕集ネット上で加熱された繊維を結合させて不織布を形成するメルトブロー法、塩化メチレン、フロン等の低沸点溶剤中に合成樹脂を溶解し、紡糸口から加熱、加圧状態で繊維を紡糸すると同時に、前記低沸点溶剤を揮発させ、繊維を捕集ネット上に集積し、熱ロールで加圧して繊維を結合して不織布を形成するフラッシュ紡糸法、融点の異なる複数の合成樹脂を溶融して融点の高い方の合成樹脂を紡糸して繊維を形成し、溶融された融点の低い方の合成樹脂をバインダーとして繊維を接着させて不織布を形成するファイバーボンド法やサーマルボンド法等により製造された不織布を用いても構わない。なお、不織布は、ロール1に形成された場合、被洗浄面の繰り返しの当接に強く、繊維がほつれ難く、織布、編物等の他の布帛をロール1に用いた場合に比べて、ロール1の耐久性の向上につながる。
ロール片7A、7B、及び補強部材11に用いられる不織布の選択については、ロール1が使用される雰囲気温度、除去する液体にたいする耐薬品性等の使用条件、コスト等を考慮して、適宜、決定されるものである。
上記の如く構成されたロール1の動作、作用は下記の通りである。
ロール1は、ロール部2及び台座3を有し、台座3はロール部2が外周に形成される本体部4、及び本体部4の両端に連接される継ぎ手部A5及び継ぎ手部B6を有し、ロール部2は長手方向における両方の端部の近傍が略中央部の近傍より表面の硬度が小であると共に、少なくとも前記略中央部の近傍には不織布からなる複数の概円環状のロール片7Bが積層されて形成されてあるので、被洗浄面のエッジ部分が通過するロール部2の端部の硬度は、略中央部に比べて、低く設定されている。従って、ロール1に圧力を付加すると、端部は押し潰され、被洗浄面のエッジ部分にロール部2が当接する。その為、エッジドリップ現象が発生することなく、被洗浄面のエッジ部分の液体が除去される。
ロール部2の略中央部は、端部より硬度が高く設定されていると共に、不織布にて形成されている。従って、被洗浄面の略中央部においては、付着した液体を堰き止めるダム機能が効果的に作用すると共に、不織布の有する繊維による毛細管現象により、ダム機能で除去できなかった液体を吸い上げることができる。その為、ロール1は被洗浄面の略中央部、両エッジ部分とも液体を除去することができるので、均一な液体の除去性能が発揮される。
ロール1は、本体部4の長手方向における両方の端部の近傍に当たり部8が構成されているので、本体部4の端部の近傍にスペーサーからなる当て部材15を嵌めて、本体部4に固定することにより当たり部8を設けることで、本体部4の略中央部の近傍にロール片7Bを積層する場合、当たり部8より本体部4の端部側にロール片7Bがずれることがない。従って、本体部4の端部の近傍と、略中央部の近傍において、軸心方向の単位長さあたりにおけるロール片7A、7Bの積層枚数を任意に変えることができる。その為、ロール部2の端部の近傍と、略中央部の近傍において、表面の硬度を任意に設定することができる。
ロール部2は、長手方向における両方の端部の近傍が略中央部の近傍より単位体積あたりの見掛け密度が小にて形成されているので、ロール部2の端部の近傍は、略中央部の近傍よりも硬度を低く設定することができる。ロール部2の端部の近傍における単位体積あたりの見掛け密度を低く設定するには、例えば、ロール片7Aの本体部4にたいする積層枚数を調整することにより、設定することができる。すなわち、ロール片7Aの積層枚数が多ければ見掛け密度が高く、硬度は高くなり、少なければ見掛け密度が低く、硬度は低くなるので、単位長さあたりのロール部2の端部の近傍におけるロール片7Aの積層枚数を、略中央部の近傍におけるロール片7Bの積層枚数よりも少なく設定してロール部2を形成すればよい。
ロール部2は、長手方向における両方の端部の近傍においてロール片7Aよりも回転外径が小である補強部材11を有するので、ロール部2の端部は、ロール片7Aよりも回転外径が小さい補強部材11が積層されていることから、ロール部2の端部の表面部は、芯部に比べて硬度が低く、柔らかい為、ロール1の弾力性が向上し、ロール部2と被洗浄面との接触面積が広がり、被洗浄面からの液体の除去性能が向上する。また、ロール部2の端部の芯部は、表面部に比べて硬度が高く、硬い為、ロール1の回転中にロール片7Aが本体部4から位置ずれすることがなく、ロール部2の表面部が凹凸になることが抑制されるので、ロール部2は均一に被洗浄面に摺接し、ロール1は高い耐久性を維持することができる。
次に、本発明のロール1の油分除去性能について、下記要領にて試験した。また、対象物のエッジドリップの発生について、目視観察した。
