JP6819862B2 - ビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜およびビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜の育成方法 - Google Patents

ビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜およびビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜の育成方法 Download PDF

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本発明は、非磁性ガーネット単結晶基板上に育成されるビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜およびビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜の育成方法に係り、特に、ファラデー回転子として使用されるビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜における特性と収率の改良に関するものである。
光アイソレータは、磁界を印加することにより入射光の偏光面を回転させるファラデー回転子を有しており、近年においては光通信の分野だけでなくファイバーレーザー加工機にも使用されるようになってきている。
ところで、光アイソレータに使用されるファラデー回転子の材料として、ビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶(以下、RIGと称する場合がある)膜が知られており、このRIG膜は、従来から広く一般に用いられている格子定数が1.2497nmの(CaGd)3(ZrMgGa)512単結晶から成る非磁性ガーネット単結晶基板上に液相エピタキシャル成長させて得られている。そして、光通信分野で専ら用いられている上記RIG膜を光アイソレータに使用することで、光アイソレータの大きさを大幅に小型化することが可能となっている。
しかし、RIG膜は、使用する光の波長が加工用レーザーに用いられる1.1μm付近まで短くなると鉄イオンによる光吸収が大きくなり、この光吸収に起因する温度上昇により性能劣化を引き起こすことが知られている。尚、鉄イオン自身は、RIG膜においてファラデー効果を生み出している重要な元素であるため、鉄成分を減らした場合、光アイソレータとして要求されている45°のファラデー回転角を得るために必要なRIG膜の膜厚が増えてしまい、結局のところRIG膜における光吸収量の低減は達成されない。
そこで、光通信用RIG膜の育成に用いられる(CaGd)3(ZrMgGa)512単結晶基板より更に大きな格子定数(1.256nm)を有するGd3(ScGa)512単結晶基板(以下、GSGG基板と称する場合がある)を用いてRIG膜を育成し、該RIG膜に含まれる鉄イオンの光吸収を短波長側にシフトさせ、これにより1μm帯域の光吸収量を減少させたRIG膜を高収率で提供する手法が特許文献1に開示されている。
しかしながら、近年、市場においては、更に高出力のファイバーレーザー加工機等に使用される光アイソレータへのRIG膜の採用が検討されており、RIG膜における更なる光吸収量の低減が望まれている。
そこで、上記GSGG基板より格子定数が更に大きい非磁性ガーネット単結晶基板を用いて、RIG膜に含まれる鉄イオンの光吸収を短波長側にシフトさせ、1μm帯域の光吸収量を減らしつつ工業製品として高収率なRIG膜を育成する必要があり、GSGG基板より格子定数が更に大きい非磁性ガーネット単結晶基板として、例えば、特許文献2〜3にはSm3(ScGa)12単結晶基板およびLa3(ScGa)512単結晶基板が開示され、特許文献4にはGd1.8 Nd1.2 Sc2 Ga3 12単結晶基板が開示されている。
しかし、上記GSGG基板より格子定数が大きい、例えばSm3(ScGa)12単結晶基板においては、その格子定数が1.2641nmと極めて大きいため、育成するRIG膜自身の格子定数も大きくしなければクラックや割れが多発し、生産性が低下してしまう。
そこで、育成するRIG膜の格子定数を大きくするため、特許文献2〜4においては大きなイオン半径の希土類元素を用いる手法が採られているが、イオン半径の大きな希土類元素(例えば、La、Pr等)を用いた場合に良質なRIG膜を安定して育成することが困難となり、特に、1μm帯域の光を入射したときの挿入損失が0.30dB以下となるRIG膜を育成することは難しかった。
特開2012−116672号公報(実施例等参照) 特開平08−290997号公報(実施例等参照) 特開平08−290998号公報(実施例等参照) 特開平08−021981号公報(実施例等参照)
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、非磁性ガーネット単結晶基板上に育成され、1μm帯域の光を入射したときの挿入損失が0.30dB以下である良質なRIG膜と該RIG膜の育成方法を提供することにある。
そこで、上記課題を解決するため本発明者等は以下のような技術的分析を行った。
まず、特許文献2〜3に開示されたSm3(ScGa)12単結晶基板に着目し、該単結晶基板の組成、特にSc含有量を変化させたときの格子定数に及ぼす影響を調査した。
