以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
<第1実施形態>
<画像形成装置が有する吐出ヘッド例>
液滴を吐出する装置は、例えば、画像形成装置である。すなわち、画像形成装置が液滴を吐出する場合には、吐出される液滴は、インク等の記録液である。以下、画像形成装置の例で説明する。なお、液滴を吐出する構成は、液滴を吐出するユニット等のように、液滴を吐出するための構成が一体のユニットであってもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置が有する吐出ヘッドの一例を示す外観図である。本発明の一実施形態に係る画像形成装置は、例えば、図示するような吐出ヘッド209を有する。なお、図1(a)は、吐出ヘッド209をいわゆるノズル方向から見た図、すなわち、平面図である。これに対して、図1(b)は、吐出ヘッド209を側面から見た図、すなわち、側面図である。
以下、吐出ヘッド209が有するノズル4が並ぶ方向(図では、左右方向に相当する。)をx軸とする。さらに、x軸に対して、直交する方向をy軸とする。また、垂直方向をz軸とする。
図示する例では、ノズル4は、複数あり、x軸方向に並べられる構成である。この例では、複数のノズル4によって、ノズル群102が構成される。具体的には、図示するように、ノズル4は、第1行目102a及び第2行目102bとなるように複数並べられ、ノズル群102が構成される。なお、第2行目102bは、図示するように、第1行目102aを構成するノズル4がない位置、すなわち、第1行目102aを構成する各ノズル4の間を補間する位置等となるように設置される。
また、吐出ヘッド209は、液滴が流れる流路を形成する流路部材1(「液滴基板」という場合もある。)を有する。さらに、図示する構成は、流路部材1の下面には、振動板部材2が接合される例である。一方で、この例では、流路部材1の上面には、接着剤等で、ノズル板3が接合される。さらにまた、振動板部材2には、接着剤等によって、フレーム部材17が接合される。
流路部材1、振動板部材2、ノズル板3及びフレーム部材17等によって、ノズル4から吐出される液滴となる液体が流れる流路又は液体が格納される液室等が、形成される。
また、形成される液室の壁面のうち、少なくとも一面には、ダンパ部材20が、用いられる。なお、ダンパ部材20は、フレーム部材17である壁面より剛性が低い。さらに、ダンパ部材20は、一層に限られず、二層以上であってもよい。他にも、ダンパ部材20は、振動板部材2と異なる材料であってもよい。例えば、ダンパ部材20は、ニッケル(Ni)金属等である。すなわち、ダンパ部材20は、ニッケル金属等の気体の透過性が低い材料が望ましい。また、ダンパ部材20は、樹脂膜等で形成されてもよい。
図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置が有する吐出ヘッドの一例を示す断面図である。図示するように、吐出ヘッドには、個別流路(以下「加圧液室」という。)6が形成される。また、加圧液室6に対して、各ノズル4が、それぞれ連通する。さらに、吐出ヘッドは、各加圧液室6に対して、振動板部材2が設けられた連通部9を有する。さらにまた、吐出ヘッドは、流路部材1に形成される連通部10を有する。
また、フレーム部材17には、共通液室8が形成される。共通液室8は、記録液を各加圧液室6に供給する。具体的には、記録液は、共通液室8から液体抵抗部7を介して供給される。この共通液室8から振動板部材2に形成される連通部9を介して各加圧液室6に液体、すなわち、記録液が供給される。なお、フレーム部材17には、共通液室8に外部から記録液を供給するため、記録液供給口が形成される。また、共通液室8は、加圧液室6の並び方向、すなわち、ノズルの並び方向(以下「共通液室の長手方向」という場合がある。)に、平面形状で、長方形状に形成される。
なお、流路部材1は、各加圧液室6、液体抵抗部7及び連通部10等に、開口及び溝等を形成する。これらは、例えば、結晶面方位(ミラー指数110)の単結晶シリコン基板に対して水酸化カリウム水溶液(KOH)等のアルカリ性エッチング液を用いる異方性エッチングが行われると、形成できる。また、SUS基板に対して、酸性エッチング液を用いるエッチング又は打ち抜き等の機械加工が行われると、各加圧液室6が、形成できる。さらに、流路部材1、ノズル板3及び振動板部材2は、電鋳によって、一体形成されることもできる。さらにまた、これらの形成には、感光性樹脂等が用いられてもよい。
また、振動板部材2は、加圧液室6側から、第1層2a、第2層2b及び第3層2cの順にニッケルプレートを3層構造にして形成される。なお、振動板部材2は、例えば、電鋳によって、形成される。さらに、振動板部材2は、例えば、ポリイミド等の樹脂部材と、SUS基板等の金属プレートとの積層部材等によって形成されてもよい。さらにまた、振動板部材2は、樹脂部材等によって形成されてもよい。
ノズル板3には、各加圧液室6に対し、複数のノズル4が形成される。例えば、ノズル板3は、ステンレス若しくはニッケル等の金属、ポリイミド樹脂フィルム等の樹脂、シリコン又はこれらの組み合わせである。
また、ノズル4の内部形状、すなわち、内側形状は、例えば、ホーン形状に形成される。なお、ノズル4の内部形状は、略円柱形状又は円錐台形状等でもよい。さらに、ノズル4の穴径は、液滴が吐出される出口側が直径で約14乃至35マイクロメートルである。
ノズル板3及びノズル面(液滴が吐出される方向の表面、すなわち、吐出面)には、撥水性の表面処理が施された撥水処理層が設けられる。なお、撥水処理層は、例えば、PTFE−Ni共析メッキ、フッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えば、フッ素ピッチ等)を蒸着コート、シリコン系樹脂又はフッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等が記録液の物性に応じて選定されて設けられる。また、撥水処理層は、記録液の液滴形状及び飛翔特性等を安定化させ、高品質な画質品質が得られるようにする。
そして、振動板部材2には、各加圧液室6に対して、第1層2aで形成され、かつ、変形可能な領域であるダイアフラム部(振動領域)2Aの中央部に、第2層2b及び第3層2cの積層構造からなる凸部2Bが形成される。この凸部2Bに対して、圧力発生手段(アクチュエータ)を構成する積層型の圧電素子12Aがそれぞれ接合される。
複数の圧電素子12Aは、1つの圧電素子部材12に対して、ハーフカットの溝加工(スリット加工)を行うことによって、分断されることなく、櫛歯状に形成される。また、圧電素子部材12は、複数の圧電素子12Aが並ぶ方向に沿って、ベース部材13上に配置される。この場合には、1列に並ぶ複数の圧電素子12Aは、駆動する圧電素子と、支柱部となる駆動しない圧電素子となる。なお、支柱部となる駆動しない圧電素子は、液室間の隔壁部となる箇所に接合される。
圧電素子部材12は、例えば、厚さが約10乃至50マイクロメートル/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層と、厚さが約数マイクロメートル/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層とを交互に積層して構成される。
