JP6820719B2 - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は繊維製品用の液体柔軟剤組成物に関し、更には洗濯機を用いて、洗浄工程の後に適用するための家庭用の液体柔軟剤組成物に関する。
これまでに、洗浄後の衣料用、タオル及び寝具用の繊維製品を柔らかく仕上げる為の柔軟剤組成物として、長鎖の炭化水素基を1つ以上3つ以下有し、残りの基が短鎖の炭化水素基である第4級アンモニウム塩を主基材とする柔軟剤組成物が使用されてきた。しかし、当該物質の環境への配慮から、最近では、より分解性に優れた化合物が求められる様になっており、長鎖炭化水素基に代わり、脂肪酸エステル基及び脂肪酸アミド基から選ばれる有機基を1つ以上3つ以下有し、残りの基が短鎖のアルキル基及びヒドロキシアルキル基から選ばれる短鎖有機基である第4級アンモニウム塩が、主に、使用されるようになっている。その一例が、トリエタノールアミン又はジエタノールメチルアミンの脂肪酸エステルアミン化合物をアルキル基で4級化した化合物等である。これらの化合物はエステルクオーツと呼ばれ、モノエステル体及びジエステル体の混合物、トリエタノールアミンの場合は更にトリエステル体との混合物であって、これに4級化されなかった脂肪酸エステル基を有するアミン化合物及びその他微量の不純物を含むものが、精製されずに使用されている。
この様な柔軟剤を木綿等の親水性の繊維に処理すると、繊維表面が疎水化するので、吸水性が好まれるタオル、肌着、シーツ等の繊維製品において、水や汗を吸いにくくなるという吸水性低下の問題が生じる。すなわち、柔軟性は向上するが吸水性が低下するというトレードオフの関係が認められる。そこで、この二律背反の関係を両立させる為に、柔軟剤に種々の添加剤を配合したり、第4級アンモニウム基に不飽和結合を有する脂肪酸エステルを柔軟基剤として活用したりする方法が、採用されてきた(特許文献1〜3)。また、特許文献4では、ビス(アルコキシアルカノール)型の第4級アンモニウム塩を含む柔軟剤組成物も開示されている。更には特許文献5には、第4級アンモニウム塩と多様なビニル系重合体とを含有する肌触りと風合いに優れた衣料用処理剤組成物が開示されている。
特開平7−18575号公報 特開2001−192966号公報 特表2003−519294号公報 特開2010−159529号公報 特開平9−105077号公報
この様な従来技術を用いると、確かに吸水物性をある程度高める事ができるが、その性能は不十分であり、特に、使用実感として得られる「水の拭き取り易さ」という尺度で評価を行った場合の性能の乏しさは歴然としている。吸水性の悪いタオル表面では、親水化が不十分なので、皮膚との間に水を介した液膜が残留し易く、これが、皮膚への纏わり付きといった不快感を引き起こす一因として機能していると考えている。
本発明は、繊維に対して良好な柔軟性付与効果を保持しつつ、吸水性付与効果(拭き取り操作の容易性)に優れる液体柔軟剤組成物を提供する事を課題とする。
本発明は、下記(A)成分、(B)成分及び水を含有する液体柔軟剤組成物であって、(A)成分と(B)成分の質量比(B)/(A)が1/2以上300以下である、液体柔軟剤組成物に関する。
(A)成分:陽イオン性基、及びエステル基以外の親水性の非イオン性基の少なくとも何れかの有機基を含み、重合性不飽和結合の炭化水素を除いて炭素数5以上の炭化水素基を含まないモノマー(以下、モノマー(a1)という)由来の構成単位と、
エステル基以外の親水性の非イオン性基及びイオン性基を含まず、重合性不飽和結合の炭化水素を除いて炭素数1以上10以下の炭化水素基を含むモノマー(以下、モノマー(a2)という)由来の構成単位
を含有する、平均粒径が10nm以上1000nm以下のポリマー粒子
(B)成分:エステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい、窒素原子に結合する総炭素数12以上29以下の鎖式炭化水素基を1つ以上3つ以下含み、残りの窒素原子に結合する有機基が炭素数1以上3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である第3級アミン化合物、該第3級アミン化合物の酸塩、及び該第3級アミン化合物の4級化物から選ばれる1種以上の陽イオン性化合物
本発明によれば、繊維に対して良好な柔軟性付与効果を保持しつつ、吸水性付与効果(拭き取り操作の容易性)に優れる液体柔軟剤組成物を提供することができる。
<液体柔軟剤組成物>
[(A)成分]
本発明で使用される(A)成分は陽イオン性基、及びエステル基以外の親水性の非イオン性基の少なくとも何れかの有機基を含み、重合性不飽和結合の炭化水素を除いて炭素数5以上の炭化水素基を含まないモノマー(以下、モノマー(a1)という場合もある)由来の構成単位と、
エステル基以外の親水性の非イオン性基及びイオン性基を含まず、重合性不飽和結合の炭化水素を除いて炭素数1以上10以下の炭化水素基を含むモノマー(以下、モノマー(a2)という場合もある)由来の構成単位
を含有する、平均粒径が10nm以上1000nm以下のポリマー粒子である。
本発明の(A)成分は、簡易に説明すると親水性傾向にあるモノマー(a1)由来の構成単位と疎水性傾向にあるモノマー(a2)由来の構成単位を主に含有するポリマー粒子である。なおそれぞれの構成単位はモノマー由来と称しているが、本発明では重合反応後の後処理により官能基や有機基を作用させたものも当初のモノマーから有しているものと解釈するものとする。
なお本発明のポリマー粒子は、陽イオン性基の対イオンを除いては、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、任意の硫黄原子及び任意のリン原子のみから構成されているポリマー粒子が好ましい。
(A)成分中、モノマー(a1)由来の構成単位の割合は、繊維製品への吸水性付与の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、そして、粒子形状保持の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下である。
(A)成分中、モノマー(a2)由来の構成単位の割合は、粒子形状保持の観点から、好ましくは50質量%を超え、より好ましくは60質量%を超え、更に好ましくは70質量%を超え、そして、繊維製品への吸水性付与の観点から、好ましくは99.99質量%未満、より好ましくは99.9質量%未満、更に好ましくは99.5質量%未満である。
なお、(A)成分中、各構成単位の割合は、ポリマー粒子を実施例に記載のNMR法により分析して、各構成単位の特徴的なプロトンピークの面積比より算出した値である。
モノマー(a1)の陽イオン性基としては、アミノ基、4級アンモニウム基、ピリジル基、及びイミノ基から選ばれる1種以上が好ましく、アミノ基及び4級アンモニウム基から選ばれる1種以上がより好ましい。
モノマー(a1)のエステル基以外の親水性の非イオン性基としては、ヒドロキシ基、オキシエチレン基及びアミド基から選ばれる1種以上が好ましい。更にアミド基は、窒素原子と水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基が結合したアミド基が好ましい。更にオキシエチレン基は、平均付加モル数が、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更により好ましくは5以上、そして、好ましくは200以下、より好ましくは150以下、更により好ましくは120以下のポリオキシエチレン基であり、末端がメチル又はエチル基でキャップされていてもよく、一部が平均付加モル数5モル以下、好ましくは3モル以下のオキシプロピレン基で置換されていてもよい。
モノマー(a1)由来の構成単位中、陽イオン性基が、アミノ基及び4級アンモニウム基から選ばれる1種以上であり、エステル基以外の親水性の非イオン性基が、ヒドロキシ基、オキシエチレン基及びアミド基から選ばれる1種以上がより好ましい。
モノマー(a1)は、繊維製品に吸水性を付与する観点から、下記一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)、及び一般式(IV)で表される化合物から選ばれる1種以上が好ましく、下記一般式(I)、及び一般式(III)で表される化合物から選ばれる1種以上がより好ましい。
下記一般式(I)、一般式(II)で表される化合物は、モノマー(a1)の陽イオン性基を含むモノマーであり、重合性不飽和結合の炭化水素を除いて炭素数5以上の炭化水素基を含まない。モノマー(a1)の陽イオン性基を含むモノマーは、下記一般式(I)、及び一般式(II)で表される化合物から選ばれる1種以上が好ましく、下記一般式(I)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0006820719
[式中、Ra1は水素原子又はメチル基を示し、Ra2及びRa3は同一又は異なって、炭素数1以上4以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Ra4は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示し、Yは−O−、−NH−又は−O−CH2CH(OH)−基を示し、Zは炭素数1以上4以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、Xは酸の共役塩基、ハロゲンイオン又は炭素数1以上4以下のアルキルサルフェート基を示す。]
Figure 0006820719
[式中、Ra5及びRa6は同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示し、Ra7及びRa8は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示し、X-は前記の意味を示す。]
上記一般式(I)で表される化合物の具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド類を酸で中和した酸中和物あるいは4級化剤で4級化した4級アンモニウム塩が挙げられる。なお本発明において“(メタ)アクリル”は、アクリルとメタクリルとの両方の化合物を意味し、“(メタ)アクリレート”はアクリレートとメタクリレートとの両方の化合物を意味するものとする。
上記一般式(II)で表される化合物の具体例としては、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のジアリル型4級アンモニウム塩が挙げられる。
