JP2005003349A - 調湿システム - Google Patents

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伸樹 松井
Masanori Kawazoe
政宣 川添
Kazuo Yonemoto
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Abstract

【課題】 設置作業の容易化とランニングコストの低減とを両立可能で使い勝手の良い調湿システムを提供する。
【解決手段】 調湿装置(20)は、回転ロータ(24)と、加熱器(25)と、三方弁(28)とを備える。上記加熱器(25)には、コジェネレーション装置(10)の排ガスが供給される。第1通路(21)を流れる第1空気は、回転ロータ(24)においてその水分が吸着材に吸着される。一方、第2通路(22)を流れる第2空気は、加熱器(25)で排ガスと熱交換して加熱される。加熱された第2空気は、回転ロータ(24)において吸着材から脱離した水分を付与される。三方弁(28)を操作して第1通路(21)を給気ダクト(40)に連通させると、除湿された第1空気が室内へ供給される。また、第2通路(22)を給気ダクト(40)に連通させると、加湿された第2空気が室内へ供給される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、室内の除湿又は加湿を行う調湿システムに関するものである。
従来より、特許文献1に開示されているように、吸着材を利用して空気の湿度調節を行う調湿装置が知られている。この調湿装置は、取り込んだ室外空気を加湿ユニットで調湿した後に室内へ供給するものである。
具体的に、上記加湿ユニットは、吸着材が担持された回転ロータを備えている。また、加湿ユニットには、吸着材を再生するために回転ロータへ送られる空気を加熱するための電気ヒータが設けられている。水蒸気を含んだ空気を回転ロータに送ると、該空気中の水分が吸着材に吸着される。この除湿された空気は、室外へ排出される。回転ロータが回転すると、水分を吸着した吸着材は、電気ヒータにより加熱された空気と接触する。それに伴い、吸着材が加熱されて再生され、吸着材から脱離した水分が空気に付与される。そして、加湿された空気は、ダクトを通じて室内へ供給される。
また、特許文献2に開示されているように、調湿装置とコジェネレーション装置とを組み合わせて室内の除湿や加湿を行う調湿システムが知られている。上記コジェネレーション装置は、燃料を供給されて電力と温熱とを出力する。このうちの温熱は、吸着材を再生するために回転ロータへ送られる空気を加熱するために用いられる。
上記調湿システムにおいて、調湿装置は、室内へ空気を供給するための吹出ダクトと室内から空気を取り込むための吸入ダクトとによって室内に接続されている。この調湿装置は、取り込んだ室外空気を除湿又は加湿し、調湿した室外空気を吹出ダクトで室内へ送り込む。また、この調湿装置は、取り込んだ室内空気から水分を回収したり、この室内空気を吸着材の再生に利用し、その後に室内空気を吸込ダクトで室外へ送り出す。
特開2001−96126号公報 特開2001−193966号公報
特許文献1に開示された調湿装置において、調湿された空気はダクトを通じて室内へ送られる。つまり、調湿装置と室内とは、1本のダクトによって連通されている。従って、この調湿装置は、1本のダクトを介して室内に接続するだけで設置することができ、設置する際の作業が容易である。ところが、上記調湿装置では、吸着材を再生するための熱源として電気ヒータを用いている。このため、電気ヒータで多くの電力が消費され、調湿装置のランニングコストが嵩むという問題がある。また、当該調湿装置では、加湿した空気を室内へ供給することしか考慮されておらず、室内の除湿が求められる状況には対応できないため充分な快適性が得られないおそれもあった。
一方、特許文献2に開示された調湿システムにおいて、調湿装置では、吸着材を再生するための熱源として、コジェネレーション装置から出力された温熱を利用している。つまり、この調湿装置では、コジェネレーション装置での発電に伴って生じた排熱が吸着材の再生に利用されており、これによって調湿装置のランニングコストを低減している。ところが、この調湿装置は、室外空気を除湿して室内へ供給すると同時に室内からの排気を吸着材の再生に利用する動作や、室内からの排気に含まれる水分を回収して室内へ供給する室外空気を加湿する動作を行う。従って、この調湿装置を室内に接続するには、調湿装置から室内へ空気を導く吹出ダクトと室内から調湿装置へ空気を導く吸入ダクトとが必要となる。このため、この調湿装置については、設置する際の作業が煩雑化するという問題がある。
このように、従来の調湿システムとしては、設置時の作業性とランニングコストの低減を両立させたものや、設置時の作業性と快適性の確保を両立させたものが存在せず、調湿システムの使い勝手が悪いという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、使い勝手の良い調湿システムを提供することにある。
第1の発明は、燃料を供給されて電力と温熱とを出力するコジェネレーション装置(10)と、取り込んだ空気の湿度を調節した後に該空気を室内へ供給する調湿装置(20)とを備える調湿システムを対象としている。そして、上記調湿装置(20)が、室外に設置されると共に吸着材を備えて第1の室外空気からの吸湿と第2の室外空気に対する放湿とを行う調湿部(23)と、上記調湿部(23)の吸着材を再生するために上記第2の室外空気をコジェネレーション装置(10)が出力する温熱により加熱して調湿部(23)へ供給する加熱部(25)とを備え、除湿された第1の室外空気又は加湿された第2の室外空気を室内へ導くための給気ダクト(40)のみによって室内に接続されるものである。
