JP2018145128A - テープ剤及び経皮吸収製剤 - Google Patents
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Abstract
Description
また、ゲル等の柔らかい膏体(粘着剤+薬物)を用いたり、膏体の厚みを増加することによっても、粘着力を低下させる効果が得られる。ただし、前記膏体が柔らか過ぎると剥離時の凝集破壊(膏体部分で破壊する)が生じるおそれがある。また、前記膏体の厚みを増加すると、薬物濃度(粘着剤に対する薬物の割合)が低くなり、薬物の放出効率が低下し、薬効特性の低下に繋がるという問題がある。
また、孔明きフィルム層を第1粘着層と第2粘着層とで挟み込んだ構造を有する医療用貼付部材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明のテープ剤は、隔壁により画成された複数の中空部を有し、かつ前記中空部の少なくとも一方の面側が開口している中空構造体と、前記中空部の貼付側開口に配置された粘着剤と、を有し、更に必要に応じてその他の部材を備えている。
また、粘着剤が中空構造体の中空部開口の隔壁に張り付いているので、剥離時には粘着剤の変形は少ないが、他の部分(隔壁部以外の開口)では、粘着剤を拘束することができないので大きな変形に至る。また、中空構造体の中空部は隔壁が薄く、中空部が大きいために弱い力で大きく変形することができるので、小さい粘着力の状態で剥離することができる。
前記中空構造体は、隔壁により画成された複数の中空部を有し、かつ前記中空部の少なくとも一方の面側が開口している。
前記中空部の高さ(中空構造体の厚み方向の長さ)、前記中空部のピッチ(隣接する中空部の中心部から中心部の距離)は、特に制限はなく、製造条件や材料の選択により適宜調整することができる。
前記中空構造体の製造方法としては、例えば、特許第4678731号公報、特許第4869269号公報などに記載の方法を適用することができる。
(1)独立した凹部を有した部材(以下、「テンプレート」と称することがある)上に、前記凹部を覆うように基材を配置する。基材は、保護材上に塗布された材料(例えば、未硬化の紫外線硬化性樹脂等)からなる。
(2)基材とテンプレートを含む周囲を減圧する(真空状態にする)ことで、相対的に凹部内部のガスに圧力を発生させ、その圧力にて凹部上の基材を同時膨張させ中空体構造(ハニカム構造体)を形成させる。
(3)中空部の隔壁が所望の高さに成長した時点で、エネルギー線(例えば、紫外線等)を照射し基材を硬化させる。
(4)その後、テンプレートから中空構造体を剥離する。
(5)剥離した中空構造体は一方の面が閉じた形状であるので、機械加工(切削)により開口を形成し、中空部が一方の面側から他方の面側へ貫通するように加工する。
前記テンプレートの材料としては、例えば、ニッケル、シリコン、ステンレス、銅などが挙げられる。
前記テンプレートの開口に必要以上に基材が入り込まないように、圧力制御を行うことが好ましい。また、その他の部分に気泡が入らないように端部から貼り付けを行うことが好ましい。
前記中空構造体の材料としては、絶縁体であって生体への刺激や毒性が低い材料を用いることができ、例えば、生体適合性材料、熱可塑性樹脂、高分子材料、紫外線硬化樹脂、ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
前記界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の陽イオン性界面活性剤;モノステアリン酸グリセリル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤などが挙げられる。
前記不溶化剤としては、キノン類、ケトン類等の有機化合物;第二鉄やクロム等の無機化合物などが挙げられる。
前記有機化合物はpH8付近のものが好ましく、前記無機化合物はpH4.5付近のものが好ましい。なお、皮膚に適用して金属アレルギーを引き起こさないために有機化合物が好ましい。
また、不溶化剤を導入しない場合は、熱やγ線を照射することで不溶化させることができる。
