JP6822175B2 - 選定方法 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェットインク及び染色物に関する。
インクジェット方式による捺染(以下、インクジェット捺染)は、従来方式の捺染(以下、アナログ捺染)に比べ、高解像度の印刷物が得られることに加え、低コスト、多品種小ロット、短納期の生産が可能であり、近年注目を集めている。インクジェット捺染やアナログ捺染に用いられる色材の一つに分散染料がある。分散染料を用いたインクは、微粒化した色材に分散剤を吸着させることで、インク中での凝集、沈降を抑制し、長期の保存安定性を確保している。このように、色材の分散に用いる分散剤は、保存安定性においても重要な要素であり、従来から様々な化合物が検討されてきた。例えば、特許文献1においては、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物中のナフタレンスルホン酸成分とナフタレンジスルホン酸成分との合計量を20質量%以下とする分散剤の開示がある。
特開2015−189821
しかしながら、特許文献1に記載の分散剤を用いたインクでは、インクの保存安定性が低下しやすいという課題があった。詳しくは、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物を用いた上記分散剤では、分散剤を構成するモノマーの種類が少ない場合に、縮合させて分散剤とすると、溶解パラメーター値の幅が狭くなりやすかった。そのため、分散剤として用いると、色材の溶解パラメーター値と適合しにくく、色材に対する分散剤の吸着が不安定になることがあった。そのため、高温環境下などにおいて分散剤が脱離して色材が凝集し、インクの吐出安定性が低下することがあった。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定のUV吸収波長と分子量分布を併せ持つ分散剤を含有するインクが、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
[適用例1]本適用例に係るインクジェットインクは、色材、分散剤および水を含有するインクジェットインクであって、分散剤が、紫外吸光度検出器を用いてGPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定された、分散剤の、分子量および分子量と対応する紫外線吸収スペクトルにおいて、x軸;時間(分子量)、y軸;UV波長、z軸;強度(AU)で表した3次元のz軸真上から描いた等高線において、y軸値がmaxの時の分子量(UV吸収強度最大時の分子量)をBa、y軸値がmaxの時のUV吸収波長(UV吸収波長最大値)をBb、z軸値がmaxの時の分子量(UV吸収強度最大時の分子量)をAa、Aaと対応するUV吸収波長(UV吸収強度最大時のUV吸収波長)をAbとしたとき、式(1)、(2)を満たす。
|Bb−Ab|≧50[nm] ・・・(1)
1000≦|Ba−Aa|≦30000 ・・・(2)
[適用例2]上記適用例に記載のインクジェットインクにおいて、分子量Aa及び分子量Baが、ともに1000以上であることが好ましい。
[適用例3]上記適用例に記載のインクジェットインクにおいて、分散剤は、分子構造中に1つ以上の芳香環を含むことが好ましい。
[適用例4]上記適用例に記載のインクジェットインクにおいて、分散剤は、芳香族スルホン酸塩のホルマリン縮合物、またはリグニンスルホン酸塩、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂の群から選ばれる1つ以上であることが好ましい。
[適用例5]上記適用例に記載のインクジェットインクにおいて、色材は、水不溶性または水難溶性であることが好ましい。
[適用例6]上記適用例に記載のインクジェットインクにおいて、色材は、分散染料であることが好ましい。
[適用例7]本適用例に係る染色物には、上記適用例に記載の分散染料を含有するインクジェットインクを用いて染色されることが好ましい。
実施形態に係る分散剤のGPC法による測定データを示す3次元グラフ図。 分散剤のGPC法による測定データを示す2次元グラフ図。 分散剤のGPC法による測定データを示す2次元グラフ図。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。
[インクジェットインク]
本実施形態に係るインクジェットインク(以下、「インク」ともいう。)は、色材、後述する分散剤および水を含有する。以下、インクの各成分について説明する。
(色材)
本実施形態のインクが含有する色材としては、染料が採用できる。このような色材としては、水不溶性または水難溶性の染料を用いることが好ましい。
顔料としては、公知の有機顔料、無機顔料のいずれも用いることができる。有機顔料としては、例えば、アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料などの多環式顔料、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキなどの染料レーキ顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などが挙げられる。無機顔料としては、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化クロムなどの金属酸化物顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
