JP2018053035A - 昇華転写用インクジェットインク組成物 - Google Patents

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信一 内藤
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Abstract

【課題】インク組成物が低含有量で染料を含む場合に、吐出安定性及び保存安定性に優れた昇華転写用インクジェットインク組成物を提供する。【解決手段】分散染料と分散剤と界面活性剤と水とを含み、当該界面活性剤は硫酸エステル系界面活性剤とHLB値が6.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤とを含み、当該硫酸エステル系界面活性剤に対する当該アセチレングリコール系界面活性剤の質量比が0.003以上10以下である、昇華転写用インクジェットインク組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、昇華転写用インクジェットインク組成物に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、より安定して高品質な記録物を得ることについて種々の検討がなされている。
例えば、特許文献1には、高画質で堅牢性が高く色ムラの無い印字安定性に優れた捺染用インクジェットインクセットとして、同一の分散染料を含有する濃色インク及び淡色インクの組み合わせを有する捺染用インクジェットインクセットにおいて、前記濃色インクと淡色インクの吸光度残存率比(濃色/淡色)が0.7以上1.7以下であり、かつ、分散染料に対する分散剤の比が濃色インクよりも淡色インクのほうが大きいことを特徴とする捺染用インクジェットインクセットが開示されている。
特開2005−272518号公報
ここで、特許文献1に記載されている捺染用インクジェットインクは、分散染料に対する分散剤の比が濃色インクよりも淡色インクのほうが大きいことを特徴としている。淡色インクに含有する分散剤の量を、濃色インクにおける分散染料に対する分散剤の比よりも大きくして含有させることで、画質を向上させることはできるものの、インク中に色材に由来する異物が生じたり、インクの消泡性が悪化してインクの吐出が不安定になる場合がある。一方で、その淡色インクにさらに消泡剤を添加すると、消泡性は改善させることはできるが、分散染料の粒子径が増大して、インクの保存安定性が悪くなる場合がある。
そこで、本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、インク組成物が低含有量で色材を含む場合に、吐出安定性及び保存安定性に優れた昇華転写用インクジェットインク組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決すべく鋭意検討した結果、色材としての分散染料と分散剤と界面活性剤と水とを含み、当該界面活性剤が硫酸エステル系界面活性剤とHLB値が6.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤とを含み、当該硫酸エステル系界面活性剤に対する当該アセチレングリコール系界面活性剤の質量比が所定の範囲内にある昇華転写用インクジェットインク組成物を用いることにより、インク組成物が低含有量で色材を含む場合に吐出安定性及び保存安定性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係る昇華転写用インクジェットインク組成物は、分散染料と、分散剤と、界面活性剤と、水と、を含み、前記界面活性剤は、硫酸エステル系界面活性剤と、HLB値が6以下であるアセチレングリコール系界面活性剤と、を含み、前記硫酸エステル系界面活性剤に対する前記アセチレングリコール系界面活性剤の質量比が、0.003以上10以下である。このような昇華転写用インクジェットインク組成物が本発明の課題を解決できる要因は下記のように考えている。ただし、要因はこれに限定されない。すなわち、本発明に係る昇華転写用インクジェットインク組成物が、HLB値が6.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤を含むことを主因として、インク組成物が低含有量で分散染料を含む場合に、優れた消泡性が得られる。その結果、本発明に係る昇華転写用インクジェットインク組成物は、吐出安定性に優れる。一方、本発明に係る昇華転写用インクジェットインク組成物が、上記アセチレングリコール系界面活性剤と硫酸エステル系界面活性剤とを共に含み、かつ当該硫酸エステル系界面活性剤に対する当該アセチレングリコール系界面活性剤の質量比が10以下であることを主因として、インク組成物が低含有量で分散染料を含む場合に、色材の分散安定性に優れる。その結果、本発明に係る昇華転写用インクジェットインク組成物は、色材由来の異物が発生することを抑制し、粒子径の増大も抑制し、保存安定性に優れる。
本発明に係る昇華転写用インクジェットインク組成物において、前記分散染料の含有量が、前記昇華転写用インクジェットインク組成物の総量に対して、0.01質量%以上3.0質量%以下であると好ましく、前記分散染料の分子量が、380以下であると好ましく、前記分散染料は、C.I.ディスパースブルー359であると好ましく、前記分散剤は、芳香族スルホン酸の塩のホルマリン縮合物を含むと好ましく、前記硫酸エステル系界面活性剤の含有量が、前記昇華転写用インクジェットインク組成物の総量に対して、0.1質量%以上3.0質量%以下であると好ましい。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明はその要旨の範囲内で、適宜に変形して実施できる。
〔昇華転写用インクジェットインク組成物〕