第2の発明は、上記第1の発明において、調湿装置(20)が、調湿部(23)で除湿された第1の室外空気を室内に供給する動作と、該調湿部(23)で加湿された第2の室外空気を室内に供給する動作とを切り換えるための切換機構(28)を備えるものである。
第3の発明は、取り込んだ空気の湿度を調節した後に該空気を室内へ供給する調湿装置(20)を備える調湿システムを対象とする。そして、上記調湿装置(20)には、室外に設置されると共に吸着材を備えて第1の室外空気からの吸湿と第2の室外空気に対する放湿とを行う調湿部(23)と、上記調湿部(23)の吸着材を再生するために上記第2の室外空気を加熱して調湿部(23)へ供給する加熱部(25)とが設けられ、上記調湿装置(20)は、除湿された第1の室外空気又は加湿された第2の室外空気を室内へ導くための給気ダクト(40)のみによって室内に接続されると共に、上記調湿部(23)で除湿された第1の室外空気と該調湿部(23)で加湿された第2の室外空気を選択的に上記給気ダクト(40)へ導入するための切換機構(28)を備えるものである。
第4の発明は、上記第1,第2又は第3の発明において、調湿装置(20)が、調湿部(23)で除湿された第1の室外空気と加熱部(25)へ送られる第2の室外空気とを熱交換させるための熱交換部(29)を備えるものである。
第5の発明は、上記第1,第2,第3又は第4の発明において、調湿装置(20)が、調湿部(23)における第1の室外空気からの吸湿量と第2の室外空気に対する放湿量とを調節する調節手段(26)を備えるものである。
第6の発明は、上記第5の発明において、調湿部(23)が、通過する空気と接触可能に吸着材が担持されて回転駆動される回転ロータ(24)を備え、該回転ロータ(24)の一部分を第1の室外空気と接触させて残りの部分を第2の室外空気と接触させるように構成される一方、調節手段(26)が、上記回転ロータ(24)の回転速度を変化させて吸湿量と放湿量とを調節するように構成されるものである。
第7の発明は、上記第5の発明において、調節手段(26)が、上記加熱部(25)における第2の室外空気への加熱量を変化させることにより吸湿量と放湿量とを調節するように構成されるものである。
第8の発明は、上記第1から第7の何れか1つの発明において、コジェネレーション装置(10)が、固体電解質型燃料電池(12)を備え、該固体電解質型燃料電池(12)の運転により得られた電力を出力して上記固体電解質型燃料電池(12)からの排熱を温熱として出力するように構成されるものである。
−作用−
上記第1の発明において、コジェネレーション装置(10)は、供給された燃料に基づいて発電を行うと同時に、その際に生じる熱を温熱として出力する。一方、調湿装置(20)は、第1の室外空気及び第2の室外空気を取り込んで空気の湿度調節を行う。
上記調湿装置(20)において、取り込まれた第1の室外空気は、調湿部(23)に送られて吸着材と接触する。これによって、第1の室外空気に含まれる水分が吸着材に吸着され、第1の室外空気が除湿される。一方、取り込まれた第2の室外空気は、加熱部(25)において加熱された後に調湿部(23)へ供給される。この加熱部(25)では、コジェネレーション装置(10)からの温熱を用いて第2の室外空気を加熱する。加熱部(25)で加熱された第2の室外空気は、調湿部(23)において吸着材と接触する。これにより、吸着材から水分が脱離して吸着材が再生されると同時に、第2の室外空気が加湿される。そして、調湿装置(20)は、調湿部(23)から流出した第1の室外空気又は第2の室外空気を給気ダクト(40)を通じて室内へ供給する。
上記調湿装置(20)は、給気ダクト(40)のみを介して室内に接続されている。つまり、この調湿装置(20)の調湿部(23)は、給気ダクト(40)のみを介して室内と連通しており、調湿部(23)から流出した第1の室外空気又は第2の室外空気が給気ダクト(40)を通って室内へ導かれる。
上記第2の発明では、切換機構(28)を操作することにより、第1の室外空気が室内に供給される状態と第2の室外空気が室内に供給される状態とが切り換わる。調湿部(23)から流出した第1の室外空気を給気ダクト(40)を通じて室内に供給すると、室内が除湿される。一方調湿部(23)から流出した第2空気を給気ダクト(40)を通じて室内に供給すると、室内が加湿される。
上記第3の発明では、調湿システムに調湿装置(20)が設けられる。この調湿装置(20)において、取り込まれた第1の室外空気は、調湿部(23)に送られて吸着材と接触する。これによって、第1の室外空気に含まれる水分が吸着材に吸着され、第1の室外空気が除湿される。一方、取り込まれた第2の室外空気は、加熱部(25)で加熱された後に調湿部(23)へ供給される。調湿部(23)では、加熱部(25)で加熱された第2の室外空気が吸着材と接触する。これにより、吸着材から水分が脱離して吸着材が再生されると同時に、第2の室外空気が加湿される。
この発明において、調湿装置(20)は、給気ダクト(40)のみを介して室内に接続されている。また、調湿装置(20)には、切換機構(28)が設けられる。調湿部(23)で除湿された第1の室外空気を切換機構(28)によって給気ダクト(40)へ導入すると、この第1の室外空気が給気ダクト(40)を通じて室内へ供給されて室内が除湿される。一方、調湿部(23)で加湿された第2の室外空気を切換機構(28)によって給気ダクト(40)へ導入すると、この第2の室外空気が給気ダクト(40)を通じて室内へ供給されて室内が加湿される。
