JP7047973B2 - 薄型フィルム、および、転写シート - Google Patents

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Description

本発明は、薄型フィルム、および、薄型フィルムを被着体に貼り付けるための転写シートに関する。
数nm~数μm程度の厚さを有した極めて薄いフィルムは、高い柔軟性を有することから、様々な形状に追従可能であり、接着剤や粘着剤がなくとも生体器官の表面に貼り付く。そのため、こうしたフィルムを臓器や皮膚等の被着体に貼り付けて利用することが試みられている。例えば、特許文献1では、上記フィルムを、スキンケアやメイクアップの補助のために皮膚に貼り付けることが提案されている。
国際公開第2014/058060号
ところで、上述のような薄型フィルムにおいては、フィルムの表面での反射光と裏面での反射光とが干渉することに起因して、フィルムの表面が色付いて光るように見えやすい。こうしたフィルムは、外観不良を有するように認識されやすく、特に美容用途では、フィルムの貼付部分に、テカリ、すなわち、皮脂の分泌に起因した光沢が生じているように見えるため、好ましくない。反射光の干渉に起因した色付きは、例えば、フィルムの表面に凹凸を形成することで抑制できる。しかしながら、上述のように、当該フィルムは極めて薄いことで被着体の表面形状への高い追従性を得ているため、こうした薄い膜厚による特性を維持しつつ、フィルムの表面に十分な高さの凹凸を設けることは容易ではない。また、フィルムに対する機能の付加を目的として、種々の有効成分をフィルムに含有させようとする場合にも、薄い膜厚による特性である形状追従性を維持しようとすれば、含有可能な有効成分の量には制約が生じる。
本発明は、薄い膜厚による特性の低下を抑えつつ、他の機能の向上を可能とした薄型フィルム、および、転写シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決する薄型フィルムは、第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有し、0.1μm以上5.0μm以下の平均厚みを有する薄型フィルムであって、前記第1面および前記第2面の各々は凹凸を有し、前記薄型フィルムのなかで、前記第1面にて凸部が位置し、かつ、前記第2面にて凹部が位置する部分が要素部であり、前記薄型フィルムは、複数の前記要素部を有する。
上記構成によれば、第1面のみに凹凸が形成される場合と比較して、第1面にて凸部が位置する部分で薄型フィルムの膜厚が大きくなることが抑えられるため、薄い膜厚による特性の低下を抑えつつ、薄型フィルムの表面を、凹凸を有した面とすることができる。したがって、表面が凹凸を有することによる光の散乱や表面積の増大が可能であり、その結果、薄型フィルムの機能の向上が可能である。例えば、薄型フィルムにおける形状追従性の低下を抑えつつ、薄型フィルムに干渉に起因した色や光が視認されることを抑える効果、および、ソフトフォーカス性が高められる効果が得られる。
上記構成において、前記薄型フィルムの断面において、前記第1面にて凸部の頂部が位置し、かつ、前記第2面にて凹部の底部が位置する第1部分と、前記第1面にて凹部の底部が位置し、かつ、前記第2面にて凸部の頂部が位置する第2部分とが、交互に位置してもよい。
上記構成によれば、薄型フィルム自体が曲がることを繰り返すことにより第1面と第2面とに凹凸が形成されており、薄型フィルムの広い範囲で、薄型フィルムの膜厚が大きくなることを抑えつつ、凹凸を有した表面が形成されている。したがって、薄い膜厚による特性の低下を抑えつつ、表面が凹凸を有することによる効果を広い範囲で得られる。
上記構成において、互いに隣り合う前記要素部の間隔は、100μm以下であり、前記複数の要素部の平均高さは、2.0μm以上50.0μm以下であり、前記複数の要素部の平均幅に対する前記平均高さの比は、1.5以下であってもよい。
上記構成によれば、薄型フィルムにおける形状追従性、強度、ソフトフォーカス性が良好に得られ、また、薄型フィルムに干渉に起因した色や光が視認されることも好適に抑えられる。
上記構成において、前記薄型フィルムが広がる方向に沿った平面と対向する方向から見た平面視における前記薄型フィルムの面積を基準面積とするとき、前記第1面の表面積は、前記基準面積の1.1倍以上3.0倍以下であってもよい。
上記構成によれば、薄型フィルムの強度が良好に得られるとともに、薄型フィルムの表面積の増大による効果が好適に得られる。
上記構成において、前記薄型フィルムの材料は、生体適合性あるいは生分解性を有する材料を含んでもよい。
上記構成によれば、薄型フィルムにおいて、生体組織に貼り付けられる用途および細胞培養の基材に用いられることへの適性が高められる。
上記課題を解決する転写シートは、上記薄型フィルムと、前記薄型フィルムを支持する支持基材と、を備える。
上記構成によれば、薄型フィルムが支持基材に支持されることにより、薄型フィルムの変形が抑えられるため、薄型フィルムの取り扱いが容易になる。
上記構成において、前記支持基材は、織物、不織布、紙、および、メッシュシートのいずれかであってもよい。
上記構成によれば、支持基材が液体を透過しやすいため、支持基材が水等の液体と接触した場合に、支持基材内に液体が行き渡りやすい。したがって、支持基材が液体との接触によって変形するように構成されていれば当該変形が促進されて、薄型フィルムからの支持基材の剥離性が好適に高められる。
本発明によれば、薄型フィルムにおいて、薄い膜厚による特性の低下を抑えつつ、他の機能の向上が可能である。
薄型フィルムの一実施形態について、薄型フィルムの斜視構造の一例を示す図。 一実施形態における薄型フィルムの斜視構造の一例を示す図。 一実施形態における薄型フィルムの斜視構造の一例を示す図。 一実施形態における薄型フィルムの断面構造の一例を示す図。 一実施形態における薄型フィルムの断面構造の一例を示す図。 一実施形態における薄型フィルムの断面構造の一例を示す図。 一実施形態における薄型フィルムの断面構造の一例を示す図。 一実施形態における薄型フィルムの平面構造の一例を示す図。 一実施形態における薄型フィルムの平面構造の一例を示す図。 一実施形態における薄型フィルムの平面構造の一例を示す図。 転写シートの一実施形態について、転写シートの平面構造の一例を示す図。 一実施形態における転写シートの断面構造の一例を示す図。 一実施形態における転写シートの断面構造の一例を示す図。
図面を参照して、薄型フィルム、および、転写シートの一実施形態を説明する。
本実施形態の薄型フィルムは、生体組織に貼り付けられて利用される。具体的には、薄型フィルムの用途として、皮膚に薄型フィルムを貼り付けて薄型フィルムをスキンケアやメイクアップの補助に用いる美容用途、手術時の組織の癒着防止のために薄型フィルムを臓器や細胞に貼り付ける用途、皮膚や臓器の創傷部分に薄型フィルムを貼り付けて薄型フィルムを創傷の治療のために用いる用途が挙げられる。生体組織とは、動物の組織であって、皮膚等の上皮組織、軟骨や骨等の結合組織、筋組織、神経組織を含む。また、本実施形態の薄型フィルムは、細胞培養の基材として用いられてもよい。
なお、美容用途において、薄型フィルムは、化粧料が塗布された肌に対して化粧料の上から貼り付けられてもよいし、化粧料が塗布されていない肌に貼り付けられてもよい。また、肌に薄型フィルムが貼り付けられた後に、当該フィルムの上から化粧料が塗布されてもよい。
[薄型フィルムの構成]