水不溶性または水難溶性の染料としては、分散染料を用いることが好ましい。分散染料を用いることにより、ポリエステル、アセテート、ナイロンなどの疎水性合成繊維に捺染を施すことができる。分散染料とは、水に対して不溶性または難溶性を示し、分散剤などの界面活性剤を使用して水分散状態とし、捺染に用いられる染料である。
分散染料の市販品の例としては、オラセットイエロー8GF(商品名、チバガイギー社製、C.I.ディスパースイエロー82)、アイゼンゾットイエロー5(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ディスパースイエロー3)、スミプラスイエローHLR(商品名、住友化学工業株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54)、カヤセットイエローA−G(商品名、日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54)、ダイアレジンイエローH2G(商品名、三菱化学株式会社製、C.I.ディスパースイエロー160)、オイルイエロー54(商品名、中央合成化学株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54)、ダイアレジンレッドH(商品名、三菱化学株式会社製、C.I.ディスパースレッド5)、スミプラスレッドB−2(商品名、住友化学工業株式会社製、C.I.ディスパースレッド191)、カヤセットレッドB(商品名、日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースレッド60)、フィレスターバイオレットBA(商品名、チバガイギー社製、C.I.ディスパースバイオレット57)、プラストレッド8335(商品名、有本化学工業株式会社製、C.I.ディスパースバイオレット17)、プラストレッド8375(商品名、有本化学工業株式会社製、C.I.ディスパースバイオレット60)、プラストブルー8516(商品名、有本化学工業株式会社製、C.I.ディスパースブルー14)などが挙げられる。
上記の分散染料は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
実施形態における分散染料には、昇華性染料が好ましい。ここで、「昇華性染料」とは、加熱により昇華する性質を持つ化合物である。昇華性染料を用いることで、捺染分野において、昇華転写による印刷が可能となる。昇華転写捺染では、直接捺染と比較して、インク消費量、洗浄工程の削減、環境負荷の低減などが可能で、高効率・低コストでの生産が可能となる。昇華性染料の分子量は、昇華性を良好とするために、350以下が好ましい。
昇華性染料としては、特に制限されないが、以下の例が挙げられる。
イエロー昇華性染料としては、例えば、C.I.ディスパースイエロー3、7、8、23、39、51、54、60、71、86などが挙げられる。
オレンジ昇華性染料としては、例えば、C.I.ディスパースオレンジ1、1:1、5、20、25:1、33、56、76などが挙げられる。
ブラウン昇華性染料としては、例えば、C.I.ディスパースブラウン2などが挙げられる。
レッド昇華性染料としては、例えば、C.I.ディスパースレッド11、50、53、55:1、59、60、65、70、75、93、146、158、190、190:1、207、239、240、C.I.バッドレッド41などが挙げられる。
バイオレット昇華性染料としては、例えば、C.I.ディスパースバイオレット8、17、23、27、28、29、36、57などが挙げられる。
ブルー昇華性染料としては、例えば、C.I.ディスパースブルー14、19、26、26:1、35、55、56、58、64、64:1、72、72:1、81、81:1、91、95、108、131、141、145、C.I.ソルベントブルー36、63、105、111などが挙げられる。
上記の昇華性染料は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本実施形態における好ましい昇華性染料は、例えば、C.I.ディスパースイエロー54、64、160、C.I.ディスパースレッド60、91、92、C.I.ソルベントバイオレット13、C.I.ディスパースバイオレット28、C.I.ディスパースブルー359、C.I.ソルベントブルー11、36、59、63などが挙げられる。これらの昇華性染料を用いることにより、より鮮明性、発色性に優れ、耐光性、堅牢性が向上した染色物が得られる。
上述した分散染料の平均粒子径は、特に限定されないが、30nm〜500nmが好ましい。より好ましくは、50nm〜350nmである。平均粒子径を上記範囲内であることで、発色性と、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性と、を確保することができる。ここで上記の平均粒子径は、光散乱方式で測定される体積平均粒子径であり、例えばマイクロトラックUPA250(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
本実施形態のインクに含有される色材の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対して、5質量%以上、30質量%以下であり、好ましくは20質量%以下である。色材の含有量が上記の範囲内にあることで、色材含有量の過多による分散阻害や増粘を抑え、染色物の発色を向上させる。
(分散剤)
