JP2015083630A - 捺染用インクジェットインク組成物 - Google Patents

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裕成 池田
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亮人 棹
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信一 内藤
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Abstract

【課題】大気開放系であっても吐出安定性が良好であり、気液界面における異物の発生を抑制でき、記録装置不使用時にノズルのキャップを閉めて放置した場合の回復性に優れる、捺染用インクジェットインク組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】分子量が350以下であり、かつ分子構造中にアミノ基を1つ以上有する分散染料と、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物と、シリコーン系界面活性剤及びアルキルスルホコハク酸塩と、を含み、大気開放系で使用されるものである、捺染用インクジェットインク組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、捺染用インクジェットインク組成物に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。インクジェット記録方式ではインク組成物に気泡が含まれていると吐出安定性が低下するため、記録ヘッドに溶存酸素をなるべく含まないインク組成物を供給することについて種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、外部から脱気インクの補給を不要とするとともに、インク補給後の記録ヘッドへのインク充填操作を不要とするインクジェット式記録装置を提供することを目的として、印字信号に対応してインク滴を吐出する記録ヘッドをキャリッジに搭載し、インク容器から送液手段によりインク供給チューブを介してインクを前記記録ヘッドに供給するインクジェット式記録装置において、前記インク容器が外部からインクの注入が可能な元タンクとして構成され、前記元タンクのインクを外部から負圧の作用を受ける中空繊維束からなる脱気手段を介して前記記録ヘッドに供給するインクジェット式記録装置が開示されている。
特開平11−48491号公報
しかしながら、特許文献1において、色材をインク中に分散させる分散染料インクを使用すると、気液界面にて分散剤由来の異物が発生したり、ノズル詰まりを引き起こして吐出安定性が低下したりするおそれがある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、大気開放系であっても吐出安定性が良好であり、気液界面における異物の発生を抑制でき、記録装置不使用時にノズルのキャップを閉めて放置した場合の回復性(以下、「Cap閉放置回復性」ともいう。)に優れる、捺染用インクジェットインク組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、吐出安定性が低下したり異物が発生したりしやすい所定の分散染料を含有する捺染用インクジェットインク組成物であっても、所定の色材分散剤と、所定の界面活性剤とを含有することにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
〔1〕
分子量が350以下であり、かつ分子構造中にアミノ基を1つ以上有する分散染料と、
芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物と、
シリコーン系界面活性剤と、
アルキルスルホコハク酸塩と、を含み、
大気開放系で使用されるものである、
捺染用インクジェットインク組成物。
〔2〕
前記分散染料の含有量が、前記捺染用インクジェットインク組成物100質量%に対して、1.0〜10質量%である、前項〔1〕に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
〔3〕
前記芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物が、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物を含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
〔4〕
前記芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物の含有量が、前記捺染用インクジェットインク組成物100質量%に対して、1.0〜10質量%である、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
〔5〕
前記シリコーン系界面活性剤が、ポリエーテル変性ジメチルシロキサンを含む、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
〔6〕
前記シリコーン系界面活性剤の含有量が、前記捺染用インクジェットインク組成物100質量%に対して、0.050〜5.0質量%である、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