本実施形態の昇華転写用インクジェットインク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)は、分散染料と分散剤と界面活性剤と水とを含む。また、その界面活性剤は、硫酸エステル系界面活性剤と、HLB値が6.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤とを含む。さらに、上記硫酸エステル系界面活性剤に対する上記アセチレングリコール系界面活性剤の質量比は、0.003以上10以下である。このような昇華転写用インクジェットインク組成物が、吐出安定性及び保存安定性に優れる要因は下記のように考えている。ただし、要因はこれに限定されない。すなわち、本実施形態の昇華転写用インクジェットインク組成物が、HLB値が6.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤を含むことを主因として、インク組成物が低含有量で分散染料を含む場合に、優れた消泡性が得られる。その結果、本実施形態の昇華転写用インクジェットインク組成物は、吐出安定性に優れる。一方、本実施形態の昇華転写用インクジェットインク組成物が、上記アセチレングリコール系界面活性剤と硫酸エステル系界面活性剤とを共に含み、かつ当該硫酸エステル系界面活性剤に対する当該アセチレングリコール系界面活性剤の質量比が10以下であることを主因として、インク組成物が低含有量で分散染料を含む場合に、色材の分散安定性に優れる。その結果、本実施形態の昇華転写用インクジェットインク組成物は、色材由来の異物が発生することを抑制し、粒子径の増大も抑制し、保存安定性に優れる。
本実施形態の昇華転写用インクジェットインク組成物は、例えば、インクジェット捺染に用いられる。本実施形態における「捺染」とは、被記録媒体(代表的なものは布帛)上にインクを記録(印刷)することをいう。また、本実施形態における「インクジェット捺染」とは、インクジェット方式を利用して中間転写媒体にインクを記録(印刷)した後、中間転写媒体から被記録媒体上にインクを記録(転写印捺)することをいい、インクジェット記録の一種である。すなわち、本実施形態において、インクジェット方式を利用するのは、被記録媒体への最終的な記録の際ではなく、後に詳述する中間転写媒体への記録の際である。「記録物」とは、被記録媒体上にインクが記録されて画像が形成されたものをいう。
上記のインクジェット捺染では、インク組成物を、インクジェット装置に装填して使用する。当該インクジェット装置としては、特に限定されないが、例えばドロップオンデマンド型のインクジェット装置が挙げられる。このドロップオンデマンド型のインクジェット装置には、ヘッドに配設された圧電素子を用いたインクジェット捺染方法を採用した装置などがある。
<分散染料>
本実施形態のインク組成物は、分散染料を含む。また、分散染料は、昇華性染料であることが好ましい。ここで「昇華性染料」とは、加熱により昇華する性質を有する染料をいう。
分散染料としては、特に限定されないが、例えば、イエロー分散染料、オレンジ分散染料、レッド分散染料、バイオレット分散染料、グリーン分散染料、ブラウン分散染料、ブルー分散染料、及びブラック分散染料が挙げられる。
イエロー分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ディスパースイエロー3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、及び232が挙げられる。
オレンジ分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ディスパースオレンジ1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、46、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、及び142が挙げられる。
レッド分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ディスパースレッド1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、266、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、及び328が挙げられる。
バイオレット分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ディスパースバイオレット1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、及び77が挙げられる。
グリーン分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ディスパースグリーン9が挙げられる。
ブラウン分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ディスパースブラウン1、2、4、9、13、19が挙げられる。
ブルー分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ディスパースブルー3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、134、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、266、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、359、及び360が挙げられる。
ブラック分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ディスパースブラック1、3、10、及び24が挙げられる。