図1~図3は、薄型フィルム10の斜視構造の一例を示す。薄型フィルム10は、第1面10Fと、第1面10Fとは反対側の第2面10Rとを有する。
第1面10Fは、凹凸を有する。詳細には、第1面10Fは、第1面10Fにて突出する複数の凸部11aを有する。互いに隣り合う凸部11aの間、もしくは、互いに隣り合う凸部11aの境界部分は、第1面10Fにて窪む凹部11bを構成している。複数の凸部11aの形状や大きさは、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。また、複数の凸部11aは、規則的に配置されていてもよいし、不規則に配置されていてもよい。
第2面10Rは、第1面10Fの凹凸が反転した凹凸を有する。すなわち、第1面10Fにて凸部11aが位置する箇所で、第2面10Rには凹部12bが位置し、第1面10Fにて凹部11bが位置する箇所で、第2面10Rには凸部12aが位置する。
第1面10Fにて凸部11aが位置し、かつ、第2面10Rにて凹部12bが位置する部分が要素部13であり、薄型フィルム10は、複数の要素部13を有する。
図1~図3を参照して、薄型フィルム10の具体的な構造の例を説明する。なお、以下の図では、理解を容易にするために、要素部13に関する構成の比率を、実際の構造とは変えて示している場合がある。
図1が示す薄型フィルム10では、同一の形状を有する複数の要素部13が、規則的に並んでいる。要素部13の表面、すなわち、凸部11aおよび凹部12bの各々の表面は、曲面であり、要素部13の表面は、凸部11aの頂部および凹部12bの底部の各々が位置する部分にて曲率を有している。要素部13は、例えば、半球状、半楕円体状、円錐の頂部を曲面に置き換えた形状等を有する。第1面10Fにおける凹部11bの底部、および、第2面10Rにおける凸部12aの頂部も、曲面から構成されている。
図2が示すように、要素部13の表面は平面であってもよく、要素部13は、凸部11aの頂点に向けて尖っていてもよい。要素部13は、例えば、角錐状を有する。図2においては、第1面10Fにおける凹部11bの底部、および、第2面10Rにおける凸部12aの頂部は、平面から構成されている。
図3が示す薄型フィルム10では、1つの方向に延びる複数の要素部13が、要素部の延びる方向と直交する方向に沿って並んでいる。要素部13の表面は曲面であり、第1面10Fおよび第2面10Rは、波状に起伏が繰り返す形状を有する。
要素部13の形状は、上述の例に限らず、円錐状や錘台状や柱体状であってもよいし、こうした三次元図形とは異なる立体状であってもよい。また、要素部13は、対称軸を有さない立体状であってもよい。要は、要素部13は、曲面と平面との少なくとも一方からなる表面を有する側壁によって底部以外が囲まれた形状を有していればよい。また、複数の要素部13には、互いに異なる形状を有する要素部13が含まれてもよい。
また、第1面10Fにおける凹部11bの底部、および、第2面10Rにおける凸部12aの頂部は、曲面と平面との少なくとも一方から構成されていればよく、当該底部および頂部が曲面である箇所と、平面である箇所とが混在していてもよい。
さらに、複数の要素部13は不規則に配置されていてもよい。また、薄型フィルム10自体の厚みは、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。
図4~図7は、薄型フィルム10の断面構造の一例を示す。
図4および図5は、同一の形状を有した複数の要素部13が一定の間隔で並ぶ場合の断面構造を示す。図4は、要素部13の表面が曲面であって、凹部11bの底部および凸部12aの頂部も曲面である形態を示す。上記形態では、凸部11aの頂部と基部とにおいて、薄型フィルム10は湾曲している。言い換えれば、薄型フィルム10が湾曲を繰り返すことによって、要素部13が形成され、第1面10Fと第2面10Rとに凹凸が生じている。
図5は、要素部13の表面が平面であって、凹部11bの底部および凸部12aの頂部も平面である形態を示す。上記形態では、凸部11aの頂部と基部とにおいて、薄型フィルム10は角部が形成されるように折れ曲がっている。言い換えれば、薄型フィルム10が折れを繰り返すことによって、要素部13が形成され、第1面10Fと第2面10Rとに凹凸が生じている。
図6は、複数の要素部13における形状が一定ではなく、互いに隣り合う要素部13間の間隔も一定ではない場合の断面構造を示す。要素部13の表面は、曲面と平面との少なくとも一方から構成される。凹部11bの底部および凸部12aの頂部も、曲面と平面との少なくとも一方から構成される。こうした場合にも、凸部11aの頂部と基部とにおいて、薄型フィルム10は、曲率を有するように湾曲しているか、角部が形成されるように折れ曲がっている。そして、薄型フィルム10が湾曲と折れとの少なくとも一方を繰り返すことによって、要素部13が形成され、第1面10Fと第2面10Rとに凹凸が生じている。
このように、本実施形態では、薄型フィルム10自体が曲がることによって、第1面10Fと第2面10Rとに凹凸を形成している。薄型フィルム10の断面においては、第1面10Fにて凸部11aの頂部が位置し、かつ、第2面10Rにて凹部12bの底部が位置する部分(第1部分)と、第1面10Fにて凹部11bの底部が位置し、かつ、第2面10Rにて凸部12aの頂部が位置する部分(第2部分)とが、交互に位置する。凸部11a,12aの頂部と凹部11b,12bの底部とが曲面である場合には、上記断面にて薄型フィルム10は波形状を有し、言い換えれば、うねりを有する。
なお、薄型フィルム10の断面において、薄型フィルム10のなかで、凸部11aの頂部で湾曲または折れ曲がっている部分を山部、凸部11aの基部で湾曲または折れ曲がっている部分を谷部とするとき、1つの山部を挟む2つの谷部間の部分が、1つの要素部13である。
要素部13に関連したパラメータの好適な範囲について説明する。以下において、薄型フィルム10の広がる方向は、平面上に薄型フィルム10を静置した場合に、当該平面に沿って薄型フィルム10が広がる方向として薄型フィルム10に対して規定される。このとき、複数の要素部13は、薄型フィルム10の広がる方向に沿って並ぶ。また、薄型フィルム10の上記断面は、薄型フィルム10が広がる方向に沿った平面と直交する方向に沿った断面である。
図4が示すように、薄型フィルム10の平均厚みは、フィルム自体の平均厚みであって、複数の測定点で測定された膜厚Tの平均値である。薄型フィルム10の平均厚みは、以下の方法によって算出される。まず、薄型フィルム10における複数の箇所から、薄型フィルム10の断面観察用の試料を作製する。例えば、薄型フィルム10が平面視にて矩形状を有する場合、薄型フィルム10の中央部と四隅との5箇所から試料を作製する。そして、各試料について、電子顕微鏡を用いて断面を観察し、薄型フィルム10の広がる方向に沿って250μmの範囲内に等配した5点の測定点について膜厚Tを測定する。膜厚Tは、測定点での第1面10Fの法線方向におけるフィルムの厚みである。そして、5点の測定点での膜厚Tの平均値が、試料ごとの平均厚みであり、すべての試料についての平均厚みを平均した値が、薄型フィルム10の平均厚みである。