上記酸中和物を得るための好ましい酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸、ギ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、スルファミン酸、トルエンスルホン酸、乳酸、ピロリドン−2−カルボン酸、コハク酸、プロピオン酸、グリコール酸等の総炭素数1以上22以下の有機酸等が挙げられ、上記4級アンモニウム塩を得るための好ましい4級化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等の炭素数1以上4以下のハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル等の一般的なアルキル化剤が挙げられる。
上記一般式(I)又は(II)で表される化合物の中で特に好ましいものとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドを前記の4級化剤で4級化した4級アンモニウム塩、あるいはジメチルジアリルアンモニウムクロライドが挙げられる。ここで酸中和物モノマーは、系のpHなどにより中和した酸の解離が起こり、ポリマー構造が変化するため、粘度の安定性が低下する。この点から、4級アンモニウム塩型モノマーがより好ましい。
下記一般式(III)、及び一般式(IV)で表される化合物は、モノマー(a1)のエステル基以外の親水性の非イオン性基を含むモノマーであり、重合性不飽和結合の炭化水素を除いて炭素数5以上の炭化水素基、及びイオン性基を持たないモノマーである。モノマー(a1)の親水性の非イオン性基を含むモノマーは、下記一般式(III)、及び一般式(IV)で表される化合物から選ばれる1種以上が好ましく、一般式(III)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0006820719
[式中、Ra9は水素原子又はメチル基を示し、Ra10は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基、好ましくは水素原子又はメチル基を示す。Mは−O−、−NH−又は−O−CHCH(OH)−、好ましくは−O−で表される基を示し、Qは炭素数1以上4以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基又はアルキレンオキシ基を示し、lは0又は1の数を示す。EOはエチレンオキシ基、AOはプロピレンオキシ基又はブチレンオキシ基であって、EOとAOはブロック結合又はランダム結合であってもよく、mとnは平均付加モル数であってmは0以上、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上であり、そして、200以下、好ましくは150以下、より好ましくは120以下の数、nは0以上、そして5以下、好ましくは3以下の数である。但しMが−NH−の時l、m、nが同時に0であることはない。]
Figure 0006820719
[式中、Ra11は水素原子又はメチル基を示し、Ra12及びRa13は独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、好ましくはRa12及びRa13の両方が水素原子又はメチル基である。]
一般式(III)で示される化合物としては、ポリエチレングリコール(メチルエーテル)(メタ)アクリレート(好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上であり、そして、200以下、好ましくは150以下、より好ましくは120以下)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを挙げられ、親水性を付与する観点から、好ましくはポリエチレングリコールメチルエーテルメタアクリレート(オキシエチレン基の平均付加モル数が好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上であり、そして200以下、好ましくは150以下、より好ましくは120以下)である。
一般式(IV)で表される化合物としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上である。
モノマー(a2)は、エステル基以外の、モノマー(a1)で述べた親水性の非イオン性基及びイオン性基を含まず、重合性不飽和結合の炭化水素を除いて炭素数1以上10以下の炭化水素基を含む。モノマー(a2)は、下記一般式(V)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006820719
[式中、Ra14は水素原子又はメチル基を示し、Ra15は炭素数1以上、そして、10以下、好ましくは5以下の炭化水素基又はフェニル基を示す。Wは−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、又は−C(=O)−O−CHCH(CH)−O−、好ましくは−C(=O)−O−で表される基を示し、pは0又は1の数を示す。]
一般式(V)で示される化合物としては、粒子形状保持の観点から、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、スチレンが挙げられ、好ましくはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート及びスチレンから選ばれる一種以上であり、より好ましくはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、及びブチルメタクリレートから選ばれる一種以上である。
本発明で使用する(A)成分のポリマー粒子は、モノマー(a1)及びモノマー(a2)由来の構成単位を必須構成単位とするが、これらと共重合可能な他のモノマー由来の構成単位を有していても良い。この場合、ポリマー粒子(A)を構成する全モノマー由来の構成単位中のモノマー(a1)及びモノマー(a2)由来の構成単位の合計割合は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、また100質量%であってもよい。
また、ポリマー粒子(A)を構成するモノマー(a1)由来の構成単位とモノマー(a2)由来の構成単位の割合(a1)/(a2)(質量比)は、繊維製品処理後の吸水性と粒子形状保持の観点から、好ましくは0.0001以上、より好ましくは0.001以上、更に好ましくは0.005以上であり、そして、好ましくは1以下、より好ましくは0.67以下、更により好ましくは0.43以下である。
なお、(A)成分のポリマー粒子における各構成単位の割合及び質量比は、ポリマー粒子を実施例に記載のNMR法により分析して、各構成単位の特徴的なプロトンピークの面積比より算出した値である。
より詳しくは、本発明の(A)成分であるポリマー粒子は、一般式(I)で示されるモノマー(以下モノマー(a1−i)という)由来の構成単位、一般式(II)で示されるモノマー(以下モノマー(a1−ii))由来の構成単位、一般式(III)で示されるモノマー(以下、モノマー(a1-iii)という)由来の構成単位、一般式(IV)で示されるモノマー(以下、モノマー(a1−iv)という)由来の構成単位から選ばれる1種以上の構成単位と、一般式(V)で示されるモノマー(以下モノマー(a2−v)という)由来の構成単位とから構成されたポリマー粒子がより好ましい。
より好ましい(A)成分のポリマー粒子としては、それぞれの比率が、
前記モノマー(a1-i)由来の構成単位が0.1質量%以上15質量%以下及び
前記モノマー(a2−v)由来の構成単位が85質量%以上99.9質量%以下で構成されたポリマー粒子(A1)、
前記モノマー(a1−i)由来の構成単位が0.1質量%以上14.5質量%以下、
前記モノマー(a1−iii)由来の構成単位が0.1質量%以上14.5質量%以下及び
前記モノマー(a2−v)由来の構成単位が85質量%以上99.5質量%以下で構成されたポリマー粒子(A2)、
前記モノマー(a1−i)由来の構成単位が0.1質量%以上14.5質量%以下、
前記モノマー(a1−iii)由来の構成単位が0.1質量%以上14.5質量%以下、
前記モノマー(a1−iv)由来の構成単位が0.1質量%以上14.5質量%以下及び
前記モノマー(a2−v)由来の構成単位が85質量%以上99質量%以下で構成されたポリマー粒子(A3)、
から選ばれる1種以上のポリマー粒子である。
なお、(A)成分のポリマー粒子における各構成単位の割合は、ポリマー粒子を実施例に記載のNMR法により分析して、各構成単位の特徴的なプロトンピークの面積比より算出した値である。
更に好ましいは(A)成分のポリマー粒子としては、上記規定において、モノマー(a1−iii)中、一般式(III)で示されるモノマーにおいて、Mが−O−であり、lが0、mが50以上100以下、nが0であり、Ra10が水素原子又はメチル基であるモノマー(以下、モノマー(a1−iii−EO)由来の構成単位が、ポリマー粒子中に5質量%以上を占めることが好ましく、更にはモノマー(a2−v)が、Ra15がメチル基であるモノマー(以下、モノマー(a2−v−Me)という)及びRa15がプロピル基又はブチル基であるモノマー(以下、モノマー(a2−v−Pr)又はモノマー(a2−v−Bu)という)から選ばれる1種以上のモノマーからなることがより好ましい。
本発明では(A)成分のポリマー粒子の平均粒子径が重要であり、平均粒径は、本効果の観点から、10nm以上、好ましくは20nm以上、より好ましくは50nm以上、そして、手触り及び吸水性付与の観点から、1000nm以下、好ましくは500nm以下、より好ましくは300nm以下である。平均粒子径は、ポリマー粒子をイオン交換水で固形分0.3wt%に希釈し、粒子径・ゼータ電位測定装置ゼータサイザーナノZS(マルバーン社製)を用いて測定した値である。
このような平均粒径のポリマー粒子を調製するためには、公知の製造方法を用いることができる。例えば重合に用いるためのモノマーの一部又は全部を分散媒に分散させたものを、超音波ホモジナイザーを用いて乳化液を調製する。乳化液を、窒素置換した後、水浴で加熱し重合を行ない反応させ、その後熟成を行うことで、ポリマーの乳化液を得ることができる。乳化液は遠心分離後の上澄みを除去し、水を添加分散した後、再度遠心分離を繰り返すことで精製することができる。
本発明の柔軟剤組成物中、(A)成分の含有量は、固形分として、被洗物の親水性を高める観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、そして、柔軟性の観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