〔7〕
前記アルキルスルホコハク酸塩が、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを含む、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
〔8〕
前記アルキルスルホコハク酸塩の含有量が、前記捺染用インクジェットインク組成物100質量%に対して、0.010〜1.0質量%である、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
〔9〕
前記芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物に対する前記アルキルスルホコハク酸塩の含有比率が、0.06〜0.1である、前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔捺染用インクジェットインク組成物〕
本実施形態に係る捺染用インクジェットインク組成物(以下、「インク組成物」ともいう。)は、分子量が350以下であり、かつ分子構造中にアミノ基を1つ以上有する分散染料と、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物と、シリコーン系界面活性剤と、アルキルスルホコハク酸塩と、を含み、大気開放系で使用されるものである。
本実施形態に係るインク組成物は、大気開放系で使用されるものである。ここで「大気開放系」とは、記録装置内に収容されたインク組成物の液面が、記録装置外の外気と接しうる状態をいう。具体的には、インク収容容器がインク組成物補充用の開口部を有し、該開口部が、記録装置使用時等において密閉されていないような場合には、インク組成物は大気開放系で使用されるものということができるが、特に限定されない。一方、インク組成物がヘッドから吐出された後に外気と接触することは、本明細書において、大気開放系で使用されることではない。
大気開放系で使用されるインク組成物にはさまざまな問題が発生する。例えば、近年、インクを補充できる機構を有するインク収容体(インク収容容器)が増加しているが、このようなインク収容体中のインク組成物は脱気状態を確保できない場合が多い。例えば、通常、インク組成物中に溶存している気体量が多くなると吐出安定性が低下する。また、気液界面では分散性染料の分散剤に由来する異物が発生しやすい傾向にある。さらに、大気開放状態で長期間放置することにより、インク組成物の表面張力が変化し、表面張力の変化に起因して吐出安定性が悪化したり、ヘッドのノズル中のインク組成物が乾燥し分散性染料が析出したりする。これにより、キャップを閉めて放置した場合の回復性が低下したりする。
上記問題点に対し、本実施形態に係るインク組成物は、上記構成を有することにより、大気開放系であっても吐出安定性が良好であり、気液界面における異物の発生を抑制でき、キャップを閉めて放置した場合の回復性に優れる。以下、説明する。
本実施形態に係るインク組成物は、捺染用インクジェットインク組成物である。ここで「捺染用インクジェットインク組成物」とは、被記録媒体にインク組成物を付着させた後又は付着させる時に、ヒートプレスのような熱処理によりインク組成物を被記録媒体に定着させる印捺方法に用いられるインク組成物をいう。印捺方法としては、特に限定されず従来公知の方法を用いることができ、定着のために薬品処理や蒸気加熱処理を行なってもよい。
〔分散染料〕
本実施形態に係るインク組成物は、分散染料を含有する。分散染料とは、ポリエステル、ナイロン、アセテート等の疎水性合成繊維の染着に好適に用いられる染料であり、水に不溶または難溶の化合物である。
本実施形態のインク組成物に用いられる分散染料としては、特に制限されないが、具体的には以下に例示するものが挙げられる。
イエロー分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースイエロー3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、232等が挙げられる。オレンジ分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースオレンジ1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、46、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142等が挙げられる。レッド分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースレッド1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、328等が挙げられる。バイオレット分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースバイオレット1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77等が挙げられる。グリーン分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースグリーン9等が挙げられる。ブラウン分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースブラウン1、2、4、9、13、19等が挙げられる。ブルー分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースブルー3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333等が挙げられる。ブラック分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースブラック1、3、10、24