実施例として、外径が100mm、内径が70mm、全長が300mmのロール部2を有するロール1を、2本製作し、洗浄装置に上下一対にて前記ロール1を設置した。ロール部2の表面部の硬度は、両端部75mmは40°、略中央部150mmは60°にて設定した。次に、対象物となる厚み5.8mmの鋼板(A4サイズ)に、スギムラ化学工業株式会社製の洗浄油プレトンR−303PX2(動粘度5.0cSt/40℃)を30g/m塗布し、周速を毎分100mにて回転させた前記ロール1にたいして、線圧5kgf/cmの圧力を加えて押し付け、上下のロール1の間に鋼板を通過させた。鋼板の残油量を測定したところ0.3g/mであった。また、鋼板の両エッジに油残りは発生しなかった。
次に、比較例として、外径が100mm、内径が70mm、全長が300mmのロール部2を有するロール1を、2本製作し、洗浄装置に上下一対にて前記ロール1を設置した。ロール部2の表面部の硬度は全長に亘り60°にて設定した。対象物となる厚み5.8mmの鋼板に、スギムラ化学工業株式会社製の洗浄油プレトンR−303PX2(動粘度5.0cSt/40℃)を30g/m塗布し、周速を毎分100mにて回転させた前記ロール1にたいして、線圧5kgf/cmの圧力を加えて押し付け、上下のロール1の間に鋼板を通過させた。鋼板の残油量を測定したところ0.5g/mであった。また、鋼板の略中央部には油残りは発生しなかったものの、両エッジ約5mmに油が残り、エッジドリップ現象が発生した。
上記試験結果より、実施例のロール1は、ロール部2の端部の硬度が、略中央部に比べて低く設定されているので、鋼板の両エッジにたいする密着性が良好で、且つ略中央部はダム機能が効率よく確実に作用することから、エッジドリップ現象を発生させることなく、鋼板から均一に油分を除去することが判明した。
なお、本実施例においては、ロール片7A及びロール片7Bの回転外径は同一であり、ロール部2の長手方向における両方の端部の近傍と、略中央部の近傍との間に段差が形成されていないが、前記の段差については、0.1mm程度の段差を形成し、ロール片7Aの回転外径を、ロール片7Bの回転外径よりも大とし、洗浄効果を上げること等も本発明に含まれる。
図5から図7を用いて、実施例2のロールについて説明する。なお、上記実施例1と同一部材については、詳しい説明を省略する。
図5において、ロール21は、ロール部22、台座23、止め金具29、及びプレート30より構成されている。台座23は、鉄、SUS、アルミニウム等の金属材料からなる略円柱形状であり、外周にロール部22が形成される本体部24、及び本体部24の両端に連接される継ぎ手部A25と、継ぎ手部B26から構成されている。本体部24の端部の近傍には、スペーサーからなる当て部材48が、ボルトからなる止め具46にて本体部24に固定され、本体部24と一体化されている。ロール部22は、複数のロール片27A、27Bが台座23を構成する本体部24の外周に積層されると共に、重ね合わされて形成されてあり、両側から止め金具29、及びプレート30にて挟み付けられて形成されている。止め金具29には、スナップリングが使用されている。ロール片27Aは、本体部24の両方の端部の近傍に積層され、ロール片27Bは、本体部24の略中央部の近傍に積層されている。また、ロール片27Aは、積層されると共に、一体化されたロールモジュール47として構成されている。台座23を構成する本体部24は、長手方向における両方の端部の近傍の外径が、略中央部の近傍の外径より小さく、当て部材48が止め具46で固定されることにより、略中央部の外径よりも大きくなり、外径が変わる境目には当たり部28が形成されている。
図6(a)において、本体部24の略中央部の近傍に積層されるロール片27Bは、中心部に穴部33B、外周部に側縁部34が形成された概円環状の不織布からなる。ロール片27Bに用いられる不織布は、複数本の弾性繊維35が絡合されてあり、弾性繊維35は、図6(b)の如く、繊維36の表面に高分子弾性体37が付着して形成されている。繊維36には、綿、セルロース等の天然繊維、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維が用いられ、一般的にレギュラーファイバーと呼ばれる繊度が1dTx(デシテックス)以上の単繊維からなる。1dTxとは、10000mで1gとなる繊維36のことをいう。高分子弾性体37には、NBR(アクリロニトリルブタジエンラバー)、MBR(メタクリル酸メチルブタジエンラバー)、SBR(スチレンブタジエンラバー)等が用いられる。
図6(c)において、本体部24の端部の近傍に積層されるロール片27Aは、中心部に穴部33A、外周部に側縁部34が形成された概円環状の不織布からなる。ロール片27Aとロール片27Bの外径は略同一であり、内径はロール片27Aの方が、ロール片27Bよりも大きい。前記に示したようなロール片27A、27Bの構成とすることにより、ロール片27Bを本体部24の外周に積層する際、ロール片27Bは、当たり部28より本体部24の端部側へずれて移動することがなく、ロール部22の長手方向の端部の近傍と、略中央部の近傍においてロール片27A、27Bの積層枚数を調整することにより、任意に表面の硬度を設定することができる。ロール部22は、両方の端部の近傍の硬度が、略中央部の近傍の硬度より低くなるよう設定されている。
