本開示は、上記の点に鑑みてなされたものである。
本開示が解決しようとする第1の課題は、エアロゾル源が不足するときに適切な制御を実行するエアロゾル生成装置並びにそれを動作させる方法及びプログラムを提供することである。
本開示が解決しようとする第2の課題は、エアロゾル源の貯留部から供給されたエアロゾル源を保持する保持部におけるエアロゾル源の一時的な不足を抑制するエアロゾル生成装置並びにそれを動作させる方法及びプログラムを提供することである。
上述した第1の課題を解決するため、本開示の第1の実施形態によれば、エアロゾル生成装置であって、電源と、前記電源から給電を受けて発熱し、エアロゾル源を霧化する負荷と、前記負荷の温度に関連する値を取得するために用いられる要素と、前記電源と前記負荷を電気的に接続する回路と、前記エアロゾル源を貯留する貯留部と、前記貯留部から供給される前記エアロゾル源を前記負荷が加熱可能な状態に保持する保持部と、前記回路が機能した後の前記負荷の温度に関連する値の変化に基づき、前記エアロゾル生成装置が、前記貯留部が貯留する前記エアロゾル源が不足した第1状態にあるか、前記貯留部が前記エアロゾル源を供給可能であるが前記保持部が保持する前記エアロゾル源が不足した第2状態にあるか、を区別するように構成される制御部と、を備える、エアロゾル生成装置が提供される。
一実施形態において、前記第1状態においては前記貯留部が貯留する前記エアロゾル源が不足するために、前記第2状態においては前記貯留部が前記エアロゾル源を供給可能であるが前記保持部が保持する前記エアロゾル源が不足するために、前記負荷の温度が前記エアロゾル源の沸点又は前記エアロゾル源の蒸発によりエアロゾル生成が生じる温度を超える。
一実施形態において、前記回路は、前記電源及び前記負荷に対して並列接続された第1経路及び第2経路を備え、前記第1経路は前記エアロゾル源の霧化に用いられ、前記第2経路は前記負荷の温度に関連する値の取得に用いられ、前記制御部は、前記第1経路と前記第2経路とを交互に機能させるように構成される。
一実施形態において、前記第1経路と前記第2経路は、それぞれスイッチを有し、該スイッチをオフ状態からオン状態に切替えることにより機能し、前記制御部は、前記第1経路の前記スイッチをオン状態からオフ状態に切替えてから、前記第2経路の前記スイッチをオフ状態からオン状態に切替えるまで、既定のインターバルを設けるように構成される。
一実施形態において、前記第1経路は、前記第2経路よりも小さい抵抗値を有し、前記制御部は、前記第1経路が機能した後又は前記第2経路が機能している間の前記負荷の温度に関連する値の変化に基づき、前記第1状態と前記第2状態とを区別するように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、前記第1経路又は前記第2経路が機能してから前記負荷の温度に関連する値が閾値に到達するまでに要した時間に基づき、前記第1状態と前記第2状態とを区別するように構成される。
一実施形態において、前記第1状態が発生したと判断されるときの前記時間が、前記第2状態が発生したと判断されるときの前記時間より短い。
一実施形態において、前記回路は、前記電源及び前記負荷に対して並列接続された第1経路及び第2経路を備え、前記第1経路は前記エアロゾル源の霧化に用いられ、前記第2経路は前記負荷の温度に関連する値の取得に用いられ、前記制御部は、前記第1経路の動作が完了した後に前記第2経路を機能させるように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、前記第1経路の動作が複数回完了した後に前記第2経路を機能させるように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、前記貯留部を新品に交換した後又は前記貯留部に前記エアロゾル源を補充した後に前記負荷の動作回数又は動作量が増えるほど、前記第2経路を機能させる前に前記第1経路を動作させる回数を減少させるように構成される。
一実施形態において、前記第1経路は、前記第2経路より小さい抵抗値を有し、
前記制御部は、前記第1経路が機能した後又は前記第2経路が機能している間の前記負荷の温度に関連する値の変化に基づき、前記第1状態と前記第2状態とを区別するように構成される。
一実施形態において、前記第1経路は、前記第2経路より小さい抵抗値を有し、前記制御部は、前記第1経路の動作が完了した後又は前記第2経路が機能している間の前記負荷の温度に関連する値の変化に基づき、前記第1状態と前記第2状態とを区別するように構成される。
一実施形態において、前記第1経路は、前記第2経路よりも小さい抵抗値を有し、前記制御部は、前記第2経路が機能している間の前記負荷の温度に関連する値の時間微分値に基づき、前記第1状態と前記第2状態とを区別するように構成される。
一実施形態において、前記第2状態が発生したと判断されるときの前記時間微分値が、前記第1状態が発生したと判断されるときの前記時間微分値より小さい。
一実施形態において、前記回路は、前記負荷に対して直列接続され、前記エアロゾル源の霧化と前記負荷の温度に関連する値の取得に用いられる単一の経路と、前記負荷へ供給される電力を平滑化する素子と、を備える。
一実施形態において、前記回路は、前記負荷に対して直列接続され、前記エアロゾル源の霧化と前記負荷の温度の取得に用いられる単一の経路を備え、前記エアロゾル生成装置はローパスフィルタをさらに備え、前記要素を用いて取得された前記負荷の温度に関連する値は前記ローパスフィルタを通過し、前記制御部は、前記ローパスフィルタを通過した前記温度に関連する値を取得可能に構成される。
一実施形態において、前記制御部は、前記単一の経路が機能してから前記負荷の温度に関連する値が閾値に到達するまでに要した時間に基づき、前記第1状態と前記第2状態とを区別するように構成される。
一実施形態において、前記第1状態が発生したと判断されるときの前記時間が、前記第2状態が発生したと判断されるときの前記時間より短い。
一実施形態において、前記制御部は、前記回路が機能した際の前記負荷の熱履歴に基づき、前記第1状態と前記第2状態とを区別する条件を修正するように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、エアロゾルの生成に対する要求に基づき前記要求の時系列的な変化を取得し、前記要求の時系列的な変化に由来する前記負荷の熱履歴に基づき、前記条件を修正するように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、前記要求が終了してから次の前記要求が開始するまでの時間間隔が短いほど、前記第1状態が発生したと判断される可能性が小さくなるように前記条件を修正するように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、前記負荷の熱履歴に含まれる古い熱履歴が前記条件の修正に与える影響を、前記負荷の熱履歴に含まれる新しい熱履歴が前記条件の修正に与える影響よりも小さくするように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、前記回路が機能した際の前記負荷の温度に由来する前記負荷の熱履歴に基づき、前記条件を修正するように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、前記回路が機能した際の前記負荷の温度が高いほど、前記第1状態が発生したと判断される可能性が小さくなるように前記条件を修正するように構成される。
また、本開示の第1の実施形態によれば、エアロゾル生成装置を動作させる方法であって、負荷を加熱してエアロゾル源を霧化するステップと、前記負荷の温度に関連する値の変化に基づき、前記エアロゾル生成装置が、貯留される前記エアロゾル源が不足した第1状態にあるか、貯留される前記エアロゾル源は不足していないが前記負荷による加熱が可能な状態に保持される前記エアロゾル源が不足した第2状態にあるか、を区別するステップとを含む、方法が提供される。
また、本開示の第1の実施形態によれば、エアロゾル生成装置であって、電源と、前記電源から給電を受けて発熱し、エアロゾル源を霧化する負荷と、前記負荷の温度に関連する値を取得するために用いられる要素と、前記電源と前記負荷を電気的に接続する回路と、前記エアロゾル源を貯留する貯留部と、前記貯留部から供給される前記エアロゾル源を前記負荷が加熱可能な状態に保持する保持部と、前記回路が機能した後の前記負荷の温度に関連する値の変化に基づき、前記エアロゾル生成装置が、前記貯留部が前記エアロゾル源を供給可能であるが前記保持部が保持する前記エアロゾル源が不足した状態にあるか否かを判断するように構成される制御部と、を備える、エアロゾル生成装置が提供される。
一実施形態において、前記状態において、前記貯留部が前記エアロゾル源を供給可能であるが前記保持部が保持する前記エアロゾル源が不足したために前記負荷の温度が前記エアロゾル源の沸点を超える。
また、本開示の第1の実施形態によれば、エアロゾル生成装置を動作させる方法であって、負荷を加熱してエアロゾル源を霧化するステップと、前記負荷の温度に関連する値の変化に基づき、前記エアロゾル生成装置が、貯留される前記エアロゾル源は不足していないが前記負荷による加熱が可能な状態に保持される前記エアロゾル源が不足した状態にあるか否かを判断するステップとを含む、方法が提供される。
また、本開示の第1の実施形態によれば、エアロゾル生成装置であって、電源と、前記電源から給電を受けて発熱し、エアロゾル源を霧化する負荷と、前記負荷の温度に関連する値を取得するために用いられる要素と、前記電源と前記負荷を電気的に接続する回路と、前記エアロゾル源を貯留する貯留部と、前記貯留部から供給される前記エアロゾル源を前記負荷が加熱可能な状態に保持する保持部と、前記回路が機能した後の前記負荷の温度に関連する値の変化に基づき、前記エアロゾル生成装置が、前記貯留部が貯留する前記エアロゾル源が不足するために第1状態にあるか、前記貯留部が前記エアロゾル源を供給可能であるが前記保持部が保持する前記エアロゾル源が不足した第2状態にあるか、を区別するように構成される制御部と、を備え、前記第1状態においては前記貯留部が貯留する前記エアロゾル源が不足するために、前記第2状態においては前記貯留部が前記エアロゾル源を供給可能であるが前記保持部が保持する前記エアロゾル源が不足するために、前記負荷の温度が、前記エアロゾル源の沸点又は前記エアロゾル源の蒸発によりエアロゾル生成が生じる温度未満の既定温度へ、前記第1状態及び前記第2状態とは異なる他の状態より早く到達する、エアロゾル生成装置が提供される。
また、本開示の第1の実施形態によれば、エアロゾル生成装置を動作させる方法であって、負荷を加熱してエアロゾル源を霧化するステップと、前記負荷の温度に関連する値の変化に基づき、前記エアロゾル生成装置が、貯留される前記エアロゾル源が不足した第1状態にあるか、貯留される前記エアロゾル源は不足していないが前記負荷による加熱が可能な状態に保持される前記エアロゾル源が不足した第2状態にあるか、を区別するステップとを含み、前記第1状態においては貯留される前記エアロゾル源が不足するために、前記第2状態においては貯留される前記エアロゾル源は不足していないが前記負荷による加熱が可能な状態に保持される前記エアロゾル源が不足するために、前記負荷の温度が、前記エアロゾル源の沸点又は前記エアロゾル源の蒸発によりエアロゾル生成が生じる温度未満の既定温度へ、前記第1状態及び前記第2状態とは異なる他の状態より早く到達する、方法が提供される。
また、本開示の第1の実施形態によれば、プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、上述の方法のいずれかを実行させる、プログラムが提供される。