(1)材料の塗布(延伸)時に固体で、剥離時に液体となる材料
例えば、加熱により固体から液体に変化するホットメルト接着剤が挙げられる。中空構造体に残留したホットメルト接着剤は、他の部材への接着に利用することができる。
(2)材料の塗布(延伸)時に固定で、剥離時に気体又は液体となる材料
例えば、水(水蒸気、氷)が挙げられる。基板に水を塗布し、材料を塗布する前に温度制御装置で冷却して氷にして材料との密着力を高める。中空構造体を製造後、温度制御装置で加熱して氷を液化して剥離した後、加熱して乾燥させることができる。更に加熱して水蒸気として気化させてから剥離することもできる。
(3)材料の塗布(延伸)時に粘着性を有し、剥離時に非粘着性を有する材料
紫外線照射前後で粘弾性が変化する材料、具体的にはシリコンウエハのダイシング時にチップが離散するのを防止するダイシング用テープの粘着材と同様のものが挙げられる。紫外線を照射して硬化させ、密着力が低下したところで剥離することができる。
前記粘着剤は、前記中空構造体の貼付側開口に配置されている。
前記粘着剤は、粘着剤を溶剤に溶解したものをコーティング法によって塗布し、乾燥することにより形成することができる。なお、粘着剤としてホットメルトフィルムを用いることもできる。
前記粘着剤としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム・エラストマー、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアクリレート、変性ポリオレフィン系樹脂系粘着剤、又はこれらにイソシアネート等の硬化剤を添加した硬化型粘着剤などが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィンフィルムやポリエステルフィルムに用いられる粘着剤の内で硬化型粘着剤が好ましい。
前記その他の部材としては、例えば、応力緩和層、密着層、光学調整層、アンチニュートンリング層、アンチグレア層、マット剤層、保護層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、防曇層、防汚層、被印刷層などが挙げられる。
図1は、第1の実施形態のテープ剤の一例を示す概略図である。
図1に示すように、第1の実施形態のテープ剤は、隔壁2により画成された複数の中空部1を有し、かつ前記中空部1の少なくとも一方の面側に開口5を有する中空構造体100から構成されており、粘着剤4は中空構造体100の開口5から内部に進入して担持されている。なお、粘着剤を担持するのは隔壁2のみである。図1中6は天井部である。
中空構造体(ハニカム構造体)は、材料として紫外線硬化樹脂(例えば、アクリル系樹脂)を用い、特許第4678731号公報に記載の方法にしたがって、作製することができる。
まず、保護材上に紫外線硬化樹脂を塗布して基材を調製した。得られた基材を独立した凹部を有するテンプレート上に配置し、貼り合わせ装置により気泡が入らないように端部から貼り付けた。凹部に材料が必要以上に材料が密着しないよう、圧力制御を行いながら貼り合わせを行う。
次に、基材とテンプレートを設置した容器内を、減圧装置を用いて90秒間減圧し、相対的に凹部内部のガスに圧力を発生させ、基材上の材料にセルとなる空洞部を形成する。テンプレートに密着している部分の材料の流動は起こらないため、独立した空洞部が形成される。隔壁が所望の高さに成長した後、紫外線を照射してセルが形成された材料を硬化する。
ハニカム形状となった基材をテンプレートから剥離し、一方が開口した中空部1を有する千鳥状に配列した略六角形の中空構造体100を得る。
テープ剤高さh1は、50μm〜400μmが好ましい。
空間高さh2は、10μm〜200μmが好ましい。
中空部の内部の隔壁厚みt4は、1μm〜20μmが好ましい。
中空部の開口の隔壁厚みt3は、5μm〜195μmが好ましい。
粘着剤として、アクリル系樹脂を用い、これを溶媒で希釈し、流動性があり粘性を低下した状態とした。その状態でスリットコートにより中空構造体100上に塗布し、粘着剤の膜を形成する。
粘着剤厚みt1は、10μm〜100μm、t1<P×2であることが好ましい。