等が挙げられる。
上記例示した分散染料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせた混色として用いてもよい。
また、分散染料の市販品の例としては、オラセットイエロー8GF(商品名、チバガイギー社製、C.I.ディスパースイエロー82)、アイゼンゾットイエロー5(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ディスパースイエロー3)、スミプラスイエローHLR(商品名、住友化学工業株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54)、カヤセットイエローA−G(商品名、日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54)、ダイアレジンイエローH2G(商品名、三菱化学株式会社製、C.I.ディスパースイエロー160)、オイルイエロー54(商品名、中央合成化学株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54)、ダイアレジンレッドH(商品名、三菱化学株式会社製、C.I.ディスパースレッド5)、スミプラスレッドB−2(商品名、住友化学工業株式会社製、C.I.ディスパースレッド191)、カヤセットレッドB(商品名、日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースレッド60)、フィレスターバイオレットBA(商品名、チバガイギー社製、C.I.ディスパースバイオレット57)、プラストレッド8335(商品名、有本化学工業株式会社製、C.I.ディスパースバイオレット17)、プラストレッド8375(商品名、有本化学工業株式会社製、C.I.ディスパースレッド60)、プラストブルー8516(商品名、有本化学工業株式会社製、C.I.ディスパースブルー14)等が挙げられる。
本実施形態における分散染料において、好ましい分散染料は、分子量が350以下であり、かつ分子構造中にアミノ基を1つ以上有する。
分散染料の分子量は、350以下であり、345以下が好ましく、340以下がより好ましい。分散染料の分子量が350以下であることにより、経時的にインク組成物の表面張力が変化しやすく、表面張力の変化に起因する吐出安定性の低下が問題となるため、本実施形態のインク組成物が有用となる。
分散染料が分子構造中に有するアミノ基数は、1つ以上である。アミノ基数が1つ以上であることにより、分散染料の水溶性及び水中での分散性が向上する傾向にあるので、インク組成物中に多く溶解、分散させることができるが、溶解、分散している分散染料が多いほどインク組成物中の揮発成分が揮発したり、温度が低下したりした際などに、分散染料がより多く析出したり凝集したりしやすくなる。このような分散染料を含むインク組成物は、状態変化などに起因する吐出安定性の低下やCap閉放置回復性の低下を招きやすくなるため、本実施形態のインク組成物が有用となる。
分散染料は、昇華性染料であることが好ましい。ここで「昇華性染料」とは、加熱により昇華する性質を有する染料である。従来、昇華転写を利用した布帛等に対する染色が、広く行われている。このような昇華転写を利用した染色方法としては、例えば、紙等のシート状の中間転写媒体に昇華性染料を含むインク(以下、「昇華転写用インク」ともいう。)を用いてインクジェット方式による印刷を行った後、布帛等の被記録媒体に中間転写媒体を重ねて、加熱により昇華転写する方法や、剥離可能なインク受容層が設けられた被記録媒体(フィルム製品等)のインク受容層に昇華転写用インクを用いてインクジェット方式による印刷を行い、その後、そのまま加熱して下層側の被記録媒体に昇華拡散染色を行い、さらにその後、インク受容層を剥離する方法等がある。
昇華性染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Disperse Yellow 3、7、8、23、39、51、54、60、71、86;C.I.Disperse Orange 1、1:1、5、20、25:1、33、56、76;C.I.Disperse Brown 2;C.I.Disperse Red 11、50、53、55、55:1、59、60、65、70、75、93、146、158、190、190:1、207、239、240;C.I.Bad Red 41;C.I.Disperse Violet 8、17、23、27、28、29、36、57;C.I.Disperse Blue14、19、26、26:1、35、55、56、58、64、64:1、72、72:1、81、81:1、91、95、108、131、141、145;C.I.Solvent Blue 36、63、105、111等が挙げられる。