[(B)成分]
(B)成分は、(B)エステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい、窒素原子に結合する総炭素数12以上29以下の鎖式炭化水素基を1つ以上3つ以下含み、残りの窒素原子に結合する有機基が炭素数1以上3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である第3級アミン化合物、該第3級アミン化合物の酸塩、及び該第3級アミン化合物の4級化物から選ばれる1種以上の陽イオン性化合物である。
(B)成分が有する鎖式炭化水素基は、エステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよく、鎖式炭化水素基の総炭素数は、柔軟性付与の観点から、12以上、好ましくは13以上、より好ましくは14以上、そして、安定性の観点から、29以下、好ましくは26以下である。
(B)成分は、下記一般式(1)、及び一般式(2)で表される化合物から選ばれる1種以上が好ましい。
Figure 0006820719
〔式中、Rb1、Rb2及びRb3は、それぞれ独立にエステル基、アミド基及び/又はエーテル基で分断されていてもよい総炭素数12以上、好ましくは13以上、より好ましくは14以上、そして、29以下、好ましくは26以下の炭化水素基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1以上3以下のアルキル基であるが、Rb1、Rb2及びRb3のうち少なくともひとつはエステル基及び/又はアミド基で分断されている総炭素数12以上29以下の炭化水素基である。Rb4は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、Tは、有機又は無機の陰イオン基である。〕
(B)成分は、下記一般式(1−1)又は(2−1)で表される化合物から選ばれる1種以上がより好ましい。
Figure 0006820719
〔式中、Rb5は、炭素数11以上、好ましくは13以上、より好ましくは15以上、そして、23以下、好ましくは19以下のアルキル基又はアルケニル基であり、Rb6は、炭素数1以上、好ましくは2以上、そして、5以上、好ましくは3以下のアルキレン基であり、Rb7及びRb8は、それぞれ独立に炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基、Rb5−A−Rb6−、又はRb5−B−Rb6−である。Rb9は水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基である。Aは、−COO−、−OCO−、−O−、−CONH−又は−NHCO−で表される基であり、好ましくは−COO−又は−CONH−で示される基である。Bは、−COO−、−OCO−又は−O−で表される基であり、好ましくは−COO−で表される基である。Tは有機又は無機の陰イオン基であり、好ましくは塩素イオン、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1以上18以下の脂肪酸イオン、又は炭素数1以上3以下のアルキル基で1〜3個置換されていてもよいベンゼンスルホン酸イオンである。〕
(B)成分のうち、一般式(1)又は一般式(1−1)で表される化合物は、例えば、アルカノールアミン又はアミノアルキルアミン等のアミン化合物(以下、(b1)成分という)と炭素数8以上26以下の脂肪酸又は脂肪酸低級アルキル(アルキル基の炭素数1〜3)エステル(以下、(b2)成分という)とを、エステル化反応、アミド化反応、又はエステル交換反応させて得ることができる。また、一般式(2)又は一般式(2−1)で表される化合物は、例えば、上記のようにして得られた一般式(1)又は一般式(1−1)で表される化合物をアルキル化剤により4級化するか、酸により中和することにより得ることができる。
(b1)成分において、上記アルカノールアミンは分子内にヒドロキシ基を必須とし、1級〜3級アミノ基を有するアミン化合物が好ましい。また(b1)成分において、アミノアルキルアミンは分子内に1級アミノ基、2級アミノ基及び3級アミノ基から選ばれる少なくとも2種以上のアミノ基を有するアミン化合物が好ましい。(b1)成分のより具体的な例として、ジアルキルモノアルカノールアミン(好ましくはジメチルモノエタノールアミンもしくはジメチルモノプロパノールアミン)、モノアルキルジアルカノールアミン(好ましくはメチルジエタノールアミンもしくはメチルジプロパノールアミン)、トリアルカノールアミン(好ましくはトリエタノールアミンもしくはトリプロパノールアミン)、ジ(アミノアルキル)アルキルアミン(例えば、N−メチル−N,N−ジ(3−アミノプロピル)アミン)、ジアルキルアミノアルキルアミン(例えば、N,N−ジメチル−N−(3−アミノプロピル)アミン)、アルキルアミノプロピルモノアルキルアルカノールアミン(好ましくは、N−メチルーN−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−アミノプロピル)アミン)等が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましい(b1)成分は、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルーN−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−アミノプロピル)アミン、N,N−ジメチル−N−(3−アミノプロピル)アミン、及びN,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミンから選ばれる1種以上である。
(b2)成分としては、炭素数8以上、好ましくは14以上、そして、26以下、好ましくは20以下の脂肪酸又はその低級アルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜3)が好適であり、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。また、(b2)成分は、JISK0070-1992に記載の方法で測定した酸価(AV)又は鹸化価(SV)が170〜240mgKOH/gであるものが好ましく、180〜235mgKOH/gであるものがより好ましい。(b2)成分の炭化水素基に関しては、飽和炭化水素基/不飽和炭化水素基の比が、好ましくは40/60以上、より好ましくは55/45以上、更に好ましくは60/40以上、より更に好ましくは65/35以上、より更に好ましくは70/30以上、より更に好ましくは75/25以上、そして、好ましくは99/1以下、より好ましくは98/2以下、更に好ましくは95/5以下、より更に好ましくは95/5以下、より更に好ましくは90/10以下、より更に好ましくは85/15以下である。
(b2)成分の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の飽和もしくは不飽和脂肪酸又はその低級アルキルエステル;牛脂、豚脂、パーム油、大豆油、ナタネ油、サフラワー油、ヒマワリ油、オリーブ油等の天然油脂を分解・精製して得られる脂肪酸又はその低級アルキルエステル(好ましくはメチルエステル又はエチルエステル);並びにこれらの硬化脂肪酸、部分硬化脂肪酸又はそれらの低級アルキルエステル(好ましくはメチルエステル又はエチルエステル)等が挙げられ、これらの中でもオレイン酸、ステアリン酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸、パーム油脂肪酸、硬化パーム油脂肪酸、大豆脂肪酸、硬化大豆脂肪酸、及びこれらの低級アルキルエステルが好適である。
(b1)成分と(b2)成分のエステル化反応、アミド化反応又はエステル交換反応において(b1)成分のヒドロキシル基、及び1級〜2級アミノ基の合計モル数と(b2)成分である脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステルとのモル比(b1)/(b2)は、好ましくは1/0.54以上、より好ましくは1/0.52以上、更に好ましくは1/0.50以上、そして、好ましくは1/0.95以下、より好ましくは1/0.98以下、更に好ましくは1/1以下である。
(b1)成分と(b2)成分との反応において(b2)成分として脂肪酸を用いる場合には、エステル化及び/又はアミド化反応温度を140〜230℃で縮合水を除去しながら反応させることが好ましい。反応を促進させる目的から通常のエステル化触媒を用いても差し支えなく、例えば硫酸、燐酸などの無機酸、酸化錫、酸化亜鉛などの無機酸化物、テトラプロポキシチタンなどのアルコラートなどを選択することができる。反応の進行はJIS K0070−1992に記載の方法で酸価(AV)及び鹸化価(SV)を測定することで確認を行い、AVが好ましくは10mgKOH/g以下、より好ましくは6mgKOH/g以下となった時、反応を終了する。
(b1)成分と(b2)成分との反応において、(b2)成分として脂肪酸の低級アルキルエステルを用いる場合には、好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上、そして、好ましくは150℃以下の温度で、生成する低級アルコールを除去しながら反応を行う。反応促進のために水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどの無機アルカリや、メチラート及びエチラートなどのアルコキシ触媒を用いることも可能である。反応の進行はガスクロマトグラフィーなどを用いて脂肪酸低級アルキルエステルの量を直接定量することが好ましく、未反応脂肪酸低級アルキルエステルが仕込みの脂肪酸低級アルキルエステルに対してガスクロマトグラフィーチャート上で好ましくは10面積%以下、より好ましくは6面積%以下となったとき反応を終了させることが好ましい。得られる生成物は、SVが110〜210mgKOH/gであることが好ましく、130〜190mgKOH/gであることがより好ましい。