分散剤は、紫外吸光度検出器を用いてGPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定された、分散剤の、分子量および分子量と対応する紫外線吸収スペクトルにおいて、x軸;時間(分子量)、y軸;UV波長、z軸;強度(AU)で表した3次元のz軸真上から描いた等高線において、y軸値がmaxの時の分子量(UV吸収波長最大時の分子量)をBa、y軸値がmaxの時のUV吸収波長(UV吸収波長最大値)をBb、z軸値がmaxの時の分子量(UV吸収強度最大時の分子量)をAa、Aaと対応するUV吸収波長(UV吸収強度最大時のUV吸収波長)をAbとしたとき、式(1)、(2)を満たすものである。
|Bb−Ab|≧50[nm] ・・・(1)
1000≦|Ba−Aa|≦30000 ・・・(2)
ここで、GPC法による分散剤の測定方法および測定データの解析方法について、本実施形態の分散剤の測定データの一例を参照して説明する。
まず、GPC法による分散剤の測定方法について説明する。分散剤を溶剤に溶解して測定試料とする。GPC法によれば、分散剤を分子量の大きさに応じて分離することが可能である。詳しくは、測定試料がGPC装置のカラムを通過することにより、分散剤の分子量に応じて分離され、分子量が比較的に大きな分散剤成分(分子)は早く、分子量が比較的に小さな分散剤成分は遅く、カラムの出口に到達する。このように、時間差にて、分子量が異なる成分が分離される。したがって、分子量が既知の較正用の標準試料(高分子化合物)の測定データを用いて比較、較正することにより、分離された分散剤成分の分子量を推定することが可能である。言い換えると、時間と分子量とは相関関係が成り立つ。
GPC測定装置の検出器として、多波長型のUV(Ultraviolet)検出器を用いれば、分離された分散剤成分について、それぞれの紫外線吸収スペクトル(以降、「UVスペクトル」ともいう。)が得られる。すなわち、分子量分布を有する高分子化合物である分散剤について、分子量に対応するUVスペクトルを得ることが可能である。なお、溶媒、GPC測定装置、検出器、カラム、較正用の標準試料などは、市販品が適用可能である。詳細な測定条件は、実施例にて述べる。
次に、GPC法によって得られた測定データの解析方法について説明する。図1は、実施形態に係る分散剤のGPC法による測定データを示す3次元グラフ図である。図2および図3は、分散剤のGPC法による測定データを示す2次元グラフ図である。
図1は、x軸を時間(単位:分)、y軸をUV波長(単位:nm)、z軸を強度(UV吸収強度)として、測定データを3次元で表示したグラフ図である。x軸の時間とは、カラムによって分離された分散剤成分が、検出器に到達した時間であり、いわゆる保持時間を指している。上述したように、時間と分子量とは相関関係にあるため、x軸を分子量として読み替えてもよい。但し、その場合には、分子量の大小の向きは、時間の長短とは逆向きになり、時間が長い程、分子量は小さくなる。
検出器に到達した分散剤成分について、検出器によって、一定時間ごとにUVスペクトルが測定される。すなわち、図1は、一定時間ごとに測定された分散剤成分のUVスペクトルを、時間軸に沿って並べて描いたグラフ図になる。なお、図1においては、UVスペクトルを個々には表示せず、それらが形成する曲面を認識できるように表示している。
図1に示したように、x軸の時間で、15分から22分の間に、頂点が比較的になだらかながら、最も大きなピークが見られる。これは分散剤成分に由来するピークである。これに対して、該ピークの低波長側にあるシャープなピークは、分散剤の溶解に用いた溶剤に由来するピークである。このような分散剤以外の成分に由来する成分を除き、分散剤成分本来のピークにおいて、最も強度が大きいピークの頂点を点Pとする。また、分散剤成分由来のピークにおいて、ピークの裾野(ピークの立ち上がり)が最も高波長側にある点を点Qとする。なお、本発明においては、上述した分散剤以外の成分に由来するピークは除外する。
図2は、図1のデータをx−yの二次元で表示し、主要なピークの出現範囲を拡大表示したグラフ図である。図2において、x軸(横軸)は時間を、y軸(縦軸)はUV波長をそれぞれ示している。図2に表示したのは、z軸の強度0から強度0.25刻みで全ての吸収スペクトルの、該当する強度を示す点を結んだものである。言い換えると、図2は、図1(xyzの3次元のグラフ図)を、z軸プラス方向の真上から俯瞰して描いたものであり、強度の高低はいわば等高線として表示されている。
図2に示したように、点Pを、xy座標で(tA,Ab)と定義する。すなわち、Abは、最も強度が大きなピークの頂点(UV吸収強度最大時)のUV吸収波長である。また、Abと対応するtAは、強度が最も大きなピークが出現した時間(z軸値がmaxの時)である。tAは、後述する較正方法により、tAに対応する分散剤成分の分子量Aaに変換される。
点Qを、xy座標で(tB,Bb)と定義する。すなわち、Bbは、図2に示した等高線において、最も高波長側の点(y軸値がmaxの時のUV吸収波長)である。また、Bbと対応するtBは、最も高波長側に裾野を有するピークが出現した時間である。tBは、後述する較正方法により、tBに対応する分散剤成分の分子量Baに変換される。
図3は、図1において、点P(Ab/波長:297nm)、および点Q(Bb/波長:331nm)を通るグラフをx−z断面で表示して、重ね書きしたグラフ図である。
分散剤は、分子構造中に1つ以上の芳香環を含むことが好ましい。このような分散剤としては、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物やスチレン−マレイン酸系樹脂、などが挙げられる。
分散染料の分散性を高める分散剤として、芳香族スルホン酸塩のホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂の群から選ばれる1つ以上を組み合わせて用いることが好ましい。
