JP6820302B2 - 貸出管理システム、貸出管理方法、およびプログラム - Google Patents

Description

本発明は、貸出管理システム、貸出管理方法、およびプログラムに関する。

従来、自転車のシェアリングサービスにおいて、ユーザの希望する条件の自転車に合致するレンタル自転車の情報を提示する技術が開示されている（特許文献１参照）。

特開２０１８−０６３４６９号公報

従来の技術では、貸し出しを行うオーナーのモチベーションを高めるための工夫が不足していた。

本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、車両の貸し出しを行うモチベーションを高めることができる貸出管理システム、貸出管理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。

この発明に係る貸出管理システム、貸出管理方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。

（１）：この発明の一態様に係る貸出管理システムは、車両を利用者に貸し出すオーナーから前記車両の追加設備の情報を含む車両情報と貸出条件とを取得する貸出条件取得部と、車両を借り受ける利用者から利用条件を取得する利用条件取得部と、前記貸出条件と前記利用条件とに基づいて車両と利用者のマッチングを行うマッチング処理部と、前記車両情報に基づいて決定されるレンタル料金に対して前記オーナーに支払われる額の割合であるインセンティブ率を、少なくとも前記車両の追加設備の情報に基づいて決定するインセンティブ率決定部と、を備えるものである。

（２）：上記（１）の態様において、前記インセンティブ率決定部は、更に、前記貸出条件に基づいて前記インセンティブ率を決定するもの。

（３）：上記（２）の態様において、前記インセンティブ率決定部は、前記貸出条件と前記利用条件との関係から得られる需給バランスに基づいて、前記インセンティブ率を決定するもの。

（４）：上記（３）の態様において、前記インセンティブ率決定部は、過去の実績情報から得られる需給バランスに基づいて、前記インセンティブ率を決定するもの。

（５）：上記（３）の態様において、前記インセンティブ率決定部は、現在の利用者の希望を反映した需給バランスに基づいて、前記インセンティブ率を決定するもの。

（６）：上記（２）〜（５）の態様において、前記インセンティブ率決定部は、利用者の利用希望日と、前記貸出条件が前記利用条件に合致することになった日との関係に基づいて、前記インセンティブ率を決定するもの。

（７）：上記（１）〜（６）の態様において、前記利用者に対してサービス情報を提供する利用者向けサービス情報提供部を更に備え、前記利用者向けサービス情報提供部は、前記車両情報に含まれる要素を検索キーとして検索を行った結果を前記利用者に対して提供するもの。

（８）：上記（１）〜（６）の態様において、前記利用者に対してサービス情報を提供する利用者向けサービス情報提供部を更に備え、前記利用者向けサービス情報提供部は、前記車両を利用する目的を前記利用者から取得し、前記取得した目的に基づいて推奨される追加設備を特定し、前記特定した追加設備を備える車両を前記利用者に対して提供するもの。

（９）：本発明の他の態様に係る貸出管理方法は、貸出管理システムが、車両を利用者に貸し出すオーナーから前記車両の追加設備の情報を含む車両情報と貸出条件とを取得し、車両を借り受ける利用者から利用条件を取得し、前記貸出条件と前記利用条件とに基づいて車両と利用者のマッチングを行い、前記車両情報に基づいて決定されるレンタル料金に対して前記オーナーに支払われる額の割合であるインセンティブ率を、少なくとも前記車両の追加設備の情報に基づいて決定するものである。

（１０）：本発明の他の態様に係るプログラムは、貸出管理システムを構成する一以上のコンピュータに、車両を利用者に貸し出すオーナーから前記車両の追加設備の情報を含む車両情報と貸出条件とを取得させ、車両を借り受ける利用者から利用条件を取得させ、前記貸出条件と前記利用条件とに基づいて車両と利用者のマッチングを行わせ、前記車両情報に基づいて決定されるレンタル料金に対して前記オーナーに支払われる額の割合であるインセンティブ率を、少なくとも前記車両の追加設備の情報に基づいて決定させるものである。

（１）〜（１０）の態様によれば、車両の貸し出しを行うモチベーションを高めることができる。

貸出管理システム５０の使用環境の一例を示す図である。 フロントエンドサーバ７０および管理装置１００の構成の一例を示す図である。 オーナー向けのウェブサイトの画面ＩＭ１の一例を示す図である。 利用者向けのウェブサイトの画面ＩＭ２の一例を示す図である。 該当する車種の車両の一覧を示す画面ＩＭ３の一例を示す図である。 該当する追加設備を備える車両の一覧を示す画面ＩＭ４の一例を示す図である。 利用目的に応じた追加設備を有する車両をレコメンドする画面ＩＭ５の一例を示す図である。 貸出管理システム５０により実行される処理の流れの一例を示すフローチャート（その１）である。 目的・設備対応情報１６６の内容の一例を示す図である。 貸出管理システム５０により実行される処理の流れの一例を示すフローチャート（その２）である。 利用希望日とインセンティブ率との関係の一例を示す図である。