上記第4の発明では、調湿装置(20)に熱交換部(29)が設けられる。この熱交換部(29)には、調湿部(23)で除湿された第1の室外空気と、調湿装置(20)に取り込まれた第2の室外空気とが送り込まれる。ここで、第1の室外空気中の水分が調湿部(23)の吸着材に吸着される際には吸着熱が発生する。つまり、第1の室外空気は、調湿部(23)を通過する間にその温度が上昇する。熱交換部(29)では、調湿部(23)から流出した第1の室外空気と調湿装置(20)に取り込まれて熱交換部(29)へ向かう第2の室外空気が熱交換を行い、第1の室外空気の温度が低下して第2の室外空気の温度が上昇する。
上記第5の発明では、調節手段(26)によって、調湿部(23)の吸着材が第1の室外空気から吸湿する量と第2の室外空気に対して放湿する量とが調節される。つまり、この調節手段(26)の動作により、室内に供給される空気の湿度が調節される。
上記第6の発明では、調湿部(23)の回転ロータ(24)に吸着材が担持されて、その厚さ方向に空気が通過可能となっている。この回転ロータ(24)の一部分に第1の室外空気が接触すると、第1の室外空気中の水分が吸着材に吸着される。回転ロータ(24)の残りの部分には第2の室外空気が接触する。また、回転ロータ(24)は回転しているため、第1の室外空気から除湿した回転ロータ(24)の部分は、やがて第2の室外空気と接触する。この第2の室外空気との接触によって、吸着材から水分が脱離する。
また、調節手段(26)によって、回転ロータ(24)の回転速度が調節される。回転ロータ(24)の一部分に着目すると、この部分が回転ロータ(24)の1回転中に第1の室外空気と接触する時間は、回転ロータ(24)の回転速度が高くなるにつれて短くなる。同様に、この部分が吸着ロータの1回転中に第2の室外空気と接触する時間も、回転ロータ(24)の回転速度が高くなるにつれて短くなる。このため、回転ロータ(24)の回転速度が高くなると、第1の室外空気からの吸湿量及び第2の室外空気に対する放湿量は減少し、回転ロータ(24)の回転速度が低くなると、第1の室外空気からの吸湿量及び第2の室外空気に対する放湿量は増加する。
上記第7の発明では、調節手段(26)によって加熱部(25)における第2の室外空気への加熱量が調節され、第2の室外空気の温度が変化する。第2の室外空気への加熱量を多くすると、調湿部(23)へ流入する第2の室外空気の温度が上昇する。そして、吸着材から脱離する水分量が増し、それに伴って吸着材が第1の室外空気から吸着する水分量も増大する。つまり、第2の室外空気に対する放湿量が増加し、第1の室外空気からの吸湿量が増加する。一方、第2の室外空気への加熱量を少なくすると、調湿部(23)へ流入する第2の室外空気の温度が低下する。そして、吸着材から脱離する水分量が減り、それに伴って吸着材が第1の室外空気から吸着する水分量も減少する。つまり、第2の室外空気に対する放湿量が減少し、第1の室外空気からの吸湿量が減少する。
上記第8の発明では、コジェネレーション装置(10)が備える固体電解質型燃料電池(12)において発電が行われる。固体電解質型燃料電池(12)は、その作動温度が1000度程度と高温である。従って、この固体電解質型燃料電池(12)からは、非常に高温の排ガスが出力される。この排ガスは、調湿装置(20)の加熱部(25)へ送られ、調湿部(23)へ流入する第2の室外空気を加熱するための温熱として用いられる。
本発明の調湿システムでは、調湿装置(20)の吸着材を再生するための温熱として、コジェネレーション装置(10)が出力する温熱を利用している。従って、調湿装置(20)の吸着材を再生するために、新たに電力や燃料を投入する必要がなくなり、調湿システムのランニングコストを削減できる。また、本発明の調湿システムにおいて、調湿装置(20)を設置する際には、それを給気ダクト(40)のみで室内に接続すればよい。従って、調湿装置(20)を設置する際の作業工数を削減できる。このように、本発明によれば、ランニングコストの低減と設置作業の容易性とを両立させた使い勝手の良い調湿システムを提供できる。
上記第2の発明によれば、調湿装置(20)に切換機構(28)を設けることで、除湿された第1の室外空気と加湿された第2の室外空気の何れか一方を室内に供給することができる。従って、この発明によれば、1台の調湿システムを用いて室内の除湿と加湿とを行うことができる。
上記第3の発明によれば、調湿装置(20)に切換機構(28)を設けることで、除湿された第1の室外空気と加湿された第2の室外空気とを選択的に室内へ供給することが可能となる。つまり、この発明の調湿装置(20)によれば、第1の室外空気を供給することによる室内の除湿と、第2の室外空気を供給することによる室内の加湿との両方が可能となり、室内の快適性を確保することができる。また、この発明の調湿システムにおいて、調湿装置(20)を設置する際には、それを給気ダクト(40)のみで室内に接続すればよい。このため、調湿装置(20)を設置する際の作業工数を削減できる。従って、この発明によれば、快適性の確保と設置作業の容易性とを両立させた使い勝手の良い調湿システムを提供できる。
また、上記第5の発明によれば、調節手段(26)によって第1の室外空気からの吸湿量及び第2の室外空気に対する放湿量を変化させており、室内へ供給される第1の室外空気や第2の室外空気の湿度を適切に調節できる。
特に、上記第6の発明によれば、回転ロータ(24)の回転速度を調節することにより、第1の室外空気や第2の室外空気の湿度を確実に増減させることができる。
同様に、上記第7の発明によれば、加熱部(25)における第2の室外空気への加熱量を調節することにより、第1の室外空気や第2の室外空気の湿度を確実に増減させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。
