JP5623962B2 - 空調システム - Google Patents
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Description
当該特許文献1に記載の空調システムは、SOFCの排ガスと排熱回収媒体とを熱交換する排熱回収熱交換器と、デシカントロータの再生部に通流する再生用空気と排熱回収媒体とを熱交換する再生用熱交換器と、排熱回収熱交換器と再生用熱交換器とに排熱回収媒体を循環する循環回路とを備えており、当該循環回路に排熱回収媒体を循環させて、排熱回収熱交換器にてSOFCの排ガスが保有する排熱を回収するとともに、再生用熱交換器においてSOFCの排ガスが保有する排熱によりデシカントロータの再生部を再生する再生用空気を加熱するように構成されている。
この観点において、上記特許文献1に記載の空調システムは、SOFCの排ガスを通流する排ガス路には、上述した排熱回収熱交換器のみが設けられており、且つ、当該排熱回収熱交換器と再生用熱交換器との間にて循環回路を循環する排熱回収媒体が通流するように構成されている。このような構成においては、排熱回収熱交換器にて回収する熱量が、再生用熱交換器にて放出する熱量よりも多くなると、循環回路を循環する排熱回収媒体の温度が高くなり、結果として、排熱回収媒体の温度が高くなると、排熱回収熱交換にて当該排熱回収媒体と熱交換する排ガスの温度を露点以下にすることができず、SOFCの水蒸気改質に用いる水を自己循環により賄うことができなくなる虞があった。
また、当該特許文献1に記載の空調システムでは、再生用空気が再生用熱交換器にて排熱回収媒体と熱交換する形態で加熱されるため、再生用熱交換器の伝熱効率によっては、再生用空気を十分に加熱することができず、デシカントロータを十分に活用することができない虞があった。
原燃料を改質して水素を主成分とするガスを生成し、当該水素を主成分とするガスを用いて発電を行うとともに、発電に伴って発生する排熱を利用可能な燃料電池装置を備えるとともに、気体を回転駆動する通気性吸湿体からなるデシカントロータの吸湿部又は再生部を通流させ降温又は昇温させて空調用空気として空調対象空間へ供給するデシカント装置を備え、前記燃料電池装置の発電に伴って発生する排熱を前記デシカントロータの再生に用いる空調システムであって、その特徴構成は、
前記燃料電池装置による発電に伴って発生する排ガスと外部から取り込んだ第1処理空気とを熱交換させる空調用排熱回収熱交換器を備え、
前記空調用排熱回収熱交換器にて前記燃料電池装置の排ガスが保有する排熱を回収した第1処理空気を前記デシカントロータの再生部に直接通流させる形態で、前記デシカントロータの前記通気性吸湿体を再生するように構成されており、
前記空調用排熱回収熱交換器は、前記第1処理空気として、前記燃料電池装置に供給する空気を前記燃料電池装置による発電に伴って発生する排ガスにて加熱するように構成され、
前記空調用排熱回収熱交換器を通流した空気の一部を前記燃料電池装置に供給するとともに、残りの一部の空気を前記デシカントロータの前記再生部に供給する分配手段を備えている点にある。
さらに、空調用排熱回収熱交換器にて排ガスと第1処理空気とを熱交換させ、排ガスの排熱にて第1処理空気を昇温させることができる。当該昇温された第1処理空気は、デシカントロータの再生部を直接通流することで、その再生部にて通気性吸湿体を十分再生させるので、効率的なデシカントロータの運転を確保できる。これにより、デシカント装置にて気体を適切に昇温又は降温させて空調用空気として空調対象空間へ供給することができる。
以上より、燃料電池における電力の発生に伴って生じる水分を自己循環させながらも、燃料電池の排熱を利用してデシカント装置のデシカントロータを適切に再生して、適切に空調された空調用空気を空調対象空間へ供給可能な空調システムを実現できる。
