JP6818908B2 - 太陽電池セルおよび太陽電池セルの製造方法 - Google Patents

太陽電池セルおよび太陽電池セルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電極材料ペーストを用いて作製される電極を備えた太陽電池セルおよび太陽電池セルの製造方法に関する。
太陽電池セルにおいて、製造コストの低減は重要な課題である。太陽電池セルの製造コストにおいては、銀電極に用いられている銀のコストが、大きな割合を占めている。銀電極は、主に受光面側電極に用いられている。一般的な受光面側電極は、太陽電池セルの全面にわたって形成されて太陽電池セルで発電された電流を半導体基板から集電する複数の細線電極と、細線電極から電流を集電する集電電極と、の2種類に分類される。細線電極は、一般的にグリッド電極とも呼ばれ、集電電極はバスバー電極とも呼ばれる。
集電電極は、細線電極からの電流の集電以外にも、太陽電池モジュールを構成する際に隣接する太陽電池セル同士を電気的に接続するためのタブ線と呼ばれる導線をはんだ付けするための役割も果たしている。タブ線は、一般的に銅(Cu)からなり、厚さが数百μmのものが用いられる。銅の導電率は1.7μΩcmである。また、銀の導電率は1.6μΩcmであり、銅の導電率と近い値となっている。しかしながら、銀の価格は、銅の価格の100倍程度であり、銀は銅に比べて非常に高価な材料である。
太陽電池セルは、最終的に10枚から60枚程度の複数枚の太陽電池セルがタブ線で電気的に接続されてモジュール化される。このため、最終的な太陽電池モジュールの集電電極としては、太陽電池セルの集電電極と、太陽電池セルの集電電極同士を接続するタブ線と、の両方が相当することになる。導電率と材料コストとの観点からは、集電電極の銀の使用量を可能な限り抑えつつ、銅のタブ線の厚さを厚くすることで、太陽電池モジュールの集電電極の抵抗損失を制御することが、太陽電池モジュールの製造コスト低減につながる。
一方で、はんだ付けでタブ線に接続される金属面、すなわち被接続面としての集電電極の役割を考慮した場合、はんだ付けによる集電電極とタブ線との接着強度が重要となる。太陽電池セルの製造コストの低減の観点からは、太陽電池セルの面内方向における、集電電極の面積を低減することが考えられる。しかしながら、集電電極の面積を減らした場合には、はんだ付けされる接着面積の減少分に比例して、接着強度が低下するという問題がある。
また、近年では、太陽電池セルの製造工数を削減すると共に、銀ペーストといった電極材料の使用量を削減して製造コストの低コスト化を図るために、集電電極を設けない形態の太陽電池セルも検討されている。特許文献1には、集電電極であるバスバー電極を設けることなく、導電性接着フィルムを介してフィンガー電極と交差するように直接タブ線を接着させるバスバーレス構造の太陽電池セルについて示されている。
国際公開第2012/077556号
しかしながら、上記特許文献1に示されるようなバスバー電極を備えない電極構造では、太陽電池セルの受光面側電極とタブ線との接着強度、すなわちフィンガー電極とタブ線との接着強度において、実用レベルの接着強度が得られない、という問題があった。ここで、実用レベルの接着強度を得るためにタブ線の構造を工夫することも考えられる。しかしながら、この場合には、太陽電池セルのフィンガー電極にタブ線をはんだ付けする装置を含む、太陽電池モジュールの製造装置の変更を伴うため、多大な設備投資が必要になる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、太陽電池セル同士を電気的に接続するタブ線と電極との接着強度を確保しつつ電極材料の使用量を低減可能な太陽電池セルを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる太陽電池セルは、pn接合を有する半導体基板と、半導体基板の一面上に設けられ、半導体基板の面内方向における第1方向に延在するとともに半導体基板の面内方向において第1方向と交差する第2方向において互いに平行に配列された複数の細線電極と、半導体基板の一面上に設けられ、隣り合う2つ以上の細線電極を接続するとともに2方向において分断され、分散配置された複数の第1集電電極と、を備える。複数の細線電極は、第1集電電極に接続する細線電極と、第1集電電極に接続しない細線電極とがあり、第1集電電極に接続していない細線電極は、細線電極の幅が細線電極における他の領域よりも幅広とされた、タブ線を接続するための領域であるタブ線接続部を、第1方向における第1集電電極と同じ位置に備える。
本発明にかかる太陽電池セルは、太陽電池セル同士を電気的に接続するタブ線と電極との接着強度を確保しつつ電極材料の使用量を低減可能な太陽電池セルが得られる、という効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルを受光面側から見た上面図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルを受光面と反対側を向く裏面側から見た下面図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの断面構造を説明するための要部断面図であり、図1の線分III−IIIにおける要部断面図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの断面構造を説明するための要部断面図であり、図1の線分IV−IVにおける要部断面図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの細線電極を拡大して示す要部拡大図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの細線電極にタブ線が接続された状態を受光面側から見た上面図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の手順を説明するフローチャート 本発明の実施の形態1にかかる受光面側電極形成用の銀ペーストがp型多結晶シリコン基板に印刷された状態を示す上面図 本発明の実施の形態1にかかる受光面側電極のスクリーン印刷を説明する模式断面図 本発明の実施の形態1にかかる受光面側電極のスクリーン印刷に使用される印刷マスクにおける開口部を拡大して示す要部拡大図 本発明の実施の形態1にかかる他の太陽電池セルを受光面側から見た上面図 本発明の実施の形態1にかかる他の太陽電池セルの細線電極を拡大して示す要部拡大図 本発明の実施の形態1にかかる他の太陽電池セルの細線電極にタブ線が接続された状態を受光面側から見た上面図 本発明の実施の形態1にかかる他の太陽電池セルを受光面側から見た上面図 本発明の実施の形態1にかかる他の太陽電池セルの細線電極を拡大して示す要部拡大図 本発明の実施の形態1にかかる他の太陽電池セルの細線電極にタブ線が接続された状態を受光面側から見た上面図 本発明の実施の形態1にかかる他の太陽電池セルを受光面側から見た上面図 本発明の実施の形態2にかかる太陽電池セルを受光面側から見た上面図 本発明の実施の形態2にかかる他の太陽電池セルを受光面側から見た上面図 本発明の実施の形態3において太陽電池セルのタブ線接続部に電流端子および電圧端子を接触させた状態を示す断面図であり、第2方向に沿った断面図
以下に、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルおよび太陽電池セルの製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セル1を受光面側から見た上面図である。図2は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セル1を受光面と反対側を向く裏面側から見た下面図である。図3は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セル1の断面構造を説明するための要部断面図であり、図1の線分III−IIIにおける要部断面図である。図3は、タブ線接続部5cが形成された部分の太陽電池セル1の要部断面図である。図4は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セル1の断面構造を説明するための要部断面図であり、図1の線分IV−IVにおける要部断面図である。図4は、受光面側集電電極5bが形成された部分の太陽電池セル1の要部断面図である。
