JP6820538B2 - 電子機器用パネル部材の製造方法及び電子機器用パネル部材 - Google Patents

電子機器用パネル部材の製造方法及び電子機器用パネル部材 Download PDF

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Description

本開示は、電子機器、特に、例えばノート型パーソナルコンピュータ(以下、適宜、「ノートパソコン」と略称する)などの電子機器に用いられるパネル部材及びその製造方法に関する。
周知のように、例えばパーソナルコンピュータや情報端末機器などの電子機器、特に、所謂タブレット型やノート型のパーソナルコンピュータ及びタブレット型の携帯式情報端末機などの持ち運び可能な電子機器では、筐体等に用いるパネル部材について、薄型化及び軽量化を達成しつつ所要の機械的強度や剛性の向上を図るために、様々な工夫がなされている。
例えば、特許文献1には、樹脂や金属で形成された第1層及び第2層と、両者間に挟み込まれた炭素繊維層とで3層の積層構造に形成され、均一な板厚を有する筐体パネルが開示されている。パネル部材がこのような積層構造を備えることにより、比較的薄型軽量でも所要の曲げ強度を確保することができる、とされている。
特開2012−169347号公報
また、上記のように板厚を均一に形成した薄板状のパネル部材に対して、例えば、略平行に延設された複数の段差部により凸状に隆起した隆起部を薄板状の筐体パネルに設けることで、当該パネルを自動車のボンネットに類似した基本構成とし、薄型でありながら所要の剛性を確保するように構成することが知られている。このような隆起部をパネルに設ける場合、隆起部分の板厚は周辺部分の板厚とできるだけ均一になるように設定されるのが普通である。
すなわち、前記のようなボンネット型の基本構成を備えたパネルを製作する場合、金属材料を用いた鋳造あるいは樹脂材料を用いた成形などの造形法が幅広く採用されているが、これらの造形法では、板厚が均一ではなく、部分的に厚肉化した偏肉箇所があると、周辺の薄板部分との間で湯流れ速度にバラツキが生じ易くなり、成形時の材料溶湯の湯流れ速度にバラツキが生じ易くなり、鋳造品や成形品に、所謂「ヒケ」(部分的な窪み)や「ボイド」(部分的な空洞)等の欠陥が生じ易くなるからである。
本願発明者等は、比較的薄型軽量でありながらより一層剛性の高い電子機器用パネル部材の研究開発を重ねる中で、剛性向上のために隆起部を設けることで偏肉部分が生じる場合についても、パネル部材を3層の積層構造とすることにより、成形工程で偏肉部分に中間層が効果的に充填され、パネル部材の剛性がより高められることを見出した。
本開示は、比較的薄型軽量でありながらより一層剛性の高い電子機器用パネル部材及びその製造方法を提供することを、基本的な目的としてなされたものである。
このため、本開示における電子機器用パネル部材の製造方法は、(a)パネル表面側を形成すべき第1層と、パネル裏面側を形成すべき第2層と、前記第1層と前記第2層との間に位置すべき中間層とを用意するステップと、(b)全体としては略均一な間隔であるが、所定部分に周辺領域よりも間隔が大きい部分を備えた成形キャビティを、型締め状態で形成する一対の成形型を用意するステップと、(c)前記第1層と中間層と第2層とを3層に積層して、型開き状態の前記一対の成形型の間に配置するステップと、(d)次に、前記一対の成形型を型締めして加熱状態で加圧するステップと、(e)次に、前記一対の成形型を型開きして、前記第1層及び第2層と両層間に挟まれた中間層とで3層の積層構造を有し、全体としては略平板状であるが、前記中間層の所定部分に周辺領域よりも板厚が厚い偏肉部を備えている成形品を、前記一対の成形型の間から取り出すステップと、を備えていることを特徴としたものである。
また、本開示における電子機器用パネル部材は、第1層及び第2層と両層間に挟まれた中間層とで3層の積層構造を有して、全体としては略平板状に形成され、前記中間層の所定部分に周辺領域よりも板厚が厚い偏肉部を備えている、ことを特徴としたものである。