［概略］
以下、図面を参照し、本発明の貸出管理システム、貸出管理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。貸出管理システムは、従来のようにレンタカーサービスの運営者が自身の保有する車両を貸し出すのでは無く（或いは、これに加えて）、一般利用者であるオーナーが車両を貸し出し、これを利用者が借り受けるという形態で運営される。このとき、運営者は、利用者からレンタル料を収受すると共に、レンタル料にインセンティブ率を乗算した価額をオーナーに支払う。インセンティブ率は、以下に説明するように、管理装置１００において種々の要素に基づいて調整される。これによって、貸出管理システム５０は、オーナーに対して、車両の貸し出しを行うモチベーションを高めることができる。なお、広義には「オーナー」も貸出管理システムの「利用者」であるが、本明細書において、「利用者」と言えば「車両を借り受ける側の利用者」を指すものとする。

［全体構成］
図１は、貸出管理システム５０の使用環境の一例を示す図である。貸出管理システム５０は、例えば、フロントエンドサーバ７０と管理装置１００とを含む。図示されるオーナー端末１０と、利用者端末２０と、メンバーシップサーバ３０と、フロントエンドサーバ７０と、管理装置１００とは、ネットワークＮＷを介して互いに通信する。オーナー端末１０と利用者端末２０はそれぞれ一台ずつ図示しているが、複数のオーナー端末１０、および複数の利用者端末２０が貸出管理システム５０を利用してよい。ネットワークＮＷは、例えば、インターネットやセルラー網、Ｗｉ−Ｆｉ網、プロバイダ端末、ＷＡＮ（Wide Area Network）、ＬＡＮ（Local Area Network）などを含む。なお、図１の例では、フロントエンドサーバ７０と管理装置１００が別体であるように示しているが、これらは統合されて一つの装置に集約されてもよい。

オーナー端末１０と利用者端末２０のそれぞれは、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末など、すなわち、表示機能、入力受付機能、通信機能などを有するコンピュータ装置により実現される。オーナー端末１０および利用者端末２０では、ブラウザやアプリケーションプログラムなどのインターフェースが起動し、オーナーや利用者が貸出管理システム５０を利用するための各種サービスを提供する。

メンバーシップサーバ３０は、例えばオーナーが車両を購入したときに、オーナーおよび車両に関する情報（車種、追加設備など）の登録を受け付けてメンバー情報ＤＢ３２として記憶装置に保持しておき、サービスプロバイダや自動車メーカーなどから各種のサービスがオーナーに提供される際に、メンバー情報ＤＢ３２を参照して情報を返す装置である。

図２は、フロントエンドサーバ７０および管理装置１００の構成の一例を示す図である。図示するフロントエンドサーバ７０および管理装置１００の構成のうち、管理装置１００の記憶部１５０を除く各種構成は、例えば、ＣＰＵ（Central Processing Unit）などのハードウェアプロセッサがプログラム（ソフトウェア）を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、ＬＳＩ（Large Scale Integration）やＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）、ＦＰＧＡ（Field-Programmable Gate Array）、ＧＰＵ（Graphics Processing Unit）などのハードウェア（回路部；circuitryを含む）によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めＨＤＤ（Hard Disk Drive）やフラッシュメモリなどの記憶装置（非一過性の記憶媒体を備える記憶装置）に格納されていてもよいし、ＤＶＤやＣＤ−ＲＯＭなどの着脱可能な記憶媒体（非一過性の記憶媒体）に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。

［フロントエンドサーバおよびその提供サービス］
フロントエンドサーバ７０は、例えば、オーナー向けサービス情報提供部７２と、利用者向けサービス情報提供部７４とを備える。

オーナー向けサービス情報提供部７２は、オーナー向けのウェブサイトをオーナー端末１０に提供する。オーナー向けサービス情報提供部７２は、例えば、貸出条件取得部７２Ａと、車両情報取得部７２Ｂとを備える。また、オーナー向けサービス情報提供部７２は、オーナーの登録時において、各種のオーナー情報を取得する。

