JP6824383B2 - 回転電機システム - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機を有する回転電機システムに関する。
エネルギー問題や環境問題の対策として、モータなどの回転電機の高効率化や省エネルギー化が求められている。例えば、回転電機が低速・中速・高速の広い範囲で運転されることに対して、全運転領域での回転電機の高効率化が検討されている(例えば非特許文献1参照。)。
堺 和人、他、「マルチインバータ方式エレクトロニクスモータの極数変換の検討」、平成28年電気学会産業応用部門大会、p.125−130
通常、回転電機の定格出力は連続運転時の最大出力状態であり、最大出力状態において高効率であるように回転電機は設計されている。しかし、回転電機の負荷が部分負荷であって最大出力状態よりも低い出力状態(以下において「部分負荷状態」という。)で、回転電機が長時間運転されることが多い。このため、回転電機の効率が低下する。その結果、回転電機の運転範囲全体の総合的な消費エネルギーが増大する。例えば、回転電機が駆動機関に使用される電気自動車、ハイブリッド自動車では、1回の充電当たりの走行距離の減少や燃費の低下につながる。
上記問題点に鑑み、本発明は、効率の低下を抑制できる回転電機システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、固定子巻線を設けた固定子及び回転子を有する回転電機を備え、固定子巻線が、回転子を回転させる回転磁界を発生させる第1のコイル群と、回転子の回転による誘導起電力によって電力を発生させる第2のコイル群とからなり、回転子の円周方向に沿って配列された複数のスロットにそれぞれ配置された一連のコイルの一部を第1のコイル群として使用し、一連のコイルの残りのコイルを第2のコイル群として使用し、回転電機の出力および回転数に応じて第1のコイル群と第2のコイル群の構成を調整し、要求されるトルクが大きいほど第1のコイル群のコイルの個数を多くし且つ第2のコイル群のコイルの個数を少なくする回転電機システムが提供される。
本発明によれば、効率の低下を抑制できる回転電機システムを提供できる。
本発明の実施形態に係る回転電機システムの構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る回転電機システムの駆動用多相交流回路の例を示す回路図である。 本発明の実施形態に係る回転電機システムの発電用多相交流回路の例を示す回路図である。 本発明の実施形態に係る回転電機システムの特性を解析するためのIMモデルを示す模式図である。 本発明の実施形態に係る回転電機システムの特性を解析するためのPMモデルを示す模式図である。 本発明の実施形態に係る回転電機システムの解析用回路図であり、図6(a)はモータ駆動動作の解析用回路図であり、図6(b)は発電動作の解析用回路図である。 IMモデルとPMモデルの諸元を示す表である。 IMモデルの特性を示すグラフである。 PMモデルの特性を示すグラフである。 最大トルク時における発電量を示す表である。 機械的出力と発電量を示す表である。 ロータバーの電流をFFT解析した結果を示すグラフであり、図12(a)は参考例の回転電機の解析結果を示し、図12(b)はIMモデルの解析結果を示す。 速度とトルクの関係を示すグラフである。 固定子巻線のコイルのそれぞれに電力変換回路を接続した例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る回転電機システムの第1の応用システムを示す模式図である。 本発明の実施形態に係る回転電機システムの第2の応用システムを示す模式図である。 本発明の実施形態に係る回転電機システムの第3の応用システムを示す模式図であり、図17(a)は駆動電源が直流電源である場合を示し、図17(b)は駆動電源が交流電源である場合を示す。 本発明の実施形態に係る回転電機システムの運転特性と効率分布を示すグラフである。 回転電機システムの中・高速回転時の電圧ベクトル図であり、図19(a)は比較例の電圧ベクトル図であり、図19(b)は本発明の実施形態に係る回転電機システムの電圧ベクトル図である。 回転電機システムの低速回転時の電圧ベクトル図であり、図20(a)は比較例の電圧ベクトル図であり、図20(b)は本発明の実施形態に係る回転電機システムの電圧ベクトル図である。 PMモデルのコイルの配置例を示す模式図である。 PMモデル及びMモデルの位相電流と負荷電圧の関係を示すグラフである。 PMモデル及びMモデルの力率を示す表である。 本発明の実施形態の第1の変形例に係る回転電機システムの構成を示す模式図である。 本発明の実施形態の第2の変形例に係る回転電機システムの構成を示す模式図である。
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。また、以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、この発明の実施形態は、請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
