JP6825425B2 - テープ剤及び経皮吸収製剤 - Google Patents

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本発明は、テープ剤及び経皮吸収製剤に関する。
経皮吸収製剤(以下、「貼付剤」と称することもある)には、効率良く薬の効果(薬物放出、薬物の皮膚への吸収)を発現する以外にも、製剤が皮膚へ密着することや皮膚に対する刺激が低いことが求められる。
前記皮膚への刺激には外力に起因するものがあり、このような外力による皮膚刺激を低下させることが重要である。特に、皮膚から貼付剤を剥がす際には、前記貼付剤の粘着力による皮膚の角層細胞の剥がれを少なくすることが課題となる。
前記皮膚の角層細胞の剥がれを低減する方法としては、例えば、剥離方向において粘着力を変化させる方法が知られている。剥離角度が大きくなるほど、粘着力は低下する傾向にある。しかし、皮膚は伸縮性を有しているので、剥離角度を大きくしても皮膚が剥離方向に追従して変形する結果、剥離角度は大きくならない。一方、粘着力は剥離速度にも依存することが知られており、前記剥離速度を遅くするほど粘着力も低下する。
また、ゲル等の柔らかい膏体(粘着剤+薬物)を用いたり、膏体の厚みを増加することによっても、粘着力を低下させる効果が得られる。ただし、前記膏体が柔らか過ぎると剥離時の凝集破壊(膏体部分で破壊する)が生じるおそれがある。また、前記膏体の厚みを増加すると、薬物濃度(粘着剤に対する薬物の割合)が低くなり、薬物の放出効率が低下し、薬効特性の低下に繋がるという問題がある。
そこで、例えば、中央部が薬物であり、周辺部が粘着剤である構造を有するリザーバー型経皮吸収製剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、孔明きフィルム層を第1粘着層と第2粘着層とで挟み込んだ構造を有する医療用貼付部材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、貼付時の密着性に優れ、かつ剥離時の角層細胞の剥離を低減できるテープ剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のテープ剤は、隔壁により画成された複数の中空部を有し、かつ前記中空部の少なくとも一方の面側が開口している中空構造体と、前記中空部の貼付側開口に配置された粘着剤と、を有する。
本発明によると、貼付時の密着性に優れ、かつ剥離時の角層細胞の剥離を低減できるテープ剤を提供することができる。
図1は、第1の実施形態のテープ剤の一例を示す概略図である。 図2は、第2の実施形態のテープ剤の一例を示す概略図である。 図3は、第3の実施形態のテープ剤の一例を示す概略図である。 図4は、第4の実施形態のテープ剤の一例を示す概略斜視図である。 図5は、第1の実施形態の経皮吸収製剤の一例を示す概略図である。 図6は、第2の実施形態の経皮吸収製剤の一例を示す概略図である。 図7は、第3の実施形態の経皮吸収製剤の一例を示す斜視図である。
(テープ剤)
本発明のテープ剤は、隔壁により画成された複数の中空部を有し、かつ前記中空部の少なくとも一方の面側が開口している中空構造体と、前記中空部の貼付側開口に配置された粘着剤と、を有し、更に必要に応じてその他の部材を備えている。
本発明のテープ剤は、従来技術では、貼付対象領域に対して広い貼付領域が必要であり、関節等の屈伸部の凹部の密着性が低下するという知見や、広い部位では薬物が浮くことにより薬効特性が低下するため、薬物側に補助用の接着剤を設けているので、結局、薬効と皮膚保護の両立は図れないという知見に基づくものである。
本発明のテープ剤は、隔壁により画成された複数の中空部を有し、かつ前記中空部の少なくとも一方の面が開口している中空構造体と、前記中空部の貼付側開口に配置された粘着剤と、を有しており、皮膚からの剥離時には皮膚の損傷(角層細胞の剥離)が少ない経皮吸収製剤を提供できる。
また、粘着剤が中空構造体の中空部開口の隔壁に張り付いているので、剥離時には粘着剤の変形は少ないが、他の部分(隔壁部以外の開口)では、粘着剤を拘束することができないので大きな変形に至る。また、中空構造体の中空部は隔壁が薄く、中空部が大きいために弱い力で大きく変形することができるので、小さい粘着力の状態で剥離することができる。
<中空構造体>
前記中空構造体は、隔壁により画成された複数の中空部を有し、かつ前記中空部の少なくとも一方の面側が開口している。
前記中空構造体としては、ハニカム構造体であることが好ましいが、これに限定されるものではない。前記中空構造体のセルの水平断面形状は、円形であってもよく、六角形以外の四角形、五角形等の多角形であっても構わない。
前記中空構造体がハニカム構造体であることにより、貼付時には、前記中空構造体としてのハニカム構造体が押し付け力により変形するので応力緩和が図られ、粘着剤の粘着力の分布が均一となる。使用時には、外部からの衝撃等(例えば、服の擦れ)においてハニカム構造体がたわみ衝撃を吸収し、粘着部までの力が分散及び減衰するので、皮膚への刺激が少なくなる。剥離時には、剥がす力によりハニカム構造体が変形するので剥離角度を大きく取ることができ、粘着力低下が期待できる。また、粘着剤がハニカム構造体の中空部の隔壁の一部のみにしか拘束されていないため、容易に変形することができ、粘着力低下が期待できる。これらの作用により、皮膚への粘着力低下とそれによる角層細胞の剥離が抑制できる。
前記中空構造体の中空部の開口の隔壁から前記中空構造体の中空部の内部の隔壁の少なくとも一部に粘着剤を配置することが好ましい。これにより、隔壁と粘着剤との粘着力が増し、剥離時の中空構造体からの粘着剤の脱落が抑制される。