また、育成するRIG膜の格子定数を大きくするため、種類の異なる希土類元素を選択し、かつ、Sc含有量を変化させて格子定数が変化した非磁性ガーネット単結晶基板を用いて種類の異なる希土類元素を含むRIG膜を育成すると共に、育成した各RIG膜に対し1μm帯域の光を入射したときの挿入損失と収率を比較した。
その結果、Sm3(ScGa)12単結晶中におけるSc量を調整して格子定数を特定の範囲内に制御すると共に、イオン半径の大きな希土類元素にNdを選択した場合、上記単結晶基板上に育成されるRIG膜の挿入損失が低減され、かつ、単結晶基板上にRIG膜を高収率で育成できることを見出すに至った。
本発明はこのような技術分析と技術的発見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
ビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜において、
化学式NdyBi3-yFe512(但し、1.95≦y≦2.05)で示されかつ波長1060nmの光に対しファラデー回転角が45°となる膜厚に設定された場合における波長1060nmの光を入射したときの挿入損失が0.30dB以下であることを特徴とするものである。
次に、本発明に係る第の発明は、
ビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜の育成方法において、
化学式Sm3ScxGa5-x12(但し、1.73≦x≦1.75)で示されかつ格子定数が1.26095nm〜1.26105nmである非磁性ガーネット基板上に、液相エピタキシャル成長法により、化学式NdyBi3-yFe512(但し、1.95≦y≦2.05)で示されかつ波長1060nmの光に対しファラデー回転角が45°となる膜厚に設定された場合における波長1060nmの光を入射したときの挿入損失が0.30dB以下であるビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜を育成することを特徴とする。
本発明に係るビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜は、
化学式NdyBi3-yFe512(但し、1.95≦y≦2.05)で示されかつ波長1060nmの光に対しファラデー回転角が45°となる膜厚に設定された場合における波長1060nmの光を入射したときの挿入損失が0.30dB以下であることを特徴としている。
そして、化学式Sm3ScxGa5-x12(但し、1.73≦x≦1.75)で示されかつ格子定数が1.26095nm〜1.26105nmである非磁性ガーネット単結晶(以下、SSGG単結晶と称する)基板を用いて育成される本発明に係るRIG[NdyBi3-yFe512(但し、1.95≦y≦2.05)で示される]膜は、従来技術に係るRIG膜と比較して、1μm帯域の光を入射したときの挿入損失が0.30dB以下となり、かつ、高い収率で育成することが可能となる。
化学式Sm3ScxGa5-x12で示される非磁性ガーネット単結晶(SSGG単結晶)基板のSc含有量(x)と格子定数(nm)との関係を示すグラフ図。 非磁性ガーネット単結晶基板を構成するSSGG単結晶の育成に用いられる製造装置の概略構成を示す説明図。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(1)非磁性ガーネット単結晶(SSGG単結晶)の製造
図2は、非磁性ガーネット単結晶基板を構成するSSGG単結晶の育成に用いられる製造装置の概略構成を示す説明図である。
この製造装置は、公知のチョクラルスキー法によりSSGG単結晶を製造する育成炉1を備えている。育成炉1の構造を簡単に説明すると、育成炉1は、筒状のチャンバー2と、このチャンバー2の外側に設置された高周波コイル10と、上記チャンバー2の内側に配置されたイリジウム製の坩堝8を有している。尚、上記育成炉1の寸法は、製造するSSGG単結晶の大きさに依存するが、一例として直径0.6m、高さ1m程度である。
また、上記育成炉1には開口部(図示せず)が2箇所設けられており、これ等開口部を介して不活性ガス、好適にはアルゴンガスが給排され、結晶育成時のチャンバー2内は不活性ガスで満たされる。尚、育成炉1内には、上記坩堝8底部の下側に温度を計測する図示外の温度計(熱電対)が設置されている。
また、上記高周波コイル10は銅管で構成され、図示外の制御部を通じ投入電力が制御されて坩堝8が高周波加熱されると共に温度調節がなされる。また、上記高周波コイル10の内側でチャンバー2内には断熱材3が配置されており、複数の断熱材3により囲まれた雰囲気によりホットゾーン5が形成されている。
上記ホットゾーン5の温度勾配は断熱材3の形状と構成(材質)によって広範囲に変化させることができ、育成する単結晶の種類に合わせ断熱材3の形状と構成を設計して適正なホットゾーン5の温度勾配を形成する。更に、高周波コイル10の坩堝8に対する相対位置を調整することによりホットゾーン5の温度勾配を微調整することができる。尚、上記断熱材3は、高融点の耐火物により構成されている。
また、上記坩堝8はカップ状に形成され、その底部が断熱材3上に配置されかつ断熱材3により保持されている。また、坩堝8の上方側には、種結晶6と成長したSSGG単結晶7を保持しかつ引き上げるための引き上げ軸4が設置されており、引き上げ軸4は軸線を中心に回転させることができる。