本実施の形態1にかかる太陽電池セル1においては、p型多結晶シリコンからなる半導体基板2の受光面側にリン拡散によってn型不純物拡散層3が形成されて、pn接合を有する半導体基板11が形成されているとともに、n型不純物拡散層3上に窒化シリコン(SiN)膜からなる反射防止膜4が形成されている。なお、半導体基板2としてはp型多結晶のシリコン基板に限定されず、p型単結晶のシリコン基板、n型の多結晶のシリコン基板、n型の単結晶シリコン基板といった基板を用いてもよい。また、半導体基板2としてはシリコン基板に限定されず、一般的に結晶太陽電池に使用される半導体基板を使用可能である。
また、半導体基板11の受光面側の表面、すなわちn型不純物拡散層3の受光面側の表面には、テクスチャー構造として図示しない微小凹凸が形成されている。微小凹凸は、受光面において外部からの光を吸収する面積を増加し、受光面における反射率を抑え、光を閉じ込める構造となっている。
また、半導体基板11の受光面側には、第1電極である受光面側電極5が形成されている。受光面側電極5は、長尺細長の多数本の細線電極5aおよび第1集電電極である複数本の受光面側集電電極5bを含み、半導体基板11の受光面側の面において反射防止膜4に囲まれた状態で形成されている。
以下では、太陽電池セル1の一対の辺である第1の辺2aおよび第2の辺2bと平行な方向であり、図1におけるY方向に対応する方向を第1方向とする。また、太陽電池セル1の他の一対の辺である第3の辺2cおよび第4の辺2dと平行な方向であり、図1におけるX方向に対応する方向を第2方向とする。したがって、第2方向は、半導体基板2の面内方向において、第1方向に直交する方向である。
細線電極5aは、銀を主体として構成され、複数本が平行に並べて設けられている。細線電極5aは、外形が156mm角のシリコン基板を用いた太陽電池セル1の場合は、20μm以上、且つ100μm以下程度の範囲の幅を有するとともに既定の間隔で平行に70本以上、且つ300本以下程度の範囲の本数が配置される。細線電極5aは、底面部においてn型不純物拡散層3に電気的に接続している。
受光面側集電電極5bは、細線電極5aに交差した交差部を有した状態で、複数の細線電極5aと導通して、複数個が断続的に設けられている。すなわち、受光面側集電電極5bは、細線電極5aに交差した状態で第2方向と平行に並列配置されている。受光面側集電電極5bは、1mm以上、2mm以下の幅を有するとともに太陽電池セル1枚当たりに2本以上、5本以下の本数が配置され、細線電極5aで集電された電気を外部に取り出す。本実施の形態1では、4本の受光面側集電電極5bが断続的に設けられた例を示している。ここで、受光面側集電電極5bは複数個が第2方向に沿って断続的に設けられているが、第1方向において同じ位置に配置されている複数個の受光面側集電電極5bをまとめて1本と考えることができる。また、受光面側集電電極5bには、太陽電池セル1同士を接続してモジュールを構成する際に、後述するように、タブ線21が接続される。
一方、半導体基板11における受光面と反対側を向く裏面には、外縁領域の一部を除いた全体にわたってアルミニウム材料からなる裏面アルミニウム電極7が設けられ、また銀を主体としてなる裏面バス電極8が設けられている。そして、太陽電池セル1においては、裏面アルミニウム電極7と裏面バス電極8とによって、第2電極である裏面側電極9が構成されている。
また、半導体基板11の裏面側の表層部であって裏面アルミニウム電極7の直下の領域には、高濃度不純物を含んだBSF(Back Surface Field)であるp+層10が形成されている。p+層10は、BSF効果を得るために設けられ、p型層である半導体基板2中の電子が消滅しないようにバンド構造の電界で半導体基板2中の電子濃度を高めるようにする。
このように構成された太陽電池セル1では、太陽光が太陽電池セル1の受光面側から半導体基板11に照射されると、ホールと電子が生成する。生成した電子は、pn接合部、すなわち半導体基板2とn型不純物拡散層3との接合面の電界によって、n型不純物拡散層3に向かって移動する。生成したホールは、pn接合部、すなわち半導体基板2とn型不純物拡散層3との接合面の電界によって、半導体基板2に向かって移動する。これにより、n型不純物拡散層3に電子が過剰となり、半導体基板2にホールが過剰となる結果、光起電力が発生する。光起電力はpn接合を順方向にバイアスする向きに生じ、n型不純物拡散層3に接続した受光面側電極5がマイナス極となり、半導体基板2に接続した裏面側電極9がプラス極となって、図示しない外部回路に電流が流れる。
つぎに、実施の形態1にかかる太陽電池セル1の特徴である受光面側電極5の詳細について説明する。シリコン太陽電池セルの受光面側電極5の電極材料には、一般に銀ペーストが用いられ、例えば、鉛ボロンガラスが添加されている。このガラスはフリット状のもので、例えば、鉛(Pb)が5wt%から30wt%、ボロン(B)が5wt%から10wt%、シリコン(Si)が5wt%から15wt%、酸素(O)が30wt%から60wt%の組成から成り、さらに、亜鉛(Zn)およびカドミウム(Cd)などが数wt%混合される場合もある。このような鉛ボロンガラスは、例えば、800℃程度の温度の加熱で溶解し、シリコンを侵食する性質を有している。また一般に、結晶系シリコン太陽電池セルの製造方法においては、ガラスフリットの特性を利用して、シリコン基板と銀ペーストとの電気的接触を得る方法が用いられている。太陽電池セル1においても、受光面側電極5の電極材料には、銀ペーストが用いられている。
図5は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セル1の細線電極5aを拡大して示す要部拡大図である。図6は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セル1の細線電極5aにタブ線21が接続された状態を受光面側から見た上面図である。
本実施の形態1にかかる太陽電池セル1の受光面側電極5においては、複数の細線電極5aから電流を集電するとともにタブ線21がはんだ付けされる、一般的にバスバー電極と呼ばれる受光面側集電電極5bが断続的に設けられている。受光面側集電電極5bには、複数の細線電極5aが接続されている。すなわち、受光面側集電電極5bは、半導体基板11の一面である受光面上に設けられ、隣り合う2つ以上の細線電極5aを接続するとともに第2方向において複数個が分散配置されている。受光面側集電電極5bは、複数の細線電極5aのうちの一部の細線電極5aと接続する。したがって、細線電極5aにおいては、受光面側集電電極5bに接続する細線電極5aと、受光面側集電電極5bに接続しない細線電極5aとが存在する。これにより、バスバー電極が全ての細線電極5aに接続して連続して設けられる場合よりも、バスバー電極に用いられる銀の使用量を削減することができる。
本実施の形態1では、受光面側集電電極5bは、全ての細線電極5aに接続する連続した一般的なバスバー電極を形成した場合の半分の面積にしている。第2方向における受光面側集電電極5bの長さは、受光面側集電電極5bとタブ線21との間のピール強度と電極材料の使用量との兼ね合いで決定される。第2方向における受光面側集電電極5bの長さが短いほど、電極材料の使用量が減少して太陽電池セル1の製造コストが低減される。一方、第2方向における受光面側集電電極5bの長さが長いほど、受光面側集電電極5bとタブ線21との間のピール強度が強くなる。電極材料の使用量の観点から、1本の受光面側集電電極5bにおいて、分散配置された複数の受光面側集電電極5bの長さの合計は、太陽電池セル1の外形が正方形状である場合には正方形状の1辺の長さの1/2よりも小さいことが好ましい。
