JP3887194B2 - 磁束制御装置を持つ永久磁石式発電・電動機 - Google Patents

磁束制御装置を持つ永久磁石式発電・電動機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は,永久磁石板式ロータ,該ロータの外周に配置されたステータ及び前記ロータから前記ステータへの磁束密度を制御する磁束制御装置から成る磁束制御装置を持つ永久磁石式発電・電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年,永久磁石の性能が向上するに従って永久磁石を発電・電動機の回転子即ちロータとして使用される機会が増加してきた。また,永久磁石をロータに構成した発電・電動機は,高い発電効率又は電動効率が得られることと,簡単な構造で構成できるということから,最近,工業用機器に多く使用されるようになった。そこで,発電・電動機をコンパクト化したり,高性能化,高出力化する技術の開発が盛んになり,それに伴って構成部品の多様化が必要となっている。
【0003】
また,特開平7−236260号公報に開示された高出力交流発電・電動機は,回転速度に応じて磁束密度を制御して発電量を適正に制御するものであり,ロータとステータとの間に制御リングを相対回転可能に配置し,制御リングに接離可能な透磁性体を設けたものである。
【0004】
ところで,自動車用発電機では,その電力発電特性は,通常,自動車機器類用は12Vと24Vが用いられ,産業機器駆動用は100V又は200Vが用いられているので,この電力に合致した電力を供給する必要がある。また,永久磁石を用いた高出力の電動機では,永久磁石の磁束が決まっているので,低速トルクを大きくするためには,永久磁石を大きくするか又は電流を大きくし,巻線の巻き数を増加させ,ステータ側の磁力を増し,そのトルクを大きくしなければならない。また,電動機でトルクを大きくするためには,ステータコアへの巻線の線材の線径を太くし,大電流を流し,ステータの磁力を増加させる必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,三相発電機の出力は,120°ずつ位相がずれているので,その電力を整流すると,電圧の変化が小さくなり,信頼性に富んだ直流を得ることができる。しかしながら,自動車等に搭載された発電機の回転数はエンジン速度に応じて常に変動しているので,その状況に応じてステータに巻き上げた巻線の巻線数の制御が必要であると共に,ロータからステータへ流れる磁束密度を変更制御する必要がある。しかしながら,発電機における巻線数の制御装置や磁束密度の変更制御装置は,簡単でシンプルである程,実用性に富んでいることは言うまでもない。
【0006】
磁束制御装置は,永久磁石部材からの磁力が通る磁路を構成している部分の磁路抵抗を増減させるため,ステータのステータコアを構成する櫛部の内周面と磁束制御装置の透磁部の外面とを重ね合わせたり,離したりする制御が必要で,両者が重なって整合している時には永久磁石部材からの磁束は透磁部から櫛部へスムースに流れるが,磁力を減少させるために磁束制御装置を揺動させると,磁束が減少し,一方,磁束制御装置には元に戻そうとする力が働く。そこで,磁束制御装置を揺動させるため,直流モータやステッピングモータで磁束制御装置を揺動作動させているが,永久磁石部材からの磁力が大きいと,磁束制御装置の揺動のための作動力も大きくなる。磁束制御装置の揺動のための作動力を小さくした方が,磁束制御装置の動作も早くなり,発電される電圧も一定電圧に維持し易くなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的は,透磁部と非透磁部とを交互に配置した磁束制御装置をロータとステータとの間に配置し,磁束制御装置をステータに対して揺動移動させてずらすことによってロータからステータへの磁束密度を変化させて一定電圧に制御する場合に,磁束制御装置の作動によって発生する反力を低減させ,磁束制御装置の作動力を低減し,一定電圧を容易に発電させる磁束制御装置を持つ永久磁石式発電・電動機を提供することである。