薄型フィルム10の平均厚みは、0.1μm以上5.0μm以下である。さらに、薄型フィルム10の平均厚みは、0.1μm以上2.0μm以下であることが好ましく、0.3μm以上1.0μm以下であることがより好ましい。薄型フィルム10の平均厚みが上記下限値以上であれば、薄型フィルム10の強度が、手で薄型フィルム10を軽く触っても薄型フィルム10が破断しない程度に得られ、薄型フィルム10の取り扱いが容易になるとともに、薄型フィルム10の耐久性も高められる。薄型フィルム10の平均厚みが上記上限値以下であれば、薄型フィルム10の柔軟性が良好に得られ、形状追従性が高められるため、薄型フィルム10が生体組織に貼り付けられる場合に、被着体に対する薄型フィルム10の密着性が良好となる。
薄型フィルム10の単位面積あたりの質量は、0.1g/m以上5.0g/m以下であることが好ましい。上記質量は、薄型フィルム10の広がる方向に沿った平面と直交する方向から第1面10Fを見た平面視にて1mの面積を有する部分あたりに換算した場合の薄型フィルム10の質量である。なお、薄型フィルム10の密度は、例えば、1g/cm以上3g/cm以下である。薄型フィルム10の単位面積あたりの質量が上記範囲内であれば、薄型フィルム10の厚さが大きくなることが抑えられるため、薄型フィルム10の柔軟性が良好に得られる。それゆえ、薄型フィルム10の形状追従性が高められて、被着体に対する薄型フィルム10の密着性が良好となる。
図4~図6に示すように、薄型フィルム10の広がる方向における、互いに隣り合う要素部13間の距離が、要素間隔Wである。要素間隔Wは、すなわち、薄型フィルム10の広がる方向における、互いに隣り合う凸部11aの頂点間の距離である。複数の要素部13が規則的に並ぶ場合、要素間隔Wは、一定であるか、もしくは、複数の要素部13の並びに対して規則的に変化する。複数の要素部13が不規則に並ぶ場合、要素間隔Wは、複数の要素部13の並びに対して不規則に変化する。
要素間隔Wが大きいと、互いに隣り合う要素部13の間にて、凹部11bの底部および凸部12aの頂部が平坦になりやすく、こうした平膜状の領域の割合が多くなりやすい。第1面10Fでの反射光と第2面10Rでの反射光との干渉により第1面10Fや第2面10Rが色付き光って見えることを抑えるためには、上記平膜状の領域の割合は少ない方が好ましい。こうした観点では、要素間隔Wは100μm以下であることが好ましい。
また、要素間隔Wが大きいと、目視にて薄型フィルム10の表面がざらついて見えやすくなるため、こうした観点からも、要素間隔Wは100μm以下であることが好ましい。
要素部13の平均高さは、複数の要素部13における高さHの平均値である。要素部13の平均高さは、以下の方法によって算出される。まず、薄型フィルム10の平均厚みの測定時と同様に作製した複数の試料の各々について、電子顕微鏡を用いて断面を観察し、薄型フィルム10の広がる方向に沿って250μmの範囲内に含まれる5つの要素部13の高さHを測定する。高さHは、薄型フィルム10の広がる方向に沿った平面と直交する方向における要素部13の端部間の長さである。すなわち、高さHは、要素部13を構成する上記山部にて第1面10F内で最も突き出ている点と、要素部13の端部に位置する上記谷部にて第2面10R内で最も突き出ている点との間の、上記平面と直交する方向に沿った長さである。そして、5つの要素部13の高さHの平均値が、試料ごとの平均高さであり、すべての試料についての平均高さを平均した値が、薄型フィルム10の要素部13の平均高さである。
要素部13の平均幅は、複数の要素部13における幅Dの平均値である。要素部13の平均幅は、以下の方法によって算出される。まず、薄型フィルム10の平均厚みの測定時と同様に作製した複数の試料の各々について、電子顕微鏡を用いて断面を観察し、薄型フィルム10の広がる方向に沿って250μmの範囲内に含まれる5つの要素部13の幅Dを測定する。幅Dは、薄型フィルム10の広がる方向における要素部13の端部間の長さである。すなわち、幅Dは、要素部13の端部に位置する2つの上記谷部の各々における第2面10R内で最も突き出ている点の間の、薄型フィルム10の広がる方向に沿った長さである。そして、5つの要素部13の幅Dの平均値が、試料ごとの平均幅であり、すべての試料についての平均幅を平均した値が、薄型フィルム10の要素部13の平均幅である。
要素部13の平均高さは、薄型フィルム10の平均厚みの2倍以上100倍以下であることが好ましく、5倍以上30倍以下であることがより好ましい。こうした範囲内において、要素部13の平均高さは、2.0μm以上50.0μm以下であることが好ましく、2.0μm以上20.0μm以下であることがより好ましい。
要素部13の平均高さが上記下限値以上であれば、要素部13による凹凸が光を散乱させる効果が良好に得られ、干渉に起因した色や光りが視認されることが好適に抑えられる。要素部13の平均高さが上記上限値以下であれば、薄型フィルム10が生体組織に貼り付けられる場合に、被着体に対する薄型フィルム10の密着性が得られやすい。図7は、図4~図6に示した例よりも、薄型フィルム10の平均厚みに対して、要素部13の平均高さが小さい例を示す。
要素部13の平均幅に対する平均高さの比は、0.1以上1.5以下であることが好ましく、0.1以上1.0以下であることがより好ましい。上記比が上記下限値以上であれば、本実施形態の薄型フィルム10の形状による効果、すなわち、要素部13による光の散乱や表面積の拡大といった効果が良好に得られる。上記比が上記上限値以下であれば、薄型フィルム10の製造が容易であり、また、薄型フィルム10の強度および被着体に対する密着性が良好に得られる。
図8~図10は、薄型フィルム10の広がる方向に沿った平面と直交する方向から見た平面視での要素部13の配置の例を示す。図8~図10では、便宜上、要素部13の外形を略円形に示しているが、平面視での要素部13の外形は特に限定されない。
図8および図9は、同一の大きさの複数の要素部13が規則的に並ぶ形態を示す。図8では、複数の要素部13は、互いに直交する格子線からなる仮想的な格子の格子点上に位置し、図9では、複数の要素部13は、斜めに交差する格子線からなる仮想的な格子の格子点上に位置する。要素部13の要素間隔Wは、図8が示すように、格子線の延びる方向によって異なっていてもよいし、図9が示すように、格子線の延びる2つの方向において一致していてもよい。
図10は、複数の要素部13が不規則に配置されており、複数の要素部13の大きさが一定ではない形態を示す。一定の大きさの複数の要素部13が規則的に配置されていると、光の回折が生じて、第1面10Fや第2面10Rが色付いて見えることが起こり得る。こうした回折現象を抑える観点では、複数の要素部13の大きさは不均一であって、複数の要素部13が不規則に配置されていることが好ましい。
上記平面視での薄型フィルム10の全体の面積、すなわち、薄型フィルム10の広がる方向に沿った平面への投影像における薄型フィルム10の面積を基準面積とするとき、第1面10Fの表面積は、基準面積の1.1倍以上3.0倍以下であることが好ましい。第1面10Fの表面積は、凹凸の側面部分も含めた第1面10Fの実面積であり、第1面10Fの表面積は、凹凸の側面部分に相当する面積の分だけ、基準面積よりも大きくなる。
基準面積は、薄型フィルム10の外形に応じて算出されればよく、例えば、平面視にて薄型フィルム10が矩形状を有する場合には、当該矩形の短辺の長さと長辺の長さとの乗算によって、基準面積が求められる。
第1面10Fの表面積は、切削加工によって形成された型を用いて要素部13を形成する場合のように、要素部13が設計に沿った形状に形成される場合には、設計値に基づき算出されればよい。また、サンドブラスト加工によって形成された型を用いて要素部13を形成する場合のように、要素部13がランダムな形状に形成される場合には、第1面10Fの表面積は、実測値から求められればよい。当該実測値は、高さ方向であるZ軸についての電動ステージを搭載したマイクロスコープ、共焦点レーザー顕微鏡、表面粗さ計、原子間力顕微鏡等を用いて測定可能である。