更に、上記特徴構成によれば、燃料電池装置としては、燃料電池装置に供給する空気を排ガスにて加熱する熱交換器を備えているので、その熱交換器を空調用排熱回収熱交換器として利用することができ、構成の簡素化を図ることができる。そして、燃料電池装置に供給する空気の一部を用いて、通気性吸湿体の再生を行うことができるので、燃料電池装置への空気の供給を適切に行うことができながら、通気性吸湿体の再生を行って、デシカントロータでの吸湿を適切に行うことができる。
上記目的を達成するための本発明の別の空調システムは、
原燃料を改質して水素を主成分とするガスを生成し、当該水素を主成分とするガスを用いて発電を行うとともに、発電に伴って発生する排熱を利用可能な燃料電池装置を備えるとともに、気体を回転駆動する通気性吸湿体からなるデシカントロータの吸湿部又は再生部を通流させ降温又は昇温させて空調用空気として空調対象空間へ供給するデシカント装置を備え、前記燃料電池装置の発電に伴って発生する排熱を前記デシカントロータの再生に用いる空調システムであって、その特徴構成は、
前記燃料電池装置による発電に伴って発生する排ガスと外部から取り込んだ第1処理空気とを熱交換させる空調用排熱回収熱交換器を備え、
前記空調用排熱回収熱交換器にて前記燃料電池装置の排ガスが保有する排熱を回収した第1処理空気を前記デシカントロータの再生部に直接通流させる形態で、前記デシカントロータの前記通気性吸湿体を再生するように構成されており、
前記デシカント装置は、前記デシカントロータに加えて、前記デシカントロータの前記吸湿部を通流した気体を冷却用媒体との熱交換により冷却する冷却器と、気体を加湿可能な加湿機とを備え、
気体を前記デシカントロータの前記吸湿部及び前記冷却器を記載順に通流させて空調する第1空調流路と、気体を前記冷却用媒体として前記冷却器に導いた後に前記デシカントロータの前記再生部を通流させる第2空調流路とを形成可能に構成され、
第1気体を前記第1空調流路にて空調した後に前記加湿機にて加湿して空調用空気として前記空調対象空間へ導くとともに再生用空気を前記第2空調流路に通流させる第1運転状態と、第2気体を前記第2空調流路にて空調した後に前記加湿機にて加湿して空調用空気として前記空調対象空間へ導くとともに吸湿用空気を前記第1空調流路に通流させる第2運転状態とを、択一的に切り替える切替手段が設けられている点にある。
上記特徴構成によれば、特に、デシカント装置による空調を、除湿冷房運転と、加湿暖房運転との間で切り替えことができ、外気の状況において適切な空調を実現できる。
上記特徴構成によれば、燃料電池装置の発電に伴って発生する排ガスは、空調用排熱回収熱交換器にて、外部から導かれる比較的低温の第1処理空気と熱交換することができる。これにより、燃料電池(例えば、固体酸化物形燃料電池(SOFC))の高温排熱を高い温度レベルで利用が可能となり、例えば、空調用排熱回収熱交換器よりも後流に設けた給水加熱熱交換器により、排ガスの温度を露点以下にすることができる。結果、排ガスに水蒸気として含まれる水を適切に凝縮させて回収することができる。そして、このように回収した水を水蒸気改質用の水として再利用することで、水蒸気改質に必要な水を自己循環にて賄うことができ、自立運転を可能とできる。
さらに、空調用排熱回収熱交換器にて排ガスと第1処理空気とを熱交換させ、排ガスの排熱にて第1処理空気を昇温させることができる。当該昇温された第1処理空気は、デシカントロータの再生部を直接通流することで、その再生部にて通気性吸湿体を十分再生させるので、効率的なデシカントロータの運転を確保できる。これにより、デシカント装置にて気体を適切に昇温又は降温させて空調用空気として空調対象空間へ供給することができる。
更に、上記特徴構成によれば、例えば、室外空気の温度が高い夏場等にあっては、切替手段にて第1運転状態に切り替えることで、第1気体が、デシカントロータの吸湿部にて除湿され、冷却器にて冷却され、加湿機にて加湿され加湿による水分の蒸発潜熱が奪われる形態で冷却されて、適切に除湿冷却された状態で空調用空気として空調対象空間に導かれる。これにより、空調対象空間を適切に除湿冷房できる。
このとき、再生用空気は、冷却用媒体として冷却器を通流して加熱され、デシカントロータの再生部を通流することで、再生部における通気性吸湿体を適切に再生している。これにより、デシカントロータの吸湿部での吸湿能力を向上させ、デシカント装置の空調能力を向上させている。