一般式(1)又は一般式(1−1)で表される化合物の4級化に用いられるアルキル化剤としては、メチルクロリド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等が挙げられる。アルキル化剤としてメチルクロリドを用いる場合には、特に溶媒を使用する必要はないが、溶媒を使用する場合は、エタノールやイソプロパノールなどの溶媒を、エステル化合物に対して10〜50質量%程度混合した溶液をチタン製のオートクレーブなどの加圧反応器に仕込み、密封下30〜120℃の反応温度でメチルクロリドを圧入させて反応させる。このとき、メチルクロリドの一部が分解し塩酸が発生する場合があるため、アルカリ剤を少量加えることで反応が効率よく進むため好適である。メチルクロリドと一般式(1)又は一般式(1−1)で表される化合物とのモル比は、一般式(1)又は一般式(1−1)で表される化合物のアミノ基1当量に対してメチルクロリドを1〜1.5倍当量用いることが好適である。
アルキル化剤としてジメチル硫酸、ジエチル硫酸を用いる場合には、特に溶媒を使用する必要はないが、溶媒を使用する場合、エタノールやイソプロパノールなどの溶媒を一般式(1)又は一般式(1−1)で表される化合物に対して10〜50質量%程度混合した溶液を40〜100℃に加熱混合し、ジメチル硫酸及び/又はジエチル硫酸を滴下して行う。ジメチル硫酸及び/又はジエチル硫酸と一般式(1)又は一般式(1−1)で表される化合物とのモル比は、一般式(1)又は一般式(1−1)で表される化合物のアミノ基1当量に対してジメチル硫酸及び/又はジエチル硫酸を0.9〜1.1倍当量、特に0.95〜0.99倍当量用いることが好ましい。
また、一般式(1)又は一般式(1−1)で表される化合物の中和に用いられる酸としては、無機酸及び有機酸が挙げられる。好ましい無機酸は、塩酸、硫酸、リン酸であり、好ましい有機酸は炭素数1〜10の1価又は多価のカルボン酸、又は炭素数1〜20の1価又は多価のスルホン酸、又は炭素数6〜36のアルキル硫酸エステル、又はポリオキシアルキレンアルキル(アルキル基の炭素数6〜36)硫酸エステルである。より好ましくはメチル硫酸、エチル硫酸、p−トルエンスルホン酸、(o−、m−、p−)キシレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、グリコール酸、クエン酸、安息香酸、サリチル酸、炭素数12〜36のアルキル硫酸エステル、又はポリオキシアルキレンアルキル(アルキル基の炭素数12〜36)硫酸エステルである。
本発明の柔軟剤組成物中、(B)成分の含有量は、柔軟性付与の観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上、そして、保存安定性の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
本発明の柔軟剤組成物中、(A)成分と(B)成分の質量比(B)/(A)は、柔軟性と吸水性付与の観点から、1/2以上、好ましくは2/3以上、より好ましくは1以上、そして、300以下、好ましくは100以下、より好ましくは50以下である。
本発明の柔軟剤組成物は、水を含有する液体組成物である。水は、脱イオン水、脱イオン水に次亜塩素酸塩を少量配合した滅菌した水、水道水などを用いることができ、組成物の残部の量(全体を100質量%とする量)で用いられる。
[(C)成分:界面活性剤]
本発明の液体柔軟剤組成物は、(C)成分として、(B)成分以外の界面活性剤を含有することが好ましく、非イオン界面活性剤〔〔以下、(C1)成分という〕及び(B)成分以外の陽イオン界面活性剤〔〔以下、(C2)成分という〕から選ばれる1種以上の界面活性剤を含有することがより好ましい。
(C1)成分の非イオン界面活性剤としては、下記(C11)成分、及び(C12)成分から選ばれる1種以上が挙げられる。
(C11)成分:下記一般式(3)で表される非イオン界面活性剤
c1−O−[(CO)(CO)]−H (3)
〔式中、Rc1は、炭素数8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは16以下のアルキル基又はアルケニル基である。s及びtは平均付加モル数であって、sは2以上、好ましくは10以上、そして、50以下、好ましくは40以下の数、tは0以上、好ましくは1以上、そして、5以下、好ましくは3以下の数である。(CO)と(CO)はランダム重合体又はブロック重合体であってもよい。〕
(C12)成分:下記一般式(4)で表される非イオン界面活性剤
Figure 0006820719
〔式中、Rc2は、炭素数8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは16以下のアルキル基又はアルケニル基である。Dは−N<又は−CON<であり、u及びvはそれぞれ独立に0以上、40以下の数であり、u+vは5以上、そして、60以下、好ましくは40以下の数である。Rc3、Rc4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1以上、3以下のアルキル基である。〕
(C2)成分の陽イオン界面活性剤としては、下記(C21)成分〜(C23)成分から選ばれる1種以上が好ましく、(C22)成分から選ばれる1種以上がより好ましい。塩は塩素塩が好ましい。
(C21)成分:アルキル基又はアルケニル基の炭素数が8以上11以下、好ましくは炭素数10の直鎖アルキル基のジ長鎖アルキル又はアルケニルジメチルアンモニウム塩
(C22)成分:アルキル基又はアルケニル基の炭素数が8以上11以下、好ましくは炭素数10の直鎖アルキル基のモノ長鎖アルキル又はアルケニルトリメチルアンモニウム塩
(C23)成分:アルキル基又はアルケニル基の炭素数が8以上22以下のモノ長鎖アルキル又はアルケニルベンジルジメチルアンモニウム塩
本発明の柔軟剤組成物は、(C)成分として、(C1)成分を含有することが好ましく、(C11)成分を含有することがより好ましい。
本発明の柔軟剤組成物中、(C)成分の含有量は、保存安定性の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、そして、経済性の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。この(C)成分の濃度制限において、(C11)成分の含有量は、本発明の柔軟剤組成物中、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。
[(D)成分:油剤]
本発明の液体柔軟剤組成物は、(D)成分として、油剤を含有することが好ましい。本発明において用いられる油剤は、繊維製品に更に優れた柔軟性能を付与するために用いられ、また(B)成分の加水分解抑制にも効果を有する。(D)成分としては、例えば、炭素数14以上の炭化水素、炭素数8以上18以下の脂肪酸と炭素数1以上8以下のアルコールとのエステルや炭素数14以上の脂肪族アルコールが挙げられ、具体的には、オクタデカン、流動パラフィン、ステアリルアルコール等が挙げられる。油剤のうち、(D)成分として、ヒドロキシ基を2個以上6個以下有する炭素数2以上10以下の多価アルコールと炭素数12以上24以下の脂肪酸とのエステル化合物を併用すると(B)成分の加水分解がより抑制されることから好ましく、具体的には、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。(D)成分である脂肪酸としては、柔軟性能向上の点から、パルミチン酸、ステアリン酸、及びこれらの混合物が好ましい。
本発明の柔軟剤組成物中、(D)成分の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
[(E)成分:キレート剤]
本発明の液体柔軟剤組成物は、水中の銅や鉄などの金属イオンやアルカリ土類金属イオンを捕捉するために、(E)成分として、キレート剤を含有することが好ましい。
本発明において用いられるキレート剤は、水中の銅や鉄などの金属イオンやアルカリ土類金属イオンを捕捉する目的以外に、本発明の液体柔軟剤組成物の保存安定性を向上させるためや柔軟剤組成物の変色や染料の褪色を抑制するためにも用いられる。
(E)成分としては、例えば、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン四酢酸、メチルグリシン二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、エチレンジアミン二コハク酸、L−グルタミン酸−N,N−二酢酸、N−2−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、クエン酸、コハク酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上が好ましく、更にはエチレンジアミン四酢酸、メチルグリシン二酢酸、クエン酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上がより好ましい。塩の場合はアルカリ金属塩が好ましい。これらのキレート剤は、後述するpH調整剤としての役割を果たす場合もある。なおメチルグリシン二酢酸、エチレンジアミン四酢酸及びそれらの塩は、染料の褪色抑制に効果的であり、少量で効果を発揮する。該有機酸はアルカリ金属塩であってもよい。
本発明の柔軟剤組成物中、(E)成分の含有量は、酸構造に仮定して、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
[(F)成分:無機電解質]
本発明の液体柔軟剤組成物は、(F)成分として、無機電解質を含有することが好ましい。(F)成分の無機電解質は、20℃の水100gに5g以上、溶解するものが好ましい。
(F)成分の無機電解質は、柔軟剤組成物を使用に適した粘度に調整するのに好ましく用いられる。例えば、(F)成分としては、陽イオンが、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる物質のイオンであり、陰イオンが、ハロゲン化合物及び硫酸塩から選ばれる物質のイオンである無機塩が挙げられる。従って本発明の組成物は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる物質の陽イオンとハロゲン化合物及び硫酸塩から選ばれる物質の陰イオンとの組合せを含有するものであってもよい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。ハロゲン化合物としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、が挙げられる。
(F)成分の無機電解質は、具体的には、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、及び硫酸マグネシウムから選ばれる1種以上の無機電解質が挙げられる。