また、圧電素子部材12では、内部電極層が交互に端面の端面電極(外部電極)16である個別電極及び共通電極に接続される。この電圧定数は、いわゆるd33方向である内部電極面に垂直となる方向、すなわち、厚み方向への伸び縮みを指す。また、圧電素子12Aの伸縮によって、振動領域2Aが変位する。そして、振動領域2Aが変位すると、加圧液室6は、収縮又は膨張する。このように、圧電素子12Aに駆動信号が印加され、充電が行われると、圧電素子12Aは、伸長する。一方で、圧電素子12Aに充電された電荷が放電されると、圧電素子12Aは、収縮する。
なお、圧電素子部材12の圧電方向に、d33方向への変位を用いて、加圧液室6内の液体が、加圧される構成であってもよい。また、圧電素子部材12の圧電方向に、いわゆるd31方向への変位を用いて、加圧液室6内の液体が、加圧される構成であってもよい。以下、d33方向への変位を用いる構成を例に説明する。
ベース部材13は、金属材料で形成されるのが望ましい。ベース部材13が金属材料で形成されると、圧電素子部材12の自己発熱による蓄熱が少なくできる。
<ハードウェア構成例>
図3は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。例えば、本発明の一実施形態に係る画像形成装置は、図示するハードウェア構成等である。
画像形成装置は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read−Only Memory)202及びRAM(Random Access Memory)203を有する。また、画像形成装置は、NVRAM(Non―Volatile RAM、不揮発性RAM)204及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)205を有する。さらに、画像形成装置は、ホストI/F(interface)206、印刷制御装置207、キャリッジ30、モータ駆動装置210、ACバイアス供給装置212及びI/O(Input/Output)213を有する。さらにまた、画像形成装置は、操作パネル214、温度センサ215、主走査モータ40、エンコーダセンサ43、副走査モータ31、搬送ベルト21、エンコーダセンサ35及び帯電ローラ26を有する。
CPU201は、画像形成装置全体を制御する。すなわち、CPU201は、制御部200が行う処理及びデータ加工を実現するための演算を行う演算装置である。また、CPU201は、図示するハードウェアを制御する制御装置である。
ROM202、RAM203及びNVRAM204は、記憶装置の例である。具体的には、ROM202は、CPU201が実行するプログラム及び固定データ等のデータを記憶する。またRAM203は、画像データ等のデータを記憶する。さらに、NVRAM204は、画像形成装置の電源が遮断されてもデータを保持できるため、NVRAM204には、画像形成装置の電源が遮断されても保持させるデータ等が記憶される。
ASIC205は、画像データに対する各種信号処理、並び替え等の画像処理及び画像形成装置全体を制御するための入出力信号の処理を行う電子回路である。
ホストI/F206は、ホスト側と、データを送受信するインタフェースである。
印刷制御装置207は、吐出ヘッド209等を駆動させるデータを送信する。また、印刷制御装置207は、駆動波形を生成し、送信する。
キャリッジ30は、ヘッドドライバ208及び吐出ヘッド209等によって実現される。ヘッドドライバ208は、キャリッジ30側に設けられる吐出ヘッド209を駆動させるためのドライバIC(Integrated Circuit)等である。
モータ駆動装置210は、主走査モータ40及び副走査モータ31を駆動させる。
ACバイアス供給装置212は、帯電ローラ26にACバイアスを供給する。
エンコーダセンサ43は、主走査モータ40の位置を示す検出信号を出力する。同様に、エンコーダセンサ35は、副走査モータ31の位置を示す検出信号を出力する。
温度センサ215は、画像形成装置の環境温度を計測し、検出信号を出力する。
I/O213は、各センサからの検出信号を入力するインタフェースである。
操作パネル214は、画像形成装置のユーザに対して、各種情報を表示する表示装置及びユーザによる操作を入力する入力装置である。
例えば、制御部200は、ホストI/F206によって、PC(Personal Computer)等の情報処理装置、イメージスキャナ等の画像読取装置及びデジタルカメラ等の撮像装置等から画像データ等を受信する。なお、画像データ等は、ケーブル又はネットワーク等を介して受信される。次に、制御部200が有するCPU201は、ホストI/F206が有する受信バッファに記憶される画像データ等を読み出して解析する。そして、制御部200は、ASIC205によって、画像処理及びデータの並び替え等の処理を行う。続いて、ASIC205によって処理された画像データは、印刷制御装置207によって、ヘッドドライバ208に送信される。なお、画像形成を行うためのドットパターンデータの生成は、ホスト側のプリンタドライバによって行われるとする。
また、印刷制御装置207は、画像データをシリアルデータにして、ヘッドドライバ208に送信する。さらに、印刷制御装置207は、画像データを送信するのに用いられるクロック信号、ラッチ信号及び滴制御信号(マスク信号)等の信号をヘッドドライバ208に送信する。
さらにまた、印刷制御装置207は、ROM202等に記憶される駆動信号パターンを示すデータをD/A(digital−analog)変換するD/A変換器等を有する。また、印刷制御装置207は、信号の電圧を増幅させる電圧増幅器及び信号の電流を増幅させる電流増幅器等によって、駆動信号を生成する駆動波形生成部を有する。さらに、印刷制御装置207は、ヘッドドライバ208に送信される駆動波形を選択する駆動波形選択部を有する。続いて、1つ又は複数の駆動波形パルス、すなわち、駆動信号が、駆動波形となって、ヘッドドライバ208に送信される。なお、印刷制御装置207の詳細は、後述する。
ヘッドドライバ208には、画像データが、シリアルに送信される。また、ヘッドドライバ208には、画像データが、吐出ヘッド209の1行分のデータで送信される。この1行分のデータに基づいて、ヘッドドライバ208は、駆動波形となる駆動信号を吐出ヘッド209に印加する。駆動信号が印加されると、吐出ヘッド209が有する駆動素子(例えば、圧電素子等)は、液滴を吐出させるエネルギーを発生させる。このようにして、画像データに基づいて、吐出ヘッド209が駆動される。
また、画像形成装置は、駆動波形を構成する駆動波形パルスを選択することによって、例えば、大滴(大ドット)、中滴(中ドット)及び小滴(小ドット)等のいずれかの大きさとなるように、ドットを打ち分けることができる。
さらに、CPU201は、リニアエンコーダ等を構成するエンコーダセンサ43から送信される検出信号をサンプリングして、速度検出値及び位置検出値等を得る。次に、CPU201は、あらかじめ記憶する速度及び位置プロファイル等から得られる速度目標値及び位置目標位置と、速度検出値及び位置検出値とに基づいて、主走査モータ40を制御するための駆動出力値、すなわち、制御値を算出する。続いて、CPU201は、制御値に基づいて、モータ駆動装置210を介して、主走査モータ40を駆動させる。
同様に、CPU201は、ロータリエンコーダ等を構成するエンコーダセンサ35から送信される検出信号をサンプリングして、速度検出値及び位置検出値等を得る。次に、あらかじめ記憶する速度及び位置プロファイル等から得られる速度目標値及び位置目標位置と、速度検出値及び位置検出値とに基づいて、副走査モータ31を制御するための駆動出力値、すなわち、制御値を算出する。続いて、CPU201は、制御値に基づいて、モータ駆動装置210を介して、副走査モータ31を駆動させる。