前記中空構造体の中空部の開口の隔壁の厚みは、前記中空構造体の中空部の内部の隔壁の厚みよりも厚いことが好ましい。これにより、アンカー効果が期待できるため、隔壁と粘着剤との粘着力が増し、剥離時の中空構造体からの粘着剤の脱落が抑制される。
前記中空部が、一方の面側から他方の面側へ貫通している。これにより、面方向の追従性が良好となる。また、面と面を結ぶ隔壁はあるものの、面方向の隔壁は存在しないため、面方向の伸縮性に優れたものとなり、皮膚の伸縮に対して高い追従性が得られる。
前記中空構造体の複数の中空部は、規則的に並列した配置であることが好ましい。
前記中空部の高さ(中空構造体の厚み方向の長さ)、前記中空部のピッチ(隣接する中空部の中心部から中心部の距離)は、特に制限はなく、製造条件や材料の選択により適宜調整することができる。
<中空構造体の製造方法>
前記中空構造体の製造方法としては、例えば、特許第4678731号公報、特許第4869269号公報などに記載の方法を適用することができる。
特許第4869269号公報によるハニカム構造体の製造方法の概要を以下に示す。
(1)独立した凹部を有した部材(以下、「テンプレート」と称することがある)上に、前記凹部を覆うように基材を配置する。基材は、保護材上に塗布された材料(例えば、未硬化の紫外線硬化性樹脂等)からなる。
(2)基材とテンプレートを含む周囲を減圧する(真空状態にする)ことで、相対的に凹部内部のガスに圧力を発生させ、その圧力にて凹部上の基材を同時膨張させ中空体構造(ハニカム構造体)を形成させる。
(3)中空部の隔壁が所望の高さに成長した時点で、エネルギー線(例えば、紫外線等)を照射し基材を硬化させる。
(4)その後、テンプレートから中空構造体を剥離する。
(5)剥離した中空構造体は一方の面が閉じた形状であるので、機械加工(切削)により開口を形成し、中空部が一方の面側から他方の面側へ貫通するように加工する。
なお、前記中空構造体の中空部の高さや中空部の隔壁の厚みは、製造時の圧力制御、基材の機械特性(粘度、強度、破断伸び等)を調整することで制御が可能である。
前記テンプレートは、独立した凹部を有し、凹部の配置によって中空部の形状が決定する。例えば、千鳥配列では中空部は六角形に、格子配列では中空部は四角形になる。また、凹部中心間のピッチ(距離)が中空部の中心間のピッチとなる。
前記テンプレートの材料としては、例えば、ニッケル、シリコン、ステンレス、銅などが挙げられる。
前記基材をテンプレートに密着させるために、貼り合わせ装置(ジグ)を使用することができる。前記ジグとしては、例えば、ローラ部材を備えるものが挙げられる。
前記テンプレートの開口に必要以上に基材が入り込まないように、圧力制御を行うことが好ましい。また、その他の部分に気泡が入らないように端部から貼り付けを行うことが好ましい。
前記テンプレートから中空構造体を剥離するために、剥離装置(ジグ)を使用することができる。例えば、ピンセット状のジグを用いて中空構造体を挟み、引き上げることにより剥離する。
前記基材を構成する保護材は、材料が塗布される部材であり、減圧工程においてガスが抜けないように保護するために、また剥離工程において応力集中を緩和して欠損から保護するために用いられる。上述のように紫外線硬化性樹脂が材料として塗布される場合、照射される紫外線を透過することが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレン(PE)等の可撓性プラスチックからなるものが挙げられる。
<中空構造体の材料>
前記中空構造体の材料としては、絶縁体であって生体への刺激や毒性が低い材料を用いることができ、例えば、生体適合性材料、熱可塑性樹脂、高分子材料、紫外線硬化樹脂、ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
前記生体適合性材料としては、例えば、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ヒアルロン酸(HA)、アルギン酸、ペクチン、カラギーナン、コンドロイチン(スルフェート)、デキストラン(スルフェート)、ポリリジン、カルボキシメチルキチン、フィブリン、アガロース、プルラン、セルロース等の生体来由可溶性物質;ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアルコール、アラビアガム、アルギネート、シクロデキストリン、デキストリン、葡萄糖、果糖、澱粉、トレハロース、グルコース、マルトース、ラクトース、ラクツロース、フルクトース、ツラノース、メリトース、メレジトース、デキストラン、ソルビトール、キシリトール、パラチニット、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタアクリル酸、ポリマレイン酸等の生体適合物質;上述した物質の誘導体;又はこれらの混合物などが挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−α−オレフィン共重合体等のポリオレフィン;ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリシクロヘキサンテレフタレート,ポリエチレン−,6−ナフタレート等のポリエステル;PTFEやETFE等のフッ素樹脂などが挙げられる。
前記中空構造体の形成が困難な材料である場合は、界面活性剤を導入することができる。
前記界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の陽イオン性界面活性剤;モノステアリン酸グリセリル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤などが挙げられる。
