JP6822377B2 - 管制方法、管制装置及び管制プログラム - Google Patents

管制方法、管制装置及び管制プログラム Download PDF

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Description

本発明は、管制方法、管制装置及び管制プログラムに関する。
近年、自動車の運転支援を行う技術の開発が活発に行われており、特に、運転操作を自動的に行うための自動運転の技術開発が活発に行われている。これに応じて、自動車等の自律的に移動可能に構成された移動体の移動を自動制御(管制)する技術の開発も活発になってきている。
移動体の移動を自動制御する技術の一例として、特許文献1では、道路を複数の領域に分割して、各領域に対して車両の進入を許可するか否かを決定することで、当該車両の移動を制御する交通システムが提案されている。
具体的には、当該交通システムは、車両に搭載される車両制御装置、車両の移動スケジュールを決定するサーバ、及び各領域に配置される領域通信機を備えている。車両制御装置は、出発時刻、出発地、及び目的地の指定を受け付けて、移動の申請をサーバに送信する。サーバは、当該申請を受け付けた車両に対して、目的地までの移動スケジュールを決定し、決定した移動スケジュールを車両制御装置に送信する。車両制御装置は、受信した移動スケジュールに基づいて車両の移動を自動制御する。
そして、車両の移動が自動制御される間、各領域に設置された各領域通信機は、当該各領域に車両の進入を許可するか否かを判断する。車両制御装置は、各領域に対する進入の可否を各領域通信機に問い合わせ、各領域への進入の許可された場合に各領域に進入するように車両を移動させる。これにより、当該交通システムは、他の車両に衝突しないように各車両の移動を制御することができる。
特開2017−027175号公報
道路等の通路に設定される移動規則は多様である。例えば、高速道路と一般道路とで異なる速度制限が規定されている。また、一般道路内でも、区間に応じて異なる速度制限が規定されるケースがある。上記交通システムでは、このように設定される多様な移動規則については何ら考慮されていないため、実際の道路上において、複数の移動体の移動を管制するのは困難である。
そこで、一般的な情報処理によりこれに対応するため、移動スケジュールを決定するサーバに、例えば、次の(a)〜(c)の処理を実行させることが考えられる。
(a)各移動体の移動経路を決定する
(b)決定した移動経路に基づいて、適用対象の移動規則及びその移動規則の適用される区間を特定する
(c)特定した規則に従って、各移動体の移動制御の内容を決定する
しかしながら、この方法では、各移動体が衝突しないように全体の調和を図るために、対象の移動規則及びその移動規則の適用される区間を特定する処理、及び特定した移動規則を適用しながら、必要であれば適用する移動規則を調整して、各移動体に対して設定する移動スケジュールを整合させる処理を行うことになる。これらの処理を実行する分だけ、各移動体の移動を管制するための(特に、各移動体の移動スケジュールを決定するための)計算処理が複雑化してしまう。そのため、移動制御の対象とする通路を拡げるに応じて、当該計算処理のための負荷が劇的に増大してしまうという問題点がある。なお、この問題点は、従来の自動車等の陸上を移動する移動体の他、空中、海上等の陸上以外の通路を移動する、飛行可能な自動車、ドローン、船舶等の移動体にも当てはまる。
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、多様な移動規則が設定され得る通路を移動する複数の移動体の管制にかかる計算コストを低減するための技術を提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の一側面に係る管制方法は、1又は複数のサーバが、それぞれ自律的に移動可能に構成された複数の移動体に対して移動の指示を送信することで、当該複数の移動体の移動を管制する管制方法であって、前記各移動体の制御装置が、移動の開始位置及び目的地を前記1又は複数のサーバに送信するステップと、前記各移動体の移動のために設けられた通路により構成された通路網は、複数の仮想流動エリアに分割されており、当該複数の仮想流動エリアそれぞれでは、それぞれに含まれる通路の移動に対して適用される移動規則が設定されており、前記1又は複数のサーバが、前記複数の仮想流動エリアの中から、前記開始位置から前記目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリアを前記各移動体に対して決定するステップと、前記1又は複数のサーバが、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアのうちの少なくとも最初に進入する対象の仮想流動エリアへの進入時刻を前記各移動体に対して決定するステップと、前記1又は複数のサーバが、決定した前記対象の1又は複数の仮想流動エリア及び進入時刻を前記各移動体の前記制御装置に送信することで、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアの通路に前記進入時刻に基づいて進入し、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれに設定された前記移動規則に従って当該通路を移動するように前記各移動体に指示するステップと、を備える。
当該管制方法では、各移動体の移動のために設けられた通路により構成された通路網は複数の仮想流動エリアに分割されており、1又は複数のサーバは、移動の開始位置から目的地までに利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア、及び少なくとも最初に進入する対象の仮想流動エリアへの進入時刻を各移動体に対して決定する。そして、1又は複数のサーバは、当該決定内容を各移動体に送信することで、当該各決定内容に基づく移動を各移動体に指示する。各移動体は、受け取った指示に従って、開始位置から目的地までの移動を行う。このようにして、当該管制方法では、各移動体の移動が制御(管制)される。
このとき、各仮想流動エリアでは、当該各仮想流動エリアに含まれる通路に対して単一の移動規則が設定される。移動規則は、各仮想流動エリア内の通路を各移動体が移動するのに適用されるものである。例えば、移動規則は、当該通路を移動する際の移動速度、及び他の移動体との間の最小距離の少なくともいずれかを規定してもよい。したがって、複数の移動体が同一の仮想流動エリアを移動する際には、当該各移動体には同一の移動規則が適用され、当該各移動体は、同一の移動規則に従って整然と移動を行う。これにより、各仮想流動エリアでは、各移動体は、衝突することなく移動することができる。
更に、当該管制方法では、各仮想流動エリアに移動規則が設定されているため、1又は複数のサーバは、各移動体の移動に利用する対象の仮想流動エリアを選択する処理の実行により、対象の移動規則が適用される範囲を特定することができる。つまり、当該管制方法では、対象の移動規則が適用される範囲を個別に特定する処理等を省略可能な分だけ、各移動体の開始位置から目的地までの移動スケジュールを決定するための計算処理を簡略化することができる。
したがって、当該管制方法によれば、各仮想流動エリアに異なる移動規則が設定され、通路網内で適用される移動規則が多様化しても、各移動体の移動を管制するための計算処理が複雑化してしまうのを抑制することができる。そのため、多様な移動規則が設定され得る通路を移動する複数の移動体の管制にかかる計算コストを低減することができる。
なお、「移動体」は、自律的に移動可能に構成されていれば特に限定されなくてもよく、例えば、自動運転可能に構成された自動車、自動的に航行可能に構成された船舶、ドローン及び飛行可能な自動車を含む飛行体等であってもよい。また、「通路」は、各移動体の移動に利用するための領域を規定可能であれば特に限定されなくてもよく、陸上、空中、海上等に設定されてよい。例えば、通路は、道路、航路等であってよい。また、「通路」は、路肩、バスの引き込み道路、タクシーの乗り場通路等、少しの移動空間であってもよい。「通路網」は、このような通路全体を指すのに用いられる。なお、「通路網」は、特定の種類の通路全体を示す場合に、当該種類に応じた言葉に置き換えられてもよい。例えば、通路として道路が用いられる場合、「通路網」は、「道路網」と称されてよい。更に、「仮想流動エリア」は、通路網を分割する、すなわち、通路網を構成する通路全体の一部を含むように設定される。好ましくは、各仮想流動エリアは、それぞれ移動を行う複数の移動体が同時に存在可能な広さの通路を含むように設定される。また、「単一の移動規則が設定される」とは、同一時刻に同一の仮想流動エリアを移動する複数の移動体に共通(同一)の移動規則が適用されるように各仮想流動エリアの移動規則が設定されていることである。同一の仮想流動エリアを移動する複数の移動体に共通の移動規則が適用される限り、各仮想流動エリアに設定される移動規則は、定期又は不定期に変更されてもよい。
上記一側面に係る管制方法において、前記複数の仮想流動エリアそれぞれには、始端から終端にかけて配列された状態のまま、設定された前記移動規則に従って当該始端から当該終端に流動する複数の仮想ブロックが設定されていてもよい。これに対応して、前記1又は複数のサーバは、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれに設定された複数の仮想ブロックの中から少なくともいずれかの仮想ブロックを前記各移動体に割り当てることで、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれに進入する前記進入時刻を決定してもよい。そして、前記1又は複数のサーバは、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれで割り当てた前記仮想ブロックを前記制御装置に通知することで、前記対象の1又は複数の仮想流動エリア及び前記進入時刻を前記制御装置に送信してもよい。
当該構成では、各仮想ブロックは、各仮想流動エリアの始端から終端にかけて配列された状態のまま流動するように設定される。そのため、各移動体は、各仮想ブロックの流動に従うことで、他の移動体の移動を阻害することなく、各仮想流動エリア内の移動を完遂することができる。つまり、各仮想ブロックに各移動体を割り当てるという簡単な処理を採用することにより、各移動体の移動スケジュールを決定するための計算処理を簡略化しつつ、当該移動スケジュールを適切に設定することができようになる。したがって、当該構成によれば、複数の移動体を適切に管制することができ、かつ多様な移動規則が設定され得る通路を移動する複数の移動体の管制にかかる計算コストを更に低減することができる。なお、「仮想ブロック」は、各仮想流動エリア内の通路を流動するように設定される仮想的なブロックである。
上記一側面に係る管制方法において、複数の仮想流動エリアは、互いに隣接する第1の仮想流動エリア及び第2の仮想流動エリアを含んでもよい。また、前記第1の仮想流動エリアの終端は、前記第2の仮想流動エリアの始端に接続してもよく、前記第1の仮想流動エリアの前記各仮想ブロックは、当該各仮想ブロックが前記終端に到達するタイミングで前記始端から流動する前記第2の仮想流動エリアの仮想ブロックと対応関係を有していてもよい。そして、前記1又は複数のサーバは、前記第1の仮想流動エリア及び前記第2の仮想流動エリアの通路を移動する移動体に対して、互いに対応関係のある前記第1の仮想流動エリアの仮想ブロック及び前記第2の仮想流動エリアの仮想ブロックを割り当ててもよい。当該構成によれば、隣接する仮想流動エリア間で対応関係のある仮想ブロックに各移動体に割り当てることで、当該隣接する仮想流動エリア間を当該各移動体がスムーズに移動するような管制を実現することができる。
上記一側面に係る管制方法において、前記移動規則は、少なくとも移動速度を規定してもよい。前記複数の仮想流動エリアは、前記第2の仮想流動エリアに隣接する第3の仮想流動エリアを更に含んでもよい。前記第2の仮想流動エリアの終端は、前記第3の仮想流動エリアの始端に接続してもよい。前記第2の仮想流動エリアの前記各仮想ブロックは、当該各仮想ブロックが前記終端に到達するタイミングで前記始端から流動する前記第3の仮想流動エリアの仮想ブロックと対応関係を有してもよい。前記第1の仮想流動エリアに設定された移動速度は、前記第3の仮想流動エリアに設定された移動速度とは相違していてもよく、前記第2の仮想流動エリアに設定された移動速度は、前記第1の仮想流動エリアに設定された移動速度と前記第3の仮想流動エリアに設定された移動速度との間であるように設定されてもよい。そして、前記1又は複数のサーバは、前記第1の仮想流動エリア、前記第2の仮想流動エリア及び前記第3の仮想流動エリアの通路を移動する移動体に対して、対応関係のある前記第1の仮想流動エリアの仮想ブロック、前記第2の仮想流動エリアの仮想ブロック、及び前記第3の仮想流動エリアの仮想ブロックを割り当ててもよい。当該構成によれば、各移動体が移動速度を段階的に変化させるような管制を実現することができる。
上記一側面に係る管制方法において、前記複数の仮想流動エリアは、複数の前記第1の仮想流動エリアを含んでよく、前記各第1の仮想流動エリアの前記各仮想ブロックと前記第2の仮想流動エリアの前記各仮想ブロックとの前記対応関係は、前記各第1の仮想流動エリアの前記各仮想ブロックが前記第2の仮想流動エリアの前記各仮想ブロックに所定の比率で対応付けられるように設定されてよい。当該構成によれば、通路の合流地点で各移動体が衝突しないような管制を実現することができる。
