以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、全ての図面において、本発明を説明するための構成要素を抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している場合がある。さらに、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
(実施の形態1)
本実施の形態1に係るロボットシステムは、操作者からの入力を受け付ける入力装置と、複数の工程からなる一連の作業を行うロボットアームと、操作者がワークに対して作業を行う、複数の作業領域を含む搬送経路と、ロボットアームによって実施される一連の作業を規定した動作シーケンスに関する情報である動作シーケンス情報が記憶されている記憶装置と、制御装置と、を備え、搬送経路に沿って、複数のロボットアームが複数の作業領域に対応するように並設されていて、搬送経路には、隣接するロボットアームの間にワークを仮置きする仮置き場が設けられていて、制御装置は、入力装置からワークに対する作業が終了したことを示す作業終了情報が入力されると、搬送経路における下流側の仮置き場にワークを搬送して仮置きするように、各ロボットアームを動作させる。
また、本実施の形態1に係るロボットシステムでは、制御装置が、搬送経路における上流側の仮置き場に仮置きされているワークを作業領域に搬送するように、各ロボットアームを動作させてもよい。
また、本実施の形態1に係るロボットシステムでは、仮置き場は、隣接するロボットアームにおいて、搬送経路における上流側のロボットアームの動作半径と、搬送経路における下流側のロボットアームの動作半径と、の比率に対応するように、設けられていてもよい。
また、本実施の形態1に係るロボットシステムでは、制御装置は、入力装置から、所定の第1工程終了したことを示す第1工程終了情報が入力されると、出力装置に前記第1工程の次の工程である第2工程の作業内容を出力させ、ワークにおける第2工程の作業対象箇所が操作者と対向するように、ロボットアームが保持しているワークの位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させるように構成されていてもよい。
また、本実施の形態1に係るロボットシステムでは、制御装置が、入力装置から第1工程終了情報が入力されると、出力装置に第2工程の作業内容を出力させた後に、ロボットアームが保持しているワークの位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させるように構成されていてもよい。
さらに、本実施の形態1に係るロボットシステムでは、制御装置が、入力装置から第1工程終了情報が入力されると、ロボットアームが保持しているワークの位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させた後に、出力装置に第2工程の作業内容を出力させてもよい。
以下、本実施の形態1に係るロボットシステムの一例について、図1〜図7を参照しながら説明する。
[ロボットシステムの構成]
図1は、本実施の形態1に係るロボットシステムの概略構成を示す模式図である。図2は、図1に示すロボットシステムを横方向から見た模式図である。図3は、図1に示すロボットシステムの概略構成を示すブロック図である。また、図4は、本実施の形態1に係るロボットシステムが生産ラインに沿って配置されている状態を示す模式図である。図5は、図1に示すロボットシステムの動作半径の概念を説明するための模式図である。
なお、図4においては、ロボットアーム等を区別するために、アルファベットの添え字を付しているが、任意のロボットアームを示す場合には、添え字を省略する。
図1〜図5に示すように、本実施の形態1に係るロボットシステム100は、ロボットアーム1、入力装置2、出力装置3、制御装置4、記憶装置5、センサ7、搬送経路8、及び作業領域9を備えていて、制御装置4は、入力装置2から、所定の第1工程終了したことを示す第1工程終了情報が入力されると、出力装置3に第1工程の次の工程である第2工程の作業内容を出力させ、ワーク6における第2工程の作業対象箇所が操作者と対向するように、ロボットアーム1が保持しているワーク6の位置又は姿勢を変更させるように構成されている。
搬送経路8は、ワーク6が搬送、又は載置等される空間であり、ロボットアーム1が動作する作業空間である。なお、図1、図4、及び図5においては、図における左右方向が、ワーク6の搬送方向となっている。
搬送経路8の外方には、作業台21及びイス22が配置されている。作業台21には、入力装置2及び出力装置3が載置されている。なお、作業台21には、作業に必要な工具等が載置されていてもよい。
また、搬送経路8には、作業者(操作者)がワーク6に対して作業を行う領域である、作業領域9が設けられている。さらに、搬送経路8には、ロボットアーム1及びセンサ7が配置されている。より詳細には、ロボットアーム1は、上方から見て、作業領域9から離れた位置に配置されている。一方、センサ7は、作業領域9近傍に配置されていて、上方から見て、ロボットアーム1と対向するように配置されている。センサ7は、作業者等の侵入を検知するように構成されていて、例えば、赤外センサ等の各センサを用いることができる。
なお、図4に示すように、本実施の形態1に係るロボットシステム100では、直線状に形成された搬送経路8に沿って、複数のロボットアーム1が並設されていて、これらのロボットアーム1は、同じ種類のロボットアームで構成されている。
また、搬送経路8には、複数の作業領域9が設けられていて、各作業領域9に対応するように、ロボットアーム1が配置されている。具体的には、作業領域9Aに対応するように、ロボットアーム1Aが配置されている。同様に、作業領域9Bに対応するように、ロボットアーム1Bが配置されていて、作業領域9Cに対応するように、ロボットアーム1Cが配置されている。
また、搬送経路8における隣接するロボットアーム1、1の間には、ワーク6を仮置きする(一時的に置くための)仮置き場(第1置き場)10が設けられている。仮置き場10は、ワーク6の搬送方向において、隣接するロボットアーム1、1の中間部分(中間地点)に位置している。すなわち、仮置き場10は、隣接するロボットアーム1、1において、搬送経路8における上流側のロボットアーム1の動作半径と、搬送経路8における下流側のロボットアーム1の動作半径と、の比率に対応するように、設けられている。
ここで、図5を参照しながら、ロボットアーム1の動作半径について、説明する。
図5の一点鎖線に示すように、上方から見て、ロボットアーム1の動作領域は、後述する第1関節JT1の軸心151を中心に略円形状(扇状)となる。本明細書においては、このロボットアーム1の動作領域において、軸心151と、当該軸心151から最も離れた点との長さを動作半径rと称する。
そして、本実施の形態1においては、ロボットアーム1A、ロボットアーム1B、及びロボットアーム1Cは、動作半径rが同じであるため、仮置き場10は、隣接するロボットアーム1、1の中間部分に位置している。より詳細には、図4に示すように、ロボットアーム1Aにおける第1関節JT1の軸心151Aと、ロボットアーム1Bにおける第1関節JT1の軸心151Bと、を結ぶ直線Aの中点を通る直線A1上に仮置き場10Aが設けられている。同様に、ロボットアーム1Bにおける軸心151Bと、ロボットアーム1Cにおける軸心151Cと、を結ぶ直線Bの中点を通る直線B1上に仮置き場10Bが設けられている。
これにより、隣接するロボットアーム1、1間の干渉を抑制し、複数のロボットアーム1がワーク6を搬送するときに、動作の同時性の条件を緩和することができる。
また、仮置き場10は、ワーク6の搬送方向に対して垂直な方向においては、搬送経路8の中間部分よりも作業領域9近傍側に位置している。これにより、作業領域9内で保持しているワーク6を仮置き場10に搬送する時間を短縮することができる。
そして、入力装置2から作業者によるワーク6に対する作業が終了したことを示す作業終了情報が出力されると、ロボットアーム1は、ワーク6を搬送して、搬送経路8における下流側の仮置き場10に仮置きする。
以下、本実施の形態1に係るロボットシステム100を構成する各機器について、詳細に説明する。
ロボットアーム1は、搬送経路8に設置され、複数の工程からなる一連の作業を行うロボットである。なお、複数の工程からなる一連の作業としては、製品に対する部品の組付、塗装等の作業が例示できる。
本実施の形態1に係るロボットアーム1は、ライン生産方式又はセル生産方式で、電気・電子部品等を組み立てて製品を生産する生産工場で利用され、この生産工場に設けられた作業台に沿って配置され、ワーク6に対して、移送、パーツの組み付け又は配置換え、姿勢変換等の作業のうち少なくとも1つを行うことができる多関節ロボットである。但し、ロボットアーム1の実施態様は上記に限定されず、水平多関節型・垂直多関節型を問わず多関節ロボットに広く適用することができる。