ゼラチン等の水溶性を有する材料を用いる場合は、耐水性の向上のために不溶化剤を添加することができる。
前記不溶化剤としては、キノン類、ケトン類等の有機化合物;第二鉄やクロム等の無機化合物などが挙げられる。
前記有機化合物はpH8付近のものが好ましく、前記無機化合物はpH4.5付近のものが好ましい。なお、皮膚に適用して金属アレルギーを引き起こさないために有機化合物が好ましい。
また、不溶化剤を導入しない場合は、熱やγ線を照射することで不溶化させることができる。
更に、剥離時に中空構造体が破壊されるのを防止するために、以下の(1)〜(3)に示す密着力可変材料を使用することができる。
(1)材料の塗布(延伸)時に固体で、剥離時に液体となる材料
例えば、加熱により固体から液体に変化するホットメルト接着剤が挙げられる。中空構造体に残留したホットメルト接着剤は、他の部材への接着に利用することができる。
(2)材料の塗布(延伸)時に固定で、剥離時に気体又は液体となる材料
例えば、水(水蒸気、氷)が挙げられる。基板に水を塗布し、材料を塗布する前に温度制御装置で冷却して氷にして材料との密着力を高める。中空構造体を製造後、温度制御装置で加熱して氷を液化して剥離した後、加熱して乾燥させることができる。更に加熱して水蒸気として気化させてから剥離することもできる。
(3)材料の塗布(延伸)時に粘着性を有し、剥離時に非粘着性を有する材料
紫外線照射前後で粘弾性が変化する材料、具体的にはシリコンウエハのダイシング時にチップが離散するのを防止するダイシング用テープの粘着材と同様のものが挙げられる。紫外線を照射して硬化させ、密着力が低下したところで剥離することができる。
<粘着剤>
前記粘着剤は、前記中空構造体の貼付側開口に配置されている。
前記粘着剤は、粘着剤を溶剤に溶解したものをコーティング法によって塗布し、乾燥することにより形成することができる。なお、粘着剤としてホットメルトフィルムを用いることもできる。
前記粘着剤の厚みは、隣接する前記中空部の中心間の最短距離の2倍以下であることが好ましい。これにより、粘着剤は容易に変形することができ、粘着力の低下が期待できる。
前記粘着剤を配置していない前記中空構造体の中空部が、空気を有することが好ましい。これにより、外部衝撃等の力を分散及び減衰させることができ、皮膚への刺激を抑制することができる。
前記粘着剤としては、薄い層として形成された場合も十分な粘着力(接着力)が得られるものが好ましい。
前記粘着剤としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム・エラストマー、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアクリレート、変性ポリオレフィン系樹脂系粘着剤、又はこれらにイソシアネート等の硬化剤を添加した硬化型粘着剤などが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィンフィルムやポリエステルフィルムに用いられる粘着剤の内で硬化型粘着剤が好ましい。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、例えば、応力緩和層、密着層、光学調整層、アンチニュートンリング層、アンチグレア層、マット剤層、保護層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、防曇層、防汚層、被印刷層などが挙げられる。
ここで、本発明のテープ剤の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態のテープ剤の一例を示す概略図である。
図1に示すように、第1の実施形態のテープ剤は、隔壁2により画成された複数の中空部1を有し、かつ前記中空部1の少なくとも一方の面側に開口5を有する中空構造体100から構成されており、粘着剤4は中空構造体100の開口5から内部に進入して担持されている。なお、粘着剤を担持するのは隔壁2のみである。図1中6は天井部である。
−中空構造体の作製−
中空構造体(ハニカム構造体)は、材料として紫外線硬化樹脂(例えば、アクリル系樹脂)を用い、特許第4678731号公報に記載の方法にしたがって、作製することができる。
まず、保護材上に紫外線硬化樹脂を塗布して基材を調製した。得られた基材を独立した凹部を有するテンプレート上に配置し、貼り合わせ装置により気泡が入らないように端部から貼り付けた。凹部に材料が必要以上に材料が密着しないよう、圧力制御を行いながら貼り合わせを行う。
次に、基材とテンプレートを設置した容器内を、減圧装置を用いて90秒間減圧し、相対的に凹部内部のガスに圧力を発生させ、基材上の材料にセルとなる空洞部を形成する。テンプレートに密着している部分の材料の流動は起こらないため、独立した空洞部が形成される。隔壁が所望の高さに成長した後、紫外線を照射してセルが形成された材料を硬化する。
ハニカム形状となった基材をテンプレートから剥離し、一方が開口した中空部1を有する千鳥状に配列した略六角形の中空構造体100を得る。
ピッチPは、50μm〜200μmが好ましい。
テープ剤高さh1は、50μm〜400μmが好ましい。
空間高さh2は、10μm〜200μmが好ましい。
中空部の内部の隔壁厚みt4は、1μm〜20μmが好ましい。
中空部の開口の隔壁厚みt3は、5μm〜195μmが好ましい。
−粘着剤の配置−
粘着剤として、アクリル系樹脂を用い、これを溶媒で希釈し、流動性があり粘性を低下した状態とした。その状態でスリットコートにより中空構造体100上に塗布し、粘着剤の膜を形成する。
粘着剤厚みt1は、10μm〜100μm、t1<P×2であることが好ましい。