図4は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置が有する印刷制御装置及びヘッドドライバの構成例を示すブロック図である。図示するように、印刷制御装置207は、駆動波形生成部301及び送信部302を有する。一方で、印刷制御装置207に接続されるヘッドドライバ208は、シフトレジスタ311、ラッチ(latch)回路312、デコーダ313、レベルシフタ314及びアナログスイッチ315を有する。
駆動波形生成部301は、印刷における1周期内に、複数の駆動パルス、すなわち、駆動信号で構成される駆動波形、すなわち、共通駆動波形を生成し、送信する。
送信部302は、ヘッドドライバ208に、滴制御信号M0乃至M3を送信する。さらに、送信部302は、ヘッドドライバ208に、画像データ信号、ラッチ信号及びクロック信号を送信する。
画像データ信号は、印刷される画像に応じた2ビットのデータを示す信号である。なお、画像データ信号に含まれる階調信号は、「0」又は「1」をそれぞれ示す信号である。また、画像データ信号を送信するために、クロック信号が送信される。
滴制御信号M0乃至M3は、アナログスイッチ315の開閉を滴ごとに制御する2ビットの信号である。具体的には、滴制御信号M0乃至M3によって、共通駆動波形の印刷周期に合わせて、選択される信号に対して、Highレベル(ON)となるように、状態遷移が行われる。一方で、滴制御信号M0乃至M3によって、共通駆動波形の印刷周期に合わせて、選択されない信号に対して、Lowレベル(OFF)となるように、状態遷移が行われる。
シフトレジスタ311は、クロック信号、すなわち、シフトクロックと、シリアルデータである画像データ信号、すなわち、2ビット/chの階調データとを受信する。
ラッチ回路312は、シフトレジスタ311からの各レジスタ値をラッチ信号に基づいてラッチする。
デコーダ313は、階調データ及び滴制御信号M0乃至M3をデコードする。
レベルシフタ314は、デコーダ313が出力するロジックレベル電圧信号をアナログスイッチ315が動作するレベルに変換する。
アナログスイッチ315は、レベルシフタ314を介して出力されるデコーダ313の出力に基づいて、ON/OFF(開閉)を行う。
アナログスイッチ315に対して、各圧電素子121が有する選択電極(個別電極)が接続される。また、各圧電素子121には、駆動波形生成部301から送信される共通駆動波形が入力される。
シリアル転送される画像データ、すなわち、階調データと、滴制御信号M0乃至M3をデコーダ313がデコードした結果とに基づいて、アナログスイッチ315がONとなると、共通駆動波形に含まれる所定の駆動信号が選択される。そして、各圧電素子121には、アナログスイッチ315を通過した、すなわち、選択された駆動信号が印加される。
図5は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を有する画像形成システムの一例を示すブロック図である。図示するように、画像形成システム700は、画像形成装置の例であるインクジェットプリンタ500を有する。また、図示するように、インクジェットプリンタ500に対して、画像処理を行うPC400等の画像処理装置が接続される。なお、画像形成システム700は、複数の画像処理装置を有してもよい。
PC400は、外部I/F407を有する。同様に、インクジェットプリンタ500は、外部I/F106を有する。図示するように、画像形成システム700では、PC400及びインクジェットプリンタ500は、外部I/F407及び外部I/F106によって、所定のインタフェース又はネットワーク等を介して接続される。
図6は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。例えば、本発明の一実施形態に係る画像処理装置は、図示するハードウェア構成等である。
PC400は、CPU401、ROM402、RAM403、入力装置404、モニタ405、記憶装置406及び外部I/F407を有する。図示するように、各ハードウェアは、バスラインで接続される。
CPU401は、PC400が行う処理及びデータ加工を実現するための演算を行う演算装置である。また、CPU401は、図示するハードウェアを制御する制御装置である。
ROM402及びRAM403は、記憶装置の例である。具体的には、ROM402は、CPU401が実行するプログラム及び固定データ等のデータを記憶する。またRAM403は、画像データ等のデータを記憶する。
入力装置404は、PC400にユーザの操作等を入力する装置である。例えば、入力装置404は、マウス又はキーボード等である。
モニタ405は、PC400がユーザに対して表示等の出力を行う出力装置の例である。例えば、モニタ405は、LCD(Liquid Crystal Display)又はCRT(Cathode Ray Tube)等である。
記憶装置406は、ハードディスク等である。すなわち、記憶装置406は、補助記憶装置等である。
外部I/F407は、インターネット等のネットワーク又はUSB(Universal Serial Bus)等によって、外部装置と通信を行うインタフェースである。
また、PC400は、光ディスク等の記憶媒体を読み取る記憶媒体読取装置等を有する。
記憶装置406には、プログラムが記憶される。このプログラムは、記憶媒体から読み取られて又はネットワークからダウンロードされて、記憶装置406にインストールされる。このようにインストールされたプログラムによって、PC400は、画像処理を行う。なお、このプログラムは、所定のOS(Operating System)上で動作するプログラムでもよい。また、このプログラムは、アプリケーションソフトの一部であってもよい。
なお、本発明に係る画像形成方法では、画像形成装置側で、画像処理の一部又は全部が行われてもよい。以下の説明では、インクジェットプリンタ500が、画像の描画又は文字のプリント命令を受けて、実際に画像形成するドットパターンを生成する機能を有しない例で説明する。すなわち、ホストとなるPC400で実行されるアプリケーションソフト等によって、プリント命令が生成される。
次に、PC400、すなわち、ホストが有するプリンタドライバに基づいて、画像処理が行われる。この画像処理が行われると、ドットパターンを示すデータ、すなわち、印刷画像データが生成される。続いて、印刷画像データがラスタライズされて、インクジェットプリンタ500に、印刷画像データが送信される。
具体的には、まず、PC400は、アプリケーションソフト又はOSによる画像又は文字の画像形成命令が描画データメモリ等に記憶される。なお、画像形成命令は、例えば、画像を画像形成する場合には、画像形成する線の位置、太さ又は形等を示す。また、例えば、文字を画像形成する場合には、文字の書体、大きさ又は位置等を示す。さらに、画像形成命令は、特定のプリント言語等によって記述される。
次に、描画データメモリ等に記憶される画像形成命令は、ラスタライズによって解釈される。具体的には、線を画像形成させる画像形成命令であると、画像形成命令は、指定された位置及び太さ等に応じたドットパターンに変換される。