図３は、オーナー向けのウェブサイトの画面ＩＭ１の一例を示す図である。本図は、例えば予め付与されたオーナーＩＤによるログインが済んだ後にオーナー端末１０によって表示される画面を示している。図示するようにオーナー向けのウェブサイトの画面ＩＭ１は、各種入力が可能となっている。例えば、画面ＩＭ１は、オーナー名とオーナーＩＤ、オーナーに対する評価などを表示する領域Ａ１を含む。領域Ａ１に表示される情報は、管理装置１００におけるオーナー情報ＤＢ１５２から取得される情報である。

また、画面ＩＭ１は、貸出条件を入力するための領域Ａ２を含む。オーナーは、領域Ａ２に設けられたラジオボタン等を操作することで、貸出可能な曜日、時間帯、喫煙を許可するか否か、返却時の給油状態（電気自動車であればバッテリのＳＯＣ）、利用可能地域および受け渡し場所（不図示）などの貸出条件を指定することができる。貸出条件取得部７２Ａは、領域Ａ２において指定された情報を貸出条件として取得し、管理装置１００に送る。

更に、画面ＩＭ１は、車両情報を入力するための領域Ａ３を含む。オーナーは、領域Ａ３に設けられたラジオボタン等を操作することで、車種、年式、走行距離、追加設備などの情報を入力することができる。追加設備には、例えば、会議システム、デスク、映像機器、音響機器、ＡＣコンセント、簡易ベッド、カープールカラオケ、自動運転などがある。なお、領域Ａ３において、「メンバーシップから取得」を指定すると、メンバーシップサーバ３０が保持するメンバー情報ＤＢ３２から読み出された情報が管理装置１００に送られ、車種などの入力を省略することができる。また、「登録済情報を使用」を指定すると、前回以前に登録された情報が援用され、車種などの入力を省略することができる。車両情報取得部７２Ｂは、領域Ａ３において入力された情報を車両情報として取得し、管理装置１００に送る。また、車両情報取得部７２Ｂは、「メンバーシップから取得」或いは「登録済情報を使用」が指定された場合、その旨を示す情報を管理装置１００に送る。

また、オーナー向けサービス情報提供部７２は、貸し出しが終了した後でオーナーによる利用者の評価を受け付け、管理装置１００に送信する。

利用者向けサービス情報提供部７４は、利用者向けのウェブサイトを利用者端末２０に提供する。利用者向けサービス情報提供部７４は、例えば、利用条件取得部７４Ａを備える。また、利用者向けサービス情報提供部７４は、例えば、利用者の登録時において各種の利用者情報を取得する。

図４は、利用者向けのウェブサイトの画面ＩＭ２の一例を示す図である。本図は、例えば予め付与された利用者ＩＤによるログインが済んだ後に利用者端末２０によって表示される画面を示している。例えば、画面ＩＭ２は、利用者名と利用者ＩＤ、利用者に対する評価などを表示する領域Ａ４を含む。領域Ａ４に表示される情報は、管理装置１００における利用者情報ＤＢ１５８から取得される情報である。

また、画面ＩＭ２は、利用条件を入力するための領域Ａ５を含む。利用者は、領域Ａ５にテキスト入力、ボタン操作などをすることで、利用日、利用時間帯、喫煙希望、車種、希望状態、希望追加設備、利用希望地域および受け渡し希望地域（不図示）などを指定することができる。利用条件取得部７４Ａは、領域Ａ５において指定された情報を利用条件として取得し、管理装置１００に送る。

領域Ａ５において、車種を指定した状態で検索ボタンＢ１が操作されると、該当する車種の車両の一覧を示す画面ＩＭ３が利用者端末２０によって表示される。図５は、該当する車種の車両の一覧を示す画面ＩＭ３の一例を示す図である。図示するように、画面ＩＭ３では、該当する車種の車両の年式、走行距離、追加設備などの情報が、車両ＩＤごとに設けられた領域に表示される。

領域Ａ５において、追加設備を指定した状態で検索ボタンＢ２が操作されると、該当する追加設備を備える車両の一覧を示す画面ＩＭ４が利用者端末２０によって表示される。図６は、該当する追加設備を備える車両の一覧を示す画面ＩＭ４の一例を示す図である。図示するように、画面ＩＭ４では、該当する追加設備を備える車両の車種、年式、走行距離、追加設備などの情報が、車両ＩＤごとに設けられた領域に表示される。