一方、室外空気の温度が低い冬場等にあっては、切替手段にて第2運転状態に切り替えることで、第2気体が、冷却用媒体として冷却器にて加熱され、デシカントロータの再生部にて加湿され、加湿機にて加湿されて、適切に加湿加熱された状態で空調用空気として空調対象空間に導かれる。これにより、空調対象空間を適切に加湿暖房できる。
このとき、吸湿用空気は、デシカントロータの吸湿部に湿分を供給し、加熱用媒体として冷却器を通流して、冷却用媒体として冷却器を通流する第2気体を加熱している。
前記空調用排熱回収熱交換器は、前記第1処理空気として、前記燃料電池装置に供給する空気を前記燃料電池装置による発電に伴って発生する排ガスにて加熱するように構成され、
前記空調用排熱回収熱交換器を通流した空気の一部を前記燃料電池装置に供給するとともに、残りの一部の空気を前記デシカントロータの前記再生部に供給する分配手段を備えている点にある。
前記デシカント装置は、前記デシカントロータの前記再生部を通流して前記通気性吸湿体を再生する気体と、前記空調用排熱回収熱交換器にて前記燃料電池装置の排ガスが保有する排熱を回収した前記第1処理空気とを混合可能な第1混合手段を備えている点にある。
前記燃料電池装置による発電に伴って発生する排ガスが保有する排熱を回収した湯水を貯湯可能な貯湯槽と、前記貯湯槽から熱負荷に供給する湯水を加熱する補助加熱装置と、前記補助加熱装置の排ガスと第2処理空気とを熱交換させる補助排熱回収熱交換器とを備え、
前記補助排熱回収熱交換器にて前記補助加熱装置の排ガスが保有する排熱を回収した前記第2処理空気を前記デシカントロータの前記再生部に直接通流させる形態で、前記通気性吸湿体を再生するように構成されている点にある。
前記デシカント装置は、前記デシカントロータの前記再生部を通流する気体と、前記補助排熱回収熱交換器にて前記補助加熱装置の排ガスが保有する排熱を回収した前記第2処理空気とを混合可能な第2混合手段を備えている点にある。
そこで、以下では、まず、図1に基づいて、燃料電池装置200の基本構成、デシカント装置100の基本構成について説明した後、本発明の特徴構成を説明する。
燃料電池装置200は、都市ガス等の燃料Fを改質して水素を主成分とするガスを生成する改質器21と、当該水素を主成分とするガスを用いて発電を行う固体酸化物形燃料電池20(以下、「SOFC」と呼ぶ。)とから構成され、当該燃料電池装置200は、固体酸化物形SOFC20による発電に伴って発生する排熱を利用可能に構成されている。
(空気極)O2+4e-→2O2 -
(燃料極)2H2+4O2 -→2H2O+4e-
排ガスEは、外部へ排出される前に、改質器21、第1排熱回収熱交換器23、第2排熱回収熱交換器24、第3排熱回収熱交換器25、第4排熱回収熱交換器26(空調用排熱回収熱交換器の一例)、及び第5排熱回収熱交換器28を記載順に通流し、排熱を回収されて露点以下となった後、気水分離器29にて水が回収されて、外部へ排出されるようになっている。
気水分離器29にて回収された水は、第1循環ポンプ30にて、第3排熱回収熱交換器25にて排ガスEの排熱を回収して気化した水蒸気となり、燃料Fと混合される。燃料Fと水蒸気との混合ガスは、第1排熱回収熱交換器23にて排ガスEが保有する排熱を回収した後、改質器21に供給される。
第4排熱回収熱交換器26は、室外空気OAを第1処理空気PA1として、排ガスEと熱交換させ、排ガスEと熱交換した後の第1処理空気PA1の一部を、デシカント装置100の側へ導いて、第1処理空気PA1にて回収した排ガスEが保有する排熱をデシカント装置100の再生に利用可能に構成されているとともに、残部をSOFC20の空気極に供給可能に構成されている。
具体的には、第1処理空気PA1を圧送する第1ファン27と、当該第1ファン27にて圧送された第1処理空気PA1を通流する第1処理空気通流路L1が設けられている。
当該第1処理空気通流路L1には、第1処理空気PA1を排ガスEと熱交換する第2排熱回収熱交換器24と、第2排熱回収熱交換器24を通流した後の第1処理空気PA1の一部をデシカント装置100の側へ導くとともに残部をSOFC20の側へ導く三方弁50(分配手段の一例)とを上流側から順に設けられている。