また、文字を画像形成させる画像形成命令であると、まず、PC400等に記憶されるフォントアウトデータから、文字の輪郭データが呼び出される。続いて、画像形成命令は、輪郭データに基づいて、指定される位置及び大きさ等に応じたドットパターンに変換される。一方で、イメージを画像形成させる画像形成命令であると、画像形成命令は、画像を示すドットパターンに変換される。
これらのドットパターンに対して、画像処理が行われて、データがラスタデータメモリ等に記憶される。なお、PC400は、直交格子を基本記録位置として、ドットパターンデータにラスタライズする。また、画像処理は、例えば、色を調整するカラーマネジメント処理(CMM)、ガンマ補正、ディザ法若しくは誤差拡散法等の中間調処理、下地除去処理又はインク総量規制処理等である。そして、ラスタデータメモリに記憶されるドットパターンデータが、インタフェースを介して、インクジェットプリンタ500に送信される。
なお、液滴を吐出するユニットは、吐出ヘッドに、他の機能部品及び機構等を一体化させて有する構成であり、液滴を吐出する機能に関連する部品の集合体である。例えば、液滴を吐出するユニットは、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構及び主走査移動機構等の構成のうち、少なくとも1つを吐出ヘッドと組み合わせて含む。また、一体化とは、例えば、吐出ヘッドと機能部品又は機構が、締結、接着若しくは係合等で互いに固定される状態又は一方が他方に対して移動可能に保持される状態等である。さらに、吐出ヘッドと、機能部品又は機構とが、互いに着脱可能に構成される状態でもよい。
なお、液滴を吐出する装置は、画像形成装置に限られず、立体造形装置、処理液塗布装置又は噴射造粒装置等であってもよい。すなわち、液滴を吐出する装置は、吐出ヘッド又は液滴を吐出するユニットを備え、吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。また、液滴を吐出する装置には、液滴が付着可能な物体に対して液滴を吐出することが可能な装置だけでなく、液滴を気中又は液中等に向けて吐出する装置も含まれる。
<経過時間と、吐出速度との関係の一例>
図7は、本発明の一実施形態に係る経過時間と、吐出速度との関係の一例を示す図である。以下、画像形成装置が、まず、液滴を吐出し、続いて、画像形成装置が、更に液滴を吐出する、すなわち、2回液滴を吐出する例で説明する。なお、以下の説明では、先に吐出される液滴を「第1液滴」といい、第1液滴の次に吐出される液滴を「第2液滴」という。
図7では、縦軸は、第2液滴が吐出される速度(以下「吐出速度」という。)を示す。なお、図7は、縦軸の単位系を「倍」とする相対値で示す。具体的には、縦軸の値が「1倍」であると、第1液滴及び第2液滴が吐出されるそれぞれの速度は、等しい場合である。
図7では、横軸は、第1液滴が吐出されてから、第2液滴が吐出されるまでの時間(以下「経過時間」という。)を示す。なお、図7は、横軸の単位系を「マイクロ秒」とする。また、横軸の単位系は、吐出ヘッドの設計等によって可変である。
第1液滴が吐出されると、残留振動が、生じることが多い。この残留振動によって、吐出速度は、変化する。一方で、時間が経過すると、残留振動は、減衰する。そのため、残留振動の影響を少なくするためには、例えば、残留振動が十分に減衰してから第2液滴を吐出する方法がある。図7では、残留振動が十分に減衰した経過時間は、例えば、第1時間T1等である。以下、残留振動が十分に減衰した経過時間が第1時間T1である例で説明する。
なお、経過時間は、第1液滴が吐出されたタイミングを始点とした時間に限られない。例えば、液滴が吐出されない程度に吐出ヘッドを振動させる、いわゆる微振動又は微駆動が行われたタイミングが、経過時間の始点でもよい。液滴が吐出されない程度の振動であっても、残留振動は、生じることが多い。したがって、経過時間は、液滴が吐出されるか否かにかかわらず、残留振動が生じる可能性が高い処理が行われた始点とした時間とする。
また、以下の説明では、1駆動周期において、いわゆる引きうちパルスが1パルスだけ含まれる波形を例に説明する。一方で、パルスは、複数であってもよい。また、パルスの種類は、押し打ち又は液滴を吐出しない程度の振動を発生させる電位変動等でもよい。
すなわち、経過時間が第1時間T1となる点で、第2液滴が吐出されると、第2液滴の吐出には、残留振動の影響が少ない。一方で、経過時間が第1時間T1となるまで待ってから第2液滴を吐出するようにするには、第1液滴が吐出されるタイミングと、第2液滴が吐出されるタイミングとの間が広がる。すなわち、経過時間が第1時間T1となるまで待ってから第2液滴を吐出するようにすると、各液滴を吐出する周期が長くなる。そのため、経過時間が第1時間T1となるまで待つと、画像形成にかかる時間が長くなる場合が多い。また、経過時間が第1時間T1となるまで待っても、残留振動の影響が完全になくなる場合は少ない。
したがって、画像形成にかかる時間を短くするには、経過時間が第1時間T1より短いのが望ましい。経過時間が第1時間T1より短いと、各液滴を吐出する周期が短くできる。これによって、画像形成にかかる時間が短くでき、生産性を保つことができる。
本発明に係る画像形成装置は、第1時間T1より短い経過時間で、液滴を吐出するように設定する。図7では、第1時間T1より短い経過時間は、例えば、第2時間T2又は第3時間T3等である。なお、図示する関係は、圧電素子の仕様等によって、異なる。特に、ノズル近傍の流路等の形状又は物性等は、影響を与える場合が多い。したがって、ノズル、流路部材、振動板部材及び圧電素子の形状等の仕様等によって、第2時間T2及び第3時間T3は、それぞれ異なってもよい。又は、ノズル又は流路の形状等によって、第2時間T2及び第3時間T3は、それぞれ異なってもよい。
なお、設定される経過時間は、第2時間T2又は第3時間T3のように、吐出速度の変化が大きい点が望ましい。第2時間T2又は第3時間T3のように、吐出速度の変化が大きい点は、吐出ヘッドの特性によるばらつき又は記録媒体を搬送する搬送速度の搬送速度ムラの影響が少ない場合が多い。設定される経過時間が第2時間T2又は第3時間T3等となるように設定されると、画像形成装置は、吐出ヘッドの特性によるばらつき又は搬送速度ムラの影響を少なくできる。以下、経過時間が第2時間T2又は第3時間T3となるように設定される例で説明する。
図8は、画像形成される画像の一例を示す図である。以下、入力されるデータが、図示する吐出パターンである例で説明する。このように、データが入力されると、インクジェットプリンタは、吐出パターンが示す画像が記録媒体に形成されるように画像形成する。以下、図示するような線を画像形成する場合を例に説明する。具体的には、図示する線幅(以下「基準線幅W」という)。となる線を狙って画像形成する例で説明する。この例では、3回の吐出によって、基準線幅Wとなる線が画像形成される吐出パターンが入力される。図8では、まず、第1行目L1が、各ノズルから液滴がそれぞれ吐出されて、画像形成される。次に、第2行目L2が各ノズルから液滴がそれぞれ吐出されて、画像形成される。続いて、第2行目L2が各ノズルから液滴がそれぞれ吐出されると、基準線幅Wとなる線が画像形成される。このように、残留振動による画像への影響がないとすると、各液滴によって画像形成されるドットは、重なったり、離れたりすることがないため、3回の吐出によって、基準線幅Wとなる線が画像形成される。