本発明の実施形態に係る回転電機システムは、図1に示すように、固定子巻線を設けた固定子及び回転子を有する回転電機10と、回転電機10に接続された駆動用電力変換回路20及び発電用電力変換回路30を備える。回転電機10の固定子巻線は、それぞれが複数のコイルCから構成される第1のコイル群C10と第2のコイル群C20からなる。駆動用電力変換回路20は第1のコイル群C10と電気的に接続され、発電用電力変換回路30は第2のコイル群C20と電気的に接続されている。
回転電機10には、固定子とその内部にエアギャップを隔てて挿入された回転子からなる構成を採用可能である。例えば、それぞれコイルが配置された複数のスロットが固定子鉄心に形成された固定子と、回転子鉄心に複数のロータバーが配置された回転子を有する、かご形誘導電動機などの誘導電動機の構造を採用できる。或いは、回転子の回転子鉄心に永久磁石を配置した永久磁石同期型電動機などの同期電動機の構造を採用することもできる。
第1のコイル群C10は、回転電機10の回転子を回転させる回転磁界を発生させる。例えばそれぞれのコイルCに位相をずらした電流を流すことによって回転磁界を生じさせるように、第1のコイル群C10を構成するコイルCが配置される。回転磁界を発生させる電流は、駆動用電力変換回路20から第1のコイル群C10に供給される。つまり、駆動用電力変換回路20は、回転電機10の回転子を回転させる駆動用多相交流回路を第1のコイル群C10と構成するように、第1のコイル群C10に接続されている。
第2のコイル群C20は、回転電機10の回転子の回転による誘導起電力によって電力を発生させるように配置されている。発生した電力は、発電用電力変換回路30を介して外部に出力される。発電用電力変換回路30は、発電された電力を外部に出力させる発電用多相交流回路を構成するように、第2のコイル群C20に接続されている。
このように、回転電機10の固定子巻線が、回転電機10を力行させるモータ駆動動作のための第1のコイル群C10と、回転電機10により電力を出力する発電動作のための第2のコイル群C20とに分けられている。これにより、回転電機10の回転子を回転させるモータ駆動動作と、電力を発生させる発電動作とを同時に行う回転電機システム(以下において、「M&Gシステム」という。)を、1つの回転電機10で実現することができる。
駆動用電力変換回路20は、第1のコイル群C10に流れる電流の位相を制御することにより、回転電機10にモータ駆動動作を行わせる。例えば、第1のコイル群C10が、U相コイル、V相コイル及びW相コイルからなる3相交流回路を構成する場合には、各相のコイルを流れる電流(U相電流、V相電流、W相電流)の位相を調整することにより、回転電機10がモータ駆動動作を行う。駆動用電力変換回路20には、例えばインバータ回路を採用可能である。図2に、第1のコイル群C10がU相コイルCU、V相コイルCV及びW相コイルCWからなり、駆動用電力変換回路20に3相インバータ回路を採用して駆動用多相交流回路を構成した例を示す。駆動用電力変換回路20によって第1のコイル群C10の各コイルに流れる電流の電流値及び位相を調整することにより、回転電機10の発生するトルクを調整することができる。
また、図1に示した回転電機システムでは、発電用電力変換回路30を介して、回転電機10によって発電された電力が発電負荷40に出力される。例えば、発電用電力変換回路30にコンバータ回路を採用することにより、発電負荷40を充電したり、発電負荷40に蓄電された電力を回転電機10に戻して回転子の回転に使用したりできる。
発電用電力変換回路30に採用したコンバータ回路を構成するスイッチング素子のオン状態とオフ状態の期間を調整することにより、回転電機10のモータ駆動動作と発電動作の比率を調整することができる。図3に、第2のコイル群C20が発電用コイルCP1、P2、P3からなり、発電用電力変換回路30に3相コンバータ回路を採用して発電用多相交流回路を構成した例を示す。
上記のように、図1に示した回転電機システムでは、1つの回転電機10について2つの独立した多相交流回路を設定している。これにより、モータ駆動動作と発電動作を同時に行うことができる。
以下に、回転電機10について図4及び図5に示す9スロット集中巻モデルを用いて、回転電機システムの特性を解析した結果を示す。以下では、3相交流方式を採用した場合について例示的に説明する。つまり、第1のコイル群C10が、モータ駆動動作に使用される3相交流回路を構成し、第2のコイル群C20が、発電動作に使用される3相交流回路を構成する。
図4は、M&Gシステムのかご形誘導電動機型の解析モデル(以下において「IMモデル」という。)である。図4に示したIMモデルでは、固定子が、9スロットの固定子鉄心11と、各スロットにそれぞれ配置されたU相コイルCU1、CU2、V相コイルCV1、CV2、W相コイルCW1、CW2、及び、発電用コイルCP1、CP2、CP3を備える。回転子は、回転子鉄心12の円周方向に沿って複数のロータバー13が配置された構造である。
図5は、M&Gシステムの永久磁石同期型電動機型の解析モデル(以下において「PMモデル」という。)である。図5に示したPMモデルでは、固定子はIMモデルと同様であり、回転子は、回転子鉄心12に永久磁石14を埋め込んだ構造である。