これにより、燃料電池装置200においては、SOFC20に適切に加熱された第1処理空気PA1を従来通り利用することで、適切に発電を行うことができながらも、デシカント装置100においては、第1処理空気PA1をその再生に利用することができる。
さらに、貯湯槽31から熱負荷に供給される湯水Wは、熱負荷にて高温の熱需要があるときで貯湯槽31に貯湯された湯水Wの温度が低い場合に、補助バーナ33(補助加熱装置の一例)にて加熱可能に構成されている。具体的には、燃料Fと燃焼用空気との混合気を燃焼可能な補助バーナ33と、当該補助バーナ33の排ガスが保有する排熱を回収可能な補助排熱回収熱交換器33aが設けられ、貯湯槽31から熱負荷に導かれる湯水Wを、上記補助排熱回収熱交換器33aを通流させた後、補助バーナ33を通流させるように構成されている。
さらに、補助排熱回収熱交換器33aには、室外空気OAとしての第2処理空気PA2にて補助バーナ33の排ガスが保有する排熱を回収してデシカント装置100へ供給するべく、第2処理空気PA2を圧送する第2ファン35と、圧送された第2処理空気PA2を補助排熱回収熱交換器33aへ導いた後にデシカント装置100へ接続される第2処理空気通流路L2が設けられている。
本発明のデシカント装置100は、空気をデシカントロータ13に通流して昇温又は降温させて空調用空気SAとして空調対象空間Sへ供給するものであり、その第1の特徴は、当該デシカントロータ13の再生部13bを、SOFC20の排ガスが保有する排熱を回収した第1処理空気PA1を直接通流させて、デシカントロータ13を再生するように構成されている点にある。
さらに、第2の特徴として、切替手段として第1四方弁11及び第2四方弁16を備えるとともに、空調対象空間Sに供給される直前の空調用空気SAを加湿可能な加湿機17を備えることで、除湿冷房運転と加湿暖房運転とを切替可能に構成されている点にある。
以下に、これらの特徴を有するデシカント装置100を図面に基づいて説明する。
また、混合器15には、上記第1処理空気通流路L1に加えて、補助排熱回収熱交換器33aの排ガスが保有する排熱を回収した第2処理空気PA2を通流する第2処理空気通流路L2が接続されている。これにより、混合器15は、補助バーナ33が作動している場合にあっては、冷却用媒体として冷却器14を通流した気体と、SOFC20の排ガスが保有する排熱を回収した第1処理空気PA1と、補助バーナ33の排ガスが保有する排熱を回収した第2処理空気PA2とを混合して昇温させた後に、下流側のデシカントロータ13の再生部13bの側へ送り出す。
尚、以下では、説明の都合上、補助バーナ33は作動させているものとして、デシカント空調装置の各構成について説明する。
詳細は後述するが、図1に示す第1運転状態にあっては、気体として室外空気OA(第1気体)を、第1空調流路R1にて空調した後、加湿機17に導いて、加湿機17の加湿に伴って加えられた湿分の蒸発に伴う蒸発潜熱が奪われる形態で冷却して、適切に除湿冷却された空調用空気SAとして空調対象空間Sへ供給して、除湿冷房運転が実現する。
これにより、第2空調流路R2を通流する気体は、冷却器14に冷却用冷媒として導かれ、当該冷却器14にて高温の気体と熱交換する形態で昇温し、混合器15にてSOFC20の排ガスが保有する排熱を回収した第1処理空気PA1と混合する形態で昇温し、デシカントロータ13の再生部13bにて加湿されて、加湿加熱された状態となる。
詳細は後述するが、図6に示す第2運転状態にあっては、気体としての室外空気OA(第2気体)を、第2空調流路R2にて空調した後、加湿機17へ導いて十分に加湿し、適切に加湿加熱された空調用空気SAとして空調対象空間Sへ供給して、加湿暖房運転が実現する。