上記例示した分散染料は、いずれも水に不溶または難溶の化合物であるが、後述する芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物が分散剤として機能することによって、特定の濃度範囲であれば水に対して良好に分散することができると推察される。また、上記例示した分散染料は、分散性や溶解性において若干の差異がある。すなわち、分散染料の種類によっては、分散剤の好適な濃度範囲が異なるし、分散剤による溶解性も異なる。例えば、上記分散染料のうち、C.I.ディスパースブルー359等は、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物に対して若干の溶解性を示し、この性質によって、針状結晶等の再結晶化物(異物)を生じやすい。上記分散染料のうち、C.I.ディスパースブルー359が、本実施形態のインク組成物に含まれる場合には、より異物が生じ易い分散染料を用いるにもかかわらず異物を生じにくいため、優れた保存安定性が得られる傾向にある。
また、このような分散染料としては、置換基を有してもよいアントラキノン骨格を有する分散染料、置換基を有してもよいアゾ骨格を有する分散染料が挙げられる。このなかでも、置換基を有してもよいアントラキノン骨格を有する分散染料が好ましい。分散染料がアントラキノン骨格を有する分散染料であることにより、ノズル内壁などの記録装置に対するインク組成物の濡れ性がより向上し、吐出安定性がより向上する傾向にある。置換基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、及びカルボキシル基が挙げられる。
インク組成物に含まれる分散染料の含有量は、インク組成物の総量(100質量%)に対して、好ましくは0.01質量%以上3.0質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以上2.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以上1.5質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.7質量%以上1.3質量%以下である。分散染料の含有量が0.01質量%以上であることにより、得られる染色物の光学濃度がより向上し、3.0質量%以下であることにより、吐出安定性がより向上する傾向にある。
また、本実施形態のインク組成物は、インク組成物が低含有量で分散染料を含む場合に、本発明の作用効果をより確実に奏する。ここで、「低含有量で分散染料を含む」とは、インク組成物が分散染料を含むものの、その含有量が3.0質量%以下であることを意味し、好ましくは、その含有量が2.0質量%以下であり、より好ましくは、その含有量が1.5質量%以下である。
分散染料は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
<分散剤>
インク組成物は、分散剤を含む。インク組成物が分散剤を含むことにより、インク組成物における分散染料の分散安定性が優れ、インク組成物の保存安定性、吐出安定性が優れる。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、及び高分子分散剤が挙げられる。
アニオン系分散剤としては、特に限定されないが、例えば、芳香族スルホン酸の塩(例えばナトリウム塩)若しくはそのホルマリン縮合物、β−ナフタレンスルホン酸の塩若しくはそのホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸の塩若しくはそのホルマリン縮合物、及び、クレオソート油スルホン酸の塩若しくはそのホルマリン縮合物が挙げられる。
上記芳香族スルホン酸としては、特に限定されないが、例えば、クレオソート油スルホン酸、クレゾールスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、β−ナフトールスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸等のアルキルナフタレンスルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸とβ−ナフトールスルホン酸との混合物、クレゾールスルホン酸と2−ナフトール−6−スルホン酸との混合物、及びリグニンスルホン酸が挙げられる。
ノニオン系分散剤としては、特に限定されないが、例えば、フィトステロールのエチレンオキサイド付加物、及びコレスタノールのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
高分子分散剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリアクリル酸部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物、及びビニルナフタレン−マレイン酸共重合物が挙げられる。
上述した分散剤の中では、アニオン系分散剤が好ましく、芳香族スルホン酸の塩又はそのホルマリン縮合物がより好ましく、芳香族スルホン酸の塩のホルマリン縮合物がさらに好ましい。このような分散剤を用いることにより、分散安定性がより優れ、保存安定性がより優れる傾向にある。
分散剤の含有量は、分散染料の総量(100質量部)に対して、好ましくは1.0質量部以上200質量部以下であり、より好ましくは50質量部以上150質量部以下であり、さらに好ましくは75質量部以上125質量部以下である。分散剤の含有量が上記範囲であることにより、分散染料の分散安定性がより向上する傾向にある。