図４に戻り、画面ＩＭ２は、利用目的を入力するための領域６を含む。利用目的とは、直接的に車種や追加設備を指定するようなものでは無く、「家族旅行」「一人旅」といった、より抽象化された曖昧な情報である。利用目的としての指定項目や入力項目は、語学習得を目的とする「英会話教室」や車内をスタジオとして使うための「楽器演奏」、車内で映画を楽しむ目的の「映画鑑賞」など、ユーザが体験したいことや車内でできるアクティビティを示しているものであってもよい。利用目的を指定した状態で検索ボタンＢ３が操作されると、利用目的に応じた追加設備を有する車両がレコメンドされる。図７は、利用目的に応じた追加設備を有する車両をレコメンドする画面ＩＭ５の一例を示す図である。図示するように、画面ＩＭ５では、利用目的に応じて管理装置１００において選択される追加設備（推奨追加設備）を備える車両の車種、年式、走行距離、追加設備などの情報が、車両ＩＤごとに設けられた領域に表示される。

画面ＩＭ３〜ＩＭ５において一つの車両の欄が選択されると、貸出条件などのより詳細な情報が表示されてよい。この状態で利用者が車両を直接指定する場合、後述するマッチング処理部１３０の処理は不要となる。

画面ＩＭ３〜ＩＭ５を提供する際に、利用者向けサービス情報提供部７４は、必要な情報の検索を行うように管理装置１００に依頼する。管理装置１００は、利用者向けサービス情報提供部７４からの依頼に応じて検索等の処理を行い、処理結果をフロントエンドサーバ７０に返す。管理装置１００側の処理については以下で説明する。

また、利用者向けサービス情報提供部７４は、貸し出しが終了した後で利用者による車両（オーナー）の評価を受け付け、管理装置１００に送信する。

［管理装置］
図２に戻り、管理装置１００は、例えば、データ管理部１１０と、メンバー情報問い合わせ部１１２と、車両ランク評価部１２０と、貸出ランク評価部１２２と、レンタル料決定部１２４と、インセンティブ率決定部１２６と、マッチング処理部１３０と、車両検索部１３２と、記憶部１５０とを備える。記憶部１５０には、オーナー情報ＤＢ（データベース）１５２、貸出条件ＤＢ１５４、車両情報ＤＢ１５６、利用者情報ＤＢ１５８、利用条件ＤＢ１６０、確定貸出ＤＢ１６２、貸出履歴ＤＢ１６４、目的・設備対応情報１６６などのデータが格納される。

データ管理部１１０は、フロントエンドサーバ７０において取得されたオーナー情報、貸出条件、車両情報、利用者情報、または利用条件のそれぞれを、オーナー情報ＤＢ１５２、貸出条件ＤＢ１５４、車両情報ＤＢ１５６、利用者情報ＤＢ１５８、または利用条件ＤＢ１６０に登録する。

メンバー情報問い合わせ部１１２は、画面ＩＭ１の領域Ａ３において、「メンバーシップから取得」が選択された場合、メンバーシップサーバ３０に問い合わせを行って、メンバー情報ＤＢ３２に含まれるオーナーの車種などの情報を取得し、データ管理部１１０に渡す。データ管理部１１０は、メンバー情報問い合わせ部１１２から取得した情報をオーナー情報ＤＢ１５２または車両情報ＤＢ１５６に登録する。

車両ランク評価部１２０、貸出ランク評価部１２２、レンタル料決定部１２４、およびインセンティブ率決定部１２６の処理は、例えば、対象となるオーナー（以下、対象オーナー）によって貸出条件および車両情報が登録されたときに実行される。

車両ランク評価部１２０は、車両情報ＤＢ１５６に登録された車両情報に基づいて、対象オーナーに関して、ベースとなる一次レンタル料および一次インセンティブ率を決定する。

車両ランク評価部１２０は、例えば、式（１）に基づいて一次レンタル料Ｒｆ１を計算する。式中、Ｆ（）は車種ごとに定められた基本レンタル料を元に、年式が新しいほど高く補正し、且つ走行距離が短いほど高く補正した値を返す関数である。Ｒｏ（ｋ）は、追加設備ごとに予め設定されている付加料金であり、１〜ｎまでの識別情報が付与された追加設備のうちｋ番目の追加設備に対応する付加料金である。付加料金Ｒｏ（ｋ）は、貸出管理システム５０の運営者によってあらかじめ定められた規定値であってもよいが、取得された利用条件に含まれる割合（人気度合い）や、利用者の利用後の評価・コメントなどに基づいてフィードバック評価された値であってもよい。