上述した第2の課題を解決するため、本開示の第2の実施形態によれば、電源と、前記電源から給電を受けて発熱し、エアロゾル源を霧化する負荷と、前記負荷の温度に関連する値を取得するために用いられる要素と、前記電源と前記負荷を電気的に接続する回路と、前記エアロゾル源を貯留する貯留部と、前記貯留部から供給される前記エアロゾル源を前記負荷が加熱可能な状態に保持する保持部と、前記貯留部が前記エアロゾル源を供給可能であるが前記保持部が保持する前記エアロゾル源が不足するために前記負荷の温度が前記エアロゾル源の沸点を越える乾燥状態又は該乾燥状態の前兆を検知した場合、前記電源が前記負荷への給電を開始する際と前記電源が前記負荷への給電を完了する際の少なくとも一方において、前記保持部が保持する前記エアロゾル源の保持量を増大させる制御又は前記保持量が増大する可能性を向上させる制御を実行するように構成された制御部と、を備える、エアロゾル生成装置が提供される。
一実施形態において、エアロゾル生成装置は、使用者に対して通知を行う通知部を備え、前記制御部は、前記乾燥状態又は前記乾燥状態の前兆を検知した場合、前記通知部を機能させるように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、前記乾燥状態又は前記乾燥状態の前兆を検知した場合、エアロゾルの生成を完了してから次にエアロゾルの生成を開始するまでのインターバルを前回のインターバルよりも長くする制御を行うように構成される。
一実施形態において、エアロゾル生成装置は、使用者に対して通知を行う通知部を備え、前記制御部は、前記乾燥状態又は前記乾燥状態の前兆を検知した場合、前記通知部を機能させ、前記通知部を1回又は複数回機能させた後さらに前記乾燥状態又は前記乾燥状態の前兆を検知した場合、次の前記インターバルを前回のインターバルよりも長くする制御を行うように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、前記エアロゾル源の粘性、前記エアロゾル源の残量、前記負荷の電気抵抗値、前記電源の温度の少なくとも1つに基づき、前記インターバルの長さを修正するように構成される。
一実施形態において、エアロゾル生成装置は、前記貯留部から前記保持部へ供給される前記エアロゾル源の量又は速度の少なくとも一方を調整することを可能にする供給部を備える。前記制御部は、前記乾燥状態又は前記乾燥状態の前兆を検知した場合、前記貯留部から前記保持部へ供給される前記エアロゾル源の量又は速度の少なくとも一方を増加させるように前記供給部を制御するように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、前記乾燥状態又は前記乾燥状態の前兆を検知した場合、エアロゾルの生成量を減らすように前記回路を制御するように構成される。
一実施形態において、エアロゾル生成装置は、前記エアロゾル源の温度を調整することを可能にする温調部を含む。前記制御部は、前記乾燥状態又は前記乾燥状態の前兆を検知した場合、前記エアロゾル源を加温するように前記温調部を制御するように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、前記負荷によってエアロゾルが生成されていない間に、前記温調部を制御して前記エアロゾル源を加温するように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、前記負荷を前記温調部として用いるように構成される。
一実施形態において、エアロゾル生成装置は、前記エアロゾル生成装置内の通気抵抗を変更することを可能にする変更部を含む。前記制御部は、前記乾燥状態又は前記乾燥状態の前兆を検知した場合、前記通気抵抗を増大させるように前記変更部を制御するように構成される。
一実施形態において、エアロゾル生成装置は、エアロゾルの生成に対する要求を出力する要求部を備える。前記制御部は、前記要求が大きいほどエアロゾルの生成量が多くなるような相関関係に基づき、前記回路を制御し、前記乾燥状態又は前記乾燥状態の前兆を検知した場合、前記要求の大きさに対応するエアロゾルの生成量が少なくなるように前記相関関係を修正するように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、エアロゾルの生成を完了してから次にエアロゾルの生成を開始するまでのインターバルを前回のインターバルよりも長くする制御を行う第1モードと、前記電源が前記負荷への給電を開始する際と前記電源が前記負荷への給電を完了する際の少なくとも一方において、前記インターバルの制御を行うことなく前記保持量を増大させる制御又は前記保持量が増大する可能性を向上させる制御を行う第2モードと、を実行することが可能であり、前記乾燥状態又は前記乾燥状態の前兆を検知した場合、前記第1モードよりも優先して前記第2モードを実行するように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、前記第2モードの実行後さらに前記乾燥状態又は前記乾燥状態の前兆を検知した場合、前記第1モードを実行するように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、前記回路を機能させてからの前記負荷の温度変化に基づき、前記乾燥状態を検知するように構成される。
一実施形態において、エアロゾル生成装置は、エアロゾルの生成に対する要求を出力する要求部を備える。前記制御部は、前記要求の時系列的な変化に基づき、前記乾燥状態の前兆を検知するように構成される。
また、本開示の第2の実施形態によれば、エアロゾル生成装置を動作させる方法であって、負荷を加熱してエアロゾル源を霧化するステップと、貯留される前記エアロゾル源は不足していないが前記負荷による加熱が可能な状態に保持される前記エアロゾル源が不足するために前記負荷の温度が前記エアロゾル源の沸点を越える乾燥状態又は該乾燥状態の前兆を検知した場合、前記負荷への給電が開始する際と前記負荷への給電が完了する際の少なくとも一方において、保持される前記エアロゾル源の保持量を増大させる制御又は前記保持量が増大する可能性を向上させる制御を実行するステップとを含む、方法が提供される。
また、本開示の第2の実施形態によれば、電源と、前記電源から給電を受けて発熱し、エアロゾル源を霧化する負荷と、前記負荷の温度に関連する値を取得するために用いられる要素と、前記電源と前記負荷を電気的に接続する回路と、前記エアロゾル源を貯留する貯留部と、前記貯留部から供給される前記エアロゾル源を前記負荷が加熱可能な状態に保持する保持部と、エアロゾルの生成の完了後、該エアロゾルの生成に用いられた量の前記エアロゾル源以上の量の前記エアロゾル源が前記貯留部から前記保持部へ供給されるまでの期間に相当するインターバルにおいては、エアロゾルの生成を抑制する制御又はエアロゾルの生成が抑制される可能性を向上させる制御を実行するように構成された制御部と、を備える、エアロゾル生成装置が提供される。
一実施形態において、エアロゾル生成装置は、使用者に対して通知を行う通知部を備える。前記制御部は、エアロゾルを生成している間は、前記通知部を第1モードで制御し、前記インターバルの間は、前記通知部を前記第1モードとは異なる第2モードで制御するように構成される。
一実施形態において、エアロゾル生成装置は、エアロゾルの生成に対する要求を出力する要求部を含む。前記制御部は、前記インターバルの間に前記要求を取得した場合、前記通知部を前記第2モードとは異なる第3モードで制御するように構成される。
一実施形態において、前記制御部は、前記インターバルの間は、エアロゾルの生成を禁止するように前記回路を制御するように構成される。
一実施形態において、エアロゾル生成装置は、エアロゾルの生成に対する要求を出力する要求部を含む。前記制御部は、前記要求の大きさ及び変化の少なくとも一方に基づき、前記インターバルの長さを修正するように構成される。
また、本開示の第2の実施形態によれば、エアロゾル生成装置を動作させる方法であって、負荷を加熱してエアロゾル源を霧化し、エアロゾルを生成するステップと、エアロゾルの生成の完了後、該エアロゾルの生成に用いられた量の前記エアロゾル源以上の量の貯留された前記エアロゾル源が前記負荷が加熱可能な状態に保持されるまでの期間に相当するインターバルにおいては、エアロゾルの生成を抑制する制御又はエアロゾルの生成が抑制される可能性を向上させる制御を実行するステップとを含む、方法が提供される。
また、本開示の第2の実施形態によれば、電源と、前記電源から給電を受けて発熱し、エアロゾル源を霧化する負荷と、前記負荷の温度に関連する値を取得するために用いられる要素と、前記電源と前記負荷を電気的に接続する回路と、前記エアロゾル源を貯留する貯留部と、前記貯留部から供給される前記エアロゾル源を前記負荷が加熱可能な状態に保持する保持部と、前記貯留部が前記エアロゾル源を供給可能であるが前記保持部が保持する前記エアロゾル源が不足する場合、前記電源が前記負荷への給電を開始する際と前記電源が前記負荷への給電を完了する際の少なくとも一方において、前記保持部が保持する前記エアロゾル源の保持量を増大させる制御又は前記保持量が増大する可能性を向上させる制御を実行するように構成された制御部と、を備える、エアロゾル生成装置が提供される。
また、本開示の第2の実施形態によれば、エアロゾル生成装置を動作させる方法であって、負荷を加熱してエアロゾル源を霧化するステップと、貯留される前記エアロゾル源は不足していないが前記負荷による加熱が可能な状態に保持される前記エアロゾル源が不足する場合、前記負荷への給電が開始する際と前記負荷への給電が完了する際の少なくとも一方において、保持される前記エアロゾル源の保持量を増大させる制御又は前記保持量が増大する可能性を向上させる制御を実行するステップとを含む、方法が提供される。
また、本開示の第2の実施形態によれば、プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、上記の方法のいずれかを実行させる、プログラムが提供される。
上述した第1の課題を解決するため、本開示の第3の実施形態によれば、エアロゾル生成装置であって、電源と、前記電源から給電を受けて発熱し、エアロゾル源を霧化する負荷と、前記負荷の温度に関連する値を取得するために用いられる要素と、前記電源と前記負荷を電気的に接続する回路と、前記エアロゾル源を貯留する貯留部と、前記貯留部から供給される前記エアロゾル源を前記負荷が加熱可能な状態に保持する保持部と、前記回路が機能した後又は機能している間の前記負荷の温度に関連する値の変化に基づき、前記エアロゾル生成装置が、前記貯留部が貯留する前記エアロゾル源不足した第1状態にあるか、前記貯留部が前記エアロゾル源を供給可能であるが前記保持部が保持する前記エアロゾル源が不足した第2状態にあるか、を区別し、前記第1状態が検知された場合は第1制御を実行し、前記第2状態が検知された場合は前記第1制御と異なる第2制御を実行するように構成される制御部と、を備える、エアロゾル生成装置が提供される。
一実施形態において、前記第1状態においては前記貯留部が貯留する前記エアロゾル源が不足するために、前記第2状態においては前記貯留部が前記エアロゾル源を供給可能であるが前記保持部が保持する前記エアロゾル源が不足するために、前記負荷の温度が前記エアロゾル源の沸点を超える。
一実施形態において、前記第2制御は、前記第1制御に比べて、前記貯留部が貯留する前記エアロゾル源を多く減少させる。
一実施形態において、前記第2制御において前記制御部が実行する制御は、前記第1制御において前記制御部が実行する制御よりも、多くの数の変数及び/又は多くの量のアルゴリズムを変更する。
一実施形態において、前記第2制御においてエアロゾルの生成を許可するために使用者に要求される作業の数は、前記第1制御においてエアロゾルの生成を許可するために使用者に要求される作業の数より少ない。
一実施形態において、前記制御部は、前記第1制御と前記第2制御において、少なくとも既定期間だけエアロゾルの生成を禁止するように構成される。
一実施形態において、前記第2制御においてエアロゾルの生成が禁止される期間は、前記第1制御においてエアロゾルの生成が禁止される期間より短い。
一実施形態において、前記第1制御と前記第2制御は、エアロゾルの生成が禁止された状態からエアロゾルの生成が許可される状態へ移行するための復帰条件をそれぞれ有する。前記第1制御における前記復帰条件は、前記第2制御における前記復帰条件より厳しい。