図9は、残留振動によって重なりが生じる例を示す図である。例えば、図8に示す吐出パターンが示す画像を形成するのに、経過時間が第2時間T2(図7)となるように設定されるとする。このように設定するため、経過時間が第2時間T2なるように、駆動波形及び駆動周期の組み合わせが決定される。このように決定されると、図7に示すように、吐出速度は、速くなる。
図9において、第1液滴を第1行目L1とすると、第2液滴は、第2行目L2となる。図示するように、第2行目L2の吐出速度が速いため、図8に示す吐出パターンに基づいて画像形成が行われても、第1行目L1で画像形成されるドットに対して、第2行目L2で画像形成されるドットが、重なる場合が多い。ゆえに、図9に示すように、画像形成される線は、図示する線幅(以下「第1線幅W1」という。)となる。図示するように、図9に示す画像形成では、重なりが生じるため、第1線幅W1は、基準線幅W(図8)と比較すると、細くなる。
つまり、図9に示す画像形成では、残留振動によって、狙った線幅より、細い線幅の線が画像形成される。一方で、経過時間が第2時間T2である場合は、図7に示すように、吐出速度は、極大又は極大に近い値になる場合である。そのため、経過時間が第2時間T2である場合には、吐出ヘッドの特性によるばらつき又は搬送速度ムラ等の影響が安定することが多い。これによって、経過時間が第2時間T2であれば、吐出速度は、同一又は同一に近い値となることが多い。ゆえに、図9では、経過時間が第2時間T2であれば、画像形成装置は、他の経過時間である場合と比較して、第1線幅W1の線を安定して画像形成することができる。
図10は、本発明の一実施形態に係る第1吐出パターンによって画像形成される画像の一例を示す図である。図示する吐出パターン(以下「第1吐出パターン」という。)は、図9に示す画像に、更に第4行目L4となる吐出が行われる点が異なる。まず、図9に示す画像形成、すなわち、第3行目L3までの吐出では、基準線幅W(図8)より細い第1線幅W1(図9)の線が、画像形成される。これに対して、第1吐出パターンでは、第4行目L4となるドットが画像形成される。そのため、画像形成装置は、第1吐出パターンによって、第1線幅W1より基準線幅Wに近い第11線幅W1aの線を図示する線幅(以下「第11線幅W1a」という。)が画像形成できる。第11線幅W1aは、第1線幅W1より太い線である。
すなわち、画像形成装置は、図9のような重なりのため、画像形成される線が細くなるのを第4行目L4によって補正することができる。補正は、吐出パターンに基づいて、図示する第4行目L4のように、吐出によって形成されるドットを増やすこと等である。つまり、画像形成装置は、第1吐出パターンによって、第1線幅W1より基準線幅Wに近い第11線幅W1aの線を画像形成することができる。
また、吐出パターンは、線幅を太くするように、あらかじめ吐出を行うように設定するパターンでもよい。
図11は、本発明の一実施形態に係る第2吐出パターンによって画像形成される画像の一例を示す図である。吐出パターンは、図示する吐出パターン(以下「第2吐出パターン」という。)等でもよい。第2吐出パターンでは、図9に示すパターンと比較すると、第1行目L1乃至第3行目L3が画像形成される前に、第0行目L0のドットがあらかじめ画像形成される点が異なる。また、第2吐出パターンは、図示するように、1ドットごとに間引かれていてもよい。なお、間引きは、2ドット以上の間隔があってもよい。さらに、画像によっては、吐出パターンには、異なる間引き間隔、例えば、1ドット間隔、2ドット間隔及び3ドット間隔等の間引きが混在してもよい。
図示するように、第0行目L0となる吐出が行われると、第0行目L0となる吐出による残留振動によって、第1行目L1のドットは、図示するようになる。そのため、画像形成装置は、第2吐出パターンによって、第1線幅W1(図9)より基準線幅W(図8)に近い図示する線幅(以下「第12線幅W1b」という。)を画像形成できる。
具体的には、第2吐出パターンは、第1列目P1及び第3列目P3のように、1ドットごとに間引いて、第0行目L0のドットをあらかじめ画像形成する吐出パターンに補正される。この例では、第1列目P1及び第3列目P3等において、第0行目L0となる吐出が行われる。つまり、第2吐出パターンは、第01ドットD01及び第03ドットD03があらかじめ画像形成されるように補正される。これによって、第11ドットD11及び第13ドットD13の吐出は、第01ドットD01及び第03ドットD03の吐出による残留振動の影響をそれぞれ受ける場合が多い。具体的には、残留振動によって、第11ドットD11及び第13ドットD13は、第01ドットD01及び第03ドットD03にそれぞれ重なる方向へ画像形成される。これによって、画像形成装置は、第1行目L1乃至第3行目L3により、画像形成される線を第12線幅W1bと補正することができる。すなわち、画像形成装置は、第2吐出パターンによって、線幅の全部又は一部を調整することができる。
このようにして、画像形成装置は、吐出パターンによって、画像形成を行う速度、すなわち、印字速度を低下させずに、線幅の再現性を向上できる。また、画像形成装置は、吐出パターンを補正して、吐出ヘッドの特性又は駆動周期のばらつき等による線幅の変動を少なくすることができる。
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態と同様のハードウェア構成の画像形成装置及び吐出ヘッドによって実現できる。以下、第1実施形態と同様のハードウェア構成の画像形成装置及び吐出ヘッドを用いる例で説明し、重複した説明を省略する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と比較すると、吐出パターン及び設定される経過時間が異なる。
以下、第1実施形態と同様に、図8に示す線を画像形成する場合、すなわち、基準線幅Wとなる線を狙って画像形成する例で説明する。
第2実施形態では、例えば、経過時間が第3時間T3(図7)となるように設定されるとする。このように設定するため、経過時間が第3時間T3なるように、駆動波形及び駆動周期の組み合わせが決定される。このように決定されると、図7に示すように、吐出速度は、遅くなる。
図12は、残留振動によって離れが生じる例を示す図である。図12において、第1液滴を第1行目L1とすると、第2液滴は、第2行目L2となる。図示するように、第2行目L2の吐出速度が遅いため、第1行目L1で画像形成されるドットに対して、第2行目L2で画像形成されるドットが、離れる場合が多い。ゆえに、図12に示す画像形成では、画像形成される線は、図示する線幅(以下「第2線幅W2」という。)となる。図示するように、図12に示す画像形成では、離れが生じるため、第2線幅W2は、基準線幅W(図8)と比較すると、太くなる。
つまり、図12に示す画像形成では、残留振動によって、狙った線幅より、太い線幅の線が画像形成される。一方で、経過時間が第3時間T3である場合は、図7に示すように、吐出速度は、極小又は極小に近い値になる場合である。そのため、経過時間が第3時間T3である場合には、第2時間T2である場合等と同様に、吐出ヘッドの特性によるばらつき又は搬送速度ムラ等の影響が安定することが多い。これによって、経過時間が第3時間T3であれば、吐出速度は、同一又は同一に近い値となることが多い。ゆえに、図12では、経過時間が第3時間T3であれば、画像形成装置は、他の経過時間である場合と比較して、第2線幅W2の線を安定して画像形成することができる。