芳香族スルホン酸塩のホルマリン縮合物としては、特に限定されないが、例として下記が挙げられる。ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸のホルマリン縮合物、フェノールスルホン酸のホルマリン縮合物、β−ナフトールスルホン酸のホルマリン縮合物、メチルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、ブチルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物等のアルキルナフタレンンスルホン酸のホルマリン縮合物;β−ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物とβ−ナフトールスルホン酸のホルマリン縮合物との混合物、クレゾールスルホン酸のホルマリン縮合物と2−ナフトール−6−スルホン酸のホルマリン縮合物との混合物、など。
リグニンスルホン酸塩としては、特に限定されないが、リグニンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂としては、公知のものを使用することができる。
分散剤の分子量は、Aa≦1000かつBa≦1000であることが好ましく、Aa≦2000かつBa≦2000であることがより好ましく、Aa≦3000かつBa≦3000以上であることが更に好ましい。一方上限は100000以下であることが好ましく、50000以下であることが更に好ましい。分散剤の分子量が小さいと、分散が不安定化しやすく、逆に高すぎると水溶性が低下し、分散が良好に進行しない。
上述した分散剤は溶解パラメーターの値を広くとることができ、色材の溶解パラメーターと適合しやすく、色材と分散剤の吸着が安定化しやすい。また、分子構造内に芳香環を持つことによって、色材中の芳香族リングのπ電子と分散剤のπ電子との相互作用により、色材への分散剤の吸着がより安定化し、保存安定性が向上する。
本実施形態のインクに含有される、分散剤の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対して、1質量%以上、20質量%以下が好ましく、3質量%以上、15質量%以下がさらに好ましい。1質量%以上であれば、分散安定性が向上し、20質量%以下であれば、分散時の色材の粉砕阻害や増粘を抑制できる。
(水)
本実施形態において、上述のインクの主要分散媒体として水を含む。本実施形態のインクにおける水の含有量は、インクの総質量に対して、40質量%以上、90質量%以下が好ましく、50質量%以上、80質量%以下がさらに好ましい。
水としては、特に制限されることはなく、例えばイオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水などの純水、または超純水を用いることができる。また、紫外線照射や過酸化水素の添加によって滅菌された水を用いることで、色材分散液(またはインク)を長期間保存する際に、カビやバクテリアの発生を抑制することができる。また、水はインクとして吐出後に、染色物を加熱や風等を与えることにより容易に除去することが可能であり、染色物の生産性がより向上する。
[色材、分散剤、水以外の成分]
本実施形態に係るインクは、色材分散液以外の成分を含むものであってよい。このような成分としては、例えば水溶性有機溶剤、保湿剤、界面活性剤、防腐防黴剤、pH調整剤、キレート剤、防錆剤、紫外線吸収剤、消泡剤、表面張力調整剤などが挙げられる。
(水溶性有機溶剤)
水溶性有機溶剤を含むことにより、長期放置時によるインクジェットヘッドからの水分蒸発を効果的に抑制しつつ、中間転写媒体への濡れ性を高めてインクの浸透性が向上し、吐出安定性および目詰まり回復性もより向上する。水溶性有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオール化合物、グリコールエーテル化合物などが挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えば、分子内の炭素数が2以上6以下であり、かつ、分子内にエーテル結合を1つ有してもよいポリオール化合物(好ましくはジオール化合物)などが挙げられる。具体例としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。
グリコールエーテル類としては、例えば、アルキレングリコールモノエーテルやアルキレングリコールジエーテルなどが挙げられる。
アルキレングリコールモノエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、などが挙げられる。
アルキレングリコールジエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどが挙げられる。
水溶性有機溶剤の含有割合は、インクの総質量に対して、1質量%〜40質量%が好ましく、より好ましくは5質量%〜30質量%である。水溶性有機溶剤の含有割合が上記範囲内にあることで、長期放置時におけるプリンターのインクジェットヘッドからの水分蒸発を効果的に抑制しつつ、中間転写媒体への濡れ性を高めてインクの浸透性により優れ、吐出安定性および目詰まり回復性もより向上する。
(保湿剤)
保湿剤を含むことにより、インクジェットヘッドのノズルにおける目詰まりの発生を低減することができる。保湿剤としては、特に限定されないが、例えば、糖類、ベタイン化合物などが挙げられる。
