JP6817686B2 - 食品機械用潤滑剤および食品機械用転がり軸受 - Google Patents

食品機械用潤滑剤および食品機械用転がり軸受 Download PDF

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Description

本発明は、食品機械に用いられる潤滑剤に関し、特に食品機械用転がり軸受に封入される潤滑剤(グリースまたは固形潤滑剤)に関する。また、この潤滑剤を封入した食品機械用転がり軸受に関する。
近年の産地偽装問題、異物混入事件などを受け、消費者の食への安全・安心に対する意識が高まっている。このことから食品業界でも、更なる管理体制の強化や品質強化を余儀なくされている。また、製造者の監査や調査についても重点が置かれ、製造工程中の潤滑油の使用・管理が監査項目になっている。食品メーカーでは、HACCPなどこれらの安全管理システムで製造管理に取り組んでいる。HACCPとは、食品の安全確保を図る製造方法としての衛生管理システムの国際基準である。HACCPの潤滑剤における考え方は、(1)潤滑剤を使用しない、(2)潤滑剤が漏れない、触れない対策、(3)偶発的接触が許容される潤滑剤の使用、であるが、(1)(2)は非現実的であることから、(3)を満たす潤滑剤が必要とされている。
日本には食品機械用潤滑剤法規制自体がなく、米国のNSF Internalの規格が主に用いられている。NSFの規格を要約すると、[H1]:食品との偶発的な接触が許諾される、[H2]:食品と接触する可能性ない箇所で使用が許諾される、[H3]:食肉などを吊るすフックやレールに引っ掛けるトロリーに塗布する防錆用オイル、[3H]:食品との直接接触が許諾される、という内容である。国内での登録件数はH1が最も多く、HACCP対策用潤滑剤としても挙げられる。3Hの登録件数は多いが、半固体状のグリース状態ではなく、液体に近いものがほとんどである。
食品機械は、食品原料や食用製品(または半製品)を混合、混練、加熱、乾燥、冷却、充填、包装、貯蔵などする際に用いられる機械類である。食品機械には他の機械類と同様に軸受その他の摺動部品が装着されている。食品機械では、上記のような各種安全規格に従って、各部品から人体に有毒な成分が流出し食品を汚染する事態を防止すべく、各部品を構成する樹脂、金属、潤滑剤などの各種材料について選定が行われている。しかし、潤滑剤のグリースについては、上述のとおり対応品が十分なく、3H対応の食品機械用のグリースの開発が望まれている。
従来、食品機械用のグリース組成物として、食用油を基油とし、ステアリン酸カルシウムを増ちょう剤とし、添加剤としてステアリン酸カルシウムの構造を安定化する構造安定剤を含むグリース組成物が知られている(特許文献1参照)。
国際公開第2014/200048号
特許文献1のグリース組成物は、食用油として植物油などを利用しているが、植物油には不飽和脂肪酸を多く含むものがある。このような植物油は酸化劣化しやすいため、基油の選択によっては高温下で潤滑性が不足し、十分な軸受寿命が得られないおそれがある。また、増ちょう剤としてステアリン酸カルシウムを用いているが、基油との組み合わせ次第では、十分な軸受寿命が得られないおそれがある。
さらに、特許文献1では、酸化防止剤としてビタミンEを使用することが記載されているが、同種の酸化防止剤を用いた場合でも、他の成分との組み合わせや要求される試験条件によっては十分な酸化安定性が得られないおそれがある。グリースにとって酸化安定性は重要な特性であり、酸化が進むと酸化生成物の発生やグリースの硬化、軟化が生じ、潤滑寿命に悪影響を及ぼす。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、食品機械用転がり軸受などの潤滑剤として利用でき、人体に対する安全性が高く、酸化安定性に優れ、長い軸受寿命を実現できるグリースまたは固形潤滑剤、および、これらを封入した食品機械用転がり軸受を提供することを目的とする。