図13は、本発明の一実施形態に係る第3吐出パターンによって画像形成される画像の一例を示す図である。図示する吐出パターン(以下「第3吐出パターン」という。)は、図12と比較すると、第1行目L1となる吐出において、ドットが1ドットごとに間引かれている点が異なる。すなわち、第3吐出パターンは、第1行目L1となる吐出において、第2列目P2及び第4列目P4のドットを間引くように補正される。なお、間引きは、1ドットごとに限られず、2ドット以上及び複数種類の間引きが混在してもよい。
図示するように、第3吐出パターンでは、間引かれた列、例えば、第2列目P2及び第4列目P4の第2行目L2となる吐出において、第22ドットD22及び第24ドットD24は、残留振動の影響が少ないため、図8に示す位置と同一の位置に画像形成されやすい。また、第1行目L1となる吐出において、ドットが1ドットごとに間引かれるため、画像形成される線は、図示する線幅(以下「第21線幅W2a」という。)となる。第21線幅W2aは、第2線幅W2(図12)より、実質的に、基準線幅W(図8)に近い線幅となる。つまり、画像形成装置は、図12のような離れによって、画像形成される線が太くなるのを間引きによって補正することができる。このように、補正は、図示する第1行目L1のように、吐出によって形成されるドットを間引くように吐出パターンを変えること等である。
したがって、画像形成装置は、第3吐出パターンによって、基準線幅Wに近い線幅となる第21線幅W2aの線を画像形成することができる。
このようにして、画像形成装置は、吐出パターンによって、画像形成を行う速度、すなわち、印字速度を低下させずに、線幅の再現性を向上できる。また、画像形成装置は、吐出ヘッドの特性又は駆動周期のばらつき等による線幅の変動を少なくすることができる。
なお、経過時間は、吐出速度が遅くなる第3時間T3(図7)より、吐出速度が速くなる第2時間T2(図7)の方が望ましい。吐出速度が遅くなると、いわゆる「曲がり」又は吐出が行われない不吐出等の異常が起こる場合がある。したがって、吐出速度が速くなるように経過時間が設定されて画像形成が行われると、画像形成装置は、吐出の異常を少なくすることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態と同様のハードウェア構成の画像形成装置及び吐出ヘッドによって実現できる。以下、第1実施形態と同様のハードウェア構成の画像形成装置及び吐出ヘッドを用いる例で説明し、重複した説明を省略する。なお、第3実施形態では、第1実施形態と比較すると、第1液滴及び第2液滴によるそれぞれのドットの大きさを考慮する点が異なる。
以下、第1実施形態と同様に、図8に示す線を画像形成する場合、すなわち、基準線幅Wとなる線を狙って画像形成する例で説明する。
第3実施形態では、経過時間は、第1液滴及び第2液滴によって画像形成されるそれぞれのドットの大きさが異なる場合であっても、吐出速度が速くなるように設定される。例えば、第1液滴は、大きなドットを画像形成する液滴(以下「大滴」という。)であり、第2液滴は、小さなドットを画像形成する液滴(以下「小滴」という。)であるとする。
このように、大滴及び小滴の組み合わせであっても、図7に示す経過時間が第2時間T2である場合のように、吐出速度が極大又は極大に近い値となる駆動波形及び駆動周期等が、設定される。これによって、異なる種類の液滴が組み合わせられても、経過時間が第2時間T2である場合のように、吐出速度は、速くなる。
図14は、残留振動によって重なりが生じる別の例を示す図である。例えば、吐出速度が速くなるように設定されるとする。
このように設定されると、図9と同様に、図示するように、第2行目L2の吐出速度が速いため、第1行目L1で画像形成されるドットに対して、第2行目L2で画像形成されるドットが、重なる場合が多い。ゆえに、図14に示す画像形成では、画像形成される線は、図示する線幅(以下「第3線幅W3」という。)となる。図示するように、図14に示す画像形成では、重なりが生じるため、図9と同様に、第3線幅W3は、基準線幅W(図8)と比較すると、細くなる。
つまり、図14に示す画像形成では、残留振動によって、狙った線幅より、細い線幅の線が画像形成される。一方で、異なる種類の液滴が組み合わせられても、吐出速度が極大又は極大に近い値になるように設定される。そのため、経過時間が第2時間T2(図7)である場合と同様に、吐出ヘッドの特性によるばらつき又は搬送速度ムラ等の影響が安定することが多い。このように、異なる種類の液滴が組み合わせられても、吐出速度が極大又は極大に近い値になるように設定されると、吐出速度は、同一又は同一に近い値となることが多い。ゆえに、図14では、吐出速度が極大又は極大に近い値になるように設定されるため、画像形成装置は、第3線幅W3の線を安定して画像形成することができる。これに対して、第1実施形態と同様に、図10に示す第4行目L4となるドットを画像形成する等が行われると、画像形成装置は、第3線幅W3より基準線幅W(図8)に近い線幅の線を画像形成することができる。
なお、第1液滴は、小滴であるのが望ましい。
図15は、本発明の一実施形態に係る小滴等を用いる吐出パターンによって画像形成される画像の一例を示す図である。図15に示す吐出パターンでは、図10等と比較すると、第1行目L1に画像形成されるドットが小さいのが異なる点である。すなわち、増加させるドットが小さいと、線幅が太くなる幅は、小さいことが多い。したがって、増加させるドットを画像形成する液滴を小滴にすると、画像形成装置は、線幅の増加する量を最小限にすることができる。一方で、画像形成装置は、図示する線幅(以下「第31線幅W3a」という。)の線を画像形成することができる。なお、第31線幅W3aは、第3線幅W3(図14)より基準線幅W(図8)に近い線幅である。したがって、画像形成装置は、吐出パターンによって、基準線幅Wに近い線幅となる第31線幅W3aの線を画像形成することができる。
このようにして、画像形成装置は、画像形成を行う速度、すなわち、印字速度を低下させずに、線幅の再現性を向上できる。また、画像形成装置は、吐出ヘッドの特性又は駆動周期のばらつき等による線幅の変動を少なくすることができる。
<全体構成例>
図16は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体構成の一例を示す概要図である。図17は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置が有する機構部分の一例を示す概要図である。図16で図示する画像形成装置の例であるインクジェットプリンタ500は、いわゆるシリアル型である。
インクジェットプリンタは、図17で図示するように、左右に側板221A及び側板221Bを有する。この側板221A及び側板221Bに対して、ガイドロット231及びガイドロット232が設置される。このガイドロット231及びガイドロット232に沿って、キャリッジ30は、主走査モータによってタイミングベルトを介してy軸方向(以下「キャリッジ主走査方向」という。)に移動する。
キャリッジ30は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びブラック(K)等の各色の液滴を吐出する。また、キャリッジ30は、吐出ヘッド209(図3)を有する複数の記録ヘッド234a及び記録ヘッド234b(以下、記録ヘッド234a及び記録ヘッド234bを区別しない場合には、単に「記録ヘッド234」という場合がある。)を有する。図示するように、キャリッジ30は、複数のノズルがキャリッジ主走査方向に対して直交する方向(以下「副走査方向」という場合がある。)に配列されるように設置される。