Ｒｆ１＝Ｆ（車種、年式、走行距離）＋Σ_ｋ＝１ ^ｎＲｏ（ｋ） …（１）

また、車両ランク評価部１２０は、例えば、式（２）に基づいて一次インセンティブ率Ｉｒ１を計算する。式中、Ｉｓｅｔは、予め定められた基本インセンティブ率である。Ｇ（）は車種が希少であるほど高い値を返す関数である。Ｉｒｏ（ｋ）は、追加設備ごとに予め設定されている付加インセンティブ率であり、１〜ｎまでの識別情報が付与された追加設備のうちｋ番目の追加設備に対応する付加インセンティブ率である。付加インセンティブＩｒｏ（ｋ）は、貸出管理システム５０の運営者によってあらかじめ定められた規定値であってもよいが、利用条件において希望される割合（すなわち人気度合い）や、利用者の利用後の評価・コメントなどに基づいてフィードバック評価された値であってもよい。なお、付加料金Ｒｏ（ｋ）と付加インセンティブＩｒｏ（ｋ）は、互いに独立した値に設定されてもよいが、依存関係をもって設定されてもよい。例えば、付加料金Ｒｏ（ｋ）に係数を乗算するなどの方法で付加インセンティブＩｒｏ（ｋ）が求められてもよい。

Ｉｒ１＝Ｉｓｅｔ＋Ｇ（車種）＋_ｋ＝１ ^ｎＩｒｏ（ｋ） …（２）

貸出ランク評価部１２２は、一次レンタル料および一次インセンティブ率を調整する調整値Ｋ_ＲｆおよびＫ_Ｉｒを決定する。貸出ランク評価部１２２は、以下の（手法１）または（手法２）、或いはこれらの組み合わせによって、貸出条件と利用条件の関係から得られる需給バランスに基づいて、調整値Ｋ_ＲｆおよびＫ_Ｉｒを決定する。調整値Ｋ_ＲｆおよびＫ_Ｉｒは、例えば、初期値として１が設定され、ポイントが加算されるごとに１以上の値に修正される値である。なお、調整値Ｋ_ＲｆおよびＫ_Ｉｒは、貸出成立に寄与する度合いが高い要素を含まない場合に１未満の値に修正されてもよい。

（手法１）
貸出ランク評価部１２２は、貸出条件ＤＢ１５４および貸出履歴ＤＢ１６４に基づいて、過去の利用者の希望に沿った貸出条件である場合に、一次レンタル料および一次インセンティブ率を高くするように調整値Ｋ_ＲｆおよびＫ_Ｉｒを決定する。すなわち、貸出ランク評価部１２２は、過去の実績情報から得られる需給バランスに基づいて調整値Ｋ_ＲｆおよびＫ_Ｉｒを決定する。貸出履歴ＤＢ１６４は、例えば、貸出が成立した場合の利用日およびその曜日、利用時間帯、喫煙可否設定、車種、追加設備などが一つのレコードとして登録されたものである。例えば、貸出ランク評価部１２２は、貸出履歴ＤＢ１６４を要素ごとに解析し、貸出成立に寄与する度合いの高い要素を抽出する。具体的に、貸出ランク評価部１２２は、土日の貸し出しが平日よりも有意に多い場合、「利用日が土日である」という要素は貸出成立に寄与する度合いが高いと判断する。貸出ランク評価部１２２は、対象オーナーの貸出条件が、このように抽出した貸出成立に寄与する度合いが高い要素を含む場合、要素ごとにポイントを加算して調整値Ｋ_ＲｆおよびＫ_Ｉｒを決定する。

（手法２）
貸出ランク評価部１２２は、貸出条件ＤＢ１５４および利用条件ＤＢ１６０に基づいて、現在、希望されている利用条件に近い貸出条件である場合に、一次レンタル料および一次インセンティブ率を高くするように調整値Ｋ_ＲｆおよびＫ_Ｉｒを決定する。すなわち、貸出ランク評価部１２２は、現在の利用者の希望を反映した需給バランスに基づいて調整値Ｋ_ＲｆおよびＫ_Ｉｒを決定する。利用条件ＤＢ１６０は、利用者により入力された利用条件のうち、貸出が確定する前の情報を集めたものである。貸出ランク評価部１２２は、対象オーナーの貸出条件が、利用条件ＤＢ１６０における出現数が多い利用条件の要素を含む場合、要素ごとにポイントを加算して調整値Ｋ_ＲｆおよびＫ_Ｉｒを決定する。

レンタル料決定部１２４は、例えば、一次レンタル料Ｒｆ１および調整値Ｋ_Ｒｆに基づいて、対象オーナーに関するレンタル料を決定する。例えば、レンタル料決定部１２４は、式（３）に示すように、一次レンタル料Ｒｆ１と調整値Ｋ_Ｒｆを乗算することで、レンタル料Ｒｆを決定する。