本発明の柔軟剤組成物中、(F)成分の含有量は、無水換算で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。なお前記陽イオンと陰イオンとの組合せを含有する場合も無機電解質に換算された濃度で含有する。
[(G)水溶性有機溶剤]
本発明の柔軟剤組成物は、組成物の安定性や粘度の観点から、(G)成分として、水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。(G)成分としては、柔軟剤に配合することが知られている水溶性の有機溶剤が挙げられる。(G)成分について「水溶性有機溶剤」とは100gの20℃の脱イオン水に対して20g以上溶解することをいう。(G)成分としては、具体的には、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、モノエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、イソプロパノール、エタノール等を挙げることができる。好ましくはエチレングリコール及びエタノールから選ばれる1種以上の水溶性有機溶剤である。液体柔軟剤組成物の粘度が高い場合や相安定性を調整したいときは水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
本発明の液体柔軟剤組成物は、(G)成分を、好ましくは1.0質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下含有する。
[(H)香料組成物]
本発明の柔軟剤組成物は、組成物自体の賦香のためのみならず、繊維製品への賦香目的のために香料組成物を含有することが好ましい。
本発明において用いられる香料組成物は、柔軟剤組成物に対して消費者に高い嗜好性を与えるために用いられる。嗜好性とは、高揚感や鎮静感、爽快感、など単に心地良い感情を与える効果だけではなく、汗臭やタバコ臭、生乾き臭など不快なニオイを防臭する効果、冷涼作用や温熱作用、催眠作用、催淫作用、抗うつ作用、抗菌作用、ダイエット作用など機能的な効果についても含み得る。香料成分としては、例えば「香料と調香の基礎知識、中島基貴 編著、産業図書株式会社発行、2005年4月20日 第4刷」に記載の香料、特表平10−507793号公報記載の香料を使用することができる。
(H)成分の香料組成物には、香りの持続性、残香性を目的として、香料をマイクロカプセル化して配合してもよい。香料のマイクロカプセルは、芯物質の香料を壁材で包んだ球状物質であり、その役割は芯物質の香料を保護し、カプセルに物理的な力が加わった際にカプセルの壁が破れて芯物質の香料を放出するものである。
また、香りの持続性、残香性を目的として、ケイ酸と、香料として用いられるアルコール(以下、「アルコール性香料」という。)とのエステル、例えば、特開2009−256818号公報の一般式(1)で表される化合物などを用いることができる。
[その他任意成分]
本発明の柔軟剤組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、例えば、分子内にフェノール基を有する酸化防止剤である。分子内にフェノール基を有する酸化防止剤は、香料の臭いの変化を抑制する為に用いられる。酸化防止剤を香料と併用すると、臭いの変化を抑制できるが、酸化を受けたフェノール基を有する酸化防止剤が着色されることで、柔軟剤組成物の変色が促進されることから、酸化防止剤の配合量は、酸化の影響を受けやすい香料成分とその含有量とともに、十分に確認した上で使用される。
入手の容易性の点から、分子内にフェノール基を有する酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール及びブチルヒドロキシアニソールから選ばれる1種又は2種以上の酸化防止剤が好ましい。変色抑制の点から、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノールから選ばれる1種又は2種以上の酸化防止剤が好ましい。
酸化防止剤は(B)成分などの他の基材の保存安定性のために配合されていることがあり(B)成分を配合することで、本発明の柔軟剤組成物に混入することもある。
本発明の柔軟剤組成物には、美観のため、或いは基材由来の色や着色のマスキングのための染料を含有してもよい。染料は、柔軟剤組成物に対して消費者に高い嗜好性を与えるために用いられる。例えば、カラーインデックス酸性赤色染料、カラーインデックス酸性黄色染料及びカラーインデックス酸性青色染料から選ばれる1種又は2種以上の染料である。
カラーインデックス酸性赤色染料の具体例としては、C.I.Acid Red 18C.I.Acid Red 27、C.I.Acid Red 52、C.I.Acid Red 82、C.I.Acid Red 114、C.I.Acid Red 138、C.I.Acid Red 186が挙げられる。
カラーインデックス酸性黄色染料の具体例としては、C.I.Acid Yellow 1 、C.I.Acid Yellow 7、C.I.Acid Yellow 23、C.I.Acid Yellow 141が挙げられる。
カラーインデックス酸性青色染料の具体例としては、C.I.Acid Blue 5、C.I.Acid Blue 9、C.I.Acid Blue 74が挙げられる。
なお、本発明では、これら以外の染料を使用することもできる。それらの染料としては、アルコキシル化アントラキノン高分子着色剤、アルコキシル化トリフェニルメタン高分子着色剤、アルコキシル化チオフェン高分子着色剤が挙げられる。
染料はキレート剤と併用することで、香料又は香料及び酸化防止剤を含有する柔軟剤組成物の変色を抑制することが出来る。変色抑制の点で、カラーインデックス酸性赤色染料、及びカラーインデックス酸性黄色染料から選ばれる1種又は2種以上の染料が好ましい。もっとも効果的なキレート剤は、エチレンジアミン4酢酸、メチルグリシン二酢酸又はそれらのアルカリ金属塩である。
本発明において用いられる防腐剤は、柔軟剤組成物に防腐性を与えるために用いられる。例えば、ビグアニド系化合物、イソチアゾリン系化合物、イソチアゾリノン系化合物が挙げられる。具体例としては、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが挙げられ、それぞれ市販品として、「プロキセルIB」、「ケーソンCG」、「プロキセルBDN」を用いることもできる。
本発明には場合により、或いは繊維製品への触感に新たな印象を加えるためにシリコーン化合物を含有することができる。シリコーン化合物は、繊維製品に更に優れた柔軟性能を付与するために用いられる。例えば、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、及びアミノ変性シリコーンなどが挙げられる。柔軟効果の観点から、中でもジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンが好ましく、ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーンがより好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
本発明には重合性モノマーを重合してなる構成単位を有する、柔軟剤に配合することが知られている、(A)成分以外のポリマー化合物を本発明の効果に影響しない程度で含有することができる。ポリマー化合物は、柔軟剤組成物の粘度調整や、柔軟剤仕上げ時の残存洗剤成分を捕捉するために用いられる。
本発明の液体柔軟剤組成物のpHは、保存安定性の観点から、25℃で、好ましくは2以上であり、そして、好ましくは7以下、より好ましくは5以下、より好ましくは4以下である。pHはJIS K 3362;2008の項目8.3に従って25℃において測定した値を採用する。
本発明の柔軟剤のpHの調製に用いられるpH調整剤は、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、乳酸、グリコール酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、プロピオン酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、クロトン酸、ベンゼンカルボン酸、パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、メタキシレンスルホン酸、ポリアクリル酸等の有機酸や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン等の無機塩基、もしくは有機塩基が挙げられる。pH調整剤は、液体柔軟剤組成物のpHが前記範囲となるように用いられるのが好ましい。
本発明の液体柔軟剤組成物の粘度は、使用時の取り扱い性の点から、30℃で、好ましくは50mPa・s以下、より好ましくは45mPa・s以下、更に好ましくは40mPa・s以下、より更に好ましくは35mPa・s以下、そして、好ましくは5mPa・s以上である。粘度は、30℃の液体柔軟剤組成物を、B型粘度計(型番;TVB−10東機産業株式会社製、No.2のローターを使用、60r/min)で測定したものであり、攪拌開始から1分後の値を採用する。
本発明の液体柔軟剤組成物は、乳濁状態であってよい。本発明において、乳濁状態の液体柔軟剤組成物とは、配合成分が液体柔軟剤組成物中で可視光を散乱する程度の大きな粒子を形成することで、可視光を散乱し、目視上濁った状態の液体柔軟剤組成物を表す。具体的には、測定セルとして光路長10mmのガラスセルを使用し、対照セルにイオン交換水を入れた際に、紫外可視分光光度計を用いて測定された、試料の可視光線透過率(波長660nm)が25%未満である液体柔軟剤組成物を表す。
本発明の液体柔軟剤組成物は、衣料、寝具、布帛、糸、その他の布製品などの繊維製品用として好適である。
<繊維>
本発明の柔軟剤組成物で処理する繊維は、疎水性繊維、親水性繊維のいずれでも良いが、本発明の効果をより実感しやすい観点から、親水性繊維が好ましい。