第1面10Fの表面積が基準面積の1.1倍以上であれば、要素部13に起因した第1面10Fの表面積の増大による効果が良好に得られる。第1面10Fの表面積が基準面積の3.0倍以下であれば、薄型フィルム10の強度が良好に得られる。
本実施形態の薄型フィルム10によれば、薄型フィルム10自体が曲がることにより、第1面10Fと第2面10Rとに凹凸が形成されている。したがって、一方の面が平面であって他方の面に凹凸が形成されている形態と比較して、薄型フィルム10自体の厚みが増大することを抑えつつ、薄型フィルム10の表面を、凹凸を有する面とすることができる。したがって、薄型フィルム10の形状追従性の低下を抑えつつ、他の機能の向上が可能である。
具体的には、上述のように、第1面10Fと第2面10Rとが凹凸を有することにより、光が散乱されて、干渉に起因した色や光りが視認されることが抑えられる。そのため、薄型フィルム10が外観不良を有するように認識されることが抑えられ、薄型フィルム10を美容用途に用いる場合にも、薄型フィルム10の貼付部分にテカリが生じているように見えることが抑えられる。
こうした凹凸による光の散乱に起因して高められるパラメータとして、ヘイズが挙げられる。ヘイズは、薄型フィルム10の全透過光に対する拡散成分の割合を示すパラメータであり、JIS K 7136-2000に準拠した方法によって測定される。
薄型フィルム10のヘイズは、7%以上65%以下であることが好ましい。薄型フィルム10が、スキンケアやメイクアップの補助のために皮膚に貼り付けて使用される場合、薄型フィルム10には、高いソフトフォーカス性が望まれる。ソフトフォーカス性とは、薄型フィルム10の貼付部分において、肌の存在は認識される一方で、肌表面の細部がぼやけて小皺やシミやソバカス等が目立たなくなる特性である。ヘイズが大きいほど、ソフトフォーカス性は向上する。
ヘイズが7%以上であることにより、干渉に起因した色や光りが視認されることが好適に抑えられるとともに、良好なソフトフォーカス性が得られる。また、ヘイズが65%以下であることにより、薄型フィルム10が曇って見えて薄型フィルム10の貼付部分が目立つことが抑えられる。
また、第1面10Fおよび第2面10Rが平面である場合と比較して、凹凸によって第1面10Fおよび第2面10Rの表面積が増大するため、薄型フィルム10が含有可能な有効成分の量の増大が可能である。また、第1面10Fおよび第2面10Rの凹凸によって、癒着防止用途であれば、癒着防止効果が高められ、創傷治療用途であれば、線維芽細胞の増殖を促進させる効果が得られる。
また、薄型フィルム10を細胞培養用途に用いる場合にも、細胞培養の基材に適した薄膜としての特性の低下を抑えつつ、第1面10Fおよび第2面10Rの凹凸によって、培養される細胞の密度が高くなりすぎることが抑えられる。そのため、酸素と栄養とが各細胞に行き渡りやすくなる。
薄型フィルム10の材料について説明する。なお、薄型フィルム10は、単一の薄膜から構成されてもよいし、複数の薄膜の積層体であってもよい。薄型フィルム10は、生体適合性もしくは生分解性を有する材料から構成される。薄型フィルム10が皮膚に貼り付けられる場合、薄型フィルム10の材料は、毒性、皮膚刺激性、および、皮膚感作性の低い樹脂であることが好ましい。
例えば、薄型フィルム10の材料は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン等のエステル樹脂およびそれらの共重合樹脂である。また、薄型フィルム10の材料には、化粧品の皮膜形成剤として使用される樹脂を用いてもよく、こうした樹脂としては、例えば、アクリル樹脂やシリコーンおよびそれらの共重合樹脂、酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース等のセルロース誘導体が挙げられる。また、薄型フィルム10の材料には、医療用品の材料としての使用実績が高い樹脂である、ポリカーボネート、シクロオレフィンコポリマー、スチレンブタジエン系エラストマー、ポリイミドを用いてもよい。さらには、薄型フィルム10の材料には、ラミニン、ペプチド、フィブロネクチン、インテグリン、テネイシン、アルブミン、ケラチン、コラーゲン、ゼラチン等のタンパク質や、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、グルコマンナン、プルラン、デキストラン、サクラン等の多糖類を用いてもよい。タンパク質や多糖類は水に弱い場合が多いが、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとを混合すること、または、これらの各ポリマーからなる薄膜を積層することで、イオンコンプレックスを形成でき、フィルムとしての耐水性の向上が可能である。
また、薄型フィルム10を生体内に配置する場合や細胞培養の基材として利用する場合には、薄型フィルム10は、タンパク質の吸着制御を目的として、(メタクロイルオキシエチルホスホリルコリン)ポリマーやポリ(2-メトキシエチルアクリレート)等からなる被膜層を有していることが好ましい。また、薄型フィルム10は、細胞接着を目的とする場合には、フィブロネクチン等のタンパク質や、ハイドロキシアパタイト、炭酸カルシウム等の無機質からなる被膜層を有していることが好ましい。
その他、薄型フィルム10が複数の層を備える場合には、各層の組成を互いに異ならせることで、各層の機能を互いに異ならせることが可能であり、これによって、薄型フィルム10における機能の強化や、薄型フィルム10への機能の付加が可能である。こうした形態の例を下記に説明する。
薄型フィルム10が複数の層を備える場合、第1面10Fを含む層と、第2面10Rを含む層とのうち、一方の層は、薄型フィルム10が被着体に貼り付けられたときに被着体に接する接触層であり、他方の層は、非接触層である。非接触層は、薄型フィルム10が被着体に貼り付けられたときに、外気に曝される最外層である。
第1例では、接触層は、生体組織である被着体を構成するたんぱく質と水素結合等の相互作用を生じやすい材料を含む。接触層と被着体との間にこうした相互作用が生じることにより、薄型フィルム10と被着体との間の密着性が高められる。
上記相互作用のための材料は、接触層の主成分である高分子材料であってもよいし、接触層の材料に、主成分とは別に添加されていてもよい。また、上記相互作用のための材料は、被着体と接する面を構成する材料に少なくとも含まれていればよい。したがって、接触層に対する表面処理によって、接触層に上記材料が導入されていてもよい。表面処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理、プライマー処理、紫外線照射処理等が挙げられる。
第2例では、最外層である非接触層に撥水性が付与される。非接触層に、疎水性の高い高分子材料や、撥水性添加剤を含有させることで、非接触層に撥水性を付与することができる。非接触層が撥水性を有していることにより、薄型フィルム10に水滴や水を含む汚れが外部から付着することが抑えられる。
第3例では、薄型フィルム10は美容用途に用いられ、肌に貼り付けられた薄型フィルム10の上に化粧料が塗布される。すなわち、非接触層の表面に化粧料が塗布される。そして、第3例では、非接触層は、化粧料と親和性の高い油溶性添加剤を含んでいる。非接触層が油溶性添加剤を含んでいることにより、化粧料が薄型フィルム10上に保持されやすくなる。