粘着剤の進入厚みt2は、10μm〜100μm、t2>t1×1/5であることが好ましい。
貼付時には、指等の圧力にて中空構造体を押圧することで、粘着剤を皮膚に密着させる。この時、中空構造体は薄い隔壁と空隙から構成されているので、弱い荷重にて変形する。変形作用にて、周囲の隔壁や中空構造体上部(以下、天井部と称することもある)に力が分散され、粘着剤は、応力集中が限りなく小さくなり、広い圧力分布にて皮膚へと粘着する。なお、一般的に押圧力が大きく押さえる時間が長いと粘着力は大きくなる。
なお、中空構造体の開口の隔壁は、中空部の内部の隔壁よりも厚みを増した構造になっており、粘着剤が中空構造体の中空部の内部まで進入しているので、アンカー効果により粘着剤は隔壁から剥がれ難くなっている。
前記粘着剤の厚みは中空構造体の中空部のピッチの2倍以下が好ましい。2倍以上であると剥離時の粘着剤の変形が少なくなり粘着力の減少が少なくなる。
図2は、第2の実施形態のテープ剤の一例を示す概略図である。なお、第2の実施形態において、既に説明した第1の実施形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
この図2の第2の実施形態のテープ剤は、第1の実施形態の中空構造体100の天井部6を除去し、貫通化したものである。
なお、中空構造体100の天井部の除去は、テープ剤よりも長い長尺の刃物にて天井部に平行で隔壁を横断するように切断することにより行った。
第2の実施形態のテープ剤は、第1の実施形態に比べて、天井部がない分、剛性が小さくなり中空構造体が変形しやすくなるので、より力の分散ができる。使用時は横への応力(例えば、屈伸等による服のずれ)緩和による皮膚刺激の低減。剥離時は粘着力を低減させることができる。
粘着剤厚みt1は、10μm〜100μm、t1<P×2であることが好ましい。
粘着剤の進入厚みt2は、10μm〜100μm、t2>t1×1/5が好ましい。
ピッチPは、50μm〜200μmが好ましい。
テープ剤高さh1は、50μm〜400μmが好ましい。
空間高さh2は、10μm〜200μmが好ましい。
中空部の内部の隔壁厚みt4は、1μm〜20μmが好ましい。
中空部の開口の隔壁厚みt3は、5μm〜195μmが好ましい。
図3は、第3の実施形態のテープ剤の一例を示す概略図である。図4は、第3の実施形態のテープ剤の一例を示す概略斜視図である。この第3の実施形態において、既に説明した第1の実施形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
この第3の実施形態のテープ剤は、第2の実施形態のテープ剤において、貼付側と反対側に接着層8、及び支持体7を積層したものである。なお、図4中9はライナーである。
接着層8としては、アクリル系接着剤(隔壁部のみ接着が望ましい)を用いることができる。
支持体7としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)材料の不織布を用いることができる。
ライナー9としては、ポリエチレン(PE)材料のフィルムを用いることができる。
第3の実施形態のテープ剤は、不織布を用いることにより、第1の実施形態よりも伸縮性や通気性が大きくなる。及び、第2実施形態よりも異物の混入を防いだり、剥離時に手で掴みやすい易いという利点がある。
粘着剤の進入厚みt2は、10μm〜100μm、t2>t1×1/5が好ましい。
ピッチPは、50μm〜200μmが好ましい。
テープ剤高さh1は、50μm〜400μmが好ましい。
空間高さh2は、10μm〜200μmが好ましい。
中空部の内部の隔壁厚みt4は、1μm〜20μmが好ましい。
中空部の開口の隔壁厚みt3は、5μm〜195μmが好ましい。
本発明の経皮吸収製剤は、本発明のテープ剤を用いた経皮吸収製剤であって、粘着剤が外用組成物を含む。
前記粘着剤への外用組成物の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、外用組成物全量に対して、1質量%以上が好ましく、2質量%以上40質量%以下がより好ましい。
前記外用組成物は、有効成分を内包するナノ粒子の分散液からなることが好ましい。