また、図2に示すように、ロボットアーム1は、複数のリンク(ここでは、第1リンク11a〜第6リンク11f)の連接体と、複数の関節(ここでは、第1関節JT1〜第6関節JT6)と、これらを支持する基台15と、を有する多関節ロボットアームである。
第1関節JT1では、基台15と、第1リンク11aの基端部とが、鉛直方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。第2関節JT2では、第1リンク11aの先端部と、第2リンク11bの基端部とが、水平方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。第3関節JT3では、第2リンク11bの先端部と、第3リンク11cの基端部とが、水平方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。
また、第4関節JT4では、第3リンク11cの先端部と、第4リンク11dの基端部とが、第4リンク11dの長手方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。第5関節JT5では、第4リンク11dの先端部と、第5リンク11eの基端部とが、第4リンク11dの長手方向と直交する軸回りに回転可能に連結されている。第6関節JT6では、第5リンク11eの先端部と第6リンク11fの基端部とが、捻れ回転可能に連結されている。
さらに、第6リンク11fの先端部には、メカニカルインターフェースが設けられている。このメカニカルインターフェースには、作業内容に対応したエンドエフェクタ12が着脱可能に装着される。
また、第1関節JT1〜第6関節JT6には、それぞれ、各関節が連結する2つの部材を相対的に回転させるアクチュエータの一例としての駆動モータが設けられている(図示せず)。駆動モータは、例えば、制御装置4によってサーボ制御されるサーボモータであってもよい。また、第1関節JT1〜第6関節JT6には、それぞれ、駆動モータの回転位置を検出する回転センサ(図示せず)と、駆動モータの回転を制御する電流を検出する電流センサ(図示せず)と、が設けられている。回転センサは、例えば、エンコーダであってもよい。
そして、ロボットアーム1では、入力装置2から出力されるロボットアーム1の入力情報、又は後述する記憶装置5の動作シーケンス情報52に規定されている動作情報に従って、制御装置4が、駆動モータにより回転させられる各第1関節JT1〜第6関節JT6の角度を制御することにより、ロボットアーム1の先端部の位置を決定する。
なお、上述したロボットアーム1の構成は一例であって、ロボットアーム1の構成はこれに限定されるものではなく、該ロボットアーム1を用いて実施する作業内容及び作業空間等に応じて適宜、構成は変更される。
入力装置2は、搬送経路8外に設置され、操作者からの入力を受け付ける装置である。入力装置2としては、例えば、ティーチングペンダント、マスターアーム、ジョイスティック、又はタブレット等が挙げられる。なお、入力装置2には、後述する作業の開始指示、作業の完了通知等を入力する入力部等が設けられていてもよい。
出力装置3は、例えば、モニタ等の表示装置、スピーカ、プリンタ等が挙げられる。例えば、出力装置3が表示装置で構成されている場合、制御装置4から送信された情報を文字、絵、画像、動画等の映像として、外部に表示(出力)する。また、出力装置3がスピーカで構成されている場合、制御装置4から送信された情報を音声情報として出力する。さらに、出力装置3がプリンタで構成されている場合、制御装置4から送信された情報を印字する。なお、出力装置3は、入力装置2がタブレットで構成されている場合には、当該タブレットであってもよい。
また、図3に示すように、記憶装置5は、読み書き可能な記録媒体であり、タスクプログラム51とロボットシステム100の動作シーケンス情報52が記憶されている。なお、本実施の形態1に係るロボットシステム100では、記憶装置5は、制御装置4と別体に設けられているが、制御装置4と一体として設けられていてもよい。
タスクプログラム51は、例えば、操作者が入力装置2を用いて、ティーチングすることにより作成され、ロボットアーム1の識別情報とタスクとに対応付けられて、記憶装置5に格納されている。なお、タスクプログラム51は、作業ごとの動作フローとして作成されてもよい。
動作シーケンス情報52とは、作業空間内でロボットアーム1によって実施される一連の作業工程を規定した動作シーケンスに関する情報である。動作シーケンス情報52では、作業工程の動作順と、ロボットアーム1の制御モードと、が対応付けられている。また、動作シーケンス情報52では、各作業工程に対し、ロボットアーム1にその作業を自動的に実行させるためのタスクプログラムが対応付けられている。なお、動作シーケンス情報52は、各作業工程に対し、ロボットアーム1にその作業を自動的に実行させるためのプログラムを含んでいてもよい。
制御装置4は、ロボットアーム1の動作を制御するものであり、機能ブロックとして、受信部40、動作制御部41、及び出力制御部42を備えている。制御装置4は、例えば、マイクロコントローラ、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等からなる演算部(図示せず)と、ROM又はRAM等からなるメモリ部(図示せず)と、により構成することができる。また、制御装置4が備える各機能ブロックは、制御装置4の演算部が、メモリ部又は記憶装置5に格納されているプログラムを読み出し実行することにより実現できる。
なお、制御装置4は、単独の制御装置で構成される形態だけでなく、複数の制御装置が協働して、ロボットアーム1(ロボットシステム100)の制御を実行する制御装置群で構成される形態であっても構わない。
受信部40は、制御装置4の外部から送信された入力信号を受信するものである。受信部40によって受信する入力信号としては、例えば、入力装置2から送信された信号、入力装置2以外の図示されない入力部から送信された信号、センサ7から送信された検知信号等が挙げられる。
動作制御部41は、受信部40が入力信号として入力装置2から入力を受け付けた場合、この入力をトリガとして一連の作業においてロボットアーム1が実施する工程の運転モードを判定する。動作制御部41は、次にロボットアーム1が実施する工程の運転モードの判定を記憶装置5に記憶された動作シーケンス情報52を参照して行うことができる。動作制御部41は、運転モードを判定すると、判定された運転モードでロボットアーム1を動作させるように制御する。
例えば、動作制御部41は、ロボットアーム1を自動運転モードで運転すると判定した場合には、動作シーケンス情報52を読み出し、動作シーケンス情報52に含まれるプログラムにより規定された動作を実施するようにロボットアーム1を制御する。
また、動作制御部41は、ロボットアーム1を手動運転モードで運転すると判定した場合には、入力装置2から受信部40が受信した入力に基づいて動作するようにロボットアーム1を制御する。
さらに、動作制御部41は、ロボットアーム1をハイブリッド運転モードで運転すると判定した場合には、動作シーケンス情報52を読み出し、動作シーケンス情報52に含まれるプログラムにより規定された動作を実施し、ロボットアーム1を自動運転により動作中に、入力装置2から入力信号として補正指示信号を受信部40が受信すると、ロボットアーム1の自動運転による動作を入力装置2からの補正指示信号に従った動作に補正する。そして、動作制御部41は、入力装置2から補正指示信号の出力が停止され、受信部40が当該補正指示信号の受信を停止した場合、又は、入力装置2からロボットアーム1の自動運転の再開を指示する信号を受信部40が受信した場合には、ロボットアーム1の自動運転を再開する。
なお、動作制御部41は、ロボットアーム1を自動運転モードにより動作させる場合、ロボットアーム1の自動運転モードが終了すると、自動運転モード終了を示す情報を出力制御部42に送信してもよい。これにより、出力制御部42が出力装置3に自動運転モード終了を示す情報を操作者に向けて出力することで、操作者は、自動運転モードが終了したことを理解することができる。
ここで、自動運転モードとは、ロボットアーム1が予め設定されているプログラムに従って、自動的に動作を実施することをいう。また、手動運転モードとは、ロボットアーム1が、入力装置2から受け付けた入力に従って動作することをいい、入力装置2から受け付けた入力に完全に従うように、ロボットアーム1を動作させてもよく、入力装置2から受け付けた入力に対して、予め設定されているプログラムにより補正(例えば、手ブレ補正)をしながら、ロボットアーム1を動作させてもよい。さらに、ハイブリッド運転モードとは、自動運転により動作中のロボットアームを手動運転により動作を補正されることをいう。
また、動作制御部41は、ロボットアーム1を動作させているときに、センサ7から搬送経路8の作業領域9内に作業者等が侵入したことを検知したことを示す検知信号を、受信部40を介して受信した場合に、ロボットアーム1の動作を抑制する。ロボットアーム1の動作の抑制としては、ロボットアーム1の動作速度を遅くする、又はロボットアーム1を停止させる等が挙げられる。