薄型フィルム10は、用途に応じた添加剤を含んでいてもよい。上述のように、凹凸によって第1面10Fおよび第2面10Rの表面積が増大することにより、薄型フィルム10が含有可能な添加剤の有効成分の量の増大が可能であるため、添加剤の機能が好適に発揮される。
添加剤としては、例えば、美容用途であれば、保湿成分、意匠の向上に寄与する着色剤等の成分、保湿クリームや美容液等のスキンケアに用いられる化粧料あるいは化粧料成分が挙げられる。こうした成分を薄型フィルム10が含有していることにより、薄型フィルム10による美容効果が高められる。また、添加剤として、例えば、癒着防止用途であれば、異物反応対策や癒着防止のための成分、創傷治療用途であれば、止血成分や抗菌成分、細胞培養用途であれば、接着成分や通気成分を用いることができる。薄型フィルム10は、添加剤の含有として、上述した成分として機能する粒子や薬剤等を含有していればよい。
また、薄型フィルム10は、添加剤として、上述した撥水性添加剤や、層状の無機化合物を含有していてもよい。こうした添加剤の含有により、薄型フィルム10が水蒸気を通しにくくなるため、被着体への薄型フィルム10の貼り付けによって、被着体の表面に水分が保持されやすくなる。そのため、美容用途であれば、上述した良好なソフトフォーカス性を有することに加えて、保湿機能の高い薄型フィルム10が実現できる。層状の無機化合物としては、マイカ、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、フルオロヘクトライト等のスメクタイト族、カオリナイト等のカオリン族、マカディアイト、ケニヤアイト、カネマイト等の粘土鉱物の細片を用いることができる。
また、薄型フィルム10は、添加剤として、香料を含んでいてもよい。これにより、香りを発する薄型フィルム10が得られる。香料は揮発しやすいが、本実施形態の薄型フィルム10であれば、含有可能な香料の量の増大が可能であるため、香りの持続性が高められる。
[転写シート]
転写シートは、薄型フィルム10を生体組織である被着体に貼り付ける場合に用いられる。
図11が示すように、転写シート30は、薄型フィルム10と、薄型フィルム10を支持する支持基材20とを備えている。薄型フィルム10の広がる方向に沿った平面に直交する方向から見て、支持基材20の外形は、図11が示すように薄型フィルム10よりも大きくてもよいし、あるいは、薄型フィルム10の外形と一致していてもよい。要は、薄型フィルム10の全体が支持基材20に支持されていればよい。
薄型フィルム10において支持基材20に支持される面、すなわち、支持基材20に接する面は、第1面10Fであってもよいし、第2面10Rであってもよい。第1面10Fと第2面10Rとのうち、支持基材20に接する面とは反対側の面が、被着体に貼り付けられる。
図12が示すように、支持基材20において薄型フィルム10に接する面は、平面であって、薄型フィルム10と支持基材20との間には部分的な隙間が形成されていてもよい。あるいは、図13が示すように、支持基材20において薄型フィルム10に接する面は、薄型フィルム10に沿った凹凸を有し、薄型フィルム10と支持基材20とが隙間なく密着していてもよい。さらに、支持基材20において薄型フィルム10に接する面は、薄型フィルム10の凹凸とは異なる凹凸を有し、薄型フィルム10と支持基材20との間には部分的な隙間が形成されていてもよい。図12および図13では、薄型フィルム10の第2面10Rが支持基材20に接する例を示している。
支持基材20は、転写シート30の保管時や、転写シート30の使用に際して薄型フィルム10を被着体上へ移動させるときに、薄型フィルム10にシワや折れ等の変形が生じることを抑える機能を有する。支持基材20に薄型フィルム10が支持されていることにより、薄型フィルム10が取り扱いやすくなる。
支持基材20の材料は特に限定されないが、転写シート30の使用時に、物理的もしくは化学的な刺激によって薄型フィルム10からの支持基材20の剥離性が高められ、薄型フィルム10から支持基材20が容易に剥離可能となることが好ましい。
支持基材20の剥離性を変化させる刺激としては、紫外線照射、マイクロ波照射、加熱、加圧、酸素接触、水等の液体との接触等が挙げられるが、刺激を転写シート30に与えることの容易性から、上記刺激は水分との接触であることが好ましい。転写シート30への水分の供給によって薄型フィルム10からの支持基材20の剥離性を高めるためには、支持基材20が、水分によって変形する性質を有していることが好ましい。変形には、膨潤による膨張や溶解が含まれる。こうした支持基材20の材料としては、例えば、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびこれらの誘導体、タンパク質、多糖類、無機塩を多く含むポリマーが挙げられる。
さらに、支持基材20は、液体を透過可能であって、表面に凹凸を有することにより薄型フィルム10との間に部分的な隙間を形成しつつ薄型フィルム10に接することが好ましい。こうした支持基材20であれば、転写シート30に水分を供給した場合に、支持基材20の変形が進みやすい。また、薄型フィルム10と支持基材20との間に水分が入り込むことによって、薄型フィルム10から支持基材20から剥がれやすくなる。具体的には、支持基材20は、織物、不織布、メッシュシート、あるいは、紙であることが好ましい。
また、支持基材20として、滅菌処理が可能な樹脂シートを用いてもよい。
[薄型フィルムおよび転写シートの製造方法]
薄型フィルム10および転写シート30の製造方法の一例を説明する。なお、上述した複数の要素部13を有する薄型フィルム10が形成可能であれば、薄型フィルム10および転写シート30は、以下の方法とは異なる方法によって製造されてもよい。
複数の要素部13、すなわち、第1面10Fおよび第2面10Rの凹凸は、表面に凹凸を有するシート状の型である型シートを用いて形成される。第1面10Fおよび第2面10Rの凹凸の形状は、上記型が有する凹凸に追従した形状となる。
型シートにおける凹凸の形成方法としては、例えば、工作機械やレーザー加工機による切削加工、フォトリソグラフィー法、サンドブラスト法、化学エッチング法、異種ポリマーのブレンドによる相分離を利用して孤立した複数の島状の構造を形成する方法等が挙げられる。型シートは、金属製の原版、もしくは、原版を複製した版である複製版である。型シートが複製版である場合には、型シートは、薄型フィルム10からの型シートの剥離が容易となる材料から形成されていることが好ましい。こうした材料は、例えば、オレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂である。
型シートを用いた薄型フィルム10の製造方法として、第1の方法と第2の方法とを説明する。第1の方法は、型シート上に、薄型フィルム10の材料を含む液状体を供給して、当該液状体を硬化させることで、凹凸を有する薄型フィルム10を形成する。詳細には、上記液状体として薄型フィルム10の材料を含む溶液を用い、型シート上への液状体の供給を、各種のコーティング方法を利用して行う溶液キャスト法と、上記液状体として薄型フィルム10の材料である樹脂を溶融させた液状体を用い、型シート上への液状体の供給を押し出しによって行う押出し溶融法とを用いることができる。