本実施形態のおける好ましい分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースイエロー160、163、C.I.ディスパースレッド 60、C.I.ソルベントバイオレット 13、C.I.ディスパースバイオレット 28、C.I.ディスパースブルー14、359、C.I.ソルベントブルー11、36、59、63等が挙げられる。
分散染料は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
分散染料の含有量は、インク組成物100質量%に対して、好ましくは1.0〜10質量%であり、より好ましくは2.0〜9.0質量%であり、さらに好ましくは3.0〜8.0質量%である。分散染料の含有量が1.0質量%以上であることにより、得られる記録物の発色性(OD値)により優れる傾向にある。また、分散染料の含有量が10質量%以下であることにより、吐出安定性及びCap閉放置回復性がより向上する傾向にある。
〔芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物〕
芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物は、分散染料の分散剤として機能しうる。芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物を含むことにより、分散染料の分散安定性が向上し、気液界面において異物の発生を抑制できる。また、気液界面において異物の発生を抑制できるため、インク組成物の保存安定性、インク組成物の長期にわたる吐出安定性等がより優れる傾向にある。
芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物としては、特に限定されないが、例えば、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸のホルマリン縮合物、フェノールスルホン酸のホルマリン縮合物、β−ナフトールスルホン酸のホルマリン縮合物、メチルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、ブチルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物等のアルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物;β−ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物とβ−ナフトールスルホン酸のホルマリン縮合物との混合物、クレゾールスルホン酸のホルマリン縮合物と2−ナフトール−6−スルホン酸のホルマリン縮合物との混合物、リグニンスルホン酸のホルマリン縮合物が挙げられる。このような芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物を用いることにより、気液界面において異物の発生を抑制でき、インク組成物の保存安定性、インク組成物の長期にわたる吐出安定性がより向上する傾向にある。同様の観点から、上記芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物が、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物を含むと好ましい。
芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、分散剤としては、特に限定されないが、例えば、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物以外のアニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、高分子分散剤も使用することができる。
芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物の含有量は、インク組成物100質量%に対して、好ましくは1.0〜10質量%であり、より好ましくは2.0〜9.0質量%であり、さらに好ましくは3.0〜8.0質量%である。芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物の含有量が1.0質量%以上であることにより、色材の分散安定性より向上し、色材の凝集や、凝集による物性変化(粘度、粒子径)がより抑制できる傾向にある。また、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物の含有量が10質量%以下であることにより、粘度が抑制でき、吐出性及び画質がより向上する傾向にある。
〔シリコーン系界面活性剤〕