さらに、動作制御部41は、受信部40を介して、入力装置2から所定の第1工程終了したことを示す第1工程終了情報(第1工程終了信号)が入力されると、動作シーケンス情報52に記憶されている、第1工程の次の工程である第2工程の作業内容情報を取得し、取得した第2工程の作業内容情報を出力制御部42に出力する。
出力制御部42は、出力装置3を制御し、操作者等に通知する情報を映像情報、画像情報、又は音声情報等として出力する。具体的には、例えば、出力制御部42は、動作制御部41から出力された第2工程の作業内容情報を出力するように出力装置3を制御する。
[ロボットシステムの動作及び作用効果]
次に、本実施の形態1に係るロボットシステム100の動作及び作用効果について、図1〜図7を参照しながら説明する。なお、操作者が入力装置2を操作して、ロボットアーム1を動作させて、一連の作業を行う動作については、公知のロボットシステムと同様に実行されるため、その詳細な説明は省略する。また、以下の動作は、制御装置4の演算部が、メモリ部又は記憶装置5に格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
まず、本実施の形態1に係るロボットシステム100におけるワーク6の位置又は姿勢変更動作について、図1〜図6を参照しながら説明する。
図6は、本実施の形態1に係るロボットシステムにおいて、ワークの位置又は姿勢を変更するときの動作の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、制御装置4は、入力装置2から所定の第1工程終了したことを示す第1工程終了情報が入力されたか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、制御装置4の動作制御部41が、受信部40を介して、入力装置2から第1工程終了情報が入力されたか否かを判定する。
制御装置4の動作制御部41は、入力装置2から第1工程終了情報が入力されていないと判定した場合(ステップS101でNo)には、本プログラムを終了する。なお、制御装置4は、本プログラムを終了した場合には、例えば、50msec後に再び、本プログラムを実行する。一方、制御装置4の動作制御部41は、入力装置2から第1工程終了情報が入力されていると判定した場合(ステップS101でYes)には、ステップS102に示す処理を実行する。
ステップS102において、制御装置4は、第1工程の次の工程である第2工程の作業内容情報を出力装置3に出力させる。具体的には、制御装置4の動作制御部41は、記憶装置5の動作シーケンス情報52に記憶されている、第2工程の作業内容情報を取得し、取得した第2工程の作業内容情報を出力制御部42に出力する。出力制御部42は、動作制御部41から入力された第2工程の作業内容情報を出力装置3に出力する。これにより、出力装置3は、第2工程の作業内容を操作者に出力する。
次に、制御装置4は、ロボットアーム1が保持しているワーク6の位置又は姿勢を変更させる(ステップS103)。具体的には、制御装置4の動作制御部41は、ステップS102で取得した第2工程の作業内容情報を基に、ワーク6における第2工程の作業対象箇所が操作者と対向するように、ロボットアーム1を動作させる。換言すると、動作制御部41は、ワーク6における第2工程の作業対象箇所が搬送経路8の外方側に位置するように、ロボットアーム1を動作させる。
なお、ワーク6の位置又は姿勢変更動作は、ロボットアーム1の第1関節JT1〜第6関節JT6の各関節の角度を予め設定された角度にするように、制御装置4が制御することで、実行することができる。
次に、制御装置4は、ワーク6の位置又は姿勢を変更させる動作が終了すると、位置又は姿勢変更終了情報を出力装置3に出力させて(ステップS104)、本プログラムを終了する。これにより、操作者は、第2工程の作業を実行することができる。
なお、本実施の形態1においては、制御装置4が、第2工程の作業内容情報を出力させた後に、ワーク6の位置又は姿勢を変更させる形態を採用したが、これに限定されない。例えば、制御装置4が、ワーク6の位置又は姿勢を変更させた後に、第2工程の作業内容情報を出力させる形態を採用してもよく、第2工程の作業内容情報の出力と、ワーク6の位置又は姿勢変更動作と、を同時に行う形態を採用してもよい。
次に、本実施の形態1に係るロボットシステム100におけるワーク6の搬送動作について、図1〜図5、及び図7を参照しながら説明する。
図7は、本実施の形態1に係るロボットシステムにおいて、ワークを搬送するときの動作の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、制御装置4は、入力装置2からワーク6に対する作業が終了したことを示す作業終了情報が入力されたか否かを判定する(ステップS201)。具体的には、制御装置4の動作制御部41が、受信部40を介して、入力装置2から作業終了情報が入力されたか否かを判定する。
制御装置4の動作制御部41は、入力装置2から作業終了情報が入力されていないと判定した場合(ステップS201でNo)には、本プログラムを終了する。なお、制御装置4は、本プログラムを終了した場合には、例えば、50msec後に再び、本プログラムを実行する。一方、制御装置4の動作制御部41は、入力装置2から作業終了情報が入力されていると判定した場合(ステップS201でYes)には、ステップS202に示す処理を実行する。
ステップS202において、制御装置4は、各作業領域9内でロボットアーム1に保持されているワーク6を、当該ロボットアーム1に対して、搬送方向の下流側の仮置き場10に搬送し、当該仮置き場10に仮置きするように、ロボットアーム1を動作させる。
具体的には、図4に示すように、制御装置4の動作制御部41は、作業領域9A内でロボットアーム1Aに保持されているワーク6を仮置き場10Aに搬送するようにロボットアーム1Aを動作させる。同様に、制御装置4の動作制御部41は、作業領域9B内でロボットアーム1Bに保持されているワーク6を仮置き場10Bに搬送するようにロボットアーム1Bを動作させる。また、制御装置4の動作制御部41は、作業領域9C内でロボットアーム1Cに保持されているワーク6を仮置き場(図示せず)に搬送するようにロボットアーム1Cを動作させる。
なお、上述したように、制御装置4は、各ロボットアーム1A、1B、及び1Cを1台の制御装置4で制御する形態を採用してもよく、1台のロボットアーム1を1台の制御装置4が制御する形態を採用してもよい。
次に、制御装置4の動作制御部41は、搬送方向の上流側の仮置き場10に仮置きされているワーク6を各ロボットアーム1が保持するように、ロボットアーム1を動作させる(ステップS203)。
具体的には、図4に示すように、制御装置4の動作制御部41は、ロボットアーム1Cに対して、搬送方向の上流側の仮置き場10Bに置かれているワーク6をロボットアーム1Cが保持するように、ロボットアーム1Cを動作させる。同様に、制御装置4の動作制御部41は、ロボットアーム1Bに対して、搬送方向の上流側の仮置き場10Aに置かれているワーク6をロボットアーム1Bが保持するように、ロボットアーム1Bを動作させる。また、制御装置4の動作制御部41は、ロボットアーム1Aに対して、搬送方向の上流側の仮置き場(図示せず)に置かれているワーク6をロボットアーム1Aが保持するように、ロボットアーム1Aを動作させる。
次に、制御装置4の動作制御部41は、ステップS203で保持したワーク6を各ロボットアーム1が対応する作業領域9に搬送するように、各ロボットアーム1を動作させる(ステップS204)。
次に、制御装置4は、ワーク6の搬送動作が終了すると、出力制御部42を介して、搬送終了情報を出力装置3に出力させて(ステップS205)、本プログラムを終了する。これにより、操作者は、ワーク6に対する作業を開始することができる。
なお、本実施の形態1においては、制御装置4の動作制御部41が、ステップS203とステップS204の動作(処理)を2つのステップに分けて実行する形態を採用したが、これに限定されず、ステップS203とステップS204の動作を1つのステップで実行する形態を採用してもよい。
また、制御装置4の動作制御部41は、ステップS205で搬送終了情報を出力装置3に出力させるとき、又は搬送終了情報を出力装置3に出力させた後に、操作者がワーク6に対して行う作業の内容を出力装置3に出力させてもよい。
このように構成された、本実施の形態1に係るロボットシステム100では、制御装置4が、入力装置2から第1工程終了情報が入力されると、出力装置3に第2工程の作業内容を出力させる。これにより、操作者(作業者)は、第2工程の作業内容を容易に把握することができる。