一実施形態において、前記第1制御における前記復帰条件に含まれる、前記エアロゾル生成装置の構成要素の交換作業の数は、前記第2制御における前記復帰条件に含まれる、前記エアロゾル生成装置の構成要素の交換作業の数より多い。
一実施形態において、エアロゾル生成装置は、使用者に対して通知を行う1以上の通知部を備える。前記第1制御において機能する前記通知部の数は、前記第2制御において機能する前記通知部の数より多い。
一実施形態において、エアロゾル生成装置は、使用者に対して通知を行う1以上の通知部を備える。前記第1制御において前記通知部が機能する時間は、前記第2制御において前記通知部が機能する時間より長い。
一実施形態において、エアロゾル生成装置は、使用者に対して通知を行う1以上の通知部を備える。前記第1制御において前記電源から前記通知部へ供給される電力量は、第2制御において前記電源から前記通知部へ供給される電力量より多い。
また、本開示の第3の実施形態によれば、エアロゾル生成装置を動作させる方法であって、負荷を加熱してエアロゾル源を霧化するステップと、前記エアロゾル源が霧化された後又は前記エアロゾル源が霧化されている間の前記負荷の温度に関連する値の変化に基づき、前記エアロゾル生成装置が、貯留される前記エアロゾル源が不足した第1状態にあるか、貯留される前記エアロゾル源は不足していないが前記負荷による加熱が可能な状態に保持される前記エアロゾル源が不足した第2状態にあるか、を区別するステップと、前記第1状態が検知された場合は第1制御を実行し、前記第2状態が検知された場合は前記第1制御と異なる第2制御を実行するステップと、を含む、方法が提供される。
一実施形態において、前記第1状態においては前記貯留部が貯留する前記エアロゾル源が不足するために、前記第2状態においては前記貯留部が前記エアロゾル源を供給可能であるが前記保持部が保持する前記エアロゾル源が不足するために、前記負荷の温度が前記エアロゾル源の沸点を超える。
また、本開示の第3の実施形態によれば、プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、上記の方法を実行させる、プログラムが提供される。
本開示の第1の実施形態によれば、エアロゾル源が不足するときに適切な制御を実行するエアロゾル生成装置並びにそれを動作させる方法及びプログラムを提供することができる。
本開示の第2の実施形態によれば、エアロゾル源の貯留部から供給されたエアロゾル源を保持する保持部におけるエアロゾル源の一時的な不足を抑制するエアロゾル生成装置並びにそれを動作させる方法及びプログラムを提供することができる。
本開示の第3の実施形態によれば、エアロゾル源が不足するときに適切な制御を実行するエアロゾル生成装置並びにそれを動作させる方法及びプログラムを提供することができる。
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態について詳しく説明する。なお、本開示の実施形態は、電子たばこ,加熱式たばこやネブライザーを含むが、これらに限定されない。本開示の実施形態は、ユーザが吸引するエアロゾルを生成するための様々なエアロゾル生成装置を含み得る。
図1Aは、本開示の一実施形態に係るエアロゾル生成装置100Aの構成の概略的なブロック図である。図1Aは、エアロゾル生成装置100Aが備える各コンポーネントを概略的且つ概念的に示すものであり、各コンポーネント及びエアロゾル生成装置100Aの厳密な配置、形状、寸法、位置関係等を示すものではないことに留意されたい。
図1Aに示されるように、エアロゾル生成装置100Aは、第1の部材102及び第2の部材104を備える。図示されるように、一例として、第1の部材102は、制御部106、通知部108、電源110、センサなどの要素112及びメモリ114を含んでもよい。第1の部材102はまた、後述する回路134を含んでもよい。一例として、第2の部材104は、貯留部116、霧化部118、空気取込流路120、エアロゾル流路121、吸口部122、保持部130及び負荷132を含んでもよい。第1の部材102内に含まれるコンポーネントの一部が第2の部材104内に含まれてもよい。第2の部材104内に含まれるコンポーネントの一部が第1の部材102内に含まれてもよい。第2の部材104は、第1の部材102に対して着脱可能に構成されてもよい。あるいは、第1の部材102及び第2の部材104内に含まれるすべてのコンポーネントが、第1の部材102及び第2の部材104に代えて、同一の筐体内に含まれてもよい。
貯留部116は、液体を収容するタンクとして構成されてもよい。エアロゾル源は、例えば、グリセリンやプロピレングリコールといった多価アルコール、水などの液体である。エアロゾル生成装置100Aが電子たばこである場合、貯留部116内のエアロゾル源は、加熱することによって香喫味成分を放出するたばこ原料やたばこ原料由来の抽出物を含んでいてもよい。保持部130は、エアロゾル源を保持する。例えば、保持部130は、繊維状又は多孔質性の素材から構成され、繊維間の隙間や多孔質材料の細孔に液体としてのエアロゾル源を保持する。前述した繊維状又は多孔質性の素材には、例えばコットンやガラス繊維、またはたばこ原料などを用いることができる。エアロゾル生成装置100Aがネブライザー等の医療用吸入器である場合、エアロゾル源はまた、患者が吸入するための薬剤を含んでもよい。別の例として、貯留部116は、消費されたエアロゾル源を補充することができる構成を有してもよい。あるいは、貯留部116は、エアロゾル源が消費された際に貯留部116自体を交換することができるように構成されてもよい。また、エアロゾル源は液体に限られるものではなく、固体でも良い。エアロゾル源が固体の場合の貯留部116は、空洞の容器であっても良い。
霧化部118は、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成するように構成される。要素112によって吸引動作が検知されると、霧化部118はエアロゾルを生成する。例えば、保持部130は、貯留部116と霧化部118とを連結するように設けられる。この場合、保持部130の一部は貯留部116の内部に通じ、エアロゾル源と接触する。保持部130の他の一部は霧化部118へ延びる。なお、霧化部118へ延びた保持部130の他の一部は、霧化部118に収められてもよく、あるいは、霧化部118を通って再び貯留部116の内部に通じてもよい。エアロゾル源は、保持部130の毛細管効果によって貯留部116から霧化部118へと運ばれる。一例として、霧化部118は、電源110に電気的に接続された負荷132を含むヒータを備える。ヒータは、保持部130と接触又は近接するように配置される。吸引動作が検知されると、制御部106は、霧化部118のヒータを制御し、保持部130を通じて運ばれたエアロゾル源を加熱することによって当該エアロゾル源を霧化する。霧化部118の別の例は、エアロゾル源を超音波振動によって霧化する超音波式霧化器であってもよい。霧化部118には空気取込流路120が接続され、空気取込流路120はエアロゾル生成装置100Aの外部へ通じている。霧化部118において生成されたエアロゾルは、空気取込流路120を介して取り込まれた空気と混合される。エアロゾルと空気の混合流体は、矢印124で示されるように、エアロゾル流路121へと送り出される。エアロゾル流路121は、霧化部118において生成されたエアロゾルと空気との混合流体を吸口部122まで輸送するための管状構造を有する。
吸口部122は、エアロゾル流路121の終端に位置し、エアロゾル流路121をエアロゾル生成装置100Aの外部に対して開放するように構成される。ユーザは、吸口部122を咥えて吸引することにより、エアロゾルを含んだ空気を口腔内へ取り込む。
通知部108は、LEDなどの発光素子、ディスプレイ、スピーカ、バイブレータなどを含んでもよい。通知部108は、必要に応じて、発光、表示、発声、振動などによって、ユーザに対して何らかの通知を行うように構成される。
電源110は、通知部108、要素112、メモリ114、負荷132、回路134などのエアロゾル生成装置100Aの各コンポーネントに電力を供給する。電源110は、エアロゾル生成装置100Aの所定のポート(図示せず)を介して外部電源に接続することにより充電することができてもよい。電源110のみを第1の部材102又はエアロゾル生成装置100Aから取り外すことができてもよく、新しい電源110と交換することができてもよい。また、第1の部材102全体を新しい第1の部材102と交換することによって電源110を新しい電源110と交換することができてもよい。
要素112は、負荷132の温度に関連する値を取得するために用いられるコンポーネントである。要素112は、負荷132を流れる電流の値、負荷132の抵抗値などを求めるのに必要な値を取得するために用いることができるように構成されてもよい。
要素112はまた、空気取込流路120及び/又はエアロゾル流路121内の圧力の変動を検知する圧力センサ又は流量を検知する流量センサを含んでもよい。要素112はまた、貯留部116等のコンポーネントの重量を検知する重量センサを含んでもよい。要素112はまた、エアロゾル生成装置100Aを用いたユーザによるパフの回数を計数するように構成されてもよい。要素112はまた、霧化部118への通電時間を積算するように構成されてもよい。要素112はまた、貯留部116内の液面の高さを検知するように構成されてもよい。要素112はまた、電源110のSOC(State of Charge,充電状態)、電流積算値、電圧などを求める又は検知するように構成されてもよい。SOCは、電流積算法(クーロン・カウンティング法)やSOC−OCV(Open Circuit Voltage,開回路電圧)法等によって求められてもよい。要素112はまた、ユーザが操作可能な操作ボタンなどであってもよい。
制御部106は、マイクロプロセッサ又はマイクロコンピュータとして構成された電子回路モジュールであってもよい。制御部106は、メモリ114に格納されたコンピュータ実行可能命令に従ってエアロゾル生成装置100Aの動作を制御するように構成されてもよい。メモリ114は、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの記憶媒体である。メモリ114には、上記のようなコンピュータ実行可能命令のほか、エアロゾル生成装置100Aの制御に必要な設定データ等が格納されてもよい。例えば、メモリ114は、通知部108の制御方法(発光、発声、振動等の態様等)、要素112により取得及び/又は検知された値、霧化部118の加熱履歴等の様々なデータを格納してもよい。制御部106は、必要に応じてメモリ114からデータを読み出してエアロゾル生成装置100Aの制御に利用し、必要に応じてデータをメモリ114に格納する。
図1Bは、本開示の一実施形態に係るエアロゾル生成装置100Bの構成の概略的なブロック図である。
図示されるように、エアロゾル生成装置100Bは、図1Aのエアロゾル生成装置100Aが備える構成に加えて、第3の部材126を備える。第3の部材126は、香味源128を含んでもよい。一例として、エアロゾル生成装置100Bが電子たばこ又は加熱式たばこである場合、香味源128は、たばこに含まれる香喫味成分を含んでもよい。図示されるように、エアロゾル流路121は、第2の部材104及び第3の部材126にわたって延在する。吸口部122は、第3の部材126に備えられる。