疎水性繊維としては、例えば、タンパク質系繊維(牛乳タンパクガゼイン繊維、プロミックスなど)、ポリアミド系繊維(ナイロンなど)、ポリエステル系繊維(ポリエステルなど)、ポリアクリロニトリル系繊維(アクリルなど)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロンなど)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニルなど)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(ビニリデンなど)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリウレタン系繊維(ポリウレタンなど)、ポリ塩化ビニル/ポリビニルアルコール共重合系繊維(ポリクレラールなど)、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維(ベンゾエートなど)、ポリフルオロエチレン系繊維(ポリテトラフルオロエチレンなど)、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリコーンカーバイト繊維、岩石繊維(ロックファイバー)、鉱滓繊維(スラッグファイバー)、金属繊維(金糸、銀糸、スチール繊維)等が例示される。
親水性繊維としては、例えば、種子毛繊維(綿、もめん、カポックなど)、靭皮繊維(麻、亜麻、苧麻、大麻、黄麻など)、葉脈繊維(マニラ麻、サイザル麻など)、やし繊維、いぐさ、わら、獣毛繊維(羊毛、モヘア、カシミヤ、らくだ毛、アルパカ、ビキュナ、アンゴラなど)、絹繊維(家蚕絹、野蚕絹)、羽毛、セルロース系繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートなど)等が例示される。
本発明の柔軟剤組成物で処理した後の繊維の柔らかさ及び吸水性が、より実感しやすい観点から、繊維は木綿等のセルロース及び再生セルロースを含む繊維であることが好ましい。繊維中のこれらの含有量は、より繊維の柔らかさ及び吸水性が、より実感しやすい観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは100質量%である。
本発明の柔軟剤組成物を用いて繊維製品の柔軟処理をする方法としては、例えば、柔軟剤組成物の原液又は希釈液に繊維製品を浸漬する方法や、或いはスプレーヤ付き容器に該組成物の原液又は希釈液を充填して繊維製品に噴霧し乾燥させる方法や、該組成物の原液又は希釈液を洗濯機の濯ぎ工程に添加して、繊維製品に柔軟性を付与することもできる。
以下に、本発明を実施例等に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
<製造方法>
〔(A)成分〕
合成例1A(A−1)
2Lのセパラブルフラスコに、[2−(メタクロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロライド(以下、QDMという場合もある。)80%水溶液(Sigma-Aldrich社製)12.5gとメタクリル酸メチル(以下、MMAという場合もある。)(和光純薬工業(株)製)90.0g、エタノール180.0g(和光純薬工業(株)製)、イオン交換水417.5gを量りとり、3つ口の蓋と撹拌翼、温度計、コンデンサー(循環冷却器を用いて、7℃の水を循環させた)を取り付けた。これを室温下、200rpmで5分間の撹拌を行うと共に、フラスコ内を20分間窒素置換した。次いで、フラスコを72℃のバスで加熱し、内温が70℃に到達後、更に10分間の撹拌を行った。これに開始剤水溶液[2,2’-アゾビス(2―メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業(株)製)0.5gをイオン交換水5gに溶解]をスポイトで添加して内温70℃、3時間の重合を行った。その後、内温75℃まで昇温して3時間の熟成を行い、ポリマーエマルションを得た。その後、得られたポリマーエマルションを下記の精製方法に従って精製し、ポリマー粒子を得た。得られたポリマー粒子は、QDM(モノマー(a1))、MMA(モノマー(a2))由来の構成単位からなる2元系高分子重合体であり、ポリマー粒子中のモノマー(a1)由来の構成単位とモノマー(a2)由来の構成単位の割合は、NMR法により、それぞれ0.9質量%、99.1質量%であった。またモノマー(a1)由来の構成単位とモノマー(a2)由来の構成単位の質量比(a1)/(a2)は、NMR法により0.009であった。また得られたポリマー粒子の平均粒径を下記の測定方法で測定したところ、178nmであった。
なお、ポリマー粒子中の各構成単位の割合、及び構成単位の質量比(a1)/(a2)は、NMR法により測定した。詳しくは、重クロロホルム(CDCl)/重メタノール(CDOD)の質量比2/1の混合溶媒にポリマー粒子が5質量%になるように溶解させ、このポリマー溶液を核磁気共鳴装置(NMR:Agilent Technologies製400MHz)を用いてH−NMRの測定(積算回数32回)を行い、算出した。各構成単位の割合、及び構成単位の質量比(a1)/(a2)は、(a1)及び(a2)の特徴的なプロトンピークのピーク面積比から算出した。合成例1Aのポリマー粒子では、QDMの−C(=O)OCH−のプロトン、MMAの−C(=O)OCHのプロトンが示すピークより求めた。
得られたポリマーエマルションの精製は以下の方法により行った。
遠心分離用500mL PAボトルにポリマー粒子エマルション200gを量り取り、更にボトルを含めて450gとなるようにイオン交換水を添加した。このボトルを高速冷却遠心分離機(CR21GIII)にて12,000rpmで3時間の遠心分離を行った。次いで、得られた分離物の上澄みを除去し、同ボトルにイオン交換水100gを添加し、スパーテルで混ぜながら超音波振とう器(UT―206)を用いて沈降ポリマー粒子の水への再分散を行った。これに、ボトルを含めて450gとなるようにイオン交換水を添加し、再び12,000rpmで3時間の遠心分離を行った。この作業を2回繰り返した。最後に、得られた分離物の上澄みを除去し、同ボトルにイオン交換水100gを添加し、スパーテルで混ぜながら超音波振とう器(UT―206)を用いて沈降ポリマー粒子の水への再分散を行うことで精製ポリマー粒子エマルションを得た。
合成例2A(A−2)
2Lのセパラブルフラスコに、[2−(メタクロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロライド(QDM)80%水溶液(Sigma-Aldrich社製)12.5gとメタクリル酸メチル(MMA)(和光純薬工業(株)製)90.0g、イオン交換水597.5gを量りとり、3つ口の蓋と撹拌翼、温度計、コンデンサー(循環冷却器を用いて、7℃の水を循環させた)を取り付けた。これを室温下、200rpmで5分間の撹拌を行うと共に、フラスコ内を20分間窒素置換した。次いで、フラスコを72℃のバスで加熱し、内温が70℃に到達後、更に10分間の撹拌を行った。これに開始剤水溶液[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業(株)製)0.125gをイオン交換水5gに溶解]をスポイトで添加して内温70℃、3時間の重合を行った。その後、内温75℃まで昇温して開始剤水溶液[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業(株)製)0.375gをイオン交換水5gに溶解]をスポイトで添加して3時間の熟成を行い、ポリマーエマルションを得た。その後、得られたエマルションを前記の精製方法に従って精製し、ポリマー粒子を得た。得られたポリマー粒子は、QDM(モノマー(a1))、MMA(モノマー(a2))由来の構成単位からなる2元系高分子重合体であり、ポリマー粒子中のモノマー(a1)由来の構成単位とモノマー(a2)由来の構成単位の割合は、NMR法により、それぞれ0.7質量%、99.3質量%であった。またモノマー(a1)由来の構成単位とモノマー(a2)由来の構成単位の質量比(a1)/(a2)は、NMR法により、0.007であった。各構成単位及び構成単位の質量比は、QDMの−C(=O)OCH−のプロトン、MMAの−C(=O)OCHのプロトンが示すピークより求めた。また得られたポリマー粒子の平均粒径を下記の測定方法で測定したところ、592nmであった。
合成例3A(A−3)
2Lのセパラブルフラスコに、[2−(メタクロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロライド(QDM)80%水溶液(Sigma-Aldrich社製)12.5gとメタクリル酸メチル(MMA)(和光純薬工業(株)製)75.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート(EO平均付加モル数90モル)(以下、PEGMA(1)という場合もある。)(新中村化学工業(株)製)15.0g、イオン交換水587.5gを量りとり、3つ口の蓋と撹拌翼、温度計、コンデンサー(循環冷却器を用いて、7℃の水を循環させた)を取り付けた。これを室温下、200rpmで5分間の撹拌を行うと共に、フラスコ内を20分間窒素置換した。次いで、フラスコを72℃のバスで加熱し、内温が70℃に到達後、更に10分間の撹拌を行った。これに開始剤水溶液[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業(株)製)2.5gをイオン交換水20gに溶解]をスポイトで添加して内温70℃、3時間の重合を行った。その後、内温75℃まで昇温して3時間の熟成を行い、ポリマーエマルションを得た。その後、得られたエマルションを前記の精製方法に従って精製し、ポリマー粒子を得た。得られたポリマー粒子は、QDM(モノマー(a1))、PEGMA(1)(モノマー(a1))、MMA(モノマー(a2))由来の構成単位からなる3元系高分子重合体であり、ポリマー粒子中のモノマー由来の構成単位の割合は、NMR法により、それぞれ、QDM由来の構成単位の比率が1.3質量%、PEGMA(1)由来の構成単位の比率が11.2質量%及びMMA由来の構成単位の比率が87.5質量%であった。また質量比(a1)/(a2)は、NMR法により、0.14であった。各構成単位及び構成単位の質量比は、QDMの−C(=O)OCH−のプロトン、PEGMA(1)の−C(=O)OCH−のプロトン、MMAの−C(=O)OCHのプロトンが示すピークより求めた。また得られたポリマー粒子の平均粒径を下記の測定方法で測定したところ、166nmであった。
合成例4A(A−4)