本実施形態に係るインク組成物は、シリコーン系界面活性剤を含む。シリコーン系界面活性剤を含むことにより、表面張力を通常のインク組成物よりも比較的低い値に低下させることができる。さらに、シリコーン系界面活性剤と後述するアルキルスルホコハク酸塩とを併用することにより、長期間保存しても表面張力の変動が少なく表面張力安定性に優れる。これにより、長期間、良好な吐出安定性が維持でき、また長期間キャップを閉めて放置した場合であっても回復性がより向上する。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリオルガノシロキサン構造を有する界面活性剤であれば特に限定されないが、例えば、未変性ポリオルガノシロキサン、エーテル変性ポリオルガノシロキサン、エステル変性ポリオルガノシロキサン、エポキシ変性ポリオルガノシロキサン、アミン変性ポリオルガノシロキサン、カルボキシル変性ポリオルガノシロキサン、フッ素変性ポリオルガノシロキサン、アルキルオキシ変性ポリオルガノシロキサン、メルカプト変性ポリオルガノシロキサン、(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサン、フェノール変性ポリオルガノシロキサン、フェニル変性ポリオルガノシロキサン、カルビノール変性ポリオルガノシロキサン、又はアラルキル変性ポリオルガノシロキサンが挙げられる。このなかでも、未変性ポリオルガノシロキサン、エーテル変性ポリオルガノシロキサン、及びエステル変性ポリオルガノシロキサンが好ましく、ポリエーテル変性ジメチルシロキサンがより好ましい。このようなシリコーン系界面活性剤を用いることにより、長期間において、良好な、表面張力安定性、吐出安定性、Cap閉放置回復性が維持される傾向にある。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−337、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−378(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤の含有量は、インク組成物100質量%に対して、好ましくは0.050〜5.0質量%であり、より好ましくは0.10〜3.0質量%であり、さらに好ましくは0.10〜1.5質量%である。シリコーン系界面活性剤の含有量が0.050質量%以上であることにより、長期間において、良好な、表面張力安定性、吐出安定性、Cap閉放置回復性が維持される傾向にある。また、シリコーン系界面活性剤の含有量が5.0質量%以下であることにより、インク組成の均一性がより良好となる傾向にある。また、シリコーン系界面活性剤の含有量が0.050質量%以上であることにより、経時的な界面活性能の失活を抑制でき吐出性能や画質が維持される傾向にある。
〔アルキルスルホコハク酸塩〕
本実施形態に係るインク組成物は、アルキルスルホコハク酸塩を含む。アルキルスルホコハク酸塩をシリコーン系界面活性剤と併用することにより、長期間において、良好な、表面張力安定性、吐出安定性、Cap閉放置回復性が維持される。
アルキルスルホコハク酸塩が有するアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜16であり、より好ましくは2〜14であり、さらに好ましくは3〜12である。アルキル基の炭素数が上記範囲内であることにより、長期間において、良好な、表面張力安定性、吐出安定性、Cap閉放置回復性が維持される傾向にある。また、アルキルスルホコハク酸塩が有するアルキル基数は、1又は2以上である。
アルキルスルホコハク酸と塩を形成する金属としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属が挙げられる。このなかでも、ナトリウムが好ましい。このようなアルキルスルホコハク酸塩を用いることにより、長期間において、良好な、表面張力安定性、吐出安定性、Cap閉放置回復性が維持される傾向にある。
アルキルスルホコハク酸塩としては、特に限定されないが、例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムが挙げられる。このようなアルキルスルホコハク酸塩を用いることにより、長期間において、良好な、表面張力安定性、吐出安定性、Cap閉放置回復性が維持される傾向にある。同様の観点から、アルキルスルホコハク酸塩が、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを含むと好ましい。
アルキルスルホコハク酸塩は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
アルキルスルホコハク酸塩の含有量は、インク組成物100質量%に対して、好ましくは0.010〜1.0質量%であり、より好ましくは0.05〜1.0質量%であり、さらに好ましくは0.10〜1.0質量%である。アルキルスルホコハク酸塩の含有量が0.010質量%以上であることにより、長期間において、良好な、表面張力安定性、吐出安定性、Cap閉放置回復性が維持される傾向にある。
芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物に対するアルキルスルホコハク酸塩の含有比率は、好ましくは0.005〜0.1であり、より好ましくは0.01〜0.1であり、好ましくは0.06〜0.1である。この含有比率が0.005以上であることにより、気液界面において異物の発生をより抑制できる傾向にある。また、その含有比率が0.1以下であることにより、長期間において、良好な、表面張力安定性、吐出安定性、Cap閉放置回復性が維持される傾向にある。
(その他の界面活性剤)
本実施形態に係るインク組成物は、その他の界面活性剤を含んでもよい。その他の界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が挙げられる。
〔水〕
本実施形態に係るインク組成物は、水を含んでもよい。水としては、特に制限されることなく、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。水の含有量は、インク組成物100質量%に対して、50〜90質量%が好ましく、55〜80質量%がより好ましい。水の含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物の粘度を好適な範囲に調整することができる。