本開示における電子機器用パネル部材及びその製造方法によれば、比較的薄型軽量のパネル部材の剛性向上のために隆起部を設けることによって偏肉部分が生じる場合についても、パネル部材を3層の積層構造としたことにより、成形工程で偏肉部分に中間層が効果的に充填され、パネル部材の剛性をより高めることができる。
本開示の実施形態に係るノートパソコンの使用可能状態を示す全体斜視図; 前記ノートパソコンの不使用状態を示す全体斜視図; 前記ノートパソコンの不使用状態における背面側の全体斜視図; 前記ノートパソコンの第1筐体用のパネル部材を示す斜視図; 前記第1筐体用のパネル部材の平面図; 前記第1筐体用のパネル部材の断面構造を示す図で、図5のY6−Y6に沿った縦断面図; 図6のY7で表される要部を拡大して示す縦断面図; 本開示の実施形態に係るパネル部材の断面構造を模式的に示す縦断面図; 図8の断面構造の要部を拡大して示す縦断面図; 前記パネル部材の3層を模式的に示す縦断面図; 前記パネル部材の成形に用いる成形型を示す縦断面図; 前記パネル部材を成形した成形型を示す縦断面図; 成形後に周縁がプラスチックで覆われたパネル部材を示す縦断面図; 確認試験に用いたサンプルの断面構造を示す一連の断面図: 前記確認試験に用いた試験装置の平面図; 前記試験装置の側面図; 前記確認試験の試験結果を示すグラフ。
本開示における電子機器用パネル部材及びその製造方法は、上述の構成を基本として、以下のような態様をとることができる。すなわち、上述の電子機器用パネル部材の製造方法において、(f)前記成形品の周縁の所要部分をトリミング処理するステップと、(g)前記トリミング処理後の成形品をインサート材として、所定のプラスチック材料を用いてインサート成形し、前記成形品の少なくとも周縁を前記所定のプラスチック材料で被覆するステップと、を更に備えているようにしてもよい。
この構成によれば、前記成形品の少なくとも周縁を前記所定のプラスチック材料で被覆することにより、3層の積層構造を有する前記成形品の少なくとも周縁をより確実に封止することができる。
以上の場合において、前記第1層及び第2層は、繊維強化プラスチック材料及び金属材料の何れか一方の材料で形成されているようにしてもよい。
この構成によれば、パネル部材の表面及び裏面をそれぞれ形成する前記第1層及び第2層について、所要の強度や剛性及び表面特性を付与することができる。
また、以上の場合において、前記中間層は、熱可塑性プラスチック材料,熱可塑性発泡プラスチック材料及び熱硬化性発泡プラスチック材料で成るグループから選択された材料で形成されているようにしてもよい。
この構成によれば、中間層として選択した材料の熱可塑性や発泡性により、成形工程で偏肉部分に中間層が効果的に充填され、パネル部材の剛性をより高めることができる。
<実施の形態>
以下、適宜、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
また、以下の説明では、特定の方向を意味する用語(例えば、「上」、「下」、「左」、「右」、およびそれらを含む他の用語、「時計回り方向」、「反時計回り方向」)を使用する場合があるが、それらの使用は図面を参照した開示の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本開示は限定的に解釈されるべきものではない。
以下に説明する本開示の実施の形態は、所謂ノートパソコンに適用した場合を例にとったものである。
図1は、本実施の形態に係る電子機器としてのノートパソコンの使用可能状態を示す全体斜視図であり、図2は、このノートパソコンのキーボードの平面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るノートパソコンWは、例えば液晶式とされた表示画面13を有する表示部10と、該表示部10に入力される表示信号を生成し得る操作制御部20とを備えている。該操作制御部20は、入力装置としてのキーボード23、該キーボード23による入力操作等に基づいて表示部10へ出力する表示信号を生成する信号処理回路や中央演算処理装置(所謂CPU)、更にはそれらの周辺部品(何れも不図示)などを含むものである。また、ユーザ(使用者)がノートパソコンWを操作する操作状態において当該ユーザから見てキーボード23の手前側には、ユーザが手の平を置くことができるパームレスト25が位置し、このパームレスト25の中央部分にはタッチパッド26が配置されている。