上記一側面に係る管制方法において、前記複数の仮想流動エリアのうち少なくともいずれかの隣接する仮想流動エリアには異なる移動規則が設定されてよい。当該構成によれば、通路網内で適用される移動規則を多様化した上で、各移動体の管制にかかる計算コストを低減することができる。
上記一側面に係る管制方法において、前記各第1の仮想流動エリアの前記各仮想ブロックが前記終端に到達するタイミングは、他の第1の仮想流動エリアの前記各仮想ブロックが前記終端に到達するタイミングと異なるように設定されてよい。当該構成によれば、通路の合流地点で各移動体が停止することなくスムーズに移動可能な管制を実現することができる。
上記一側面に係る管制方法において、前記通路網は、複数の通路区間に分割されていてもよく、前記各通路区間は、1又は複数の前記仮想流動エリアを含んでもよい。そして、複数の前記サーバは、前記複数の通路区間のいずれかに割り当てられてもよく、前記各通路区間における、前記各移動体に対する前記対象の1又は複数の仮想流動エリア及び前記進入時刻の決定は、前記各通路区間に割り当てられた前記サーバによって行われてもよい。前記各通路区間は、前記通路の種別に応じて設定されてもよい。例えば、各通路区間は、同一の移動規則を有する1又は複数の仮想流動エリアを含むように設定することができる。これにより、比較的に同一の移動規則が適用され得る通路区間毎に異なるサーバを割り当てることができるため、各サーバの処理負荷を低減することができる。なお、通路の種別として、例えば、通路が道路である場合、一般道路、高速道路、幹線道路等を挙げることができる。
上記一側面に係る管制方法において、前記通路は、道路であってよく、前記移動体は、自動運転可能に構成された自動車であってよい。当該構成によれば、自動運転可能に構成された自動車の通行を管制する方法を提供することができる。
なお、上記各側面に係る管制方法の別の形態として、以上の各構成を実現する情報処理装置であってもよいし、プログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータその他装置、機械等が読み取り可能な記憶媒体であってもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積する媒体である。
例えば、本発明の一側面に係る管制装置は、それぞれ自律的に移動可能に構成された複数の移動体に対して移動の指示を送信することで、当該複数の移動体の移動を管制する情報処理装置であって、前記各移動体の制御装置からの移動の申請を受け付ける受付部であって、移動の開始位置及び目的地を示す情報を受信する受付部と、前記各移動体の移動のために設けられた通路により構成された通路網は、複数の仮想流動エリアに分割されており、当該複数の仮想流動エリアそれぞれでは、それぞれに含まれる通路の移動に対して適用される移動規則が設定されており、前記複数の仮想流動エリアの中から、前記開始位置から前記目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリアを前記各移動体に対して決定し、かつ前記対象の1又は複数の仮想流動エリアのうちの少なくとも最初に進入する対象の仮想流動エリアへの進入時刻を前記各移動体に対して決定するスケジュール決定部と、決定した前記対象の1又は複数の仮想流動エリア及び進入時刻を前記各移動体の前記制御装置に送信することで、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアの通路に前記進入時刻に基づいて進入し、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれに設定された前記移動規則に従って当該通路を移動するように前記各移動体に指示する移動指示部と、を備える情報処理装置である。
また、例えば、本発明の一側面に係る管制プログラムは、それぞれ自律的に移動可能に構成された複数の移動体に対して移動の指示を送信させることで、当該複数の移動体の移動をコンピュータに管制させるためのプログラムであって、前記コンピュータに、前記各移動体の制御装置からの移動の申請を受け付けるステップであって、移動の開始位置及び目的地を示す情報を受信するステップと、前記各移動体の移動のために設けられた通路により構成された通路網は、複数の仮想流動エリアに分割されており、当該複数の仮想流動エリアそれぞれでは、それぞれに含まれる通路の移動に対して適用される移動規則が設定されており、前記複数の仮想流動エリアの中から、前記開始位置から前記目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリアを前記各移動体に対して決定するステップと、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアのうちの少なくとも最初に進入する対象の仮想流動エリアへの進入時刻を前記各移動体に対して決定するステップと、決定した前記対象の1又は複数の仮想流動エリア及び進入時刻を前記各移動体の前記制御装置に送信することで、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアの通路に前記進入時刻に基づいて進入し、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれに設定された前記移動規則に従って当該通路を移動するように前記各移動体に指示するステップと、を実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、多様な移動規則が設定され得る通路を移動する複数の移動体の管制にかかる計算コストを低減することができる。
図1Aは、本発明が適用される場面の一例を模式的に例示する。 図1Bは、実施の形態に係る管制方法の詳細な適用場面の一例を模式的に例示する。 図2は、実施の形態に係る管制サーバのハードウェア構成の一例を模式的に例示する。 図3は、実施の形態に係る車載装置のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。 図4は、実施の形態に係る管制サーバのソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。 図5は、実施の形態に係るエリア設定情報の一例を模式的に例示する。 図6は、実施の形態に係るフロースケジュール情報の一例を模式的に例示する。 図7は、実施の形態に係る割当情報の一例を模式的に例示する。 図8は、実施の形態に係る車載装置のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。 図9は、実施の形態に係る管制方法の処理手順の一例を例示する。 図10Aは、隣接する仮想流動エリアを移動する過程の一場面を模式的に例示する。 図10Bは、隣接する仮想流動エリアを移動する過程の一場面を模式的に例示する。 図10Cは、隣接する仮想流動エリアを移動する過程の一場面を模式的に例示する。 図10Dは、隣接する仮想流動エリアそれぞれに設定されたフロースケジュール情報の一例を模式的に例示する。 図11Aは、車両の速度を段階的に変化させるように制御する過程の一場面を模式的に例示する。 図11Bは、車両の速度を段階的に変化させるように制御する過程の一場面を模式的に例示する。 図11Cは、車両の速度を段階的に変化させるように制御する過程の一場面を模式的に例示する。 図11Dは、車両の速度を段階的に変化させるように制御する過程の一場面を模式的に例示する。 図11Eは、各仮想流動エリアに設定されたフロースケジュール情報の一例を模式的に例示する。 図12Aは、道路の合流地点において各車両の移動を制御する過程の一場面を模式的に例示する。 図12Bは、道路の合流地点において各車両の移動を制御する過程の一場面を模式的に例示する。 図12Cは、道路の合流地点において各車両の移動を制御する過程の一場面を模式的に例示する。 図12Dは、各仮想流動エリアに設定されたフロースケジュール情報の一例を模式的に例示する。 図13は、変形例に係る移動体の制御装置の一例を模式的に例示する。 図14は、管制サーバの分配の一例を模式的に例示する。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。例えば、以下では、本実施形態として、自動運転可能に構成された自動車の移動(走行)を管制するのに本発明を適用した例を示す。しかしながら、本発明の適用対象は、自動運転可能に構成された自動車の移動を管制する場面に限られなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、本発明は、自動で航行可能な船舶、自動で飛行可能な飛行体等に適用されてもよい。なお、本実施形態において登場するデータを自然言語により説明しているが、より具体的には、コンピュータが認識可能な疑似言語、コマンド、パラメータ、マシン語等で指定される。
§1 適用例
まず、図1A及び図1Bを用いて、本発明が適用される場面の一例について説明する。図1Aは、本実施形態に係る管制方法を適用する場面の一例を模式的に例示する。図1Bは、本実施形態に係る管制方法の詳細な適用場面の一例を模式的に例示する。
図1Aに示されるとおり、本実施形態に係る管制方法では、管制サーバ1が、複数の車両2に対して移動の指示を送信することで、当該複数の車両2の移動を管制する。この管制サーバ1は、本発明の「1又は複数のサーバ」及び「管制装置」の一例である。また、各車両2は、自動運転可能に構成された自動車であり、本発明の「移動体」の一例である。
具体的に、各車両2の移動のために設けられた道路3は、様々な方向に延びて、分岐したり、合流したりすることで、道路網300を構成している。この道路網300は、複数の仮想流動エリア30に分割されており、複数の仮想流動エリア30それぞれでは、それぞれに含まれる道路(以下、「エリア内道路」とも記載する)32の移動に対して適用される単一の移動規則が設定されている。
なお、道路3(及び、エリア内道路32)は、本発明の「通路」の一例であり、道路網300は、本発明の「通路網」の一例である。「道路網300」は、様々な方向に延びる道路3全体を指している。また、各仮想流動エリア30は、道路網300を構成する道路3全体の一部を含むように設定され、好ましくは、それぞれ移動を行う複数の車両2が同時に存在可能な広さの道路3(32)を含むように設定される。更に、「単一の移動規則が設定されている」とは、同一時刻に同一の仮想流動エリア30を移動する複数の車両2に共通(同一)の移動規則が適用されるように各仮想流動エリア30の移動規則が設定されていることである。同一の仮想流動エリア30を移動する複数の車両2に共通の移動規則が適用される限り、各仮想流動エリア30に設定される移動規則は、定期又は不定期に変更されてもよい。
そこで、各車両2の車載装置20は、移動の開始位置及び目的地を管制サーバ1に送信する。車載装置20は、本発明の「制御装置」の一例である。車載装置20から各情報を受信と、管制サーバ1は、複数の仮想流動エリア30の中から、開始位置から目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30を各車両2に対して決定する。また、管制サーバ1は、移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30のうちの少なくとも最初に進入する対象の仮想流動エリア30への進入時刻を各車両2に対して決定する。
そして、管制サーバ1は、決定した対象の1又は複数の仮想流動エリア30及び進入時刻を各車両2の車載装置20に送信する。これにより、管制サーバ1は、対象の1又は複数の仮想流動エリア30の道路32に進入時刻に基づいて進入し、対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれに設定された移動規則に従って道路32を移動するように各車両2に指示する。
更に詳細には、図1Bに示されるとおり、本実施形態に係る各仮想流動エリア30には、始端301から終端302にかけて配列された状態のまま、設定された移動規則に従って始端301から終端302に流動する複数の仮想ブロック31が設定されている。始端301は、各仮想流動エリア30に各車両2が進入する場所であり、終端302は、各仮想流動エリア30から各車両2が退出する場所である。基本的には、各仮想流動エリア30の終端302は、いずれかの他の仮想流動エリア30の始端301に接続している。
仮想ブロック31は、各車両2の移動を指示する指標として、各仮想流動エリア30内の道路32を流動するように設定される仮想的なブロックである。本実施形態では、1つの仮想ブロック31の大きさは、1つの車両2に応じて設定される。なお、図1Bでは、1つの仮想流動エリア30に5つの仮想ブロック31が同時に存在しているが、1つの仮想流動エリア30に同時に存在可能な仮想ブロックの数は、5つに限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。
各仮想ブロック31は、他の仮想ブロック31との配列状態を維持したまま、各仮想流動エリア30に設定された移動規則に従って流動するように設定される。そのため、各仮想ブロック31の始端301を出発する時刻及び終端302に到達する時刻は、各仮想流動エリア30に設定された移動規則に基づいて予め決定される。
そこで、管制サーバ1は、移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれに設定された複数の仮想ブロック31の中から少なくともいずれかの仮想ブロック31を各車両2に割り当てる。これにより、管制サーバ1は、移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれに各車両2を進入させる進入時刻を決定する。