図4及び図5に示す解析モデルでは、固定子の9つのスロットのうち3つのスロットに配置された発電用コイルCP1、CP2、CP3が第2のコイル群C20を構成する。そして、固定子鉄心11の残りの6つのスロットに配置されたコイルが、第1のコイル群C10を構成する。
駆動電源50から駆動用電力変換回路20を介して、第1のコイル群C10のU相コイル、V相コイル、W相コイルに位相をずらして電流を流すことにより、回転子が回転し、回転電機10がモータ駆動動作を行う。そして、モータ駆動動作と同時に、第2のコイル群C20によって回転電機10が発電動作を行う。
図6(a)に、第1のコイル群C10によるモータ駆動動作の解析用回路図を示し、図6(b)に、第2のコイル群C20による発電動作の解析用回路図を示す。図6(b)に示すように、発電用電力変換回路30に整流回路を使用し、この整流回路に発電負荷40として負荷抵抗を接続した場合について特性を解析した。なお、回転電機10の定格回転速度が1500rpm、極数が4極であるとして、2次元有限要素法磁界解析を行った。解析に用いたIMモデルとPMモデルの諸元を図7に示す。なお、負荷抵抗の抵抗値を100Ωで一定とした。
図8に、過渡解析から求めたIMモデルのすべり値に対するトルク特性を示す。図8において、特性T(IM)がIMモデルのトルク特性であり、特性T(1)は比較例1の回転電機のトルク特性である。比較例1は3相交流方式の9スロットのかご形誘導電動機であり、各スロットに配置されたコイルの全部がモータ駆動動作に使用される。また、IMモデルの発電動作により得られる発電量を特性W(IM)で示した。
図9に、過渡解析から求めたPMモデルの電流位相の変化に対するトルク特性を示す。図9において、特性T(PM)がPMモデルのトルク特性であり、特性T(2)は比較例2の回転電機のトルク特性である。比較例2は3相交流方式の9スロットの永久磁石同期型電動機であり、各スロットに配置されたコイルの全部がモータ駆動動作に使用される。
図8及び図9に示すように、M&Gシステムのトルクは比較例の回転電機のトルクよりも小さいが、このトルクの差はモータ駆動動作に使用されるコイルの数に起因する。しかし、M&Gシステムでは発電機能により電力が発生しており、総合的な出力は比較例と同等である。
図10に、最大トルク時における発電負荷40に出力される発電量を示す。PMモデルでは磁石による高磁界中で回転子が回転するため、発電量はIMモデルよりもPMモデルで多い。
次に、図8に示したように安定駆動領域であるトルクが0.17Nmでの、IMモデルのモータ駆動動作による機械的出力と発電動作による発電量の総量と、比較例1のモータ駆動動作による機械的出力とを比較する。ここで、「安定駆動領域」は、すべり値が、トルクが最大である領域からより小さい領域である。また、「機械的出力」は、回転電機10の力行している出力である。なお、渦電流を考慮せずに解析した結果で検討する。解析により得られた機械的出力と発電量を、図11に示す。
図11に示すように、M&Gシステムの機械的出力と発電量の総量は、比較例1の機械的出力と同等以上である。即ち、M&Gシステムでは、発電機能を有さない回転電機よりも総合的な出力が減少することはない。
図12(a)及び図12(b)に、図8に示した解析結果の最大トルク時でのすべり値において、ロータバー13の電流を高速フーリエ変換(FFT)解析した結果を示す。図12(a)は比較例1の解析結果であり、図12(b)はIMモデルの解析結果である。比較例1と比べて、IMモデルでは、基本波、及び40次付近と80次付近の高調波成分の減少が見られる。つまり、M&Gシステムでは、比較例1に比べて損失が減少する。また、高調波成分の減少が回転子の逆回転に起因するのであれば、逆回転が発電動作に寄与して発電量が増大したことが考えられる。
以上に説明したように、本発明の実施形態に係る回転電機システムでは、回転電機10の回転子の円周方向に沿って配列された一連のコイルの一部がモータ駆動動作に使用され、残りのコイルが発電動作に使用される。このため、回転電機10は、部分負荷状態である場合に、モータ駆動動作と発電動作を同時に行う。その結果、回転電機は全出力状態になり、高効率の動作を実現できる。
したがって、図1に示した回転電機システムによれば、消費エネルギーが低減され、効率の低下を抑制できる。例えば、この回転電機システムは、電気自動車やハイブリッド自動車の電費や燃費の向上に有効であり、一回の充電当たりの走行距離が拡大する。
なお、発電用電力変換回路30にコンバータ回路を使用し、発電用電力変換回路30にバッテリーを接続することにより、発電動作により発生させた電力がバッテリーを充電する。バッテリーに蓄電された電力は、例えば最大出力時のモータ駆動動作に使用することができる。
実施形態に係る回転電機システムでは、第1のコイル群C10と第2のコイル群C20の構成を調整することにより、回転電機10の出力や回転数に応じて高効率になるようにモータ駆動動作と発電動作の出力の比率を選択することができる。これにより、低出力から高出力、低速から高速の広範囲に亘って、効率を向上できる。