そして、坩堝8内に原料を充填し、育成炉1のチャンバー2内に上記坩堝8を配置しかつ高周波コイル10により加熱して原料を融解させ、その後、原料融液9に種結晶6を接触させて徐々に温度を降下させ、同時に引き上げ軸4を徐々に引き上げることにより種結晶6の下部側において原料融液9を順次結晶化させる。そして、従来の育成条件に従い高周波コイル10への投入電力を調整し、所望とする直径のSSGG単結晶7を育成することが可能となる。
尚、SSGG単結晶の原料には、酸化サマリウム(Sm23)粉末、酸化スカンジウム(Sc23)粉末および酸化ガリウム(Ga23)粉末を適用するが、これ等原料粉の配合比は育成する単結晶の組成によって決定される。
また、育成されたSSGG単結晶7は、育成炉1から取出し、熱歪を除去するアニール処理を行なってから、規格に合わせた厚さのSSGG単結晶基板に加工される。
(2)非磁性ガーネット単結晶基板の格子定数
化学式Sm3ScxGa5-x12で示される非磁性ガーネット単結晶(SSGG単結晶)において、Sc含有量(x)を変化させたときのSSGG単結晶基板の格子定数(nm)と上記Sc含有量(x)との関係を図1に示す。
図1のグラフ図から、SSGG単結晶基板の格子定数(nm)は、Sc含有量(x)の範囲内においてSc含有量(x)の変化に対しSSGG単結晶基板の格子定数(nm)が直線的に変化することが確認される。
(3)ビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜
液相エピタキシャル成長法により非磁性ガーネット単結晶基板上にビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜を育成する場合、非磁性ガーネット単結晶基板とビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜の格子定数を整合させなければならない。
SSGG単結晶基板は格子定数が極めて大きいため、大きなイオン半径の希土類元素を用いてRIGの格子定数を大きくする必要がある。
希土類元素の中でも原子番号が57から71のランタノイドのイオン半径は、ランタノイド収縮と呼ばれる現象により、La>Ce>Pr>Nd>Pm>Sm>Eu>Gd>Tb>Dy>Ho>Er>Tm>Yb>Luの順になっているが、SSGG単結晶基板と格子定数を整合させるにはNd以上の希土類元素でなければならなかった。
また、La、Ce、Prでは安定的に良質なビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶(RIG)膜を育成することができず、Ndを選択した場合のみ、良好な挿入損失と高い収率を得ることができた。
(4)非磁性ガーネット単結晶とビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶の組成
次に、Sc含有量(x)が異なる複数のSSGG(化学式Sm3ScxGa5-x12で示される)基板を用意し、該SSGG基板上に化学式がNdyBi3-yFe512となるRIG(ビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶)を育成し、RIGの挿入損失と良品収率を評価したところ、xを1.73≦x≦1.75、yを1.95≦y≦2.05とすることでRIGの挿入損失(波長1060nmの光に対しファラデー回転角が45°となる膜厚に設定された場合における波長1060nmの光を入射したときの挿入損失)が0.30dB以下となり、良品収率も90%以上となった。
xが1.73未満となるSSGG基板を用いた場合、RIGのyは2.05を超えてしまい、このようなRIGは、良品収率が90%を超えるものの、挿入損失が0.30dBを超えてしまう。
また、xが1.75を超えたSSGG基板を用いた場合、RIGのyは1.95未満となり、このようなRIGは、良品収率が90%未満となり、挿入損失も0.30dBを超えてしまう。
尚、RIG膜の育成は、RIGの組成に対応した原料をフラックス成分と共に坩堝に仕込み、約1000℃に昇温して融解させた後、過冷却温度の800〜950℃に保持しながらSSGG単結晶基板を原料融液に接触させて、SSGG単結晶基板上にRIG膜を液相エピタキシャル成長させる。このとき、格子定数を所定の範囲に制御したSSGG単結晶基板上に育成されるRIGにはピットが発生し難いため、得られたRIGから11mm角のチップを切り出す際のクラック不良が大幅に低減され、ファラデー回転子となるチップを高収率で得ることができると共に、挿入損失も低下する。
尚、NdyBi3-yFe512で示されるビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶(RIG)膜の原料には、酸化ビスマス(Bi23)粉末、酸化ネオジウム(Nd23)粉末、および酸化鉄(Fe23)粉末が適用される。
以下、本発明の実施例について比較例も挙げて具体的に説明する。
[Sm3ScxGa5-x12(SSGG):非磁性ガーネット単結晶基板の育成]
[実施例1]
まず、原子数比でSm:Sc:Ga=3:1.75:3.25となるように、原料として純度99.99%の酸化サマリウム(Sm23)粉末、酸化スカンジウム(Sc23)粉末、酸化ガリウム(Ga23)粉末を秤量した。
そして、この原料を混合し、冷間等方圧加圧法により嵩密度を増加させた後、空気中、1500〜1600℃で仮焼した。仮焼後の重量は12.6kgであった。