1Lのセパラブルフラスコに、[2−(メタクロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロライド(QDM)80%水溶液(Sigma-Aldrich社製)12.5gとメタクリル酸メチル(MMA)(和光純薬工業(株)製)75.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート(EO平均付加モル数45モル)(PEGMA(2))(新中村化学工業(株)製)15.0g、イオン交換水597.5gを量りとり、3つ口の蓋と撹拌翼、温度計、コンデンサー(循環冷却器を用いて、7℃の水を循環させた)を取り付けた。これを室温下、200rpmで5分間の撹拌を行うと共に、フラスコ内を20分間窒素置換した。次いで、フラスコを72℃のバスで加熱し、内温が70℃に到達後、更に10分間の撹拌を行った。これに開始剤水溶液[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業(株)製)2.5gをイオン交換水20gに溶解]をスポイトで添加して内温70℃、3時間の重合を行った。その後、内温75℃まで昇温して3時間の熟成を行い、ポリマーエマルションを得た。その後、得られたエマルションを前記の精製方法に従って精製し、ポリマー粒子を得た。得られたポリマー粒子は、QDM(モノマー(a1))、PEGMA(2)(モノマー(a1))、MMA(モノマー(a2))由来の構成単位からなる3元系高分子重合体であり、ポリマー粒子中のモノマー由来の構成単位の割合は、NMR法により、それぞれ、QDM由来の構成単位の比率が2.5質量%、PEGMA(2)由来の構成単位の比率が9.4質量%及びMMA由来の構成単位の比率が88.1質量%であった。またモノマー(a1)由来の構成単位とモノマー(a2)由来の構成単位の質量比(a1)/(a2)は、NMR法により、0.14であった。各構成単位及び構成単位の質量比は、QDMの−C(=O)OCH−のプロトン、PEGMA(2)の−C(=O)OCH−のプロトン、MMAの−C(=O)OCHのプロトンが示すピークより求めた。また得られたポリマー粒子の平均粒径を下記の測定方法で測定したところ、171nmであった。
合成例5A(A−5)
1Lのセパラブルフラスコに、[2−(メタクロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロライド(QDM)80%水溶液(Sigma-Aldrich社製)12.5gとメタクリル酸メチル(MMA)(和光純薬工業(株)製)13.5g、メタクリル酸ブチル(以下、BMAという場合もある。)(和光純薬工業(株)製)76.5g、イオン交換水597.5gを量りとり、3つ口の蓋と撹拌翼、温度計、コンデンサー(循環冷却器を用いて、7℃の水を循環させた)を取り付けた。これを室温下、200rpmで5分間の撹拌を行うと共に、フラスコ内を20分間窒素置換した。次いで、フラスコを72℃のバスで加熱し、内温が70℃に到達後、更に10分間の撹拌を行った。これに開始剤水溶液[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業(株)製)1.0gをイオン交換水10gに溶解]をスポイトで添加して内温70℃3時間の重合を行った。その後、内温75℃まで昇温して3時間の熟成を行い、ポリマーエマルションを得た。その後、得られたエマルションを前記の精製方法に従って精製し、ポリマー粒子を得た。得られたポリマー粒子は、QDM(モノマー(a1))、MMA(モノマー(a2))、BMA(モノマー(a2))由来の構成単位からなる3元系高分子重合体であり、ポリマー粒子中のモノマー由来の構成単位の割合は、NMR法により、それぞれ、QDM由来の構成単位の比率が2.4質量%、MMA由来の構成単位の比率が12.4質量%及びBMA由来の構成単位の比率が85.2質量であった。またモノマー(a1)由来の構成単位とモノマー(a2)由来の構成単位の質量比(a1)/(a2)は、0.025であった。各構成単位及び構成単位の質量比は、QDMの−C(=O)OCH−のプロトン、MMAの−C(=O)OCHのプロトン、BMAの−C(=O)OCH−のプロトンが示すピークより求めた。また得られたポリマー粒子の平均粒径を下記の測定方法で測定したところ、175nmであった。
〔(A’)成分(A成分の比較成分)〕
比較合成例1A’(A’−1)
500mLビーカーに、[2−(メタクロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロライド(QDM)80%水溶液(Sigma-Aldrich社製)167.5gとイオン交換水48.8gを量りとり、スターラーにて均一なモノマー水溶液を調製した。また、50mLビーカーに2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業(株)製)0.7gをイオン交換水30.2gに溶解をさせ、開始剤水溶液を調製した。一方、反応槽として1Lのセパラブルフラスコに、イオン交換水201.7gを量りとり、5つ口の蓋と撹拌翼、温度計、コンデンサー(循環冷却器を用いて、7℃の水を循環させた)、500mL滴下ロートおよび50mL滴下ロートを取り付けた。これを室温下、150rpmで5分間の撹拌を行うと共に、フラスコ内を20分間窒素置換した。次いで、フラスコを72℃のバスで加熱し、内温が70℃に到達後、更に10分間の撹拌を行った。予め調製したモノマー水溶液および開始剤水溶液を反応槽の滴下ロートに投入し、モノマー水溶液および開始剤水溶液を2時間掛けて滴下し、内温70℃で重合を行った。その後、内温を70℃で10時間撹拌した。次いで、内温が室温まで下げ、得られたポリマー溶液を1Lナスフラスコに移しかえ、エバポレーターにてポリマー濃度35質量%となるまで濃縮し、ポリマー水溶液を得た。
<平均粒径の測定方法>
得られた各ポリマー粒子の平均粒径は、各ポリマー粒子をイオン交換水で固形分0.3wt%に希釈し、粒子径・ゼータ電位測定装置ゼータサイザーナノZS(マルバーン社製)を用いて測定した。
〔(B)成分〕
合成例1B(B−1)
パーム油を原料とした酸価206.9mgKOH/gの脂肪酸と、トリエタノールアミンとを、反応モル比1.65/1(脂肪酸/トリエタノールアミン)で、脱水縮合反応させて、N,N−ジアルカノイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチルアミンを主成分とする縮合物を得た。
次にこの縮合物のアミン価を測定し、該縮合物に対してジメチル硫酸を0.95当量用い、4級化を行ない、N,N−ジアルカノイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェートを主成分とし、エタノールを10質量%含有する第4級アンモニウム塩混合物を得た(以下、(B−1)という)。但し、ここでいう“アルカノイル”の用語には、アルカノイルがパーム油原料の脂肪酸残基であるため、飽和脂肪酸以外に不飽和脂肪酸由来の残基、例えばアルケノイル等も含むものとする。また、前記縮合物及び(B−1)を得るための調製手順や反応条件は、特開2010−209493号公報の合成例2に従って行った。
(B−1)の第4級アンモニウム塩は3つのヒドロキシエチル基と脂肪酸とのエステル化数の異なるモノエステル構造体、ジエステル構造体、及びトリエステル構造体の混合物であり、混合物中のモノエステル構造体の割合は30質量%、ジエステル構造体の割合は55質量%、トリエステル構造体の割合は15質量%であった。(B−1)は、4級化率が92質量%であり、モノエステル構造体、ジエステル構造体、トリエステル構造体、エタノール以外に、ジエステル構造体及びトリエステル構造体の3級アミン化合物、微量のトリエタノールアミン及びその4級化物、並びに微量の脂肪酸を含んでいた。
なおモノエステル構造体、ジエステル構造体、及びトリエステル構造体の割合、並びにその他成分の分析は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用い下記条件により測定した。
<HPLC条件>
カラム:Inertsil NH2 5μm(4.6×250mm) 室温(25℃)
移動相:0.05質量/容量%TFA (テトラフルオロ酢酸)ヘキサン:MeOH(メタノール):THF(テトラヒドロフラン)=85:10:5(容量比)
流速:測定開始から10分までは0.8mL/min、測定開始から10分超11分までは均一に1.2mL/minまで速度を上げ、11分超55分までは1.2mL/min、測定開始から55分超60分までは0.8mL/min
注入:20μL
検出:CAD
合成例2B(B−2)
1L4つ口フラスコにパーム油を原料とした、酸価206.9mgKOH/gの脂肪酸と、N−ヒドロキシエチル−N−アミノプロピル−N−メチルアミンとを反応モル比が1.8/1(脂肪酸/アミン)で混合した溶液500gを仕込み、攪拌下窒素を導入し、生成する水を脱水管で系外に除去しながら3時間かけて180℃まで加熱した。180〜230℃の温度でさらに10時間保持し、反応物の一部を採取し、AV(酸化価)を測定し、AV=2.0以下であることを確認した後、室温まで冷却し、N−アルカノイルアミノプロピル−N−アルカノイルオキシエチル−N−メチルアミン(アシル基はパーム油脂肪酸組成)を主成分とする縮合物を得た。
このアミンに対して当量の塩酸で中和し、N−アルカノイルアミノプロピル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアミンの塩酸塩15質量%と、N−アルカノイルアミノプロピル−N−アルカノイルオキシエチル−N−メチルアミンの塩酸塩85質量%との混合物を得た。各濃度はHPLC法によって測定した。
<柔軟剤組成物の調製>
表2に示す配合組成となるように各成分を混合することにより、液体柔軟剤組成物を調製した。具体的には、以下の通りである。
300mLビーカーに、乳濁状態の液体柔軟剤組成物のでき上がり質量が200gとなるのに必要な量の90質量%相当量のイオン交換水と、(G)成分、(E)成分を入れ、ウォーターバスを用いてイオン交換水の温度を60±2℃に調温した。これらの成分がイオン交換水中に均一に溶解するように、必要に応じて下記の攪拌羽根を用いて攪拌した。
60±2℃の温度に調温した上記成分を含むイオン交換水を、直径が5mmの攪拌棒の回転中心軸を基準として、長辺が90度方向になるように配置された撹拌羽根(羽根の数:3枚、羽根の長辺/短辺:3cm/1.5cm、羽根の設置:回転面に対して45度の角度)で撹拌(300r/m)しながら、65℃で(A)成分、(C)成分、(D)成分とともに加熱溶解させた(B)成分を3分間掛けて投入した。投入終了後に15分間撹拌した。
(F)成分の10質量%水溶液を投入し、10分間攪拌した。5℃のウォーターバスを用いて、内容物の温度が30±2℃になるまで冷却した。冷却後、(H)成分を投入し5分間攪拌した。出来上がり質量(200g)となるようにイオン交換水を加え、5分間攪拌した。
ここで表2に示した(C)成分〜(H)成分は以下の通りである。
〔(C)成分〕
C−1:非イオン界面活性剤(オキシエチレン基の平均付加モル数が20モルであるポリオキシエチレンラウリルエーテル)
〔(D)成分〕