また、インク組成物を淡色インクとする場合、分散剤(芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物)の濃度が高いと、分散染料に対する分散剤の割合が高まり、分散染料を溶解させやすくなるので、分散剤の濃度も低下させるほうがより好ましい。その場合、インク組成物中における分散染料の存在個数や分散剤分子の個数が、他の成分に対して相対的に減少する。そうすると、インク組成物内で、分散染料と分散剤との出会いの頻度が小さくなり、その結果、分散染料全体における分散剤が吸着していない分散染料の割合が高まり、分散染料の分散性が悪くなる傾向がある。これに対して、本実施形態のインク組成物では、このような場合に、分散剤の濃度を高めることなく、分散染料の分散性を高く維持することができる。
<界面活性剤>
本実施形態のインク組成物は、硫酸エステル系界面活性剤と、HLB値が6.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤とを含む。インク組成物がこれらの界面活性剤を含むことにより、吐出安定性及び保存安定性に優れる。
硫酸エステル系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキル硫酸塩、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が挙げられる。硫酸エステル系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
硫酸エステル系界面活性剤の含有量は、インク組成物の総量(100質量%)に対して、好ましくは0.1質量%以上3.0質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上2.0質量%以下である。硫酸エステル系界面活性剤の含有量が0.1質量%以上であることにより、分散安定性に優れることに起因して保存安定性に優れる傾向にあり、また、硫酸エステル系界面活性剤の含有量が3.0質量%以下であることにより、異物の発生を抑制することに起因して保存安定性に優れる傾向にある。
アセチレングリコール系界面活性剤のHLB値は、6.0以下であり、好ましくは5.5以下であり、より好ましくは5.0以下である。アセチレングリコール系界面活性剤のHLBが6.0以下であることにより、吐出安定性に優れる。ここで、本明細書におけるHLB値は、グリフィン法で定義される。アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。アセチレングリコール系界面活性剤を2種以上併用する場合には、HLB値は加重平均して求められる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ(エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製商品名)、サーフィノール61(HLB値:6)、サーフィノール104S(HLB値:4)、サーフィノール104PG50(HLB値:4)、サーフィノール420(HLB値:4)、サーフィノール82(HLB値:4)、サーフィノールDF110D(HLB値:3)(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)が挙げられる。
硫酸エステル系界面活性剤に対するアセチレングリコール系界面活性剤の質量比は、0.003以上10以下であり、好ましくは0.05以上1.0以下であり、より好ましくは0.05以上0.3以下である。当該質量比が0.003以上であることにより、分散安定性に優れることに起因して保存安定性に優れ、また、当該質量比が10以下であることにより、異物の発生を抑制することに起因して保存安定性に優れる。
本実施形態のインク組成物は、硫酸エステル系界面活性剤及びアセチレングリコール系界面活性剤以外の界面活性剤(以下、「その他の界面活性剤」ともいう。)をさらに含んでもよい。その他の界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、及びパーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、S−144、S−145(旭硝子株式会社製);FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(Dupont社製);FT−250、251(株式会社ネオス製)が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリシロキサン系化合物、及びポリエーテル変性オルガノシロキサンが挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)が挙げられる。シリコーン系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
インク組成物が上述したその他の界面活性剤を含む場合は、その他の界面活性剤はシリコーン系界面活性剤であることが好ましく、ポリエーテル変性オルガノシロキサンであることがより好ましい。このようなシリコーン系界面活性剤を用いることにより、より確実に本発明の作用効果を奏することができる傾向にある。
その他の界面活性剤の含有量は、インク組成物の総量(100質量%)に対して、好ましくは0.1質量%以上3.0質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上2.0質量%以下である。その他の界面活性剤の含有量がこのような範囲内にあることにより、より確実に本発明の作用効果を奏することができる傾向にある。