本発明の食品機械用潤滑剤は、グリースまたは固形潤滑剤であり、上記グリースは、ヤシ油を主成分とする基油と、ステアリン酸を主成分とする増ちょう剤と、ビタミンCとを含有するグリースであり、上記固形潤滑剤は、上記グリースを潤滑成分として含み固形化された潤滑剤であることを特徴とする。
上記基油が、上記ヤシ油のみからなることを特徴とする。また、上記増ちょう剤が、上記ステアリン酸のみからなることを特徴とする。また、上記グリースが、ビタミンEを含有することを特徴とする。
上記グリースにおける上記ステアリン酸の含有量は、上記グリース全体量に対し15〜30質量%であることを特徴とする。
本発明の食品機械用転がり軸受は、本発明の食品機械用潤滑剤が封入されていることを特徴とする。
本発明の食品機械用潤滑剤は、グリースとしては、基油にヤシ油を、増ちょう剤にステアリン酸を用い、酸化防止剤にビタミンCを用いる(必要に応じてビタミンEを併用)ので、いずれも米国FDAにより食品添加を許容された安全物質であり、環境負荷が少なく、人体に対する安全性が高い。ヤシ油の使用により、基油における飽和脂肪酸の含有割合が多く、酸化安定性が高く、熱安定性が高い。この基油に増ちょう剤としてステアリン酸を組み合わせることで、耐熱性に優れる。加えて、酸化防止剤として特にビタミンCを必須として含むことで、長い軸受寿命を実現できる。これにより安全性の高い3H対応で長寿命な食品機械用のグリースとなる。また、固形潤滑剤として利用する場合も、このグリースを潤滑成分として用いるため、同等の効果が得られる。
本発明の食品機械用転がり軸受は、上記潤滑剤が封入されてなるので、環境負荷を抑えて各種安全規格への対応が可能となり、かつ、軸受寿命にも優れる。このため、食品原料や食用製品を混合、混練、加熱、乾燥、冷却、充填、包装、貯蔵などする際に用いられる食品機械用の軸受として好適に利用できる。
本発明の食品機械用転がり軸受の一例を示す断面図である。 本発明の食品機械用転がり軸受の他の例を示す断面図である。 本発明の食品機械用転がり軸受の他の例を示す断面図である。
本発明の食品機械用潤滑剤は、グリースまたは固形潤滑剤であり、食品機械で用いられることを用途とする。
本発明の食品機械用潤滑剤であるグリースは、ヤシ油を含む基油と、ステアリン酸を含む増ちょう剤とからベースグリースが構成され、これに酸化防止剤としてビタミンCを含有している。ヤシ油は、ココヤシ果実の胚乳を乾燥したものを原料とし、圧搾、溶剤抽出、精製を得て製造される。ヤシ油はココナッツオイルともいう。また、ステアリン酸は、飽和脂肪酸(高級脂肪酸)であり、常温で低融点の固体である。
上記基油は、ヤシ油のみからなるか、または、ヤシ油と他の油との混合油である。ヤシ油と混合する油としては、植物油が好ましく、例えば、パーム油、菜種油、とうもろこし油、つばき油、オリーブ油、落花生油、ヒマシ油などが挙げられる。この基油ではヤシ油を主成分として含むので、ヤシ油の含有量は、基油(混合油)全体に対して50質量%以上であり、好ましくは80質量%以上である。特に、他の植物油などはヤシ油よりも酸化安定性に劣ることから、ヤシ油のみからなる基油(ヤシ油100%)とすることが好ましい。
上記基油における飽和脂肪酸の量は、該基油全体に対して90質量%以上が好ましい。飽和脂肪酸の含有量が多い油は、酸化安定性に優れるためである。基油をヤシ油100%とする場合は、概ね飽和脂肪酸の量を90質量%以上とできる。
上記基油に使用するヤシ油としては、C6飽和脂肪酸、C8飽和脂肪酸、C10飽和脂肪酸、C12飽和脂肪酸、C14飽和脂肪酸、C16飽和脂肪酸、C18飽和脂肪酸、C20飽和脂肪酸を全て含むものが特に好ましい。ここでCN飽和脂肪酸は、炭素数がNの飽和脂肪酸を指す。また、熱分解温度は230℃以上が好ましく、240℃以上がより好ましい。また、ヤシ油の中でも、0℃まで固形化しないリキッドココナッツオイルが特に好ましい。