また、エレベータなどの電動機を使用する設備では、停電などによって外部からの電力の供給が停止すると、設備が動作しなくなる。しかし、これらの設備に実施形態に係る回転電機システムを適用することにより、発電動作によって充電されたバッテリーによって設備を動作させることができる。このため、例えば、停電により停止したエレベータを所定の階まで移動させたり、エレベータでの人の閉じ込めを防止したりできる。
なお、上記では、回転電機10が9スロットである場合を検討したが、スロットの数が9つ以外であってもよいことはもちろんである。例えば、第1のコイル群C10及び第2のコイル群C20が3相交流回路を構成する場合には、スロットの総数が3の他の倍数であればよい。
また、第1のコイル群C10及び第2のコイル群C20が3相以外の交流回路を構成してもよい。即ち、回転子を回転させる回転磁界を発生させる多相交流回路を第1のコイル群C10によって構成し、且つ、回転子の回転による誘導起電力によって電力を発生させる多相交流回路を第2のコイル群C20によって構成できればよい。
第1のコイル群C10のコイル数と第2のコイル群C20のコイル数は、回転電機システムに要求されるトルクなどに応じて任意に設定可能である。例えば、大きなトルクが必要であるが高速走行が不要な自動車を駆動する場合では、第1のコイル群C10を構成するコイルの個数を多くし、第2のコイル群C20を構成するコイルの個数を少なくする。一方、高速走行が必要であるがトルクは小さくてもよい自動車を駆動する場合では、第1のコイル群C10を構成するコイルの個数を少なくし、第2のコイル群C20を構成するコイルの個数を多くする。
図13に、自動車の速度とトルクの関係を示す。図13において、点Pで示した位置において最高効率である。点Pから離れるほど、効率は低下する。図13に示すように、低速走行領域R1及び高速走行領域R2のいずれにおいても最高効率ではない。これは、低速走行から高速走行のすべての領域において一定以上の効率を維持するためである。
このため、発電機能を有さない回転電機では、低速走行領域R1及び高速走行領域R2における効率と最高効率との差が、効率の低下になる。しかし、M&Gシステムでは、最高効率との差分が発電に使用されるため、効率の低下が抑制される。
ところで、単相のコイルを複数有する固定子巻線を回転電機10の固定子に設けてもよい。例えば、図14に示すように、固定子巻線のコイルCのそれぞれに独立した電力変換回路60を接続する。図14では、電力変換回路60がフルブリッジの単相インバータ回路で構成された例を示した。電力変換回路60により、それぞれのコイルCに流れる電流の大きさや位相を個別に変化させることができる。これにより、モータ駆動動作の負荷と電力動作の負荷に対応させて、回転電機10の相数や極数を変換したり、第1のコイル群C10を構成するコイルと第2のコイル群C20を構成するコイルを任意に設定したりできる。
通常、回転電機システムについて運転仕様を満足する最適設計を行うと、定格出力近傍で最高効率に設計され、部分負荷状態には効率が大幅に低下する。そこで、本発明の実施形態に係る回転電機システムは、第1のコイル群C10を用いて連続定格出力でモータ駆動動作を行い、第2のコイル群C20を用いて発電動作またはモータ駆動動作を行うことで、システム効率を向上させる。
また、駆動動作にモータを利用した応用システムでは、モータ駆動動作と発電動作を同時に行うことで、エネルギーに関するメリットが得られる。このときの実施形態に係る回転電機システムの作用を、以下に代表的な応用システムについて説明する。
[第1の応用システム]
図15に、実施形態に係る回転電機システムと内燃エンジン70を組み合わせた、ハイブリッド自動車用の応用システムの例を示す。自動車は回転電機10と内燃エンジン70によって駆動される。発電負荷40としてバッテリー40Aが使用され、駆動電源50としてバッテリー50Aが使用される。駆動用電力変換回路20はインバータ/コンバータ回路であり、発電用電力変換回路30はコンバータ/インバータ回路である。
図15に示した応用システムでは、回転電機システムは、発進時にモータとして駆動動作(力行)し、走行時はモータ駆動動作と発電機としての発電動作、加速時と高速道路での走行時はモータ駆動動作、減速と停止のブレーキ時には発電動作を行う。ここで、2種類のコイル群によって異なる逆の動作としてモータ駆動動作と発電動作を同時に行うモードは、特に走行時である。走行時では定格出力の10%〜20%くらいの低出力であり、モータ効率が悪い運転領域である。
このモードでは、モータ駆動動作は第1のコイル群C10のみで行い、第2のコイル群C20は発電動作を行う。したがって、第1のコイル群C10は、モータ出力と発電出力の合計の出力を負担することになる。このとき、合計の出力が定格出力程度の状態になるように発電出力を制御することで、第1のコイル群C10は最高効率で運転できることになる。発電された電力はバッテリー40Aに蓄電される。
内燃エンジン70の効率は、モータよりも大幅に悪く、10%〜30%くらいである。また、内燃エンジン70はモータよりも高効率範囲が更に狭い。このため、上記と同様に内燃エンジン70が高効率範囲で駆動する動作点になるようにモータ出力と発電出力の配分を制御する。したがって、回転電機10によって駆動される内燃エンジン70と回転電機10の総合効率が最高になる動作点で回転電機10が運転されるように、第1のコイル群C10によるモータ駆動動作の出力と第2のコイル群C20による発電動作の出力との出力配分比率を調整する。これによって、ハイブリッド自動車の燃費は大幅に向上する。