ロール片27Aに用いられる不織布は、図6(d)の如く、複数本の極細繊維39が集束した繊維束40が複数個形成されると共に、繊維束40の周りを、極微細な気泡42を有する発泡化したポリウレタンの基部41が付着した二重構造体として形成されている。隣り合う極細繊維39の間には空隙部38が形成されている。極細繊維39は、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維からなり、繊度は1dTx未満である。一般的に、極細繊維39はマイクロファイバーと呼ばれ、繊維束40は海島構造と呼ばれている。
次に、ロール片27Aからなるロールモジュール47の製作方法について説明する。
最初に、不織布を概円環状に打ち抜き、複数枚のロール片27Aを用意する。次に、軸体(図示せず)を用意し、ロール片27Aを軸体の外周に挿入しながら複数枚重ね合わせると共に、圧縮し、仮ロールモジュールを形成する。次いで、仮ロールモジュールを、100℃程度の温水、あるいは恒温槽に入れ、加熱することで、繊維束40の外周部を形成するポリウレタンの基部41を溶融し、隣り合うロール片27Aを接着させ、軸体から抜き取り、ロールモジュール47が形成される。ロールモジュール47は、前記の手順を踏まえ、ロール部2の端部を形成するのに必要な数量だけ用意する。
上記の如く構成されたロール21の動作、作用は下記の通りである。
ロール21は、ロール部22の長手方向の両方の端部の近傍に積層されるロール片27Aと、略中央部の近傍に積層されるロール片27Bの材質が異なる。材質を変えることにより、使用目的や使用環境に応じ、任意にロール部22の特質を選択し、材質を選定することができる。
すなわち、ロール部22の略中央部は、常に対象物が通過することから、端部の近傍よりも耐摩耗性に優れた材質が選定される必要がある。ロール片27Bに用いられる不織布は、繊度が太い繊維36が採用されていることから、耐摩耗性に優れ、ロール部22の略中央部に用いられる材質として適している。また、コストもロール片27Aに用いられる不織布よりも安価である。一方、ロール部22の端部の近傍は、硬度が低いことからダム機能は劣るので、吸液性能に優れた材質をロール片27Aに採用し、優れた液体の除去性能が必要となる。ロール片27Aに用いられる不織布は、繊維束40に形成された空隙部38において毛細管現象が発現し、被洗浄面から液体が吸い上げられる。また、ポリウレタンの基部41に形成された気泡42も液体を吸い上げる。その為、ロール片27Aに用いられる不織布は、非常に優れた液体の除去性能を有し、ロール部22の端部に用いられる材質として適しており、エッジドリップ現象の発生を防ぐことができる。
また、ロール部2は両方の端部の近傍が、積層された複数のロール片27Aが接合され、一体化されたロールモジュール47にて形成されているので、ロール片27Aが一体化されたロールモジュール47を有することから、ロール部2は端部の硬度が低くても、表面部が凹凸になることが防止され、長期間に亘り、ロール部2の形態安定化を図ることができる。また、ロール片27Aのズレが抑制され、硬度ムラの発生が解消されるので、より均一に被洗浄面から液体を除去することができる。なお、略中央部に積層されるロール片27Bもロールモジュールに形成して用いても構わない。
図8を用いて、実施例3のロールについて説明する。なお、上記実施例1、及び実施例2と同一部材については、詳しい説明を省略する。
図8において、ロール51は、ロール部52、台座53、止め金具59、及びプレート60より構成されている。台座53は、鉄、SUS、アルミニウム等の金属材料からなり、外周にロール部52が形成される本体部54、及び本体部54の両端に連接される継ぎ手部A55と、継ぎ手部B56から構成されている。ロール部52は、不織布からなる複数の概円環状のロール片57A、57Bが台座53を構成する本体部54の外周に積層されると共に、重ね合わされて形成されてあり、両側から止め金具59、及びプレート60にて挟み付けられて形成されている。ロール片57Aは、本体部54の両方の端部の近傍に積層され、ロール片57Bは、本体部54の略中央部の近傍に積層され、ロール片57Aの内径は、ロール片57Bの内径より大きく設定されている。ロール部52の表面の硬度は、長手方向における両方の端部の近傍が、略中央部の近傍よりも低くなるよう設定されている。また、本体部54の端部の近傍に積層されたロール片57Aの所定枚数毎に、ロール片57Aよりも回転外径が小さい不織布からなる補強部材61が挿入されている。台座53を構成する本体部54は、長手方向における両方の端部の近傍の外径が、略中央部の近傍の外径より小さく、当て部材68が止め具66で固定されることにより、略中央部の外径よりも大きくなり、外径が変わる境目には当たり部58が形成されている。