図1に示すように、本実施形態の調湿システムは、固体電解質型燃料電池(12)を備えるコジェネレーション装置(10)と調湿装置(20)とにより構成され、住宅(70)の外に設置されている。また、住宅(70)の床下には、床暖房機器(71)が設けられている。
〈コジェネレーション装置の構成〉
図1及び図2に示すように、上記コジェネレーション装置(10)は、改質部(11)と、固体電解質型燃料電池(12)と、貯湯タンク(15)とを備えている。
上記改質部(11)には、燃料である都市ガスが供給される。改質部(11)は、メタン等の炭化水素を改質して水素を主成分とする改質ガスを生成させるように構成されている。改質部(11)で生成された改質ガスは、固体電解質型燃料電池(12)へ送られる。また、固体電解質型燃料電池(12)へは、空気が供給される。そして、固体電解質型燃料電池(12)は、改質ガス中の水素を燃料として空気中の酸素を酸化剤とする電池反応を行い、得られた電力を出力する。
また、上記コジェネレーション装置(10)には、固体電解質型燃料電池(12)の排ガスを排出するための排ガス管(13)が設けられている。この排ガス管(13)は、調湿装置(20)の加熱器(25)に接続している。上記排ガス管(13)には、加熱器(25)へ送り込まれる排ガスの風量を調節するためのダンパ(14)が設けられている。尚、調湿装置(20)の詳細については、後述する。
上記貯湯タンク(15)には、改質部(11)や固体電解質型燃料電池(12)からの排熱により温められた水が蓄えられている。貯湯タンク(15)に蓄えられた温水は、住宅(70)に供給されて給湯等に利用される他、床暖房機器(71)へ送られる。床暖房機器(71)では、温水の温熱を利用して床の暖房が行われる。
〈調湿装置の構成〉
図2に示すように、上記調湿装置(20)のケーシングには、調湿部(23)と、加熱部としての加熱器(25)と、切換機構としての三方弁(28)と、制御装置(26)とが収納されている。また、調湿部(23)は、回転ロータ(24)を備えている。ケーシングの内部には、第1通路(21)と第2通路(22)とが区画形成されている。また、図示しないが、第1通路(21)と第2通路(22)には、ファンが1台ずつ設けられている。このファンを運転すると、第1通路(21)では第1の室外空気としての第1空気が流通し、第2通路(22)では第2の室外空気としての第2空気が流通する。
上記回転ロータ(24)は、円板状に形成されると共にハニカム状に形成されて、厚さ方向に空気が通過可能となっている。回転ロータ(24)の表面には、例えばゼオライト等が吸着材として設けられている。回転ロータ(24)は、第1通路(21)及び第2通路(22)を横断する姿勢で設けられている。回転ロータ(24)のうち、第1通路(21)を横断する部分では吸着材が第1空気と接触し、第2通路(22)を横断する部分では吸着材が第2空気と接触する。また、回転ロータ(24)は、モータ(27)により駆動され、その一部分が第1通路(21)を横断して残りの部分が第2通路(22)を横断する状態で回転する。
上記加熱器(25)は、第2通路(22)における回転ロータ(24)の上流側に設けられている。この加熱器(25)は、第2空気を加熱するためのものであって、コジェネレーション装置(10)の排ガス管(13)に接続されている。この排ガス管(13)には、コジェネレーション装置(10)の固体電解質型燃料電池(12)から排出される高温の排ガスが流される。加熱器(25)は、排ガス管(13)から供給された排ガスと第2空気とを熱交換させるように構成されている。
上記三方弁(28)は、回転ロータ(24)の下流側に設けられている。この三方弁(28)には、第1通路(21)と第2通路(22)とが接続している。また、三方弁(28)には、室内に連通する給気ダクト(40)が接続されている。具体的に、三方弁(28)では、その第1ポートに給気ダクト(40)が、その第2ポートには第1通路(21)が、その第3ポートには第2通路(22)がそれぞれ接続されている。
上記三方弁(28)は、第1のポートと第2のポートが連通する状態と、第1のポートと第3のポートが連通する状態とに切り換わる。三方弁(28)が第1のポートと第2のポートが連通する状態に切り換わると、給気ダクト(40)と第1通路(21)とが連通する。また、三方弁(28)が第1のポートと第3のポートが連通する状態に切り換わると、給気ダクト(40)と第2通路(22)が連通する。そして、切換機構としての三方弁(28)は、第1通路(21)の第1空気と第2通路(22)の第2空気とを選択的に給気ダクト(40)へ送り込む。
上記制御装置(26)は、回転ロータ(24)を回転させるためのモータ(27)の回転速度を制御する。つまり、回転ロータ(24)は、その回転速度が調節可能に構成されている。この回転ロータ(24)の回転速度を調節すると、第1空気からの吸湿量及び第2空気に対する放湿量が変化する。また、制御装置(26)は、コジェネレーション装置(10)の排ガス管(13)に設けられるダンパ(14)の開度を制御する。このダンパ(14)の開度により、加熱器(25)へ送られる排ガスの風量が調節される。この排ガスの風量を調節することにより第2空気の温度が変化し、第1空気からの吸湿量及び第2空気に対する放湿量が増減する。つまり、上記制御装置(26)は、調節手段を構成している。
−運転動作−
上記調湿装置(20)の運転動作について説明する。
先ず、上記調湿装置(20)の加湿動作について、図3を参照しながら説明する。尚、図3は、この装置における加湿動作を空気線図上に表したものである。
加湿動作を行う際には、三方弁(28)が第1のポートが第3のポートに連通する状態(図2に実線で示す状態)に切り換わる。この状態では、第2通路(22)が三方弁(28)を介して給気ダクト(40)に連通する。