糖類とは、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類をいうものとする。糖類としては、例えば、トレオース、エリトルロース、エリトロース、アラビノース、リブロース、リボース、キシロース、キシルロース、リキソース、グルコース、フルクトース、マンノース、イドース、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガラクトース、アロース、プシコース、アルトロース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、イソトレハロース、ゲンチオビソース、メリビオース、ツラノース、ソホロース、イソサッカロース、グルカン、フルクタン、マンナン、キシラン、ガラクツロナン、マンヌロナン、N−アセチルグルコサミン重合体などのホモグリカン、ジヘテログリカン、トリヘテログリカンなどのヘテログリカン、マルトトリオース、イソマルトトリオース、パノース、マルトテトラオース、マルトペンタオースが挙げられ、好ましくは、トレハロースが例示できる。
ベタイン化合物とは、正電荷と負電荷を同一分子内の隣り合わない位置に持ち、正電荷を持つ原子には解離しうる水素原子が結合しておらず、分子全体としては電荷を持たない化合物(分子内塩)である。好ましいベタイン化合物としては、アミノ酸のN−アルキル置換体であり、より好ましくはアミノ酸のN−トリアルキル置換体である。ベタイン化合物としては、例えば、トリメチルグリシン(「グリシンベタイン」ともいう。)、γ−ブチロベタイン、ホマリン、トリゴネリン、カルニチン、ホモセリンベタイン、バリンベタイン、リジンベタイン、オルニチンベタイン、アラニンベタイン、スタキドリンおよびグルタミン酸ベタインが挙げられ、好ましくは、トリメチルグリシンが例示できる。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、およびシリコーン系界面活性剤のうち少なくともいずれかが好ましい。インクが上記の界面活性剤を含むことにより、インクの吐出時のインク滴形成(吐出安定性)がより一層良好となる。
これらの界面活性剤の中でも、プリンターのインク流路内への濡れ性を高めて、吐出特性がより向上する、シリコーン系界面活性剤がより好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールおよび2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールおよび2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される1種以上が好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ(エアプロダクツ社(Air Products Japan,INC.)製商品名)、サーフィノール465やサーフィノール61(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)などが挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、S−144、S−145(旭硝子株式会社製);FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(Dupont社製);FT−250、251(株式会社ネオス製)などが挙げられる。
上述したフッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサンなどが挙げられる。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名、ビックケッミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)などが挙げられる。
界面活性剤の含有割合は、インクの総質量に対し、好ましくは0.1質量%〜5質量%であり、より好ましくは、0.1質量%〜3質量%である。界面活性剤の含有割合が上記範囲内であることにより、染色物に付着したインクの濡れ性がより向上する傾向にある。
(防腐防黴剤)
防腐防黴剤としては、特に限定されないが、例えば、有機硫黄系化合物、有機窒素硫黄系化合物、有機ハロゲン系化合物、ハロアリルスルホン系化合物、ヨードプロパギル系化合物、N−ハロアルキルチオ系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ニトリル系化合物、ピリジン系化合物、8−オキシノリン系化合物、イソチアゾリン系化合物、ジオチール系化合物、ピリジンオキシド系化合物、ニトロプロパン系化合物、有機スズ系化合物、フェノール系化合物、第4アンモニウム塩系化合物、トリアジン系化合物、チアジアジン系化合物、アニリド系化合物、アダマン系化合物、ジチオカーバメイト系化合物、ブロム化インダノン系化合物、ベンジルブロムアセテート系化合物、無機塩系化合物などが挙げられる。
上述した、防腐防黴剤の中でも、有機ハロゲン系化合物、ピリジンオキシド系化合物、イソチアゾリン系化合物などを用いることが好ましい。
有機ハロゲン系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。
ピリジンオキシド系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイドなどが挙げられる。
イソチアゾリン系化合物としては、特に限定されないが、例えば、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライドなどが挙げられる。