溶液キャスト法において、溶液は、薄型フィルム10の材料を適宜の溶剤に溶解または分散させることによって生成される。利用可能なコーティング方法としては、ダイレクトグラビア、リバースグラビア、小径リバースグラビア、マイヤーコート、ダイ、カーテン、スプレー、スピンコート、スクリーン印刷、コンマ、ナイフ、グラビアオフセット、ロールコート等の各種のコーティング方法が挙げられる。薄型フィルム10を所定のパターン状に形成する場合には、ダイレクトグラビア、スプレー、スクリーン印刷、グラビアオフセットの各コーティング法が好適に用いられる。薄型フィルム10の成膜厚さは、溶液中の固形分の割合および利用するコーティング方法によって制御できる。型シート上に供給された溶液が乾燥されて固化することにより薄型フィルム10が形成される。
押出し溶融法においては、樹脂を加熱するとともにスクリューによってせん断して、樹脂を溶融し、型シート上へ樹脂を押し出す。その後、型シート上の樹脂を冷却して固化させることによって、薄型フィルム10が形成される。薄型フィルム10の成膜厚さは、樹脂の押出量と引取速度との関係や、延伸倍率によって制御できる。
第2の方法は、薄型フィルム10となる薄膜を形成した後に、当該薄膜を熱や溶剤等によって軟化させ、当該薄膜に型シートを押し付けることにより、凹凸を有する薄型フィルム10を形成する。薄膜に型シートを押し付ける方法としては、空圧や水圧や油圧が利用できる。
第1の方法および第2方法のいずれにおいても、薄型フィルム10の成膜厚さは、型シートにおける厚さ方向の凹凸の大きさ、すなわち、凹部の深さや凸部の高さよりも小さくされる。これにより、一方の面のみに位置する凹凸ではなく、薄型フィルム10の全体が曲がることによる凹凸が第1面10Fと第2面10Rとに形成される。
なお、型シートが有する凹部あるいは凸部には、厚さ方向における大きさが、薄型フィルム10の成膜厚さよりも小さい凹部や凸部が含まれていてもよい。薄型フィルム10のなかで、こうした凹部や凸部と接していた部分には、薄型フィルム10の一方の面のみに位置する凹凸が形成される。すなわち、第1面10Fおよび第2面10Rの凹凸には、要素部13を構成していない凹凸が含まれてもよい。
型シート上に形成された薄型フィルム10が支持基材20上へ移されることによって、転写シート30が形成される。型シートから支持基材20への薄型フィルム10の移動には、各種の転写方法が利用されればよい。こうした製造方法が用いられる場合、支持基材20の表面は薄型フィルム10の凹凸には沿わず、支持基材20と薄型フィルム10との間には部分的に隙間が形成される。
薄型フィルム10の平均厚みが小さい場合や、要素部13の平均幅に対する平均高さの比が大きい場合には、薄型フィルム10の強度が低くなるため、型シートの剥離に際して薄型フィルム10が破れやすくなる。こうした場合には、オイルやシリコーンなどの潤滑剤や離型剤を型シートの表面に塗布しておくことによって、薄型フィルム10からの型シートの剥離性を高めればよい。
また、転写シート30の使用前において支持基材20が薄型フィルム10から剥がれることを抑えるために、薄型フィルム10と支持基材20とが仮固定されてもよい。仮固定には、例えば、部分的な熱融着や生体適合性接着剤による接着等が利用される。
なお、薄型フィルム10からの型シートの剥離に要する力よりも強い密着力で薄型フィルム10が被着体に貼り付く場合には、型シートを支持基材20として用いてもよい。例えば、被着体がその表面に接着性を有する場合や、接着性を有する液体等の物質を供給して薄型フィルム10を被着体に貼り付ける場合が想定される。型シートを支持基材20として用いる場合、支持基材20の表面は薄型フィルム10の凹凸に沿って、薄型フィルム10に密着する。
[薄型フィルムの貼付方法]
転写シート30が備える薄型フィルム10を、支持基材20上から被着体上へ移すことによって、薄型フィルム10が被着体に貼り付けられる。
薄型フィルム10からの支持基材20の剥離性が、物理的もしくは化学的な刺激によって高められる構成であれば、上記刺激をきっかけとして、転写シート30の使用時にのみ薄型フィルム10からの支持基材20の剥離性を高めることができる。したがって、転写シート30の使用前においては、支持基材20による薄型フィルム10の変形を抑える効果が好適に得られる。
上記刺激が、水等の液体との接触である具体例を説明する。まず、水やアルコールやオイル等の液体を被着体上に供給し、被着体に薄型フィルム10が接するように、被着体上に転写シート30を配置する。被着体上の液体を支持基材20まで浸透させることで、支持基材20の剥離性が高められる。薄型フィルム10から支持基材20を剥離することによって、薄型フィルム10が支持基材20から被着体に転写される。なお、上記液体として被着体の表面に存在する体液が利用されてもよい。また、被着体上に転写シート30が配置された後に、上記液体が転写シート30に対して供給されてもよい。
また、上記以外の薄型フィルム10の貼付方法として以下の例が挙げられる。第1の例は、水やアルコール等を被着体と薄型フィルム10との間に介在させて、薄型フィルム10を被着体へ転移させ、介在する水やアルコールの自然な消失によって、薄型フィルム10を被着体に密着させる方法である。第2の例は、接着性を有する液状あるいはクリーム状の物質を被着体上に塗布した後に、被着体上に転写シート30を配置し、支持基材20を剥離する方法である。第3の例は、転写シート30を水に浮かべて支持基材20を剥離し、水中の被着体を引き上げる際に被着体上に薄型フィルム10を乗せ、その後、水の自然な消失によって薄型フィルム10を被着体に密着させる方法である。第4の例は、薄型フィルム10が枠状の構造体に支持されるように、薄型フィルム10を当該構造体に転移させ、枠内に位置する薄型フィルム10を被着体上に積層することにより、薄型フィルム10を被着体に密着させる方法である。
なお、薄型フィルム10を、被着体上の半固形剤の塗布領域を保護するために使用してもよい。半固形剤は、軟膏またはクリームであり、医療用途または美容用途において所定の機能を発揮する成分を含む。
被着体の表面に半固形剤を塗布した後、半固形剤の塗布領域に薄型フィルム10を貼り付けることによって、当該塗布領域を薄型フィルム10で覆う。このように、半固形剤の塗布領域が薄型フィルム10で覆われることにより、半固形剤による塗布領域のべとつきが抑えられ、また、半固形剤の光沢が視認されて塗布領域が目立つことが抑えられる。本実施形態の薄型フィルム10は、上述のように、良好なソフトフォーカス性を有しているため、半固形剤の塗布領域に上記光沢が視認されることを好適に抑えることができる。
[実施例]
上述した薄型フィルムおよび転写シートについて、具体的な実施例および比較例を用いて説明する。
(実施例1)
表面に凹凸が形成された金型ロール上に、押出し溶融法によって100g/mの量のポリプロピレンを供給し、型シートを作製した。
ポリ-DL-乳酸を酢酸エチルへ溶解し、10重量%の固形分を含む溶液を作製した。スロットダイコート法で、型シート上に上記溶液を塗布して熱風により乾燥させて、薄型フィルムである薄膜を形成した。薄膜の成膜厚さは、乾燥後において0.1μmである。型シート上の薄型フィルムを、不織布である支持基材上に移すことによって、実施例1の転写シートを得た。
実施例1の薄型フィルムにおいて、要素部の平均高さは2.0μmであり、要素部の平均幅に対する平均高さは1.0であり、基準面積に対する第1面の表面積の比は2.0である。これらのパラメータは、金型ロールの凹凸の構成に基づき算出した。