粘着剤の進入厚みt2は、10μm〜100μm、t2>t1×1/5であることが好ましい。
−動作及び作用-
貼付時には、指等の圧力にて中空構造体を押圧することで、粘着剤を皮膚に密着させる。この時、中空構造体は薄い隔壁と空隙から構成されているので、弱い荷重にて変形する。変形作用にて、周囲の隔壁や中空構造体上部(以下、天井部と称することもある)に力が分散され、粘着剤は、応力集中が限りなく小さくなり、広い圧力分布にて皮膚へと粘着する。なお、一般的に押圧力が大きく押さえる時間が長いと粘着力は大きくなる。
使用時には、服などの擦れの横方向の応力に対して、中空構造体には空間があるので応力を分散することができる。また、衝撃を吸収できる。よって、粘着剤に力が伝わり難くなるので、外力による皮膚への刺激が低減できる。中空構造体の高さを大きくするほど刺激は低減できる。ただし、見た目や使い勝手が悪くなるので、適度に高さを調整することが好ましい。
剥離時には、指等の力にて中空構造体を引き上げることで、粘着剤を皮膚から剥離する。この時、粘着力が強いと、皮膚の角層細胞が剥離し損傷を与える。
この第1の実施形態のテープ剤は、貼付時の粘着力が均一なのに加えて、粘着剤を拘束するのは隔壁のみ(空間部は非拘束)なので剥離時には、粘着剤が変形し角層細胞の剥離が起き難くなる。
なお、中空構造体の開口の隔壁は、中空部の内部の隔壁よりも厚みを増した構造になっており、粘着剤が中空構造体の中空部の内部まで進入しているので、アンカー効果により粘着剤は隔壁から剥がれ難くなっている。
前記粘着剤の厚みは中空構造体の中空部のピッチの2倍以下が好ましい。2倍以上であると剥離時の粘着剤の変形が少なくなり粘着力の減少が少なくなる。
<第2の実施形態>
図2は、第2の実施形態のテープ剤の一例を示す概略図である。なお、第2の実施形態において、既に説明した第1の実施形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
この図2の第2の実施形態のテープ剤は、第1の実施形態の中空構造体100の天井部6を除去し、貫通化したものである。
なお、中空構造体100の天井部の除去は、テープ剤よりも長い長尺の刃物にて天井部に平行で隔壁を横断するように切断することにより行った。
第2の実施形態のテープ剤は、第1の実施形態に比べて、天井部がない分、剛性が小さくなり中空構造体が変形しやすくなるので、より力の分散ができる。使用時は横への応力(例えば、屈伸等による服のずれ)緩和による皮膚刺激の低減。剥離時は粘着力を低減させることができる。
粘着剤厚みt1は、10μm〜100μm、t1<P×2であることが好ましい。
粘着剤の進入厚みt2は、10μm〜100μm、t2>t1×1/5が好ましい。
ピッチPは、50μm〜200μmが好ましい。
テープ剤高さh1は、50μm〜400μmが好ましい。
空間高さh2は、10μm〜200μmが好ましい。
中空部の内部の隔壁厚みt4は、1μm〜20μmが好ましい。
中空部の開口の隔壁厚みt3は、5μm〜195μmが好ましい。
<第3の実施形態>
図3は、第3の実施形態のテープ剤の一例を示す概略図である。図4は、第3の実施形態のテープ剤の一例を示す概略斜視図である。この第3の実施形態において、既に説明した第1の実施形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
この第3の実施形態のテープ剤は、第2の実施形態のテープ剤において、貼付側と反対側に接着層8、及び支持体7を積層したものである。なお、図4中9はライナーである。
接着層8としては、アクリル系接着剤(隔壁部のみ接着が望ましい)を用いることができる。
支持体7としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)材料の不織布を用いることができる。
ライナー9としては、ポリエチレン(PE)材料のフィルムを用いることができる。
第3の実施形態のテープ剤は、不織布を用いることにより、第1の実施形態よりも伸縮性や通気性が大きくなる。及び、第2実施形態よりも異物の混入を防いだり、剥離時に手で掴みやすい易いという利点がある。
粘着剤の厚みt1は、幅10μm〜100μm、t1<P×2が好ましい。
粘着剤の進入厚みt2は、10μm〜100μm、t2>t1×1/5が好ましい。
ピッチPは、50μm〜200μmが好ましい。
テープ剤高さh1は、50μm〜400μmが好ましい。
空間高さh2は、10μm〜200μmが好ましい。
中空部の内部の隔壁厚みt4は、1μm〜20μmが好ましい。
中空部の開口の隔壁厚みt3は、5μm〜195μmが好ましい。
本発明のテープ剤は、貼付時の粘着力が良好であり、かつ剥離時の角層細胞の剥離を低減できるので各種分野に好適に用いられるが、以下に説明する経皮吸収製剤として特に好適である。
(経皮吸収製剤)
本発明の経皮吸収製剤は、本発明のテープ剤を用いた経皮吸収製剤であって、粘着剤が外用組成物を含む。
前記粘着剤への外用組成物の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、外用組成物全量に対して、1質量%以上が好ましく、2質量%以上40質量%以下がより好ましい。
<外用組成物>
前記外用組成物は、有効成分を内包するナノ粒子の分散液からなることが好ましい。
ここで、前記外用組成物とは、医薬品、医薬部外品、化粧品を含み、皮膚及び粘膜に直接用いることができる組成物を意味し、具体的には、薬用化粧品、栄養剤、診断用薬、治療薬などが挙げられる。
前記外用組成物としては、必ずしも粒子である必要は無く、従来から用いられる薬剤(低分子薬剤や高分子薬剤)、化粧品などを使用することができる。