【0008】
この発明は,ハウジングに回転可能に支持された永久磁石部材を備えたロータ,前記ロータの外周側で前記ハウジングに固定され且つ周方向に隔置して櫛部間のスロット部に配設された巻線を備えたステータ,前記ロータと前記ステータとの間に介在された磁束制御装置,前記磁束制御装置を前記ステータに対して移動させるアクチュエータ,及び前記アクチュエータを作動して前記磁束制御装置を前記ステータに対して移動させて前記永久磁石部材から前記ステータの前記櫛部へ流れる磁束を制御するコントローラを有し,前記スロット部に配設された前記巻線は互いに逆方向に巻き上げられた高圧側巻線と低圧側巻線とから成り,前記コントローラは,前記磁束制御装置を移動させることに応答して前記高圧側巻線で発生する電力に同期してスイッチを瞬時にON−OFFして前記低圧側巻線に前記高圧側巻線とは逆方向の電流を流し,前記低圧側巻線によって前記ステータの磁路に逆方向の磁力を発生させて前記磁束制御装置の作動力を小さくすることから成る永久磁石式発電・電動機に関する。
【0009】
この永久磁石式発電・電動機は,前記高圧側巻線の出力端子と前記低圧側巻線の出力端子とはスイッチング機構を介して接続され.前記コントローラは,前記磁束制御装置の作動に応答して前記高圧側巻線の電力に同期して前記スイッチを瞬時にON−OFFすると共に前記スイッチング機構を作動して前記高圧側巻線と前記低圧側巻線とを接続し,前記高圧側巻線の電流の一部を前記前記低圧側巻線に流して前記ステータの磁路に逆方向の磁力を発生させて前記磁束制御装置の作動力を小さくすることができる。
【0010】
前記高圧側巻線の出力端子線と前記低圧側巻線の出力端子線との間にコンデンサとスイッチをそれぞれ配置し,前記ロータの回転が大きい時に前記スイッチをOFFし,回転が小さい時に前記スイッチをONし,前記出力端子線間の電圧を調整し,電圧を一定に保たせる。
【0011】
また,この永久磁石式発電・電動機は,前記高圧側巻線と前記低圧側巻線とは,周方向に電気角120°ずつ位相がずれた三相にそれぞれ巻き上げられ,前記コントローラは,前記磁束制御装置の作動に応答して前記高圧側巻線の電力に同期して前記スイッチを瞬時にON−OFFして前記低圧側巻線に前記高圧側巻線とは逆方向の電流を流し,前記ステータの磁路における磁力を減少させて前記磁束制御装置の作動力を小さくすることができる。
【0012】
前記アクチュエータは,直流モータ又はステッピングモータで構成されているものである。
【0013】
前記磁束制御装置は,前記ステータの前記スロット部の幅より小さい幅を有する前記櫛部に接触可能な透磁部と該透磁部間が凹部に形成され且つ隣接する前記透磁部を互いに連繋する透磁性のブリッジ部とからリング状に形成され,前記コントローラは,前記アクチュエータを作動して前記透磁部の前記櫛部に対する揺動量を制御して前記透磁部から前記櫛部へと流れる磁束を制御する。
【0014】
この永久磁石式発電・電動機は,前記磁束制御装置の作動によって前記透磁部の外面が前記櫛部の内面に対向した密接整合状態から非整合状態に制御され,前記透磁部から前記櫛部への前記磁束が制御される。
【0015】
前記コントローラは,前記ロータの低速時には前記アクチュエータを作動して前記透磁部と前記櫛部とを密接状態にする制御を行い,前記ロータの高速時には前記アクチュエータを作動して前記透磁部を前記櫛部間の前記スロット部へと移動させて前記櫛部との接触面積を低減させる制御を行う。
【0016】
前記コントローラは,前記ロータの前記ステータに対する回転速度と前記ステータの前記櫛部を流れる磁束との積が一定になるように,前記アクチュエータによって前記磁束制御装置を揺動させて予め決められた所定の一定の電圧を発電させる制御を行う。
【0017】