上記増ちょう剤に使用するステアリン酸としては、食品添加物公定書や日本薬局記載などの規格に該当する食品添加物や医薬添加物を用いることが好ましい。上記増ちょう剤は、ステアリン酸のみからなる場合と、ステアリン酸に加えて他の物質を含む場合とがある。他の物質としては、ステアリン酸亜鉛、カルシウム強化剤、ステアリン酸カルシウムなどが挙げられる。カルシウム強化剤としては、クエン酸カルシウムなどが挙げられる。この増ちょう剤ではステアリン酸を主成分として含むので、ステアリン酸の含有量は、増ちょう剤全体に対して50質量%以上であり、好ましくは80質量%以上である。特にステアリン酸のみからなる増ちょう剤とすることが好ましい。
上記グリースにおける増ちょう剤の含有量は、グリース全体量に対して5〜50質量%であることが好ましい。5質量%未満であると、せん断安定性が悪くなり、転がり軸受などの摺動・転動装置に適用したときに摺動・転動部分においてせん断作用により軟化し、過度に漏洩してしまうおそれがある。一方、50質量%をこえると、相対的に基油量が少なくなり、潤滑寿命が短くなるおそれがある。
また、上記グリースにおける増ちょう剤の含有量は、グリース全体量に対して15〜30質量%であることがより好ましく、グリース全体量に対して20〜25質量%であることが特に好ましい。本発明のグリースを、ヤシ油のみからなる基油と、ステアリン酸のみからなる増ちょう剤と、ビタミンC(またはこれとビタミンEとの併用)からなる酸化防止剤とで構成する場合、ステアリン酸(増ちょう剤)の含有量をこの範囲とすることで、特に長い軸受寿命を実現できる。
本発明におけるグリースの混和ちょう度は、NLGIちょう度番号で2〜3が好ましい。この範囲とすることで、転がり軸受に封入する際において適したちょう度となる。
上記酸化防止剤に使用するビタミンCはL−アスコルビン酸であり、ビタミンEはトコフェロールであり、それぞれ食品添加用の酸化防止剤として公知のものを使用できる。本発明におけるグリースでは、ビタミンCを必須成分として含み、ビタミンEは必要に応じて併用する。一般に食品添加用の酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)などもあるが、本発明が所望する食品機械用転がり軸受のグリースであって、ヤシ油を基油とし、ステアリン酸を増ちょう剤とするグリースにおいては、これらでは十分な軸受寿命の延長が図れない。植物/食品油は、酸化劣化が進行しやすいため、これに適した酸化防止剤(ビタミンC+ビタミンE)を組み合わせて使用することが有効である。
上記グリースにおける酸化防止剤の含有量は、グリース全体量に対して0.1〜5質量%であることが好ましい。0.1質量%未満であると、酸化安定性の十分な延長が図れないおそれがある。一方、5質量%をこえると、効果が頭打ちになるおそれや、相対的に基油などの量が少なくなり、潤滑寿命が短くなるおそれがある。より好ましくは、グリース全体量に対して0.5〜2質量%である。なお、ビタミンCとビタミンEとを併用する場合には、これらの合計量で上記範囲内とすることが好ましい。
本発明におけるグリースには、本発明の効果を損なわないものであり、環境負荷が低く、人体への安全性の高いものであれば、他の添加剤として、錆止め剤、極圧剤、摩耗調整剤、pH調整剤などを添加することができる。
本発明におけるグリースの調整方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。基油であるヤシ油に、増ちょう剤としてステアリン酸を、酸化防止剤としてビタミンCを添加して加熱攪拌し、増ちょう剤および酸化防止剤が完全に溶解した後に、全体を急冷して半固体状とし、酸化防止剤として更にビタミンEを添加した後、ロールミルなどの混練機で混練する。なお、増ちょう剤の冷却を、放置して室温まで徐冷すると、増ちょう剤が凝固して軟質のグリースとなり、グリース漏洩が問題となり得る。