第2方向における受光面側集電電極5bの長さは、ピール強度を確保するためには、受光面側集電電極5bの幅の5倍以上の長さであることが好ましい。例えば外形が156mm角の正方形状を有する太陽電池セル1において、1mm幅の受光面側集電電極5bが4本形成される場合、受光面側集電電極5bの長さは5mm以上であることが好ましい。
太陽電池セル1の受光面側電極5においては、受光面側集電電極5bに接続していない細線電極5aに、タブ線接続部5cが設けられている。タブ線接続部5cは、受光面側電極5において、第1方向における受光面側集電電極5bと同じ位置に設けられている。タブ線接続部5cは、複数の太陽電池セル1を用いて太陽電池モジュールを構成する際に、太陽電池セル1同士を電気的に接続するタブ線21をはんだ付けするための接続部であり、細線電極5aにおいて一部の幅が幅広に設けられた領域である。すなわち、太陽電池セル1の受光面側の面内において、タブ線接続部5cが形成された領域では、タブ線接続部5cは、細線電極5aにおける他の領域よりも、太陽電池セル1の受光面側の面内における単位面積当たりの電極の面積が広い。すなわち、タブ線接続部5cが形成された領域では、細線電極5aにおける他の領域よりも、電極の配置面積が広い。
これにより、太陽電池セル1では、タブ線接続部5cを備えない細線電極5aに単にタブ線21を直接はんだ付けする場合と比較して、タブ線21と受光面側電極5がはんだ付けされる面積を広く確保することができる。したがって、受光面側電極5にタブ線21がはんだ付けされた際に、細線電極5aとタブ線21との間で、タブ線21の剥離が生じない実用レベルの接合強度を得ることができる。
図1に示すように複数の細線電極5aは、太陽電池セル1の面内において長手方向を第1方向に沿った方向として、第2方向に並列配置されている。太陽電池セル1は、半導体基板2の面内方向において、一対の辺である第1の辺2aおよび第2の辺2bと、他の一対の辺である第3の辺2cおよび第4の辺2dとにより構成される正方形状を有する。正方形状の1辺の長さは、たとえば156mmである。
タブ線接続部5cは、太陽電池セル1の面内において、長手方向が第1方向に沿った方向とされた長方形を有する。各細線電極5aにおいては、タブ線接続部5cとして、第1タブ線接続部5c1、第2タブ線接続部5c2、第3タブ線接続部5c3および第4タブ線接続部5c4の4つのタブ線接続部5cが、第1方向において、すなわち細線電極5aの長手方向において等間隔で設けられている。
タブ線21は、図6に示すように長手方向を第2方向、すなわち図6におけるX方向に沿った方向とされてタブ線接続部5cにはんだ付けされる。このため、複数の細線電極5aにおいて、第1方向における第1タブ線接続部5c1の配置位置は、図1に示すように同じ位置とされている。同様に、複数の細線電極5aにおいて、第1方向における第2タブ線接続部5c2の配置位置は同じ位置とされ、第1方向における第3タブ線接続部5c3の配置位置は同じ位置とされ、第1方向における第4タブ線接続部5c4の配置位置は同じ位置とされている。
すなわち、複数の細線電極5aにおける第1タブ線接続部5c1は、配列方向が第2方向に沿った方向とされて、第2方向に沿って配置されている。同様に、複数の細線電極5aにおける第2タブ線接続部5c2は第2方向に沿って配置され、複数の細線電極5aにおける第3タブ線接続部5c3は第2方向に沿って配置され、複数の細線電極5aにおける第4タブ線接続部5c4は第2方向に沿って配置されている。そして、複数の細線電極5aにおいて、第1方向におけるタブ線接続部5cの配置位置は、裏面側電極9の裏面バス電極8に対応した位置とされている。
図5に示すように、タブ線接続部5cにおいて、細線電極5aの長手方向と直交する方向におけるタブ線接続部5cの幅であるタブ線接続部の幅X2は、細線電極の幅X1よりも広い幅とされている。細線電極5aの長手方向は、第1方向に対応している。細線電極5aの長手方向と直交する方向は、第2方向に対応している。タブ線接続部5cにおいて、細線電極5aの長手方向におけるタブ線接続部5cの幅であるタブ線接続部の長さY1は、受光面積を低減しないためにタブ線21の幅と等しいことが好ましい。ただし、タブ線接続部5cへのタブ線21の接続時の位置ずれを考慮する場合には、タブ線接続部の長さY1は、タブ線21の幅よりも広くされてもよい。なお、図6においては、タブ線接続部5cとタブ線21との位置関係の理解のため、タブ線接続部の長さY1がタブ線21の幅よりも広くされた場合について示している。
また、はんだ付けによるタブ線接続部5cとタブ線21との接合強度を強くするためには、タブ線接続部5cとタブ線21との接合面積、すなわちタブ線接続部5cとタブ線21とのはんだ付け面積を広くすることが好ましい。たとえばタブ線接続部の幅X2は、細線電極の幅X1の2倍以上の寸法であることが好ましい。一方、タブ線接続部の幅X2が広くなると、太陽電池セル1の面内における受光面側電極5の面積が増えて銀の使用量が増える。このため、タブ線接続部の幅X2は、隣り合う細線電極の間の間隔X3以下であることが好ましい。すなわち、タブ線接続部の幅X2は、第2方向における細線電極の配置ピッチX4の半分以下であることが好ましい。第2方向における細線電極の配置ピッチX4は、第2方向における隣り合う細線電極5aの中心位置間の間隔である。
本実施の形態1では、後述するようにタブ線接続部5cを含む細線電極5aの高さを、全ての細線電極5aに接続する連続した一般的なバスバー電極を備える場合のバスバー電極の高さよりも高く形成することができ、たとえば15μmとすることが可能である。一方、全ての細線電極5aに接続する連続した一般的なバスバー電極の高さは10μm程度であるので、タブ線接続部5cの高さはバスバー電極よりも高くなる。このため、高さの観点からは、半導体基板2の面方向における単位面積あたりのタブ線接続部5cの銀の使用量は増加する。そこで、たとえばタブ線接続部の幅X2の幅を第2方向における細線電極の配置ピッチX4の半分以下にしておけば、タブ線接続部5cの面積を考慮しても、一般的なバスバー電極の高さからのタブ線接続部5cの高さの増加による銀の使用量の増分を、バスバー電極を形成しない領域を設けることによる受光面側電極5の面積の低減分による銀の使用量の低減によって相殺し、さらに銀の使用量を低減できる。
そして、はんだ付けによるタブ線接続部5cとタブ線21との接合においてタブ線21の剥離が生じない実用レベルの接合強度の確保と、受光面側電極5における銀の使用量の低減と、の観点から、タブ線接続部の幅X2は、タブ線接続部5c以外の細線電極5aの幅より大であり、且つ第2方向における細線電極の配置ピッチX4の半分以下の範囲が好ましい。なお、タブ線接続部5cを含む細線電極5aは、スクリーン印刷によって形成されるため、部位によって多少の幅の変動が生じる。したがって、タブ線接続部の幅X2は、タブ線接続部の長さY1における平均値においてタブ線接続部5c以外の細線電極5aの幅より大であり、且つ第2方向における細線電極の配置ピッチX4の半分以下の範囲とすることが好ましい。タブ線接続部の幅X2がタブ線接続部5c以外の細線電極5aの幅以下である場合には、タブ線接続部5cとタブ線21との実用レベルの接合強度が確保できない。タブ線接続部の幅X2が第2方向における細線電極の配置ピッチX4の半分より大である場合には、受光面側電極5における銀の使用量の低減効果が低くなる。
つぎに、太陽電池セル1の製造方法の一例について図7を参照して説明する。図7は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セル1の製造工程の手順を説明するフローチャートである。なお、ここで説明する工程は、シリコン基板を用いた一般的な太陽電池セルの製造工程と同様であるため、一般的な製造工程部分は特に図示しない。
まず、半導体基板2として例えばp型多結晶シリコン基板を用意し、p型多結晶シリコン基板をフッ化水素および純水で洗浄する。その後、ステップS10において、p型多結晶シリコン基板の表面に微小凹凸を形成して表面にテクスチャー構造を形成する。テクスチャー形成としては、例えばフッ化水素酸および硝酸を主とした混酸溶液にp型多結晶シリコン基板が浸漬され、スライス時の形状を反映した凹凸構造がp型多結晶シリコン基板の表面に形成される。