バッテリー40Aとバッテリー50Aは共通のバッテリーとして構成してもよい。つまり、共通のバッテリーが駆動用電力変換回路20と発電用電力変換回路30の両方に接続された構成とする。この共通のバッテリーから出力された直流電力は、駆動用電力変換回路20で交流電力に変換されて第1のコイル群C10に供給され、モータ駆動動作に使用される。そして、第2のコイル群C20で発電された交流電力は、発電用電力変換回路30で直流電力に変換されて共通のバッテリーに戻される。このように、モータ駆動用バッテリーと発電用バッテリーを1つのバッテリーで構成して共通に使用してもよい。駆動用電力変換回路20に供給した供給電力と発電用電力変換回路30から戻された発電電力の差が、バッテリーからみてシステム全体で消費した電力になる。供給電力から発電電力を引いた電力の差が負になる場合は、発電動作で増加した電力がバッテリーに蓄積される。
[第2の応用システム]
図16に、実施形態に係る回転電機システムを用いた電気自動車用の応用システムの例を示す。発電負荷40としてバッテリー40Aが使用され、駆動電源50としてバッテリー50Aが使用される。駆動用電力変換回路20はインバータ/コンバータ回路であり、発電用電力変換回路30はコンバータ/インバータ回路である。
図16に示した応用システムでは、回転電機システムの第1のコイル群C10によって連続定格出力時のほぼ一定のトルクでほぼ常時駆動させ、高効率で運転することになる。一方、第2のコイル群C20を用いて出力を可変して運転することになり、更に、運転状態によってはモータ駆動動作と発電動作も変わる。
例えば、発進時は高トルクが要求されるので、第1のコイル群C10の連続定格トルクと発進時の高トルクの差分を、第2のコイル群C20が補う様にモータ駆動動作を行う。走行時で出力が平均的なトルクであれば、第2のコイル群C20による出力を0状態にし、第1のコイル群C10のみで運転する。走行時の必要トルクが連続定格トルクを下回った場合は、連続トルクと走行に必要なトルクの差分の力で第2のコイル群C20を用いて発電動作を行い、バッテリー40Aに電力を蓄える。蓄えた電力は、発進時や加速時にモータ駆動動作に使用する。または、第1のコイル群C10によるモータ出力を必要トルクまで抑えて運転する。いずれにするかは、総合効率の良いパターンで運転することになる。
これらの結果、第1のコイル群C10と駆動用電力変換回路20とバッテリー50Aは、常時ほぼ定常出力である。このため、連続出力で最高効率になる設計にすると、バッテリーを含めた回転電機システムの総合効率はほぼ最高値が得られ、バッテリーの急な出力変動に伴う電力消耗や寿命も大幅に向上する。一方、第2のコイル群C20と発電用電力変換回路30とバッテリー40Aは常時変動した出力を担うことになり、更に出力は短時間で変動し、モータ駆動動作と発電動作でエネルギーの流れの方向も逆になる。そこで、バッテリーに代わりに電気二重層キャパシタを適用することで急速充放電に対応でき、さらに総合効率の向上、またはエネルギー消費量の低減が図れる。最大発電量が多いシステムでは、バッテリーと電気二重層キャパシタを併用する。
なお、第1の応用システムと同様に、バッテリー40Aとバッテリー50Aを共通のバッテリーとして構成してもよい。駆動用電力変換回路20に供給した電力と発電用電力変換回路30から戻された電力の差がシステム全体で消費した電力になり、供給電力から発電電力を引いた電力の差が負になる場合は、発電動作で増加した電力が共通のバッテリーに蓄積される。
[第3の応用システム]
図17(a)及び図17(b)に、鉄道用モータシステムに実施形態に係る回転電機システムを用いた応用システムの例を示す。発電負荷40としてバッテリー40Aが使用され、駆動電源50として図17(a)に示すように直流電源50B又は図17(b)に示すように交流電源50Cが使用される。架線が直流送電であれば、駆動用電力変換回路20はインバータ/コンバータ回路であり、発電用電力変換回路30はコンバータ/インバータ回路である。架線が交流送電であれば、駆動用電力変換回路20は整流・インバータ/コンバータ回路であり、発電用電力変換回路30はコンバータ/インバータ回路である。
図17に示した応用システムでは、発進時は全てモータ駆動動作、減速時は全て発電動作である。一方、走行時には、第1のコイル群C10によってモータ駆動動作を最高効率点のトルクで行い、且つ、第2のコイル群C20による発電動作を行い、バッテリー40Aに蓄電するか、満充電であれば架線を介して系統にも電力を送る。
鉄道では、供給電力は通勤時間帯に瞬時的に最高値になる。このときに上記の発電動作によってバッテリー40Aに蓄電した電力をモータ駆動に使用することにより、電力システムの最大供給電力を抑えることができる。これによって、鉄道の電力システムの短時間的な最大供給電力を増加することができる。または、電力設備の電力容量を削減できる。惰行運転時の発電も同様である。図17に示した応用システムは、鉄道用モータ以外にも、工場、ビル、エレベータ駆動用などに適用できる。