そして、管制サーバ1は、対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれで割り当てた仮想ブロック31を各車両2の車載装置20に通知することで、対象の1又は複数の仮想流動エリア30及び進入時刻を各車両2の車載装置20に送信する。これによって、管制サーバ1は、対象の1又は複数の仮想流動エリア30の道路32に進入時刻に基づいて進入し、対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれに設定された移動規則に従って道路32を移動するように各車両2に指示する。車両2は、受け取った指示に従い、対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれで割り当てられた仮想ブロック31の流動に合わせて、開始位置から目的地までの移動を行う。
本実施形態では、開始位置から目的地までの経路に1又は複数の仮想流動エリア30が設定されており、1又は複数の仮想流動エリア30それぞれで各車両2に対する仮想ブロック31の割り当てが行われている。そのため、各車両2は、移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれにおいて自車の割り当てられた仮想ブロック31の流動に従うことにより、開始位置から目的地までの移動を行うことができる。
以上のとおり、本実施形態に係る管制方法では、道路3により構成された道路網300は、複数の仮想流動エリア30に分割されている。管制サーバ1は、各車両2に対して、移動の開始位置から目的地までに利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30、及び少なくとも最初に進入する対象の仮想流動エリア30への進入時刻を決定する。これにより、管制サーバ1は、開始位置から目的地までの移動のスケジュールを各車両2に対して決定する。
ここで、各仮想流動エリア30では、エリア内道路32に対して移動規則が設定されている。この移動規則は、各仮想流動エリア30のエリア内道路32を各車両2が移動するのに適用されるものである。換言すると、移動規則は、各仮想流動エリア30のエリア内道路32を各車両2が移動する仕方を定める。よって、各仮想流動エリア30では、各車両2は、同一の移動規則が適用されることで、一定の規律に従って、エリア内道路32を移動(走行)する。そのため、各仮想流動エリア30では、各車両2は、衝突することなく移動することができる。
更に、当該管制方法では、各仮想流動エリア30に移動規則が設定されているため、管制サーバ1は、各車両2の移動に利用する対象の仮想流動エリア30を決定(選択)する処理を実行するだけで、対象の移動規則が適用される範囲を特定することができる。つまり、当該管制方法では、対象の移動規則が適用される範囲を個別に特定する処理等を省略可能であり、これによって、各車両2の移動の開始位置から目的地までの移動のスケジュールを決定するための計算処理を簡略化することができる。
したがって、当該管制方法によれば、各仮想流動エリア30に異なる移動規則が設定され、道路網300内で適用される移動規則が多様化しても、各車両2の移動を管制するための計算処理が複雑化してしまうのを抑制することができる。そのため、多様な移動規則が設定され得る道路3を移動する複数の車両2の管制にかかる計算コストを低減することができる。
なお、各仮想流動エリア30の移動規則は、実施の形態に応じて適宜設定可能であり、道路網300に設定された複数の仮想流動エリア30のうち少なくともいずれかの隣接する仮想流動エリア30に異なる移動規則を設定することができる。また、移動規則は、例えば、エリア内道路32を移動する際の移動速度(走行速度)、及び他の車両との間の最小距離(最小の車間距離)の少なくともいずれかを規定してもよい。ここで、本実施形態では、各車両2の移動は、各仮想ブロック31の流動によって表現される。そのため、本実施形態に係る移動規則は、各仮想流動エリア30における各仮想ブロック31の流動の仕方を定めることで、各仮想流動エリア30における各車両2の移動の仕方を間接的に規定する。
§2 構成例
[ハードウェア構成]
<管制サーバ>
次に、図2を用いて、本実施形態に係る管制サーバ1のハードウェア構成の一例について説明する。図2は、本実施形態に係る管制サーバ1のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。
図2に示されるとおり、本実施形態に係る管制サーバ1は、制御部11、記憶部12、通信インタフェース13、入力装置14、出力装置15、及びドライブ16が電気的に接続されたコンピュータである。なお、図2では、通信インタフェースを「通信I/F」と記載している。
制御部11は、ハードウェアプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、プログラム及びデータに基づいて各種情報処理を実行するように構成される。記憶部12は、「メモリ」の一例であり、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等で構成される。本実施形態では、記憶部12には、管制プログラム121、地図情報122、エリア設定情報123、フロースケジュール情報124、割当情報125等が記憶される。
管制プログラム121は、後述する各車両2の移動を管制するための情報処理(図9)を管制サーバ1に実行させる命令を含むプログラムである。地図情報122、エリア設定情報123、フロースケジュール情報124、及び割当情報125は、この各車両2の移動を管制するための情報処理に利用される。詳細は後述する。
通信インタフェース13は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、ネットワークを介した有線又は無線通信を行うためのインタフェースである。管制サーバ1は、この通信インタフェース13を介して、各車両2の車載装置20とデータ通信を行う。
入力装置14は、例えば、マウス、キーボード等の入力を行うための装置である。また、出力装置15は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等の出力を行うための装置である。オペレータは、入力装置14及び出力装置15を介して、管制サーバ1を操作することができる。
ドライブ16は、例えば、CDドライブ、DVDドライブ等であり、記憶媒体91に記憶されたプログラムを読み込むためのドライブ装置である。ドライブ16の種類は、記憶媒体91の種類に応じて適宜選択されてよい。上記管制プログラム121、地図情報122、エリア設定情報123、フロースケジュール情報124、及び割当情報125のうちの少なくともいずれかは、この記憶媒体91に記憶されていてもよい。
記憶媒体91は、コンピュータその他装置、機械等が記録されたプログラム等の情報を読み取り可能なように、当該プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。管制サーバ1は、この記憶媒体91から、上記管制プログラム121、地図情報122、エリア設定情報123、フロースケジュール情報124、及び割当情報125のうちの少なくともいずれかを取得してもよい。
ここで、図2では、記憶媒体91の一例として、CD、DVD等のディスク型の記憶媒体を例示している。しかしながら、記憶媒体91の種類は、ディスク型に限定される訳ではなく、ディスク型以外であってもよい。ディスク型以外の記憶媒体として、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリを挙げることができる。
なお、管制サーバ1の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部11は、複数のハードウェアプロセッサを含んでもよい。ハードウェアプロセッサは、マイクロプロセッサ、FPGA(field-programmable gate array)等で構成されてよい。また、図1A及び図1Bでは1台の管制サーバ1が描かれているが、各車両2の移動を管制するために、複数台の管制サーバ1が用いられてもよい。複数台の管制サーバ1を用いる場合、各管制サーバ1のハードウェア構成は一致していなくてもよい。また、管制サーバ1は、提供されるサービス専用に設計された情報処理装置の他、汎用のサーバ装置、汎用のPC(Personal Computer)等であってもよい。
<車載装置>
次に、図3を用いて、本実施形態に係る車載装置20のハードウェア構成の一例について説明する。図3は、本実施形態に係る車載装置20のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。
図3に示されるとおり、本実施形態に係る車載装置20は、制御部21、記憶部22、通信インタフェース23、GPS(Global Positioning System)信号受信回路24、及びタッチパネルディスプレイ25が電気的に接続されたコンピュータである。なお、図3では、図2と同様に、通信インタフェースを「通信I/F」と記載している。
制御部21は、上記制御部11と同様に、ハードウェアプロセッサであるCPU、RAM、ROM等を含み、プログラム及びデータに基づいて各種情報処理を実行するように構成される。制御部21は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)により構成されてもよい。記憶部22は、例えば、RAM、ROM等で構成され、制御プログラム221、地図情報222、エリア設定情報223、及びフロースケジュール情報224を記憶する。
制御プログラム221は、後述する管制サーバ1の指示に応じて車両2の自動運転を制御するための情報処理(図9)を車載装置20に実行させる命令を含むプログラムである。地図情報222、エリア設定情報223、及びフロースケジュール情報224は、上記地図情報122、エリア設定情報123、及びフロースケジュール情報124と同様である。詳細は後述する。
なお、車載装置20は、ネットワーク、記憶媒体等を介して、地図情報222、エリア設定情報223、及びフロースケジュール情報224の少なくともいずれかを取得してもよい。また、車載装置20は、ネットワークを介して管制サーバ1から、記憶部12に格納されたエリア設定情報123及びフロースケジュール情報124をエリア設定情報223及びフロースケジュール情報224として取得してもよい。
通信インタフェース23は、上記通信インタフェース13と同様に、ネットワークを介した通信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース23には、例えば、無線LANモジュールが用いられる。車載装置20は、当該通信インタフェース23を介して、管制サーバ1とデータ通信を行う。
GPS信号受信回路24は、GPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて車両2の位置(以下、「自車位置」とも記載する)を測定するように構成される。GPS信号受信回路24は、測定した自車位置を示す情報を制御部21に出力する。なお、以下では、GPS信号に基づいて測定された自車位置を示す情報を「GPS情報」とも称する。
タッチパネルディスプレイ25は、情報の表示及び入力を行うことができるように適宜構成される。タッチパネルディスプレイ25は、例えば、液晶ディスプレイ等の液晶パネル、液晶パネルを背面から照明するバックライト、及び液晶パネル上の押下された位置を検出するためのタッチパネルにより構成される。タッチパネルの種類は、特に限定されなくてもよく、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式等が採用されてよい。タッチパネルディスプレイ25は、車両2に乗車したユーザに対する情報の表示及び入力に利用される。
なお、車載装置20の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部21は、複数のハードウェアプロセッサを含んでもよい。ハードウェアプロセッサは、マイクロプロセッサ、FPGA等で構成されてよい。記憶部22は、制御部21に含まれるRAM及びROMにより構成されてもよい。記憶部22は、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置で構成されてもよい。車載装置20は、タッチパネルディスプレイ25に代えて又は加えて、他の形式の表示装置及び入力装置を備えてもよい。また、車載装置20には、サービス専用に設計された情報処理装置の他、スマートフォン等の携帯端末、タブレットPC等の汎用のコンピュータが用いられてもよい。
[ソフトウェア構成]
<管制サーバ>
次に、図4を用いて、本実施形態に係る管制サーバ1のソフトウェア構成の一例を説明する。図4は、本実施形態に係る管制サーバ1のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。
管制サーバ1の制御部11は、記憶部12に記憶された管制プログラム121をRAMに展開する。そして、制御部11は、RAMに展開された管制プログラム121をCPUにより解釈し、各構成要素を制御しながら、当該解釈に基づいた情報処理を実行する。これにより、図4に示されるとおり、本実施形態に係る管制サーバ1は、ソフトウェアモジュールとして、受付部111、スケジュール決定部112、及び移動指示部113を備えるコンピュータとして構成される。
受付部111は、各車両2の車載装置20からの移動の申請を受け付けて、移動の開始位置及び目的地を示す情報を受信する。スケジュール決定部112は、複数の仮想流動エリア30の中から、開始位置から目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30を各車両2に対して決定する。また、スケジュール決定部112は、移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30のうちの少なくとも最初に進入する対象の仮想流動エリア30への進入時刻を各車両2に対して決定する。