本発明の食品機械用転がり軸受の一形態として、上記グリースを封入した転がり軸受が挙げられる。本発明の食品機械用転がり軸受の一例を図1に示す。図1はグリースが封入されている転がり軸受(深溝玉軸受)の断面図である。転がり軸受1は、外周面に内輪転走面2aを有する内輪2と内周面に外輪転走面3aを有する外輪3とが同心に配置され、内輪転走面2aと外輪転走面3aとの間に複数個の転動体4が配置される。保持器5が、この複数個の転動体4を保持している。シール部材6が外輪などに固定されており、少なくとも転動体4の周囲に上記のグリース7が封入されている。
本発明の食品機械用潤滑剤である固形潤滑剤は、ヤシ油を含む基油とステアリン酸を含む増ちょう剤とビタミンCを含む酸化防止剤とから構成される上記グリースを潤滑成分として含み固形化された潤滑剤であり、軸受回転時に該基油が滲み出て潤滑性を付与させるものである。
本発明における固形潤滑剤の例としては、上記グリースに、超高分子量ポリオレフィンを混合し、樹脂の分子間に潤滑成分として上記グリースを保持させて徐々に基油を滲み出させる物性を持たせたものが挙げられる。この固形潤滑剤は、所定量の上記グリースと、所定量の超高分子量ポリオレフィン粉末とを均一に混合し、所定形状の型や軸受に直接に封入し、超高分子量ポリオレフィン粉末のゲル化点以上の温度に加熱し、その後冷却して固形化することで得られる。なお、上記ゲル化点以上で、かつ、該グリースの滴点以下(例えば150〜200℃程度)に加熱することが好ましい。本発明では、グリースの基油としてヤシ油を用いているので、他の植物油などを用いる場合と比較して、固形潤滑剤形成時の高温においても分解などによる劣化を抑制できる。
上記の超高分子量ポリオレフィン粉末としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンもしくはこれらの共重合体からなる粉末またはそれぞれ単独の粉末を配合した混合粉末が挙げられる。ここで、各粉末の、粘度法により測定される平均分子量は、1×10〜5×10 であることが好ましい。このような分子量の範囲にあるポリオレフィンは、剛性と保油性において低分子量のポリオレフィンより優れるからである。
グリースと超高分子量ポリオレフィン粉末との好ましい配合割合としては、グリースが70〜90質量%、超高分子量ポリオレフィン粉末が30〜10質量%であることが好ましい。
本発明の食品機械用転がり軸受の一形態として、上記固形潤滑剤を封入した転がり軸受が挙げられる。本発明の食品機械用転がり軸受の他の例を図2および図3に示す。図2は固形潤滑剤をスポットパック状に封入する転がり軸受の断面図を、図3は固形潤滑剤をフルパック状に封入する転がり軸受の断面図をそれぞれ示す。図2と図3の形態の転がり軸受11は、図1の場合と同様に、内輪12、外輪13、転動体14、および保持器15を備えており、転動体14の周囲に上記の固形潤滑剤17を封入することで得られる。
固形潤滑剤17の封入方法の一例として、以下の方法が挙げられる。所定量の上記グリースと、所定量の超高分子量ポリオレフィン粉末を均一に混合した後、90〜120℃に加熱することで半固形状態とする。次いで、該状態を維持したまま、転がり軸受11内に封入する。その封入の方法は、図2(a)および図2(b)に示されるように、内輪12と外輪13の間で二枚の帯板からなる保持器15がリベット16によって重ねて固定されている部分に、いわゆるスポットパック状に封入するものや、図3(a)および図3(b)に示されるように、内輪12と外輪13の間全体に、いわゆるフルパック状に充填するものが挙げられる。このように封入された状態で、軸受全体を超高分子量ポリオレフィン粉末のゲル化点以上、かつ、グリースの滴点以下の温度に加熱し、その後冷却して固形化することにより、上記半固体状物が固形化して固形潤滑剤となり、固形潤滑剤が封入された転がり軸受11が得られる。
本発明の食品機械用転がり軸受は、その種類について制限はなく、各図に示した深溝玉軸受の他、アンギュラ玉軸受、円筒ころ軸受、針状ころ軸受、円すいころ軸受などとしてもよい。また、シール部材を有する形態と、シール部材を有しない形態とのいずれであってもよい。