また、本実施の形態1に係るロボットシステム100では、制御装置4が、入力装置2から第1工程終了情報が入力されると、ワーク6における第2工程の作業対象箇所が操作者と対向するように、ロボットアーム1が保持しているワーク6の位置又は姿勢を変更させる。これにより、ワーク6における第2工程の作業対象箇所が操作者に向けられる。このため、ワーク6に似通った作業対象が複数ある場合であっても、操作者は、正しい作業対象箇所に対して、作業を行うことができる。このため、作業者の負担が軽減され、作業効率を向上させることができる。
また、本実施の形態1に係るロボットシステム100では、搬送経路8に沿って、複数のロボットアーム1が複数の作業領域9に対応するように並設されていて、搬送経路8には、隣接するロボットアーム1の間にワーク6を仮置きする仮置き場10が設けられている。そして、仮置き場10は、隣接するロボットアーム1、1において、搬送経路8における上流側のロボットアーム1の動作半径と、搬送経路8における下流側のロボットアーム1の動作半径と、の比率に対応するように、設けられている。
これにより、隣接するロボットアーム1、1間の干渉が抑制され、複数のロボットアーム1、1がワーク6を搬送するときに、動作の同時性の条件を緩和することができる。
さらに、本実施の形態1に係るロボットシステム100では、制御装置4が、入力装置2から作業終了情報が入力されると、搬送経路8における下流側の仮置き場10にワーク6を搬送して仮置きするように、各ロボットアーム1を動作させる。上述したように、ロボットアーム1の動作の同時性の条件を緩和することができるため、各作業者は、自己の作業に集中することができる。このため、作業者の負担が軽減され、作業効率を向上させることができる。
なお、本実施の形態1においては、搬送経路8が直線状に形成されている形態を採用したが、これに限定されず、搬送経路8がU字状に形成されている形態を採用してもよい。
[変形例1]
次に、本実施の形態1に係るロボットシステム100の変形例について、説明する。
本実施の形態1における変形例1のロボットシステムは、制御装置が、搬送経路における下流側の仮置き場に仮置きされているワークを作業領域に搬送させるときに、ワークにおける作業対象箇所が作業領域に位置している操作者と対向するように、ロボットアームを動作させる。
以下、本変形例1のロボットシステムの一例について、図8を参照しながら説明する。なお、本変形例1のロボットシステムは、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の構成であるため、その構成の詳細な説明は省略する。
[ロボットシステムの動作及び作用効果]
図8は、本実施の形態1における変形例1のロボットシステムにおいて、ワークを搬送するときの動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の動作は、制御装置4の演算部が、メモリ部又は記憶装置5に格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
図8に示すように、本変形例1のロボットシステム100における、ワーク6を搬送するときの動作は、実施の形態1に係るロボットシステム100の動作と基本的には同じであるが、ステップS204の動作に代えて、ステップS204Aの動作が実行される点が異なる。
具体的には、ステップS204Aでは、制御装置4の動作制御部41が、操作者がワーク6に対する作業を実行する作業対象箇所が、操作者と対向するように、ワーク6を搬送させる、又はワーク6を作業領域9に搬送した後に、ワーク6の作業対象箇所が操作者と対向するように、ワーク6の位置又は姿勢を変更するように、ロボットアーム1を動作させる。
このように構成された、本変形例1のロボットシステム100であっても、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
また、本変形例1のロボットシステム100では、制御装置4は、ロボットアーム1がワーク6を搬送するときに、ワーク6の作業対象箇所が操作者と対向するように、ロボットアーム1を動作させる。これにより、操作者は、ワーク6が搬送されると、すぐに作業を開始することができ、作業時間を短縮することができる。また、操作者は、ワーク6の位置又は姿勢を変更する必要がないため、操作者の作業負担を軽減することができ、作業効率を向上させることができる。
[変形例2]
本変形例2のロボットシステムは、仮置き場が、隣接するロボットアームにおいて、搬送経路における上流側のロボットアームの動作半径と、搬送経路における下流側のロボットアームの動作半径と、の比率に対応するように、設けられている。
以下、本変形例2のロボットシステムの一例について、図9及び図10を参照しながら説明する。
[ロボットシステムの構成]
図9は、本実施の形態1における変形例2のロボットシステムが生産ラインに沿って配置されている状態を示す模式図である。図10は、図9に示すロボットシステムの一部を拡大した模式図である。
図9及び図10に示すように、本変形例2のロボットシステム100は、実施の形態1に係るロボットシステム100と基本的構成は同じであるが、ロボットアーム1が4台配置されている点と、ロボットアーム1Cの動作半径が、他のロボットアーム1A、1B、及び1Dよりも大きい点と、仮置き場10B、10Cの配置されている位置と、が異なる。
具体的には、ロボットアーム1Cは、第2リンク11b、第3リンク11c、及び第4リンク11dの長さが、ロボットアーム1A等の第2リンク11b、第3リンク11c、及び第4リンク11dの長さよりも長くなるように形成されている。これにより、ロボットアーム1Cは、他のロボットアーム1A等に比して、その動作半径rを大きくすることができる。
そして、ロボットアーム1Bとロボットアーム1Cの間に位置する仮置き場10Bは、ワーク6の搬送方向において、ロボットアーム1Bに近い部分(地点)に位置するように設けられている。また、ロボットアーム1Cとロボットアーム1Dの間に位置する仮置き場10Cは、ワーク6の搬送方向において、ロボットアーム1Dに近い部分に位置するように設けられている。
より詳細には、仮置き場10Bは、直線Bにおいて、ロボットアーム1Bの軸心151Bからの距離と、ロボットアーム1Cの軸心151Cからの距離と、が、ロボットアーム1Bの動作半径と、ロボットアーム1Cの動作半径と、の比率と対応する位置(点)を通る直線B1上に設けられている。すなわち、仮置き場10Bは、ロボットアーム1Bの軸心151Bから仮置き場10Bまでの距離と、ロボットアーム1Cの軸心151Cから仮置き場10Bまでの距離と、の比率が、ロボットアーム1Bの動作半径と、ロボットアーム1Cの動作半径と、の比率と対応するように、設けられている。
同様に、仮置き場10Cは、軸心151Cと軸心151Dを結ぶ直線Cにおいて、ロボットアーム1Cの軸心151Cからの距離と、ロボットアーム1Dの軸心151Dからの距離と、が、ロボットアーム1Cの動作半径と、ロボットアーム1Dの動作半径と、の比率と対応する位置(点)を通る直線C1上に設けられている。すなわち、仮置き場10Cは、ロボットアーム1Cの軸心151Cから仮置き場10Cまでの距離と、ロボットアーム1Dの軸心151Dから仮置き場10Cまでの距離と、の比率が、ロボットアーム1Cの動作半径と、ロボットアーム1Dの動作半径と、の比率と対応するように、設けられている。
このように構成された、本変形例2のロボットシステム100であっても、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
また、本変形例2のロボットシステム100では、搬送経路8に動作半径が異なるロボットアーム1、すなわち、大きさが異なるロボットアーム1が並設された場合には、その動作半径の比率によって、仮置き場10の配置位置を設定している。これにより、隣接するロボットアーム1、1間の干渉が抑制され、複数のロボットアーム1、1がワーク6を搬送するときに、動作の同時性の条件を緩和することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2に係るロボットシステムは、実施の形態1に係るロボットシステムにおいて、制御装置が、ロボットアームが保持しているワークの位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させた後、入力装置からの入力により、ワークの位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させるように、ロボットアームを動作させる。
以下、本実施の形態2に係るロボットシステムの一例について、図11を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施の形態2に係るロボットシステム100は、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の構成であるため、その構成の詳細な説明は省略する。
[ロボットシステムの動作及び作用効果]