そして、移動指示部113は、決定した対象の1又は複数の仮想流動エリア30及び進入時刻を各車両2の車載装置20に送信する。これにより、移動指示部113は、対象の1又は複数の仮想流動エリア30の道路32に進入時刻に基づいて進入し、対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれに設定された移動規則に従って道路32を移動するように各車両2に対して指示する。
本実施形態では、地図情報122が道路網300に関する情報を示し、エリア設定情報123が、各仮想流動エリア30の設定に関する情報を示す。そのため、スケジュール決定部112は、地図情報122及びエリア設定情報123を利用して、開始位置から目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30を決定する。
また、本実施形態では、上記のとおり、各仮想流動エリア30には、複数の仮想ブロック31が設定されており、この各仮想ブロック31の流動の設定は、フロースケジュール情報124として保持されている。そのため、スケジュール決定部112は、フロースケジュール情報124を利用して、移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれに設定された複数の仮想ブロック31の中から少なくともいずれかの仮想ブロック31を各車両2に割り当てる。そして、この割り当てた結果は、割当情報125として記憶部12に記憶される。以下、各情報について説明する。
(地図情報)
まず、地図情報122について説明する。地図情報122は、道路網300内の道路3の各位置を示すものである。地図情報122の形式は、特に限定されなくてもよい。地図情報122には、例えば、公知の道路地図等の情報が用いられてよい。管制サーバ1は、地図情報122に基づいて、道路網300内の道路3の各位置を把握する。
(エリア設定情報)
次に、図5を用いて、エリア設定情報123について説明する。エリア設定情報123は、各仮想流動エリア30の設定を示す情報である。図5に示すとおり、本実施形態では、エリア設定情報123は、エリアID、位置情報、移動規則、ブロックID等の情報を含む。
エリアIDは、各仮想流動エリア30を識別するための識別子である。位置情報は、地図情報122の示す地図(道路網300)上における各仮想流動エリア30の位置を示す。位置情報は、始端301及び終端302の位置を示す情報を含むことができる。移動規則は、上記のとおり、各仮想流動エリア30内の道路32を各車両2が移動するのに適用されるものであり、例えば、エリア内道路32を移動する際の移動速度(走行速度)、他の車両との間の距離(最小の車間距離)等を規定する。最小の車間距離は、例えば、隣接する仮想ブロック31同士の距離で規定される。ブロックIDは、各仮想流動エリア30内に設定される各仮想ブロック31を識別するための識別子である。管制サーバ1は、エリア設定情報123に基づいて、各仮想流動エリア30の属性を把握する。
(フロースケジュール情報)
次に、図6を用いて、フロースケジュール情報124について説明する。フロースケジュール情報124は、各仮想流動エリア30内の各仮想ブロック31が仮想流動エリア30内を始端301から終端302まで流動するスケジュールを示すものである。図6に示されるとおり、本実施形態では、仮想流動エリア30内における各仮想ブロック31の流動は、始端301から新たな仮想ブロック31が順次発生し、終端302に到着した仮想ブロック31は消滅するものとして表現される。
具体例として、図6では、仮想流動エリア30内には、4つの仮想ブロック31が存在可能になっている。説明の便宜のため、仮想流動エリア30内には、始端301から順に位置L1〜L4が設定されている。時刻T1では、始端301から発生した仮想ブロック(BA4)が始端301に最も近い位置L1に存在し、仮想ブロック(BA4)の発生時刻より手前の時刻で発生した仮想ブロック(BA3)が、位置L1よりも終端302側の位置L2に存在している。また、仮想ブロック(BA3)の発生時刻よりも手前の時刻で発生した仮想ブロック(BA2)が、位置L2よりも終端302側の位置L3に存在しており、4つの仮想ブロック31の中で最も早い時刻に発生した仮想ブロック(BA1)が、最も終端302に近い位置L4に存在している。
各仮想ブロック(BA1)〜(BA4)は、配列された状態を維持したまま、仮想流動エリア30に設定された移動規則に従って流動する。そのため、移動規則に基づいて仮想ブロック1個分の流動にかかる時間が時刻T1から経過した時刻T2では、始端301から新たな仮想ブロック(BA5)が発生し、時刻T1で終端302に到着していた仮想ブロック(BA1)は消滅している。この時刻T2では、時刻T1で終端302の1つ手前の位置L3に存在していた仮想ブロック(BA2)が、位置L4に存在し、終端302に到着している。また、時刻T1で位置L2に存在していた仮想ブロック(BA3)は、位置L2よりも仮想ブロック1つ分終端302側の位置L3に存在している。
フロースケジュール情報124は、このような各仮想ブロック31の発生、流動、及び消滅を表現するように適宜構成されてよい。図6に示されるように、本実施形態に係るフロースケジュール情報124は、各仮想ブロック31の位置と時刻との関係を示すグラフにより、上記のような各仮想ブロック31の発生、流動、及び消滅を表現する。なお、このグラフの傾きは、各仮想ブロック31の流動速度、すなわち、各仮想ブロック31を各車両2に割り当てた時の移動速度(走行速度)を示している。
図6のグラフでは、仮想ブロック1個分の流動にかかる時間が時刻T2から経過した時刻T3では、始端301側から順に、仮想ブロック(BA6)〜(BA3)が並んでいる状態が示される。すなわち、時刻T3では、新たな仮想ブロック(BA6)が始端301から発生しており、時刻T2で終端302に到着していた仮想ブロック(BA2)が消滅している。同様に、図6のグラフでは、仮想ブロック1個分の流動にかかる時間が時刻T3から経過した時刻T4では、始端301側から順に、仮想ブロック(BA7)〜(BA4)が並んでいる状態が示される。管制サーバ1は、このようなフロースケジュール情報124に基づいて、各仮想ブロック31の各時刻における仮想流動エリア30内の位置を把握する。
なお、各仮想ブロック31の流動を表現する方法は、各仮想ブロック31の各時刻における仮想流動エリア30内の位置を把握可能であれば、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。例えば、各仮想ブロック31の流動は、終端302に到着した仮想ブロック31が始端301から再出発するものとして表現されてもよい。すなわち、各仮想ブロック31は、仮想流動エリア30内を循環するように設定されてよい。
(割当情報)
次に、図7を用いて、割当情報125について説明する。割当情報125は、各仮想流動エリア30の各仮想ブロック31を各車両2に割り当てた結果を示すものである。本実施形態では、割当情報125は、同一の仮想ブロック31に対して複数の車両2が割り当てられないように、各仮想ブロック31に対する車両2の割り当てを管理するために利用される。図7に示されるとおり、本実施形態に係る割当情報125は、テーブル形式のデータで表現されており、車両ID、エリアID、ブロックID等を保持するためのフィールドを含んでいる。
車両IDは、各車両2を識別するための識別子である。車両IDは、各車両2に一意に割り当てられている。各レコードの車両IDフィールドには、仮想ブロック31の割り当てを行った対象の車両2の車両IDが格納される。また、エリアIDフィールド及びブロックIDフィールドそれぞれには、割り当てた仮想ブロック31を含む仮想流動エリア30のエリアID及び割り当てた仮想ブロック31のブロックIDが格納される。
例えば、図7に例示する割当情報125の一つ目のレコードは、車両ID「C0001」の車両2に対して、エリアID「A01」の仮想流動エリア30のブロックID「BA3」の仮想ブロック31を割り当てたことを示す。また、二つ目のレコードは、車両ID「C0002」の車両2に対して、エリアID「A01」の仮想流動エリア30のブロックID「BA4」の仮想ブロック31を割り当てたことを示す。
なお、割当情報125のデータ形式は、上記のようなテーブル形式に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。また、図7の各レコードに格納された値は、本実施形態を説明するために便宜上記載したものであり、このような例に限定される訳ではない。各レコードに格納される値は、実施の形態に応じて適宜指定されてよい。
<車載装置>
次に、図8を用いて、本実施形態に係る車載装置20のソフトウェア構成の一例を説明する。図8は、本実施形態に係る車載装置20のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。
車載装置20の制御部21は、記憶部22に記憶された制御プログラム221をRAMに展開する。そして、制御部21は、RAMに展開された制御プログラム221をCPUにより解釈し、各構成要素を制御しながら、当該解釈に基づいた情報処理を実行する。これにより、図8に示されるとおり、本実施形態に係る車載装置20は、ソフトウェアモジュールとして、移動申請部211、指示受取部212、及び自動運転制御部213を備えるコンピュータとして構成される。
移動申請部211は、移動の開始位置及び目的地を管制サーバ1に送信することで、当該管制サーバ1に移動の申請を行う。上記のとおり、当該申請を受け付けた管制サーバ1は、開始位置から目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30、及び少なくとも最初に進入する対象の仮想流動エリア30への進入時刻を各車両2に対して決定し、決定した内容に基づく移動の指示を各車両2に送信する。指示受取部212は、管制サーバ1の当該移動の指示を受信する。そして、自動運転制御部213は、管制サーバ1からの移動の指示内容に従って、車両2の移動(走行)を制御する。
<その他>
管制サーバ1及び車載装置20の各ソフトウェアモジュールに関しては後述する動作例で詳細に説明する。なお、本実施形態では、管制サーバ1及び車載装置20の各ソフトウェアモジュールがいずれも汎用のCPUによって実現される例について説明している。しかしながら、以上のソフトウェアモジュールの一部又は全部が、1又は複数の専用のプロセッサにより実現されてもよい。また、管制サーバ1及び車載装置20それぞれのソフトウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、ソフトウェアモジュールの省略、置換及び追加が行われてもよい。
§3 動作例
次に、図9を用いて、管制サーバ1及び車載装置20の動作例を説明する。図9は、管制サーバ1及び車載装置20の処理手順の一例を示す。以下で説明する各車両2の移動を管制するための処理手順は、本発明の「管制方法」の一例である。ただし、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
(ステップS101)
まず、ステップS101では、車載装置20の制御部21は、移動申請部211として機能し、目的地の入力を受け付ける。例えば、ユーザは、タッチパネルディスプレイ25を操作して、所望の目的地を入力する。これにより、制御部21は、移動の目的地を示す情報(以下、単に「目的地情報」とも記載する)を取得する。
また、制御部21は、目的地情報と共に、移動の開始位置を示す情報(以下、単に「開始位置情報」とも記載する)を取得する。例えば、制御部21は、目的地の入力を受け付ける時点においてGPS信号受信回路24から出力される自車位置を示す情報を開始位置情報として取得してもよい。ただし、開始位置情報を取得する方法は、このような例に限定されなくてもよい。例えば、制御部21は、目的地情報と同様の方法で、すなわち、タッチパネルディスプレイ25を介した入力を受け付けることで、開始位置情報を取得してもよい。
更に、制御部21は、タッチパネルディスプレイ25を介して、即時に移動を開始するか否かをユーザに問い合わせてもよい。そして、即時に移動を開始しないことが選択された場合には、制御部21は、移動の開始を所望する時刻(以下、「開始指定時刻」とも称する)の入力を受け付けてもよい。例えば、制御部21は、目的地情報と同様に、タッチパネルディスプレイ25を介したユーザの入力を受け付けることで、移動の開始指定時刻を示す情報(以下、単に「指定時刻情報」とも記載する)を取得することができる。
(ステップS102)
次のステップS102では、制御部21は、移動申請部211として機能し、ネットワークを介して、開始位置情報及び目的地情報を管制サーバ1に送信することで、当該管制サーバ1に移動の申請を行う。このとき、データ通信に利用するネットワークは、例えば、インターネット、無線通信網、移動通信網、電話網、専用網等から適宜選択されてよい。なお、ステップS101において、開始位置情報及び目的地情報と共に指定時刻情報を取得している場合、当該移動の申請の際に、制御部21は、当該指定時刻情報も管制サーバ1に送信する。
(ステップS103)
管制サーバ1の制御部11は、受付部111として機能し、各車両2の車載装置20からステップS102による移動の申請を受け付けるまで待機する。そして、ステップS103では、制御部11は、当該移動の申請の受付処理として、車載装置20からの移動の開始位置情報及び目的地情報を受信する。なお、移動の開始指定時刻が指定されている場合には、制御部11は、本ステップS103において、移動の開始位置情報及び目的地情報と共に指定時刻情報も受信する。