D−1:ペンタエリスリトールステアリン酸エステル(エキセパールPEMS、花王(株))
D−2:グリセロールステアリン酸エステル(エキセル 150SF、花王(株))
〔(E)成分〕
E−1:メチルグリシン二酢酸3Na(トリロンMリキッド、BASFジャパン(株)製)(有効分のメチルグリシン二酢酸3Naが酸構造と仮定して表2の値となるように用いた。)
E−2:エチレンジアミン四酢酸(KK−07、中部キレスト(株)製)(有効分のエチレンジアミン四酢酸が表2の値となるように用いた。)
〔(F)成分〕
F−1:塩化カルシウム
〔(G)成分〕
G−1:エチレングリコール
〔(H)成分〕
H−1:表1に示される香料組成物h1
H−2:表1に示される香料組成物h2
Figure 0006820719
<繊維処理方法>
市販のタオル、即ち、木綿100%、大きさが約34cm×82cm、秤量が約75g/1枚のものを用意した。洗浄用界面活性剤としてラウリルアルコールエチレンオキサイド8モル付加物の10質量%分散液を調製し、これを洗剤として用いて全自動洗濯機で該木綿タオルを3回繰り返し洗濯後、洗剤を加えずに2回繰り返し洗濯を行い、自然乾燥させたものを試験布とした。
次に、上記方法で調製した各液体柔軟剤組成物の水分散液を、(B)成分の量が、試験布に対して0.1質量%になるように計りとり、ミニ洗濯機(松下製MiniMini washer NA−35)に試験布の3000質量%の水と共に加えて1分間撹拌した後、上記の方法で処理した試験布2枚を投入して20℃で、5分間の処理操作を行った。その後、脱水操作(2分間)を行い、ふり捌きを行ってから23℃、40%RHの条件で乾燥させた後、柔軟性の評価、弾力性の評価および拭き取り性の評価を行った。
<柔軟性能評価>
柔軟性能の評価は、5人の熟練試験者が対照布を基準として一対比較を行い、次の基準で評価し、0.5点刻み(例えば1.5又は2.5という評価点)で5人が評価した点数の平均値を評価値とした。
対照布は、試験布を試験布に対して3000質量%の水のみで処理したものと、比較例3の(B)成分の量を、試験布に対する質量比を変えて処理したものを作製した。なお処理操作は、実施例と同様である。
結果を表2に示す。評価点が、3点以上であれば、繊維に対して良好な柔軟性付与効果を保持しているといえる。
1点:水のみで処理した試験布と同等の柔らかさ
2点:(B)成分を試験布に対して0.025質量%として処理した試験布と同等の柔らかさ
3点:(B)成分を試験布に対して0.05質量%として処理した試験布と同等の柔らかさ
4点:(B)成分を試験布に対して0.075質量%として処理した試験布と同等の柔らかさ
5点:(B)成分を試験布に対して0.1質量%として処理した試験布と同等の柔らかさ
6点:(B)成分を試験布に対して0.125質量%として処理した試験布と同等の柔らかさ
<弾力感の評価>
弾力感の評価は、各液体柔軟剤組成物で処理した試験布を、8つ折りにして、このものに対して手で圧縮操作を3回繰り返した後のタオルの形状の回復性を次の基準で評価した。評価は2人の熟練試験者が行い、2人の相談により下記評価を決定した。結果を表2に示す。
○:ほぼ(80%以上)形状が回復する。
△:半分程度(50%以上)形状が回復する。
×:殆ど回復しない。
<吸水性評価>
試験布の吸水性評価として、試験布の拭き取り性能を評価した。拭き取り性能の評価は、5人の熟練試験者が対照布を基準として一対比較を行い、下記の1点及び5点を評価基準として固定し、その間の数値を0.5点刻みで評価し5人の平均点を評価値とした。
評価方法は、水道で濡らした手を試験布で拭き取ることで行った
対照布は、試験布を試験布に対して3000質量%の水のみで処理したものと、比較例3の(B)成分の量を、試験布に対して0.1質量%として処理したものを作製した。なお処理操作は、実施例と同様である。結果を表2に示す。評価点が大きいほうが、吸水性付与効果(拭き取り性)が高いといえるため好ましい。評価点が、2.5点以上であれば、拭き取り性が良好なレベルといえる。
1点:(B)成分を試験布に対して0.1質量%として処理した試験布と同等の拭き取り性
5点:水のみで処理した試験布と同等の拭き取り性
Figure 0006820719

Claims (6)

  1. 下記(A)成分、(B)成分及び水を含有する液体柔軟剤組成物であって、(A)成分と(B)成分の質量比(B)/(A)が1/2以上300以下である、液体柔軟剤組成物。
    (A)成分:陽イオン性基、及びエステル基以外の親水性の非イオン性基の少なくとも何れかの有機基を含み、重合性不飽和結合を含む炭化水素部分を除いて炭素数5以上の炭化水素基を含まないモノマー(以下、モノマー(a1)という)由来の構成単位と、
    エステル基以外の親水性の非イオン性基及びイオン性基を含まず、重合性不飽和結合を含む炭化水素部分を除いて炭素数1以上10以下の炭化水素基を含むモノマー(以下、モノマー(a2)という)由来の構成単位
    を含有し、(A)成分中、モノマー(a1)由来の構成単位の割合が0.01質量%以上50質量%以下、モノマー(a2)由来の構成単位の割合が50質量%を超え99.99質量%未満である、平均粒径が10nm以上1000nm以下のポリマー粒子
    (B)成分:エステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい、窒素原子に結合する総炭素数12以上29以下の鎖式炭化水素基を1つ以上3つ以下含み、残りの窒素原子に結合する有機基が炭素数1以上3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である第3級アミン化合物、該第3級アミン化合物の酸塩、及び該第3級アミン化合物の4級化物から選ばれる1種以上の陽イオン性化合物
  2. (A)成分のモノマー(a1)由来の構成単位中、陽イオン性基が、アミノ基及び4級アンモニウム基から選ばれる1種以上であり、エステル基以外の親水性の非イオン性基が、ヒドロキシ基、オキシエチレン基及びアミド基から選ばれる1種以上である、請求項1記載の液体柔軟剤組成物。
  3. (A)成分のモノマー(a1)が、下記一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)で表される化合物から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の液体柔軟剤組成物。
    Figure 0006820719

    [式中、Ra1は水素原子又はメチル基を示し、Ra2及びRa3は同一又は異なって、炭素数1以上4以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Ra4は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示し、Yは−O−、−NH−又は−O−CHCH(OH)−で表される基を示し、Zは炭素数1以上4以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、Xは酸の共役塩基、ハロゲンイオン又は炭素数1以上4以下のアルキルサルフェート基を示す。]
    Figure 0006820719

    [式中、Ra5及びRa6は同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示し、Ra7及びRa8は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示し、X-は前記の意味を示す。]
    Figure 0006820719

    [式中、Ra9は水素原子又はメチル基を示し、Ra10は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。Mは−O−、−NH−又は−O−CHCH(OH)−で表される基を示し、Qは炭素数1以上4以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基又はアルキレンオキシ基を示し、lは0又は1の数を示す。EOはエチレンオキシ基、AOはプロピレンオキシ基又はブチレンオキシ基であって、EOとAOはブロック結合又はランダム結合であってもよく、mとnは平均付加モル数であってmは0以上200の数、nは0以上5以下の数である。但しMが−NH−の時、l、m、nが同時に0であることはない。]
    Figure 0006820719

    [式中、Ra11は水素原子又はメチル基を示し、Ra12及びRa13は独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。]
  4. (A)成分のモノマー(a2)が、下記一般式(V)で表される化合物である、請求項1〜の何れか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
    Figure 0006820719

    [式中、Ra14は水素原子又はメチル基を示し、Ra15は炭素数1以上10以下の炭化水素基又はフェニル基を示す。Wは−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、又は−C(=O)−O−CHCH(CH)−O−で表される基を示し、pは0又は1の数を示す。]
  5. (B)成分が、下記一般式(1)、及び一般式(2)で表される化合物から選ばれる1種以上である請求項1〜の何れか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
    Figure 0006820719

    〔式中、Rb1、Rb2及びRb3は、それぞれ独立にエステル基、アミド基及び/又はエーテル基で分断されていてもよい総炭素数12以上29以下の炭化水素基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1以上3以下のアルキル基であるが、Rb1、Rb2及びRb3のうち少なくともひとつはエステル基及び/又はアミド基で分断されている総炭素数12以上29以下の炭化水素基である。Rb4は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、Tは、有機又は無機の陰イオン基である。〕
  6. (A)成分を0.01質量%以上10質量%以下、(B)成分を5質量%以上30質量%以下含有する、請求項1〜の何れか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
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