また、半導体基板2として単結晶シリコン基板が用いられる場合には、単結晶シリコン基板がアルカリ溶液に浸漬され、異方性エッチングによってランダムピラミッドが形成されることで微小凹凸が形成される。なお、微小凹凸の形成方法は問わない。
つぎに、ステップS20において、半導体基板2にpn接合が形成される。pn接合の形成は、表面にテクスチャー構造が形成されたp型多結晶シリコン基板に対して、熱拡散によってオキシ塩化リン(POCl)を拡散させる拡散工程を実施することによって行われる。拡散工程では、p型多結晶シリコン基板を例えばオキシ塩化リン(POCl)ガス中で気相拡散法によって高温でリンを熱拡散させて、p型多結晶シリコン基板の表面層にリン(P)が拡散したn型不純物拡散層3を形成することで、pn接合が形成される。例えばp型多結晶シリコン基板を800℃から900℃の温度で1分から10分間加熱することで、n型不純物拡散層3が形成される。n型不純物拡散層3は、p型多結晶シリコン基板の表面の全面に形成される。なお、n型不純物拡散層3は、固相拡散によって形成されてもよく、n型不純物拡散層3の形成方法は問わない。
ここで、n型不純物拡散層3の形成直後のp型多結晶シリコン基板の表面には、リンの気相拡散時に形成されたリンの酸化物を主成分とするリンガラス(Phosphorus Silicate Grass:PSG)層が形成されている。このため、p型多結晶シリコン基板の表面のリンガラス層が、フッ酸溶液といった薬液を用いて除去される。
つぎに、ステップS30において、p型電極である裏面側電極9とn型電極である受光面側電極5とを電気的に絶縁するpn分離が行われて、半導体基板11が得られる。pn分離は、n型不純物拡散層3が形成されたp型多結晶シリコン基板の裏面のみをフッ化水素酸および硝酸を主とした混酸溶液に浸して、p型多結晶シリコン基板の裏面に形成されたn型不純物拡散層3を除去することで行うことができる。これにより、第1導電型層であるp型多結晶シリコンからなる半導体基板2と、半導体基板2の受光面側に形成された第2導電型層であるn型不純物拡散層3と、によりpn接合が構成された半導体基板11が得られる。また、pn分離は、レーザ照射によってp型多結晶シリコン基板の外周部に形成されたn型不純物拡散層3をカットして除去することによって行われてもよい。
つぎに、ステップS40において、n型不純物拡散層3が形成されたp型多結晶シリコン基板の受光面側に、表面保護および光電変換効率改善のために、反射防止膜4としてたとえばプラズマ化学気相成長(Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition:PECVD)法によって窒化シリコン(SiN)が形成される。
つぎに、ステップS50において、スクリーン印刷によってp型多結晶シリコン基板に裏面側電極9を印刷し、乾燥させる。すなわち、p型多結晶シリコン基板の裏面側にスクリーン印刷によって、裏面アルミニウム電極7の形状に電極材料ペーストであるアルミニウムペーストを塗布し、さらに裏面バス電極8の形状に電極材料ペーストである銀ペーストを塗布し、乾燥させる。
つぎに、ステップS60において、スクリーン印刷によってp型多結晶シリコン基板に受光面側電極5を印刷し、乾燥させる。すなわち、p型多結晶シリコン基板の受光面側の反射防止膜4上に、受光面側電極5の形状に対応した開口部が形成された印刷マスクを用いて、図8に示すように、電極材料ペーストである銀ペースト31をスクリーン印刷によって受光面側電極5の形状に塗布した後、銀ペースト31を乾燥させる。図8は、本発明の実施の形態1にかかる受光面側電極形成用の銀ペースト31がp型多結晶シリコン基板に印刷された状態を示す上面図である。
このとき、細線電極の高さが同じであり且つ全ての細線電極に接続する連続した一般的なバスバー電極を備えた太陽電池セルと比較した場合、一般的なバスバー電極と比較して高さが高いタブ線接続部5cが形成される。図9は、本発明の実施の形態1にかかる受光面側電極5のスクリーン印刷を説明する模式断面図である。図10は、本発明の実施の形態1にかかる受光面側電極5のスクリーン印刷に使用される印刷マスク41における開口部44を拡大して示す要部拡大図である。
受光面側電極5の印刷に使用される印刷マスク41、すなわち受光面側集電電極5b、細線電極5aおよびタブ線接続部5cを一括して印刷する際に使用される印刷マスク41は、図9に示すように、10μmから100μmの線径を有する金属線を編んで形成されたメッシュ42と呼ばれる部品に乳剤43と呼ばれる有機成分の膜を形成し、印刷領域に対応する部分の乳剤43を除去して開口部44が形成されたものである。図10においては、細線電極5aおよびタブ線接続部5cを印刷するための開口部44を示している。銀ペースト31を印刷する際には、印刷マスク41上に銀ペースト31が塗布され、スキージ45と呼ばれるゴムからなる板部品を印刷マスク41上で既定の方向に移動させて銀ペースト31の開口部44から印刷マスク41の下方に押し出すことによって電極が印刷される。
ここで、受光面側電極5には、細線電極5aとタブ線接続部5cと受光面側集電電極5bとが含まれるが、細線電極5aの幅は20μm以上、且つ100μm以下の範囲であり、幅が狭い。図10に示すように、開口部44において細線電極5aに対応する開口部である第1開口部46は、印刷される細線電極5aの幅に対応して、細線電極の幅X1と同じ寸法または細線電極の幅X1よりも大きい寸法で形成される。このため、第1開口部46は、細線電極の幅X1に対応する開口幅である開口幅X1aが狭く、銀ペースト31を細線電極5aの形状に安定して印刷することが難しい。
そこで、印刷マスク41上におけるスキージ45の移動方向が、印刷される細線電極5aの長手方向と同じ方向、すなわち第1開口部46の長手方向と同じ方向とされる。これにより、印刷マスク41上においてスキージ45を移動させた場合に、第1開口部46の長手方向と、印刷マスクの上面41aとスキージ45との接触面の長手方向と、が直交する。すなわち、第1開口部46の長手方向と、スキージ45の下端部の長手方向と、が直交する。そして、スキージ45の下端部は、スキージ45の下端部の長手方向において隣り合う第1開口部46の間に位置する印刷マスクの上面41aによって保持される。このため、スキージ45が開口部44に落ち込むことがなく、銀ペースト31を所望の厚みで印刷することができる。
一方、タブ線接続部の幅X2は、タブ線接続部5c以外の細線電極5aの幅より大であり、且つ第2方向における細線電極の配置ピッチX4の半分以下の範囲とされる。第2方向における細線電極の配置ピッチX4が0.5mm以上、2mm以下とされる場合には、タブ線接続部の幅X2は、0.25μm以上、且つ1mm以下の範囲とされる。そして、開口部44においてタブ線接続部5cに対応する開口部である第2開口部47は、タブ線接続部の幅X2に対応して、タブ線接続部の幅X2と同じ寸法またはタブ線接続部の幅X2よりも大きい寸法で形成される。このため、第2開口部47におけるタブ線接続部の幅X2に対応する開口幅である開口幅X2aは、開口幅X1aよりも広い。しかしながら、開口幅X2aは、一般的なバスバー電極の幅と比較すると狭い。一般的なバスバー電極の幅は、1mm以上、且つ2mm以下の範囲である。
印刷マスク41上におけるスキージ45の移動方向を第1開口部46の長手方向と同じ方向として銀ペースト31の印刷を行う際には、スキージ45の下端部は、第2開口部47の領域においては、スキージ45の下端部の長手方向において隣り合う第2開口部47の間に位置する印刷マスクの上面41aによって保持される。このため、スキージ45が第2開口部47に落ち込むことがなく、銀ペースト31を第1開口部46と同じ所望の厚みで印刷することができる。