図2及び図3に示されるように、前記表示部10は、表示部側の筐体11(第1筐体)に格納されてその周縁および背面が覆われており、一方、操作制御部20は操作制御部側の筐体21(第2筐体)に格納され、両筐体11,21は、ヒンジ機構3により開閉可能に結合されている。第1筐体11および第2筐体21は共に、平面視における全体としての基本形状が略長方形状に形成されている。尚、本明細書において、前記「長方形」とは、その一形態として「正方形」である場合を含むものである。
表示部10の背面を覆うようにして格納する前記第1筐体11には、特に外部からの圧力に対して表示部10を保護するに足る高い機械的強度および剛性が求められる。このため、第1筐体11は、薄型でありながら所要の剛性を確保すべく、図4に示すように、略平行に延設された複数の段差部Dにより凸状に隆起した隆起部Eを薄板状の筐体11に設けることで、自動車のボンネットに類似した基本構成を有する、所謂ボンネット型として構成されている。この場合、筐体11には前後方向に延びる平行な4本の段差部Dが設けられ、これら段差部Dにより、筐体11は2つの隆起部Eと3つの非隆起部Gとに区画されている。なお、図4は、第1筐体11のパネル部材を示したものであるが、図面表示等の複雑化を回避するために、このパネル部材についても、第1筐体を表す符号と同一の符号「11」を用いて表示するものとする。
本実施形態では、前記第1筐体11は、ボンネット型として隆起部を設けることで偏肉部分が生じても、剛性のより一層の向上を達成するために、パネル部材11を3層の積層構造としている。以下、このような3層の積層構造を備えたパネル部材及びその製造方法について説明する。
図8は、本実施形態に係るパネル部材31の断面構造を模式的に示す縦断面図であり、図9は図8の断面構造の要部を拡大して示す縦断面図である。また、図10は、前記パネル部材の3層を模式的に示す縦断面図である。
図8及び図9に示されるように、前記パネル部材30は、パネル表面側を形成する第1層31と、パネル裏面側を形成する第2層32と、これら第1層31と第2層32との間に挟まれた中間層33とで、3層に積層された積層構造を有するパネル部材として構成されている。
このパネル部材30の表面側を形成する第1層31は、略平行に延設された複数の段差部Dにより凸状に隆起した隆起部Eが薄板状の第1層31に設けられている。この場合、第1層31には前後方向に延びる平行な4本の段差部Dが設けられ、これら段差部Dにより、第1層31は、周縁部分を除いては、2つの隆起部Eと3つの非隆起部Gとに区画されている。一方、パネル部材30の裏面側を形成する第2層32は、周縁部分を除いては、全体が平坦に形成されている。以上の構成により、パネル部材30は、前述の第1筐体用パネル部材11と同様に、全体としては略平板状であるが、自動車のボンネットに類似した基本構成を有する所謂ボンネット型として構成されている。
本実施形態では、第2層32は全体が平坦に形成されている関係上、パネル部材30の前記隆起部Eに対応する部分は、従来のように板厚が周辺領域(非隆起部G)と均一ではなく、この周辺領域Gよりも板厚が厚く形成されている。つまり、パネル部材30の前記隆起部Eに対応する部分には中間層33の材料が充填され、周辺領域(非隆起部G)よりも中間層33の板厚が厚い偏肉部33Eが形成されている。
この結果、比較的薄型軽量のパネル部材30の剛性向上のために、パネル部材30をボンネット型として隆起部Eを設けることにより偏肉部分が生じる場合についても、パネル部材30を3層31,32,33の積層構造としたことにより、成形工程で偏肉部分に中間層33の材料が効果的に充填され、パネル部材30の剛性をより高めることができるのである。
かかるパネル部材30の第1層31及び第2層32に用いる材料としては、パネル部材30の表面側及び裏面側にそれぞれ求められる強度や剛性及び表面特性や変形能などに応じて、種々のものが適用可能である。