台座53は、本体部54に開口部62が形成されると共に、継ぎ手部A55に中空部63が形成され、開口部62と中空部63は連通している。また、本体部54の外周には複数の孔部64が開設され、孔部64は開口部62に連通している。孔部64は、本体部54の外周等分8箇所に形成されると共に、本体部54の長手方向に亘って、等間隔のピッチで開設されている。孔部64は千鳥状に設けてもよい。継ぎ手部A55の端部にはネジ部65が設けられてあり、ネジ部65にはロータリージョイント等が挿入される。
上記の如く構成されたロール51の動作、作用は下記の通りである。
ロール51は、継ぎ手部A55の端部に、ロータリージョイント、配管等を介してコンプレッサーや真空ポンプ等の外部装置を接続し、コンプレッサーから圧縮流体をロール部52に送出したり、あるいは真空ポンプを用いてロール部52に真空圧を加えることにより、ロール部52に吸収された液体を、ロール51の外部に排出することができる。その為、ロール部52の吸液飽和状態が解消され、ロール51の耐用期間の大幅な長期化を図ることができる。
ロール51をコンプレッサーと接続した場合、コンプレッサーから圧縮流体を噴射すると、圧縮流体は配管を通り、中空部63、開口部62の順に流れ込み、孔部64を介してロール部52に入り、ロール部52に吸収された液体と共に、ロール51の外部に放出される。その為、ロール部52の吸液飽和状態が解消され、ロール51は長期間に亘って、被洗浄面に付着した液体を除去、搾取、洗浄することができる。なお、圧縮流体を噴射するタイミングは、ロール51の稼働時においては、被洗浄面に液体が付着する為、ロール51の非稼働時がよい。
また、ロール51を真空ポンプと接続した場合、ロール部52に吸収された液体は、ロール部52に付加された真空圧により、孔部64、開口部62、中空部63の順に通り、配管を介してロール51の外部に放出される。その為、ロール部52の吸液飽和状態が解消され、ロール51は長期間に亘って、被洗浄面に付着した液体を除去、搾取、洗浄することができる。なお、ロール部52に真空圧を付加するタイミングは、上記の噴射タイプのロール51と異なり、稼働時においても被洗浄面に液体が付着することなく、ロール51の外部に液体が排出される為、ロール51の稼働時、非稼働時のいずれでもよい。
図9を用いて、実施例4の洗浄装置について説明する。なお、構成の説明を容易にする為に、各部品の軸受部や、支持部品の図示、説明は省略することとする。また、ロールは、鋼板に付着した水分除去用として用いられるものとする。
ロール71a、71bは、洗浄装置70に上下一対で設置され、上部に位置するロール71aの台座73の両端部、すなわち継ぎ手部A75、及び継ぎ手部B76に一定の圧力が加えられ、駆動手段74により矢印の方向に回転駆動し、上部のロール71aと下部のロール71bの間を、両面に水分(図示せず)が付着した長尺状の鋼板80が白抜き矢印の方向に送出されている。また、継ぎ手部A75の端部にはロータリージョイント79が挿入されると共に、配管78を介して真空ポンプ77に連接されている。上部に位置するロール71aは鋼板80の表面から水分を除去し、下部に位置するロール71bは鋼板80の裏面から水分を除去する。水分が付着した鋼板80は、ロール部72と接触し、ダム機能により除去されると共に、ロール部72を構成する不織布の有する繊維の毛細管現象により、水分がロール部72に吸い上げられ、ロール部72の空隙に放出される。なお、ロール71a、71bは、上記に示した実施例3のロール51と同一である。また、実施例1、及び実施例2のロール1、21が洗浄装置70に設置される場合、真空ポンプ77を配す必要はない。
上記の如くのロール71a、71bの状態において、真空ポンプ77を稼働して真空吸引力を作用させると、ロール部72に負圧が付加され、ロール部72に吸収された水分は、流体となり、流体は、孔部を通り、開口部に流れ込み、継ぎ手部A75に形成された中空部から配管78を通り、ロール71a、71bの外部に吸引されて、放出される。従って、ロール部72の吸液飽和状態が解消される為、ロール71a、71bは長期間に亘って、鋼板80に付着した水分を、確実に除去することができる。
上記の如く構成された洗浄装置70の動作、作用は下記の通りである。