その他の防腐防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウムなどが挙げられる。
(pH調整剤)
pH調整剤を含むことにより、インクの保存安定性などがより優れる傾向にある。pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、インクのpHを6.0以上、11.0以下の範囲に制御できるものを好適に用いることができる。このようなpH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;タウリン等のアミノスルホン酸などが挙げられる。
(キレート剤)
キレート剤を含むことにより、プリンター内のインク接液部剤から溶出した金属イオンと染料が、塩となって異物化するのを防止することができる。これにより、インクジェットヘッドの目詰まりを防止させ、吐出安定性をより向上できる。キレート剤としては、特に限定されないが、例えば、エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
(防錆剤)
防錆剤としては、特に限定されないが、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ベンゾトリアゾール系化合物などが挙げられる。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾフェノン系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物、スチルベン系化合物、いわゆる蛍光増白剤(ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物)などが挙げられる。
(消泡剤)
消泡剤としては、特に限定されないが、例えば、高酸化油系化合物、グリセリン脂肪酸エステル系化合物、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、アセチレン系化合物などが挙げられる。
(表面張力調整剤)
表面張力調整剤としては、特に限定されないが、例えば、界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及およびその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、その他イミダゾリン誘導体などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系界面活性剤;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール,3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレングリコール系界面活性剤などが挙げられる。
[インクの物性]
(表面張力)
インクの表面張力(25℃における表面張力)は、20mN/m以上、50mN/m以下が好ましく、25mN/m以上、40mN/m以下がより好ましい。なお、インクの表面張力は、表面張力計CBVP−A3(協和界面科学株式会社製)を用いて、JIS K3362に準拠した測定により求めることができる。表面張力が上記範囲内であることにより、インクジェットヘッドからの吐出安定性に優れる傾向にある。
(粘度)
インクの粘度(25℃における粘度)は、2.0mPa・s(ミリパスカルセカンド)以上、20mPa・s以下が好ましい。粘度が上記範囲内であることにより、インクのインクジェットからの吐出安定性がより優れる傾向にある。なお、インクの粘度は、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠した測定により求めることができる。
[インクの捺染方法]
次に、本実施形態に係るインクを用いた染色物の捺染方法について説明する。捺染方法は、例えば、プリンターを用いたインクジェット方式により、インクを中間転写媒体に塗布するインク塗布工程と、インクが塗布された中間転写媒体を加熱し、インクに含まれる昇華性染料を被染色媒体に転写させる転写工程と、を有する。これにより、生産性良く染色物を捺染することができる。以下、各工程について詳細に説明する。
(インク塗布工程)
インク塗布工程では、インクジェット方式により、インクを中間転写媒体に塗布する。詳しくは、インクを、微小な液滴として中間転写媒体に吐出して着弾(塗布)させる。従来のインクでは、充分な保存安定性が確保されにくく、色材(分散染料)の粒子が凝集して、上記吐出において吐出不安定を引き起こすことがあった。本実施形態のインクでは、保存安定性が向上するため、色材の凝集が抑制され、吐出安定性が向上している。ここで、インクジェット方式によるインクの吐出は、公知のインクジェット記録装置を用いて行うことができる。吐出方法としては、ピエゾ方式や、インクを加熱して発生した泡(バブル)によりインクを吐出させる方式などを用いることができる。このなかでも、インクの変質し難さなどの観点から、ピエゾ方式が好ましい。
インク塗布工程では、上記インク以外のインクを用いてもよい。これにより、例えば、表現することのできる色域をより広いものとすることができる。
中間転写媒体としては、特に限定されないが、例えば、普通紙などのほか、インク受容層が設けられた被染色媒体(インクジェット用専用紙、コート紙などで呼称される)などを用いることができる。このなかでも、シリカなどの無機微粒子でインク受容層が設けられた紙が好ましい。これにより、中間転写媒体に付与したインクが乾燥する過程で、滲みなどが抑制された中間転写媒体を得ることができ、また、後の転写工程において、昇華性染料の昇華がより円滑に進行する傾向にある。
(転写工程)