この永久磁石式発電・電動機は,上記のように,高圧側巻線と低圧側巻線とが互いに逆方向に巻き上げられているので,磁束制御装置の揺動作動に応答して高圧側巻線の電力に同期してサイリスタスイッチ等のスイッチを瞬時にON−OFFして低圧側巻線に電流を流し,その逆向きの電流によってステータの磁路に逆方向の磁力を発生させ,磁束制御装置の揺動作動で発生する反力を低減し,磁束制御装置の揺動作動をスムースにし,発生する電圧を常に一定電圧に容易に制御することができる。
【0018】
また,この永久磁石式発電・電動機は,例えば,三相交流を発電させる巻数の多い巻線である高圧側巻線と巻数の少ない巻線である低圧側巻線とについて,巻線を逆向きに電流が流れるように巻き上げ,高圧側巻線と低圧側巻線とをスイッチを介して結線した場合には,スイッチを瞬時にON−OFFさせて低圧側巻線に電流を瞬時に流すと,高圧側巻線によって発生している磁界を減少させる方向に電流が流れる。即ち,低圧側巻線の逆向きの電流が高圧側巻線に流れてその分だけ高圧側巻線の電流が低減され,低圧側巻線によってステータの櫛部に逆磁界が発生し,ステータの磁路の磁束が低減し,磁束制御装置の揺動作動で発生する反力を低減し,磁束制御装置の揺動作動をスムースにし,発生する電圧を常に一定電圧に容易に制御できる。この場合に,低圧側巻線に流す電流は瞬時であるので,熱の発生等の問題は発生しない。しかも,ステータコアの磁路の磁力が減少するため,高圧側巻線による電圧も降下するので,相乗効果によって速やかに磁束制御装置の揺動作動が行われ,常に一定電圧に制御することができる。一方,発電・電動機の電圧を制御するためにロータの速度の増加と共に,コイルのインピーダンスが増加し,電圧上昇が制御されるが,低速では,インピーダンスの効果による電圧降下を抑制したいので,出力端子部にコンデンサを挿入することが良い。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下,図面を参照して,この発明による磁束制御装置を持つ永久磁石式発電・電動機の実施例を説明する。この磁束制御装置を備えた永久磁石式発電・電動機は,例えば,自動車等の車両に搭載されたエンジンに設けた発電・電動機,コージェネレーションシステムのエンジンに組み込まれた発電・電動機,ハイブリット自動車のエンジン等の出力軸に取り付けられた発電・電動機,排気ガスエネルギを回収するターボチャージャに組み込まれた発電・電動機,或いはエネルギ回収装置に設けた発電機等の各種の発電・電動機に適用して好ましいものであり,その他に誘導機や直流機のステータにも適用して好ましいものである。
【0020】
この実施例の永久磁石式発電・電動機は,図3に示すように,ステータ4が取り付けられたハウジング1,ハウジング1に一対の軸受13を介して回転可能にそれぞれ支持されている回転軸2,回転軸2に固定されている永久磁石部材5から成るロータ3,ロータ3の外周側に配置され且つハウジング1に固定されているステータ4,ステータ4の内周側にステータ4に対して揺動可能に取り付けられた磁束制御装置7,及び磁束制御装置7をロータ3の回転速度に応じてステータ4に対して揺動移動させるアクチュエータ25から構成されている。ハウジング1は,例えば,両側の一対のハウジング本体30と両ハウジング本体30を連結する中間部のボルト31とから構成されている。また,回転軸2には,例えば,回転軸2の一端部に入力となるベルトプーリ45が固定され,ベルトプーリ45にエンジンの出力軸に取り付けたベルトが掛けられている。また,回転軸2の他端部には,ロータ3やステータ4で発生する熱を放熱するため冷却ファン46が取り付けられている。ロータ3の透磁部材6とハウジング1には,冷却ファン46で発生する冷却風が流れる通風孔28,47が形成されている。
【0021】