除湿冷房運転を実行するには、まず、図示しない制御装置による制御により、第1四方弁11と第2四方弁16とを、図1に示す第1運転状態へと切り替え制御する。具体的には、制御装置は、第1四方弁11を、室外空気OA(第1気体)を第1空調流路R1へ導くと共に室内空気RA(再生用空気)を第2空調流路R2へ導く状態へ切り替え制御し、第2四方弁16を、第1空調流路R1にて空調された室外空気OA(第1気体)を加湿機17へ導いた後に空調用空気SAとして空調対象空間Sへ導き、室内空気RA(再生用空気)を排気VAとして空調対象空間Sの外部へ導く状態に、切り替え制御する。
このとき、特に、室外空気OA(第1気体)が空調用空気SAへと空調される過程について説明すると、第1四方弁11及び第2四方弁16が第1運転状態(図1に示す状態)へ切り替えられている状態で、第3ファン12を働かせることにより、室外空気OA(第1気体)が、第1四方弁11を介して第1空調流路R1に導かれ、デシカントロータ13の吸湿部13aにて除湿され、冷却器14にて冷却され、第2四方弁16にて加湿機17へ導かれ、当該加湿機17にて加湿されて、加湿に伴って加えられた湿分の蒸発に伴う蒸発潜熱を奪われる形態で冷却して、適切に除湿冷却された状態で空調用空気SAとして空調対象空間Sへ導かれる。
これまで説明してきたように、本発明の空調システムでは、第1四方弁11及び第2四方弁16が図1の状態に切り替えられている状態で、SOFC20の排ガスの排熱を回収した第1処理空気PA1の一部を、SOFC20に導いてSOFC20を適切に働かせながらも、残部を混合器15に導いて、室内空気RA(再生用空気)と混合して昇温させることで、デシカントロータ13の再生部13bにおいて通気性吸湿体13cを再生するようになっている。
運転条件としては、SOFC20は、発電電力を700Wに設定された状態で働かせる。SOFC20からデシカントロータ13の再生部13bへ供給される第1処理空気PA1(264℃、7m3/h)の熱量は、300Wとする。当該第1処理空気PAと混合器15にて混合される室外空気OA(第1気体)は、混合後に、デシカントロータ13の通気性吸湿体13cを適切に再生すべく、所望の温度(例えば、60℃程度)まで昇温してく必要がある。このため、その流量は、本例においては、60m3/hに設定している。室内空気RA(再生用空気)の流量も、室外空気OA(第1気体)の流量に合わせて、60m3/hに設定している。
また、加湿機17にて噴霧する水量は、280g/hである。
P5―P7間において、室内空気RA(再生用空気)は、冷却用媒体として冷却器14に導かれ室外空気OA(第1気体)と熱交換する形態で、27℃から19.6℃だけ昇温して46.6℃となり、混合器15にて、SOFC20の排熱を回収し264℃まで昇温した第1処理空気PA1と混合して、46.6℃から14.2℃だけ昇温して60.4℃の高温となる。
P7−P8間において、室内空気RA(再生用空気)は、デシカントロータ13の再生部13bにて通気性吸湿体13cを通過することで、その絶対湿度が14g/kg乾燥空気から5.6g/kg乾燥空気だけ増加して19.6g/kg乾燥空気となる。結果的に、通気性吸湿体13cは、5.6g/kg乾燥空気だけ吸湿され、適切に再生される。
P1−P2間において、室外空気OA(第1気体)は、デシカントロータ13の吸湿部13aにおいて、十分に再生された通気性吸湿体13cを通過することで、15.7g/kg乾燥空気から6g/kg乾燥空気だけ吸湿されて9.7g/kg乾燥空気となる。
P2−P3間において、室外空気OA(第1気体)は、冷却器14にて、室内空気RA(再生用空気)と熱交換する形態で、49.7℃から19.7℃だけ冷却されて30℃となる。
P3−P4間において、室外空気OA(第1気体)は、加湿機17にて、水が噴霧されて加湿され、加湿による水分の蒸発潜熱が奪われる形態で、30℃から9.7℃だけ降温して20.3℃となる。室外空気OA(第1気体)は、最終的に、温度が20.3℃、絶対湿度が13.8kg/乾燥空気となった状態で、空調対象空間Sへ導かれることとなる。
結果、本発明の空調システムでは、室外空気OA(第1気体)・室内空気RA(再生用空気)の流量を60m3/hに設定している状態で、空調対象空気Sから27℃(P5の計測点の温度)の室内空気RA(再生用空気)を取り出し、20.3℃の室外空気OA(第1気体)として空調対象空間Sへ導くことができ、130Wの冷房能力を発揮できる。このとき、実質除湿量は、120g/hとなる。