その後、インクが付与された中間転写媒体を加熱し、インクに含まれる昇華性染料を被染色媒体に転写させる。これにより、染色物が得られる。
本工程での上記の加熱の温度(加熱温度)は、160℃以上220℃以下が好ましく、170℃以上220℃以下がより好ましい。加熱温度が上記範囲内であることにより、転写に要するエネルギーをより少なくすることができ、染色物の生産性により優れる傾向にある。また、得られる染色物の発色性がより優れる傾向にある。
本工程での加熱の時間(加熱温度)は、加熱温度にもよるが、30秒以上90秒以下が好ましく、45秒以上60秒以下がより好ましい。加熱時間が上記範囲内であることにより、転写に要するエネルギーをより少なくすることができ、染色物の生産性により優れる傾向にある。また、得られる染色物の発色性がより優れる傾向にある。
また、本工程は、インクが付与された中間転写媒体の表面を、被染色媒体と一定間隔で離間して対向させた状態で加熱することにより行うことも、中間転写媒体と被染色媒体とを密着させた状態で加熱することにより行うこともできる。このなかでも、中間転写媒体と被染色媒体とを密着させた状態で加熱することにより行うことが好ましい。これにより、転写に要するエネルギーをより少なくすることができ、染色物の生産性により優れる傾向にある。また、得られる染色物の発色性がより優れる傾向にある。
被染色媒体としては、特に限定されないが、以下が例として挙げられる。布帛(疎水性繊維布帛など)、樹脂(プラスチック)フィルム、紙、ガラス、金属、陶磁器など。また、被染色媒体としては、シート状、球状または直方体球状などの立体的な形状を有するものを用いてもよい。
被染色媒体が布帛である場合に、布帛を構成する繊維としては、特に限定されないが、以下が例として挙げられる。ポリエステル繊維、ナイロン繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維、ポリアミド繊維およびこれらの繊維を2種以上用いた混紡品など。また、これらとレーヨン等の再生繊維あるいは木綿、絹、羊毛などの天然繊維との混紡品を用いてもよい。布帛としては、上記の繊維から加工した、織物、編物、不織布などの布地が含まれる。布帛の形態としては、衣類やその他の服飾品、ロール状に巻かれた長尺のもの、所定の大きさに切断されたもの、商品形状のものなどが挙げられる。
また、被染色媒体が樹脂(プラスチック)フィルムである場合、用い得る樹脂(プラスチック)フィルムとしては、特に限定されないが、以下が例として挙げられる。ポリエステルフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルムなど。樹脂(プラスチック)フィルムは、複数の層が積層された積層体であってもよいし、材料の組成が傾斜的に変化する傾斜材料で構成されたものであってもよい。
(他の工程)
上述したような工程に加え、さらに他の工程(前処理工程、中間処理工程、後処理工程)を有するものであってもよい。
前処理工程としては、特に限定されないが、例えば、被染色媒体にコート層を塗布する工程が挙げられる。
中間処理工程としては、特に限定されないが、例えば、被染色媒体を予備加熱する工程が挙げられる。
後処理工程としては、特に限定されないが、例えば、被染色媒体を洗浄する工程が挙げられる。
また、本実施形態に係るインクは、中間転写媒体を用いない昇華転写においても好適に使用できる。中間転写媒体を用いない昇華転写は、特に限定されないが、以下の方法が挙げられる。剥離可能なインク受容層が設けられた被染色媒体(フィルム製品等)のインク受容層に、インクジェット方式により本実施形態に係るインクを塗布する工程と、インクが塗布されたインク受容層が設けられた被染色媒体をそのまま加熱して、インク受容層から、その下層側の被染色媒体に昇華拡散染色する工程と、インク受容層を被染色媒体から剥離して染色物を得る工程とを有する方法などが挙げられる。
[染色物]
次に、本実施形態に係るインクにより得られる染色物について説明する。染色物は、上述したような本実施形態に係るインクを用いて染色されたものである。これにより発色性に優れた染色物を提供することができる。
次に実施例により本発明の具体的態様をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
下記の実施例及び比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
[色材]
DR60(C.I. Disperse Red 60)
DY54(C.I. Disperse Yellow 54)
[界面活性剤]
BYK−348(シリコーン系界面活性剤、ビックケミー・ジャパン社製)
[分散剤]
D−MS(特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、花王社製)
D−SNB(ナフタレンスルホン酸ブチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩、花王社製)
R−W−40(クレオソート油スルホン酸スルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、第一工業製薬社製)
R−AN40(メチルナフタレンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物、第一工業製薬社製)
R−FD40(ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、第一工業製薬社製)
S−120(ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、第一工業製薬社製)