ステータ4は,周方向に所定間隔のスロット部11を形成するように隔置された櫛歯状の櫛部10と外周部を形成するリング状継鉄部17から成る薄板積層形のステータコア15,櫛部10に巻き上げられるようにスロット部11内に配設された巻線14,及び巻線14を成形固定するためスロット部11内に配設された非磁性材53から構成されている。巻線14は,図1に示すように,例えば,櫛部10に右巻きに巻き上げられた巻数の多い高圧側巻線18(図2の三相電流では,18U−18V−18W)と,同一の櫛部10に左巻きに巻き上げられた巻数の少ない低圧側巻線19(図2の三相電流では,19U−19V−19W)とから構成されている。ステータコア15におけるスロット部11と櫛部10との内周側には,磁束制御装置7が接触状態に且つステータ4に対して揺動移動可能に配置されている。磁束制御装置7は,ハウジング1に軸受を介して回転又は揺動自在に取り付けるか,又は軸受を使用することなく,ステータコア15に回転自在に接触状態に嵌合させることによってステータコア15に対して回転可能に取り付けることができる。
【0022】
ロータ3は,図3に示すように,回転軸2の外周に取り付けられた冷却用の通風孔28を備えた透磁部材6,透磁部材6の外周面に配置された永久磁石部材5,及び永久磁石部材5の外周面に固定された非磁性の補強部材16を備えている。永久磁石部材5は,周方向に隔置して極性が交互に異なる状態に配置され且つ軸方向に延びる永久磁石板片20と,隣接する永久磁石板片20間に介在された非磁性材21とから構成されている。また,非磁性材21は,巻線14の発熱によって溶損しない耐熱性材料で構成されている。また,透磁部材6は,例えば,透磁材と非磁性材が周方向に交互に配置して軸方向に延びて円筒状に形成されている。この永久磁石式発電・電動機は,ロータ3の一端には,回転軸2に設けられたねじ32に押さえ板34を介して固定ナット33が螺入され,他端には回転軸2に固定された押さえ板35とスペーサ29が設けられ,固定ナット33で締め付けることによってロータ3が回転軸2の所定位置に固定されている。また,磁束制御装置7とロータ3との間には,可及的に小さい隙間22が形成されている。
【0023】
この永久磁石式発電・電動機は,ステータ4とロータ3との間でステータ4に対して揺動可能に配置された磁束密度を調整して電圧を制御する磁束制御装置7,磁束制御装置7をステータ4に対してロッド26を介して揺動させるアクチュエータ25,及びロータ3の回転速度に応答して磁束制御装置7の揺動量を制御するコントローラを有する。磁束制御装置7は,特に,外周側がステータ4の櫛部10と同数であって凹部12で隔置された櫛部10に接触可能な透磁性突起部である透磁部8と,内周側が透磁部8を互いに連繋するブリッジ部9とから構成されたリング状連続体に形成されている。また,アクチュエータ25は,例えば,直流モータ又はステッピングモータで構成されている。透磁部8は,ステータ4のスロット部11の幅より小さい幅を有する。コントローラは,アクチュエータ25を作動して透磁部8の櫛部10に対する揺動量を制御して透磁部8から櫛部10へと流れる磁束を制御する。
【0024】
また,磁束制御装置7の透磁部8は,周方向に隔置して配置され且つステータ4の櫛部10間のスロット部11の幅より小さい幅を有する断面四角形状に形成され,その外面23が櫛部10の内面24に対向状態に接触可能に構成されている。更に,磁束制御装置7は,透磁部8とブリッジ部9との境界における磁束の流れをスムースにするため,透磁部8に形成された凹部12の角部がR部42に形成されている。即ち,磁束制御装置7の透磁部8は,ロータ3側の内側部が周方向に幅広になる張り出し部となるR部42に形成されている。従って,磁束制御装置7のブリッジ部9は,永久磁石部材5からの磁束の流れをスムースにして磁束の漏れを低減する集磁部として機能する。
【0025】