ここで、前記外用組成物とは、医薬品、医薬部外品、化粧品を含み、皮膚及び粘膜に直接用いることができる組成物を意味し、具体的には、薬用化粧品、栄養剤、診断用薬、治療薬などが挙げられる。
前記外用組成物としては、必ずしも粒子である必要は無く、従来から用いられる薬剤(低分子薬剤や高分子薬剤)、化粧品などを使用することができる。
これらの薬物の含有量は薬物種や投与目的に応じて適宜設定することができるが、経皮吸収製剤中に0.1質量%〜40質量%含有させることが好ましい。前記含有量が0.1質量%に満たない場合は、治療に有効な量の放出が期待できず、また、40質量%を超えると、治療効果に限界が生じると共に経済的に不利である。
前記経皮吸収製剤において薬物補給層を構成要件とする製剤では、該層は前記薬物及び吸収助剤を含有した状態で溶液、分散液又はゲルの状態で挿入、保持される。
また、該層における薬物は多量の明物を易剥離性粘着剤層中に確実に供給する必要性から、薬物補給層中で飽和濃度にしておくことが好ましく、2mg/cm2〜80mg/cm2がより好ましく、4mg/cm2〜60mg/cm2が更に好ましい。
前記薬剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、局所麻酔剤(塩酸ブピバカイン、塩酸メピバカイン等)、抗てんかん薬(バルプロ酸ナトリウム等)、鎮痛剤(塩酸モルヒネ、クエン酸フェンタニル、塩酸ブプレノルフィン等)、解熱鎮痛剤(スルピリン、アンチピリン、アセトアミノフェン)、抗精神病薬(塩酸クロルプロマジン、塩酸レボメプロマジン、塩酸クロカプラミン等)、うつ病治療薬(塩酸イミプラミン、塩酸トラゾドン、マレイン酸フルボキサミン等)、抗不安薬(ジアゼパム、アルプラゾラム、クエン酸タンドスピロン等)、精神安定剤(塩酸ヒドロキシジン等)、脳機能賦活薬(塩酸チアプリド、酒石酸プロチレリン等)、脳循環改善薬(イソソルビド、ペントキシフィリン、塩酸ファスジル等)、パーキンソン治療剤(塩酸ベンセラジド、塩酸アマンタジン、塩酸タリペキソール等)、筋弛緩剤(塩酸エピリゾン、塩酸チザニジン、塩酸トルペリゾン等)、消化性潰瘍治療薬(臭化ブチルスコポラミン、塩酸ピレンゼピン、臭化チメピジウム等)、抗ヒスタミン薬(マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸プロメタジン、塩酸セチリジン等)、化学伝達物質遊離抑制薬(フマル酸エメダスチン、トシル酸スプラタスト、塩酸エピナスチン等)、心疾患治療薬(アミノフィリン、塩酸ジルチアゼム、ニコランジル、塩酸プロプラノロール、塩酸イソプレナリン、リン酸ジソピラミド、塩酸プロカインアミド等)、高血圧治療薬(カプトプリル、マレイン酸エナラプリル、塩酸アモスラロール、塩酸プラゾシン、ウラピジル、塩酸クロニジン等)、血管拡張薬(塩酸トラゾリン等)、血管収縮薬(メチル硫酸アメジニウム、塩酸エチレフリン、塩酸フェニレフリン、塩酸ミドドリン等)、高脂血症治療薬(プラバスタチンナトリウム、フルバスタチンナトリウム、セリバスタチンナトリウム等)、鎮咳・去痰薬(臭化水素酸デキストロメトルファン、塩酸ホミノベン、アセチルシステイン等)、喘息治療薬(塩酸クレンブテロール、臭化水素酸フェノテロール、塩酸プロカテロール等)、H2遮断薬(塩酸ラニチジン、塩酸ロキサチジンアセテート等)、プロトンポンプ阻害薬(オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール等)、制吐剤(塩酸グラニセトロン、塩酸アザセトロン、塩酸オンダンセトロン、塩酸ラモセトロン等)、非ステロイド性抗炎症剤(ロキソプロフェンナトリウム、フルルビプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、塩酸チアラミド等)、抗リウマチ剤(ブシラミン、ペニシラミン等)、泌尿器疾患用薬(塩酸オキシブチニン、塩酸タムスロシン、塩酸プロピベリン等)、β遮断薬(フマル酸ビソプロロール、塩酸ベタキソロール等)などが挙げられる。
本発明で導入可能な薬剤に有用な薬物の例としては、化粧品原料ないしは薬効成分、特に高分子薬効成分を含浸させてもよい。