また、加湿機17にて噴霧する水量は、500g/hに設定している。
第2処理空気PA2の供給による特徴的な状態変化につき説明すると、当該状態変化においては、特に、P6−P7の間において、100m3/hの大流量の室内空気RA(再生用空気)が、混合器15にて第1処理空気PA1と第2処理空気PA2の双方と混合されることにより、48.8℃から18.4℃も昇温させ67.2℃にできている。
結果、室外空気OA(第1気体)・室内空気RA(再生用空気)の流量を100m3/hに設定している状態で、空調対象空気Sから27℃(P5の計測点の温度)の室内空気RA(再生用空気)を取り出し、19.5℃の室外空気OA(第1気体)として空調対象空間Sへ導くことができ、240Wの冷房能力を発揮できている。このとき、実質除湿量は、280g/hとなる。
加湿暖房運転を実行するには、除湿冷房運転を実行した場合と同様に、図示しない制御装置により、第1四方弁11及び第2四方弁16を図6に示す第2運転状態へと切り替え制御する。
具体的には、制御装置は、第1四方弁11を、室外空気OA(第2気体)を第2空調流路R2へ導くと共に室内空気RA(吸湿用空気)を第1空調流路R1へ導く状態に切り替え制御し、第2四方弁16を第2空調流路R2にて空調された室外空気OA(第2気体)を加湿機17へ導いた後に空調用空気SAとして空調対象空間Sへ導き、室内空気RA(吸湿用空気)を排気VAとして空調対象空間Sの外部へ導く状態へ、切替制御する。
このとき、特に、室外空気OA(第2気体)が空調用空気SAへと空調される過程について説明すると、第1四方弁11及び第2四方弁16が第2運転状態(図6に示す状態)に切り替えられている状態で、第4ファン18を働かせることにより、室外空気OA(第2気体)が、第1四方弁11を介して第2空調流路R2に導かれ、冷却器14に冷却用媒体として導かれて昇温し、混合器15にてSOFC20から排ガスが保有する排熱を回収した第1処理空気PA1、及び補助排熱回収熱交換器33aの排ガスが保有する排熱を回収した第2処理空気PA2と混合して昇温し、第2四方弁16を介して加湿機17へ導かれ、当該加湿機17にて加湿された後に空調用空気SAとして空調対象空間Sへ導かれる。
加湿暖房運転にあっては、第1四方弁11及び第2四方弁16が図6の状態に切り替えられている状態で、SOFC20の排ガスの排熱を回収した第1処理空気PA1の一部を、SOFC20に導いてSOFC20を適切に働かせながらも、残部を混合器15に導いて、室外空気OA(吸湿用空気)と混合して、室外空気RA(吸湿用空気)を昇温させている。
運転条件としては、SOFC20は、発電電力を700Wに設定された状態で働かせる。SOFC20からデシカントロータ13の再生部13bへ供給される第1処理空気PA1の熱量は、300Wとする。当該熱量にて暖房運転を適切に実現させるべく、混合器15にて第1処理空気PAと混合される室外空気OA(第2気体)の流量は、本例においては、60m3/hに設定している。室内空気RA(吸湿用空気)の流量も、室外空気OA(第2気体)の流量に合わせる状態で、60m3/hに設定している。
また、加湿機17にて噴霧する水量は、100g/hである。
P6−P7間において、室内空気RA(吸湿用空気)は、デシカントロータ13の吸湿部13aにて通気性吸湿体13cを通過して、8.54g/kg乾燥空気から5.4g/kg乾燥空気だけ湿分を供給し3.14g/kg乾燥空気となる。このとき、通気性吸湿体13cは、5.4g/kg乾燥空気だけ湿分を供給される。
P7−P8間において、室内空気RA(吸湿用空気)は、熱源として冷却器14に導かれ室外空気OA(第2気体)と熱交換する形態で、33.7℃から23.7℃分だけ降温して10℃となった後、空調対象空間Sの外部へ導かれる。