(ステップS104)
次のステップS104では、制御部11は、スケジュール決定部112として機能し、移動の申請を受け付けた車両2に対して、道路網300に設定されている複数の仮想流動エリア30の中から、開始位置から目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30を決定する。
開始位置から目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30を決定する方法は、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。例えば、制御部11は、ステップS103で取得した開始位置情報及び目的地情報を参照して、移動の申請を受け付けた車両2の移動の開始位置及び目的地を特定する。次に、制御部11は、地図情報122を参照して、開始位置から目的地までの経路(道路3)を特定する。例えば、制御部11は、所要時間が最短となるように、開始位置から目的地までの経路を特定してよい。そして、制御部11は、エリア設定情報123を参照して、開始位置から目的地までの経路に含まれる仮想流動エリア30を特定する。これにより、制御部11は、開始位置から目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30を決定する。
(ステップS105)
次のステップS105では、制御部11は、スケジュール決定部112として機能し、移動の申請を受け付けた車両2に対して、ステップS104で決定した対象の1又は複数の仮想流動エリア30のうちの少なくとも最初に進入する対象の仮想流動エリア30への進入時刻を決定する。
本実施形態では、各仮想流動エリア30には、移動規則が設定されている。より詳細には、各仮想流動エリア30には、それぞれ各車両2に割り当てるための複数の仮想ブロック31が設定されており、フロースケジュール情報124の示すスケジュールに従って、各仮想ブロック31は、各仮想流動エリア30内を始端301から終端302にかけて流動している。そして、各車両2は、割り当てられた仮想ブロック31の流動に合わせて移動するように指示される。
つまり、仮想流動エリア30内に一度進入した各車両2は、設定された移動規則に従ってエリア内道路32を移動する。そのため、開始位置から目的地までの移動に複数の仮想流動エリア30を通過する場合、最初に進入する対象の仮想流動エリア30への進入時刻を決定すると、2番目以降に進入する対象の各仮想流動エリア30への進入時刻は、当該各仮想流動エリア30に進入する前に進入する仮想流動エリア30の移動規則に基づいて特定可能になる。よって、制御部11は、移動の申請を受け付けた車両2に対して、ステップS104で決定した対象の1又は複数の仮想流動エリア30のうちの少なくとも最初に進入する対象の仮想流動エリア30への進入時刻を決定すればよい。
そこで、本ステップS105では、制御部11は、ステップS104で決定した対象の1又は複数の仮想流動エリア30のうちの最初に進入する対象の仮想流動エリア30への進入時刻のみを決定してもよい。また、制御部11は、ステップS104で決定した対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれへの進入時刻を決定してもよい。更に、制御部11は、ステップS104で決定した対象の1又は複数の仮想流動エリア30のうちの最初に進入する対象の仮想流動エリア30を含むいくつかの対象の仮想流動エリア30それぞれへの進入時刻を決定してもよい。
また、少なくとも最初に進入する対象の仮想流動エリア30への進入時刻は、移動を開始する時刻、移動の開始位置、及び当該最初に進入する対象の仮想流動エリア30の位置に基づいて適宜決定されてよい。ステップS103において指定時刻情報を取得している場合、移動を開始する時刻は、当該指定時刻情報により示される開始指定時刻又は当該開始指定時刻以降の移動可能な任意の時刻であってよい。また、ステップS103において指定時刻情報を取得しておらず、ステップS101でユーザにより即時に移動することが指定された場合には、移動を開始する時刻は、移動の申請を受け付けた時刻(現在時刻)又は当該現在時刻以降の移動開始可能な任意の時刻であってよい。
本実施形態では、各仮想流動エリア30には、上記の各仮想ブロック31が設定されている。そこで、制御部11は、移動を開始する時刻、移動の開始位置、及び移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれの位置に基づいて、それぞれに設定された複数の仮想ブロック31の中から、開始位置から目的地まで矛盾なく移動可能な仮想ブロック31を割り当てる。
例えば、制御部11は、移動を開始する時刻及び移動の開始位置に基づいて、最初に進入する対象の仮想流動エリア30の始端301に到着する時刻(以下、「始端到着時刻」とも記載する)を特定してもよい。そして、制御部11は、特定した始端到着時刻以降に始端301から発生する仮想ブロック31であって、他の車両2に割り当てられていない仮想ブロック31を対象の車両2に割り当ててもよい。なお、制御部11は、割当情報125を参照することで、対象の仮想ブロック31が他の車両2に割り当てられているか否かを判定することができる。
開始位置から目的地までの移動に複数の仮想流動エリア30を通過する場合、2番目に進入する対象の仮想流動エリア30における仮想ブロック31の割り当ては、その対象の仮想流動エリア30の手前に進入する対象の仮想流動エリア30、すなわち、最初に進入する対象の仮想流動エリア30における仮想ブロック31の割り当てに基づいて行われてよい。具体的には、制御部11は、フロースケジュール情報124を参照し、最初に進入する対象の仮想流動エリア30において対象の車両2に割り当てた仮想ブロック31が終端302に到達する時刻を特定してもよい。そして、制御部11は、最初に進入する対象の仮想流動エリア30の終端302に到達する時刻以降に、2番目に進入する対象の仮想流動エリア30の始端301から発生する仮想ブロック31であって、他の車両2に割り当てられていない仮想ブロック31を対象の車両2に割り当ててもよい。
3番目以降に進入する対象の仮想流動エリア30における仮想ブロック31の割り当ても同様に行うことができる。すなわち、制御部11は、N番目(Nは2以上の整数)に進入する対象の仮想流動エリア30における仮想ブロック31の割り当てを行う場合に、フロースケジュール情報124を参照して、(N−1)番目に進入する対象の仮想流動エリア30において対象の車両2に割り当てた仮想ブロック31が終端302に到達する時刻を特定してもよい。そして、制御部11は、(N−1)番目に進入する対象の仮想流動エリア30の終端302に到達する時刻以降に、N番目に進入する対象の仮想流動エリア30の始端301から発生する仮想ブロック31であって、他の車両に割り当てられていない仮想ブロック31を対象の車両2に割り当ててもよい。
これにより、制御部11は、開始位置から目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれにおいて、開始位置から目的地まで矛盾なく移動可能なように、対象の車両2に仮想ブロック31を割り当てることができる。この仮想ブロック31の割り当てによって、移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれに進入する進入時刻は決定される。制御部11は、仮想ブロック31の割り当て結果を割当情報125として記憶部12に保存する。なお、仮想ブロック31の割り当て方法の具体例は後述する。
(ステップS106)
次のステップS106では、制御部11は、移動指示部113として機能し、ステップS104及びS105で決定した対象の1又は複数の仮想流動エリア30及び進入時刻を車載装置20に送信する。
本実施形態では、制御部11は、開始位置から目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30及び進入時刻を車載装置20に送信する処理として、当該対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれにおいて割り当てた仮想ブロック31を車載装置20に通知する。これにより、制御部11は、対象の1又は複数の仮想流動エリア30の道路32に進入時刻に基づいて進入し、対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれに設定された移動規則に従って道路32を移動するように対象の車両2に指示する。
(ステップS107)
各車両2の車載装置20の制御部21は、上記ステップS102の処理を実行した後、指示受取部212として機能し、管制サーバ1から移動の指示内容を受け取るまで待機する。そして、ステップS107では、制御部21は、当該指示内容の受取処理として、開始位置から目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30及び進入時刻を示す情報を管制サーバ1から受信する。本実施形態では、制御部21は、開始位置から目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30及び進入時刻を示す情報として、当該対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれにおいて割り当てられた仮想ブロック31を示す情報を管制サーバ1から受信する。
(ステップS108)
次のステップS108では、制御部21は、自動運転制御部213として機能し、管制サーバ1からの指示内容に従って、開始位置から目的地までの車両2の移動を制御する。
本実施形態では、制御部21は、管制サーバ1からの指示内容として、開始位置から目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30それぞれにおいて割り当てられた仮想ブロック31を示す情報を管制サーバ1から受信する。そこで、制御部21は、地図情報222、エリア設定情報223及びフロースケジュール情報224を参照し、自車の割り当てられた仮想ブロック31の流動に従って、開始位置から目的地までの移動を制御する。上記のとおり、本実施形態では、開始位置から目的地までの経路に設定された対象の各仮想流動エリア30において、仮想ブロック31が車両2に割り当てられている。そのため、車両2は、対象の各仮想流動エリア30において自車の割り当てられた仮想ブロック31の流動に従うことで、開始位置から目的地まで移動することができる。このようにして、本実施形態に係る管制方法では、各車両2の移動が、管制サーバ1により管制される。
なお、本ステップ108で利用される地図情報222、エリア設定情報223、及びフロースケジュール情報224を取得するタイミングは、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、車載装置20は、地図情報222、各仮想流動エリア30に設定された移動規則を示す情報を含むエリア設定情報223、及びフロースケジュール情報224は、管制サーバ1、他の情報処理装置、又はNAS(Network Attached Storage)等の外部記憶装置から予め取得してもよい。
また、車載装置20は、上記ステップS106及びS107により、管制サーバ1から移動の指示を受信する際に、移動に利用する範囲を対象とするエリア設定情報223及びフロースケジュール情報224を管制サーバ1から取得してもよい。この場合、エリア設定情報223及びフロースケジュール情報224それぞれは、管制サーバ1の保持するエリア設定情報123及びフロースケジュール情報124それぞれの一部であってもよい。
また、本ステップS108により、各車両2が、開始位置から目的地までに移動する間、車載装置20は、自車位置を示す情報を管制サーバ1に送信してもよい。これにより、管制サーバ1は、各車両2から受信した自車位置の情報に基づいて、各車両2に割り当てた仮想ブロック31の流動に合わせて各車両2が実際に移動しているか否かを管理してもよい。
[具体例]
次に、仮想流動エリア30の設定及び仮想ブロック31の割り当ての具体例について説明する。以下では、3つの具体例を説明する。ただし、仮想流動エリア30の設定及び仮想ブロック31の割り当ては、各具体例に限定されなくてよく、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。
(1)隣接する2つの仮想流動エリア
第1に、図10A〜図10Dを用いて、隣接する2つの仮想流動エリア30それぞれにおける各車両2に対する仮想ブロック31の割り当ての一例を説明する。図10A〜図10Cは、隣接する2つの仮想流動エリア(30B、30C)それぞれにおける仮想ブロック(31B、31C)の割り当て、及び各仮想ブロック(31B、31C)を割り当てられた車両2Bが移動する過程の一場面を模式的に例示する。図10Dは、各仮想流動エリア(30B、30C)に設定された各仮想ブロック(31B、31C)の流動のスケジュールを示すフロースケジュール情報(124B、124C)を模式的に例示する。フロースケジュール情報124Bは、仮想流動エリア30Bに設定された各仮想ブロック31Bの流動のスケジュールを示し、フロースケジュール情報124Cは、仮想流動エリア30Cに設定された各仮想ブロック31Cの流動のスケジュールを示す。なお、図10A〜図10Cでは、説明の便宜上、車両の符号を「2B」と表記しているが、この車両2Bは、隣接する2つの仮想流動エリア(30B、30C)を移動する車両2を示しているに過ぎない。