前記化粧品の原料としては、例えば、アスコルビン酸、ビタミンCエチル、ビタミンCグリコシド、パルミチン酸アスコルビル、コウジ酸、ルシノール、トラネキサム酸、油用性甘草エキス、ビタミンA誘導体、プラセンタエキス等の美白成分;レチノール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、EGF、細胞培養エキス、アセチルグルコサミン等の抗しわ成分;酢酸トコフェロール、カプサイン、ノリル酸バニリルアミド等の血行促進成分;ラズベリーケトン、月見草エキス、海草エキス等のダイエット成分;イソプロピルメチルフェノール、感光素、酸化亜鉛等の抗菌成分;ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンK等のビタミン類、グルコース、トレハロース、マルトースのような糖類、などが挙げられる。
前記高分子薬効成分としては、例えば、生理活性ペプチド類とその誘導体、核酸、オリゴヌクレオチド、各種の抗原蛋白質、バクテリア、ウイルスの断片などが挙げられる。
前記電解質としては、生体適合性のある材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウムなどが挙げられる。
前記分散媒の種類は、ナノ粒子の種類に応じて、また到達させる部位(角質、真皮層、血中)に応じて適宜選択することができる。
前記ナノ粒子の平均粒径は、500nm以下が好ましく、10nm〜100nmがより好ましく、40nm〜80nmが更に好ましい。
前記粒径が10nm未満であると、皮膚への浸透性は高いものの、拡散により所望の効果が得られないことがある。一方、100μmを超えると、皮膚の毛穴のサイズより大きいため皮膚の透過性が低下することがある。
前記ナノ粒子の濃度を0.1mM〜100mMの範囲とすることにより、所望の効果を得ることができる。前記ナノ粒子の濃度としては、例えば、0.5mM〜15mMが好ましく、1mM〜10mMがより好ましく、1mM〜7mMが更に好ましい。
前記ナノ粒子に内包される有効成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薬用化粧品の原料として、薬効成分(特に高分子薬効成分)が挙げられ、具体的には、アスコルビン酸、ビタミンCエチル、ビタミンCグリコシド、パルミチン酸アスコルビル、コウジ酸、ルシノール、トラネキサム酸、油用性甘草エキス、ビタミンA誘導体、プラセンタエキス等の美白成分;レチノール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、EGF、細胞培養エキス、アセチルグルコサミン等の抗しわ成分;酢酸トコフェロール、カプサイン、ノリル酸バニリルアミド等の血行促進成分;ラズベリーケトン、月見草エキス、海草エキス等のダイエット成分;イソプロピルメチルフェノール、感光素、酸化亜鉛等の抗菌成分;ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンK等のビタミン類、グルコース、トレハロース、マルトースのような糖類などが挙げられる。
前記高分子薬効成分としては、例えば、生理活性ペプチド類又はその誘導体、核酸、オリゴヌクレオチド、各種の抗原蛋白質、バクテリア、ウイルスの断片などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等の桂皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAメチルエステル等のパラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;3−(4’−メチルベンジリデン)−d−カンファー、3−ベンジリデン−d,1−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、オクチルトリアゾン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤が挙げられる。