洗浄装置70は、1本のロール71a、71bにおいて端部の近傍と略中央部の近傍におけるロール部72の硬度が異なると共に、鋼板80に付着した水分の除去性能に優れたロール71a、71bが搭載されていることから、鋼板80の両エッジに水分が残るエッジドリップ現象の発生が防止され、水分が不均一に残る残滓マークの発生が抑制され、品質が安定した鋼板80を生産することができると共に、生産性の向上を図ることができる。なお、実施例4においては、ロール71a、71bは水分除去用として用いられるものであるが、前記以外にも油分、薬品成分等の液体除去用として用いられるものであっても同様の作用を有する。
本発明のロールは、主に、鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状の被洗浄面に付着した水分、油分、あるいは薬品成分等の液体を除去、搾取、洗浄する目的以外にも、高い耐久性、液体の除去性能を必要とするロールとして、広く好適に使用することができる。
1、21、51、71a、71b ロール
2、22、52、72 ロール部
3、23、53、73 台座
4、24、54 本体部
5、25、55、75 継ぎ手部A
6、26、56、76 継ぎ手部B
7A、7B、27A、27B、57A、57B ロール片
8、28、58 当たり部
9、29、59 止め金具
10、30、60 プレート
11、61 補強部材
12 嵌合部
13A、13B、33A、33B 穴部
14、34 側縁部
15、48、68 当て部材
16、46、66 止め具
17 止め穴
35 弾性繊維
36 繊維
37 高分子弾性体
38 空隙部
39 極細繊維
40 繊維束
41 基部
42 気泡
47 ロールモジュール
62 開口部
63 中空部
64 孔部
65 ネジ部
70 洗浄装置
74 駆動手段
77 真空ポンプ
78 配管
79 ロータリージョイント
80 鋼板

Claims (8)

  1. 鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状の被洗浄面に付着した水分、油分、あるいは薬品成分等の液体を除去、搾取、洗浄する為のロールにおいて、前記ロールはロール部及び台座を有し、前記台座は前記ロール部が外周に形成される本体部、及び前記本体部の両端に連接される継ぎ手部A及び継ぎ手部Bを有し、前記ロール部は、長手方向における両方の端部の近傍部分と、該両方の端部の近傍部分と境界を有しつつ連接された略中央部の近傍部分とを備え、前記両方の端部の近傍部分が前記略中央部の近傍部分より表面の硬度が小であると共に、前記両方の端部の近傍部分と前記略中央部の近傍部分には不織布からなる複数の概円環状のロール片が積層されて形成されてあることを特徴とするロール。
  2. 請求項1記載の構成よりなるロールにおいて、台座の本体部の長手方向における両方の端部の近傍に当たり部が構成されてあることを特徴とするロール。
  3. 請求項1又は2記載の構成よりなるロールにおいて、ロール部は長手方向における両方の端部の近傍部分が略中央部の近傍部分より単位体積あたりの見掛け密度が小にて形成されてあることを特徴とするロール。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の構成よりなるロールにおいて、ロール部は長手方向における両方の端部の近傍部分と、略中央部の近傍部分においてロール片の材質が異なることを特徴とするロール。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の構成よりなるロールにおいて、ロール部は少なくとも長手方向における両方の端部の近傍部分においてロール片よりも回転外径が小である補強部材を有することを特徴とするロール。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の構成よりなるロールにおいて、ロール部は長手方向における少なくとも一方の端部の近傍部分及び/又は略中央部の近傍部分が、積層された複数のロール片が接合され、一体化されたロールモジュールにて形成されてあることを特徴とするロール。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の構成よりなるロールにおいて、台座は本体部に開口部が形成されてあると共に、前記本体部の両端に連接される継ぎ手部A及び/又は継ぎ手部Bに中空部が形成されてあり、少なくとも本体部の長手方向における略中央部の外周には前記開口部に連通する孔部が開設されてあることを特徴とするロール。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載されたロールと、前記ロールを回転駆動する駆動手段を少なくとも有する洗浄装置。
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