調湿装置(20)の第1通路(21)へは、点Aの状態の室外空気(OA)が第1空気として送り込まれる。点Aの状態の第1空気は、回転ロータ(24)へ送られる。回転ロータ(24)では、第1空気に含まれる水分が吸着材に吸着される。これによって、第1空気は等エンタルピ線に沿って変化し、その絶対湿度が低下し且つ温度が上昇して点Bの状態となる。点Bの状態の第1空気は、排出空気(EA)として室外へ排出される。
調湿装置(20)の第2通路(22)へは、点Aの状態の室外空気(OA)が第2空気として送り込まれる。点Aの状態の第2空気は、加熱器(25)を通過する間に、排ガス管(13)から供給された排ガスとの熱交換により加熱され、その温度が上昇して点Cの状態となる。
点Cの状態の第2空気は、回転ロータ(24)へ送られる。回転ロータ(24)では、第2空気が吸着材と接触する。一方、回転ロータ(24)は回転しているため、第1空気中の水分を吸着した回転ロータ(24)の部分は、やがて第2通路(22)側へ移動して第2空気と接触する。この第2空気との接触によって、回転ロータ(24)の吸着材から水分が脱離し、吸着材の再生が行われる。そして、第2空気は、等エンタルピ線に沿って変化し、その絶対湿度が上昇し且つ温度が低下して点Dの状態となる。点Dの状態の第2空気は、三方弁(28)を通過し、供給空気(SA)として給気ダクト(40)から室内へ送られる。
次に、調湿装置(20)の除湿動作について説明する。この除湿動作では、三方弁(28)が第1のポートが第2のポートに連通する状態(図2に破線で示す状態)に切り換わる。この状態では、第1通路(21)が給気ダクト(40)に連通する。
除湿動作中には、加湿動作中と同様に、調湿部(23)で第1空気の除湿と第2空気の加湿とが行われる。つまり、第1通路(21)を流れる第1空気は、回転ロータ(24)を通過する際に除湿される。除湿された第1空気は、三方弁(28)を通過し、給気ダクト(40)を通って室内へ送られる。一方、第2通路(22)を流れる第2空気は、加熱器(25)で加熱された後に回転ロータ(24)へ送られ、吸着材の再生に利用される。吸着材から脱離した水分を付与された第2空気は、室外へ排出される。
また、上記調湿システムでは、回転ロータ(24)の回転速度を変化させて、室内に供給する空気の湿度を調節する。回転ロータ(24)の回転速度が高いほど、第1空気から吸湿した回転ロータ(24)の部分が第2通路(22)を通過する時間が短くなる。このため、第1空気から吸湿した回転ロータ(24)の部分は、第2空気と充分に接触しないまま第2通路(22)を通過し、回転ロータ(24)はあまり再生されない。また、回転ロータ(24)の回転速度が高いほど、第2空気によって再生された回転ロータ(24)の部分が第1通路(21)を通過する時間が短くなる。このため、第2空気によって再生された回転ロータ(24)の部分は、第1空気と充分に接触しないまま第1通路(21)を通過し、回転ロータ(24)はあまり水分を吸着しない。
つまり、回転ロータ(24)の回転速度が高いほど第1空気からの吸湿量及び第2空気に対する放湿量が減少し、回転ロータ(24)の回転速度が低いほど第1空気からの吸湿量及び第2空気に対する放湿量が増加する。
また、上記調湿システムでは、コジェネレーション装置(10)から加熱器(25)へ供給される温熱の量、即ち第2空気への加熱量を調節して室内に供給する空気の湿度を調節する。第2空気への加熱量を多くすると、回転ロータ(24)へ流入する第2空気の温度が上昇する。そして、吸着材から脱離する水分が増し、第2空気に対する放湿量が増加する。また、第2空気に対して放湿し再生された回転ロータ(24)は、第1通路(21)側へ移動し、第1空気から吸湿する。このため、第2空気に対する放湿量が増加するほど、第1空気からの吸湿量も増加する。
−実施形態1の効果−
本実施形態の調湿システムでは、調湿装置(20)の吸着材を再生するための温熱として、コジェネレーション装置(10)が出力する温熱を利用している。従って、調湿装置(20)の吸着材を再生するために、新たに電力や燃料を投入する必要がなくなり、調湿システムのランニングコストを削減できる。また、本実施形態の調湿システムにおいて、調湿装置(20)を設置する際には、それを給気ダクト(40)のみで室内に接続すればよい。従って、調湿装置(20)を設置する際の作業工数を削減できる。このように、本実施形態によれば、ランニングコストが低く、しかも設置作業の容易な調湿システムを提供できる。
また、本実施形態によれば、調湿装置(20)にの三方弁(28)を設けることで、除湿された第1空気と加湿された第2空気の何れか一方を室内に供給することができる。従って、本実施形態によれば、1台の調湿システムを用いて室内の除湿と加湿とを行うことができる。
また、本実施形態によれば、制御装置(26)によって第1空気からの吸湿量及び第2空気に対する放湿量を変化させており、室内へ供給される第1空気や第2空気の湿度を適切に調節できる。
特に、回転ロータ(24)の回転速度を調節することにより、第1空気や第2空気の湿度を確実に増減させることができる。同様に、加熱器(25)における第2空気への加熱量を調節することにより、第1空気や第2空気の湿度を確実に増減させることができる。
更に、本実施形態によれば、コジェネレーション装置(10)に固体電解質型燃料電池(12)を用いることで、高温の排ガスを温熱として出力することができる。よって、調湿部(23)へ送り込まれる第2空気を高い温度まで加熱することができ、少ない風量でも確実に吸着材を加熱することができる。従って、本実施形態によれば、第2空気の風量が少ない状態でも第1空気からの吸湿量及び第2空気に対する放湿量を確保することがきる。
−実施形態1の変形例−