前記紫外線散乱剤としては、例えば、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛,酸化セリウムなどが挙げられる。
前記添加成分としては、例えば、グアーガム、タマリンドガム等の非イオン性ポリマー;カチオン化セルロース、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドポリマー等のカチオン性ポリマー;キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム等のアニオン性ポリマー;その他天然水溶性化合物又はその誘導体、界面活性剤、油分、着色剤、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤、保湿剤、低級アルコール、多価アルコール、香料、清涼剤、pH調整剤などが挙げられる。
図5は、第1の実施形態の経皮吸収製剤の一例を示す概略図である。
この第1の実施形態の経皮吸収製剤は、図1の第1の実施形態のテープ剤の粘着剤4に薬剤を添加して膏体10に変えたものである。なお、第1の実施形態の経皮吸収製剤において、既に説明した第1の実施形態のテープ剤と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図6は、第2の実施形態の経皮吸収製剤の一例を示す概略図である。
この第2の実施形態の経皮吸収製剤は、図2の第2の実施形態のテープ剤の粘着剤4に薬剤を添加して膏体10に変えたものである。なお、第2の実施形態の経皮吸収製剤において、既に説明した第1の実施形態のテープ剤と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
第2の実施形態の経皮吸収製剤では、揮発性の膏体は使用できない。
図7は、第3の実施形態の経皮吸収製剤の一例を示す概略図である。
この第3の実施形態の経皮吸収製剤は、図3の第3の実施形態のテープ剤の粘着剤4に薬剤を添加して膏体10に変えたものである。なお、第3の実施形態の経皮吸収製剤において、既に説明した第1の実施形態のテープ剤と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
以下に示す内容の図5に示す経皮吸収製剤を、上記第1の実施形態の経皮吸収製剤と同様にして作製した。
・薬剤:気管支拡張剤ツロブテロール、濃度:20質量%
・粘着剤:アクリル系樹脂(Duro−tak 87−2516、ナショナルスターチ&ケミカル社製)
・粘着剤厚みt1:20μm
・粘着剤の進入厚みt2:10μm
・中空構造体(ハニカム構造、アクリル系樹脂(紫外線硬化型粘着フィルム))
・中空部のピッチP:200μm
・経皮吸収製剤高さh1:200μm
・空間高さh2:180μm
・中空部の内部の隔壁厚みt4:10μm
・中空部の開口の隔壁厚みt3:10μm
・天井部の隔壁厚み:10μm
以下に示す内容の図6に示す経皮吸収製剤を、上記第2の実施形態の経皮吸収製剤と同様にして作製した。
・薬剤:気管支拡張剤ツロブテロール、濃度:20質量%
・粘着剤:アクリル系樹脂(Duro−tak 87−2516、ナショナルスターチ&ケミカル社製)
・粘着剤厚みt1:20μm
・粘着剤の進入厚みt2:10μm
・中空構造体(ハニカム構造、アクリル系樹脂(紫外線硬化型粘着フィルム))
・中空部のピッチP:200μm
・経皮吸収製剤高さh1:200μm
・空間高さh2:180μm
・中空部の内部の隔壁厚みt4:5μm
・中空部の開口の隔壁厚みt3:10μm
以下に示す内容の図7に示す経皮吸収製剤を、上記第3の実施形態の経皮吸収製剤と同様にして作製した。
・薬剤:気管支拡張剤ツロブテロール、濃度:20質量%
・粘着剤:アクリル系樹脂(Duro−tak 87−2516、ナショナルスターチ&ケミカル社製)
・粘着剤厚みt1:20μm
・粘着剤の進入厚みt2:10μm
・中空構造体(ハニカム構造、アクリル系樹脂(紫外線硬化型粘着フィルム))
・中空部のピッチP:200μm
・経皮吸収製剤高さh1:200μm
・空間高さh2:180μm
・中空部の内部の隔壁厚みt4:5μm
・中空部の開口の隔壁厚みt3:10μm
・支持体(ポリエチレンテレフタレート(PET)不織布)厚み:50μm