前記薬剤としては、生理的に活性な物質で経皮吸収性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、コルチコステロイド類、鎮痛消炎剤、睡眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物剤、麻酔剤、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、性ホルモン、抗鬱剤、脳循環改善剤、制吐剤、抗腫瘍剤、生体医薬などの種類の薬物が使用でき、これらの薬物は必要に応じて2種類以上併用することもできる。
これらの薬物の含有量は薬物種や投与目的に応じて適宜設定することができるが、経皮吸収製剤中に0.1質量%〜40質量%含有させることが好ましい。前記含有量が0.1質量%に満たない場合は、治療に有効な量の放出が期待できず、また、40質量%を超えると、治療効果に限界が生じると共に経済的に不利である。
前記経皮吸収製剤において薬物補給層を構成要件とする製剤では、該層は前記薬物及び吸収助剤を含有した状態で溶液、分散液又はゲルの状態で挿入、保持される。
また、該層における薬物は多量の明物を易剥離性粘着剤層中に確実に供給する必要性から、薬物補給層中で飽和濃度にしておくことが好ましく、2mg/cm〜80mg/cmがより好ましく、4mg/cm〜60mg/cmが更に好ましい。
また、薬剤は、遊離体であっても塩であってもよい。
前記薬剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、局所麻酔剤(塩酸ブピバカイン、塩酸メピバカイン等)、抗てんかん薬(バルプロ酸ナトリウム等)、鎮痛剤(塩酸モルヒネ、クエン酸フェンタニル、塩酸ブプレノルフィン等)、解熱鎮痛剤(スルピリン、アンチピリン、アセトアミノフェン)、抗精神病薬(塩酸クロルプロマジン、塩酸レボメプロマジン、塩酸クロカプラミン等)、うつ病治療薬(塩酸イミプラミン、塩酸トラゾドン、マレイン酸フルボキサミン等)、抗不安薬(ジアゼパム、アルプラゾラム、クエン酸タンドスピロン等)、精神安定剤(塩酸ヒドロキシジン等)、脳機能賦活薬(塩酸チアプリド、酒石酸プロチレリン等)、脳循環改善薬(イソソルビド、ペントキシフィリン、塩酸ファスジル等)、パーキンソン治療剤(塩酸ベンセラジド、塩酸アマンタジン、塩酸タリペキソール等)、筋弛緩剤(塩酸エピリゾン、塩酸チザニジン、塩酸トルペリゾン等)、消化性潰瘍治療薬(臭化ブチルスコポラミン、塩酸ピレンゼピン、臭化チメピジウム等)、抗ヒスタミン薬(マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸プロメタジン、塩酸セチリジン等)、化学伝達物質遊離抑制薬(フマル酸エメダスチン、トシル酸スプラタスト、塩酸エピナスチン等)、心疾患治療薬(アミノフィリン、塩酸ジルチアゼム、ニコランジル、塩酸プロプラノロール、塩酸イソプレナリン、リン酸ジソピラミド、塩酸プロカインアミド等)、高血圧治療薬(カプトプリル、マレイン酸エナラプリル、塩酸アモスラロール、塩酸プラゾシン、ウラピジル、塩酸クロニジン等)、血管拡張薬(塩酸トラゾリン等)、血管収縮薬(メチル硫酸アメジニウム、塩酸エチレフリン、塩酸フェニレフリン、塩酸ミドドリン等)、高脂血症治療薬(プラバスタチンナトリウム、フルバスタチンナトリウム、セリバスタチンナトリウム等)、鎮咳・去痰薬(臭化水素酸デキストロメトルファン、塩酸ホミノベン、アセチルシステイン等)、喘息治療薬(塩酸クレンブテロール、臭化水素酸フェノテロール、塩酸プロカテロール等)、H2遮断薬(塩酸ラニチジン、塩酸ロキサチジンアセテート等)、プロトンポンプ阻害薬(オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール等)、制吐剤(塩酸グラニセトロン、塩酸アザセトロン、塩酸オンダンセトロン、塩酸ラモセトロン等)、非ステロイド性抗炎症剤(ロキソプロフェンナトリウム、フルルビプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、塩酸チアラミド等)、抗リウマチ剤(ブシラミン、ペニシラミン等)、泌尿器疾患用薬(塩酸オキシブチニン、塩酸タムスロシン、塩酸プロピベリン等)、β遮断薬(フマル酸ビソプロロール、塩酸ベタキソロール等)などが挙げられる。
また、医療や化粧品及び農業などのその他の用途に適した流動性のあるものであればいかなる物質も使用することができ、例えば、薬用化粧品、栄養薬剤、診断用薬、治療薬などが挙げられる。
本発明で導入可能な薬剤に有用な薬物の例としては、化粧品原料ないしは薬効成分、特に高分子薬効成分を含浸させてもよい。
前記化粧品の原料としては、例えば、アスコルビン酸、ビタミンCエチル、ビタミンCグリコシド、パルミチン酸アスコルビル、コウジ酸、ルシノール、トラネキサム酸、油用性甘草エキス、ビタミンA誘導体、プラセンタエキス等の美白成分;レチノール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、EGF、細胞培養エキス、アセチルグルコサミン等の抗しわ成分;酢酸トコフェロール、カプサイン、ノリル酸バニリルアミド等の血行促進成分;ラズベリーケトン、月見草エキス、海草エキス等のダイエット成分;イソプロピルメチルフェノール、感光素、酸化亜鉛等の抗菌成分;ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンK等のビタミン類、グルコース、トレハロース、マルトースのような糖類、などが挙げられる。
前記高分子薬効成分としては、例えば、生理活性ペプチド類とその誘導体、核酸、オリゴヌクレオチド、各種の抗原蛋白質、バクテリア、ウイルスの断片などが挙げられる。