香味源128は、エアロゾルに香味を付与するためのコンポーネントである。香味源128は、エアロゾル流路121の途中に配置される。霧化部118によって生成されたエアロゾルと空気との混合流体(以下、混合流体を単にエアロゾルと呼称する場合もあることに留意されたい)は、エアロゾル流路121を通って吸口部122まで流れる。このように、香味源128は、エアロゾルの流れに関して霧化部118よりも下流に設けられている。換言すれば、霧化部118よりも香味源128の方が、エアロゾル流路121の中で吸口部122に近い側に位置する。したがって、霧化部118によって生成されたエアロゾルは、香味源128を通過してから吸口部122へ達する。エアロゾルが香味源128を通過する際、香味源128に含まれる香喫味成分がエアロゾルに付与される。一例として、エアロゾル生成装置100Bが電子たばこ又は加熱式たばこである場合、香味源128は、刻みたばこ、又はたばこ原料を粒状、シート状もしくは粉末状に成形した加工物などの、たばこ由来のものであってもよい。香味源128はまた、たばこ以外の植物(例えばミントやハーブ等)から作られた非たばこ由来のものであってもよい。一例として、香味源128は、ニコチン成分を含む。香味源128は、メントールなどの香料成分を含有してもよい。香味源128に加えて、貯留部116も香喫味成分を含んだ物質を有してもよい。例えば、エアロゾル生成装置100Bは、香味源128にたばこ由来の香味物質を保持し、貯留部116には非たばこ由来の香味物質を含むように構成されてもよい。
ユーザは、吸口部122を咥えて吸引することにより、香味が付与されたエアロゾルを含んだ空気を口腔内へ取り込むことができる。
制御部106は、本開示の実施形態に係るエアロゾル生成装置100A及び100B(以下、まとめて「エアロゾル生成装置100」とも呼ぶ)を様々な方法で制御するように構成される。
エアロゾル生成装置においては、エアロゾル源が不足しているときにユーザが吸引を行うと、ユーザに対して十分なエアロゾルを供給できない。加えて、電子たばこや加熱式たばこの場合、意図しない香喫味を有するエアロゾルが放出され得る(以下、このような現象を「意図しない挙動」とも呼ぶ)。本願発明者らは、貯留部116内のエアロゾル源が不足しているときだけでなく、貯留部116にエアロゾル源が十分に残っているが保持部130内のエアロゾル源が一時的に不足しているときにも、意図しない挙動が生じることを、解決すべき重要な課題として認識した。本願発明者らは、このような課題を解決するため、貯留部116内のエアロゾル源と保持部130内のエアロゾル源のいずれが不足しているかを特定することができるエアロゾル生成装置並びにそれを動作させるための方法及びプログラムを発明した。本願発明者らはまた、エアロゾル源の貯留部から供給されたエアロゾル源を保持する保持部におけるエアロゾル源の一時的な不足を抑制するエアロゾル生成装置並びにそれを動作させる方法及びプログラムを発明した。本願発明者らはまた、エアロゾル生成装置100が、貯留部116が貯留するエアロゾル源が不足した状態にあるか、貯留部116がエアロゾル源を供給可能であるが保持部130が保持するエアロゾル源が不足した別の状態にあるか、が区別される場合において、適切な制御を行うことができるエアロゾル生成装置並びにそれを動作させる方法及びプログラムを発明した。以下では、主として、エアロゾル生成装置が図1Aに示す構成を有する場合を想定して、本開示の各実施形態について詳しく説明する。但し、エアロゾル生成装置が図1Bに示す構成などの様々な構成を有する場合にも本開示の実施形態を適用できることは当業者にとって明らかであろう。
<第1の実施形態>
図2は、本開示の第1の実施形態による、エアロゾル生成装置100Aの一部に関する例示的な回路構成を示す図である。
図2に示す回路200は、電源110、制御部106、要素112、負荷132(「ヒータ抵抗」とも呼ぶ)、第1経路202、第2経路204、第1電界効果トランジスタ(FET)206を含むスイッチQ1、定電圧出力回路208、第2FET210を含むスイッチQ2、抵抗212(「シャント抵抗」とも呼ぶ)を備える。FETだけでなく、iGBT、コンタクタなどの様々な素子をスイッチQ1及びQ2として用いることができることは当業者にとって明らかであろう。
図1Aに示される回路134は、電源110と負荷132とを電気的に接続し、第1経路202及び第2経路204を含み得る。第1経路202及び第2経路204は、電源110(及び負荷132)に対して並列接続される。第1経路202はスイッチQ1を含み得る。第2経路204はスイッチQ2、定電圧出力回路208、抵抗212及び要素112を含み得る。第1経路202は第2経路204よりも小さい抵抗値を有してもよい。この例において、要素112は電圧センサであり、抵抗212の両端の電圧値を検知するように構成される。しかし、要素112の構成はこれに限定されない。例えば、要素112は電流センサであってもよく、抵抗212を流れる電流の値を検知してもよい。
図2において点線矢印で示すように、制御部106は、スイッチQ1、スイッチQ2等を制御することができ、要素112により検知された値を取得することができる。制御部106は、スイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替えることにより第1経路202を機能させ、スイッチQ2をオフ状態からオン状態に切り替えることにより第2経路204を機能させるように構成されてもよい。制御部106は、スイッチQ1及びQ2を交互に切り替えることにより、第1経路202及び第2経路204を交互に機能させるように構成されてもよい。この構成により、後述するように、エアロゾルの生成後(ユーザによる吸引後)であっても、エアロゾルの生成中(ユーザによる吸引中)であっても、エアロゾル生成装置100が第1状態(貯留部116が貯留するエアロゾル源が不足した状態)にあるか第2状態(貯留部116がエアロゾル源を供給可能であるが保持部130が保持するエアロゾル源が不足した状態)にあるかを区別し、エアロゾル源の不足を検知することができる。
制御部106は、第1経路202のスイッチQ1をオン状態からオフ状態に切り替えた後、第2経路204のスイッチQ2をオフ状態からオン状態に切り替えるまで、既定のインターバルを設けるように構成されてもよい。
第1経路202はエアロゾル源の霧化に用いられる。スイッチQ1がオン状態に切り替えられて第1経路202が機能するとき、ヒータ(又はヒータ内の負荷132)に電力が供給され、負荷132は加熱される。負荷132の加熱により、霧化部118内の保持部130に保持されているエアロゾル源が霧化されてエアロゾルが生成される。
第2経路204は負荷132の温度に関連する値の取得に用いられる。一例として、図2に示すように第2経路204に含まれる要素112が電圧センサである場合を考える。スイッチQ2がオンであり第2経路204が機能しているとき、電流は定電圧出力回路208、スイッチQ2、抵抗212及び負荷132を流れる。要素112により取得された抵抗212に印加される電圧の値と、抵抗212の既知の抵抗値Rshuntとを用いて、負荷132を流れる電流の値を求めることができる。定電圧出力回路208の出力電圧Voutと当該電流値とに基づいて、抵抗212及び負荷132の抵抗値の合計値を求めることができるので、当該合計値から既知の抵抗値Rshuntを差し引くことにより、負荷132の抵抗値RHTRを求めることができる。負荷132が温度に応じて抵抗値が変わる正又は負の温度係数特性を有している場合、予め測定しておいた負荷132の抵抗値と負荷132の温度との間の関係と、上述のようにして求められたと負荷132の抵抗値RHTRとに基づいて、負荷132の温度を推定することができる。この例における負荷132の温度に関連する値は抵抗212に印加される電圧である。しかし、抵抗212を流れる電流の値を用いて負荷132の温度を推定できることが当業者に理解されよう。したがって、要素112の具体例は電圧センサに限定されず、電流センサ(例えば、ホール素子)などの他の素子を含み得る。
図2において、定電圧出力回路208は、リニア・ドロップアウト(LDO)レギュレータとして示され、キャパシタ214、FET216、誤差増幅器218、基準電圧源220、抵抗222及び224、並びにキャパシタ226を含み得る。基準電圧源220の電圧がVREFであり、抵抗222及び224の抵抗値がそれぞれR1及びR2である場合、定電圧出力回路208の出力電圧VOUTは、VOUT=(R2/(R1+R2))×VREFとなる。図2に示す定電圧出力回路208の構成は一例にすぎず、様々な構成が可能であることが当業者に理解されよう。
図3は、本開示の第1の実施形態によるエアロゾル生成装置100Aの一部に関する別の例示的な回路構成を示す図である。
図2の場合と同様、図3に示す回路300は、電源110、制御部106、要素112、負荷132、第1経路302、第2経路304、第1FET306を含むスイッチQ1、第2FET310を含むスイッチQ2、定電圧出力回路308、抵抗312を備える。図2とは異なり、定電圧出力回路308は、第1経路302よりも電源側に配置される。この例において、定電圧出力回路308はスイッチングレギュレータであり、キャパシタ314、FET316、インダクタ318、ダイオード320及びキャパシタ322を含む。図2の場合と同様に、図3に示す回路が、第1経路302が機能するときにエアロゾル源を霧化し、第2経路304が機能するときに負荷132の温度に関連する値を取得するように動作することは、当業者にとって明らかであろう。なお図3に示す回路において、定電圧出力回路308は入力された電圧を昇圧して出力する昇圧型のスイッチングレギュレータ(いわゆるブーストコンバータ)であるが、これに代えて入力された電圧を降圧して出力する降圧型のスイッチングレギュレータ(いわゆるバックコンバータ)や、入力された電圧の昇圧と降圧の双方が可能な昇降圧型のスイッチングレギュレータ(バックブーストコンバータ)であってもよい。
図4は、本開示の一実施形態による、エアロゾル源の不足を検出する例示的な処理のフローチャートである。ここでは、制御部106がすべてのステップを実行するものとして説明を行う。しかし、一部のステップがエアロゾル生成装置100の別のコンポーネントによって実行されてもよいことに留意されたい。なお、本実施形態では一例として図2に示す回路200を用いて説明するが、図3で示す回路300や他の回路を用いることができることは当業者にとって明らかであろう。
処理はステップ402において開始する。ステップ402において、制御部106は、圧力センサ、流量センサ等から得られた情報に基づいて、ユーザによる吸引が検知されたか否かを判定する。例えば、制御部106は、これらのセンサの出力値が連続的に変化する場合、ユーザによる吸引が検知されたと判断してもよい。あるいは、制御部106は、エアロゾルの生成を開始するためのボタンが押されたことなどに基づいて、ユーザによる吸引が検知されたと判断してもよい。
吸引が検知されたと判定されると(ステップ402の「Yes」)、処理はステップ404に進む。ステップ404において、制御部106はスイッチQ1をオン状態にして第1経路202を機能させる。
処理はステップ406に進み、制御部106は、吸引が終了したか否かを判定する。吸引が終了したと判定されると(ステップ406の「Yes」)、処理はステップ408に進む。
ステップ408において、制御部106はスイッチQ1をオフ状態にする。ステップ410において、制御部106は、スイッチQ2をオン状態にして第2経路204を機能させる。
処理はステップ412に進み、制御部106は、例えば既に述べたようにして、第2経路204の電流値を検出する。ステップ414及び416において、例えば既に述べたような方法により、制御部106は、負荷132の抵抗値及び温度をそれぞれ導出する。
処理はステップ418に進み、制御部106は、負荷132の温度が予め定められた閾値を超えるか否かを判定する。負荷温度が閾値を超えると判定された場合(ステップ418の「Yes」)、処理はステップ420に進み、制御部106は、エアロゾル生成装置100A内のエアロゾル源が不足していると判断する。他方、負荷温度が閾値を超えないと判定された場合(ステップ418の「No」)、エアロゾル源が不足しているとは判断されない。
図4に示される処理は、エアロゾル生成装置100A内のエアロゾル源が不足しているかどうかを判定する一般的なフローを示しているにすぎず、本開示の実施形態に特有の、貯留部116内のエアロゾル源の不足と保持部130内のエアロゾル源の不足とを区別する処理を示していないことに留意されたい。