上記のように、実施形態に係る回転電機システムの発電用電力変換回路30は、発電負荷40に蓄電された電力を第2のコイル群C20に供給し、回転子を回転させる回転磁界を発生させる機能も併せて有する。つまり、発電用電力変換回路30及び発電負荷40は、電力を発電負荷40に蓄電する場合とは逆のエネルギーの流れとして、発電負荷40に蓄電された電力を第2のコイル群C20に供給し、回転電機10の回転子を回転させる回転磁界を発生させる機能を実現する。
図18に、回転電機システムを産業システムや社会システムに用いた応用システムにおける、高効率運転するための動作点のシフトを示す。図18は、縦軸をトルク、横軸を速度とし、効率分布を等高線で示したグラフであり、運転特性と効率分布上での動作点を示している。図18に実線で示した矢印Eの向きに効率は増加し、中心の点Pにおいて最も効率が高い。
図18において、高負荷時の高トルクThと連続低負荷時の連続定格トルクTmとの差分が、モータ駆動動作でのモータトルクTMである。連続低負荷時の連続定格トルクTmと軽負荷時の低トルクTlとの差分が、発電動作での発電トルクTWである。
起動時は全てモータ駆動動作、減速時は全て発電動作になるが、軽負荷での運転時では、第1のコイル群C10により最高効率点のトルクでモータ駆動動作を行い、同時に、第2のコイル群C20による発電動作を行ってバッテリー40Aに蓄電する。工場などの産業システムでは、工場やビルの電源設備の供給電力が夏期午後の瞬時的に最高値になる場合に、上記の発電動作によってバッテリー40Aに蓄電した電力をモータ駆動動作に使用することで、電源設備の最大供給電力を抑えることができる。これによって、工場やビルなどの電源設備の短時間的な最大供給電力を増加することができる。または、電力設備の電力容量を削減できる。更に、瞬時停電時にもバッテリーに蓄電された電力でモータ駆動動作が継続されるので、工場のラインが停止することなく稼働できる。
上記のように、モータ駆動動作と発電動作を同時に行うことによって、回転電機システムの動作点が高効率領域にシフトする。
エレベータの駆動用モータに実施形態に係る回転電機システムを適用した場合、搭載重量が軽い場合は第1のコイル群C10によって最高効率点のトルクでモータ駆動動作を行い、第2のコイル群C20による発電動作を行ってバッテリー40Aに蓄電する。工場やビルと同様に電源設備の供給電力が夏期午後の瞬時的に最高値になる場合は、上記の発電動作によってバッテリー40Aに蓄電した電力をモータ駆動動作に使用することで、エレベータの電源設備の最大供給電力を抑えることができる。これによって、エレベータの電源設備の短時間的な最大供給電力を増加することができる。または、電力設備の電力容量を削減できる。さらに瞬時停電時にもバッテリーに蓄電した電力でモータ駆動動作を継続できので、エレベータに閉じ込められることなく、停電時にもエレベータを稼働できる。
ところで、電圧制限がある電源でモータを可変速運転する場合において、ハイブリッド自動車や電気自動車、省エネルギー機器用として主流の永久磁石同期型電動機では、弱め磁束制御によって可変速運転が可能である。弱め磁束制御は、d軸電流による電機子反作用磁束によって界磁磁束と合成のd軸磁束を減少させて電圧を抑制する。しかし、q軸電流によるq軸磁束は残るので、これによる電圧は抑制できず、高速回転速度で高周波になると弱め磁束制御を行ってもq軸磁束による電圧で駆動が困難になる。
これに対し、実施形態に係る回転電機システムは、第1のコイル群C10によりモータ駆動動作を行い、第2のコイル群C20により発電動作を行う。この場合、トルクと出力の大きさを決めるq軸電流は逆方向になる。つまりモータ駆動動作のトルク電流を正のq軸電流とすると、発電動作のトルク(出力)電流は負のq軸電流になる。
したがって、q軸電流で形成されたq軸磁束によって発生する電圧(電気回路的にはq軸インダクタンスLqによる電圧V(Lq、Iq))は互いに逆方向成分になる。このため、合計の電圧は低減され、ほぼゼロ(V(Lq、Iq)+V(Lq、-Iq)=0)にすることもできる。したがって、本発明の実施形態に係る回転電機システムを適用すると、合成の端子電圧は大幅に低減され、更には界磁磁束によるd軸磁束の誘導起電力のみが合成の電圧となり、合成の負荷電圧と電源電圧まで差分の電圧が拡大し、更に差分の電圧に相当する速度比率で最高速度が高くなり、可変速範囲を拡張できる。即ち、低速から高速まで広い可変速範囲で運転できる。
上記のように、実施形態に係る回転電機システムでは、第1のコイル群C10にq軸電流を流し、第2のコイル群C20に第1のコイル群C10とは逆の極性のq軸電流を流して、負荷時の回転電機10の端子電圧を減少させる制御を行う。これにより、可変速範囲が拡張される。上記の内容を、以下に電圧ベクトル図によって示す。
図19(a)、図19(b)及び図20(a)、図20(b)は、可変速運転駆動を行うシステムに実施形態に係る回転電機システムを適用することによる電圧低減効果を説明するための電圧ベクトル図である。図19(a)、図19(b)は、中・高回転速度で高出力(中・低トルク)運転の範囲での電圧ベクトル図である。図20(a)、図20(b)は、低速回転で高トルクの運転範囲での電圧ベクトル図である。なお、図19(a)及び図20(a)は、発電機能を有さず、モータ駆動動作のみを行う比較例の回転電機システムの電圧ベクトル図である。図19(b)及び図20(b)は、実施形態に係る回転電機システムの電圧ベクトル図である。