界面活性剤の含有量は、インク組成物の総量(100質量%)に対して、好ましくは0.1質量%以上15.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上10.0質量%以下である。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、吐出安定性及び保存安定性に優れる傾向にある。
<有機溶剤>
インク組成物は、有機溶剤をさらに含んでもよい。有機溶剤を含むことにより、長期放置時によるヘッドからの水分蒸発を効果的に抑制しつつ、中間記録媒体への濡れ性を高めてインク組成物の浸透性がより向上し、吐出安定性及び目詰まり回復性も向上する傾向にある。
有機溶剤の種類としては、特に限定されないが、例えば、ポリオール化合物、グリコールエーテル、糖類、及びベタイン化合物が挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えば、分子内の炭素数が2以上6以下であり、かつ、分子内にエーテル結合を1つ有してもよいポリオール化合物(好ましくはジオール化合物)が挙げられる。具体例としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。
グリコールエーテルとしては、特に限定されないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコールから選択されるグリコールのモノアルキルエーテルが好ましい。より具体的には、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノプロピルエーテルが好ましく例示できる。
糖類とは、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)及び多糖類をいう。糖類としては、特に限定されないが、例えば、トレオース、エリトルロース、エリトロース、アラビノース、リブロース、リボース、キシロース、キシルロース、リキソース、グルコース、フルクトース、マンノース、イドース、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガラクトース、アロース、プシコース、アルトロース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、イソトレハロース、ゲンチオビオース、メリビオース、ツラノース、ソホロース、イソサッカロース、グルカン、フルクタン、マンナン、キシラン、ガラクツロナン、マンヌロナン、N−アセチルグルコサミン重合体等のホモグリカン;ジヘテログリカン、トリへテログリカン等のヘテログリカン;マルトトリオース、イソマルトトリオース、パノース、マルトテトラオース、及びマルトペンタオースが挙げられ、好ましくは、トレハロースが例示できる。
ベタイン化合物とは、正電荷と負電荷を同一分子内の隣り合わない位置に持ち、正電荷をもつ原子には解離しうる水素原子が結合しておらず、分子全体としては電荷を持たない化合物(分子内塩)である。好ましいベタイン化合物は、アミノ酸のN−アルキル置換体であり、より好ましくはアミノ酸のN−トリアルキル置換体である。ベタイン化合物としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルグリシン(「グリシンベタイン」ともいう。)、γ−ブチロベタイン、ホマリン、トリゴネリン、カルニチン、ホモセリンベタイン、バリンベタイン、リジンベタイン、オルニチンベタイン、アラニンベタイン、スタキドリン、及びグルタミン酸ベタインが挙げられ、好ましくは、トリメチルグリシンが例示できる。
インク組成物に含まれる有機溶剤の含有量は、インク組成物の総量(100質量%)に対して、好ましくは1.0質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上70質量%以下であり、さらに好ましく30質量%以上50質量%以下である。有機溶剤の含有量が上記範囲内であることにより、被記録媒体に付着したインク組成物の乾燥性がより向上する傾向にあり、インク組成物の吐出安定性を確保できる傾向にある。
<水>
インク組成物は、水を含む。水としては、特に限定されないが、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、及び超純水が好ましい。また、これらの水を紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間に亘ってカビやバクテリアの発生がより防止される傾向にあるため、より好ましい。
水の含有量は、インク組成物の総量(100質量%)に対して、好ましくは50質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは55質量%以上85質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以上80質量%以下である。
<その他の添加剤>
インク組成物は、さらに必要に応じて、防腐防黴剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸収剤、pH調整剤(例えば、トリエタノールアミン、アジピン酸、水酸化カリウム)、又は溶解助剤、その他、通常のインクにおいて用いることができる各種添加剤を含んでもよい。なお、各種添加剤は、一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
<インク組成物の物性>
本実施形態に係るインク組成物は、記録品質とインクジェット記録用のインクとしての信頼性とのバランスの観点から、25℃における表面張力が10mN/m以上40mN/mであることが好ましく、22mN/m以上30mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、自動表面張力計CBVP−Z(協和界面科学社製)を用いて、25℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