前記ナノ粒子の分散液の分散媒としては、水、電解質水溶液、有機溶剤などが挙げられ、水及び電解質水溶液が好ましく、電解質水溶液がより好ましい。
前記電解質としては、生体適合性のある材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウムなどが挙げられる。
前記分散媒の種類は、ナノ粒子の種類に応じて、また到達させる部位(角質、真皮層、血中)に応じて適宜選択することができる。
−ナノ粒子−
前記ナノ粒子の平均粒径は、500nm以下が好ましく、10nm〜100nmがより好ましく、40nm〜80nmが更に好ましい。
前記粒径が10nm未満であると、皮膚への浸透性は高いものの、拡散により所望の効果が得られないことがある。一方、100μmを超えると、皮膚の毛穴のサイズより大きいため皮膚の透過性が低下することがある。
前記ナノ粒子としては、所望の有効成分を内包して電気泳動可能なものであれば特に限定されないが、例えば、リポソーム、ミセル、有機ナノチューブなどが挙げられる。
前記ナノ粒子を構成する材料としては、ナノサイズのリポソームやミセルを形成可能な生体適合性の材料であればよく、例えば、ポリパラジオキサノン(PPDX)、ポリラクチド−co−グリコリド(PLGA)、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリエーテルエステル、ポリエステルアミド、ポリアミド、ポリエチレングリコール、ポリ酪酸などが挙げられる。
前記ナノ粒子の濃度は、有効成分の種類により適宜設定することができるが、例えば、内包される有効成分の濃度としては、0.1mM〜100mMの範囲が好ましい。なお、100mMを超える濃度は、製造上困難である。
前記ナノ粒子の濃度を0.1mM〜100mMの範囲とすることにより、所望の効果を得ることができる。前記ナノ粒子の濃度としては、例えば、0.5mM〜15mMが好ましく、1mM〜10mMがより好ましく、1mM〜7mMが更に好ましい。
−有効成分−
前記ナノ粒子に内包される有効成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薬用化粧品の原料として、薬効成分(特に高分子薬効成分)が挙げられ、具体的には、アスコルビン酸、ビタミンCエチル、ビタミンCグリコシド、パルミチン酸アスコルビル、コウジ酸、ルシノール、トラネキサム酸、油用性甘草エキス、ビタミンA誘導体、プラセンタエキス等の美白成分;レチノール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、EGF、細胞培養エキス、アセチルグルコサミン等の抗しわ成分;酢酸トコフェロール、カプサイン、ノリル酸バニリルアミド等の血行促進成分;ラズベリーケトン、月見草エキス、海草エキス等のダイエット成分;イソプロピルメチルフェノール、感光素、酸化亜鉛等の抗菌成分;ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンK等のビタミン類、グルコース、トレハロース、マルトースのような糖類などが挙げられる。
前記高分子薬効成分としては、例えば、生理活性ペプチド類又はその誘導体、核酸、オリゴヌクレオチド、各種の抗原蛋白質、バクテリア、ウイルスの断片などが挙げられる。
また、経皮吸収性を促進させる目的で、モノステアリン酸グリセリル、ショ糖脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤;カルボン酸等の水溶性高分子化合物;EDTA等の水溶性キレート剤;サリチル酸又はその誘導体等の芳香族カルボン酸化合物;カプリン酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸化合物;胆汁酸塩、プロピレングリコール、水素添加ラノリン、イソプロピルミリステート、ジエチルセバケート、尿素、乳酸、エイゾンなどを添加することができる。
更に、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を内包してもよい。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等の桂皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAメチルエステル等のパラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;3−(4’−メチルベンジリデン)−d−カンファー、3−ベンジリデン−d,1−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、オクチルトリアゾン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤が挙げられる。
前記紫外線散乱剤としては、例えば、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛,酸化セリウムなどが挙げられる。
その他の成分としては、外用組成物に一般的に配合される添加成分を内包させることもでき、その種類や量は、組成物の安定性や有効成分の所望の効果を損なわない範囲で適宜選択することができる。