本開示において、貯留部116におけるエアロゾル源の不足とは、貯留部116においてエアロゾル源が完全に枯渇した状態のほか、保持部130にエアロゾル源を十分に供給できない状態も含む。本開示において、保持部130におけるエアロゾル源の不足とは、保持部130全体にわたってエアロゾル源が完全に枯渇した状態のほか、保持部130の一部においてエアロゾル源が枯渇した状態も含む。
図5は、本実施形態における、スイッチQ1及びQ2の切り替えのタイミングの例を示す。図5(A)に示すように、制御部106は、エアロゾル源が霧化されている(ユーザによる吸引が行われている)間に、スイッチQ1とスイッチQ2との間で切り替えを行ってもよい。図5(B)に示すように、制御部106は、エアロゾル源の霧化が終了した(ユーザによる吸引が終了した)後に、スイッチQ1をオフ状態にし、スイッチQ2をオン状態にしてもよい。
図6は、本実施形態による、エアロゾル生成装置100A内のエアロゾル源の不足を検出する処理を示すフローチャートである。この例では、図5(A)に示したように、ユーザによる吸引が行われている間にスイッチQ1とスイッチQ2との間で切り替えが行われることを想定する。また、制御部106がすべてのステップを実行するものとして説明を行う。しかし、一部のステップがエアロゾル生成装置100の別のコンポーネントによって実行されてもよいことに留意されたい。
ステップ602の処理は図4のステップ402の処理と同様であり、所定の条件が満たされる場合、制御部106は、ユーザによる吸引が開始されたと判断する。
処理はステップ604に進み、制御部106は、スイッチQ1をオン状態にして第1経路202を機能させる。したがって、ヒータ(又はヒータ内の負荷132)に電力が供給され、保持部130内のエアロゾル源が加熱されてエアロゾルが生成される。さらに、ステップ605において、制御部106はタイマ(図示せず)を起動させる。別の例として、タイマは、スイッチQ1がオン状態にされたときではなく、後述するステップ606においてスイッチQ2がオン状態にされたときに起動されてもよい。
処理はステップ606に進み、制御部106は、スイッチQ1をオフ状態にしてスイッチQ2をオン状態にする。図6の例において、この処理は、ユーザによる吸引が行われている間に行われることに留意されたい。ステップ606の処理により第2経路204が機能し、要素112によって、負荷132の温度に関連する値(例えば、抵抗212に印加される電圧値、抵抗212及び負荷132を流れる電流値など)が取得される。既に説明したようにして、取得された値に基づいて負荷132の温度が導出される。
エアロゾル源の残量が十分であれば、ステップ604において負荷132に加えられた熱はエアロゾル源の霧化によるエアロゾルの生成に用いられる。したがって、負荷132の温度は、エアロゾル源の沸点やエアロゾル源の蒸発によりエアロゾルの生成が生じる温度(例えば、200℃)を大きく超えることはない。他方、貯留部116内のエアロゾル源及び/又は保持部130内のエアロゾル源が不足している場合には、負荷132への加熱によって保持部130内のエアロゾル源が完全に又は部分的に枯渇し、負荷132の温度が上昇していく。
処理はステップ608に進み、制御部106は、負荷132の温度(THTR)が所定の温度(例えば、350℃)を超えているか否かを判定する。この例では、負荷132の温度が温度の閾値と比較される。別の実施形態において、負荷132の抵抗値又は電流値が抵抗値の閾値又は電流値の閾値と比較されてもよい。この場合、抵抗値の閾値、電流値の閾値等は、エアロゾル源が不足していることが十分に判断できるような適切な値に設定される。
負荷132の温度が所定の温度を超えていない場合(ステップ608の「No」)、処理はステップ610に進む。ステップ610において、制御部106は、タイマが示す時間に基づいて、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過した場合(ステップ610の「Yes」)、処理はステップ612に進む。ステップ612において、制御部106は、貯留部116及び保持部130におけるエアロゾル源の残量が十分であると判断し、処理は終了する。所定時間が経過していない場合(ステップ610の「No」)、処理はステップ608の前に戻る。
負荷132の温度が所定の温度を超えている場合(ステップ608の「Yes」)、処理はステップ614に進む。ステップ614において、制御部106は、タイマ起動から現在までの時間が所定の閾値Δtthre(例えば、0.5秒)未満であるか否かを判定する。
ステップ605に示すようにスイッチQ1がオン状態にされたときにタイマが起動される場合、所定の閾値Δtthreは、第1の所定の固定値(例えば、予め定められたスイッチQ1をオン状態にしておく時間)と、第2の所定の固定値(例えば、予め定められたステップQ2をオン状態にしておく時間以下の時間)の合計であってもよい。あるいは、所定の閾値Δtthreは、実際に測定された、スイッチQ1がオン状態にされていた時間と、上記の第2の所定の固定値との合計であってもよい。
スイッチQ2がオン状態にされたときにタイマが起動される場合、所定の閾値Δtthreは、上記の第2の所定の固定値であってもよい。
貯留部116のエアロゾル源が不足している場合と、貯留部116がエアロゾル源を供給可能であるが保持部130が保持するエアロゾル源が不足している場合とを比較すると、前者の場合の方が負荷132の温度が許容できない高温に達するまでの時間が短い。というのは、前者の場合には保持部130にエアロゾル源が供給されないので負荷132に供給される電力が負荷132の温度上昇に使用されるのに対して、後者の場合には貯留部116から保持部130にエアロゾル源が供給され得るので負荷132に供給される電力がエアロゾル源の霧化にも使用され得るからである。
タイマ起動から現在までの時間が所定の閾値未満である場合(ステップ614の「Yes」)、処理はステップ616に進む。ステップ616において、制御部106は、エアロゾル生成装置100が第1状態にあると判断する。第1状態においては、貯留部116が貯留するエアロゾル源が不足するので、負荷132の温度がエアロゾル源の沸点又はエアロゾル源の蒸発によりエアロゾル源の生成が生じる温度を超える。他方、タイマ起動から現在までの時間が所定の閾値未満である場合(ステップ614の「No」)、処理はステップ624に進む。ステップ624において、制御部106は、エアロゾル生成装置100が第2状態にあると判断する。第2状態においては、貯留部116がエアロゾル源を供給可能であるが保持部130が保持するエアロゾル源が不足するので、負荷132の温度がエアロゾル源の沸点又はエアロゾル源の蒸発によりエアロゾル源の生成が生じる温度を超える。このように、制御部106は、第1経路202又は第2経路204が機能してから負荷132の温度に関連する値が閾値に到達するまでに要した時間に基づき、第1状態と第2状態とを区別するように構成することができる。
本開示において、第1状態におけるエアロゾル源の不足とは、貯留部116内のエアロゾル源が完全に枯渇している状態、又は貯留部116内のエアロゾル源が少ないために保持部130に対してエアロゾル源を十分に供給できない状態を意味する。また、本開示において、第2状態におけるエアロゾロ源の不足とは、貯留部116がエアロゾル源を供給可能であるが、保持部130全体にわたってエアロゾル源が完全に枯渇している状態、又は保持部130の一部においてエアロゾル源が枯渇している状態を意味する。第1状態及び第2状態のいずれにおいても、十分なエアロゾルを生成することができない。
ステップ616の後、処理はステップ618に進み、制御部106は、通知部108を用いるなどして、エアロゾル生成装置100が第1状態にあり貯留部116の交換(又は貯留部116内のエアロゾル源の補充)を行うべきであることがユーザに認識されるようにする。処理はステップ620に進み、制御部106は取り外し検査モードに移行する。処理はステップ622に進み、制御部106は、貯留部116の取り外し(又はエアロゾル源の補充)が検出されたか否かを判定する。貯留部116の取り外しが検出された場合(ステップ622の「Yes」)、処理は終了する。そうでない場合(ステップ622の「No」)、処理はステップ618の前に戻る。
ステップ624の後、処理はステップ626に進み、制御部106は、通知部108を用いるなどして、エアロゾル生成装置100が第2状態にあることがユーザに認識されるよう、警告を行う。その後処理は終了する。
上述のように、本実施形態によれば、回路134が機能した後の負荷132の温度に関連する値の変化に基づいて、エアロゾル生成装置100Aが、貯留部116が貯留するエアロゾル源が不足した第1状態にあるか、貯留部116がエアロゾル源を供給可能であるが保持部130が保持するエアロゾル源が不足した第2状態にあるか、を区別することが可能となる。したがって、エアロゾル源が完全に枯渇しているか否かを高精度に判断することができる。
また、上述のように、タイマはスイッチQ1がオフ状態にされたときに起動されてもよいし、スイッチQ2がオン状態にされたときに起動されてもよい。制御部106は、第1経路202が機能した後又は第2経路204が機能している間の負荷132の温度に関連する値の変化に基づいて、第1状態と第2状態とを区別することができる。したがって、エアロゾルを生成するための第1経路202とエアロゾル源の不足を検知するための第2経路204とを交互にオン状態にする構成において、第1状態と第2状態とを区別することができる。
図6の実施形態の変形例において、第1状態は、貯留部116が貯留するエアロゾル源が不足するために、負荷132の温度が、エアロゾル源の沸点又はエアロゾル源の蒸発によりエアロゾル生成が生じる温度未満の既定温度へ、第1状態及び第2状態とは異なる他の状態より早く到達する状態として定義されてもよい。また、第2状態は、貯留部116がエアロゾル源を供給可能であるが保持部130が保持するエアロゾル源が不足するために、負荷132の温度が、エアロゾル源の沸点又はエアロゾル源の蒸発によりエアロゾル生成が生じる温度未満の既定温度へ、第1状態及び第2状態とは異なる他の状態より早く到達する状態として定義されてもよい。これらの場合、上述の図6の実施形態と比較して、エアロゾル源の不足を検知する精度が劣る一方、より早い検知が可能となる。
上述のように、図6の実施形態においては、貯留部116が貯留するエアロゾル源が不足した第1状態において実行される制御(ステップ618から622)と、貯留部116がエアロゾル源を供給可能であるが保持部130が保持するエアロゾル源が不足した第2状態において実行される制御(ステップ626)とが異なる。
図7は、本実施形態による、エアロゾル生成装置100A内のエアロゾル源の不足を検出する別の処理を示すフローチャートである。この例では、図5(B)に示したように、ユーザによる吸引が終了した後にスイッチQ1がオフ状態にされてスイッチQ2がオン状態にされることを想定する。
ステップ702の処理は図6のステップ602の処理と同様である。
処理はステップ704に進み、制御部106は、スイッチQ1をオン状態にして第1経路202を機能させる。したがって、ヒータ(負荷132)に電力が供給され、保持部130内のエアロゾル源が加熱されてエアロゾルが生成される。
処理はステップ706に進み、制御部106は、スイッチQ1をオフ状態にしてスイッチQ2をオン状態にする。図7の例において、この処理は、ユーザによる吸引が終了した後に行われることに留意されたい。ステップ706の処理により第2経路204が機能し、要素112によって、負荷132の温度に関連する値が取得され、取得された値に基づいて負荷132の温度が導出される。
処理はステップ708に進み、制御部106はタイマを起動させる。
処理はステップ710に進む。ステップ710の処理はステップ608の処理と同様である。
負荷132の温度が所定の温度を超えていない場合(ステップ710の「No」)、処理はステップ712に進む。ステップ712及び714の処理はステップ610及び612の処理と同様である。