本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、油の「飽和脂肪酸含有率」は、該油に含まれる飽和脂肪酸の量を、該油全体に対する質量%で表したものである。
実施例1
ヤシ油(飽和脂肪酸含有率 91.3質量%、オーバーシーズ社製)と、ステアリン酸(和光純薬社製)とビタミンC(和光純薬社製)とを表1に示す割合で配合し、ステアリン酸およびビタミンCが溶解する温度で加熱攪拌した。次いで、ステアリン酸およびビタミンCが完全溶解した後、予め水冷したアルミ製バットに流し込み、流水で冷却した。そしてグリース状に固まったその組成物に、ビタミンE(和光純薬社製)を表1に示す割合となるように添加して混ぜ合わせ、3本ロールミルにかけて実施例1のグリースを得た。なお、NLGIちょう度番号は2であった。
実施例2
ヤシ油(飽和脂肪酸含有率 91.3質量%、オーバーシーズ社製)と、ステアリン酸(和光純薬社製)とビタミンC(和光純薬社製)とを表1に示す割合で配合し、ステアリン酸およびビタミンCが溶解する温度で加熱攪拌した。次いで、ステアリン酸およびビタミンCが完全溶解した後、予め水冷したアルミ製バットに流し込み、流水で冷却した。そしてグリース状に固まったその組成物に、ビタミンE(和光純薬社製)を表1に示す割合となるように添加して混ぜ合わせ、3本ロールミルにかけて実施例2のグリースを得た。なお、NLGIちょう度番号は2であった。
実施例3
ヤシ油(リキッドココナッツオイル、飽和脂肪酸含有率90質量%以上、ココウェル社製)と、ステアリン酸(和光純薬社製)とビタミンC(和光純薬社製)とを表1に示す割合で配合し、ステアリン酸およびビタミンCが溶解する温度で加熱攪拌した。次いで、ステアリン酸およびビタミンCが完全溶解した後、予め水冷したアルミ製バットに流し込み、流水で冷却した。そしてグリース状に固まったその組成物を3本ロールミルにかけて実施例3のグリースを得た。なお、NLGIちょう度番号は2であった。
比較例1
ヤシ油(飽和脂肪酸含有率 91.3質量%、オーバーシーズ社製)と、ステアリン酸(和光純薬社製)とを表1に示す割合で配合し、ステアリン酸が溶解する温度で加熱攪拌した。次いで、ステアリン酸が完全溶解した後、予め水冷したアルミ製バットに流し込み、流水で冷却した。そしてグリース状に固まったその組成物に、ビタミンE(和光純薬社製)を表1に示す割合となるように添加して混ぜ合わせ、3本ロールミルにかけて比較例1のグリースを得た。なお、NLGIちょう度番号は2であった。
比較例2
ヤシ油(飽和脂肪酸含有率 91.3質量%、オーバーシーズ社製)と、ステアリン酸(和光純薬社製)とブチルヒドロキシアニソール(BHA)とを表1に示す割合で配合し、ステアリン酸およびBHAが溶解する温度で加熱攪拌した。次いで、ステアリン酸およびBHAが完全溶解した後、予め水冷したアルミ製バットに流し込み、流水で冷却した。そしてグリース状に固まったその組成物を3本ロールミルにかけて比較例2のグリースを得た。なお、NLGIちょう度番号は2であった。
比較例3
ヤシ油(飽和脂肪酸含有率 91.3質量%、オーバーシーズ社製)と、ステアリン酸(和光純薬社製)とジブチルヒドロキシトルエン(BHT)とを表1に示す割合で配合し、ステアリン酸およびBHTが溶解する温度で加熱攪拌した。次いで、ステアリン酸およびBHTが完全溶解した後、予め水冷したアルミ製バットに流し込み、流水で冷却した。そしてグリース状に固まったその組成物を3本ロールミルにかけて比較例3のグリースを得た。なお、NLGIちょう度番号は2であった。
比較例4
ヤシ油(飽和脂肪酸含有率 91.3質量%、オーバーシーズ社製)と、ステアリン酸(和光純薬社製)とBHAとBHTとを表1に示す割合で配合し、ステアリン酸、BHA、BHTが溶解する温度で加熱攪拌した。次いで、ステアリン酸、BHA、BHTが完全溶解した後、予め水冷したアルミ製バットに流し込み、流水で冷却した。そしてグリース状に固まったその組成物を3本ロールミルにかけて比較例4のグリースを得た。なお、NLGIちょう度番号は2であった。