互いに隣接する2つの仮想流動エリア(30B、30C)は、上記道路網300に設定される複数の仮想流動エリア30に含まれ、仮想流動エリア30Bの終端が、仮想流動エリア30Cの始端に接続している。仮想流動エリア30Bは、本発明の「第1の仮想流動エリア」の一例であり、仮想流動エリア30Cは、本発明の「第2の仮想流動エリア」の一例である。
各図に示されるとおり、仮想流動エリア30Bでは、(BB1)、(BB2)、(BB3)、(BB4)、(BB5)の順で、仮想ブロック31Bが始端から発生し、終端に向けて流動する。また、当該仮想流動エリア30Bでは、3つの仮想ブロック31Bが同時に存在可能になっている。一方、仮想流動エリア30Cでは、(BC1)、(BC2)、(BC3)、(BC4)の順で、仮想ブロック31Cが始端から発生し、終端に向けて流動する。当該仮想流動エリア30Cでは、2つの仮想ブロック31Cが同時に存在可能になっている。なお、各図において、LB1〜LB3はそれぞれ、仮想流動エリア30B内における3つの仮想ブロック31Bの位置を示しており、LC1〜LC2はそれぞれ、仮想流動エリア30C内における2つの仮想ブロック31Cの位置を示している。
そして、仮想流動エリア30Bの各仮想ブロック31Bは、当該各仮想ブロック31Bが終端に到達するタイミングで始端から流動する仮想流動エリア30Cの仮想ブロック31Cと対応関係を有している。各図に示される例では、仮想ブロックBB1は、仮想ブロックBC3と対応関係を有しており、仮想ブロックBB2は、仮想ブロックBC4と対応関係を有している。
このような場合、上記ステップS105では、管制サーバ1の制御部11は、2つの隣接する仮想流動エリア(30B、30C)の道路(32B、32C)を移動する各車両2に対して、各仮想流動エリア(30B、30C)の互いに対応関係のある各仮想ブロック(31B、31C)を割り当てる。
各図の例では、制御部11は、仮想流動エリア30Bにおいて仮想ブロック(BB1)を割り当てた車両2Bに対して、仮想流動エリア30Cにおいては、仮想ブロック(BB1)と対応関係を有する仮想ブロック(BC3)を割り当てている。図10Dのハッチングは、車両2Bに割り当てたブロックID(BB1、BC3)の仮想ブロック(31B、31C)を示している。
これにより、ステップS108において、車載装置20の制御部21は、車両2Bの移動を制御する際に、仮想流動エリア30Bと仮想流動エリア30Cとの間で全く又はほとんど待ち時間を設けなくてもよくなる。そのため、車両2Bは、仮想流動エリア30Bから仮想流動エリア30Cにスムーズに渡ることができる。したがって、当該割り当てによれば、隣接する仮想流動エリア(30B、30C)間を車両2Bがスムーズに移動するような管制を実現することができる。
(2)移動速度の制御
第2に、図11A〜図11Eを用いて、各車両2の移動速度を段階的に変化させる制御の一例を説明する。図11A〜図11Dは、3つの仮想流動エリア(30D、30E、30F)それぞれにおける仮想ブロック(31D、31E、31F)の割り当て、及び各仮想ブロック(31D、31E、31F)を割り当てられた車両2Dが移動する過程の一場面を模式的に例示する。図11Eは、各仮想流動エリア(30D、30E、30F)に設定された仮想ブロック(31D、31E、31F)の流動のスケジュールを示すフロースケジュール情報(124D、124E、124F)を模式的に例示する。フロースケジュール情報124Dは、仮想流動エリア30Dに設定された各仮想ブロック31Dの流動のスケジュールを示し、フロースケジュール情報124Eは、仮想流動エリア30Eに設定された各仮想ブロック31Eの流動のスケジュールを示し、フロースケジュール情報124Fは、仮想流動エリア30Fに設定された各仮想ブロック31Fの流動のスケジュールを示す。なお、図11A〜図11Dでは、説明の便宜上、車両の符号を「2D」と表記しているが、この車両2Dは、3つの仮想流動エリア(30D、30E、30F)を移動する車両2を示しているに過ぎない。
3つの仮想流動エリア(30D、30E、30F)は、上記道路網300に設定される複数の仮想流動エリア30に含まれ、順に配列されている。仮想流動エリア30Dと仮想流動エリア30Eとが互いに隣接しており、仮想流動エリア30Eと仮想流動エリア30Fとが互いに隣接している。仮想流動エリア30Dの終端が、仮想流動エリア30Eの始端に接続し、仮想流動エリア30Eの終端が、仮想流動エリア30Fの始端に接続している。仮想流動エリア30Dは、本発明の「第1の仮想流動エリア」に相当し、仮想流動エリア30Eは、本発明の「第2の仮想流動エリア」に相当し、仮想流動エリア30Fは、本発明の「第3の仮想流動エリア」に相当する。
各図に示されるとおり、仮想流動エリア30Dでは、(BD1)、(BD2)、(BD3)、(BD4)、(BD5)、(BD6)、(BD7)、の順で、仮想ブロック31Dが始端から発生し、終端に向けて流動する。当該仮想流動エリア30Dでは、2つの仮想ブロック31Dが同時に存在可能になっている。また、仮想流動エリア30Eでは、(BE1)、(BE2)、(BE3)、(BE4)、(BE5)、(BE6)、(BE7)、の順で、仮想ブロック31Eが始端から発生し、終端に向けて流動する。当該仮想流動エリア30Eでは、2つの仮想ブロック31Eが同時に存在可能になっている。更に、仮想流動エリアFでは、(BF1)、(BF2)、(BF3)、(BF4)、(BF5)、(BF6)、(BF7)、の順で、仮想ブロック31Fが始端から発生し、終端に向けて流動する。当該仮想流動エリア30Fでは、2つの仮想ブロック31Fが同時に存在可能になっている。なお、各図において、LD1〜LD2はそれぞれ、仮想流動エリア30D内における2つの仮想ブロック31Dの位置を示しており、LE1〜LE2はそれぞれ、仮想流動エリア30E内における2つの仮想ブロック31Eの位置を示しており、LF1〜LF2はそれぞれ、仮想流動エリア30F内における2つの仮想ブロック31Fの位置を示している。
仮想流動エリア30Dの各仮想ブロック31Dは、当該各仮想ブロック31Dが終端に到達するタイミングで始端から流動する仮想流動エリア30Eの仮想ブロック31Eと対応関係を有している。同様に、仮想流動エリア30Eの各仮想ブロック31Eは、当該各仮想ブロック31Eが終端に到達するタイミングで始端から流動する仮想流動エリア30Fの仮想ブロック31Fと対応関係を有している。各図に示される例では、仮想ブロックBD1〜BD5はそれぞれ、仮想ブロックBE3〜BE7それぞれと対応関係を有しており、仮想ブロックBE1〜BE5はそれぞれ、仮想ブロックBE3〜BE7それぞれと対応関係を有している。
この第2の例では、各仮想流動エリア(30D、30E、30F)内の道路(32D、32E、32F)に適用する移動規則として、少なくとも移動速度が規定される。1つ目の仮想流動エリア30Dに設定された移動速度は、3つ目の仮想流動エリア30Fに設定された移動速度とは相違するように設定される。そして、2つ目の仮想流動エリア30Eに設定された移動速度は、1つ目の仮想流動エリア30Dに設定された移動速度と3つ目の仮想流動エリア30Fに設定された移動速度との間であるように設定される。
この場合、上記ステップS105では、管制サーバ1の制御部11は、3つの仮想流動エリア(30D、30E、30F)の道路(32D、32E、32F)を移動する車両2Dに対して、各仮想流動エリア(30D、30E、30F)の対応関係のある仮想ブロック(31D、31E、31F)を割り当てる。
各図の例では、制御部11は、車両2Dに対して、1つ目の仮想流動エリア30Dにおける仮想ブロック(BD1)、2つ目の仮想流動エリア30Eにおける仮想ブロック(BE3)、3つ目の仮想流動エリア30Fにおける仮想ブロック(BF5)を割り当てている。図11Eのハッチングは、車両2Dに割り当てたブロックID(BD1、BE3、BF5)の仮想ブロック(31D、31E、31F)を示している。
これにより、ステップS108において、車載装置20の制御部21は、3つの仮想流動エリア(30D、30E、30F)の道路(32D、32E、32F)を移動する間に、段階的に移動速度を変化させるように車両2Dの移動を制御する。例えば、1つ目の仮想流動エリア30Dに設定された移動速度が時速40kmであり、2つ目の仮想流動エリア30Eに設定された移動速度が時速50kmであり、3つ目の仮想流動エリア30Fに設定された移動速度が時速60kmであるとする。この場合、車両2Dの移動速度は、3つの仮想流動エリア(30D、30E、30F)を車両2Dが移動する間に、時速40kmから時速60kmに徐々に加速するように管制される。減速の場合も同様である。
したがって、第2の例によれば、車両2Dの速度変化をスムーズにかつ段階的に行うための管制を実現することができる。また、このような管制方法により、急激な加減速を防止し、車内に作用する慣性力を低減することができるため、車両2Dに乗車した乗員への移動の負担を抑制することができる。
なお、各仮想ブロック31の大きさは、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。一例として、図11A〜図11Dの例では、速度の大きさに応じて、各仮想ブロック(31D、31E、31F)の大きさ(進行方向の長さ)が大きくなっている。具体的には、仮想ブロック31Eの大きさは、仮想ブロック31Dの大きさよりも大きくなっており、仮想ブロック31Fの大きさは、仮想ブロック31Eの大きさよりも大きくなっている。このように、各仮想ブロック31の大きさは、例えば、設定する移動速度の大きさに応じて決定されてよい。
(3)合流地点の制御
第3に、図12A〜図12Dを用いて、道路3の合流地点における各車両2の移動の管制の一例を説明する。図12A〜図12Cは、3つの仮想流動エリア(30G、30H、30I)それぞれにおける仮想ブロック(31G、31H、31I)の割り当て、及び仮想ブロック(31G、31I)(31H、31I)を割り当てられた各車両(2G、2H)が移動する過程の一場面を模式的に例示する。図12Dは、各仮想流動エリア(30G、30H、30I)に設定された仮想ブロック(31G、31H、31I)の流動のスケジュールを示すフロースケジュール情報(124G、124H、124I)を模式的に例示する。フロースケジュール情報124Gは、仮想流動エリア30Gに設定された各仮想ブロック31Gの流動のスケジュールを示し、フロースケジュール情報124Hは、仮想流動エリア30Hに設定された各仮想ブロック31Hの流動のスケジュールを示し、フロースケジュール情報124Iは、仮想流動エリア30Iに設定された各仮想ブロック31Iの流動のスケジュールを示す。なお、図12A〜図12Cでは、説明の便宜上、車両の符号を「2G」「2H」と表記しているが、各車両(2G、2H)は、合流地点を含む道路(32G、32I)(32H、32I)を移動する車両2を示しているに過ぎない。
各仮想流動エリア(30G、30H、30I)は、上記道路網300に設定される複数の仮想流動エリア30に含まれる。2つの仮想流動エリア(30G、30H)は、合流地点手前の各道路(32G、32H)を含むように設定され、残りの仮想流動エリア30Iは、合流地点後の道路32Iを含むように設定される。合流地点手前の各仮想流動エリア(30G、30H)は、合流地点後の仮想流動エリア30Iに隣接しており、各仮想流動エリア(30G、30H)の終端は、仮想流動エリア30Iの始端に接続している。合流地点手前の2つの仮想流動エリア(30G、30H)はそれぞれ、本発明の「第1の仮想流動エリア」に相当し、合流地点後の仮想流動エリア30Iは、本発明の「第2の仮想流動エリア」に相当する。
各図に示されるとおり、仮想流動エリア30Gでは、(BG1)、(BG2)、(BG3)、の順で、仮想ブロック31Gが始端から発生し、終端に向けて流動する。当該仮想流動エリア30Gでは、2つの仮想ブロック31Gが同時に存在可能になっている。また、仮想流動エリア30Hでは、(BH1)、(BH2)、(BH3)、の順で、仮想ブロック31Hが始端から発生し、終端に向けて流動する。当該仮想流動エリア30Hでは、2つの仮想ブロック31Hが同時に存在可能になっている。更に、仮想流動エリア30Iでは、(BI1)、(BI2)、(BI3)、(BI4)、(BI5)、(BI6)、(BI7)、(BI8)、の順で、仮想ブロック31Iが始端から発生し、終端に向けて流動する。当該仮想流動エリア30Iでは、4つの仮想ブロック31Iが同時に存在可能になっている。なお、各図において、LG1〜LG2はそれぞれ、仮想流動エリア30G内における2つの仮想ブロック31Gの位置を示しており、LH1〜LH2はそれぞれ、仮想流動エリア30H内における2つの仮想ブロック31Hの位置を示しており、LI1〜LI4はそれぞれ、仮想流動エリア30I内における2つの仮想ブロック31Iの位置を示している。
合流地点手前の各仮想流動エリア(30G、30H)の各仮想ブロック(31G、31H)は、各仮想ブロック(31G、31H)が終端に到達するタイミングで始端から流動する合流地点後の仮想流動エリア30Iの各仮想ブロック31Iと対応関係を有している。このとき、各仮想流動エリア(30G、30H)の各仮想ブロック(31G、31H)と仮想流動エリア30Iの各仮想ブロック31Iとの対応関係は、各仮想流動エリア(30G、30H)の各仮想ブロック(31G、31H)が仮想流動エリア30Iの各仮想ブロック31Iに所定の比率で対応付けられるように設定される。各図に示される例では、各仮想流動エリア(30G、30H)の各仮想ブロック(31G、31H)は、仮想流動エリア30Iの各仮想ブロック31Iに、1:1の割合で交互に対応付けられている。