負荷132の温度が所定の温度を超えている場合(ステップ710の「Yes」)、処理はステップ716に進む。ステップ716において、制御部106は、負荷132の温度の時間微分値が所定の閾値(例えば、0より小さい値)より大きいか否かを判定する。
ユーザの吸引中に保持部130のエアロゾル源が不足した場合においては、貯留部116のエアロゾル源が不足している場合と、貯留部116がエアロゾル源を供給可能であるが保持部130が保持するエアロゾル源が不足している場合とを比較すると、前者の場合の方がユーザの吸引終了後の負荷132の温度の時間微分値が大きい。というのは、前者の場合にはユーザの吸引終了後に保持部130にエアロゾル源が供給されないので負荷132の温度が上昇、停滞、または緩やかに低下し続けるのに対して、後者の場合にはユーザの吸引終了後に貯留部116から保持部130にエアロゾル源が供給され得るので負荷132の温度が低下し得るからである。
負荷132の温度の時間微分値が閾値より大きい場合(ステップ716の「Yes」)、処理はステップ718に進む。ステップ718において、制御部106は、エアロゾル生成装置100Aが、貯留部116が貯留するエアロゾル源が不足した第1状態にあると判断する。他方、負荷132の温度の時間微分値が閾値以下である場合(ステップ716の「No」)、処理はステップ726に進む。ステップ726において、制御部106は、エアロゾル生成装置100Aが、貯留部116がエアロゾル源を供給可能であるが保持部130が保持するエアロゾル源が不足した第2状態にあると判断する。
ステップ720から724の処理はステップ618から622の処理と同様である。ステップ728の処理はステップ626の処理と同様である。
図7の例においては、制御部106は、第1経路202の動作が完了した後に第2経路204を機能させる。したがって、エアロゾルが生成されない静的な状態において、エアロゾル生成装置100が第1状態にあるのか第2状態にあるのかを精度よく区別することができる。
また、図7の例によれば、制御部106は、第1経路202の動作が完了した後又は第2経路204が機能している間の負荷132の温度に関連する値の変化に基づいて、第1状態と第2状態とを区別することができる。したがって、エアロゾルを生成するための第1経路202とエアロゾル源の不足を検知するための第2経路204とを順次にオン状態にする構成において、第1状態と第2状態とを区別することができる。
なお、図7の例において、制御部106は、第1経路202の動作が複数回完了した後に第2経路204を機能させてもよい。例えば、スイッチQ1のオン/オフが5回完了した(ユーザによる吸引が5回完了した)後、スイッチQ2がオン状態にされてもよい。この場合、制御部106は、貯留部116を新品に交換した後又は貯留部116にエアロゾル源を補充した後に負荷132の動作回数又は積算した動作量が増えるほど、第2経路204を機能させる前に第1経路202を動作させる回数を減少させてもよい。
図6の実施形態と同様に、図7の実施形態においても、第1状態において実行される制御(ステップ720から724)と、第2状態において実行される制御(ステップ728)とが異なる。
図8は、本開示の第1の実施形態によるエアロゾル生成装置100Aの一部に関する例示的な回路構成を示す図である。
図8に示す回路800は、電源110、制御部106、要素112、負荷132、単一の経路802、FET806を含むスイッチQ1、定電圧出力回路808及び抵抗812を備える。
回路134は、図8に示すような単一の経路802を含むように構成されてもよい。経路802は、負荷132に対して直列接続される。経路802は、スイッチQ1及び抵抗812を含み得る。この例において、回路134は、さらに、負荷132へ供給される電力を平滑化する素子(図示せず)を備えてもよい。これにより、遷移(スイッチのターンオン及びターンオフ)時のノイズやサージ電流によるノイズなどの影響を低減することができ、第1状態と第2状態との区別を高精度に行うことができる。
図8において点線矢印で示すように、制御部106は、スイッチQ1を制御することができ、要素112により検知された値を取得することができる。
制御部106は、スイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替えることにより経路802を機能させる。
経路802はエアロゾル源の霧化に用いられる。スイッチQ1がオン状態に切り替えられて経路802が機能するとき、負荷132に電力が供給され、負荷132は加熱される。負荷132の加熱により、霧化部118内の保持部130に保持されているエアロゾル源が霧化されてエアロゾルが生成される。
経路802はまた、負荷132の温度に関連する値の取得に用いられる。スイッチQ1がオン状態にあり経路802が機能しているとき、電流は、定電圧出力回路808、スイッチQ1、抵抗812及び負荷132を流れる。図2に関連して既に述べたとおり、要素112が電圧センサであるとき、抵抗812に印加される電圧値を負荷132の温度に関連する値として用いて負荷132の温度を推定することができる。図2の例と同様に、要素112の具体例は電圧センサに限定されず、電流センサ(例えば、ホール素子)などの他の素子を含み得る。
図8に示す構成を備えるエアロゾル生成装置100Aは、ローパスフィルタ(図示せず)をさらに備えてもよい。要素112を用いて取得された負荷132の温度に関連する値(電流値、電圧値など)が当該ローパスフィルタを通過してもよい。この場合、制御部106は、ローパスフィルタを通過した温度に関連する値を取得し、これを用いて負荷132の温度を導出してもよい。
図2の場合と同様に、定電圧出力回路808は、LDOレギュレータとして示され、キャパシタ814、FET816、誤差増幅器818、基準電圧源820、抵抗822及び824、並びにキャパシタ826を含み得る。定電圧出力回路808の構成は一例にすぎず、様々な構成が可能である。
図9は、図8の回路800を備えたエアロゾル生成装置100Aにおける、スイッチQ1を用いたエアロゾル源の霧化及びエアロゾル源の残量推定のタイミングを示す。図8の回路は単一の経路802のみを有するので、制御部106は、エアロゾル源が霧化されている間(ユーザが吸引をしている間)にエアロゾル源が不足しているか否かの検知も行う。
図10は、本実施形態による、エアロゾル生成装置100A内のエアロゾル源の不足を検出する処理を示すフローチャートである。この例では、エアロゾル生成装置100Aが図8に示す回路800を備える場合を想定する。
ステップ1002の処理は図6のステップ602の処理と同様であり、所定の条件が満たされる場合、制御部106は、ユーザによる吸引が開始されたと判断する。
処理はステップ1004に進み、制御部106は、スイッチQ1をオン状態にして経路802を機能させる。したがって、ヒータ(負荷132)に電力が供給され、保持部130内のエアロゾル源が加熱されてエアロゾルが生成される。制御部106はまた、要素112によって、負荷132の温度に関連する値(例えば、抵抗812に印加される電圧値、負荷132を流れる電流値など)を取得する。既に説明したようにして、取得された値に基づいて負荷132の温度が導出される。
ステップ1005において、制御部106はタイマ(図示せず)を起動させる。
ステップ1006から1024の処理はステップ608から626の処理と同様である。
図6及び図7の実施形態と同様に、図10の実施形態においても、第1状態において実行される制御(ステップ1016から1020)と、第2状態において実行される制御(ステップ1024)とが異なる。
図11は、ユーザがエアロゾル生成装置100Aを用いて正常な吸引を行う場合の負荷132の抵抗値の時系列的な変化を概念的に示すグラフである。
ユーザによる吸引が検知されると、負荷132に電力が供給され、負荷132が加熱される。負荷132の温度は、室温(例えば、25℃)から、エアロゾル源の沸点又はエアロゾル源の蒸発によりエアロゾルの生成が生じる温度(例えば、200℃)に上昇する。保持部130に十分なエアロゾル源が存在する場合、負荷132に加えられた熱はエアロゾル源の霧化に用いられるので、図11に示すように、負荷132の温度は上記温度付近で安定する。ユーザによる吸引が終了すると、負荷132への電力供給が停止され、負荷132の温度は室温に向かって低下する。
ユーザによる吸引が終了してから次の吸引が開始するまでのインターバルが十分に長い場合、図11に示すように、負荷132は冷却され、その温度は室温に戻る。貯留部116内に十分な量のエアロゾル源が貯留されていることを前提とすれば、次の吸引の開始までに貯留部116から保持部130に十分な量のエアロゾル源が供給される。ここでは、このような吸引及びインターバルをそれぞれ「正常な」吸引及び「正常な」インターバルと呼ぶものとする。
負荷132の抵抗値は、負荷132の温度により変化する。図11の例では、負荷132の温度が室温(25℃)からエアロゾル源の沸点(200℃)まで上昇する間、負荷132の抵抗値はR(TR.T.=25℃)からR(TB.P.=200℃)に上昇する。負荷132の温度がエアロゾル源の沸点に到達し、エアロゾル源の霧化が始まると、負荷132の温度が安定するので、負荷132の抵抗値もまた安定する。エアロゾル源の霧化が終了し、負荷132の温度が室温まで低下する間、負荷132の抵抗値もまた低下する。上述のとおり、図11の例では正常な吸引が行われるので、次の吸引の開始時には負荷132の抵抗値はR(TR.T.=25℃)に戻っている。
本開示においては、以前の吸引の際の負荷132に対する加熱による負荷132の抵抗値の変化が次の吸引の際の負荷132の抵抗値に及ぼす影響を、負荷の「熱履歴」と呼ぶものとする。図11の例の場合、そのような影響は生じないので、負荷132の抵抗値に関して熱履歴は残らない。
図12Aは、ユーザによる吸引が終了してから次の吸引が開始するまでのインターバルが正常なインターバルよりも短いときの、負荷132の抵抗値の時系列的な変化を概念的に示すグラフである。
インターバルが短い場合、負荷132の温度が室温に戻る前に次の吸引が開始し、負荷132は再度加熱される。図12A(a)はこのような場合を表すグラフである。図12A(a)において、最初の吸引の開始から終了までの状況は図11の正常な吸引の場合と同様である。最初の吸引が終了すると、負荷132の温度は低下し、それに伴い負荷132の抵抗値も低下する。しかし、最初の吸引の終了から第2の吸引の開始までのインターバルが短いので、第2の吸引の開始時において、負荷132の温度は室温より高く、したがって負荷132の抵抗値もまた室温における抵抗値R(TR.T.=25℃)よりも大きい。すなわち、図11の例とは異なり、図12Aの例では、第2の吸引の開始時において、負荷132には熱履歴が残っている。このため、第2の吸引のために負荷132が加熱されると、貯留部116及び保持部130におけるエアロゾル源が不足し、負荷132の抵抗値がR(TB.P.=200℃)を超えて上昇することが起こり得る。
図12A(b)は、図12A(a)に示す状況のもとで吸引が繰り返される場合の負荷132の抵抗値の時系列的な変化を示す。最初の吸引の終了から第2の吸引の開始までのインターバルが短いので、第2の吸引の開始時における負荷132の抵抗値は室温における抵抗値R(TR.T.=25℃)よりも大きい。また、このインターバルが短いため、貯留部116から保持部130へのエアロゾル源の供給が充分に行われない。従って、第2の吸引の開始時において、保持部130におけるエアロゾル源が、充分な長さを持つインターバルを設けた場合と比較して少なくなる虞がある。このように負荷132の熱履歴が残っており且つ保持部130におけるエアロゾル源が少ないので、負荷132の温度は、第2の吸引中に負荷132が加熱されてエアロゾルが安定的に生成される状態に達した後、保持部130におけるエアロゾル源が不足して、図示されるようにエアロゾル源の沸点を超えることがあり得る。したがって、負荷132の抵抗値もまた、R(TB.P.=200℃)よりも大きな値に達し得る。このような挙動が繰り返されることにより、負荷132の温度は、図6、図7及び図10に関連して説明された実施形態において示した閾値(例えば、350℃)に到達し得る。