インク組成物が水を含むことにより、インク組成物の粘度が、好ましい範囲になるように、より容易に調整することができる。これにより、インク組成物は吐出安定性に更に優れるものとなる。また、水は吐出後に容易に除去することができるため、記録物は生産性により優れるものとなる。
〔水溶性有機溶剤〕
本実施形態に係るインク組成物は、水溶性有機溶剤を含んでもよい。水溶性有機溶剤の含有量は、インク組成物100質量%に対して、1〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物の粘度が、好ましい範囲になるように、より容易に調整することができる。
本実施形態で用いる水溶性有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、グリセリン、アルキレングリコール、及びグリコールエーテルが挙げられる。このような水溶性有機溶剤を含むことにより、インク組成物の保湿性がより優れる傾向にある。そのため、ノズルの目詰まりを防止でき、吐出安定性がより優れる傾向にある。
〔その他の成分〕
本実施形態で用いるインク組成物は、その保存安定性及びヘッドからの吐出安定性を良好に維持するため、目詰まり改善のため、又はインク組成物の劣化を防止するため、浸透剤、保湿剤、溶解助剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤などの、種々の添加剤を単独又は組み合わせて適宜添加することもできる。本実施形態で用いるインク組成物は、揮発性成分中、水を最も多く含む水系インク組成物とすることが、安全性の点で好ましい。
〔表面張力〕
25℃におけるインク組成物の表面張力は、22〜30mN/mが好ましく、22〜28mN/mがより好ましく、23〜25mN/mがさらに好ましい。表面張力が上記範囲内にあることにより、記録装置のインク収容容器及びインク流路内で発生した気泡を押し流すことができるため吐出安定性がより良好となる傾向にある。また、キャップを閉めて放置した場合の回復性がより向上する傾向にある。なお、表面張力は、実施例に記載の方法により測定することができる。
〔粘度〕
また、25℃におけるインク組成物の粘度は、2.0mPa・s以上20mPa・s以下が好ましく、3.0〜17mPa・sがより好ましく、4.0〜15mPa・sがさらに好ましい。粘度が上記範囲内であることにより、インク組成物の吐出安定性がより優れる傾向にある。なお、インク組成物の粘度は、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠した測定により求めることができる。
〔記録方法〕
次に、本実施形態に係るインク組成物を用いた記録物の記録方法の一例について説明する。分散染料が昇華性染料ではない場合の記録方法としては、特に限定されないが、例えば、インクジェット方式により、本実施形態に係るインク組成物を被記録媒体に付着させた後に定着させて記録物を得る方法が挙げられる。また、分散染料が昇華性染料である場合の記録方法としては、特に限定されないが、例えば、インクジェット方式により、本実施形態に係るインク組成物を中間転写媒体に付着させるインク付着工程と、インク組成物が付着された中間転写媒体を加熱し、インク組成物を構成する昇華性染料を被記録媒体に転写させる転写工程と、を有する方法が挙げられる。以下、分散染料が昇華性染料である場合の記録方法の各工程について詳細に説明する。
(インク付着工程)
インク付着工程では、インクジェット方式により、本実施形態に係るインク組成物を中間転写媒体に付着させる。インクジェット方式によるインク組成物の吐出は、公知のインクジェット記録装置を用いて行うことができる。吐出方法としては、ピエゾ方式や、インクを加熱して発生した泡(バブル)によりインクを吐出させる方式等を用いることができる。このなかでも、インク組成物の変質のし難さ等の観点から、ピエゾ方式が好ましい。
インク付着工程では、本実施形態に係るインク組成物以外のインク組成物を用いてもよい。これにより、例えば、表現することのできる色域をより広いものとすることができる。
(中間転写媒体)
中間転写媒体としては、特に限定されないが、例えば、普通紙等の紙、インク受容層が設けられた被記録媒体(インクジェット用専用紙、コート紙等で呼称される)等を用いることができる。このなかでも、シリカ等の無機微粒子でインク受容層が設けられた紙が好ましい。これにより、中間転写媒体に付着したインク組成物が乾燥する過程で、滲み等が抑制された中間転写媒体を得ることができ、また、後の転写工程において、昇華性染料の昇華がより円滑に進行する傾向にある。
(転写工程)
その後、インク組成物が付着された中間転写媒体を加熱し、インク組成物を構成する昇華性染料を被記録媒体に転写させる。これにより、記録物が得られる。
本工程での加熱温度は、160℃以上220℃以下が好ましく、170℃以上200℃以下がより好ましい。加熱温度が上記範囲内であることにより、転写に要するエネルギーをより少なくすることができ、記録物の生産性により優れる傾向にある。また、得られる記録物の発色性がより優れる傾向にある。