次に、仮焼した原料を直径150mm、高さ150mmのイリジウム坩堝に充填し、図2に示す高周波加熱炉(製造装置)にて原料を融解させ、引上げ軸方向の結晶方位を<111>として、SSGG単結晶(SSGG単結晶基板)を育成した。
育成したSSGG単結晶の格子定数をエックス線回折装置(Philips社製 PANalytical X’pert PRO MRD)を用いて測定したところ、格子定数は1.26105nmであった。得られた結果を以下の表1に示す。
[実施例2〜6]
原料のSm:Sc:Ga原子数比を表1の配合にした以外は、実施例1と同様にして実施例2〜6に係るSSGG単結晶を育成し、得られたSSGG結晶の格子定数を測定した。得られた結果を表1に示す。
[比較例1〜3]
原料のSm:Sc:Ga原子数比を表1の配合にした以外は、実施例1と同様にして比較例1〜3に係るSSGG単結晶を育成し、得られたSSGG結晶の格子定数を測定した。得られた結果を表1に示す。
Figure 0006819862
[NdyBi3-yFe512:ビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜の育成]
[実施例7]
原料として、酸化ビスマス(Bi23)粉末、酸化ネオジウム(Nd23)粉末および酸化鉄(Fe23)粉末と、フラックス成分として、酸化鉛(PbO)粉末、酸化ホウ素(B23)粉末を白金坩堝に充填し、約1000℃に昇温して原料を融解させた。
その後、原料融液の温度を755℃に降下させた後、実施例1に係るSSGG単結晶基板を原料融液に接触させ、液相エピタキシャル法により、化学式NdyBi3-yFe512で示されるビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶(RIG)膜を上記SSGG単結晶基板上に育成した。
得られた実施例7に係るRIGの組成をEPMA定量分析で測定し、上記化学式に当て嵌めると、Nd含有量(y)は1.95で、Bi含有量(3−y)は1.05であった。
(良品収率と挿入損失)
次に、得られた実施例7に係るRIGについて、まず11mm角に切断した後、RIGの育成に用いた上記SSGG単結晶基板を研磨除去し、更に、波長1060nmの光に対してファラデー回転角が45°となるようにRIGの厚みを研磨により調整した上で、RIG両面に波長1060nmの光に対する反射防止膜を形成した。
このようにして得られた11mm角のRIGを、更に1mm角のチップに切断したところ、クラック等による不良品が10個であったのに対し、良品は90個であり、良品収率は90%であった。
また、良品であった1mm角のチップに、波長1060nmのレーザー光を入射し、挿入損失を測定したところ、平均で0.28dBであった。この結果を表2に示す。
[実施例8〜12]
実施例1に係るSSGG単結晶基板に代えて実施例2〜6に係るSSGG単結晶基板を用いた以外は、実施例7と同様にして実施例8〜12に係るRIGを育成し、良品収率、挿入損失をそれぞれ測定した。得られた結果を表2に示す。
[比較例4〜6]
実施例1に係るSSGG単結晶基板に代えて比較例1〜3に係るSSGG単結晶基板を用いた以外は、実施例7と同様にして比較例4〜6に係るRIGを育成し、良品収率、挿入損失をそれぞれ測定した。得られた結果を表2に示す。
Figure 0006819862
[確 認]
実施例7〜12においては、良品収率が90%以上、挿入損失が0.30dB以下であるのに対し、比較例4〜6においては、挿入損失が0.30dBを超えてしまい、かつ、比較例4〜5においては、良品収率が90%未満になってしまうことが確認される。
SSGG単結晶基板を用いて液相エピタキシャル法により育成した本発明に係るRIGは挿入損失が0.30dB以下となる。そして、本発明に係るRIGは波長1μm程度の光吸収に起因した発熱量の低減が図れるため、加工用高出力レーザー装置の光アイソレータ用ファラデー回転子に使用される産業上の利用可能性を有している。
1 育成炉
2 チャンバー
3 断熱材
4 引上げ軸
5 ホットゾーン
6 種結晶
7 SSGG単結晶
8 坩堝
9 原料融液
10 高周波コイル

Claims (2)

  1. 化学式NdyBi3-yFe512(但し、1.95≦y≦2.05)で示されかつ波長1060nmの光に対しファラデー回転角が45°となる膜厚に設定された場合における波長1060nmの光を入射したときの挿入損失が0.30dB以下であることを特徴とするビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜。
  2. 化学式Sm3ScxGa5-x12(但し、1.73≦x≦1.75)で示されかつ格子定数が1.26095nm〜1.26105nmである非磁性ガーネット基板上に、液相エピタキシャル成長法により、化学式NdyBi3-yFe512(但し、1.95≦y≦2.05)で示されかつ波長1060nmの光に対しファラデー回転角が45°となる膜厚に設定された場合における波長1060nmの光を入射したときの挿入損失が0.30dB以下であるビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜を育成することを特徴とするビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜の育成方法。
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