上記実施形態1の調湿装置(20)に、回転ロータ(24)で除湿された第1空気を冷却するための冷却器を設けるようにしてもよい。この冷却器は、第1通路(21)における回転ロータ(24)の下流側に配置されている。尚、上記冷却器は、除湿動作中にのみ運転され、加湿動作中には停止している。
除湿動作中において、第1通路(21)を流れる第1空気は、回転ロータ(24)でその水分が吸着材に吸着される。この除湿された第1空気は、冷却器へ送られる。冷却器を通過する間に、第1空気は冷却される。冷却された第1空気は、三方弁(28)を通過し、給気ダクト(40)を通って室内へ供給される。つまり、調湿装置(20)に冷却器を設けることにより、除湿された空気に加えて冷却された空気を室内に供給することができる。
また、上記調湿装置(20)には、冷却器に代えて加熱器を設けるようにしてもよい。尚、上記加熱器は、除湿動作中にのみ運転され、加湿動作中には停止している。
除湿動作中において、第1通路(21)を流れる第1空気は、回転ロータ(24)でその水分が吸着材に吸着される。この除湿された第1空気は、加熱器へ送られる。加熱器を通過する間に、第1空気は加熱される。加熱された第1空気は、三方弁(28)を通過し、給気ダクト(40)を通って室内へ供給される。つまり、調湿装置(20)に加熱器を設けることにより、除湿された空気に加えて加熱された空気を室内に供給することができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態は、上記実施形態1の調湿システムにおいて、調湿装置(20)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
図4に示すように、本実施形態における調湿装置(20)は、熱交換部としての顕熱交換器(29)を備えている。この顕熱交換器(29)は、第2通路(22)における加熱器(25)の上流側と第1通路(21)における回転ロータ(24)の下流側とに接続されている。上記顕熱交換器(29)は、第1通路(21)を流れる第1空気と第2通路(22)を流れる第2空気とを熱交換させる。
第2通路(22)における顕熱交換器(29)と加熱器(25)との間には、顕熱交換器(29)を通過した第2空気の一部を排出するためのダクト(31)が設けられている。このダクト(31)から第2空気の一部を排出すると、加熱器(25)に流入する第2空気の量が減少し、加熱器(25)を通過した後の第2空気の温度が上昇する。つまり、回転ロータ(24)へ流入する第2空気の温度が上昇して、第1空気からの吸湿量及び第2空気に対する放湿量が増加する。
−運転動作−
上記調湿装置(20)の運転動作について説明する。
先ず、上記調湿装置(20)の除湿動作について、図5を参照しながら説明する。尚、図5は、この装置における除湿動作を空気線図上に表したものである。
除湿動作を行う際には、三方弁(28)が第1のポートが第2のポートに連通する状態(図4に実線で示す状態)に切り換わる。この状態では、第1通路(21)が三方弁(28)を介して給気ダクト(40)に連通する。
調湿装置(20)の第1通路(21)へは、点Aの状態の室外空気(OA)が第1空気として送り込まれる。点Aの状態の第1空気は、回転ロータ(24)へ送られる。回転ロータ(24)では、第1空気に含まれる水分が吸着材に吸着される。これによって、第1空気は、等エンタルピ線に沿って変化し、その絶対湿度が低下し且つ温度が上昇して点Bの状態となる。点Bの状態の第1空気は、顕熱交換器(29)へ送られる。顕熱交換器(29)では、第1空気が第2空気に対して放熱し、その温度が低下して点Cの状態となる。点Cの状態の空気は、三方弁(28)を通過し、供給空気(SA)として給気ダクト(40)から室内へ送られる。
調湿装置(20)の第2通路(22)へは、点Aの状態の室外空気(OA)が第2空気として送り込まれる。点Aの状態の第2空気は、顕熱交換器(29)へ送られる。顕熱交換器(29)では、第2空気が第1空気から吸熱し、その温度が上昇して点Dの状態となる。点Dの状態の第2空気は、加熱器(25)へ送られる。加熱器(25)において、第2空気は、排ガス管(13)から供給された排ガスとの熱交換により加熱され、その温度が上昇して点Eの状態となる。
点Eの状態の第2空気は、回転ロータ(24)へ送られる。回転ロータ(24)では、第2空気が吸着材と接触する。この第2空気との接触によって、回転ロータ(24)の吸着材から水分が脱離し、吸着材の再生が行われる。そして、第2空気は、等エンタルピ線に沿って変化し、その絶対湿度が上昇し且つ温度が低下して点Fの状態となる。点Fの状態の空気は、排出空気(EA)として室外へ排出される。
次に、調湿装置(20)の加湿動作について説明する。この加湿動作では、三方弁(28)が第1のポートが第3のポートに連通する状態(図4に破線で示す状態)に切り換わる。この状態では、第2通路(22)が三方弁(28)を介して給気ダクト(40)に連通する。
加湿動作中には、除湿動作中と同様に、調湿部(23)で第1空気の除湿と第2空気の加湿とが行われる。つまり、第1通路(21)を流れる第1空気は、回転ロータ(24)を通過する際に除湿される。回転ロータ(24)に水分を奪われた第1空気は、室外へ排出される。一方、第2通路(22)を流れる第2空気は、加熱器(25)で加熱された後に回転ロータ(24)へ送られる。回転ロータ(24)では、吸着材が第2空気により加熱されて再生される。吸着材から脱離した水分を付与された第2空気、即ち加湿された第2空気は、三方弁(28)を通過し、給気ダクト(40)を通って室内へ送られる。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。本実施形態は、上記実施形態1の調湿システムの構成を変更したものである。ここでは、本実施形態について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