図11は、本実施の形態2に係るロボットシステムにおいて、ワークの位置又は姿勢を変更するときの動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の動作は、制御装置4の演算部が、メモリ部又は記憶装置5に格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
図11に示すように、本実施の形態2に係るロボットシステム100におけるワーク6の位置又は姿勢を変更するときの動作は、実施の形態1に係るロボットシステム100におけるワーク6の位置又は姿勢を変更するときの動作と基本的には同じであるが、ステップS104の動作に代えて、ステップS104Aの動作が実行される点と、ステップS105の動作が実行される点と、が異なる。
具体的には、制御装置4の動作制御部41は、ステップS103でロボットアーム1が保持しているワーク6の位置又は姿勢を変更させた後に、出力制御部42を介して、ワーク6の位置又は姿勢を変更させるか否かの問い合わせ情報を出力装置3に出力させる(ステップS104A)。
これを受けて、操作者は、ワーク6の位置又は姿勢を変更させるか否かを選択し、ワーク6の位置等を変更させる場合には、入力装置2を操作して、変更を指示する変更指示情報と、ワーク6の位置情報又は姿勢情報等と、を制御装置4の受信部40に入力する。一方、操作者は、ワーク6の位置等を変更させない場合には、入力装置2を操作して、変更は不要であることを指示する変更不要情報を制御装置4の受信部40に入力する。
次に、制御装置4の動作制御部41は、入力装置2から受信部40に変更指示情報等が入力されたか否かを判定する(ステップS105)。制御装置4の動作制御部41は、入力装置2から受信部40に変更指示情報等が入力されていないと判定した場合、すなわち、受信部40に変更不要情報が入力されたと判定した場合(ステップS105でNo)には、本プログラムを終了する。
一方、制御装置4の動作制御部41は、入力装置2から受信部40に変更指示情報等が入力されたと判定した場合(ステップS105でYes)には、ステップS103に戻り、受信部40に入力されたワーク6の位置情報等を基に、ワーク6の位置又は姿勢を変更するように、ロボットアーム1を動作させる。
そして、制御装置4の動作制御部41は、ワーク6の位置又は姿勢を変更させた後に、再び、ワーク6の位置又は姿勢を変更させるか否かの問い合わせ情報を出力装置3に出力させ(ステップS104A)、操作者が、入力装置2を操作して、変更不要情報を制御装置4の受信部40に入力するまで、ステップS103〜ステップS105に示す動作を繰り返す。
このように構成された、本実施の形態2に係るロボットシステム100であっても、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
また、本実施の形態2に係るロボットシステム100では、制御装置4の動作制御部41が、自動でワーク6の位置又は姿勢を変更した後に、操作者が入力装置2を操作することにより、ワーク6の位置又は姿勢を変更することができるように構成されている。これにより、操作者の体格、又は操作者の作業姿勢等の好みに合わせて、ワーク6に位置又は姿勢を変更することができる。このため、操作者の作業負担を軽減することができ、作業効率を向上させることができる。
なお、本実施の形態2に係るロボットシステム100は、実施の形態1における変形例1のロボットシステム100のように、制御装置4が、ロボットアーム1がワーク6を搬送するときに、ワーク6の作業対象箇所が操作者と対向するように、ロボットアーム1が動作させ、その後、操作者が入力装置2を操作することにより、ワーク6の位置又は姿勢を変更することができるように構成されていてもよい。
[変形例1]
次に、本実施の形態2に係るロボットシステムの変形例について、説明する。
本実施の形態2における変形例1のロボットシステムは、記憶装置には、予め設定されたロボットアームの所定の動作量である第1動作量が記憶されていて、制御装置は、ロボットアームが保持しているワークの位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させた後、入力装置からの入力により、ワークの位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させるときに、第1動作量の範囲内でロボットアームを動作させるように構成されている。
また、本変形例1のロボットシステムでは、第1動作量が操作者毎に設定されていて、記憶装置には、操作者の情報である操作者情報と操作者に対応する第1動作量が記憶されていて、制御装置は、入力装置から操作者に関する識別情報が入力されると、記憶装置に記憶されている操作者情報から第1動作量を設定するように構成されていてもよい。
さらに、本変形例1のロボットシステムでは、制御装置が、ロボットアームが保持しているワークの位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させた後、入力装置からの入力により、ワークの位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させたときの変化量である第1変化量を記憶装置に記憶させ、記憶装置に記憶された第1変化量を基に、第1動作量を設定してもよい。
以下、本変形例1のロボットシステムの一例について、図12〜図14を参照しながら説明する。
[ロボットシステムの構成]
図12は、本実施の形態2における変形例1のロボットシステムの概略構成を示すブロック図である。図13は、図12に示す記憶装置に記憶されている第1動作量の一例を示す表である。
図12に示すように、本実施の形態2における変形例1のロボットシステム100は、実施の形態1に係るロボットシステム100と基本的構成は同じであるが、記憶装置5に第1動作量53が記憶されている点が異なる。また、本変形例1のロボットシステム100では、記憶装置5に第1変化量54が記憶されていてもよい。
第1動作量53は、ロボットアーム1がワーク6の位置又は姿勢を自動で変更させた後に、入力装置2からの入力により、ワーク6の位置又は姿勢を変更させるときに、ロボットアーム1の動作速度、又は動作範囲を設定するものである。第1変化量54は、ロボットアーム1がワーク6の位置又は姿勢を自動で変更させた後に、入力装置2からの入力により、ワーク6の位置又は姿勢を変更させたときの変化量である。
第1動作量53は、予め実験等により、所定の動作量が設定され、記憶装置5に記憶されていてもよい。また、第1動作量53は、図13に示すように、操作者毎に設定されていて、操作者に関する識別情報である操作者ID(操作者情報)と各操作者に対応する第1動作量がテーブルとして記憶されていてもよい。
また、第1動作量53は、記憶装置5に記憶されている第1変化量54を基に、制御装置4により設定されてもよい。この場合、例えば、制御装置4は、最新の第1変化量54を第1動作量53として設定してもよく、記憶装置5に記憶されている第1変化量54の平均値等を算出して、当該算出した値を第1動作量53として設定してもよい。
[ロボットシステムの動作及び作用効果]
図14は、本実施の形態2における変形例1のロボットシステムにおいて、ワークの位置又は姿勢を変更するときの動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の動作は、制御装置4の演算部が、メモリ部又は記憶装置5に格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
図14に示すように、本変形例1のロボットシステム100におけるワーク6の位置又は姿勢を変更するときの動作は、実施の形態2に係るロボットシステム100におけるワーク6の位置又は姿勢を変更するときの動作と基本的には同じであるが、制御装置4の動作制御部41が入力装置2から受信部40に変更指示情報等が入力されたと判定した場合(ステップS105でYes)に、ステップS106の動作が実行される点が異なる。
具体的には、ステップS106の動作では、制御装置4の動作制御部41は、第1動作量53を設定する。より詳細には、例えば、制御装置4の動作制御部41は、記憶装置5に記憶されている第1動作量53を取得して、設定してもよい。
また、操作者が入力装置2を操作して、当該操作者のIDが制御装置4の受信部40に入力した場合には、制御装置4の動作制御部41は、当該入力された操作者情報(例えば、操作者A)を基に、図13に示すテーブルから操作者情報に対応する第1動作量53Aを取得して、当該第1動作量53Aを第1動作量として設定してもよい。
さらに、制御装置4の動作制御部41は、ステップS105で入力された、ワーク6の位置情報等から、ワーク6の位置又は姿勢を変更させたときの変化量を算出して、当該変化量を第1変化量54として、記憶装置5に記憶させる。そして、制御装置4の動作制御部41は、記憶装置5に記憶されている最新の第1変化量54を第1動作量53として設定してもよく、記憶装置5に記憶されている第1変化量54の平均値等を算出して、当該算出した値を第1動作量53として設定してもよい。