なお、太陽電池セルがバスバー電極を備える場合、一般的にバスバー電極の幅は1mm以上、2mm以下とされ、細線電極の幅よりも大幅に広い。また、バスバー電極は、グリッド電極、すなわち細線電極と直交する方向に形成される。そして、スキージ45の移動方向を細線電極5aの長手方向と同じ方向にするため、印刷マスクにおいてバスバー電極に対応する開口部の長手方向と、スキージの下端部の長手方向と、が平行となる。このため、印刷マスク上においてスキージを移動させた場合に、バスバー電極に対応する開口部にスキージの一部が落ち込み、開口部から印刷面に印刷された電極材料ペーストにおける、バスバー電極の幅方向における中央領域の厚さが大幅に薄くなる。
一方、印刷マスク41では、印刷マスク41上におけるスキージ45の移動方向を第1開口部46の長手方向と同じ方向として銀ペースト31の印刷を行う際には、スキージ45の下端部は、開口部44における図示しない受光面側集電電極5bに対応する領域を通過するときに、スキージ45の下端部の長手方向において隣り合う第2開口部47の間に位置する印刷マスクの上面41aによって保持される。このため、スキージ45が開口部44における受光面側集電電極5bに対応する領域に落ち込むことがない。したがって、本実施の形態1における受光面側集電電極5bは、細線電極5aと同様の高さで形成できる。
当然ながら、開口幅の設計値、電極材料ペーストの種類および印刷条件によって印刷状況が異なるが、上記の理由で、太陽電池セル1では、細線電極の高さが太陽電池セル1の細線電極5aと同じであり且つ全ての細線電極に接続する連続した一般的なバスバー電極を備えた太陽電池セルと比較した場合、一般的なバスバー電極と比較して、高さが高いタブ線接続部5cを形成することができる。すなわち、一般的なバスバー電極と比較して厚さが厚いタブ線接続部5cを形成することができる。
その後、ステップS70において、p型多結晶シリコン基板に印刷されたペーストを焼成することで、受光面側電極5としての細線電極5a、タブ線接続部5cおよび受光面側集電電極5bと、裏面側電極9としての裏面アルミニウム電極7および裏面バス電極8と、が得られる。この焼成工程では、受光面側電極5は、絶縁膜である反射防止膜4をファイヤースルーしてn型不純物拡散層3と導通を取る。また、p型多結晶シリコン基板の裏面側に形成されていたn型不純物拡散層3のうち裏面アルミニウム電極7の直下の領域は、アルミニウムの拡散によりp+層10に変わる。
以上のような工程を実施することにより、図1から図3に示す本実施の形態1にかかる太陽電池セル1が作製される。なお、電極材料であるペーストの半導体基板11への配置の順番を、受光面側と裏面側とで入れ替えてもよい。
上述した太陽電池セル1は、受光面側電極5に受光面側集電電極5bとタブ線接続部5cを備えることによって、タブ線21が受光面側電極5の受光面側集電電極5bとタブ線接続部5cとにはんだ付けされる。ここで、受光面側集電電極5bは、タブ線21との接合面積が広く確保できるため、タブ線21の剥離の生じない実用レベルの接合強度を得ることができる。
また、受光面側電極5において受光面側集電電極5bが形成されてないタブ線接続領域、すなわち受光面側集電電極5bが接続されていない細線電極5aとタブ線21とが接続される領域にはタブ線接続部5cが形成されている。そして、タブ線接続部の幅X2が細線電極の幅X1よりも広い幅とされている。このため、受光面側集電電極5bが接続されていない細線電極5aとタブ線21とが接続される領域では、タブ線接続部5cを備えない細線電極5aに単にタブ線21を直接はんだ付けする場合と比較して、タブ線21と細線電極5aとがはんだ付けされる面積を広く確保することができる。したがって、受光面側電極5にタブ線21がはんだ付けされた際に、細線電極5aとタブ線21との間で、タブ線21の剥離の生じない実用レベルの接合強度を得ることができる。
そして、タブ線接続部5cの形状を長方形とすることによって、はんだ付けによるタブ線21との接合面積を広く確保することができる。たとえば、タブ線接続部の長さY1がタブ線21の幅と同じ幅とされ、タブ線接続部の幅X2が200μmとされたタブ線接続部5cを形成することで、複数の太陽電池セル1をタブ線21で接続した太陽電池モジュールにおいて支障のない実用レベルで、細線電極5aとタブ線21との接着強度を確保することができる。
また、太陽電池セル1は、第2方向において断続的に配置された受光面側集電電極5bを備えるため、全ての細線電極5aに接続する連続した一般的なバスバー電極を形成する場合と比較して、バスバー電極を形成するための銀の使用量を削減することができる。太陽電池セル1は、タブ線接続部5cを備えていない太陽電池セルに比べて、タブ線接続部5cの幅の、細線電極5aにおける他の領域の幅からの増加分と、受光面側集電電極5bの高さが、連続した一般的なバスバー電極よりも高い、細線電極5aと同等の高さになる増加分と、に対応した量だけ、電極材料である銀の使用量が増加する。しかしながら、太陽電池セル1は、受光面側集電電極5bが第2方向において断続的に配置されることによる銀の使用量の低減分が非常に大きい。このため、太陽電池セル1は、第2方向における受光面側集電電極5bの長さを調整することにより、連続した一般的なバスバー電極を備える場合と比較して、受光面側電極5における銀の使用量を大幅に低減することができる。
すなわち、太陽電池セル1は、受光面側集電電極5bが接続されていない細線電極5aとタブ線21とが接続される領域では、細線電極5aの幅を広げて面積を広げたタブ線接続部5cを、タブ線21がはんだ付けされるタブ線21の接続部として使用する。これにより、太陽電池セル1は、受光面側集電電極5bが接続されていない細線電極5aとタブ線21とが接続される領域では、全ての細線電極5aに接続する連続した一般的なバスバー電極を備える場合に比べて、タブ線21がはんだ付けされる領域の面積を大幅に低減できる。したがって、太陽電池セル1は、受光面側電極5における銀の使用量を大きく低減しながら受光面側電極5にタブ線21をはんだ付けすることが可能であり、且つ太陽電池モジュールにおいて支障のない実用レベルで、タブ線21の接着強度を確保することができる。
例えば、細線電極5aを印刷する印刷マスク41における、細線電極の幅X1に対応する開口幅X1aを20μm以上、且つ50μm以下の範囲として、タブ線接続部の幅X2に対応する開口幅X2aのみを100μm以上、且つ700μm以下の範囲とする。この場合には、タブ線接続部5cを含む細線電極5aの電極高さを15μmとすることが可能である。
また、例えば印刷マスク41における細線電極の幅X1に対応する開口幅X1aを20μm以上、且つ50μm以下の範囲から、50μm以上、且つ100μm以下の範囲に変更した場合でも、15μm以上の厚さに、タブ線接続部5cを含む細線電極5aを形成することが可能である。
このように、印刷マスク41においてタブ線接続部の幅X2に対応する開口幅X2aのみを700μmとした場合でも、タブ線接続部5cを含む細線電極5aの高さを、全ての細線電極5aに接続する連続した一般的なバスバー電極を備える場合のバスバー電極の高さよりも高く形成することができる。このため、太陽電池セル1においては、全ての細線電極5aに接続する連続した一般的なバスバー電極を備える場合に比べて、タブ線21と受光面側電極5との接触面積は減るものの、タブ線21と接続される領域の単位面積当たりの接着強度を、タブ線21と接続されるタブ線接続部5cが厚くなることで補償することが可能となる。これは、はんだ付けによる電極とタブ線との接着強度と、電極の厚さと、には相関があること、および接着強度の観点からは電極の厚さは厚い方が有利であること、を利用している。
また、通常の集電電極は幅が1mm以上2mm以下であるのに対して、受光面側集電電極5bの幅をたとえば100μmに極端に細線化してもよい。これにより、受光面側電極5における銀の使用量をより大幅に低減することができる。受光面側集電電極5bをなくした場合でも、太陽電池セル1へのタブ線21の接続は可能である。しかしながら、太陽電池セル1の出力特性を評価する上で集電電極が必要となる場合がある。たとえば100μmの幅の受光面側集電電極5bを太陽電池セル1に設けておくことで、受光面側電極5における電極材料の使用量を削減しつつ、太陽電池セル1の出力特性を測定することが可能となる。