加えて、各図に示される例では、仮想流動エリア30Gの各仮想ブロック31Gが終端に到達するタイミングは、仮想流動エリア30Hの各仮想ブロック31Hが終端に到達するタイミングと異なるように設定されている。具体的には、各仮想ブロック(31G、31H)がそれぞれの終端に到達するタイミングで、仮想流動エリア30Iの各仮想ブロック31Iが始端から発生するように、各仮想ブロック(31G、31H)の終端に到達するタイミングをずらしている。各図に示される例では、仮想流動エリア30Gの仮想ブロック(BG1、BG2)がそれぞれ、仮想流動エリア30Iの仮想ブロック(BI5、BI7)と対応関係を有しており、仮想流動エリア30Hの仮想ブロック(BH1、BH2)がそれぞれ、仮想流動エリア30Iの仮想ブロック(BI6、BI8)と対応関係を有している。
このような場合、上記ステップS105では、管制サーバ1の制御部11は、一方の仮想流動エリア30Gを通って仮想流動エリア30Iに入る車両2Gに対して、各仮想流動エリア(30G、30I)の対応関係のある仮想ブロック(31G、31I)を割り当てる。同様に、制御部11は、他方の仮想流動エリア30Hを通って仮想流動エリア30Iに入る車両2Hに対して、各仮想流動エリア(30H、30I)の対応関係のある仮想ブロック(31H、31I)を割り当てる。
各図の例では、制御部11は、車両2Gに対して、合流地点手前の仮想流動エリア30Gにおける仮想ブロック(BG1)、及び合流地点後の仮想流動エリア30Iにおける仮想ブロック(BI5)を割り当てている。一方、制御部11は、車両2Hに対して、合流地点手前の仮想流動エリア30Hにおける仮想ブロック(BH1)、及び合流地点後の仮想流動エリア30Iにおける仮想ブロック(BI6)を割り当てている。図12Dのハッチン具は、各車両(2G、2H)に割り当てたブロックID(BG1、BI5)(BH1、BI6)の仮想ブロック(31G、31I)(31H、31I)を示している。
これにより、ステップS108において、各車両(2G、2H)の車載装置20の制御部21は、合流地点で互いに衝突しないように、各車両(2G、2H)の移動を制御することができる。また、各仮想ブロック(31G、31H)の終端に到達するタイミングがずれていることにより、各仮想ブロック(31G、31H)から仮想ブロック31Iへの移行がスムーズに行うことができるようになっている。したがって、当該方法によれば、道路3の合流地点を各車両2が停止することなくスムーズに移動可能な管制を実現することができる。
なお、上記の例では、合流地点手前の道路は2つであるため、第1の仮想流動エリアの数は2つである。しかしながら、上記の合流地点の制御方法は、このような例に限られなくてもよい。合流地点手前の道路は3つ以上であってもよく、これに応じて、第1の仮想流動エリアは3つ以上設定されてもよい。
また、上記の例では、各第1の仮想流動エリアの各仮想ブロックを第2の仮想流動エリアの各仮想ブロックに対応付ける比率は1:1である。しかしながら、当該比率は、1:1に限られなくてもよく、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。
更に、上記の例では、各第1の仮想流動エリアの各仮想ブロックが終端に到達するタイミングは、他の第1の仮想流動エリアの各仮想ブロックが終端に到達するタイミングと異なるように設定されている。しかしながら、各第1の仮想流動エリアの各仮想ブロックが終端に到達するタイミングの設定は、このような例に限られなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。
[作用・効果]
以上のように、本実施形態に係る管制方法では、道路3により構成された道路網300は、複数の仮想流動エリア30に分割されている。そこで、管制サーバ1は、上記ステップS104及びS105の処理により、各車両2に対して、移動の開始位置から目的地までに利用する対象の1又は複数の仮想流動エリア30、及び少なくとも最初に進入する対象の仮想流動エリア30への進入時刻を決定する。これにより、管制サーバ1は、開始位置から目的地までの移動のスケジュールを各車両2に対して決定する。
そして、各仮想流動エリア30では、エリア内道路32に対して移動規則が設定されており、各車両2の車載装置20は、上記ステップS108の処理により、各仮想流動エリア30に設定された移動規則に従って、各車両2の移動を制御する。これにより、各仮想流動エリア30では、各車両2は、同一の移動規則が適用されることで、一定の規律に従って、エリア内道路32を移動(走行)する。そのため、各仮想流動エリア30では、各車両2は、衝突することなく移動することができる。
更に、当該管制方法では、各仮想流動エリア30に移動規則が設定されているため、管制サーバ1は、上記ステップS104において、各車両2の移動に利用する対象の仮想流動エリア30を決定(選択)する処理を実行するだけで、対象の移動規則が適用される範囲を特定することができる。つまり、当該管制方法では、対象の移動規則が適用される範囲を個別に特定する処理等を省略可能であり、これによって、各車両2の移動の開始位置から目的地までの移動のスケジュールを決定するための計算処理を簡略化することができる。
したがって、当該管制方法によれば、各仮想流動エリア30に異なる移動規則が設定され、道路網300内で適用される移動規則が多様化しても、各車両2の移動を管制するための計算処理が複雑化してしまうのを抑制することができる。そのため、多様な移動規則が設定され得る道路3を移動する複数の車両2の管制にかかる計算コストを低減することができる。
また、本実施形態では、各仮想流動エリア30では、始端301から終端302にかけて配列された状態のまま流動する複数の仮想ブロック31が設定される。これに応じて、管制サーバ1は、上記ステップS105において、各仮想流動エリア30の各仮想ブロック31を各車両2に割り当てることで、当該各車両2の移動スケジュールを決定する。これにより、まるでベルトコンベアで運んでいるように各車両2の移動を管制することができる。また、各仮想ブロック31に各車両2を割り当てるという簡単な処理を採用することで、各車両2の移動スケジュールを決定するための計算処理を簡略化しつつ、当該移動スケジュールを適切に設定することができようになる。したがって、本実施形態によれば、複数の車両2を適切に管制することができ、かつ多様な移動規則が設定され得る道路3を移動する複数の車両2の管制にかかる計算コストを更に低減することができる。
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
<4.1>
上記実施形態において、車両2は、本発明の「移動体」の一例である。また、道路3(及びエリア内道路32)は、本発明の「通路」の一例である。具体的には、上記道路3(及びエリア内道路32)は、陸上に設けられた通路の一例である。更に、道路網300は、本発明の「通路網」の一例である。ただし、移動体、通路、及び通路網は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択可能である。
移動体は、自律的に移動可能に構成されていれば特に限定されなくてもよく、自動運転可能に構成された上記車両2(自動車)の他、例えば、自動的に航行可能な船舶、ドローン及び飛行可能な自動車を含む飛行体等であってもよい。通路は、各移動体の移動に利用するための領域を規定可能であれば特に限定されなくてもよく、陸上の他、空中、海上等に設定されてよい。また、通路は、上記道路3(及びエリア内道路32)の他、例えば、空域を運航するために規定された通路、海上又は河川を航行するために規定された通路等の航路を含んでもよい。これに応じて、通路網は、上記道路網300の他、航路網等と称されてもよい。更に、通路は、路肩、バスの引き込み道路、タクシーの乗り場通路等、少しの移動空間であってもよい。
また、上記実施形態では、車両2は、自動運転可能に構成されており、ステップS108では、車両2の制御部21が、当該車両2の移動を制御している。自律的に移動可能な移動体には、このような車両2の他、自動航行可能な船舶、飛行体等が含まれる。更に、自律的に移動可能な移動体には、手動運転により移動する、車両、船舶、飛行体等の移動体が含まれてもよい。自律的に移動可能な移動体が、手動運転により移動する移動体である場合、上記ステップS108では、当該移動体の制御部は、管制サーバ1からの指示内容を運転者に対して出力するように構成されてよい。なお、当該指示内容の出力には、スピーカ、ディスプレイ等の出力装置が用いられてよい。
<4.2>
上記実施形態では、本発明の「制御装置」の一例として、車載装置20を例示した。しかしながら、移動体の制御装置は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて、適宜選択されてよい。例えば、移動体の制御装置は、移動の開始位置及び目的地をサーバに送信するように構成された送信装置、及び移動体の移動を制御するコントローラを含んでもよい。この場合、送信装置及びコントローラは、同一の場所に配置されてもよいし、異なる場所に配置されてもよい。
図13は、本変形例に係る制御装置の適用場面を模式的に例示する。本変形例では、制御装置は、送信装置201及びコントローラ202を含む。コントローラ202は、上記車載装置20と同様に、各車両2に配置される。一方、図13の例では、送信装置201は、各車両2とは離れた位置に存在するユーザにより保持されている。ただし、送信装置201の配置は、このような例に限られなくてもよく、各車両2に乗車したユーザが、送信装置201を保持していてもよい。
送信装置201は、CPU等を含む制御部、記憶部、通信インタフェース、入力装置、及び出力装置が電気的に接続されたコンピュータであってよい。具体例として、この送信装置201は、スマートフォン等の携帯端末、タブレットPC等の汎用のコンピュータ等であってよい。また、コントローラ202は、上記車載装置20と同様のハードウェア構成を有してもよい。
この例では、送信装置201は、プログラムの実行により、ソフトウェアモジュールとして上記移動申請部211を備え、上記ステップS101及びS102の処理を行う。一方、コントローラ202は、プログラムの実行により、ソフトウェアモジュールとして上記指示受取部212及び自動運転制御部213を備え、上記ステップS107及びS108の処理を行う。これにより、ユーザは、送信装置201を所持していれば、車両2に乗車していなくても、当該車両2の移動を制御することができる。例えば、ユーザは、遠隔地に存在する車両2を自身の下に呼び寄せることができる。
<4.3>
上記実施形態において、管制サーバ1の数は、複数であってもよい。また、上記通路網(道路網300)は、複数の通路区間に分割されていてもよい。そして、各通路区間は、1又は複数の仮想流動エリア(仮想流動エリア30)を含むように設定されてよい。
図14は、本変形例に係る2つの管制サーバ1の分配の一例を模式的に例示する。本変形例では、道路網は、2つの道路区間(40、41)に分割されている。各道路区間(40、41)は、上記通路区間の一例である。各道路区間(40、41)は、1又は複数の仮想流動エリア30を含むように設定されている。
2つの管制サーバ1は、2つの道路区間(40、41)のいずれかに割り当てられている。そして、各道路区間(40、41)における各車両2に対する上記ステップS103〜S106の一連の処理は、各道路区間(40、41)に割り当てられた管制サーバ1によって行われる。
各道路区間(40、41)は、道路3の種別に応じて設定されてよい。道路3の種別として、例えば、一般道路、高速道路、幹線道路等を挙げることができる。一例として、1つ目の道路区間40が高速道路を含むように設定され、2つ目の道路区間40は一般道路を含むように設定されてよい。
これにより、各管制サーバ1の処理負荷を道路区間(40、41)毎に分割することができる。また、例えば、同一の移動規則を有する1又は複数の仮想流動エリア30を含むように各道路区間(40、41)を設定することで、比較的に同一の移動規則が適用され得る道路区間(40、41)毎に異なる管制サーバ1を割り当てることができる。したがって、本変形例によれば、各管制サーバ1の処理負荷を低減することができる。
なお、道路網に設定される道路区間の数は、2つに限られなくてもよく、3つ以上であってもよい。また、管制サーバ1の数は、2つに限られなくてもよく、3つ以上であってもよい。また、複数の管制サーバ1それぞれが、複数の道路区間のいずれかに割り当てられるのであれば、各道路区間に割り当てられる管制サーバ1の数は、1つに限られなくてもよく、2つ以上であってもよい。
また、隣接する道路区間は、必ずしも道路の種別が異なっていなくてもよい。例えば、一定の移動規則が設定された長距離の高速道路に対して複数の道路区間を設定してもよい。これにより、管理者の異なる地域をまたいで延びる高速道路であっても、管理者毎に、道路区間を設定して、異なる管理サーバを各道路区間に割り当てることができる。
<4.4>
上記実施形態において、各仮想流動エリア30に設定される移動規則は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。隣接する2つの仮想流動エリア30において、共通の移動規則が設定されてもよいし、異なる移動規則が設定されてもよい。
また、上記実施形態において、各仮想流動エリア30には、複数の仮想ブロック31が設定されている。しかしながら、各仮想ブロック31の設定は省略されてもよい。この場合、上記ステップS108では、車載装置20の制御部21は、各仮想流動エリア30に設定された移動規則に従って、各エリア内道路32の移動を制御する。
また、上記実施形態において、各仮想流動エリア30の範囲は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。例えば、複数の車線を含む道路では、車線に応じて異なる仮想流動エリア30が設定されてもよい。