コントローラは,磁束制御装置7のステータ4に対する揺動移動によって,透磁部8の外面23と,櫛部10の内面24との対向面積即ち接触面積との量を制御するように構成されている。コントローラの指令によって磁束制御装置7がステータ4に対して相対揺動すると,透磁部8の外面23と櫛部10の内面24との密接状態は調整され,磁束制御装置7の透磁部8からステータコア15の櫛部10へ流れる磁束が制御されることになる。例えば,コントローラは,図4及び図5に示すように,ロータ3の低速時にはアクチュエータ25を作動して透磁部8と櫛部10との合口が整合状態になる制御を行い,また,ロータ3の高速時には,図6に示すように,アクチュエータ25を作動して透磁部8を櫛部10間のスロット部11へと移動させ,櫛部10との対向面積を低減させる制御を行う。また,コントローラは,ロータ3のステータ4に対する回転速度,即ち,周波数fとステータ4の櫛部10を流れる磁束φとの積(=f×φ)が一定になるように,アクチュエータ25によって磁束制御装置7を揺動させて予め決められた所定の一定の電圧を発電させる制御を行う。
【0026】
また,磁束制御装置7の透磁部8の周方向の幅は,ステータ4の櫛部10の周方向の幅と同一,又は少なくとも80%程度に形成されている。透磁部8は,例えば,比透磁率の優れたNi−Fe−Mo系パーマロイ合金から成る磁性合金板材を積層して形成されている。例えば,透磁部8は,PBパーマロイ(47Ni−Fe)及び/又はPCパーマロイ(79Ni−4Mo−Fe)で作製されている。また,この永久磁石式発電・電動機では,ステータ4の櫛部10の周方向の幅は,磁束制御装置7の透磁部8の周方向の幅の1.2〜1.5倍に設定されている。
【0027】
この永久磁石式発電・電動機は,特に,アクチュエータ25を作動して磁束制御装置7をステータ4に対して揺動移動させる際に,磁束制御装置7の移動を元に戻そうとする反力を低減させて磁束制御装置7の作動をスムースにすることであり,コントローラは,ロータ3の回転速度に応答して永久磁石部材5から磁束制御装置7の透磁部8を経てステータ4の櫛部10へ流れる磁束を制御するものである。そのために,スロット部11に配設された巻線14は,互いに逆方向に巻き上げられた高圧側巻線18と低圧側巻線19とから構成されている。特に,コントローラは,磁束制御装置7を移動させることに応答して高圧側巻線18で発生する電力に同期してスイッチ27(27A,27B,27C)を瞬時にON−OFFし,互いに同位相である低圧側巻線19に高圧側巻線18で発生する電流と逆方向の電流を流し,低圧側巻線19によってステータ4の磁路に逆方向の磁力を発生させて磁束制御装置7の作動力を小さくする制御を行う。
【0028】
この永久磁石式発電・電動機は,高圧側巻線18の出力端子38と,低圧側巻線19の出力端子39とはスイッチング機構を介して接続され.コントローラは,磁束制御装置7の作動に応答して高圧側巻線18の電力に同期してスイッチ27を瞬時にON−OFFすると共に,スイッチング機構を作動して高圧側巻線18と低圧側巻線19とを接続し,高圧側巻線18の電流の一部を低圧側巻線19に流してステータ4の磁路に逆方向の磁力を発生させて磁束制御装置7の作動力を小さくする。
【0029】
この永久磁石式発電・電動機は,具体的な配線については図2に示すように,巻数の多い高圧側巻線18U−18V−18W(以下,符号18で総称)と巻数の少ない低圧側巻線19U−19V−19W(以下,符号19で総称)とは,周方向に電気角120°ずつ位相がずれた三相にそれぞれ巻き上げられ,コントローラは,磁束制御装置7の揺動作動に応答して高圧側巻線18の電力に同期してスイッチ27A,27B,27Cを瞬時にON−OFFし,互いに同位相である低圧側巻線19に高圧側巻線18で発生する電流と逆方向の電流を流し,ステータ4の磁路における磁力を減少させて磁束制御装置7の作動力を小さくするものである。コントローラは,高圧側巻線18で発生した高圧の電力を主スイッチ48のONによって負荷54で消費させ,また,低圧側巻線19で発生した低圧の電力を主スイッチ51のONによって負荷55で消費させるように構成されている。更に,高圧側巻線18から負荷54への回路中には,電流安定用コンデンサ36とダイオード43が組み込まれており,また,低圧側巻線19から負荷55への回路中には,電流安定用コンデンサ37とダイオード44が組み込まれている。また,高圧側巻線18の出力端子38の線と低圧側巻線19の出力端子39の線との間に電圧上昇用コンデンサ58A,58B,58Cとコンデンサ動用のスイッチ57A,57B,57Cをそれぞれ配置し,ロータ3の回転が大きい時にスイッチ57A,57B,57CをOFFし,ロータ3の回転が小さい時にスイッチ57A,57B,57CをONし,出力端子線38,39間の電圧を調整する。