つぎに、タブ線接続部5cの形状の他の例について説明する。図11は、本発明の実施の形態1にかかる他の太陽電池セル51を受光面側から見た上面図である。図12は、本発明の実施の形態1にかかる他の太陽電池セル51の細線電極5aを拡大して示す要部拡大図である。図13は、本発明の実施の形態1にかかる他の太陽電池セル51の細線電極5aにタブ線21が接続された状態を受光面側から見た上面図である。図11および図12に示すように、他の太陽電池セル51は、他の太陽電池セル51の面内方向におけるタブ線接続部5cの形状が菱型とされている。他の太陽電池セル51は、タブ線接続部5cを備えるため、太陽電池セル1と同様の効果を有する。また、他の太陽電池セル51は、タブ線接続部5cの形状を菱型とすることによって、タブ線21が細線電極5aの長手方向にずれた場合にタブ線21とタブ線接続部5cとの接続領域をより広く確保できるという効果が得られる。
細線電極5aの長手方向におけるタブ線接続部5cの幅であるタブ線接続部の長さY1および面積が等しい、長方形のタブ線接続部5cと菱形のタブ線接続部5cとについて、タブ線21とタブ線接続部5cとの接続領域を比較して考える。菱形のタブ線接続部5cのタブ線接続部の長さY1は、菱形のタブ線接続部5cにおけるY方向、すなわち第1方向の対角線の長さに対応する。この場合は、タブ線接続部の長さY1と面積とが等しいため、菱形のタブ線接続部5cのタブ線接続部の幅X2は、長方形のタブ線接続部5cのタブ線接続部の幅X2の2倍となる。菱形のタブ線接続部5cのタブ線接続部の幅X2は、菱形のタブ線接続部5cにおけるX方向、すなわち第2方向の対角線の長さに対応する。タブ線21が、第1方向において、タブ線接続部5c上の適正な配置位置からずれる場合について考える。タブ線21の幅は、タブ線21とタブ線接続部5cとにおけるタブ線接続部の長さY1と同じである。タブ線21が、タブ線接続部5cの半分の位置までずれると、長方形のタブ線接続部5cと菱形のタブ線接続部5cとで、タブ線21とタブ線接続部5cとの接続領域の面積は、同じになる。タブ線接続部5c上の適正な配置位置からのタブ線21のずれがタブ線接続部5cの半分未満であれば、タブ線21とタブ線接続部5cとの接続領域の面積は、菱形のタブ線接続部5cのほうが大きくなる。
図14は、本発明の実施の形態1にかかる他の太陽電池セル52を受光面側から見た上面図である。図15は、本発明の実施の形態1にかかる他の太陽電池セル52の細線電極5aを拡大して示す要部拡大図である。図16は、本発明の実施の形態1にかかる他の太陽電池セル52の細線電極5aにタブ線21が接続された状態を受光面側から見た上面図である。図14および図15に示すように、他の太陽電池セル52は、他の太陽電池セル52の面内方向におけるタブ線接続部5cの形状が三角形とされている。他の太陽電池セル52は、タブ線接続部5cを備えるため、太陽電池セル1と同様の効果を有する。また、他の太陽電池セル52は、タブ線接続部5cの形状を三角形とすることによって、タブ線接続部5cの電極パターンが非対称となり、太陽電池セル1の向きを容易に認識できるという効果が得られる。
上述したように、本実施の形態1にかかる太陽電池セル1は、第2方向において断続的に設けられた受光面側集電電極5b、すなわちタブ線接続領域において局所的に設けられた受光面側集電電極5bを備える。このため、太陽電池セル1は、全ての細線電極5aに接続する連続した一般的なバスバー電極を形成する場合と比較して、バスバー電極を形成するための銀の使用量を削減できる。
また、太陽電池セル1においては、第2方向において断続的に配置される受光面側集電電極5bの面積を調整することで、太陽電池セル1の受光面側における受光面側電極5による被覆率を、全ての細線電極5aに接続する連続した一般的なバスバー電極が存在する場合の半分以下の被覆率とすることが可能であり、受光面側電極5における銀の使用量を低減することができる。そして、タブ線接続部の幅X2を、第2方向における細線電極の配置ピッチX4の半分以下とすることで、受光面側集電電極5bが形成されていないタブ線接続領域における受光面側電極5の面積を半分以下とすることが可能であり、銀の使用量を大幅に低減できる。
例えば、バスバー電極が存在せず、隣り合う細線電極5aと細線電極5aとの間隔が1.5mmであり、タブ線接続部5cが長方形の場合を仮定する。この場合のバスバー電極とタブ線接続部5cとの電極体積の比較を行う。タブ線21の幅は1.0mmと仮定する。一般的な太陽電池セルの場合、バスバー電極の高さを10μmと仮定すると、第2方向における細線電極5a間のバスバー電極の体積は、幅×長さ×高さ=1.0mm×1.5mm×10μm=0.015mmとなる。
つぎに、本実施の形態1にかかる太陽電池セル1の受光面側電極5のパターンで、タブ線接続部5cの体積を計算する。タブ線接続部5cの電極幅を第2方向における細線電極5aのピッチの1/2以下となるように700μmとし、高さは20μmと仮定する。この場合、幅×長さ×高さ=1.0mm×700μm×20μm=0.014mmとなる。細線電極5aの高さが2倍になったと仮定しても、タブ線接続部5cの幅を第2方向における細線電極5aのピッチの半分以下にしておけば、受光面側電極5に使用される銀の使用量の削減効果が期待できる。
一方で、受光面側集電電極5bが形成されていないタブ線接続領域の接着強度に関して、太陽電池セル1では細線電極5aにおいて幅が広くなっているタブ線接続部5cの部分でタブ線21にはんだ付けによって接着できる。このため、太陽電池セル1は、例えばタブ線接続部5cを幅200μmの長方形とした場合でも、太陽電池モジュールにおいて支障のない実用レベルで、タブ線21との接着強度を確保することができる。ただし、接着強度は当然ながら、電極ペースト材料、タブ線の材料、はんだ付け条件に依存する。
すなわち、太陽電池セル1は、受光面側集電電極5bが存在しないタブ線接続領域を設けることで集電電極に使用される銀の使用量を大きく削減しつつ、受光面側集電電極5bが存在しないタブ線接続領域ではタブ線21と接合される部分のみ幅を広げて面積を広げることで、細線電極5aとタブ線21との接合強度の向上が図ることができる。
また、タブ線接続部5cは、受光面側集電電極5bに接続していない全ての細線電極5aに設ける必要があるわけではなく、受光面側集電電極5bに接続していない細線電極5aのうちの一部の細線電極5aに設けてもよい。図17は、本発明の実施の形態1にかかる他の太陽電池セル53を受光面側から見た上面図である。
図17に示すように、他の太陽電池セル53は、第2方向における受光面側集電電極5bと受光面側集電電極5bとの間に細線電極5aが3本あり、中央の1本の細線電極5aのみにタブ線接続部5cが設けられている。受光面側集電電極5bに接続していない細線電極5aにおいて、タブ線接続部5cを備えない細線電極5aを設けることによって、受光面側電極5における銀の使用量をさらに低減できる。
受光面側集電電極5bに接続していない細線電極5aのうちタブ線接続部5cが設けられていない細線電極5aに隣り合う一方の細線電極5aにタブ線接続部5cが形成されている。また、受光面側集電電極5bに接続していない細線電極5aのうちタブ線接続部5cが設けられていない細線電極5aに隣り合う他方の細線電極5aに受光面側集電電極5bが形成されている。受光面側電極5にタブ線21がはんだ付けされた際には、タブ線接続部5cが設けられていない細線電極5aは、隣り合う細線電極5aとタブ線21との接着強度が確保されているため、タブ線21の剥離が防止される。
この場合、タブ線接続部5cが設けられていない細線電極5aもあるため、タブ線接続部の幅X2は、細線電極の配置ピッチX4の半分以下でもよいが、受光面側電極5における銀の使用量の削減が期待できる程度の幅において、広くすることも可能である。
上述したように、本実施の形態1にかかる太陽電池セル1は、太陽電池セル1同士を電気的に接続するタブ線21と受光面側電極5との接着強度を確保しつつ電極材料の使用量を低減して太陽電池セル1の製造コストを低減可能である、という効果を奏する。
実施の形態2.