次に、制御装置4の動作制御部41は、ステップS106で設定した第1動作量の範囲内でロボットアーム1が動作するように、ロボットアーム1を制御する。これにより、急激にロボットアーム1が動作したり、思わぬ方向にロボットアーム1が動作したりすることを抑制できる。また、ワーク6の作業対象箇所が操作者から離れた位置に向くことを抑制することができる。
そして、制御装置4の動作制御部41は、ワーク6の位置又は姿勢を変更させた後に、再び、ワーク6の位置又は姿勢を変更させるか否かの問い合わせ情報を出力装置3に出力させ(ステップS104A)、操作者が、入力装置2を操作して、変更不要情報を制御装置4の受信部40に入力するまで、ステップS103〜ステップS106に示す動作を繰り返す。
このように構成された、本変形例1のロボットシステム100であっても、実施の形態2に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
また、本変形例1のロボットシステム100では、制御装置4が、ロボットアーム1が保持しているワーク6の位置又は姿勢を変更させた後、入力装置2からの入力により、ワーク6の位置又は姿勢を変更させるときに、第1動作量の範囲内でロボットアーム1を動作させるように構成されている。
これにより、急激にロボットアーム1が動作したり、思わぬ方向にロボットアーム1が動作したりすることを抑制できる。また、ワーク6の作業対象箇所が操作者から離れた位置に向くことを抑制することができる。
また、本変形例1のロボットシステム100では、制御装置4が、入力装置2から操作者に関する識別情報が入力されると、記憶装置5に記憶されている操作者情報から第1動作量53を設定するように構成されていてもよい。
これにより、操作者の体格、又は操作者の作業姿勢等の好みにより適合するように、ワーク6に位置又は姿勢を変更することができる。このため、操作者の作業負担を軽減することができ、作業効率を向上させることができる。
さらに、本変形例1のロボットシステム100では、制御装置4が、ロボットアーム1が保持しているワーク6の位置又は姿勢を変更させた後、入力装置2からの入力により、ワーク6の位置又は姿勢を変更させたときの変化量である第1変化量を記憶装置5に記憶させ、記憶装置5に記憶された第1変化量54を基に、第1動作量53を設定してもよい。
これにより、操作者の体格、又は操作者の作業姿勢等の好みにより適合するように、ワーク6に位置又は姿勢を変更することができる。このため、操作者の作業負担を軽減することができ、作業効率を向上させることができる。
なお、本変形例1においては、ステップS106の動作は、ステップS105の後に実行する形態を採用したが、これに限定されず、各ステップS101〜ステップS104Aの動作のうち、いずれかのステップの動作を実行した後に実行する形態を採用してもよく、当該プログラムとは別のプログラムにより、実行する形態を採用してもよい。
[変形例2]
本実施の形態2における変形例2のロボットシステムは、記憶装置には、ロボットアームの所定の動作範囲を予め設定した第1動作範囲が記憶されていて、制御装置が、ロボットアームが保持しているワークの姿勢を変更させた後、入力装置からの入力により、ワークの位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させるときに、第1動作範囲内でロボットアームを動作させるように構成されている。
また、本変形例2のロボットシステムでは、第1動作範囲は、操作者毎に設定されていて、記憶装置には、操作者の情報である操作者情報と操作者に対応する第1動作範囲が記憶されていて、制御装置は、入力装置から操作者に関する識別情報が入力されると、記憶装置に記憶されている操作者情報から第1動作範囲を設定するように構成されていてもよい。
さらに、本変形例2のロボットシステムでは、制御装置が、ロボットアームが保持しているワークの位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させた後、入力装置からの入力により、ワークの位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させたときのロボットアームの位置情報及びロボットアームの姿勢情報の少なくとも一方を記憶装置に記憶させ、記憶装置に記憶されたロボットアームの位置情報及びロボットアームの姿勢情報の少なくとも一方を基に、第1動作範囲を設定してもよい。
以下、本変形例2のロボットシステムの一例について、図15〜図17を参照しながら説明する。
[ロボットシステムの構成]
図15は、本実施の形態2における変形例2のロボットシステムの概略構成を示すブロック図である。図16は、図15に示す記憶装置に記憶されている第1動作範囲の一例を示す表である。
図15に示すように、本実施の形態2における変形例2のロボットシステム100は、実施の形態2における変形例1のロボットシステム100と基本的構成は同じであるが、記憶装置5に第1動作範囲55が記憶されている点が異なる。また、本変形例2のロボットシステム100では、自動でワーク6の位置又は姿勢を変更した後に、入力装置2から入力されたロボットアーム1の位置情報56又は姿勢情報57が記憶されていてもよい。
第1動作範囲55は、ロボットアーム1がワーク6の位置又は姿勢を自動で変更させた後に、入力装置2からの入力により、ワーク6の位置又は姿勢を変更させるときに、ロボットアーム1の動作範囲を設定するものである。位置情報56は、入力装置2から入力されたロボットアーム1の位置座標であり、姿勢情報57は、ロボットアーム1の各関節JT1〜JT6の角度情報である。
第1動作範囲55は、予め実験等により、所定の動作範囲として、ロボットアーム1の位置座標又は各関節JT1〜JT6の角度情報が設定され、記憶装置5に記憶されていてもよい。また、第1動作範囲55は、図16に示すように、操作者毎に設定されていて、操作者に関する識別情報である操作者ID(操作者情報)と各操作者に対応する第1動作範囲がテーブルとして記憶されていてもよい。
また、第1動作範囲55は、記憶装置5に記憶されている位置情報56又は姿勢情報57を基に、制御装置4により設定されてもよい。この場合、例えば、制御装置4は、最新の位置情報56又は姿勢情報57を第1動作範囲55として設定してもよく、記憶装置5に記憶されている位置情報56の平均値又は姿勢情報57の平均値等を算出して、当該算出した値を第1動作範囲55として設定してもよい。
[ロボットシステムの動作及び作用効果]
図17は、本実施の形態2における変形例2のロボットシステムにおいて、ワークの位置又は姿勢を変更するときの動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の動作は、制御装置4の演算部が、メモリ部又は記憶装置5に格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
図17に示すように、本変形例2のロボットシステム100におけるワーク6の位置又は姿勢を変更するときの動作は、変形例1のロボットシステム100におけるワーク6の位置又は姿勢を変更するときの動作と基本的には同じであるが、ステップS106の動作に代えて、ステップS106Aの動作が実行される点が異なる。
具体的には、ステップS106Aの動作では、制御装置4の動作制御部41は、第1動作範囲55を設定する。より詳細には、例えば、制御装置4の動作制御部41は、記憶装置5に記憶されている第1動作範囲55を取得して、設定してもよい。
また、操作者が入力装置2を操作して、当該操作者のIDが制御装置4の受信部40に入力した場合には、制御装置4の動作制御部41は、当該入力された操作者情報(例えば、操作者A)を基に、図16に示すテーブルから操作者情報に対応する第1動作範囲55Aを取得して、当該第1動作範囲55Aを第1動作範囲として設定してもよい。
さらに、制御装置4の動作制御部41は、ステップS105で入力された、ロボットアーム1の位置座標を位置情報56として記憶装置5に記憶させる、又は各関節のJT1〜JT6の角度情報を姿勢情報57として記憶装置5に記憶させる。そして、制御装置4の動作制御部41は、記憶装置5に記憶されている最新の位置情報56又は姿勢情報57を第1動作範囲55として設定してもよく、記憶装置5に記憶されている位置情報56の平均値又は姿勢情報57の平均値等を算出して、当該算出した値を第1動作範囲55として設定してもよい。
次に、制御装置4の動作制御部41は、ステップS106Aで設定した第1動作範囲内でロボットアーム1が動作するように、ロボットアーム1を制御する。これにより、急激にロボットアーム1が動作したり、思わぬ方向にロボットアーム1が動作したりすることを抑制できる。また、ワーク6の作業対象箇所が操作者から離れた位置に向くことを抑制することができる。