本工程での加熱時間は、加熱温度にもよるが、30秒以上90秒以下が好ましく、45秒以上80秒以下がより好ましい。加熱時間が上記範囲内であることにより、転写に要するエネルギーをより少なくすることができ、記録物の生産性により優れる傾向にある。また、得られる記録物の発色性がより優れる傾向にある。
また、本工程は、インク組成物が付着した中間転写媒体の表面を、被記録媒体と一定間隔で離間して対向させた状態で加熱することにより行うことも、被記録媒体の表面に密着させた状態で加熱することにより行うこともできる。このなかでも、インク組成物が付着した中間転写媒体の表面を被記録媒体の表面に密着させた状態で加熱することにより行うことが好ましい。これにより、転写に要するエネルギーをより少なくすることができ、記録物の生産性により優れる傾向にある。また、得られる記録物の発色性がより優れる傾向にある。
(被記録媒体)
被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、布帛(疎水性繊維布帛等)、樹脂(プラスチック)フィルム、紙、ガラス、金属、陶磁器等が挙げられる。また、被記録媒体としては、シート状、球状又は直方体形状等の立体的な形状を有する物を用いてもよい。
被記録媒体が布帛である場合に、布帛を構成する繊維としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維、ポリアミド繊維及びこれらの繊維を2種以上用いた混紡品等が挙げられる。また、これらとレーヨン等の再生繊維あるいは木綿、絹、羊毛等の天然繊維との混紡品を用いてもよい。
また、被記録媒体が樹脂(プラスチック)フィルムである場合、用い得る樹脂(プラスチック)フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエステルフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム等が挙げられる。樹脂(プラスチック)フィルムは、複数の層が積層された積層体であってもよいし、材料の組成が傾斜的に変化する傾斜材料で構成されたものであってもよい。
(他の工程)
上述したような工程に加え、さらに他の工程(前処理工程、中間処理工程、後処理工程)を有するものであってもよい。
前処理工程としては、特に限定されないが、例えば、被記録媒体にコート層を塗布する工程が挙げられる。
中間処理工程としては、特に限定されないが、例えば、被記録媒体を予備加熱する工程が挙げられる。
後処理工程としては、特に限定されないが、例えば、被記録媒体を洗浄する工程が挙げられる。
また、本実施形態に係るインク組成物は、中間転写媒体を用いない昇華転写においても好適に使用できる。中間転写媒体を用いない昇華転写は、特に限定されないが、例えば、剥離可能なインク受容層が設けられた被記録媒体(フィルム製品等)のインク受容層に、インクジェット方式により本実施形態に係るインク組成物を付着させる工程と、インク組成物が付着したインク受容層が設けられた被記録媒体をそのまま加熱して、インク受容層から、その下層側の被記録媒体に昇華拡散染色する工程と、インク受容層を被記録媒体から剥離して記録物を得る工程とを有する方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[インク組成物用の材料]
下記の実施例及び比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔色材〕
Disperse Red 60(分子量:331.3g/mol、アミノ基数:1)
Solvent Violet 13(分子量:329.4g/mol、アミノ基数:1)
Disperse Yellow 160(分子量:289.3g/mol、アミノ基数:0)
Disperse Yellow 163(分子量:417.2g/mol、アミノ基数:1)
〔色材分散剤〕
ナフタレンスルホン酸Naのホルマリン縮合物(第一工業製薬社製、製品名ラベリンAN−40)
スチレン−アクリル酸の共重合物(BASF社製、製品名ジョンクリル678)
〔界面活性剤〕
BKY348(シリコーン系界面活性剤、ビックケミー・ジャパン社製商品名)
ニューコール293(アルキルスルホコハク酸塩、日本乳化剤株式会社製商品名)
オルフィンPD002W(アセチレングリコール系界面活性剤、日信化学工業社製商品名)
〔溶剤〕
グリセリン
[インク組成物の調製]
各材料を下記の表1に示す組成(質量%)で混合し、十分に撹拌し、フィルタで不溶解物を除去することにより、各インク組成物を得た。
[実施例1〜4、比較例1〜6]
〔インク連続供給システム(CISS〕吐出安定性〕
上記で得られた各インク組成物をインク収容容器に充填し、記録装置PX−H6000(セイコーエプソン社製)に装着した。その後、プリンタードライバーを用いて、プリンタのヘッドにインク組成物を充填し、目詰まりしているノズルがなく、通常記録できることを確認した。次いで、記録装置PX−H6000を用いて上記各インク組成物を吐出し、中間転写媒体であるTRANSJET Classic(Cham Paper社)に、記録解像度1440×720dpiでベタパターンを付着させた。尚、プリンタの動作環境は40℃、20RH%とした。
中間転写媒体上にベタパターンを30枚記録した際のノズル抜けの本数に基づいて、下記評価基準によりCISS吐出安定性を評価した。
(評価基準)
A:ノズル抜け本数が0本であった。
B:ノズル抜け本数が1〜30本であった。
C:ノズル抜け本数が31本以上であった。