受光面側集電電極5bが形成されてないタブ線接続領域には、細線電極5a同士を電気的に接続する、受光面側集電電極5bよりも細い第2集電電極5dを形成することが可能である。図18は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池セル54を受光面側から見た上面図である。本実施の形態2にかかる太陽電池セル54は、第2方向に延在し、複数の細線電極5aにおいて第1方向における同じ位置に配置された複数のタブ線接続部5cを電気的に接続する第2集電電極5dを備える点が、実施の形態1にかかる太陽電池セル1と異なる。
太陽電池セル54の受光面側電極5にタブ線21が接続される場合には、タブ線接続部5cと第2集電電極5dとがタブ線21にはんだ付けされる。ここで、本実施の形態2にかかる太陽電池セル54では、第2集電電極5dの幅が100μmに大幅に細線化されている。一方で、実施の形態1にかかる太陽電池セル1と同様に、タブ線21とはんだ付けされるタブ線接続部5cを細線電極5aに設けて、受光面側集電電極5bに接続していない細線電極5aとタブ線21とがはんだ付けされる面積を広く確保している。これにより、太陽電池セル54では、実施の形態1にかかる太陽電池セル1と同様の効果が得られる。
また、太陽電池セル54における第2集電電極5dは、細線電極5aから電流を集める機能を有するが、主な機能は細線電極5a同士を電気的に接続することである。太陽電池セル54は、第2方向に沿って配列された複数のタブ線接続部5c同士を電気的に接続することで、細線電極5a同士を電気的に接続している。第2集電電極5dを形成しておくことで、細線電極5aが断線した場合に、キャリアが他の細線電極5aに集中することによる抵抗損失を緩和することが可能である。第2集電電極5dは、ステップS60およびステップS70において細線電極5a等と同時に形成される。
また、上述した第2集電電極5dの幅は、30μm以上、且つ300μm以下の範囲であることが好ましい。第2集電電極5dの幅が30μm未満の場合は、スクリーン印刷による形成が難しく、第2集電電極5dの断線が発生するという問題がある。第2集電電極5dの幅が300μmより大である場合は、第2集電電極5dにおける電極使用量が多くなり受光面側電極5における銀の使用量の削減効果が小さくなる。なお、第2集電電極5dは、スクリーン印刷によって形成されるため、部位によって多少の幅の変動が生じる。したがって、第2集電電極5dの幅は、平均値において30μm以上、且つ300μm以下の範囲とすることが好ましい。
図19は、本発明の実施の形態2にかかる他の太陽電池セル55を受光面側から見た上面図である。他の太陽電池セル55は、本実施の形態2にかかる太陽電池セル54の変形例であり、太陽電池セル54と同様に、第2方向に延在し、複数の細線電極5aにおいて第1方向における同じ位置に配置された複数のタブ線接続部5cを電気的に接続する第2集電電極5dを備える。そして、他の太陽電池セル55は、第1集電電極である受光面側集電電極5bと第2集電電極5dとで囲まれた領域に、細線電極5aは形成されていない。
他の太陽電池セル55において、第2方向に沿って配列された複数のタブ線接続部5c同士は、太陽電池セル54と同様に第2集電電極5dによって電気的に接続される。したがって、図19に示すように、第1集電電極である受光面側集電電極5bと第2集電電極5dとで囲まれた領域には、細線電極5aは形成されていなくてもよい。第1集電電極である受光面側集電電極5bと第2集電電極5dとで囲まれた領域の細線電極5aを無くすことによって、受光面側電極5における銀の使用量をさらに低減できる。
他の太陽電池セル55の受光面側電極5にタブ線21が接続される場合には、受光面側集電電極5bとタブ線接続部5cと第2集電電極5dとがタブ線21にはんだ付けされる。ここで、他の太陽電池セル55では、第2集電電極5dの幅が100μmに大幅に細線化されている。一方で、実施の形態1にかかる太陽電池セル1と同様に、タブ線21とはんだ付けされるタブ線接続部5cを細線電極5aに設けて、受光面側集電電極5bに接続していない細線電極5aとタブ線21とがはんだ付けされる面積を広く確保している。
また、受光面側集電電極5bに接続せず且つタブ線接続部5cを備えない細線電極5aは、第2集電電極5dに接続している。受光面側電極5にタブ線21がはんだ付けされた際には、受光面側集電電極5bに接続せず且つタブ線接続部5cを備えない細線電極5aは、接続している第2集電電極5dとタブ線21とが接着され、また受光面側集電電極5bに接続している隣り合う細線電極5aとタブ線21との接着強度が確保されているため、タブ線21の剥離が防止される。したがって、他の太陽電池セル55では、実施の形態1にかかる太陽電池セル1と同様の効果が得られる。
実施の形態3.
実施の形態3では、上述した太陽電池セル1の出力特性の測定について説明する。太陽電池セルの出力特性である電流−電圧特性の測定、すなわちIV測定は、4端子法を用いて行うことができる。受光面側電極における集電電極は、電流−電圧特性の測定時に、太陽電池セルの出力特性を測定する測定機器に接続された電流測定用の電流端子および測定機器に接続された電圧測定用の電圧端子を接触させるための外部端子の役割も担っている。ここで、電流端子と電圧端子との間の抵抗が高い場合は、該当領域での電圧降下がIV測定に悪影響を及ぼすため注意が必要である。
太陽電池セル1のIV測定は、太陽電池セル1で発生した電流と電圧とを別々の端子で測定する4端子法を用いて行われる。電流と電圧とを同じ端子で測定する2端子法で太陽電池セルのIV測定を行う場合、測定された電圧は、端子と太陽電池セルとの接触抵抗部分に電流が流れて発生した電圧降下を含む。このため、2端子法で太陽電池セルのIV測定を行う場合には太陽電池セルの表面とは異なる電圧を測定することになり、測定された電圧に誤差が生じることになる。一方、4端子法では電圧端子と電流端子とが分けられており、電圧端子と電流端子との各々に専用の端子が用いられる。これにより、電圧端子には電流が流れることがないため、上述した接触抵抗部分での電圧降下を除外できる。ここで、4端子法では、電流と電圧との測定場所を同一にする必要がある。ただし、例えば電流端子と電圧端子との距離が離れている場合、または電流端子と電圧端子との間の抵抗が高い場合には、電圧端子と電流端子との間で電圧降下が発生することにより、誤測定となる可能性がある。
上述した実施の形態1にかかる太陽電池セル1では、タブ線接続部5cに、電流測定用の電流端子および電圧測定用の電圧端子を接触させてIV測定を実施することが可能である。一般的に細線電極の幅は100μm前後とされており非常に細いため、細線電極に端子を接触させることは難しい。しかしながら、太陽電池セル1では、タブ線接続部5cを例えば2mmの幅に広げられる。これにより、太陽電池セル1では、IV測定を実施する際に、細線電極に端子を接触させることが容易となる。
図20は、本発明の実施の形態3において太陽電池セル1のタブ線接続部5cに電流端子61および電圧端子62を接触させた状態を示す断面図であり、第2方向に沿った断面図である。タブ線接続部5cを用いてIV測定を実施するためには、図20に示したように電流端子61の端部から電圧端子62の端部までの領域にタブ線接続部5cが存在する必要がある。タブ線接続部5cにおける電圧降下が測定精度に影響し、タブ線接続部5cが存在するため抵抗が低く、電圧降下が小さいためである。
各タブ線接続部5cには、1本の細線電極5aのみが接続される。一方、受光面側集電電極5bには、複数の細線電極5aが接続される。IV測定の際は、1つのタブ線接続部5cに電流端子61および電圧端子62の両方を接触させる。このため、電流端子61と電圧端子62との間には、幅の広い銀電極であるタブ線接続部5cが存在するため、大きな電圧降下は生じず、IV測定上の問題にはならない。