また、同様の観点から、インク組成物の20℃における粘度は、2.0mPa・s以上15mPa・s以下であることが好ましく、2.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることがより好ましく、2.0mPa・s以上3.8mPa・s以下であることがさらに好ましい。なお、粘度は、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、20℃の環境下で、Shear Rateを10〜1000に上げていき、Shear Rate200時の粘度を読み取ることにより測定することができる。
また、同様の観点から、インク組成物の20℃における分散時の色材の体積平均粒子径は、動的光散乱法で計測した場合の最大粒径が、好ましくは500nm未満で平均粒径が300nm以下であり、より好ましくは平均粒径が200nm以下である。
本実施形態のインク組成物は、下記で説明するインクジェット記録方法に用いられることが好ましい。
<インクジェット記録方法>
本実施形態に係るインク組成物は、紙、布帛等の記録媒体へ前述のインク組成物を記録するインクジェット記録方法に好適に用いることができる。また、本実施形態に係るインク組成物は、分散染料を含有するので、昇華転写を利用した布帛等に対する染色方法(昇華転写インクジェット記録方法)に特に好適に用いることができる。
昇華転写を利用した染色方法としては、例えば、紙等のシート状の中間転写媒体(第1記録媒体)に昇華性染料を含むインク組成物を用いてインクジェット方式による印刷を行う方法がある。さらに好ましくは、布帛等の被記録媒体(第2記録媒体)に上記で印刷された中間転写媒体を重ねて、加熱により昇華転写する方法がある。
昇華転写インクジェット記録方法は、インク組成物を第1記録媒体の記録面に付着させる工程と、第1記録媒体の記録面に第2記録媒体を配置する工程と、第1記録媒体及び前記第2記録媒体を加熱する工程と、を有する。換言すると、昇華転写インクジェット記録方法(染色物の製造方法)は、インクジェット法を用いて、上述したようなインク組成物を中間転写媒体に付与するインク付与工程と、インク組成物が付与された中間転写媒体を、インク組成物が付与された面と被染色物の染色面とを対向させた状態で加熱し、分散染料を被染色物に転写させる転写工程とを有する。これにより、生産性良く染色物を製造することができるインク組成物を用いた染色物の製造方法を提供することができる。以下、各工程について説明する。
(インク付与工程)
本工程では、インクジェット法を用いて、インク組成物を中間転写媒体(第1記録媒体)の記録面に付与する。インクジェット法によるインク組成物の吐出は、液滴吐出装置(例えば後述のインクジェット記録装置)を用いて行うことができる。
液滴吐出方式(インクジェット法の方式)としては、ピエゾ方式や、インクを加熱して発生した泡(バブル)によりインクを吐出させる方式等を用いることができるが、インク組成物の変質のし難さ等の観点から、ピエゾ方式が好ましい。また、発明者の検討によれば、薄膜ピエゾ方式の記録ヘッドにおいて、インク組成物に加わるシェアレートは、100s-1程度であることが分かっており、本実施形態に係るインク組成物においてより好ましいシェアレートである。
中間転写媒体としては、例えば、普通紙等の紙、インク受容層が設けられた記録媒体(インクジェット用専用紙、コート紙等で呼称される)等を用いることができるが、シリカ等の無機粒子を含有するインク受容層が設けられた紙がより好ましい。これにより、中間転写媒体に付与されたインク組成物が乾燥する過程で、記録面に滲み等が抑制された中間記録物を得ることができる。また、このような媒体であれば、さらに記録面の表面に分散染料を留めやすく、後の転写工程において、分散染料の昇華をより効率的に行うことができる。
本工程では、複数種のインク組成物を用いてもよい。これにより、例えば表現することのできる色域をより広いものとすることができる。
(転写工程)
その後、インク組成物が付与された中間転写媒体の記録面を、被染色物と対向させた状態(第1記録媒体の記録面に第2記録媒体を配置した状態)で加熱し、インク組成物を構成する分散染料を被染色物に転写させる。これにより、布帛等の被染色物とした染色物が得られる。
本工程での加熱温度は、特に規定されるものではないが、好ましくは160℃以上220℃以下であり、より好ましくは170℃以上210℃以下であり、特に好ましくは170℃以上200℃以下である。これにより、分散染料を被染色物に転写させるのに十分なエネルギーを与えることができ、染色物の生産性を優れたものとすることができる。
本工程での加熱時間は、加熱温度にもよるが、30秒以上90秒以下、好ましくは40秒以上70秒以下であり、特に好ましくは45秒以上60秒以下である。これにより、分散染料を被染色物に転写させるのに十分なエネルギーを得ることができ、染色物の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、本工程は、インク組成物が付与された中間転写媒体を、被染色物と対向させた状態で加熱することにより行えばよいが、中間転写媒体と被染色物とを密着させた状態で加熱することにより行うことがより好ましい。これにより、例えば、より鮮明な画像を第2記録媒体に記録する(染色する)ことができる。
被染色物としては、例えば、布帛(疎水性繊維布帛等)、樹脂(プラスチック)フィルム等のシート状の物が好適に用いられるが、シート状以外の球状、直方体形状等の立体的な形状を有する物を用いてもよい。