図6に示すように、本実施形態におけるコジェネレーション装置(10)の貯湯タンク(15)には、排熱回収回路(16)が設けられている。また、本実施形態における調湿装置(20)には、第2通路(22)における回転ロータ(24)の下流側に、排熱回収熱交換器(30)が設けられている。この排熱回収熱交換器(30)と貯湯タンク(15)とは、排熱回収回路(16)によって接続されている。そして、排熱回収回路(16)では、貯湯タンク(15)と排熱回収熱交換器(30)の間で水が循環する。また、排熱回収熱交換器(30)は、室外へ排出される第2空気の温熱を回収するために、第2通路(22)を流れる第2空気と排熱回収回路(16)を流れる水とを熱交換させる。
−運転動作−
上記調湿装置(20)の運転動作について説明する。
先ず、上記調湿装置(20)の除湿動作について、図7を参照しながら説明する。尚、図7は、この装置における除湿動作を空気線図上に表したものである。
除湿動作を行う際には、三方弁(28)が第1のポートが第2のポートに連通する状態(図6に実線で示す状態)に切り換わる。この状態では、第1通路(21)が三方弁(28)を介して給気ダクト(40)に連通する。
調湿装置(20)の第1通路(21)へは、点Aの状態の室外空気(OA)が第1空気として送り込まれる。点Aの状態の第1空気は、回転ロータ(24)へ送られる。回転ロータ(24)では、第1空気に含まれる水分が吸着材に吸着される。これによって、第1空気は等エンタルピ線に沿って変化し、その絶対湿度が低下し且つ温度が上昇して点Bの状態となる。点Bの状態の第1空気は、顕熱交換器(29)へ送られる。顕熱交換器(29)では、第1空気が第2空気に対して放熱し、その温度が低下して点Cの状態となる。点Cの状態の第1空気は、三方弁(28)を通過し、供給空気(SA)として給気ダクト(40)から室内へ供給される。
調湿装置(20)の第2通路(22)へは、点Aの状態の室外空気(OA)が第2空気として送り込まれる。点Aの状態の第2空気は、顕熱交換器(29)へ送られる。顕熱交換器(29)では、第2空気が第1空気から吸熱し、その温度が上昇して点Dの状態となる。点Dの状態の第2空気は、加熱器(25)へ送られる。第2の室外空気は、加熱器(25)を通過する間に、排ガス管(13)から供給された排ガスとの熱交換により加熱され、その温度が上昇して点Eの状態となる。
点Eの状態の第2空気は、回転ロータ(24)へ送られる。回転ロータ(24)では、第2空気が吸着材と接触する。この第2空気との接触によって、回転ロータ(24)の吸着材から水分が脱離し、吸着材の再生が行われる。そして、第2空気は、等エンタルピ線に沿って変化し、その絶対湿度が上昇し且つ温度が低下して点Fの状態となる。点Fの状態の第2空気は、排熱回収熱交換器(30)へ送られる。排熱回収熱交換器(30)では、第2空気と排熱回収回路(16)を流れる水との間で熱交換が行われる。そして、第2空気は、その温度が低下して飽和状態となり、更には第2空気中の水蒸気が凝縮することによって点Gの状態となる。点Gの状態の第2空気は、排出空気(EA)として室外へ排出される。
次に、調湿装置(20)の加湿動作について説明する。この加湿動作では、三方弁(28)が第1のポートが第3のポートに連通する状態(図6に破線で示す状態)に切り換わる。この状態では、第2通路(22)が三方弁(28)を介して給気ダクト(40)に連通する。第2通路(22)を流れる第2空気は、その全てが三方弁(28)から給気ダクト(40)へと流れ、排熱回収熱交換器(30)へは流れない。
加湿動作中には、除湿動作中と同様に、調湿部(23)で第1空気の除湿と第2空気の加湿とが行われる。つまり、第1通路(21)を流れる第1空気は、回転ロータ(24)を通過する際に除湿される。回転ロータ(24)に水分を奪われた第1空気は、室外へ排出される。一方、第2通路(22)を流れる第2空気は、加熱器(25)で加熱された後に回転ロータ(24)へ送られる。回転ロータ(24)では、吸着材が第2空気により加熱されて再生される。吸着材から脱離した水分を付与された第2空気、即ち加湿された第2空気は、三方弁(28)を通過し、給気ダクト(40)を通って室内へ送られる。
《発明の実施形態4》
本発明の実施形態4について説明する。本実施形態は、上記実施形態1の調湿システムと空調装置(50)とを組み合わせたものである。ここでは、本実施形態について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
本実施形態は、除湿及び加湿を行う調湿装置(20)と、コジェネレーション装置(10)と、空調装置(50)とにより構成されている。そして、本実施形態の調湿システムは、室内の温度調節及び湿度調節の両方を行う空調システムに構成されている。
図8に示すように、上記空調装置(50)は、室外機(51)及び室内機(52)を備えている。室外機(51)は、調湿装置(20)と一体化した調湿ユニット(60)として屋外に設置されている。調湿装置(20)の給気ダクト(40)は、室内に接続されている。また、室内機(52)には、図外の室内熱交換器が収納されている。室内熱交換器は、ガス側と液側の連絡配管を介して室外機(51)と接続されており、これによって冷媒の循環する冷媒回路が構成されている。尚、連絡配管の図示は省略する。そして、室内熱交換器は、室内空気を冷媒回路の冷媒と熱交換させる。
上記空調システムでは、調湿装置(20)の除湿動作と空調装置(50)の冷房運転とが同時に行われる。調湿装置(20)で除湿された第1空気は、給気ダクト(40)を通って室内へ送り込まれる。空調装置(50)では、冷媒回路を冷媒が循環して冷凍サイクル動作が行われ、室内熱交換器が蒸発器として機能する。室内機(52)では、室内空気が室内熱交換器を通過する間に冷却される。