タブ線接続部5cの個数については、電圧端子はタブ線接続部5cに接触させるので、測定の安定性のために、2個以上とすることが好ましい。また、受光面側集電電極5bの個数については、タブ線接続部5cの個数と同じか、それ以上であることが好ましい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、上記の実施の形態の技術同士を組み合わせることも可能であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1,54 太陽電池セル、2,11 半導体基板、2a 第1の辺、2b 第2の辺、2c 第3の辺、2d 第4の辺、3 n型不純物拡散層、4 反射防止膜、5 受光面側電極、5a 細線電極、5b 受光面側集電電極、5c タブ線接続部、5c1 第1タブ線接続部、5c2 第2タブ線接続部、5c3 第3タブ線接続部、5c4 第4タブ線接続部、5d 第2集電電極、7 裏面アルミニウム電極、8 裏面バス電極、9 裏面側電極、10 p+層、21 タブ線、31 銀ペースト、41 印刷マスク、41a 印刷マスクの上面、42 メッシュ、43 乳剤、44 開口部、45 スキージ、46 第1開口部、47 第2開口部、51,52,53,55 他の太陽電池セル、61 電流端子、62 電圧端子、X1 細線電極の幅、X1a 開口幅、X2 タブ線接続部の幅、X2a 開口幅、X3 隣り合う細線電極の間の間隔、X4 細線電極の配置ピッチ、Y1 タブ線接続部の長さ。

Claims (13)

  1. pn接合を有する半導体基板と、
    前記半導体基板の一面上に設けられ、前記半導体基板の面内方向における第1方向に延在するとともに前記半導体基板の面内方向において前記第1方向と交差する第2方向において互いに平行に配列された複数の細線電極と、
    前記半導体基板の一面上に設けられ、隣り合う2つ以上の前記細線電極を接続するとともに前記第2方向において分断され、分散配置された複数の第1集電電極と、
    を備え、
    前記複数の細線電極は、前記第1集電電極に接続する前記細線電極と、前記第1集電電極に接続しない前記細線電極とがあり、
    前記第1集電電極に接続していない前記細線電極は、前記細線電極の幅が前記細線電極における他の領域よりも幅広とされた、タブ線を接続するための領域であるタブ線接続部を、前記第1方向における前記第1集電電極と同じ位置に備えること、
    を特徴とする太陽電池セル。
  2. pn接合を有する半導体基板と、
    前記半導体基板の一面上に設けられ、前記半導体基板の面内方向における第1方向に延在するとともに前記半導体基板の面内方向において前記第1方向と交差する第2方向において互いに平行に配列された複数の細線電極と、
    前記半導体基板の一面上に設けられ、隣り合う2つ以上の前記細線電極を接続するとともに前記第2方向において分断され、分散配置された複数の第1集電電極と、
    を備え、
    前記複数の細線電極は、前記第1集電電極に接続する前記細線電極と、前記第1集電電極に接続しない前記細線電極とがあり、
    前記第1集電電極に接続していない前記細線電極は、前記細線電極の幅が前記細線電極における他の領域よりも幅広とされた、タブ線を接続するための領域であるタブ線接続部を、前記第1方向における前記第1集電電極と同じ位置に備え、前記第1方向における前記タブ線接続部の長さと同じ幅を有する前記タブ線が前記タブ線接続部に接続されていること、
    を特徴とする太陽電池セル。
  3. 前記タブ線接続部は、前記第2方向の幅の平均が、前記タブ線接続部以外の前記細線電極の幅より大であり、且つ第2方向における前記細線電極の配置ピッチの半分以下の範囲であること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池セル。
  4. 前記太陽電池セルの面内における前記タブ線接続部の形状が長方形であること、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の太陽電池セル。
  5. 前記太陽電池セルの面内における前記タブ線接続部の形状が三角形であること、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の太陽電池セル。
  6. 前記太陽電池セルの面内における前記タブ線接続部の形状が菱形であること、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の太陽電池セル。
  7. 第1導電型の半導体基板の一面側に第2導電型の不純物拡散層を形成する第1工程と、
    前記半導体基板の面内方向における第1方向に延在するとともに前記半導体基板の面内方向において前記第1方向と交差する第2方向において互いに平行に配列された複数の細線電極と、隣り合う2つ以上の前記細線電極を接続するとともに前記第2方向において分断されて分散配置された複数の第1集電電極と、を前記半導体基板の一面上に形成する第2工程と、
    を含み、
    前記第2工程では、前記第1集電電極に接続する前記細線電極と、前記第1集電電極に接続しない前記細線電極とを形成し、前記細線電極の幅が前記細線電極における他の領域よりも幅広とされて、タブ線を接続するための領域であるタブ線接続部を、前記第1集電電極に接続していない前記細線電極の、前記第1方向における前記第1集電電極と同じ位置に形成すること、
    を特徴とする太陽電池セルの製造方法。
  8. 第1導電型の半導体基板の一面側に第2導電型の不純物拡散層を形成する第1工程と、
    前記半導体基板の面内方向における第1方向に延在するとともに前記半導体基板の面内方向において前記第1方向と交差する第2方向において互いに平行に配列された複数の細線電極と、隣り合う2つ以上の前記細線電極を接続するとともに前記第2方向において分断されて分散配置された複数の第1集電電極と、を前記半導体基板の一面上に形成する第2工程と、
    前記細線電極にタブ線を接続する第3工程と、
    を含み、
    前記第2工程では、前記第1集電電極に接続する前記細線電極と、前記第1集電電極に接続しない前記細線電極とを形成し、前記細線電極の幅が前記細線電極における他の領域よりも幅広とされて、前記タブ線を接続するための領域であるタブ線接続部を、前記第1集電電極に接続していない前記細線電極の、前記第1方向における前記第1集電電極と同じ位置に形成し、
    前記第3工程では、前記第1方向における前記タブ線接続部の長さと同じ幅を有する前記タブ線を前記タブ線接続部に接続すること、
    を特徴とする太陽電池セルの製造方法。
  9. 前記タブ線接続部は、前記第2方向の幅の平均が、前記タブ線接続部以外の前記細線電極の幅より大であり、且つ第2方向における前記細線電極の配置ピッチの半分以下の範囲であること、
    を特徴とする請求項またはに記載の太陽電池セルの製造方法。
  10. 前記太陽電池セルの面内における前記タブ線接続部の形状が長方形であること、
    を特徴とする請求項からのいずれか1つに記載の太陽電池セルの製造方法。
  11. 前記太陽電池セルの面内における前記タブ線接続部の形状が三角形であること、
    を特徴とする請求項からのいずれか1つに記載の太陽電池セルの製造方法。
  12. 前記太陽電池セルの面内における前記タブ線接続部の形状が菱形であること、
    を特徴とする請求項からのいずれか1つに記載の太陽電池セルの製造方法。
  13. 前記第2工程の後に、前記太陽電池セルの出力特性を測定する測定機器と接続された端子を前記タブ線接続部に接続し、前記太陽電池セルの受光面に既定の光量の光を照射して前記太陽電池セルの出力特性を測定する工程を有すること、
    を特徴とする請求項から12のいずれか1つに記載の太陽電池セルの製造方法。
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