P1−P3間において、室外空気OA(第2気体)は、冷媒として冷却器14に導かれ室内空気RA(再生用空気)と熱交換する形態で、7℃から23.6℃だけ昇温して30.6℃となった後、混合器15にて、SOFC20の排熱を回収して264℃まで昇温した第1処理空気PA1と混合し、30.6℃から12.4℃だけ昇温して、43℃の高温となる。
P3−P4間において、室外空気OA(第2気体)は、デシカントロータ13の再生部13bにて、通気性吸湿体13cを通過することで、その絶対湿度が3.91g/kg乾燥空気から5.04g/kg乾燥空気分だけ増加し8.95g/kg乾燥空気となる。
P4−P5間において、室外空気OA(第2気体)は、加湿機17にて、水が噴霧され加湿され、その絶対湿度は、8.95g/kg乾燥空気から1.8g/kg乾燥空気だけ増加し、10.3g/kg乾燥空気となる。室外空気OA(第2気体)は、最終的に、温度が28.2℃、絶対湿度が10.3g/kg乾燥空気となって状態で、空調対象空間Sへ導かれることとなる。
結果、本発明の空調システムでは、室外空気OA(第2気体)・室内空気RA(吸湿用空気)の流量を60m3/hに設定している状態で、空調対象空間Sから20℃(P6の観測点における温度)の室内空気RA(吸湿用空気)を取り出し、28.2℃の室外空気OA(第2気体)として空調対象空間Sへ導くことができ、180Wの暖房能力を発揮できている。このとき、実質加湿量は、480g/hとなる。
また、加湿機17にて噴霧する水量を、100g/hから220g/hへ増加する。
第2処理空気PA2の供給による特徴的な状態変化について説明すると、当該状態変化においては、特に、P2−P3の間において、100m3/hの大流量の室外空気OA(第2気体)が、混合器15にて第1処理空気PA1及び第2処理空気PA2と混合されることにより、室外空気OA(第2気体)は、32℃から23.6℃も昇温させることができ、55.6℃とんしている。
結果的に、室外空気OA(第2気体)・室内空気RA(吸湿用空気)の流量を100m3/hに設定している状態で、空調対象空気Sから20℃(P6の観測点における温度)の室外空気OA(吸湿用空気)を取り出し、39.2℃室外空気OA(第2気体)として空調対象空間Sへ導くことができ、740Wの暖房能力を発揮できている。このとき、実質加湿量は、930g/hである。
上記実施形態では、補助バーナ33の排ガスEが保有する排熱は、排ガスEと第2処理空気PA2とを熱交換させる形態で、第2処理空気PA2にて回収し、当該第2処理空気PA2をデシカントロータ13の再生部13bの通気性吸湿体13cを通流させる形態で、デシカントロータ13を再生させた。
しかしながら、例えば、図11に示すように、補助バーナ33の排ガスEが保有する排熱は排ガスEを、デシカントロータ13の再生部13bの通気性吸湿体13cに直接通流させる形態で、デシカントロータ13を再生するように構成してもよい。
RA :再生用空気
SA :空調用空気
PA1 :第1処理空気
PA2 :第2処理空気
R1 :第1空調流路
R2 :第2空調流路
R3 :第3空調流路
R4 :第4空調流路
S :空調対象空間
11 :第1四方弁
13 :デシカントロータ
13a :吸湿部
13b :再生部
13c :通気性吸湿体
14 :冷却器
15 :混合器
16 :第2四方弁
17 :加湿機
20 :SOFC
26 :第4排熱回収熱交換器
31 :貯湯槽
33 :補助バーナ
33a :補助排熱回収熱交換器
40 :第2デシカントロータ
40a :第2吸湿部
40b :第2再生部
40c :第2通気性吸湿体
Claims (6)
- 原燃料を改質して水素を主成分とするガスを生成し、当該水素を主成分とするガスを用いて発電を行うとともに、発電に伴って発生する排熱を利用可能な燃料電池装置を備えるとともに、気体を回転駆動する通気性吸湿体からなるデシカントロータの吸湿部又は再生部を通流させ降温又は昇温させて空調用空気として空調対象空間へ供給するデシカント装置を備え、前記燃料電池装置の発電に伴って発生する排熱を前記デシカントロータの再生に用いる空調システムであって、
前記燃料電池装置による発電に伴って発生する排ガスと外部から取り込んだ第1処理空気とを熱交換させる空調用排熱回収熱交換器を備え、
