JP6821157B2 - 調湿システムおよびその制御方法 - Google Patents
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Description
コジェネレーション装置2は、図1に示すように、改質部21と、燃料電池22と、ポンプ26を備えている。
調湿装置3は、図1に示すように、ケース内に、調湿部33と、加熱手段である加熱器35と、制御部36とが収納されている。また、調湿部33は、回転可能な機構を備えるロータである回転ロータ34を備えている。
(通常時)
調湿装置3の運転モードについて説明する。まず、吸着材40の再生に必要な熱量に対して、コジェネレーション装置2から調湿装置3に供給される温水の熱量が充足している通常時の運転モードについて説明する。
次に、吸着材40の再生に必要な熱量に対して、コジェネレーション装置2から調湿装置3に供給される温水の熱量が不足した際に、室内還気RAの風速を低下させて、室内還気RAの温度を維持させる制御を行う運転モードについて説明する。なお、この運転モードを、再生用空気温度維持モードとする。
再生用空気温度維持モードに対して、別の運転モードとして、吸着材40の再生に必要な熱量に対して、コジェネレーション装置2から調湿装置3に供給される熱量が不足した際に、室内還気RAの温度を基準の温度T0から低下させて、室内還気RAの風速を基準の風速R0に維持させる制御を行う運転モードが想定される。この運転モードを、再生用空気風量維持モードとする。換言すると、再生用空気風量維持モードは、調湿装置3を、変化させた室内還気RAの温度で運転することにより、室内還気RAの風速は、吸着材40の再生に必要な熱量に応じて設定される基準の風速R0に維持するものである。
本実施形態の調湿装置3は、室内還気RAの風速を変更する際に、同時に回転ロータ34の回転数を変更するものであり、室内還気RAの変更する風速に対して室外51から取り込んだ外気OAの除湿量が最大となるように、最適な回転ロータ34の回転数を設定している。このような回転ロータ34の回転数の変更を伴わずに、再生用空気温度維持モードの実行によって室内還気RAの風速を変更するだけでも、上記のように、コジェネレーション装置2から調湿装置3に供給される熱量が不足した場合の室外51から取り込んだ外気OAの除湿量がコジェネレーション装置2から調湿装置3に供給される熱量が充足した場合に比べて低下するのを再生用空気風量維持モードの場合よりも高度に抑制するという効果を発揮することができる。しかし、回転ロータ34の回転数の変更を室内還気RAの風速の変更と合わせて行うことで、除湿量低下抑制の効果を一層高めることができる。
実験装置30は、図2に示すように、ケース内に、第一通路310および第二通路320の区画が形成されている。第一通路310は、室内還気RAが流通して排気EAになる。また、第二通路320は、外気OAが流通して給気SAになる。
室内還気RAを想定して、第一通路310に、気温26℃、絶対湿度10.5g/kgDAの空気を供給した。また、外気OAを想定して、第二通路320に、気温30℃、湿度15g/kgDAの空気を供給した。第一通路310および第二通路320のそれぞれに供給した空気は、図示しない加湿槽およびヒータにおいて除湿、再生の空気条件を整えて、ブロワにより、室内還気RA入口41および外気OA入口42から供給した。また、外気OA入口42からは風速2m/s一定、室内還気RA入口41からは最大で風速2m/sの空気を供給した。
測定手順:
(熱量100%基準)
1.室内還気RA入口41および外気OA入口42から、上記実験条件の室内還気RAおよび外気OAを、それぞれ第一通路310および第二通路320に供給した。室内還気RAの風速は、最大値である2m/sとした。
2.電気ヒータにより加熱された室内還気RAの温度が75℃となるように、設定した。上記のように、そのときの電気ヒータの熱量を、熱量100%とした。
3.電気ヒータで加熱した直後の室内還気RAの温度を測定した。
4.回転ロータ340を、毎時5回転(rph)から毎時50回転まで5回転刻みに変化させて、外気OAの除湿量(g/kgDA)を測定した。
上記「熱量100%基準」の場合と同様に実験を行った。ただし、工程2.において、電気ヒータの温度は、熱量が上記100%を基準として、75%、50%、25%となるように変更した。また、工程3.において、室内還気RAの温度を75℃に維持できるように、室内還気RAの風速を2m/sから低下させる方向に変更した。変更後の風速の値は、図3中に表示している。