図19(a)において、誘導電圧V0(a1)は弱め磁束制御や可変磁力で低減した誘導電圧であり、誘導電圧V0(a2)は弱め磁束制御なしでの界磁磁束による誘導電圧である。弱め磁束制御や可変磁力で低減した合成磁束の負荷電圧VL(a1)は、モータ駆動動作における正のq軸電流による電圧+Vdと誘導電圧V0(a1)との合成の電圧である。負荷電圧VL(a1)は、誘導電圧V0(a1)よりも大きい。一方、弱め磁束制御なしでの合成磁束の負荷電圧VL(a2)は、電圧+Vdと誘導電圧V0(a2)との合成の電圧である。負荷電圧VL(a2)は、誘導電圧V0(a2)よりも大きい。
図19(b)において、誘導電圧V0(b1)は弱め磁束制御や可変磁力で低減した誘導電圧であり、誘導電圧V0(b2)は弱め磁束制御なしでの誘導電圧である。電圧+Vdはモータ駆動動作における正のq軸電流による電圧であり、電圧−Vdは発電動作における負のq軸電流による電圧である。図19(b)に示すように、磁束制御や可変磁力で低減した合成磁束の負荷電圧VL(b1)は、巻線抵抗を無視すれば、誘導電圧V0(b1)とほぼ同様である。
図19(a)に示した負荷電圧VL(a1)と図19(b)に示した負荷電圧VL(b1)との比較から、実施形態に係る回転電機システムによれば、比較例に比べて負荷電圧が大幅に低減される。このため、最高速度が拡大する。
図20(a)において、比較例の合成磁束の負荷電圧VL(a)は、界磁磁束による誘導電圧V0(a)とモータ駆動動作における正のq軸電流による電圧+Vdとの合成の電圧である。図20(b)において、実施形態に係る回転電機システムの合成磁束の負荷電圧VL(b)は、界磁磁束による誘導電圧V0(b)とほぼ同等である。図20(a)と図20(b)との比較においても、実施形態に係る回転電機システムによれば、比較例に比べて負荷電圧が大幅に低減される。このため、最高速度が拡大する。
以下に、M&GシステムのPMモデルとモータ駆動動作のみを行う比較例のMモデルについて、負荷電圧を解析した結果を示す。PMモデルとMモデルは、3相交流方式の9スロットの永久磁石同期型電動機である。
比較例のMモデルでは、負のd軸電流を流すことによって弱め磁束制御を行う。一方、PMモデルでは、発電機側の電流位相をq軸方向の磁束のみを打ち消すように調整する。
なお、PMモデルには、図21に示すように、それぞれのスロットにモータ駆動動作のための第1のコイル群C10と発電動作ための第2のコイル群C20の両方が配置された構成を使用した。即ち、回転子の全周にわたって第1のコイル群C10と第2のコイル群C20が配置されている。このため、回転子を滑らかに回転させることができる。例えば、それぞれのスロットのコイルを2:1に分割し、中心側のコイルを第1のコイル群C10として使用し、外周側のコイルを第2のコイル群C20として使用する。第1のコイル群C10と第2のコイル群C20は、例えばインバータ回路により駆動される。
解析に使用したPMモデルのコイルのターン数は、第1のコイル群C10が40、第2のコイル群C20が20である。一方、Mモデルのコイルのターン数は62である。
図22に、PMモデル及びMモデルの電流位相の変化に対する負荷電圧の特性を示す。図22において、特性PMがPMモデルの負荷電圧の特性であり、特性MがMモデルの負荷電圧の特性である。なお、PMモデルの第1のコイル群C10のターン数がMモデルのターン数の3分の2であるため、PMモデルについては算出された負荷電圧を3/2倍した数値を示している。図22に示すように、すべての電流位相において負荷電圧はPMモデルの方がMモデルよりも小さい。
Mモデルでは、負のd軸電流を流して弱め磁束制御を行う。モータ駆動に直接寄与しない電流を流すことになるため、効率が悪い。特に高速回転させるほど、負のd軸電流を増大させる必要があり、効率が低下する。これに対し、PMモデルでは、q軸方向の磁束を発電用のコイルによって打ち消すことにより等価的な弱め磁束制御を実現する。負のd軸電流を流さないため、Mモデルよりも鉄損が減少し、高効率化できる。また、誘起電圧の低減により出力範囲の広いモータを実現できる。
図23に、MモデルとPMモデルの力率を解析した結果を示す。図23に示すように、PMモデルの方がMモデルよりも力率が高い。また、Mモデルでは電流が定格電流の2.75Armsから2倍の5.50Armsまで増大することにより力率が低下する。これに対し、PMモデルでは、電流が同様に増大しても力率は低下しない。
<第1の変形例>
図24に、本発明の実施形態の第1の変形例を示す。図24に示した回転電機システムは、発電用電力変換回路30を有さない点が図1と異なる。その他の構成については、図1に示した回転電機システムと同様である。
図24に示した回転電機システムでは、回転電機10によって発電した電力が、第2のコイル群C20から外部に直接出力される。例えば、回転電機システムの発電動作を単独の交流電源として利用するシステムの場合、減速時などに生じる回生エネルギーを交流電力のまま負荷に出力するようにしてもよい。