【0030】
磁束制御装置7の作動によって透磁部8の外面23が櫛部10の内面24に対向した密接整合状態から非整合状態に制御され,透磁部8から櫛部10への磁束が制御される。又は,図示していないが,透磁部をスロット部内に位置させ,透磁部の側面が櫛部の側面に密接状態から離間状態に制御し,透磁部から櫛部への磁束を制御するように構成することもできる。
【0031】
コントローラは,ロータ3の低速時には,アクチュエータ25を作動して透磁部8と櫛部10とを密接状態にする制御を行い,また,ロータ3の高速時には,アクチュエータ25を作動して透磁部8を櫛部10間のスロット部11へと移動させて櫛部10との接触面積を低減させる制御,或いは接触状態から離間させて空隙量によって磁束の流れ量の制御を行う。また,コントローラは,ロータ3のステータ4に対する回転速度とステータ4の櫛部10を流れる磁束との積が一定になるように,アクチュエータ25によって磁束制御装置7を揺動させて予め決められた所定の一定の電圧を発電させる制御を行うものである。
【0032】
【発明の効果】
この発明による磁束制御装置を持つ永久磁石式発電・電動機は,上記のように構成されているので,高圧側巻線に磁力通過によって流れる電流が作る磁力と,低圧側巻線に流れる電流によって作る磁力が相殺されると共に,高圧側巻線で発生した電力が低圧側巻線に流れることにより,永久磁石部材の磁力を減少させ,それによって,磁束制御装置の揺動作動に対する元に戻ろうとする反力が低減され,磁束制御装置の揺動作動をスムースに行うことができ,磁束制御装置の所望の位置への瞬時の移動を可能にしてレスポンスを向上させ,常に一定電圧の発電を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による磁束制御装置を持つ永久磁石式発電・電動機の基本原理を説明する概略図である。
【図2】この発明による磁束制御装置を持つ永久磁石式発電・電動機の一実施例を説明する概略回路図である。
【図3】この発明による磁束制御装置を持つ永久磁石式発電・電動機の一実施例を示す概略断面図である。
【図4】図3に示す永久磁石式発電・電動機のI−I断面であって磁束を絞らない位置に磁束制御装置が揺動した状態を示す断面図である。
【図5】図4に示す磁束制御装置によって磁束が絞られない状態を示す要部を拡大した一部断面図である。
【図6】図4に示す磁束制御装置によって磁束が絞られた状態を示す要部を拡大した一部断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 回転軸
3 ロータ
4 ステータ
5 永久磁石部材
6 透磁部材
7 磁束制御装置
8 透磁部
9 ブリッジ部
10 櫛部
11 スロット部
12 凹部
14 巻線
15 ステータコア
16 補強部材
17 リング状継鉄部
18 高圧側巻線
19 低圧側巻線
20 永久磁石板片
21,53 非磁性材
22 隙間
23 透磁部の外面
24 櫛部の内面
25 アクチュエータ
27,27A,27B,27C スイッチ
36,37 電流安定用コンデンサ
38,39 出力端子
42 R部
43,44 ダイオード
48,51 主スイッチ
54,55 負荷
57A,57B,57C コンデンサ作動用スイッチ
58A,58B,58C 電圧上昇用コンデンサ

Claims (9)