例えば、炭素繊維,ケプラー,ガラス繊維,玄武岩(バサルト)繊維などの強化繊維を用いた繊維強化プラスチック(FRP)材料を用いることができる。或いは、薄板状(例えば、厚さが0.1−0.2mm程度)の金属材料(例えば、マグネシウム,アルミニウム,チタン、若しくはそれらの合金)なども用いることができる。
要するに、本実施形態で適用される後述の成形方法(例えば、いわゆる熱プレス法など)で所要の形状に変形可能であり、パネル部材30の表面側及び裏面側にそれぞれ求められる強度や剛性及び表面特性や変形能を備えるものであれば、如何なる材料も適用することができる。
このように、前記第1層31及び第2層32の材料として、繊維強化プラスチック材料若しくは金属材料を用いることで、パネル部材30の表面及び裏面をそれぞれ形成する前記第1層31及び第2層32について、所要の強度や剛性及び表面特性や変形能を付与することができる。
また、前記パネル部材30の中間層33に用いる材料としては、パネル部材30の表面側と裏面側の間に位置する層として求められる強度や剛性及び変形能などに応じて、種々のものが適用可能である。
例えば、熱可塑性プラスチック材料,熱可塑性発泡プラスチック材料及び熱硬化性発泡プラスチック材料で成るグループから選択された材料を用いることができる。
前記熱可塑性プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレン,ポリエステル,ポリプロピレンなど、熱で変形する材料の薄板が挙げられる。また、熱可塑性発泡プラスチック材料としては、例えば、前記プラスチックの発泡体を用いることもできる。
更に、熱硬化性発泡プラスチック材料としては、例えば、エポキシ樹脂,フェノール樹脂,メラニン樹脂などの樹脂の発泡体を用いることができる。
その他にも、圧力で変形する材料(例えば、ポリエチレンフォームやウレタンフォームなど)や熱及び/又は圧力で発泡する材料なども、中間層33の材料として適用可能である。
このように中間層33の材料として、熱可塑性プラスチック材料,熱可塑性発泡プラスチック材料及び熱硬化性発泡プラスチック材料で成るグループから選択された材料を用いることにより、中間層33として選択した材料の熱可塑性や発泡性により、成形工程で偏肉部分に中間層33が効果的に充填され、パネル部材30の剛性をより高めることができる。
以上のように、熱可塑性プラスチック材料,熱可塑性発泡プラスチック材料及び熱硬化性発泡プラスチック材料で成るグループから選択された材料を中間層33に用いることで、中間層33として選択した材料の熱可塑性や発泡性により、成形工程で偏肉部分33Eに中間層33が効果的に充填され、パネル部材30の剛性をより高めることができる。
以下、前記パネル部材30を製造する製造方法について説明する。
先ず、図10に示すように、パネル部材30の表面側を形成すべき第1層31と、パネル部材30裏面側を形成すべき第2層32と、これら第1層31と第2層32との間に位置すべき中間層33とを用意する。本実施形態では、第1層31及び第2層32として、例えば、強化繊維として炭素繊維を用いた繊維強化プラスチック(FRP)材料で形成したシート材を用意した。
このシート材は、炭素繊維の織物に、例えば未硬化のエポキシ樹脂を含浸させた、所謂プリプレグとして形成した。また、中間層33としては、例えばエポキシ樹脂に発泡剤を含有させたシート材を用意した。なお、第1層31と中間層33の間、及び/又は中間層33と第2層32の間に接着剤層が必要とされる場合には、各層の材質と相性の良い接着剤を選定して適用するようにしてもよい。
次に、パネル部材30をプレス成形するための成形型を用意した。この成形型は図11及び図12に示すように、上型41に保持された絞りダイ42と下型46に保持された絞りパンチ47とで構成され、上型41及び下型46には、型温を所定温度に加熱するためのヒータ43,48がそれぞれ埋設されている(図12参照)。
これらヒータ43,48は何れも、成形型41,46を制御するための制御ユニット40に信号授受可能に接続されている。該制御ユニット40は、例えば、マイクロコンピュータを主要部として構成され、成形型41,46の開閉動作や上型41及び下型46の型温などを制御するものである。