(実施例2)
金型ロールにおける凹凸の構成を変更したこと以外は、実施例1と同様の工程によって、実施例2の薄型フィルムおよび転写シートを得た。実施例2の薄型フィルムにおいて、要素部の平均高さは2.0μmであり、要素部の平均幅に対する平均高さは0.5であり、基準面積に対する第1面の表面積の比は1.4である。これらのパラメータは、金型ロールの凹凸の構成に基づき算出した。
(実施例3)
金型ロールにおける凹凸の構成を変更したこと以外は、実施例1と同様の工程によって、実施例3の薄型フィルムおよび転写シートを得た。実施例3の薄型フィルムにおいて、要素部の平均高さは20.0μmであり、要素部の平均幅に対する平均高さは1.0であり、基準面積に対する第1面の表面積の比は2.0である。これらのパラメータは、金型ロールの凹凸の構成に基づき算出した。
(実施例4)
金型ロールにおける凹凸の構成を変更したこと以外は、実施例1と同様の工程によって、実施例4の薄型フィルムおよび転写シートを得た。実施例4の薄型フィルムにおいて、要素部の平均高さは20.0μmであり、要素部の平均幅に対する平均高さは0.5であり、基準面積に対する第1面の表面積の比は1.4である。これらのパラメータは、金型ロールの凹凸の構成に基づき算出した。
(実施例5)
薄型フィルムである薄膜の成膜厚さを、乾燥後において1.5μmとしたこと以外は、実施例1と同様の工程によって、実施例5の薄型フィルムおよび転写シートを得た。実施例5の薄型フィルムにおいて、要素部の平均高さは2.0μmであり、要素部の平均幅に対する平均高さは1.0であり、基準面積に対する第1面の表面積の比は2.0である。これらのパラメータは、金型ロールの凹凸の構成に基づき算出した。
(実施例6)
金型ロールにおける凹凸の構成を変更したこと、および、薄型フィルムである薄膜の成膜厚さを、乾燥後において1.5μmとしたこと以外は、実施例1と同様の工程によって、実施例6の薄型フィルムおよび転写シートを得た。実施例6の薄型フィルムにおいて、要素部の平均高さは2.0μmであり、要素部の平均幅に対する平均高さは0.5であり、基準面積に対する第1面の表面積の比は1.1である。これらのパラメータは、金型ロールの凹凸の構成に基づき算出した。
(実施例7)
金型ロールにおける凹凸の構成を変更したこと、および、薄型フィルムである薄膜の成膜厚さを、乾燥後において1.5μmとしたこと以外は、実施例1と同様の工程によって、実施例7の薄型フィルムおよび転写シートを得た。実施例7の薄型フィルムにおいて、要素部の平均高さは20.0μmであり、要素部の平均幅に対する平均高さは1.5であり、基準面積に対する第1面の表面積の比は3.0である。これらのパラメータは、金型ロールの凹凸の構成に基づき算出した。
(実施例8)
金型ロールにおける凹凸の構成を変更したこと、および、薄型フィルムである薄膜の成膜厚さを、乾燥後において1.5μmとしたこと以外は、実施例1と同様の工程によって、実施例8の薄型フィルムおよび転写シートを得た。実施例8の薄型フィルムにおいて、要素部の平均高さは20.0μmであり、要素部の平均幅に対する平均高さは0.5であり、基準面積に対する第1面の表面積の比は1.4である。これらのパラメータは、金型ロールの凹凸の構成に基づき算出した。
(実施例9)
金型ロールにおける凹凸の構成を変更したこと、および、薄型フィルムである薄膜の成膜厚さを、乾燥後において3.0μmとしたこと以外は、実施例1と同様の工程によって、実施例9の薄型フィルムおよび転写シートを得た。実施例9の薄型フィルムにおいて、要素部の平均高さは5.0μmであり、要素部の平均幅に対する平均高さは1.0であり、基準面積に対する第1面の表面積の比は2.0である。これらのパラメータは、金型ロールの凹凸の構成に基づき算出した。
(実施例10)
金型ロールにおける凹凸の構成を変更したこと、および、薄型フィルムである薄膜の成膜厚さを、乾燥後において3.0μmとしたこと以外は、実施例1と同様の工程によって、実施例10の薄型フィルムおよび転写シートを得た。実施例10の薄型フィルムにおいて、要素部の平均高さは20.0μmであり、要素部の平均幅に対する平均高さは1.0であり、基準面積に対する第1面の表面積の比は2.0である。これらのパラメータは、金型ロールの凹凸の構成に基づき算出した。
(比較例1)
薄型フィルムである薄膜の成膜厚さを、乾燥後において0.05μmとしたこと以外は、実施例1と同様の工程によって、比較例1の薄型フィルムおよび転写シートを得た。比較例1の薄型フィルムにおいて、要素部の平均高さは2.0μmであり、要素部の平均幅に対する平均高さは1.0であり、基準面積に対する第1面の表面積の比は2.0である。これらのパラメータは、金型ロールの凹凸の構成に基づき算出した。
(比較例2)
金型ロールにおける凹凸の構成を変更したこと、および、薄型フィルムである薄膜の成膜厚さを、乾燥後において5.5μmとしたこと以外は、実施例1と同様の工程によって、比較例2の薄型フィルムおよび転写シートを得た。比較例2の薄型フィルムにおいて、要素部の平均高さは8.0μmであり、要素部の平均幅に対する平均高さは1.0であり、基準面積に対する第1面の表面積の比は2.0である。これらのパラメータは、金型ロールの凹凸の構成に基づき算出した。
(比較例3)
金型ロールにおける凹凸の構成を変更したこと、および、薄型フィルムである薄膜の成膜厚さを、乾燥後において5.5μmとしたこと以外は、実施例1と同様の工程によって、比較例3の薄型フィルムおよび転写シートを得た。比較例3の薄型フィルムにおいて、要素部の平均高さは20.0μmであり、要素部の平均幅に対する平均高さは1.0であり、基準面積に対する第1面の表面積の比は2.0である。これらのパラメータは、金型ロールの凹凸の構成に基づき算出した。
(比較例4)
ポリ-DL-乳酸を酢酸エチルへ溶解し、10重量%の固形分を含む溶液を作製した。スロットダイコート法で、2軸延伸ポリプロピレンフィルム上に上記溶液を塗布して熱風により乾燥させて、薄型フィルムである薄膜を形成した。薄膜の成膜厚さは、乾燥後において0.1μmである。型シート上の薄型フィルムを、不織布である支持基材上に移すことによって、比較例4の転写シートを得た。比較例4においては、薄型フィルムの表面は凹凸を有していない。
(比較例5)
薄型フィルムである薄膜の成膜厚さを、乾燥後において3.0μmとしたこと以外は、比較例4と同様の工程によって、比較例5の薄型フィルムおよび転写シートを得た。比較例5においては、薄型フィルムの表面は凹凸を有していない。
(評価方法)
<密着性>
腕を水で濡らした後、各実施例および各比較例の転写シートを、薄型フィルムが腕の皮膚に接するように配置した。その後、静かに支持基材を剥離することにより、薄型フィルムを腕の皮膚に転写した。薄型フィルムの端部を指で擦り、端部に剥がれが起きなかった場合を「〇」とし、端部が僅かに剥がれた場合を「△」とし、端部が明らかに剥がれた場合を「×」とした。
<外観>
各実施例および各比較例の薄型フィルムの外観を観察し、表面に干渉による色付きやぎらついた光りが見える場合を「×」、表面に干渉による色付きや光りが見えない場合を「〇」とした。
<ソフトフォーカス性>
1mmの厚さの青板ガラスの表面に水を供給した後、各実施例および各比較例の転写シートを、薄型フィルムが青板ガラスの表面に接するように配置した。その後、静かに支持基材を剥離することにより、青板ガラスに薄型フィルムが貼り付けられた試料を作製した。