比較例5
パーム油(飽和脂肪酸含有率 50.6質量%、イエナ商事社製)と、ステアリン酸(和光純薬社製)とを表1に示す割合で配合し、ステアリン酸が溶解する温度で加熱攪拌した。次いで、ステアリン酸が完全溶解した後、予め水冷したアルミ製バットに流し込み、流水で冷却した。そしてグリース状に固まったその組成物を3本ロールミルにかけて比較例5のグリースを得た。なお、NLGIちょう度番号は2であった。
比較例6
菜種油(飽和脂肪酸含有率6.8質量%、日清オイリオ社製)と、ステアリン酸カルシウム(堺化学社製)とを表1に示す割合で配合し、ステアリン酸カルシウムが溶解する温度で加熱攪拌した。次いで、ステアリン酸カルシウムが完全溶解した後、予め水冷したアルミ製バットに流し込み、流水で冷却した。そしてグリース状に固まったその組成物を3本ロールミルにかけて比較例6のグリースを得た。なお、NLGIちょう度番号は2であった。
以上の各グリースを表1に纏めて記載した。得られた各グリースを転がり軸受に封入して以下に示す軸受寿命試験を行なった。結果を表1に併記する。
<軸受寿命試験>
各グリースを転がり軸受(6204)に封入し、アキシャル荷重67Nとラジアル荷重67Nの下で、軸受温度150℃、5000rpmの回転速度で回転させ、焼き付きに至るまでの時間(軸受寿命、h)を測定した。
Figure 0006817686
表1に示すように、各実施例は、ヤシ油を基油とし、飽和脂肪酸炭化水素であるステアリン酸を増ちょう剤とし、これに酸化防止剤としてビタミンEかつビタミンC、またはビタミンCを添加することにより、耐熱性や酸化安定性が向上し、軸受に封入した際の耐久寿命が高まった。
一方、比較例1は酸化防止剤にビタミンEのみを使用したものであるが、酸化安定性に劣り、軸受に封入した際の耐久寿命が短くなった。また、他の酸化防止剤を使用した比較例2〜4も、軸受に封入した際の耐久寿命が短くなった。
その他、他の基油や増ちょう剤を用いた比較例5、6は、耐久寿命が各実施例よりも著しく短くなった。
本発明の食品機械用潤滑剤は、人体に対する安全性が高く、酸化安定性に優れ、転がり軸受などの長寿命を実現し得るため、広範囲の食品機械において利用でき、特に食品機械用転がり軸受の潤滑剤として好適に利用できる。
1、11 転がり軸受
2、12 内輪
3、13 外輪
4、14 転動体
5、15 保持器
6 シール部材
7 グリース
16 リベット
17 固形潤滑剤

Claims (6)

  1. グリースまたは固形潤滑剤である食品機械用潤滑剤であって、
    前記グリースは、ヤシ油を主成分とする基油と、ステアリン酸を主成分とする増ちょう剤と、ビタミンCとを含有するグリースであり、
    前記固形潤滑剤は、前記グリースを潤滑成分として含み固形化された潤滑剤であることを特徴とする食品機械用潤滑剤。
  2. 前記基油が、前記ヤシ油のみからなることを特徴とする請求項1記載の食品機械用潤滑剤。
  3. 前記増ちょう剤が、前記ステアリン酸のみからなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の食品機械用潤滑剤。
  4. 前記グリースが、ビタミンEを含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の食品機械用潤滑剤。
  5. 前記グリースにおける前記ステアリン酸の含有量は、前記グリース全体量に対し15〜30質量%であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の食品機械用潤滑剤。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の食品機械用潤滑剤が封入されていることを特徴とする食品機械用転がり軸受。
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