なお、セイコーエプソン社製PX−H6000のインク収容容器は、インク組成物を補充可能なインク注入口を備えており、記録装置に使用状態で装着した際に、大気開放されているものであった。
〔発色性(OD値)〕
CISS吐出安定性評価で得られた中間転写媒体のインク組成物付着側を白色記録媒体である布帛(ポリエステル100%、アミーナ、東レ社製)と密着させ、この状態で、ヒートプレス機(TP−608M、太陽精機社製)を用いて、180℃、60秒の条件で加熱し、昇華転写を行い、各記録物を得た。
得られた各記録物について、発色性の評価を行った。具体的には、得られた各記録物について、測色機(Gretag Macbeth Spectrolino、X−Rite社製)を用いて、D値を測定し、得られたOD値に基づいて評価基準により発色性を評価した。
(評価基準)
A:OD値が1.5以上であった。
B:OD値が1.45以上1.5未満であった。
C:OD値が1.45未満であった。
〔表面張力安定性〕
インク組成物を60℃で1週間放置した。放置前後のインク組成物の表面張力を表面張力計(協和界面科学(株)製、表面張力計CBVP−Z)を用いて、ウィルヘルミー法で液温25℃にて測定した。放置前後の表面張力の差分に基づいて、下記評価基準により表面張力安定性を評価した。
(評価基準)
A:放置前後の表面張力の差分が1mN/m未満であった。
B:放置前後の表面張力の差分が1mN/m以上2mN/m未満であった。
C:放置前後の表面張力の差分が2mN/m以上であった。
〔Cap閉放置回復性〕
上記で得られた各インク組成物をインク収容容器に充填し、記録装置PX−H6000(セイコーエプソン社製)に装着した。その後、プリンタードライバーを用いて、プリンタのヘッドにインク組成物を充填し、目詰まりしているノズルがなく、通常記録できることを確認した。そして、ノズルのキャップを閉めた状態で2時間放置した。PX−H6000を用いて上記各インク組成物を吐出させた際のノズル抜け本数に基づいて、下記評価基準により、Cap閉放置回復性を評価した。
(評価基準)
A:ノズル抜け本数が0本であった。
B:ノズル抜け本数が1〜30本であった。
C:ノズル抜け本数が31本以上であった。
〔気液界面異物〕
インク組成物を気液界面が存在する状態でガラス瓶に収容して密栓し、60℃で5日間放置した。放置後のインク組成物に異物が発生しているか否かを目視により確認し、確認結果に基づいて、下記評価基準により評価した。
(評価基準)
A:異物個数は0個であった。
B:異物個数は1個以上10個以下であった。
C:異物個数は11個以上であった。
Figure 2015083630

Claims (9)

  1. 分子量が350以下であり、かつ分子構造中にアミノ基を1つ以上有する分散染料と、
    芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物と、
    シリコーン系界面活性剤と、
    アルキルスルホコハク酸塩と、を含み、
    大気開放系で使用されるものである、
    捺染用インクジェットインク組成物。
  2. 前記分散染料の含有量が、前記捺染用インクジェットインク組成物100質量%に対して、1.0〜10質量%である、請求項1に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
  3. 前記芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物が、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物を含む、請求項1又は2に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
  4. 前記芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物の含有量が、前記捺染用インクジェットインク組成物100質量%に対して、1.0〜10質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
  5. 前記シリコーン系界面活性剤が、ポリエーテル変性ジメチルシロキサンを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
  6. 前記シリコーン系界面活性剤の含有量が、前記捺染用インクジェットインク組成物100質量%に対して、0.050〜5.0質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
  7. 前記アルキルスルホコハク酸塩が、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
  8. 前記アルキルスルホコハク酸塩の含有量が、前記捺染用インクジェットインク組成物100質量%に対して、0.010〜1.0質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
  9. 前記芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物に対する前記アルキルスルホコハク酸塩の含有比率が、0.06〜0.1である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
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