前記添加成分としては、例えば、グアーガム、タマリンドガム等の非イオン性ポリマー;カチオン化セルロース、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドポリマー等のカチオン性ポリマー;キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム等のアニオン性ポリマー;その他天然水溶性化合物又はその誘導体、界面活性剤、油分、着色剤、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤、保湿剤、低級アルコール、多価アルコール、香料、清涼剤、pH調整剤などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、乳化、可溶化、及び分散を目的として添加され、例えば、POE脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、POE高級アルコールエーテル、POE又はPOPブロックポリマー等の非イオン性界面活性剤;脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、高級アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アシルサルコシン酸塩、スルホコハク酸塩等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩化ベンザルコニウム等のカチオン性界面活性剤;イミダゾリン系やベタイン系の両性界面活性剤などが挙げられる。
前記油分としては、例えば、オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、コメヌカ油、ヤシ油等の植物油;スクワラン、牛脂、ラノリン等の動物油;シリコーン油、ポリイソブテン、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリン等の合成油;ミツロウ、モクロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ等のロウ;流動パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素;セタノール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール;ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ポリエーテル変性シリコーン、パーフルオロエーテルなどが挙げられる。
前記着色剤としては、例えば、青色1号、緑色3号、赤色202号、赤色227号、黄色4号、クロロフィル、βーカロチン等の有機色素や天然色素が挙げられる。
前記保湿剤としては、例えば、ビタミンA、B、C、E又はその誘導体、各種アミノ酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トリメチルグリシンなどが挙げられる。
ここで、本発明の経皮吸収製剤の実施形態について、図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図5は、第1の実施形態の経皮吸収製剤の一例を示す概略図である。
この第1の実施形態の経皮吸収製剤は、図1の第1の実施形態のテープ剤の粘着剤4に薬剤を添加して膏体10に変えたものである。なお、第1の実施形態の経皮吸収製剤において、既に説明した第1の実施形態のテープ剤と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
<第2の実施形態>
図6は、第2の実施形態の経皮吸収製剤の一例を示す概略図である。
この第2の実施形態の経皮吸収製剤は、図2の第2の実施形態のテープ剤の粘着剤4に薬剤を添加して膏体10に変えたものである。なお、第2の実施形態の経皮吸収製剤において、既に説明した第1の実施形態のテープ剤と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
第2の実施形態の経皮吸収製剤では、揮発性の膏体は使用できない。
<第3の実施形態>
図7は、第3の実施形態の経皮吸収製剤の一例を示す概略図である。
この第3の実施形態の経皮吸収製剤は、図3の第3の実施形態のテープ剤の粘着剤4に薬剤を添加して膏体10に変えたものである。なお、第3の実施形態の経皮吸収製剤において、既に説明した第1の実施形態のテープ剤と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
以下に示す内容の図5に示す経皮吸収製剤を、上記第1の実施形態の経皮吸収製剤と同様にして作製した。
・薬剤:気管支拡張剤ツロブテロール、濃度:20質量%
・粘着剤:アクリル系樹脂(Duro−tak 87−2516、ナショナルスターチ&ケミカル社製)
・粘着剤厚みt1:20μm
・粘着剤の進入厚みt2:10μm
・中空構造体(ハニカム構造、アクリル系樹脂(紫外線硬化型粘着フィルム))
・中空部のピッチP:200μm
・経皮吸収製剤高さh1:200μm
・空間高さh2:180μm
・中空部の内部の隔壁厚みt4:10μm
・中空部の開口の隔壁厚みt3:10μm
・天井部の隔壁厚み:10μm
(実施例2)
以下に示す内容の図6に示す経皮吸収製剤を、上記第2の実施形態の経皮吸収製剤と同様にして作製した。
・薬剤:気管支拡張剤ツロブテロール、濃度:20質量%
・粘着剤:アクリル系樹脂(Duro−tak 87−2516、ナショナルスターチ&ケミカル社製)
・粘着剤厚みt1:20μm
・粘着剤の進入厚みt2:10μm
・中空構造体(ハニカム構造、アクリル系樹脂(紫外線硬化型粘着フィルム))
・中空部のピッチP:200μm
・経皮吸収製剤高さh1:200μm
・空間高さh2:180μm
・中空部の内部の隔壁厚みt4:5μm
・中空部の開口の隔壁厚みt3:10μm
(実施例3)
以下に示す内容の図7に示す経皮吸収製剤を、上記第3の実施形態の経皮吸収製剤と同様にして作製した。
・薬剤:気管支拡張剤ツロブテロール、濃度:20質量%