Ｒｆ＝Ｒｆ１×Ｋ_Ｒｆ …（３）

インセンティブ率決定部１２６は、例えば、一次インセンティブ率Ｉｒ１、調整値Ｋ_Ｉｒ、およびオーナー情報ＤＢ１５２に基づいて、対象オーナーに関するインセンティブ率を決定する。オーナー情報ＤＢ１５２では、オーナー自身によって入力され、或いはメンバーシップサーバ３０から取得された情報に加えて、オーナーの車両を利用した利用者からのフィードバック評価によるオーナーの評価がオーナーＩＤに対応付けられている。例えば、インセンティブ率決定部１２６は、式（４）に示すように、一次インセンティブ率Ｉｒ１、調整値Ｋ_Ｉｒ、およびオーナーの評価を数値化した評価値Ｅｓを乗算することで、インセンティブ率Ｉｒを決定する。評価値Ｅｓは、良い評価であるほど大きい値となる。

Ｉｒ＝Ｉｒ１×Ｋ_Ｉｆ×Ｅｓ …（４）

このように、管理装置１００によれば、車両の追加設備に応じてインセンティブ率が決定される。この結果、コストをかけて車両に追加設備を搭載したオーナーほど、高いインセンティブを獲得できるようになるため、オーナーの車両のローンなどの維持費の負担を軽減することができる。このため、オーナーが車両の貸し出しを行うモチベーションを高めることができる。また、高額な車両を購入した場合でも購入後の負担が軽減されることで、追加設備の充実した車両を購入しようというモチベーションを喚起することができる。

また、管理装置１００によれば、貸出条件が利用者のニーズに合っている場合にインセンティブ率が高く設定される。この結果、オーナーに対して、ニーズの高い条件での貸し出しを促すことができ、貸し出し成立の可能性を高めることができる。

また、管理装置１００によれば、利用者によるオーナーの評価を反映させてインセンティブ率が決定される。このため、オーナーが車両の追加設備を適切にメンテナンスしている場合に高いインセンティブ率を設定し、車両の状態、追加設備の品質等に応じて適切なインセンティブが支払われるようにすることができる。

図８は、貸出管理システム５０により実行される処理の流れの一例を示すフローチャート（その１）である。まず、貸出条件取得部７２Ａがオーナー端末１０から貸出条件を取得し（ステップＳ１００）、車両情報取得部７２Ｂがオーナー端末１０から車両情報を取得する（ステップＳ１０２）。これらの情報は、管理装置１００に提供される。

次に、車両ランク評価部１２０が一次レンタル料と一次インセンティブを決定し（ステップＳ１０４）、貸出ランク評価部１２２が調整値を決定する。そして、レンタル料決定部１２４がレンタル料を、インセンティブ率決定部１２６がインセンティブ率を、それぞれ決定する（ステップＳ１０８）。

マッチング処理部１３０は、貸出条件ＤＢ１５４、車両情報ＤＢ１５６、および利用条件ＤＢ１６０に基づいて、利用条件ＤＢ１６０に登録されている各レコードに合致する内容の貸出条件および車両情報を備える車両（オーナー）を検索する。合致する車両が発見された場合、マッチング処理部１３０は、利用条件ＤＢ１６０から当該レコードを削除し、確定貸出ＤＢ１６２に登録する。このとき、確定貸出ＤＢ１６２には、オーナーおよび車両の識別情報、利用者の識別情報、利用日、利用時間帯、その他の確定情報が登録される。また、利用日が過ぎると、マッチング処理部１３０は、確定貸出ＤＢ１６２に登録された内容を貸出履歴ＤＢ１６４に転記する。

マッチング処理部１３０は、貸し出しの後、フロントエンドサーバ７０から取得した利用者による車両（オーナー）の評価を、オーナー情報ＤＢ１５２におけるオーナーの評価に反映させる。また、マッチング処理部１３０は、貸し出しの後、フロントエンドサーバ７０から取得したオーナーによる利用者の評価を、利用者情報ＤＢ１５８における利用者の評価に反映させる。評価の更新については公知の技術を用いてよく、詳細な説明は省略する。

車両検索部１３２は、利用者向けサービス情報提供部７４が提供する各種サービスに用いられる車両の検索処理を実行する。図３〜図７を用いて説明したように、利用者には、車種を指定した検索、追加設備を指定した検索、目的を指定した検索といったサービスが提供される。車両検索部１３２は、車種または追加設備を指定した検索を行う場合、指定された情報を検索キーとして車両情報ＤＢ１５６を検索する。車両情報ＤＢ１５６は、車種、年式、走行距離、追加設備などの情報が、車両ＩＤに対応付けられたものである。車両検索部１３２は、検索結果をフロントエンドサーバ７０に返す。フロントエンドサーバ７０では、利用者向けサービス情報提供部７４が、検索結果に基づく画面を生成して利用者端末２０に送信する。これによって、検索結果を反映した画面が利用者端末２０において表示され、利用者に提供される。