図17に図示する構成では、記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有する。例えば、記録ヘッド234aは、一方に、ブラック(K)の液滴を吐出するノズル列を有する。また、記録ヘッド234aは、他方に、シアン(C)の液滴を吐出するノズル列を有する。同様に、記録ヘッド234bは、一方に、マゼンタ(M)の液滴を吐出するノズル列を有する。また、記録ヘッド234bは、他方に、イエロー(Y)の液滴を吐出するノズル列を有する。
また、キャリッジ30は、記録ヘッド234のノズル列に対して、各色のインク液をそれぞれ供給するヘッドタンク235a及びヘッドタンク235bを(以下、ヘッドタンク235a及びヘッドタンク235bを区別しない場合には、単に「ヘッドタンク235」という場合がある。)を有する。このヘッドタンク235には、各色の供給チューブ236が接続される。ヘッドタンク235には、供給チューブ236を介して、各色のカートリッジ210k、210c、210m及び210yからインク液が供給される。
一方で、図16で図示するように、インクジェットプリンタ500は、給紙トレイ250を有する。この給紙トレイ250は、圧板等の用紙搭載部241を有する。また、用紙搭載部241の上に、記録媒体の例である用紙242が置かれる。このようにして、給紙トレイ250は、用紙242を供給する給紙部となる。
そして、用紙搭載部241から用紙242が1枚ずつ分離され、供給される。例えば、図示するように、インクジェットプリンタ500は、半月コロ等の給紙コロ243を有する。この給紙コロ243に対向する位置に、分離パッド244が、備えられる。なお、分離パッド244は、摩擦係数が大きい材質等で構成される。
給紙部から用紙242を記録ヘッド234の下側へ搬送するため、用紙242を案内するガイド部材245等が、備えられる。同様に、用紙242を記録ヘッド234の下側へ搬送するため、カウンタローラ246、搬送ガイド部材247及び先端加圧コロ249を有する押さえ部材248等が備えられる。
また、搬送される用紙242を静電吸着して、記録ヘッド234に対向する位置に搬送するため、搬送ベルト251等が備えられる。なお、搬送ベルト251は、いわゆる無端状ベルト等である。搬送ベルト251は、搬送ローラ252及びテンションローラ253の間に架け渡される。これによって、搬送ベルト251は、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回する。この搬送ベルト251に対して、帯電ローラ256が備えられる。帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表面を帯電させる。図示するように、帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表面に接触するように備えられる。また、帯電ローラ256は、搬送ベルト251の回動に従って回転する。
搬送ベルト251は、副走査モータによって搬送ローラ252が回転すると、搬送ローラ252の回動に従って回転する。ゆえに、搬送ベルト251は、副走査モータによって、ベルト搬送方向に周回移動する。
次に、用紙242に対して、記録ヘッド234等によって、画像形成が行われる。この記録ヘッド234等によって画像形成が行われた後、用紙242は、排紙される。排紙を行う排紙部は、搬送ベルト251から用紙242を分離する分離爪261、排紙ローラ262、排紙コロ263及び排紙トレイ255等によって実現される。
なお、インクジェットプリンタ500は、背面部等に、両面ユニット271等を有してもよい。この両面ユニット271は、着脱が可能なユニット等である。両面ユニット271は、搬送ベルト251から送られる用紙242を反転し、再びカウンタローラ246及び搬送ベルト251の間に給紙する。なお、図示する構成は、両面ユニット271の上面を手差しトレイ272とする例である。
図17に戻り、キャリッジ30が走査する範囲のうち、一方側(図では右側)に、維持回復機構281が設置される。維持回復機構281は、記録ヘッド234が有する各ノズルの状態を維持及び回復させるための機構である。なお、維持回復機構281が設置される位置では、記録媒体に対して、画像形成が行われないとする。以下、記録媒体に対して、画像形成が行われない領域を「非印字領域」という。
維持回復機構281には、キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a及びキャップ部材282b(以下、キャップ282a及びキャップ282bを区別しない場合には、単に「キャップ282」という場合がある。)が備えられる。キャップ282は、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするのに用いられる。
維持回復機構281には、ワイパーブレード283が備えられる。ワイパーブレード283は、各ノズル面をワイピングするためのブレード部材である。さらに、維持回復機構281には、空吐出受け284が備えられる。空吐出受け284は、増粘した記録液を排出するため、画像形成に用いられない液滴を吐出させる、いわゆる空吐出によって吐出される液滴を受ける。
非印字領域のうち、維持回復機構281が設置される他方には、空吐出受け288が備えられる。また、空吐出受け288には、開口部289が備えられる。
以上のような画像形成装置では、図16に示すように、用紙242は、給紙トレイ250から1枚ずつ分離及び給紙される。次に、給紙された用紙242は、ガイド部材245によって、カウンタローラ246及び搬送ベルト251の間に送られる。続いて、用紙242は、搬送ガイド部材247で案内され、先端加圧コロ249によって、用紙242は、搬送ベルト251に押し付けられる。
この際、帯電ローラ256には、プラス出力及びマイナス出力が交互に繰り返すように印加される。すなわち、帯電ローラ256には、交番する電圧が印加される。この印加によって、搬送ベルト251は、交番する帯電電圧パターン、すなわち、副走査方向にプラス及びマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電される。このように、プラス及びマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電した搬送ベルト251の上に、用紙242が搬送されると、用紙242は、搬送ベルト251に吸着される。また、用紙242は、搬送ベルト251によって副走査方向に搬送される。
この搬送される用紙242に対して、キャリッジ30(図3)が相対的に移動する。さらに、キャリッジ30は、画像信号に基づいて、記録ヘッド234を駆動させる。これによって、用紙242には、液滴が吐出され、1行分の画像形成が行われる。次に、インクジェットプリンタ500は、所定の量、用紙242を搬送する。同様に、用紙242には、液滴が吐出され、1行分の画像形成が行われる。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達したことを示す信号等が受信されると、インクジェットプリンタ500は、画像形成を終了し、用紙242を排紙トレイ255等に排紙する。
また、画像形成装置は、図18で図示するような全体構成の装置でもよい。