また、上記実施形態において、隣接する仮想流動エリア30は、物理的に離れていてもよい。この場合、隣接する仮想流動エリア30間の移動に関する制約条件が課されてもよい。例えば、2つの港それぞれまでの道路に仮想流動エリア30が設定され、2つの港間で車両2を船により輸送する条件(例えば、輸送時間)が制約条件として設定されてもよい。これにより、管制サーバ1は、隣接する仮想流動エリア30間の移動にかかる時間を把握することができるため、移動の開始位置から目的地までの経路にこのような範囲を含む場合であっても、上記ステップS104及びS105により、各車両2の移動スケジュールを決定することができる。
<4.5>
上記実施形態では、管制サーバ1は、地図情報122、エリア設定情報123、フロースケジュール情報124、及び割当情報125を保持している。これに応じて、車載装置20は、地図情報222、エリア設定情報223、及びフロースケジュール情報224を保持している。しかしながら、管制サーバ1及び車載装置20に保持される情報は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。例えば、地図情報(122、222)及びエリア設定情報(123、223)は1つの情報で表現されてもよい。また、仮想流動エリア30内に仮想ブロック31を設定しない場合には、フロースケジュール情報(124、224)及び割当情報125は省略されてもよい。
1…管制サーバ、
11…制御部、12…記憶部、13…通信インタフェース、
14…入力装置、15…出力装置、16…ドライブ、
111…受付部、112…スケジュール決定部、
113…移動指示部、
121…管制プログラム、122…地図情報、
123…エリア設定情報、124…フロースケジュール情報、
125…割当情報、
2…車両、20…車載装置、
21…制御部、22…記憶部、23…通信インタフェース、
24…GPS信号受信回路、25…タッチパネルディスプレイ、
211…移動申請部、212…指示受取部、
213…自動運転制御部、
221…制御プログラム、222…地図情報、
223…エリア設定情報、224…フロースケジュール情報、
3…道路、300…道路網、
30…仮想流動エリア、31…仮想ブロック、32…(エリア内)道路、
40・41…道路区間

Claims (12)

  1. 1又は複数のサーバが、それぞれ自律的に移動可能に構成された複数の移動体に対して移動の指示を送信することで、当該複数の移動体の移動を管制する管制方法であって、
    前記各移動体の制御装置が、移動の開始位置及び目的地を前記1又は複数のサーバに送信するステップと、
    前記各移動体の移動のために設けられた通路により構成された通路網は、複数の仮想流動エリアに分割されており、当該複数の仮想流動エリアそれぞれでは、それぞれに含まれる通路の移動に対して適用される移動規則が設定されており、前記1又は複数のサーバが、前記複数の仮想流動エリアの中から、前記開始位置から前記目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリアを前記各移動体に対して決定するステップと、
    前記1又は複数のサーバが、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアのうちの少なくとも最初に進入する対象の仮想流動エリアへの進入時刻を前記各移動体に対して決定するステップと、
    前記1又は複数のサーバが、決定した前記対象の1又は複数の仮想流動エリア及び進入時刻を前記各移動体の前記制御装置に送信することで、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアの通路に前記進入時刻に基づいて進入し、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれに設定された前記移動規則に従って当該通路を移動するように前記各移動体に指示するステップと、
    を備え、
    前記複数の仮想流動エリアそれぞれには、始端から終端にかけて配列された状態のまま、設定された前記移動規則に従って当該始端から当該終端に流動するようにスケジューリングされた複数の仮想ブロックが設定されており、
    前記1又は複数のサーバは、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれに設定された複数の仮想ブロックの中から少なくともいずれかの仮想ブロックを前記各移動体に割り当てることで、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれに進入する前記進入時刻を決定し、
    前記1又は複数のサーバは、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれで割り当てた前記仮想ブロックを前記制御装置に通知することで、前記対象の1又は複数の仮想流動エリア及び前記進入時刻を前記制御装置に送信する、
    管制方法。
  2. 複数の仮想流動エリアは、互いに隣接する第1の仮想流動エリア及び第2の仮想流動エリアを含み、
    前記第1の仮想流動エリアの終端は、前記第2の仮想流動エリアの始端に接続し、
    前記第1の仮想流動エリアの前記各仮想ブロックは、当該各仮想ブロックが前記終端に到達するタイミングで前記始端から流動する前記第2の仮想流動エリアの仮想ブロックと対応関係を有しており、
    前記1又は複数のサーバは、前記第1の仮想流動エリア及び前記第2の仮想流動エリアの通路を移動する移動体に対して、互いに対応関係のある前記第1の仮想流動エリアの仮想ブロック及び前記第2の仮想流動エリアの仮想ブロックを割り当てる、
    請求項に記載の管制方法。
  3. 前記移動規則は、少なくとも移動速度を規定し、
    前記複数の仮想流動エリアは、前記第2の仮想流動エリアに隣接する第3の仮想流動エリアを更に含み、
    前記第2の仮想流動エリアの終端は、前記第3の仮想流動エリアの始端に接続し、
    前記第2の仮想流動エリアの前記各仮想ブロックは、当該各仮想ブロックが前記終端に到達するタイミングで前記始端から流動する前記第3の仮想流動エリアの仮想ブロックと対応関係を有しており、
    前記第1の仮想流動エリアに設定された移動速度は、前記第3の仮想流動エリアに設定された移動速度とは相違しており、
    前記第2の仮想流動エリアに設定された移動速度は、前記第1の仮想流動エリアに設定された移動速度と前記第3の仮想流動エリアに設定された移動速度との間であるように設定され、
    前記1又は複数のサーバは、前記第1の仮想流動エリア、前記第2の仮想流動エリア及び前記第3の仮想流動エリアの通路を移動する移動体に対して、対応関係のある前記第1の仮想流動エリアの仮想ブロック、前記第2の仮想流動エリアの仮想ブロック、及び前記第3の仮想流動エリアの仮想ブロックを割り当てる、
    請求項に記載の管制方法。
  4. 前記複数の仮想流動エリアは、複数の前記第1の仮想流動エリアを含み、
    前記各第1の仮想流動エリアの前記各仮想ブロックと前記第2の仮想流動エリアの前記各仮想ブロックとの前記対応関係は、前記各第1の仮想流動エリアの前記各仮想ブロックが前記第2の仮想流動エリアの前記各仮想ブロックに所定の比率で対応付けられるように設定される、
    請求項に記載の管制方法。
  5. 前記各第1の仮想流動エリアの前記各仮想ブロックが前記終端に到達するタイミングは、他の第1の仮想流動エリアの前記各仮想ブロックが前記終端に到達するタイミングと異なるように設定される、
    請求項に記載の管制方法。
  6. 前記複数の仮想流動エリアのうち少なくともいずれかの隣接する仮想流動エリアには異なる移動規則が設定される、
    請求項1からのいずれか1項に記載の管制方法。
  7. 前記通路網は、複数の通路区間に分割されており、
    前記各通路区間は、1又は複数の前記仮想流動エリアを含み、
    複数の前記サーバは、前記複数の通路区間のいずれかに割り当てられており、
    前記各通路区間における、前記各移動体に対する前記対象の1又は複数の仮想流動エリア及び前記進入時刻の決定は、前記各通路区間に割り当てられた前記サーバによって行われる、
    請求項1からのいずれか1項に記載の管制方法。
  8. 前記各通路区間は、前記通路の種別に応じて設定される、
    請求項に記載の管制方法。
  9. 前記通路は、道路であり、
    前記移動体は、自動運転可能に構成された自動車である、
    請求項1からのいずれか1項に記載の管制方法。
  10. 前記移動規則は、移動速度、及び他の移動体との間の最小距離の少なくともいずれかを規定する、
    請求項1からのいずれか1項に記載の管制方法。
  11. それぞれ自律的に移動可能に構成された複数の移動体に対して移動の指示を送信することで、当該複数の移動体の移動を管制する管制装置であって、
    前記各移動体の制御装置からの移動の申請を受け付ける受付部であって、移動の開始位置及び目的地を示す情報を受信する受付部と、
    前記各移動体の移動のために設けられた通路により構成された通路網は、複数の仮想流動エリアに分割されており、当該複数の仮想流動エリアそれぞれでは、それぞれに含まれる通路の移動に対して適用される移動規則が設定されており、前記複数の仮想流動エリアの中から、前記開始位置から前記目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリアを前記各移動体に対して決定し、かつ前記対象の1又は複数の仮想流動エリアのうちの少なくとも最初に進入する対象の仮想流動エリアへの進入時刻を前記各移動体に対して決定するスケジュール決定部と、
    決定した前記対象の1又は複数の仮想流動エリア及び進入時刻を前記各移動体の前記制御装置に送信することで、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアの通路に前記進入時刻に基づいて進入し、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれに設定された前記移動規則に従って当該通路を移動するように前記各移動体に指示する移動指示部と、
    を備え、
    前記複数の仮想流動エリアそれぞれには、始端から終端にかけて配列された状態のまま、設定された前記移動規則に従って当該始端から当該終端に流動するようにスケジューリングされた複数の仮想ブロックが設定されており、
    前記スケジュール決定部は、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれに設定された複数の仮想ブロックの中から少なくともいずれかの仮想ブロックを前記各移動体に割り当てることで、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれに進入する前記進入時刻を決定し、
    前記移動指示部は、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれで割り当てた前記仮想ブロックを前記制御装置に通知することで、前記対象の1又は複数の仮想流動エリア及び前記進入時刻を前記制御装置に送信する、
    管制装置。
  12. それぞれ自律的に移動可能に構成された複数の移動体に対して移動の指示を送信させることで、当該複数の移動体の移動をコンピュータに管制させるための管制プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記各移動体の制御装置からの移動の申請を受け付けるステップであって、移動の開始位置及び目的地を示す情報を受信するステップと、
    前記各移動体の移動のために設けられた通路により構成された通路網は、複数の仮想流動エリアに分割されており、当該複数の仮想流動エリアそれぞれでは、それぞれに含まれる通路の移動に対して適用される移動規則が設定されており、前記複数の仮想流動エリアの中から、前記開始位置から前記目的地までの移動に利用する対象の1又は複数の仮想流動エリアを前記各移動体に対して決定するステップと、
    前記対象の1又は複数の仮想流動エリアのうちの少なくとも最初に進入する対象の仮想流動エリアへの進入時刻を前記各移動体に対して決定するステップと、
    決定した前記対象の1又は複数の仮想流動エリア及び進入時刻を前記各移動体の前記制御装置に送信することで、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアの通路に前記進入時刻に基づいて進入し、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれに設定された前記移動規則に従って当該通路を移動するように前記各移動体に指示するステップと、
    を実行させ、
    前記複数の仮想流動エリアそれぞれには、始端から終端にかけて配列された状態のまま、設定された前記移動規則に従って当該始端から当該終端に流動するようにスケジューリングされた複数の仮想ブロックが設定されており、
    前記コンピュータに、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれに設定された複数の仮想ブロックの中から少なくともいずれかの仮想ブロックを前記各移動体に割り当てることで、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれに進入する前記進入時刻を決定させ、
    前記コンピュータに、前記対象の1又は複数の仮想流動エリアそれぞれで割り当てた前記仮想ブロックを前記制御装置に通知することで、前記対象の1又は複数の仮想流動エリア及び前記進入時刻を前記制御装置に送信させる、
    ための、
    管制プログラム。
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