本願発明者らは、図6、図7及び図10に関連して説明されたような実施形態において第1状態と第2状態とを区別するために用いられる閾値(例えば、ステップ614におけるΔtthre)などの条件を、負荷132の熱履歴に基づいて修正することにより、エアロゾル源が不足したときにエアロゾル生成装置100Aの制御を一層適切に実行できる技術を発明した。当該技術を以下で説明する。
図12Bは、本開示の実施形態による、ユーザによる吸引が短いインターバルで行われる場合において第1状態と第2状態とを区別するための条件を修正する処理を示すフローチャートである。
処理はステップ1202において開始し、制御部106は、カウンタnを0に設定する。
処理はステップ1204に進み、制御部106は、前回の吸引の終了時点から今回の吸引の開始時点までの吸引インターバル(intervalmeas)を計測する。
処理はステップ1206に進み、制御部106は、カウンタnの値をインクリメントする。
処理はステップ1208に進み、制御部106は、予め設定されたインターバルの値(intervalpreset)からステップ1204において計測されたintervalmeasを差し引いた値(Δinterval(n))を計算する。intervalpresetの値は、正常な吸引の場合に負荷132の温度がエアロゾル源の沸点から室温に戻るまでの時間(例えば、1秒)であってもよいし、前回の吸引の終了後に十分な量のエアロゾル源が貯留部116から保持部130に供給されるまでの時間であってもよい。
処理はステップ1210に進み、制御部106は、ステップ1208において計算されたΔinterval(n)が0より大きいか否かを判定する。
図12Bにおいて、Δinterval(n)が0以下である(intervalmeasがintervalpreset以上である)場合(ステップ1208の「No」)、処理はステップ1216に進むことになっている。しかし、処理がステップ1204の前に戻り、ステップ1204から1210が所定の回数繰り返されてもよい。
Δinterval(n)が0より大きい(intervalmeasがintervalpresetより小さい)場合(ステップ1210の「Yes」)、処理はステップ1212に進む。ステップ1212において、制御部106は、これまでに計算されたΔinterval(n)を積算した値Σを求める。ステップ1210に示した計算式は一例にすぎない。ステップ1212の処理は、負荷132の熱履歴に含まれる古い熱履歴が上記条件(第1状態と第2状態とを区別するための条件)に与える影響が、負荷132の熱履歴に含まれる新しい熱履歴が当該条件に与える影響よりも小さくなるように実行することができる。これにより、複数の熱履歴が蓄積された場合でも、第1状態と第2状態とを精度よく区別することができる。ステップ1212において様々な計算を実行し得ることが当業者には明らかであろう。
処理はステップ1214に進み、制御部106は、ステップ1212にて得られた積算値Σと所定の関数とに基づいて、上記条件(例えば、Δtthre)を得る。図12Bにおいて、所定の関数F(Σ)の一例をステップ1214の横に示す。このように、ステップ1214においては、積算値Σが大きいほど(吸引インターバルが小さいほど)Δtthreが小さくなるように予め設定されてもよい。したがって、エアロゾルの生成に対する要求(ユーザによる吸引、所定のボタンの押下など)が終了してから次の要求が開始するまでの時間間隔が短いほど、第1状態が発生したと判断される可能性が小さくなるように上記条件が修正される。
他方、Δinterval(n)が0以下である(intervalmeasがintervalpreset以上である)場合(ステップ1208の「No」)、処理はステップ1216に進む。ステップ1216において、制御部106は、カウンタnをリセットする。さらに処理はステップ1218に進み、Δtthreは予め定められた値に設定される。すなわち、吸引のインターバルが十分に大きい場合、第1状態と第2状態とを区別するために用いられる条件は修正されない。
上述のように、本実施形態によれば、制御部106は、回路134が機能した際の負荷132の熱履歴に基づき、第1状態と第2状態とを区別するための条件を修正するように動作する。したがって、負荷132の熱履歴が残っている場合でも、第1状態と第2状態とを精度よく区別することができる。
本実施形態によると、制御部106は、エアロゾルの生成に対する要求に基づいて当該要求の時系列的な変化を取得し、当該要求の時系列的な変化に由来する負荷132の熱履歴に基づき、第1状態と第2状態とを区別するための条件を修正するように動作する。したがって、正常でない吸引が行われた場合でも、第1状態と第2状態とを精度よく区別することができる。
ユーザによる吸引の時間が長い場合、吸引の時間が長く且つインターバルが通常の長さである場合などにおいても、図12A及び図12Bの例と同様の問題が生じ得るが、本実施形態により当該問題を解決することができる。すなわち、エアロゾルの生成に対する要求の時系列的な変化が、通常よりも長い時間に亘って行われる吸引に起因する場合でも、当該変化に由来する負荷132の熱履歴に基づいて、第1状態と第2状態とを区別するための条件を修正することができる。
図13Aは、負荷132の劣化などの原因により負荷132の冷却に要する時間が正常な場合と比較して長くなったときの、負荷132の抵抗値の時系列的な変化を概念的に示すグラフである。
負荷132の冷却に要する時間が長くなると、吸引のインターバルが正常であったとしても、負荷132の温度が室温に戻る前に次の吸引が開始することがあり得る。図13Aのグラフはこのような状況を示している。図13Aにおいて、最初の吸引の開始から終了までの状況は図11の正常な吸引の場合と同様である。最初の吸引が終了すると、負荷132の温度は低下し、それに伴い負荷132の抵抗値も低下する。しかし、負荷132の温度が低下する速度が遅いので、第2の吸引の開始時において、負荷132の温度は室温より高い。したがって、負荷132の抵抗値もまた室温における抵抗値R(TR.T.=25℃)よりも大きい。すなわち、図11の例とは異なり、図13Aの例では、第2の吸引の開始時において、負荷132には熱履歴が残っている。このため、第2の吸引のために負荷132が加熱されると、負荷132の抵抗値がR(TB.P.=200℃)へより早く到達するため、より多くのエアロゾル源が加熱されることでより多くのエアロゾルが生成され得る。従って、保持部130におけるエアロゾル源が不足しやすくなる。このような挙動が繰り返されることにより、負荷132の温度は、図6、図7及び図10に関連して説明された実施形態において示した閾値(例えば、350℃)に到達し得る。
本願発明者らは、このような場合においても、図6、図7及び図10に関連して説明されたような実施形態において第1状態と第2状態とを区別するために用いられる閾値(例えば、ステップ614におけるΔtthre)などの条件を、負荷132の熱履歴に基づいて修正することにより、エアロゾル源が不足したときにエアロゾル生成装置100の制御を一層適切に実行できる技術を発明した。以下、当該技術について説明する。
図13Bは、本開示の実施形態による、負荷132の冷却に要する時間が正常な場合と比較して長い場合において第1状態と第2状態とを区別するための条件を修正する処理を示すフローチャートである。
処理はステップ1302において開始し、制御部106は、ユーザによる吸引が開始され、エアロゾル生成装置100Aの回路134が機能したときの負荷132の初期温度Tiniを取得する。
処理はステップ1304に進み、制御部106は、初期温度Tiniと所定の関数とに基づいて、上記条件(例えば、Δtthre)を得る。図13Bにおいて、所定の関数F(Tini)の一例をステップ1304の横に示す。このように、ステップ1304においては、エアロゾル生成装置100の回路134が機能した際の負荷132の温度が高いほどΔtthreが小さくなるように処理が行われてもよい。したがって、本実施形態によれば、制御部106は、回路134が機能した際の負荷132の温度が高いほど、第1状態が発生したと判断される可能性が小さくなるように、上記条件を修正するように動作する。
上述の説明において、本開示の第1の実施形態は、エアロゾル生成装置及びエアロゾル生成装置を動作させる方法として説明された。しかし、本開示が、プロセッサにより実行されると当該プロセッサに当該方法を実行させるプログラム、又は当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として実施され得ることが理解されよう。
<第2の実施形態>
本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置100に対して、通常の吸引の場合と比較して短いインターバル(例えば、貯留部116から保持部130へ十分な量のエアロゾルを供給するのに必要な時間よりも短いインターバル)で吸引が行われる場合、貯留部116が十分な量のエアロゾル源を貯留している場合であっても、保持部130におけるエアロゾル源の一時的な不足が生じ得る。1回の吸引における吸引容量が通常の吸引の場合と比較して大きい場合においても同様の問題が生じ得る。1回の吸引における吸引時間が通常の吸引の場合と比較して長い場合においても同様の問題が生じ得る。これらは上述の問題が生じ得る吸引の例にすぎない。様々な特徴を有する想定外の吸引パターンに起因して同様の問題が生じ得ることが当業者に理解されよう。本開示の第2の実施形態は上述のような問題を解決するものである。
本実施形態によるエアロゾル生成装置100の基本的な構成は、図1A及び図1Bに示されるエアロゾル生成装置100の構成と同様である。
本実施形態によるエアロゾル生成装置100は、貯留部116から保持部130へ供給されるエアロゾル源の量又は速度の少なくとも一方を調整することを可能にする供給部を備えてもよい。供給部は制御部106により制御されてもよい。供給部は、貯留部116と保持部130との間に配置されたポンプ、貯留部116の霧化部118に対する開口を制御するように構成される機構など、様々な構成により実現することができる。
本実施形態によるエアロゾル生成装置100は、エアロゾル源の温度を調整することを可能にする温調部を備えてもよい。温調部は制御部106により制御されてもよい。温調部は様々な構成及び配置により実現することができる。
本実施形態によるエアロゾル生成装置100は、エアロゾル生成装置100内の通気抵抗を変更することを可能にする変更部を備えてもよい。変更部は制御部106により制御されてもよい。変更部は様々な構成及び配置により実現することができる。
本実施形態によるエアロゾル生成装置100は、エアロゾルの生成に対する要求を出力する要求部を備えてもよい。要求部は制御部106により制御されてもよい。要求部は様々な構成及び配置により実現することができる。
図14は、本実施形態による、エアロゾル生成装置100において保持部130のエアロゾル源の一時的な不足を抑制する処理を示すフローチャートである。
処理はステップ1402において開始する。処理が開始すると、制御部106は、カウンタnerrを0に設定する。カウンタnerrの値は、想定外の吸引が検出された回数を示してもよい。
処理はステップ1404に進み、制御部106は、吸引のインターバル、吸引容量、吸引時間の長さなどを測定する。これらはステップ1404において測定され得るパラメータの例にすぎない。想定外の吸引を検知するのに役立つ様々なパラメータをステップ1404において測定することにより本実施形態を実現し得ることは当業者に理解されるべきである。