<第2の変形例>
図25に、本発明の実施形態の第2の変形例を示す。図25に示した回転電機システムは、駆動用電力変換回路20を有さない点が図1と異なる。その他の構成については、図1に示した回転電機システムと同様である。
図25に示した回転電機システムでは、回転電機10を駆動する電力が、駆動用電力変換回路20を介さずに、第1のコイル群C10に直接入力する。例えば、商用電源から供給される電力を第1のコイル群C10に供給して回転電機10を駆動してもよい。
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記では回転電機10がかご形誘導電動機や永久磁石同期型電動機の構造である場合について検討したが、回転電機10が他の構造の誘導電動機や同期電動機の構造であってもよい。或いは、誘導電動機や同期電動機以外の、例えば直流電動機などの他の構造を回転電機10に採用してもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態などを含むことはもちろんである。
本発明の回転電機システムは、モータ駆動動作と発電動作を同時に行う回転電機システムに利用可能である。

Claims (11)

  1. 固定子巻線を設けた固定子及び回転子を有する回転電機を備え、
    前記固定子巻線が、
    前記回転子を回転させる回転磁界を発生させる第1のコイル群と、
    前記回転子の回転による誘導起電力によって電力を発生させる第2のコイル群と
    からなり、
    前記回転子の円周方向に沿って配列された複数のスロットにそれぞれ配置された一連のコイルの一部を前記第1のコイル群として使用し、前記一連のコイルの残りのコイルを前記第2のコイル群として使用し、
    前記回転電機の出力および回転数に応じて前記第1のコイル群と前記第2のコイル群の構成を調整し、要求されるトルクが大きいほど前記第1のコイル群のコイルの個数を多くし且つ前記第2のコイル群のコイルの個数を少なくする
    ことを特徴とする回転電機システム。
  2. 前記回転子を回転させる駆動用多相交流回路を前記第1のコイル群と構成する駆動用電力変換回路を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の回転電機システム。
  3. 前記駆動用電力変換回路において前記第1のコイル群に流れる電流の電流値及び位相を調整することにより、前記回転電機の発生するトルクを調整することを特徴とする請求項2に記載の回転電機システム。
  4. 前記回転電機の回転によって発生した前記電力を外部に出力させる発電用多相交流回路を前記第2のコイル群と構成する発電用電力変換回路を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転電機システム。
  5. 前記発電用電力変換回路を構成するコンバータ回路のスイッチング素子のオン状態とオフ状態の期間を調整することにより、前記回転子を回転させるモータ駆動動作と前記電力を発生させる発電動作の比率を調整することを特徴とする請求項4に記載の回転電機システム。
  6. 前記発電用電力変換回路から出力される前記電力を蓄電する発電負荷を更に備え、
    前記発電負荷に蓄電された前記電力を前記回転子の回転に使用することを特徴とする請求項4又は5に記載の回転電機システム。
  7. 前記発電用電力変換回路及び前記発電負荷が、前記電力を前記発電負荷に蓄電する場合とは逆のエネルギーの流れとして前記発電負荷に蓄電された前記電力を前記第2のコイル群に供給し、前記回転子を回転させる回転磁界を発生させる機能を実現することを特徴とする請求項6に記載の回転電機システム。
  8. 前記第1のコイル群及び前記第2のコイル群のそれぞれが、3相交流回路を構成していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回転電機システム。
  9. 前記回転電機によって駆動される装置と前記回転電機の総合効率が最高になる動作点で前記回転電機が運転されるように、前記第1のコイル群によるモータ駆動動作の出力と前記第2のコイル群による発電動作の出力との出力配分比率を調整することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の回転電機システム。
  10. 前記第1のコイル群にq軸電流を流し、前記第2のコイル群に前記第1のコイル群とは逆の極性のq軸電流を流すことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の回転電機システム。
  11. 前記第1のコイル群にq軸電流を流し、前記第2のコイル群に前記第1のコイル群とは逆の極性のq軸電流を流して、負荷時の前記回転電機の端子電圧を減少させる制御を行うことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の回転電機システム。
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