  1. ハウジングに回転可能に支持された永久磁石部材を備えたロータ,前記ロータの外周側で前記ハウジングに固定され且つ周方向に隔置して櫛部間のスロット部に配設された巻線を備えたステータ,前記ロータと前記ステータとの間に介在された磁束制御装置,前記磁束制御装置を前記ステータに対して移動させるアクチュエータ,及び前記アクチュエータを作動して前記磁束制御装置を前記ステータに対して移動させて前記永久磁石部材から前記ステータの前記櫛部へ流れる磁束を制御するコントローラを有し,前記スロット部に配設された前記巻線は互いに逆方向に巻き上げられた高圧側巻線と低圧側巻線とから成り,前記コントローラは,前記磁束制御装置を移動させることに応答して前記高圧側巻線で発生する電力に同期してスイッチを瞬時にON−OFFして前記低圧側巻線に前記高圧側巻線で発生した電流と逆方向の電流を流し,前記低圧側巻線によって前記ステータの磁路に逆方向の磁力を発生させて前記磁束制御装置の作動力を小さくすることから成る永久磁石式発電・電動機。
  2. 前記高圧側巻線の出力端子と前記低圧側巻線の出力端子とはスイッチング機構を介して接続され.前記コントローラは,前記磁束制御装置の作動に応答して前記高圧側巻線の電力に同期して前記スイッチを瞬時にON−OFFすると共に前記スイッチング機構を作動して前記高圧側巻線と前記低圧側巻線とを接続し,前記高圧側巻線の電流の一部を前記低圧側巻線に流して前記ステータの磁路に逆方向の磁力を発生させて前記磁束制御装置の作動力を小さくすることから成る請求項1に記載の永久磁石式発電・電動機。
  3. 前記高圧側巻線の出力端子線と前記低圧側巻線の出力端子線との間にコンデンサとスイッチをそれぞれ配置し,前記ロータの回転が大きい時に前記スイッチをOFFし,回転が小さい時に前記スイッチをONし,前記出力端子線間の電圧を調整することから成る請求項1に記載の永久磁石式発電・電動機。
  4. 前記高圧側巻線と前記低圧側巻線とは,周方向に電気角120°ずつ位相がずれた三相にそれぞれ巻き上げられ,前記コントローラは,前記磁束制御装置の作動に応答して前記高圧側巻線の電力に同期して前記スイッチを瞬時にON−OFFして前記低圧側巻線に前記高圧側巻線とは逆方向の電流を流し,前記ステータの磁路における磁力を減少させて前記磁束制御装置の作動力を小さくすることから成る請求項1に記載の永久磁石式発電・電動機。
  5. 磁束制御用の前記アクチュエータは,直流モータ又はステッピングモータの回転により往復運動を発生させる機構に構成されていることから成る請求項1〜4のいずれか1項に記載の永久磁石式発電・電動機。
  6. 前記磁束制御装置は,前記ステータの前記スロット部の幅より小さい幅を有する前記櫛部に接触可能な透磁部と該透磁部間が凹部に形成され且つ隣接する前記透磁部を互いに連繋する透磁性のブリッジ部とからリング状に形成され,前記コントローラは,前記アクチュエータを作動して前記透磁部の前記櫛部に対する揺動量を制御して前記透磁部から前記櫛部へと流れる磁束を制御することから成る請求項1〜5のいずれか1項に記載の永久磁石式発電・電動機。
  7. 前記磁束制御装置の作動によって前記透磁部の外面が前記櫛部の内面に対向した密接整合状態から非整合状態に制御され,前記透磁部から前記櫛部への前記磁束が制御されることから成る請求項1〜6のいずれか1項に記載の永久磁石式発電・電動機。
  8. 前記コントローラは,前記ロータの低速時には前記アクチュエータを作動して前記透磁部と前記櫛部とを密接状態にする制御を行い,前記ロータの高速時には前記アクチュエータを作動して前記透磁部を前記櫛部間の前記スロット部へと移動させて前記櫛部との接触面積を低減させる制御を行うことから成る請求項7に記載の永久磁石式発電・電動機。
  9. 前記コントローラは,前記ロータの前記ステータに対する回転速度と前記ステータの前記櫛部を流れる磁束との積が一定になるように,前記アクチュエータによって前記磁束制御装置を揺動させて予め決められた所定の一定の電圧を発電させる制御を行うことから成る請求項1〜8のいずれか1項に記載の永久磁石式発電・電動機。
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