このように、本実施形態では、空調装置(50)が室内空気を冷却する一方で、調湿装置(20)が室内の除湿を行っている。このため、空調装置(50)は、室内の顕熱負荷だけを処理すればよいこととなり、室内熱交換器での冷媒蒸発温度を比較的高めに設定することができる。従って、本実施形態では、空調装置(50)の消費電力を削減することができる。
また、上記空調システムでは、調湿装置(20)の加湿動作と空調装置(50)の暖房運転とが同時に行われる。調湿装置(20)で加湿された第2空気は、給気ダクト(40)を通って室内へ送り込まれる。空調装置(50)では、冷媒回路を冷媒が循環してヒートポンプサイクル動作が行われ、室内熱交換器が凝縮器として機能する。室内機(52)では、室内空気が室内熱交換器を通過する間に加熱される。
《発明のその他の実施形態》
上記の各実施形態において、加熱器(25)で第2空気を加熱するための熱源は、コジェネレーション装置(10)で得られた温熱に限定されない。加熱器(25)で第2空気を加熱するための熱源としては、例えば電気ヒータ等を用いてもよい。
以上説明したように、本発明は、室内の除湿又は加湿を行う調湿システムについて有用である。
実施形態1における調湿システムの全体構成図である。 実施形態1における調湿システムの概略構成図である。 実施形態1における調湿装置の加湿動作を示す空気線図である。 実施形態2における調湿システムの概略構成図である。 実施形態2における調湿装置の除湿動作を示す空気線図である。 実施形態3における調湿システムの概略構成図である。 実施形態3における調湿装置の除湿動作を示す空気線図である。 実施形態4における調湿システムの全体構成図である。
符号の説明
(10) コジェネレーション装置
(12) 固体電解質型燃料電池
(20) 調湿装置
(23) 調湿部
(24) 回転ロータ
(25) 加熱部(加熱器)
(26) 調節手段(制御装置)
(28) 切換機構(三方弁)
(29) 熱交換部(顕熱交換器)
(40) 給気ダクト

Claims (8)

  1. 燃料を供給されて電力と温熱とを出力するコジェネレーション装置(10)と、
    取り込んだ空気の湿度を調節した後に該空気を室内へ供給する調湿装置(20)とを備える調湿システムであって、
    上記調湿装置(20)は、室外に設置されると共に吸着材を備えて第1の室外空気からの吸湿と第2の室外空気に対する放湿とを行う調湿部(23)と、上記調湿部(23)の吸着材を再生するために上記第2の室外空気をコジェネレーション装置(10)が出力する温熱により加熱して調湿部(23)へ供給する加熱部(25)とを備え、除湿された第1の室外空気又は加湿された第2の室外空気を室内へ導くための給気ダクト(40)のみによって室内に接続されている調湿システム。
  2. 請求項1に記載の調湿システムにおいて、
    調湿装置(20)は、調湿部(23)で除湿された第1の室外空気を室内に供給する動作と、該調湿部(23)で加湿された第2の室外空気を室内に供給する動作とを切り換えるための切換機構(28)を備えている調湿システム。
  3. 取り込んだ空気の湿度を調節した後に該空気を室内へ供給する調湿装置(20)を備える調湿システムであって、
    上記調湿装置(20)には、室外に設置されると共に吸着材を備えて第1の室外空気からの吸湿と第2の室外空気に対する放湿とを行う調湿部(23)と、上記調湿部(23)の吸着材を再生するために上記第2の室外空気を加熱して調湿部(23)へ供給する加熱部(25)とが設けられ、
    上記調湿装置(20)は、除湿された第1の室外空気又は加湿された第2の室外空気を室内へ導くための給気ダクト(40)のみによって室内に接続されると共に、上記調湿部(23)で除湿された第1の室外空気と該調湿部(23)で加湿された第2の室外空気を選択的に上記給気ダクト(40)へ導入するための切換機構(28)を備えている調湿システム。
  4. 請求項1,2又は3に記載の調湿システムにおいて、
    調湿装置(20)は、調湿部(23)で除湿された第1の室外空気と加熱部(25)へ送られる第2の室外空気とを熱交換させるための熱交換部(29)を備えている調湿システム。
  5. 請求項1,2,3又は4に記載の調湿システムにおいて、
    調湿装置(20)は、調湿部(23)における第1の室外空気からの吸湿量と第2の室外空気に対する放湿量とを調節する調節手段(26)を備えている調湿システム。
  6. 請求項5に記載の調湿システムにおいて、
    調湿部(23)は、通過する空気と接触可能に吸着材が担持されて回転駆動される回転ロータ(24)を備え、該回転ロータ(24)の一部分を第1の室外空気と接触させて残りの部分を第2の室外空気と接触させるように構成される一方、
    調節手段(26)は、上記回転ロータ(24)の回転速度を変化させて吸湿量と放湿量とを調節するように構成されている調湿システム。
  7. 請求項5に記載の調湿システムにおいて、
    調節手段(26)は、上記加熱部(25)における第2の室外空気への加熱量を変化させることにより吸湿量と放湿量とを調節するように構成されている調湿システム。
  8. 請求項1乃至7の何れか1つに記載の調湿システムにおいて、
    コジェネレーション装置(10)は、固体電解質型燃料電池(12)を備え、該固体電解質型燃料電池(12)の運転により得られた電力を出力して上記固体電解質型燃料電池(12)からの排熱を温熱として出力するように構成されている調湿システム。
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