そして、制御装置4の動作制御部41は、ワーク6の位置又は姿勢を変更させた後に、再び、ワーク6の位置又は姿勢を変更させるか否かの問い合わせ情報を出力装置3に出力させ(ステップS104A)、操作者が、入力装置2を操作して、変更不要情報を制御装置4の受信部40に入力するまで、ステップS103〜ステップS106Aに示す動作を繰り返す。
このように構成された、本変形例2のロボットシステム100であっても、実施の形態2における変形例1のロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
なお、本変形例2においては、ステップS106Aの動作は、ステップS105の後に実行する形態を採用したが、これに限定されず、各ステップS101〜ステップS104Aの動作のうち、いずれかのステップの動作を実行した後に実行する形態を採用してもよく、当該プログラムとは別のプログラムにより、実行する形態を採用してもよい。
(実施の形態3)
本実施の形態3に係るロボットシステムは、実施の形態1又は実施の形態2に係るロボットシステムにおいて、出力装置をさらに備え、制御装置は、入力装置からワークに対する作業が終了したことを示す作業終了情報が入力されると、ワークの搬送を促す情報を出力装置に出力させる。
また、本実施の形態3に係るロボットシステムでは、制御装置は、入力装置からワークの搬送を開始させることを示す搬送開始情報が入力されると、各ロボットアームを動作させてもよい。
以下、本実施の形態3に係るロボットシステムの一例について、図18を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施の形態3に係るロボットシステム100は、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の構成であるため、その構成の詳細な説明は省略する。
[ロボットシステムの動作及び作用効果]
図18は、本実施の形態3に係るロボットシステムにおいて、ワークを搬送するときの動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の動作は、制御装置4の演算部が、メモリ部又は記憶装置5に格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
図18に示すように、制御装置4の動作制御部41は、受信部40を介して、入力装置2から作業終了情報が入力されたか否かを判定する(ステップS301)。制御装置4の動作制御部41は、入力装置2から作業終了情報が入力されていないと判定した場合(ステップS301でNo)には、本プログラムを終了する。なお、制御装置4は、本プログラムを終了した場合には、例えば、50msec後に再び、本プログラムを実行する。
一方、制御装置4の動作制御部41は、入力装置2から作業終了情報が入力されていると判定した場合(ステップS301でYes)には、ステップS302に示す処理を実行する。
ステップS302において、制御装置4の動作制御部41は、出力制御部42を介して、出力装置3にワーク6の搬送を促す情報を出力させる。出力装置3が、ワーク6の搬送を促す情報の出力としては、例えば、「ワーク6の搬送を開始する開始ボタンを押してください等」の文字情報をモニタに表示してもよく、また、当該文字情報をスピーカから音声で出力してもよく、開始ボタンが点滅してもよい。このとき、制御装置4の動作制御部41は、入力装置2を操作した操作者以外の他の操作者に対して、ワーク6の搬送を促す情報を出力装置3に出力させてもよい。
次に、制御装置4の動作制御部41は、入力装置2からワーク6の搬送を開始させることを示す搬送開始情報が入力されたか否かを判定する(ステップS303)。制御装置4の動作制御部41は、搬送開始情報が入力されたと判定した場合(ステップS303でYes)には、ステップS304に示す処理を実行する。
このとき、制御装置4の動作制御部41は、搬送経路8に沿って配置されている全ての入力装置2から搬送開始情報が入力された場合に、搬送開始情報が入力されたと判定してもよい。また、制御装置4の動作制御部41は、搬送経路8に沿って配置されている全ての出力装置3にワーク6の搬送を促す情報を出力させた後に、いずれかの入力装置2から搬送開始情報が入力された場合に、搬送開始情報が入力されたと判定してもよい。
なお、ステップS304〜ステップS307の処理は、実施の形態1に係るロボットシステム100におけるワークを搬送するときの動作のステップS202〜ステップS205と同じ処理が実行されるため、その詳細な説明は省略する。
このように構成された、本実施の形態3に係るロボットシステム100であっても、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
また、本実施の形態3に係るロボットシステム100では、制御装置4が、入力装置2から作業終了情報が入力されると、ワーク6の搬送を促す情報を出力装置3に出力させる。これにより、操作者は、次に実行するべき作業が、ワーク6の搬送であることを容易に理解することができる。このとき、制御装置4が、入力装置2を操作した操作者以外の他の操作者に対して、ワーク6の搬送を促す情報を出力装置3に出力させるように構成されていると、他の操作者に自己の作業が終了したことを報知することができる。
さらに、本実施の形態3に係るロボットシステム100では、制御装置4が、入力装置2から搬送開始情報が入力されると、各ロボットアーム1を動作させる。これにより、操作者は、任意のタイミングでワーク6を搬送させることができる。このため、操作者の作業負担を軽減することができ、作業効率を向上させることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態4に係るロボットシステムは、実施の形態1〜3のいずれか1つの実施の形態に係るロボットシステムにおいて、作業領域内への侵入を検知するセンサをさらに備え、制御装置は、ロボットアームがワークの位置及び姿勢の少なくとも一方を変更しているときに、又はロボットアームがワークを搬送しているときに、センサが作業領域内への侵入を検知すると、ロボットアームの動作を抑制させるように構成されている。
以下、本実施の形態4に係るロボットシステムの一例について、図19を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施の形態4に係るロボットシステム100は、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の構成であるため、その構成の詳細な説明は省略する。
[ロボットシステムの動作及び作用効果]
図19は、本実施の形態4に係るロボットシステムにおいて、ワークの位置及び姿勢の少なくとも一方を変更するとき、又はワークを搬送するときに、作業領域内への操作者等の侵入を検知したときにおけるロボットシステムの動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の動作は、制御装置4の演算部が、メモリ部又は記憶装置5に格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。また、本プログラムは、制御装置4の動作制御部41が、ワーク6の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更するようにロボットアーム1を制御しているとき、又はワーク6を搬送するようにロボットアーム1を制御しているときに、実行される。
図19に示すように、制御装置4の動作制御部41は、受信部40を介して、センサ7から作業領域9内へ操作者、操作者の管理者、又は工具等が侵入したことを示す情報である侵入情報が入力されたか否かを判定する(ステップS401)。
制御装置4の動作制御部41は、センサ7から侵入情報が入力されていないと判定した場合(ステップS401でNo)には、本プログラムを終了する。なお、制御装置4は、本プログラムを終了した場合には、例えば、50msec後に再び、本プログラムを実行する。
一方、制御装置4の動作制御部41は、センサ7から侵入情報が入力されていると判定した場合(ステップS401でYes)には、ステップS402に示す処理を実行する。ステップS402において、制御装置4の動作制御部41は、ロボットアーム1の動作を抑制する。
このとき、制御装置4の動作制御部41は、搬送経路8に沿って配置されている全てのロボットアーム1の動作を抑制してもよく、操作者等が侵入した作業領域9に対応するロボットアーム1の動作を抑制してもよく、操作者等が侵入した作業領域9に対応するロボットアーム1と、当該ロボットアーム1と隣接するロボットアーム1の動作を抑制してもよい。なお、ロボットアーム1の動作の抑制は、例えば、ロボットアーム1の移動速度を小さくして、動作させるようにしてもよく、ロボットアーム1の動作を禁止してもよい。
次に、制御装置4の動作制御部41は、受信部40を介して、出力装置3に警告情報を出力させる(ステップS403)。警告情報の出力としては、「作業領域内に侵入者あり」等の文字情報を表示してもよく、当該文字情報を音声情報として、スピーカ等から出力してもよく、サイレンを鳴らしてもよい。