目的を指定した検索が要求された場合、車両検索部１３２は、まず目的・設備対応情報１６６を参照し、目的に適した追加設備を特定する。図９は、目的・設備対応情報１６６の内容の一例を示す図である。図示するように、目的・設備対応情報１６６は、利用者向けサービス情報提供部７４が受け付ける車両利用の「目的」に対して、推奨される追加設備を記述した情報である。そして、車両検索部１３２は、特定された追加設備を検索キーとして車両情報ＤＢ１５６を検索する。車両検索部１３２は、検索結果をフロントエンドサーバ７０に返す。フロントエンドサーバ７０では、利用者向けサービス情報提供部７４が、検索結果に基づく画面を生成して利用者端末２０に送信する。これによって、検索結果を反映した画面が利用者端末２０において表示され、利用者に提供される。

このように、貸出管理システム５０は、具体的に追加設備が指定された場合だけでなく、より曖昧な「目的」が指定された場合でも推奨される追加設備を提示し、更にその追加設備を有する車両を検索して利用者に提示する。これによって、利用者の利便性が高まると共に、利用者が当初は想定していなかったドライブの楽しみ方を提案することもできる。

なお、貸出管理システム５０は、目的に基づいて推奨される追加設備を特定して車両を提案するだけでなく、目的に基づいて推奨される車種を特定して車両を提案するようにしてもよい。

図１０は、貸出管理システム５０により実行される処理の流れの一例を示すフローチャート（その２）である。まず、利用者向けサービス情報提供部７４が利用者端末２０から検索の指示を受け付ける（ステップＳ２００）。指示の内容は管理装置１００に提供される。

管理装置１００では、車両検索部１３２が、「目的」が指定された検索が指示されたか否かを判定する（ステップＳ２０２）。「目的」が指定された検索が指示された場合、車両検索部１３２は、目的・設備対応情報１６６を参照し、推奨される追加設備を特定する（ステップＳ２０４）。そして、車両検索部１３２は、フロントエンドサーバ７０から渡された指示の内容、或いはステップＳ２０４で特定した追加設備を検索キーとして車両情報ＤＢ１５６を検索し（ステップＳ２０６）、検索結果をフロントエンドサーバ７０に返す。フロントエンドサーバ７０では、利用者向けサービス情報提供部７４が検索結果に基づいて利用者端末２０に画面を提供する（ステップＳ２０８）。

以上説明した実施形態によれば、車両の貸し出しを行うモチベーションを高めることができる。

＜他の実施形態＞
上記実施形態では、レンタル料およびインセンティブ率は、利用日とは無関係に設定されるものとして説明した。これに代えて、利用者が指定した利用希望日との関係でインセンティブ率が設定されるようにしてもよい。この場合、例えば、利用条件に該当する車両を保有するオーナーであって、貸出条件が利用条件に合致しないオーナーに通知が送られる。また、オーナーの側で利用条件の一覧を閲覧できるようにしてもよい。そして、オーナーが貸出条件を利用条件に合わせて変更した場合（或いは利用条件に合うように貸出条件を新規に設定した場合）、変更日と利用希望日との関係に応じてインセンティブ率が決定される。例えば、インセンティブ率は、より速いタイミングで貸出条件が変更された場合に高くなるように設定される。但し、利用希望日の直前になって車両が借りられないという事態をなるべく避けるため、利用希望日の直前（所定日数前以降）からは、利用希望日が近づくに連れてインセンティブ率が高くなるようにしてよい。図１１は、利用希望日とインセンティブ率との関係の一例を示す図である。このようにすることで、貸出車両が見当たらないといった事態が生じる可能性を低減することができる。

上記説明したインセンティブは、現金でオーナーに支払われるようにしてもよいが、例えば、車両のローンの支払いに、現金での支払いよりも優遇された条件で充填されるようにしてもよい。また、残価クレジットで車両を購入したオーナーについては、車両を手放す際に買取額に上乗せすることでインセンティブが支払われるようにしてもよいし、次回の車両の購入時に購入額から差し引かれるようにしてもよい。こうすれば、煩雑な現金収受の手間を省略することができる。