図11に示すように、上型41側の絞りダイ42の型面42fには、パネル部材30の第1層31の隆起部E及び非隆起部Gにそれぞれ対応した凹部42e及び平坦部42gが形成されている。一方、下型46側の絞りパンチ47の型面47fは、パネル部材30の第2層32の裏面に対応して、その前面が平坦に形成されている。
従って、上型41と下型46とを閉じ合わせることにより、全体としては略均一な間隔Cgであるが、隆起部Eに対応する部分に周辺領域の間隔Cgよりも間隔Ceが大きい部分を備えた成形キャビティCが形成される。
次に、上から順に、前記第1層31と中間層33と第2層32とを3層に積層して、型開き状態にある前記一対の成形型41,46の間に配置する。そして、型温を所定温度(例えば140℃)に加熱した状態で、前記一対の成形型41,46を型締めして所定のプレス圧で加圧する(図12参照)。これにより、中間層33が含有した発泡剤の作用で中間層33の発泡が促進され、成形キャビティCの隆起部Eに対応する部分(間隔Ce)内へ材料樹脂が効果的に充填される。
その後、所定時間が経過後若しくは型温が所定温度に低下後、前記一対の成形型41,46を型開きする。そして、第1層31及び第2層32と両層31,32間に挟まれた中間層33とで3層の積層構造を有し全体としては略平板状であるが、前記中間層33の所定部分(隆起部Eに対応した部分)に周辺領域(非隆起部G)よりも板厚が厚い偏肉部33Eを備えているパネル部材30を、前記一対の成形型41,46の間から取り出す。
本実施形態では、第1層31の厚さT1及び第2層32の厚さT2を共に0.1mmに設定し、中間層33の周辺領域(非隆起部Gに対応した部分)の厚さTgを0.6mmした。また、隆起部Eの高さHbを0.5mmに設定した(図9参照)。
パネル部材30を前記一対の成形型41,46の間から取り出した後、取り出したパネル部材30の周縁の所要部分をトリミング処理する。つまり、パネル部材30の周縁のバリや不要部分を除去する。このトリミング処理は、従来公知の処理であり、専用のトリミング装置などを用いて処理が行われる。
このトリミング処理を終えた後、パネル部材30をインサート材としてインサート成形型にセットし、所定のプラスチック材料を用いてインサート成形する。これにより、図13に示されるように、パネル部材30の少なくとも周縁部分30sが前記所定のプラスチック材料35で被覆される。なお、図13の例では、パネル部材30の周縁の内側部分に、ヒンジ作用に対する補強用の金属板36をパネル部材30と同時にインサートして成形を行った。
このようにインサート成形を利用して、パネル部材30の少なくとも周縁を前記所定のプラスチック材料で被覆することにより、3層の積層構造を有するパネル部材30の少なくとも周縁をより確実に封止することができる。
次に、本開示のパネル部材30の剛性向上効果を確かめる確認試験を行った。以下に、この確認試験の方法及び結果について説明する。
図15及び図16に示すように、四角形状のテスト用基台51の上に四辺形状のフレーム52を取り付け、このフレーム52の上に試験サンプルSを載置して、そのサンプルSの中央部分に、押圧子53を介して、試験荷重Fを加えた。そして、サンプルSの中央部分(具体的には、サンプルSの押圧子53に当接する部分の裏面側)に生じる変位と応力を測定した。
試験サンプルSとしては、図14(a)〜14(d)に示すように、3つの比較例のサンプルSa,Sb,Scと1つの本開示の実施例のサンプルSdとを用いた。
本開示の実施例のサンプルSd(図14(d))は、上述の本実施形態に係る製造方法で得られたパネル部材30に該当するものである。比較例1のサンプルSa(図14(a))は、隆起部Eを有するボンネット型であるがマグネシウムを材料に用いた単層のパネル部材である。
また、比較例2のサンプルSb(図14(b))は、本開示の実施例のサンプルSdと同様の3層構造であるが隆起部Eを有しないフラットなパネル部材である。更に、比較例3のサンプルSc(図14(c))は、本開示の実施例のサンプルSdと同様の3層構造であって隆起部Eを有するボンネット型であるが、板厚が均一で中間層の偏肉部を有していないパネル部材である。