次に、制御装置4の動作制御部41は、搬送経路8内に侵入した操作者等が搬送経路8外へ退避したことを示す退避情報が、センサ7から、受信部40を介して、入力されたか否かを判定する(ステップS404)。なお、退避情報は、センサ7が操作者等の侵入を検知した後に、操作者等の侵入を検知しなくなったことを示す情報であってもよい。また、退避情報は、操作者が、入力装置2を操作することにより、受信部40を介して、入力されてもよい。
制御装置4の動作制御部41は、退避情報が入力されたと判定した場合(ステップS404でYes)には、ロボットアーム1の動作抑制を解除し(ステップS405)、本プログラムを終了する。動作抑制の解除は、ロボットアーム1の移動速度を低減されている場合には、ロボットアーム1の移動速度を増加させることで解除してもよく、ロボットアーム1の動作が禁止されている場合には、ロボットアーム1の動作を再開することで解除してもよい。
このように構成された、本実施の形態4に係るロボットシステム100であっても、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
本実施の形態4に係るロボットシステム100では、制御装置4は、ロボットアーム1がワーク6の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更しているときに、又はロボットアーム1がワーク6を搬送しているときに、センサ7が作業領域内への侵入を検知すると、ロボットアーム1の動作を抑制させる。これにより、作業者等は、ロボットアーム1の動作範囲を認識することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態5に係るロボットシステムは、操作者からの入力を受け付ける入力装置と、複数の工程からなる一連の作業を行うロボットアームと、操作者がワークに対して作業を行う作業領域と、出力装置と、ロボットアームによって実施される一連の作業を規定した動作シーケンスに関する情報である動作シーケンス情報が記憶されている記憶装置と、制御装置と、を備え、制御装置は、入力装置から、所定の第1工程終了したことを示す第1工程終了情報が入力されると、ロボットアームが保持しているワークの次の工程における作業対象となる箇所が操作者と対向するようにロボットアームを動作させるための入力装置の操作方法を出力装置に出力させるように構成されている。
また、本実施の形態5に係るロボットシステムでは、制御装置が、操作者が入力装置を操作することにより、ワークの作業対象箇所が操作者と対向する位置にまで移動すると、ワークの作業対象箇所が操作者と対向する位置にまで移動したことを出力装置に出力させるように構成されていてもよい。
以下、本実施の形態5に係るロボットシステムの一例について、図20を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施の形態5に係るロボットシステム100は、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の構成であるため、その構成の詳細な説明は省略する。
[ロボットシステムの動作及び作用効果]
図20は、本実施の形態4に係るロボットシステムにおいて、ワークの位置又は姿勢を変更するときの動作の一例を示すフローチャートである。
図20に示すように、制御装置4の動作制御部41は、受信部40を介して、入力装置2から第1工程終了情報が入力されたか否かを判定する(ステップS501)。制御装置4の動作制御部41は、入力装置2から第1工程終了情報が入力されていないと判定した場合(ステップS501でNo)には、本プログラムを終了する。なお、制御装置4は、本プログラムを終了した場合には、例えば、50msec後に再び、本プログラムを実行する。
一方、制御装置4の動作制御部41は、入力装置2から第1工程終了情報が入力されていると判定した場合(ステップS501でYes)には、ステップS502に示す処理を実行する。ステップS502において、制御装置4の動作制御部41は、出力制御部42を介して、第2工程におけるワーク6の作業対象箇所が操作者と対向するようにロボットアーム1を動作させるための入力装置2の操作方法を出力させる。
これにより、操作者は、出力装置3に出力された操作方法に基づいて、入力装置2を操作することができる。
次に、制御装置4の動作制御部41は、受信部40を介して、入力装置2から入力されたロボットアーム1の位置情報等を基に、ロボットアーム1を動作させて、ワーク6の位置又は姿勢を変更する(ステップS503)。
次に、制御装置4は、ワーク6の位置又は姿勢を変更させる動作が終了すると、位置又は姿勢変更終了情報を出力装置3に出力させて(ステップS504)、本プログラムを終了する。これにより、操作者は、第2工程の作業を実行することができる。
このように構成された、本実施の形態5に係るロボットシステム100では、制御装置4が、入力装置2から第1工程終了情報が入力されると、ワーク6の第2工程における作業対象箇所が操作者と対向するようにロボットアーム1を動作させるための入力装置2の操作方法を出力装置3に出力させる。
これにより、操作者は、出力装置3に出力された操作方法に基づいて、入力装置2を操作することで、ワーク6における第2工程の作業対象箇所を操作者に向けることができる。このため、ワーク6に似通った作業対象が複数ある場合であっても、操作者は、正しい作業対象箇所に対して、作業を行うことができる。このため、操作者の負担が軽減され、作業効率を向上させることができる。
また、例えば、ワーク6の種類が変更されたり、生産ラインの構成が変更されたりした場合に、上記実施の形態1に係るロボットシステム100では、ワーク6の作業対象箇所を操作者と対向するようにロボットアーム1を動作させるためには、記憶装置5に記憶されているタスクプログラム51又は動作シーケンス情報52を変更する必要があり、その対応には、時間がかかる場合がある。
しかしながら、本実施の形態5に係るロボットシステム100では、出力装置3に出力させる入力装置2の操作方法情報を変更するだけでよいため、生産ラインの変更等に対して、迅速に対応することができる。
[変形例1]
次に、本実施の形態5に係るロボットシステム100の変形例について、説明する。
本実施の形態5における変形例1のロボットシステムは、制御装置が、操作者が入力装置を操作することにより、ワークの作業対象箇所が操作者と対向する位置まで移動すると、第1工程の次の工程である第2工程の作業内容に関する情報を出力装置に出力させるように構成されている。
以下、本変形例1のロボットシステムの一例について、図21を参照しながら説明する。なお、本変形例1のロボットシステムは、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の構成であるため、その構成の詳細な説明は省略する。
[ロボットシステムの動作及び作用効果]
図21は、本実施の形態5における変形例1のロボットシステムにおいて、ワークの位置又は姿勢を変更するときの動作の一例を示すフローチャートである。
図17に示すように、本変形例1のロボットシステム100におけるワーク6の位置又は姿勢を変更するときの動作は、実施の形態5に係るロボットシステム100におけるワーク6の位置又は姿勢を変更するときの動作と基本的には同じであるが、ステップS504に代えて、ステップS504Aに示す処理が実行される点が異なる。
具体的には、ステップS504Aにおいて、制御装置4は、第2工程の作業内容情報を出力装置3に出力させる。具体的には、制御装置4の動作制御部41は、記憶装置5の動作シーケンス情報52に記憶されている、第2工程の作業内容情報を取得し、取得した第2工程の作業内容情報を出力制御部42に出力する。出力制御部42は、動作制御部41から入力された第2工程の作業内容情報を出力装置3に出力する。これにより、出力装置3は、第2工程の作業内容を操作者に出力する。
このように構成された、本変形例1のロボットシステム100であっても、実施の形態5に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
また、本変形例1のロボットシステム100では、制御装置4が、操作者が入力装置2を操作することにより、ワーク6の作業対象箇所が操作者と対向する位置まで移動すると、第2工程の作業内容を出力装置3に出力させる。これにより、操作者は、第2工程の作業内容を容易に把握することができる。
なお、本変形例1においては、ステップS504Aにおいて、第2工程の作業内容情報を出力装置3に出力させる形態を採用したが、これに限定されず、第2工程の作業内容情報とともに、姿勢変更終了情報を出力装置3に出力させる形態を採用してもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良又は他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。