ビューラックス社製のバイオスキンにおける人工シワを有する面に、上記試料を積層し、試料を介した人工シワの視認性を評価することによって、ソフトフォーカス性を3段階で評価した。ソフトフォーカス性が高い場合、すなわち、人工シワがほぼ視認できない場合を「〇」、ソフトフォーカス性が中程度の場合、すなわち、人工シワが、試料を積層しない場合よりもぼやけて見えた場合を「△」、ソフトフォーカス性が低い場合、すなわち、人工シワが、試料を積層しない場合と同様に明瞭に見えた場合を「×」とした。
(評価結果)
表1は、各実施例および各比較例について、薄型フィルムの平均厚み、要素部の平均高さ、要素部の平均幅に対する平均高さの比、基準面積に対する第1面の表面積の比を示すとともに、密着性、外観、ソフトフォーカス性の評価結果を示す。
Figure 0007047973000001
表1が示すように、実施例1~10は、密着性、外観、ソフトフォーカス性のすべてが、中程度以上の評価である。一方、平均厚みが大きい比較例2,3では、密着性が低く、表面に凹凸を有さない比較例4,5では、外観およびソフトフォーカス性の評価が低い。また、平均厚みが極端に小さい比較例1では、ソフトフォーカス性の評価が低い。これは、薄型フィルムが薄すぎてシワの隠蔽効果が発揮されていないためと考えられる。したがって、実施例1~10のように、平均厚みが0.1μm以上5.0μm以下であって、かつ、フィルム自体の曲がりによって表面に凹凸を有しているフィルムであれば、薄い膜厚による特性である被着体の表面形状への追従性の低下を抑えつつ、外観やソフトフォーカス性の向上が可能であることが確認された。
なお、実施例1~10を比較すると、平均厚みが小さいほど密着性が高い傾向が認められる。また、要素部の平均高さが大きいほど、ソフトフォーカス性が高い傾向が認められる。
また、薄型フィルムの製造容易性の評価として、各実施例および各比較例における支持基材上の薄型フィルムの表面を、光学顕微鏡を用いて50倍の倍率で観察した。その結果、比較例1では、薄型フィルムの破れや穴が目視にて明瞭に確認された。実施例1,3,5,7では、光学顕微鏡で観察した場合に、薄型フィルムに少量の破れや穴が確認され、実施例2,4,6,8~10、比較例2~5では、光学顕微鏡で観察した場合でも、薄型フィルムに破れや穴は確認されなかった。したがって、平均厚みが0.1μm以上であれば、薄型フィルムの強度が良好に得られ、その製造が容易であることが確認された。なお、薄型フィルムの破れや穴が少量であれば、こうした破れや穴が薄型フィルムの通気性の向上に寄与するために好まれる場合もある。
以上、実施形態および実施例にて説明したように、上記薄型フィルムおよび転写シートによれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)薄型フィルム10は、0.1μm以上5.0μm以下の平均厚みを有し、複数の要素部13を有する。こうした構成によれば、第1面10Fのみに凹凸が形成される場合と比較して、第1面10Fにて凸部11aが位置する部分で薄型フィルム10の膜厚が大きくなることが抑えられるため、薄い膜厚による特性の低下を抑えつつ、薄型フィルム10の表面を、凹凸を有した面とすることができる。したがって、表面が凹凸を有することによる光の散乱や表面積の増大が可能であり、これにより、薄型フィルム10の機能の向上が可能である。例えば、薄型フィルムにおける形状追従性の低下を抑えつつ、薄型フィルムに干渉に起因した色や光が視認されることを抑える効果、および、ソフトフォーカス性を高める効果が得られる。
(2)薄型フィルム10の断面において、第1面10Fにて凸部11aの頂部が位置し、かつ、第2面10Rにて凹部12bの底部が位置する部分と、第1面10Fにて凹部11bの底部が位置し、かつ、第2面10Rにて凸部12aの頂部が位置する部分とが、交互に位置する。すなわち、薄型フィルム10自体が曲がることを繰り返すことにより第1面10Fと第2面10Rとに凹凸が形成されているため、薄型フィルム10の広い範囲で、薄い膜厚による特性の低下を抑えつつ、表面が凹凸を有することによる効果を得ることができる。
(3)互いに隣り合う要素部13の間隔である要素間隔Wは、100μm以下であり、要素部13の平均高さは、2.0μm以上50.0μm以下であり、要素部13の平均幅に対する平均高さの比は、1.5以下である。こうした構成によれば、薄型フィルム10における形状追従性、強度、ソフトフォーカス性が良好に得られ、また、薄型フィルム10に干渉に起因した色や光が視認されることも好適に抑えられる。
(4)第1面10Fの表面積は、基準面積の1.1倍以上3.0倍以下である。こうした構成によれば、薄型フィルム10の強度が良好に得られるとともに、薄型フィルム10の表面積の増大による効果が好適に得られる。
(5)薄型フィルム10が、生体適合性あるいは生分解性を有する材料から構成されているため、薄型フィルム10において、生体組織に貼り付けられる用途および細胞培養の基材に用いることへの適性が高められる。
(6)転写シート30において、薄型フィルム10が支持基材20に支持されているため、薄型フィルム10の変形が抑えられ、薄型フィルム10の取り扱いが容易になる。
(7)支持基材20が、織物、不織布、紙、および、メッシュシートのいずれかであれば、支持基材20が液体を透過しやすいため、支持基材20が水等の液体と接触した場合に、支持基材20内に液体が行き渡りやすい。したがって、支持基材20が液体との接触によって変形するように構成されていれば当該変形が促進されて、薄型フィルム10からの支持基材20の剥離性が好適に高められる。
10…薄型フィルム、10F…第1面、10R…第2面、11a…凸部、11b…凹部、12a…凸部、12b…凹部、13…要素部、20…支持基材、30…転写シート。

Claims (4)

  1. 第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有し、皮膚に貼り付けられる薄型フィルムであって、
    前記薄型フィルムは、ポリ乳酸を含み、かつ、0.1μm以上5.0μm以下の平均厚みを有し、
    前記第1面および前記第2面の各々は凹凸を有し、
    前記薄型フィルムのなかで、前記第1面にて凸部が位置し、かつ、前記第2面にて凹部が位置する部分が要素部であり、
    前記薄型フィルムは、複数の前記要素部を有し、
    互いに隣り合う前記要素部の間隔は、100μm以下であり、
    前記複数の要素部の平均高さは、2.0μm以上50.0μm以下であり、
    前記複数の要素部の平均幅に対する前記平均高さの比は、1.5以下であり、
    前記薄型フィルムが広がる方向に沿った平面と対向する方向から見た平面視における前記薄型フィルムの面積を基準面積とするとき、
    前記第1面の表面積は、前記基準面積の1.1倍以上3.0倍以下である
    薄型フィルム。
  2. 前記薄型フィルムの断面において、前記第1面にて凸部の頂部が位置し、かつ、前記第2面にて凹部の底部が位置する第1部分と、前記第1面にて凹部の底部が位置し、かつ、前記第2面にて凸部の頂部が位置する第2部分とが、交互に位置する
    請求項1に記載の薄型フィルム。
  3. 請求項1または2に記載の薄型フィルムと、
    前記薄型フィルムを支持する支持基材と、を備える
    転写シート。
  4. 前記支持基材は、織物、不織布、紙、および、メッシュシートのいずれかである
    請求項に記載の転写シート。
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