・接着層(アクリル系接着剤)厚み:10μm
比較として、経皮吸収製剤型・気管支拡張剤(ホクナリン、マルホ社製)を用いた。
「独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA;Pharmaceuticals and Medical Devices Agency);http://www.pmda.go.jp/に記載の「傾斜ボールタック試験法」(http://www.pmda.go.jp/files/000164569.pdf)に基づいて測定を行った。
評価は、傾斜式ボールタック試験方法を用いた。大きさの決まった試験ボールを傾斜(30度)している台に転がし、粘着面上で5秒間以上停止した最大のボールナンバー(No.)をもって評価した。
なお、ボールNo.は小さいほどその直径は小さくなる。ボールNo.が小さいほど粘着力は小さいことを表す。
経皮吸収製剤を皮膚へ貼付し、8時間後にテープ剤を皮膚から剥離し、貼付前後の経皮吸収製剤の重量を計測し、その差分から単位面積当たりの角質剥離量として算出した。
<1> 隔壁により画成された複数の中空部を有し、かつ前記中空部の少なくとも一方の面側が開口している中空構造体と、
前記中空部の貼付側開口に配置された粘着剤と、
を有することを特徴とするテープ剤である。
<2> 前記中空構造体が、ハニカム構造体である前記<1>に記載のテープ剤である。
<3> 前記中空部の開口の隔壁から前記中空部の内部の隔壁の少なくとも一部に粘着剤を配置する前記<1>から<2>のいずれかに記載のテープ剤である。
<4> 前記中空部の開口の隔壁の厚みが、前記中空部の内部の隔壁の厚みよりも厚い前記<3>に記載のテープ剤である。
<5> 前記粘着剤の厚みが、隣接する前記中空部の中心間の最短距離の2倍以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のテープ剤である。
<6> 前記粘着剤を配置していない前記中空部が、空気を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のテープ剤である。
<7> 前記中空部が、一方の面側から他方の面側へ貫通している前記<1>から<6>のいずれかに記載のテープ剤である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載のテープ剤を用いた経皮吸収製剤であって、
粘着剤が外用組成物を含むことを特徴とする経皮吸収製剤である。
<9> 前記外用組成物が、有効成分を内包するナノ粒子の分散液、薬剤、又は化粧品を含む前記<8>に記載の経皮吸収製剤である。
2 隔壁
4 粘着剤
5 開口
6 天井部
7 支持体
8 接着層
9 ライナー
10 膏体
100 中空構造体
Claims (9)
- 隔壁により画成された複数の中空部を有し、かつ前記中空部の少なくとも一方の面側が開口している中空構造体と、
前記中空部の貼付側開口に配置された粘着剤と、
を有することを特徴とするテープ剤。 - 前記中空構造体が、ハニカム構造体である請求項1に記載のテープ剤。
- 前記中空部の開口の隔壁から前記中空部の内部の隔壁の少なくとも一部に粘着剤を配置する請求項1から2のいずれかに記載のテープ剤。
- 前記中空部の開口の隔壁の厚みが、前記中空部の内部の隔壁の厚みよりも厚い請求項3に記載のテープ剤。
- 前記粘着剤の厚みが、隣接する前記中空部の中心間の最短距離の2倍以下である請求項1から4のいずれかに記載のテープ剤。
- 前記粘着剤を配置していない前記中空部が、空気を有する請求項1から5のいずれかに記載のテープ剤。
- 前記中空部が、一方の面側から他方の面側へ貫通している請求項1から6のいずれかに記載のテープ剤。
- 請求項1から7のいずれかに記載のテープ剤を用いた経皮吸収製剤であって、
粘着剤が外用組成物を含むことを特徴とする経皮吸収製剤。 - 前記外用組成物が、有効成分を内包するナノ粒子の分散液、薬剤、又は化粧品を含む請求項8に記載の経皮吸収製剤。
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