前記空調用排熱回収熱交換器にて前記燃料電池装置の排ガスが保有する排熱を回収した第1処理空気を前記デシカントロータの前記再生部に直接通流させる形態で、前記デシカントロータの前記通気性吸湿体を再生するように構成されており、
前記空調用排熱回収熱交換器は、前記第1処理空気として、前記燃料電池装置に供給する空気を前記燃料電池装置による発電に伴って発生する排ガスにて加熱するように構成され、
前記空調用排熱回収熱交換器を通流した空気の一部を前記燃料電池装置に供給するとともに、残りの一部の空気を前記デシカントロータの前記再生部に供給する分配手段を備えている空調システム。 - 原燃料を改質して水素を主成分とするガスを生成し、当該水素を主成分とするガスを用いて発電を行うとともに、発電に伴って発生する排熱を利用可能な燃料電池装置を備えるとともに、気体を回転駆動する通気性吸湿体からなるデシカントロータの吸湿部又は再生部を通流させ降温又は昇温させて空調用空気として空調対象空間へ供給するデシカント装置を備え、前記燃料電池装置の発電に伴って発生する排熱を前記デシカントロータの再生に用いる空調システムであって、
前記燃料電池装置による発電に伴って発生する排ガスと外部から取り込んだ第1処理空気とを熱交換させる空調用排熱回収熱交換器を備え、
前記空調用排熱回収熱交換器にて前記燃料電池装置の排ガスが保有する排熱を回収した第1処理空気を前記デシカントロータの前記再生部に直接通流させる形態で、前記デシカントロータの前記通気性吸湿体を再生するように構成されており、
前記デシカント装置は、前記デシカントロータに加えて、前記デシカントロータの前記吸湿部を通流した気体を冷却用媒体との熱交換により冷却する冷却器と、気体を加湿可能な加湿機とを備え、
気体を前記デシカントロータの前記吸湿部及び前記冷却器を記載順に通流させて空調する第1空調流路と、気体を前記冷却用媒体として前記冷却器に導いた後に前記デシカントロータの前記再生部を通流させる第2空調流路とを形成可能に構成され、
第1気体を前記第1空調流路にて空調した後に前記加湿機にて加湿して空調用空気として前記空調対象空間へ導くとともに再生用空気を前記第2空調流路に通流させる第1運転状態と、第2気体を前記第2空調流路にて空調した後に前記加湿機にて加湿して空調用空気として前記空調対象空間へ導くとともに吸湿用空気を前記第1空調流路に通流させる第2運転状態とを、択一的に切り替える切替手段が設けられている空調システム。 - 前記空調用排熱回収熱交換器は、前記第1処理空気として、前記燃料電池装置に供給する空気を前記燃料電池装置による発電に伴って発生する排ガスにて加熱するように構成され、
前記空調用排熱回収熱交換器を通流した空気の一部を前記燃料電池装置に供給するとともに、残りの一部の空気を前記デシカントロータの前記再生部に供給する分配手段を備えている請求項2に記載の空調システム。 - 前記デシカント装置は、前記デシカントロータの前記再生部を通流して前記通気性吸湿体を再生する気体と、前記空調用排熱回収熱交換器にて前記燃料電池装置の排ガスが保有する排熱を回収した前記第1処理空気とを混合可能な第1混合手段を備えている請求項1〜3の何れか一項に記載の空調システム。
- 前記燃料電池装置による発電に伴って発生する排ガスが保有する排熱を回収した湯水を貯湯可能な貯湯槽と、前記貯湯槽から熱負荷に供給する湯水を加熱する補助加熱装置と、前記補助加熱装置の排ガスと第2処理空気とを熱交換させる補助排熱回収熱交換器とを備え、
前記補助排熱回収熱交換器にて前記補助加熱装置の排ガスが保有する排熱を回収した前記第2処理空気を前記デシカントロータの前記再生部に直接通流させる形態で、前記通気性吸湿体を再生するように構成されている請求項1乃至4の何れか一項に記載の空調システム。 - 前記デシカント装置は、前記デシカントロータの前記再生部を通流する気体と、前記補助排熱回収熱交換器にて前記補助加熱装置の排ガスが保有する排熱を回収した前記第2処理空気とを混合可能な第2混合手段を備えている請求項5に記載の空調システム。
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