図18は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の別の全体構成の一例を示す概要図である。図18で図示する画像形成装置の例であるインクジェットプリンタ501は、いわゆるフルライン型ヘッドである。インクジェットプリンタ501は、画像形成部601及び用紙を搬送する搬送機構604等を有する。また、インクジェットプリンタ501は、複数の用紙602が置かれる給紙トレイ603を有する。
まず、給紙トレイ603から用紙602が、取り込まれる。次に、搬送機構604によって搬送される用紙602には、画像形成部601によって、画像形成が行われる。この後、用紙602は、排紙トレイ605に排紙される。
画像形成部601は、記録液となる液体を格納した液体タンクを有する。また、画像形成部601は、各色のライン型ヘッド410y、410m、410c及び410kを有する。各色のライン型ヘッド410y、410m、410c及び410kは、用紙の幅方向、すなわち、搬送方向に対して直交する方向の長さに相当する長さである。また、各色のライン型ヘッド410y、410m、410c及び410kは、ヘッドホルダ等に取り付けられる。各色のライン型ヘッド410y、410m、410c及び410kは、搬送方向において、上流側から、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの順で、用紙602に液滴を吐出する。なお、各色のライン型ヘッド410y、410m、410c及び410kは、各色の液滴を吐出する複数のノズルを所定の間隔で配置した1つのヘッドでもよい。また、各色のライン型ヘッド410y、410m、410c及び410kは、ヘッドと、カートリッジが別である構成でもよい。
給紙トレイ603に置かれる用紙602は、給紙コロ421によって、1枚ずつに分離される。次に、用紙602は、用紙給紙ローラ425によって、搬送機構604に搬送される。
搬送機構604は、駆動ローラ431及び従動ローラ432の間に架け渡される搬送ベルト433等を有する。また、搬送ベルト433の表面を帯電させる帯電ローラ434が備えられる。
また、インクジェットプリンタ501は、画像形成部601に対向する位置に、ガイド部材435等を有する。さらに、インクジェットプリンタ501は、搬送ベルト433に付着するインクを除去するため、多孔質体等からなるクリーニングローラ等を有する。さらにまた、インクジェットプリンタ501は、用紙602を除電するため、導電ゴム等からなる除電ローラ等を有する。他にも、インクジェットプリンタ501は、用紙602を搬送ベルト433に押さえる押さえローラ等を有する。
さらに、搬送機構604の下流側には、画像形成が行われた用紙602を排紙する排紙ローラ438及び排紙ローラ439が備えられる。
このようなフルライン型ヘッドを有するインクジェットプリンタ501においても、搬送ベルト433を帯電させ、搬送ベルト433に用紙602が搬送されると、用紙602は、搬送ベルト433に吸着する。次に、用紙602は、搬送ベルト433によって搬送される。続いて、用紙602に対して、画像形成部601が画像形成を行う。この後、用紙602は、排紙トレイ605に排紙される。
本発明に係る画像形成装置は、図16及び図17のように、キャリッジを有するヘッドが移動する装置でもよいし、図18のように、フルライン型ヘッドを有する装置でもよい。つまり、本発明に係る画像形成装置は、記録媒体と、吐出ヘッドとが相対的に移動する装置であればよい。
<全体処理例>
図19は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置による全体処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS01では、画像形成装置は、記録媒体に形成される画像を示すデータを入力する。
ステップS02では、画像形成装置は、吐出速度が速く又は遅くなるように、経過時間を設定する。また、補正を行う場合には、形成されるドットを増やす又は形成されるドットを間引かれるように、画像形成装置は、吐出パターンを変える。
ステップS03では、画像形成装置は、液滴の吐出を制御する。具体的には、入力されるデータ及び設定される経過時間に基づいて、画像形成装置は、液滴の吐出を制御して、画像形成が行われるようにする。
<機能構成例>
図20は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の機能構成を示す機能ブロック図である。図示するように、インクジェットプリンタ500は、移動部100と、制御部200とを備える。
移動部100は、記録媒体と、吐出ヘッドとを相対的に移動させる。なお、移動部100は、例えば、主走査モータ40(図3)等によって実現される。また、経過時間が変動する場合には、移動部100の速度は、ドット配置解像度が、「1200dpi」等のように、あらかじめ設定される解像度となるように決定される。
制御部200は、入力されるデータに基づいて、記録媒体に対して液滴を吐出して、所定の時間内に、複数のドットが並ぶように制御する。また、制御部200は、相対的に移動する方向の吐出パターンを設定する。すなわち、相対的に移動する方向は、画像形成される線を太く又は細くするように補正できる方向である。例えば、相対的に移動する方向は、図10等では、y軸方向となる。なお、制御部200は、例えば、CPU201(図3)等によって実現される。
画像形成装置は、画像形成される画像にかかわらず、あらかじめ設定される解像度(1200dpi等)に基づいて、移動部100によって、例えば、吐出ヘッド等を走査させる。したがって、画像形成装置は、画像形成するのにかかる時間は、吐出ヘッド等が移動する速度、いわゆる吐出周期によって決まる。
これに対して、残留振動が収まるのを待ってから液滴を吐出すると、吐出周期を長くする必要が多い。一方で、画像形成装置は、制御部200によって、所定の時間内に、複数のドットが並ぶように制御する。このように制御すると、図7に示すように、残留振動が収まるのを待ってから液滴を吐出する場合とは異なり、吐出周期を長くする必要が少ない。そのため、残留振動が収まるのを待ってから液滴を吐出する場合と比較して、画像形成するのにかかる時間が、短くできる。ゆえに、画像形成装置は、画像形成において、生産性を保つことができる。また、画像形成装置は、補正等によって、残留振動による影響を低減することができる。
本発明に係る画像形成装置は、例えば、プリンタ、ファクシミリ又はコピーの単体機能を有する装置に適用できる。また、本発明に係る画像形成装置は、プリンタ、ファクシミリ及びコピー等の複数の機能を有する複合機等に適用できる。また、液滴は、インクに限られず、他の種類の記録液又は定着処理液等でもよい。すなわち、本発明に係る画像形成装置は、インク以外の種類の液滴を吐出する装置に適用されてもよい。
したがって、本発明に係る液滴を吐出する装置又は液滴を吐出するユニットを用いる装置は、画像を形成するに限られない。例えば、形成される物体は、三次元造形物等でもよい。
さらに記録媒体は、用紙等に限られない。記録媒体は、液滴が付着可能な材質であればよい。例えば、液体が付着可能な材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス又はこれらの組み合わせ等の液滴が一時的でも付着可能であればよい。
また、本発明に係る実施形態は、画像形成装置等のコンピュータに画像形成を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。