また、被染色物としては、例えば、樹脂、プラスチックで構成されたもののほか、ガラス、金属、陶磁器を用いてもよい。被染色物としての布帛を構成する繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維、ポリアミド繊維及びこれらの繊維を2種以上用いた混紡品等が挙げられる。また、これらとレーヨン等の再生繊維あるいは木綿、絹、羊毛等の天然繊維との混紡品を用いてもよい。
また、被染色物としての樹脂(プラスチック)フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム等が挙げられる。樹脂(プラスチック)フィルムは、複数の層が積層された積層体であってもよいし、材料の組成が傾斜的に変化する傾斜材料で構成されたものであってもよい。
このような昇華転写インクジェット記録方法によれば、本実施形態に係るインク組成物を用いるため、気泡の発生が抑制され、または気泡が発生しても消泡できるので、吐出安定性が良好となる。
布帛を含む被記録媒体としては、布帛そのものであってもよいが、布帛が樹脂粒子を含む前処理液で前処理されたものであることが好ましい。布帛が前処理されていることにより、より摩擦堅牢性に優れた記録物が得られる傾向にある。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[インク組成物用の材料]
下記の実施例及び比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔分散染料〕
DR359(C.I.Disperse Blue 359)
〔分散剤〕
NSF(ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物)
リグニンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物
〔界面活性剤〕
ラムテルWX(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、花王社製)
DF110D(アセチレングリコール系界面活性剤、HLB値:3、日信化学工業社製)
BYK348(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、シリコーン系界面活性剤、ビックケミー・ジャパン社製)
〔有機溶剤〕
GL(グリセリン)
PG(プロピレングリコール)
MTG(トリエチレングリコールモノメチルエーテル)
〔pH調整剤〕
TEA(トリエタノールアミン)
〔水〕
純水
[インク組成物の調製]
各成分(材料)を下記の表1に示す組成で混合し、十分に撹拌し、各インク組成物を得た。なお、下記の表1中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
〔吐出安定性〕
上記で得られたインク組成物を、インクジェットプリンター(製品名「SureColor SC−F6000」、セイコーエプソン社製)にそれぞれ充填した。次に、印字解像度720×720dpi、単色・塗りつぶし印刷、印字幅1200mmの条件で、10分連続運転を行った。その後、以下の基準に従い、吐出安定性を評価した。
A:吐出不良のノズル数及び吐出方向がずれたノズル数が、全体のノズル数に対して0個である。
B:吐出不良のノズル数及び吐出方向がずれたノズル数が、全体のノズル数に対して1〜9個である。
C:吐出不良のノズル数及び吐出方向がずれたノズル数が、全体のノズル数に対して10〜20個以上である。
D:吐出不良のノズル数及び吐出方向がずれたノズル数が、全体のノズル数に対して21個以上である。
〔保存安定性〕
上記で得られたインク組成物を、0.65g/200mLに純水で希釈し、粒度分布計「MicroTrac UPA」(日機装社製)にて分散染料の平均粒子径D50を測定した。また、上記で得られたインク組成物をアルミパックに注入し、60℃で5日間保存し、その後のインク組成物を0.65g/200mLに純水で希釈し、粒度分布計「MicroTrac」にて分散染料の平均粒子径D50を測定した。保存前後の平均粒子径D50の差を算出し、以下の基準に従い、保存安定性を評価した。
A:平均粒子径D50の差が20nm以下であった。
B:平均粒子径D50の差が20nm超40nm以下であった。
C:平均粒子径D50の差が40nm超であった。
Figure 2018053035

Claims (5)

  1. 分散染料と、分散剤と、界面活性剤と、水と、を含み、
    前記界面活性剤は、硫酸エステル系界面活性剤と、HLB値が6.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤と、を含み、
    前記硫酸エステル系界面活性剤に対する前記アセチレングリコール系界面活性剤の質量比が、0.003以上10以下である、
    昇華転写用インクジェットインク組成物。
  2. 前記分散染料の含有量が、前記昇華転写用インクジェットインク組成物の総量に対して、0.01質量%以上3.0質量%以下である、
    請求項1に記載の昇華転写用インクジェットインク組成物。
  3. 前記分散染料は、C.I.ディスパースブルー359である、
    請求項1又は2に記載の昇華転写用インクジェットインク組成物。
  4. 前記分散剤は、芳香族スルホン酸の塩のホルマリン縮合物を含む、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の昇華転写用インクジェットインク組成物。
  5. 前記硫酸エステル系界面活性剤の含有量が、前記昇華転写用インクジェットインク組成物の総量に対して、0.1質量%以上3.0質量%以下である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の昇華転写用インクジェットインク組成物。
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