使用した各分散剤の種類と、後述するGPC法によって測定した測定値(Aa、Ab、Ba、Bb)、及び測定値を用いて算出した△吸光度(|Bb−Ab|)及び△分子量|Ba−Aa|を表1に示す。
Figure 0006822175
[水溶性有機溶剤]
グリセリン
[水]
純水
[インクの調製]
各材料を下記の表2に示す組成(質量%)で混合し、各インクを得た。なお、表2において、空欄は、添加していないことを意味する。
Figure 0006822175
また、実施例、比較例における各分散剤のGPCの測定方法は以下の通りである。
[分散剤のGPC測定]
単分散ポリスチレン(東ソー社製)を標準試料とした。表3の通り秤量し、3水準を1グループとし、1グループ当たり2ml移動相を加え希釈を行った。次いで、以下の測定条件により、GPC測定を行った。後述するRI検出器から得られたデータを用いて、時間(保持時間)と分子量との較正曲線を作成した。このとき、分散剤の測定はUV検出器を用いるため、タンデム配置のRI検出器とUV検出器との検出時間差(0.3分)を加味して、UV検出器用の較正曲線とした。なお、UV検出器を用いて標準試料のデータを取得し、このデータから直接的に較正曲線を求めてもよい。この場合には、RI検出器は必ずしも必要ではない。その後、分散剤1から分散剤8のGPC測定を行い、表1に示した数値を得た。
Figure 0006822175
[装置測定条件]
測定装置:waters社製 empower GPC
検出器:waters社製 示差屈折率検出器(RI検出器)および2996フォトダイオードアレイ検出器(UV検出器)のタンデム配置(カラム側がRI検出器)
カラム:TSKgel α−M、α−3000 各1本(φ7.8mm×30cm、東ソー)
移動相(溶剤など):0.05M塩化リチウム及び0.01%濃塩酸添加ジメチルホルムアミド(DMF)
流速:0.8mL/min
注入量:20μl
[保存安定性]
上記で得られたインクをガラス瓶に収容して密栓し、60℃環境下で24時間静置。熱履歴前後の粒径を動的光散乱法にて計測した。
計測した粒径を下記の基準で評価した。その結果を、保存安定性として、表2に示した。
A : D50、D90がいずれも、加熱後/加熱前<1.5
B : D50、D90がどちらかでも、1.5≦加熱後/加熱前≦2
C : D50、D90がどちらかでも、2<加熱後/加熱前 (D50、D90のうち、一方がB、他方がCの場合C判定とする)
[吐出安定性]
プリンターStylus Pro 9900(セイコーエプソン社製)の一部を改造し、インクジェット記録後に記録媒体を加熱調節できるプリンターとし、評価を行った。10時間の連続吐出後、吐出安定性を以下のように評価した。なお、2時間記録するごとにメンテナンスを実施した。
吐出安定性を下記の基準で評価した。その結果を、表2に示した。
A : 吐出中に少々不吐出や吐出乱れ等が生じるが、吐出中に復帰し、概ね問題がない状態
B : 吐出中に少々不吐出や吐出乱れ等が生じ、吐出中に復帰しないが、メンテナンスによって正常な状態に復帰する状態
C : 吐出中に少々不吐出や吐出乱れ等が生じ、吐出中に復帰せず、メンテナンスによっても吐出が復帰しない状態
表2の結果より、式(1),(2)を満足する分散剤を用いた実施例1〜8の各インクは、保存安定性、吐出安定性に優れることが分かった。一方で式(1)、(2)を満たしていない分散剤を用いた比較例1〜8の各インクは、保存安定性、吐出安定性に劣ることが分かった。

Claims (6)

  1. 色材、分散剤および水を含有するインクジェットインクに用いる前記分散剤の選定方法であって、
    紫外吸光度検出器を用いてGPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定された、前記分散剤の、分子量および前記分子量と対応する紫外線吸収スペクトルにおいて、x軸;時間(分子量)、y軸;UV波長、z軸;強度(AU)で表した3次元の前記z軸真上から描いた等高線において、前記y軸値がmaxの時の分子量(UV吸収波長最大時の分子量)をBa、前記y軸値がmaxの時のUV吸収波長(UV吸収波長最大値)をBb、前記z軸値がmaxの時の分子量(UV吸収強度最大時の分子量)をAa、前記Aaと対応するUV吸収波長(UV吸収強度最大時のUV吸収波長)をAbとしたとき、式(1)、(2)を満たすように前記分散剤を選定する、選定方法。
    |Bb−Ab|≧50[nm] ・・・(1)
    1000≦|Ba−Aa|≦30000 ・・・(2)
  2. 前記分子量Aa及び分子量Baが、ともに1000以上である請求項1に記載の選定方法。
  3. 前記分散剤が、分子構造中に1つ以上の芳香環を含む請求項1または請求項2に記載の選定方法。
  4. 前記分散剤が、芳香族スルホン酸塩のホルマリン縮合物、またはリグニンスルホン酸塩、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂の群から選ばれる1つ以上である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の選定方法。
  5. 前記色材が、水不溶性または水難溶性である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の選定方法。
  6. 前記色材が、分散染料である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の選定方法。
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