・粘着剤:アクリル系樹脂(Duro−tak 87−2516、ナショナルスターチ&ケミカル社製)
・粘着剤厚みt1:20μm
・粘着剤の進入厚みt2:10μm
・中空構造体(ハニカム構造、アクリル系樹脂(紫外線硬化型粘着フィルム))
・中空部のピッチP:200μm
・経皮吸収製剤高さh1:200μm
・空間高さh2:180μm
・中空部の内部の隔壁厚みt4:5μm
・中空部の開口の隔壁厚みt3:10μm
・支持体(ポリエチレンテレフタレート(PET)不織布)厚み:50μm
・接着層(アクリル系接着剤)厚み:10μm
(比較例1)
比較として、経皮吸収製剤型・気管支拡張剤(ホクナリン、マルホ社製)を用いた。
次に、実施例1〜3及び比較例1の経皮吸収製剤を用いて、以下のようにして、密着性及び角質剥離量を評価した。結果を表1に示した。
<密着性>
「独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA;Pharmaceuticals and Medical Devices Agency);http://www.pmda.go.jp/に記載の「傾斜ボールタック試験法」(http://www.pmda.go.jp/files/000164569.pdf)に基づいて測定を行った。
評価は、傾斜式ボールタック試験方法を用いた。大きさの決まった試験ボールを傾斜(30度)している台に転がし、粘着面上で5秒間以上停止した最大のボールナンバー(No.)をもって評価した。
なお、ボールNo.は小さいほどその直径は小さくなる。ボールNo.が小さいほど粘着力は小さいことを表す。
<角質剥離量>
経皮吸収製剤を皮膚へ貼付し、8時間後にテープ剤を皮膚から剥離し、貼付前後の経皮吸収製剤の重量を計測し、その差分から単位面積当たりの角質剥離量として算出した。
表1の結果から、実施例1〜3は中空構造体が撓み易いので、ボールが停止し易い。特に実施例2,3は中空構造体が貫通しているため、空気が逃げ易いので更にボールが停止し易くなる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 隔壁により画成された複数の中空部を有し、かつ前記中空部の少なくとも一方の面側が開口している中空構造体と、
前記中空部の貼付側開口に配置された粘着剤と、
を有することを特徴とするテープ剤である。
<2> 前記中空構造体が、ハニカム構造体である前記<1>に記載のテープ剤である。
<3> 前記中空部の開口の隔壁から前記中空部の内部の隔壁の少なくとも一部に粘着剤を配置する前記<1>から<2>のいずれかに記載のテープ剤である。
<4> 前記中空部の開口の隔壁の厚みが、前記中空部の内部の隔壁の厚みよりも厚い前記<3>に記載のテープ剤である。
<5> 前記粘着剤の厚みが、隣接する前記中空部の中心間の最短距離の2倍以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のテープ剤である。
<6> 前記粘着剤を配置していない前記中空部が、空気を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のテープ剤である。
<7> 前記中空部が、一方の面側から他方の面側へ貫通している前記<1>から<6>のいずれかに記載のテープ剤である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載のテープ剤を用いた経皮吸収製剤であって、
粘着剤が外用組成物を含むことを特徴とする経皮吸収製剤である。
<9> 前記外用組成物が、有効成分を内包するナノ粒子の分散液、薬剤、又は化粧品を含む前記<8>に記載の経皮吸収製剤である。
前記<1>から<7>のいずれかに記載のテープ剤、及び前記<8>から<9>のいずれかに記載の経皮吸収製剤によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1 中空部
2 隔壁
4 粘着剤
5 開口
6 天井部
7 支持体
8 接着層
9 ライナー
10 膏体
100 中空構造体
特許第5591685号公報 特開平2−004376号公報

Claims (9)

  1. 隔壁により画成された複数の中空部を有し、かつ前記中空部の少なくとも一方の面側が開口している中空構造体と、
    前記中空部の貼付側開口に配置された粘着剤と、
    を有し、
    前記中空部の開口の隔壁の厚みが、前記中空部の内部の隔壁の厚みよりも厚いことを特徴とするテープ剤。
  2. 前記中空構造体が、ハニカム構造体である請求項1に記載のテープ剤。
  3. 前記中空部の開口の隔壁から前記中空部の内部の隔壁の少なくとも一部に粘着剤を配置する請求項1から2のいずれかに記載のテープ剤。
  4. 前記中空構造体の複数の中空部が、規則的に並列した配置である請求項1から3のいずれかに記載のテープ剤。
  5. 前記粘着剤の厚みが、隣接する前記中空部の中心間の最短距離の2倍以下である請求項1から4のいずれかに記載のテープ剤。
  6. 前記粘着剤を配置していない前記中空部が、空気を有する請求項1から5のいずれかに記載のテープ剤。
  7. 前記中空部が、一方の面側から他方の面側へ貫通している請求項1から6のいずれかに記載のテープ剤。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載のテープ剤を用いた経皮吸収製剤であって、
    粘着剤が外用組成物を含むことを特徴とする経皮吸収製剤。
  9. 前記外用組成物が、有効成分を内包するナノ粒子の分散液、薬剤、又は化粧品を含む請求項8に記載の経皮吸収製剤。
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