なお、以上のサンプルSa〜Sdにおいて、隆起部Eの非隆起部Gからの高さ、非隆起部Gの板厚などの基本寸法は全て同一とした。また、サンプルSa〜Sdの平面サイズは、13インチ(約330mm)×13インチ(約330mm)とした。従って、サンプルSb〜Sdの相違点は、縦断面の形状だけである。また、比較例1のサンプルSaと比較例3のサンプルScとの相違点は材質と断面構造だけである。
試験結果を図17のグラフに示す。このグラフから分かるように、3層構造で中間層33の偏肉部33Eを有している本開示の実施例が、同じ変位を生じせしめるのに要する応力が最も高く、従って剛性が最も高いことが確認できた。また、隆起部Eを有するボンネット型であるがマグネシウムを材料に用いた単層のパネル部材である比較例1が2番目に剛性が高く、3層構造であるが隆起部Eを有しないフラットなパネル部材である比較例2が最も剛性が低いことも判った。
最も剛性が高い本開示の実施例のサンプルSdと2番目に剛性が高い比較例1のサンプルSaとについて重量を測定すると、サンプルSaが102.3gであるのに対してサンプルSdは76.1gであり、25.6%軽量化されていた。すなわち、本開示の実施形態によれば、より一層の軽量化を達成しながらより剛性の高いパネル部材30を得ることができた。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
上述の実施の形態は、所謂ノートパソコンWに適用した場合、特に、その表示部10側の第1筐体11に適用した場合を例にとって示したものであったが、本開示におけるパネル部材及びその製造方法は、かかる場合に限定されるものではなく、操作制御部20側の第2筐体21や操作制御部20のパームレスト25などのパネル部材にも適用することができる。また、ノートパソコンに限定されることなく、他の種々の電子機器に用いられるパネル部材及びその製造方法として有効に適用し得るものである。
このように、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、例えばノートパソコンなどの電子機器に用いられるパネル部材及びその製造方法として、有効に利用することができる。
11 第1筐体
30 パネル部材
30s (パネル部材の)周縁部分
31 第1層
32 第2層
33 中間層
33E 中間層の偏肉部
35 プラスチック材料
41 上型
42 絞りダイ
46 下型
47 絞りパンチ
C 成形キャビティ
Ce,Cg (成形キャビティの)間隔
E 隆起部
G 非隆起部(周辺領域)
W ノート型パソコン

Claims (3)

  1. パネル表面側を形成すべき第1層と、パネル裏面側を形成すべき第2層と、前記第1層と前記第2層との間に位置すべき中間層とを用意するステップと、
    全体としては略均一な間隔であるが、所定部分に周辺領域よりも間隔が大きい部分を備えた成形キャビティを、型締め状態で形成する一対の成形型を用意するステップと、
    前記第1層と中間層と第2層とを3層に積層して、型開き状態の前記一対の成形型の間に配置するステップと、
    次に、前記一対の成形型を型締めして加熱状態で加圧するステップと、
    次に、前記一対の成形型を型開きし、前記第1層及び第2層と両層間に挟まれた中間層とで3層の積層構造を有し全体としては略平板状であるが、前記中間層の所定部分に周辺領域よりも板厚が厚く、長方形型(正方形型を除く)のパネル部材の短手方向と略平行な方向にそれらの長手方向が向くように形成されている複数の偏肉部を備えている成形品を、前記一対の成形型の間から取り出すステップと、
    を備えている、ことを特徴とする電子機器用パネル部材の製造方法。
  2. 前記第1層及び第2層は、繊維強化プラスチック材料及び金属材料の何れか一方の材料で形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器用パネル部材の製造方法。
  3. 前記中間層は、熱可塑性プラスチック材料,熱可塑性発泡プラスチック材料及び熱硬化性発泡プラスチック材料で成るグループから選択された材料で形成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器用パネル部材の製造方法。
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