上記「熱量100%基準」の場合と同様に実験を行った。ただし、工程2.において、電気ヒータの温度は、熱量が上記100%を基準として、75%、50%、25%となるように変更した。また、工程3.において、室内還気RAの風速を2m/sに維持できるように、室内還気RAの温度を75℃から低下させる方向に変更した。
図3において、横軸は回転ロータ340の回転数、縦軸は外気OAの除湿量を示す。また、プロットした白抜きのデータは、再生用空気温度維持モードにおける外気OAの除湿量であり、塗りつぶしのデータは、再生用空気風量維持モードにおける外気OAの除湿量である。また、プロットした丸、四角、三角、菱型のデータは、それぞれ熱量100%時、75%時、50%時、25%時における外気OAの除湿量である。また、Aは、再生用空気温度維持モード、Bは、再生用空気風量維持モード、AおよびBの右記の100、75、50、25は、熱量を示す。
図4において、横軸は室内還気RAの風速、縦軸は外気OAの除湿量が最大になる回転ロータ340の最適ロータ回転数を示す。プロットした丸白抜きのデータは、再生用空気温度維持モードの熱量100%時、熱量75%時、熱量50%時、熱量25%時において最大の除湿量になるときの回転ロータ340の回転数、および室内還気RAの風速を示していて、図3の各データ中のピークを表すプロット点を抜き出している。図中のA100、A75、A50、およびA25は、実験結果1と対応している。
2 コジェネレーション装置(熱源)
3 調湿装置
34 回転ロータ(ロータ)
40 吸着材
51 室外(第一の空間)
52 室内(第二の空間)
OA 外気(第一の空間から取り込んだ空気)
RA 室内還気(第二の空間から取り込んだ空気)
30 実験装置(調湿装置)
340 回転ロータ(ロータ)
400 吸着材
Claims (5)
- 熱を発生する熱源と、
水分を吸着可能な吸着材を備え、該吸着材によって第一の空間から取り込んだ空気の除湿を行うとともに、第二の空間から取り込んだ空気を前記熱源から供給された熱によって加熱した再生用空気を、前記吸着材に接触させることで前記吸着材に吸着した水分を脱離させ、前記吸着材を再生することができる調湿装置と、を備え、
前記調湿装置は、回転可能なロータを有し、
前記吸着材は、複数の部分を有し、前記ロータの回転に同期して、前記吸着材の各部分における前記第一の空間から取り込んだ空気の除湿と前記再生用空気による再生を繰り返し、
前記調湿装置は、前記吸着材に接触させる前記再生用空気の風速を制御可能であり、前記吸着材の再生に必要な熱量に対して、前記熱源から前記調湿装置に実際に供給される熱量が不足した際に、前記再生用空気の風速を低下させて、前記再生用空気の温度を目標値に維持または近接させる制御を行うとともに、
前記再生用空気の前記風速を変更する際に、該風速に対して一次の関係で、前記ロータの回転数を変化させることを特徴とする調湿システム。 - 前記ロータの回転数を変更する際の該回転数と前記風速の間の前記一次の関係は、前記調湿装置における除湿量が最大となる前記ロータの回転数を、前記風速の関数として一次近似したものとして、予め定められていることを特徴とする請求項1に記載の調湿システム。
- 前記熱源は、コジェネレーション装置とすることを特徴とする請求項1または2に記載の調湿システム。
- 前記コジェネレーション装置は、燃料電池を備え、前記燃料電池から供給される熱量を前記調湿装置に供給するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の調湿システム。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の調湿装置を用いる調湿システムの制御方法において、
前記調湿システムの制御方法は、
事前の実験によって、前記調湿装置における除湿量が最大となる前記ロータの回転数を、前記再生用空気の前記風速の関数として見積もり、一次近似しておき、
前記再生用空気の前記風速を変更する際に、該一次近似の結果を用いて、該風速に対して一次の関係で、前記ロータの回転数を変化させることを特徴とする調湿システムの制御方法。
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