また、利用者向けサービス情報提供部７４は、マッチング処理部１３０によって車両の貸し出しが確定した後、利用日までの間に、車両の利用に関連する広告を利用者端末２０に表示させるようにしてもよい。車両の利用に関連する広告とは、利用希望地域の商業施設に関する広告、貸し出される車両自体の広告などである。この場合、貸出管理システム５０は、ターゲティング広告に関する承諾を予め利用者から取得しておき、広告の表示による何らかの特典を利用者に付与するようにしてよい。

また、上記実施形態において、レンタル料はオーナーの希望額に拘わらずに決定されるものとしたが、オーナーの希望額を反映させて決定してもよい。更に、レンタル料を決定する際に、オークションの要素を取り入れてもよい。

以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。

１０ オーナー端末
２０ 利用者端末
３０ メンバーシップサーバ
５０ 貸出管理システム
７０ フロントエンドサーバ
７２ オーナー向けサービス情報提供部
７２Ａ 貸出条件取得部
７２Ｂ 車両情報取得部
７４ 利用者向けサービス情報提供部
７４Ａ 利用条件取得部
１００ 管理装置
１１０ データ管理部
１１２ メンバー情報問い合わせ部
１２０ 車両ランク評価部
１２２ 貸出ランク評価部
１２４ レンタル料決定部
１２６ インセンティブ率決定部
１３０ マッチング処理部
１３２ 車両検索部
１５０ 記憶部

Claims (10)

1. 車両を利用者に貸し出すオーナーから前記車両の追加設備の情報を含む車両情報と貸出条件とを取得する第１取得部と、
   車両を借り受ける利用者から利用条件を取得する第２取得部と、
   前記貸出条件と前記利用条件とに基づいて車両と利用者のマッチングを行うマッチング処理部と、
   前記車両情報に基づいて決定されるレンタル料金に対して前記オーナーに支払われる額の割合であるインセンティブ率を、少なくとも前記車両の追加設備の情報に基づいて決定するインセンティブ率決定部と、
   を備える貸出管理システム。
2. 前記インセンティブ率決定部は、更に、前記貸出条件に基づいて前記インセンティブ率を決定する、
   請求項１記載の貸出管理システム。
3. 前記インセンティブ率決定部は、前記貸出条件と前記利用条件との関係から得られる需給バランスに基づいて、前記インセンティブ率を決定する、
   請求項２記載の貸出管理システム。
4. 前記インセンティブ率決定部は、過去の実績情報から得られる需給バランスに基づいて、前記インセンティブ率を決定する、
   請求項３記載の貸出管理システム。
5. 前記インセンティブ率決定部は、現在の利用者の希望を反映した需給バランスに基づいて、前記インセンティブ率を決定する、
   請求項３記載の貸出管理システム。
6. 前記インセンティブ率決定部は、利用者の利用希望日と、前記貸出条件が前記利用条件に合致することになった日との関係に基づいて、前記インセンティブ率を決定する、
   請求項２から５のうちいずれか１項記載の貸出管理システム。
7. 前記利用者に対してサービス情報を提供する利用者向けサービス情報提供部を更に備え、
   前記利用者向けサービス情報提供部は、前記車両情報に含まれる要素を検索キーとして検索を行った結果を前記利用者に対して提供する、
   請求項１から６のうちいずれか１項記載の貸出管理システム。
8. 前記利用者に対してサービス情報を提供する利用者向けサービス情報提供部を更に備え、
   前記利用者向けサービス情報提供部は、前記車両を利用する目的を前記利用者から取得し、前記取得した目的に基づいて推奨される追加設備を特定し、前記特定した追加設備を備える車両を前記利用者に対して提供する、
   請求項１から６のうちいずれか１項記載の貸出管理システム。
9. 貸出管理システムが、
   車両を利用者に貸し出すオーナーから前記車両の追加設備の情報を含む車両情報と貸出条件とを取得し、
   車両を借り受ける利用者から利用条件を取得し、
   前記貸出条件と前記利用条件とに基づいて車両と利用者のマッチングを行い、
   前記車両情報に基づいて決定されるレンタル料金に対して前記オーナーに支払われる額の割合であるインセンティブ率を、少なくとも前記車両の追加設備の情報に基づいて決定する、
   貸出管理方法。
10. 貸出管理システムを構成する一以上のコンピュータに、
    車両を利用者に貸し出すオーナーから前記車両の追加設備の情報を含む車両情報と貸出条件とを取得させ、
    車両を借り受ける利用者から利用条件を取得させ、
    前記貸出条件と前記利用条件とに基づいて車両と利用者のマッチングを行わせ、
    前記車両情報に基づいて決定されるレンタル料金に対して前記オーナーに支払われる額の割合であるインセンティブ率を、少なくとも前記車両の追加設備の情報に基づいて決定させる、
    プログラム。

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