処理はステップ1406に進み、制御部106は、ステップ1404において測定されたパラメータを通常の吸引における対応するパラメータと比較して、現在行われている吸引が想定外の特徴を有する吸引であるか否かを判定する。例えば、制御部106は、測定された吸引インターバルが所定の閾値より短い場合に、現在の吸引が想定外の吸引であると判断してもよい。別の例において、制御部106は、測定された吸引容量が所定の閾値を超える場合に、現在の吸引が想定外の吸引であると判断してもよい。別の例において、制御部106は、測定された吸引時間の長さが所定の閾値よりも長い場合に、現在の吸引が想定外の吸引であると判断してもよい。あるいは、制御部106は、第1の実施形態に関して図6、図7、図10、図12B及び図13Bに関連して説明された技術を用いて、現在の吸引が、貯留部116がエアロゾル源を供給可能であるが保持部130が保持するエアロゾル源が不足する状態(例えば、第1の実施形態における第2状態)を生じさせ得るか否かを判断してもよい。例えば、第1の実施形態に関して説明したように、制御部106は、回路134を機能させてからの負荷132の温度変化に基づいてステップ1406の判定を行ってもよい。あるいは、第1の実施形態に関して説明したように、制御部106は、要求部からの要求の時系列的な変化に基づいてステップ1406の判定を行ってもよい。
現在の吸引が想定外の吸引でない場合(ステップ1406の「No」)、処理はステップ1404の前に戻る。あるいは、処理は終了してもよい。
現在の吸引が想定外の吸引である場合(ステップ1406の「Yes」)、貯留部116がエアロゾル源を供給可能であるが保持部130が保持するエアロゾル源が不足し得る状態(より具体的には、このような保持部130のエアロゾル源の不足により負荷132の温度がエアロゾル源の沸点を超える乾燥状態又は該乾燥状態の前兆)が検知されたことになる。処理はステップ1408に進み、制御部106は、カウンタnerrの値をインクリメントする。
処理はステップ1410に進み、制御部106は、カウンタnerrの値が所定の閾値を超えるか否かを判定する。
カウンタnerrの値が所定の閾値を超える場合(ステップ1410の「Yes」)、処理はステップ1414に進む。ステップ1414において、制御部106は、保持部130におけるエアロゾル源の一時的な不足を抑制するための制御を実行する。
ステップ1414において、制御部106は、電源110が負荷132への給電を開始する際と電源110が負荷132への給電を完了する際の少なくとも一方において、保持部130が保持するエアロゾル源の保持量を増大させる制御又は当該保持量が増大する可能性を向上させる制御を実行してもよい。これにより、保持部130の一時的な乾燥の発生又は再発を抑制することができる。
一例として、ステップ1414において、制御部106は、エアロゾルの生成を完了してから次にエアロゾルの生成を開始するまでのインターバルを前回のインターバルよりも長くする制御を実行してもよい。これにより、延長されたインターバルの間はエアロゾルの生成が禁止され、貯留部116から保持部130へエアロゾル源を供給する時間を確保することができる。したがって、保持部130の一時的な乾燥の発生又は再発を抑制することができる。この例において、制御部106は、エアロゾル源の粘性、エアロゾル源の残量、負荷132の電気抵抗値、電源110の温度の少なくとも1つに基づき、インターバルの長さを修正してもよい。これにより、インターバルが過剰に長くなることを防ぐことができ、ユーザエクスペリエンスが悪化することを抑制することができる。
一例として、ステップ1414において、制御部106は、貯留部116から保持部130へ供給されるエアロゾル源の量又は速度の少なくとも一方を増加させるように上述の供給部を制御してもよい。これにより、ユーザに不便を感じさせることなく、保持部130の一時的な乾燥の発生又は再発を抑制することができる。
一例として、ステップ1414において、制御部106は、エアロゾルの生成量を減らすように前記回路を制御してもよい。
一例として、ステップ1414において、制御部106は、エアロゾル源を加温するように上述の温調部を制御してもよい。一般的な液体のエアロゾル源は、自身の温度が上昇すると、その粘性が下がる性質を持つ。すなわちエアロゾル源をエアロゾルの生成が生じない温度で加温すれば、毛細管効果によって貯留部116から保持部130へ供給されるエアロゾル源の量又は速度の少なくても一方を増加させられる。制御部106はまた、負荷132によってエアロゾルが生成されていない間に、温調部を制御してエアロゾル源を加温してもよい。これにより、主に吸引が行われていないときに貯留部116から保持部130へのエアロゾル源の供給がなされるので、加温の効果が得られやすい。制御部106はまた、負荷132を温調部として用いてもよい。これにより、加温のための別のヒータを設ける必要がなく、構成の簡素化やコスト低減が可能となる。
一例として、ステップ1414において、制御部106は、エアロゾル生成装置100内の通気抵抗を増大させるように上述の変更部を制御してもよい。
一例として、制御部106は、上述の要求部からの要求が大きいほど(例えば、吸引に関して検知される気圧変化が大きいほど)エアロゾルの生成量が多くなるような相関関係に基づき、回路134を制御してもよい。ステップ1414において、制御部106は、要求の大きさに対応するエアロゾルの生成量が少なくなるように当該相関関係を修正してもよい。
一例として、制御部106は、エアロゾルの生成を完了してから次にエアロゾルの生成を開始するまでのインターバルを前回のインターバルよりも長くする制御を行う第1モードと、電源110が負荷132への給電を開始する際と電源110が負荷132への給電を完了する際の少なくとも一方において、インターバルの制御を行うことなく保持部130におけるエアロゾル源の保持量を増大させる制御又は当該保持量が増大する可能性を向上させる制御を行う第2モードとを実行することができるように構成されてもよい。ステップ1414において、制御部106は、第1モードよりも優先して第2モードを実行してもよい。これにより、ユーザに不便さを感じさせずに、保持部130の一時的な乾燥の発生又は再発を抑制することができる。
制御部106はまた、第2モードの実行後さらに保持部130の乾燥状態又は乾燥状態の前兆を検知した場合、第1モードを実行してもよい。これにより、ユーザの利便性を損ないかねないインターバルの制御以外の手段によっては保持部130の一時的な乾燥を抑制できない状況に陥ったときに初めて、インターバル制御を行うので、ユーザの利便性の確保と保持部130の一時的な乾燥の発生又は再発の抑制とを両立することができる。
図14に示す処理1400が複数回行われる場合、その都度、制御部106は、ステップ1414において実行される処理を上述のような様々な処理のうちから選択してもよい。例えば、ステップ1414において実行され得る処理のうちユーザに強いる負担が小さい処理が優先的に実行されてもよい。当該処理を実行しても保持部130の一時的な乾燥の発生又は再発を抑制できない場合、ユーザに強いる負担がより大きい処理が実行されてもよい。
カウンタnerrの値が所定の閾値を超えない場合(ステップ1410の「No」)、処理はステップ1412に進む。ステップ1412において、制御部106は、ユーザに対して警告を行う。当該警告は、現在の吸引の影響により十分なエアロゾルの生成が行えなくなり得ることをユーザに容易に理解させることができるものであることが望ましい。例えば、制御部106は、上述の乾燥状態又は乾燥状態の前兆が検知されたことに基づいて、通知部108を機能させてもよい。通知部108がLEDなどの発光素子、ディスプレイ、スピーカ、バイブレータなどである場合、制御部106は、通知部108は、発光、表示、発声、振動などの動作を通知部108に行わせてもよい。これにより、ユーザが吸引を控えるようになり、その結果として貯留部116から保持部130へエアロゾル源を供給する時間を確保することができる。したがって、保持部130の一時的な乾燥、乾燥の再発等を抑制することができる。
一例として、ステップ1412において、制御部106は、通知部108を1回又は複数回機能させた後さらに乾燥状態又は乾燥状態の前兆を検知した場合、次の前記インターバルを前回のインターバルよりも長くする制御を実行してもよい。これにより、最初からユーザに対して不便を強いることなく、保持部130の一時的な乾燥の発生又は再発を抑制することができる。この例において、制御部106は、エアロゾル源の粘性、エアロゾル源の残量、負荷132の電気抵抗値、電源110の温度の少なくとも1つに基づき、インターバルの長さを修正してもよい。
一実施形態において、制御部106は、エアロゾルの生成の完了後、該エアロゾルの生成に用いられた量のエアロゾル源以上の量のエアロゾル源が貯留部116から保持部130へ供給されるまでの期間に相当するインターバルにおいては、エアロゾルの生成を抑制する制御又はエアロゾルの生成が抑制される可能性を向上させる制御を実行してもよい。これにより、保持部130の一時的な乾燥の発生を効果的に抑制することができる。この例において、制御部106は、エアロゾルを生成している間は通知部108を第1モードで制御し、上記インターバルの間は通知部108を当該第1モードとは異なる第2モードで制御してもよい。これにより、ユーザが吸引を控えるようになり、その結果として貯留部116から保持部130へエアロゾル源を供給する時間を確保することができる。したがって、保持部130の一時的な乾燥、乾燥の再発等を抑制することができる。制御部106はまた、上記インターバルの間に要求部からの要求を取得した場合、通知部108を第2モードとは異なる第3モードで制御してもよい。制御部106はまた、上記インターバルの間はエアロゾルの生成を禁止するように回路134を制御してもよい。これにより、上記インターバル中は保持部130が保持するエアロゾル源の量が減少しにくくなる。結果として、保持部130の一時的な乾燥の発生又は再発を抑制することができる。制御部106はまた、要求部からの要求の大きさ及び変化の少なくとも一方に基づき、上記インターバルの長さを修正してもよい。これにより、吸引のパターンに応じてインターバルの長さが補正されるので、適切な吸引インターバルにより、保持部130の一時的な乾燥の発生又は再発を抑制することができる。
図15は、図14の処理1400において行われる吸引インターバルの較正の具体例を示す。制御部106は、様々な手法で得られる補正係数を用いて現在の吸引インターバルAを較正することができる。
制御部106は、吸引容量導出部1510、吸引間隔導出部1512、液粘性導出部1514、保持部接触量導出部1518を含んでもよいし、これらのコンポーネントとして機能するように構成されてもよい。エアロゾル生成装置100は、流量又は流速センサ1502、温度センサ1506、電流センサ1508及び電圧センサ1510のうち少なくとも1つを備えてもよい。エアロゾル生成装置100はまた、エアロゾル源の液物性1504を検知する手段を備えてもよい。
図15に示すように、吸引容量導出部1510は、流量又は流速センサ1502により検知された流量又は流速値に基づいて吸引容量を導出する。制御部106は、吸引容量と補正係数α1との間の予め規定された関係1522に基づいて、導出された吸引容量から補正係数α1を得る。
吸引間隔導出部1512は、流量又は流速センサ1502により検知された流量又は流速値に基づいて吸引間隔を導出する。制御部106は、吸引間隔と補正係数α2との間の予め規定された関係1524に基づいて、導出された吸引容量から補正係数α2を得る。
液粘性導出部1514は、エアロゾル源の液物性及び温度センサ1506により検知された温度に基づいて液粘性を導出する。制御部106は、液粘性と補正係数α3との間の予め規定された関係1526に基づいて、導出された液粘性から補正係数α3を得る。
制御部106は、温度センサ1506により検知された外気温1516と補正係数α4との間の予め規定された関係1528に基づいて、検知された外気温から補正係数α4を得る。
保持部接触量導出部1518は、電流センサ1508により検知された電流値及び電圧センサ1510により検知された電圧値に基づいて、保持部接触量を導出する。なお保持部接触量とは、保持部130がどれだけ貯留部116に貯留されたエアロゾル源と接触するかを表す量である。この保持部接触量に応じて、毛細管効果によって貯留部116から保持部130へ供給されるエアロゾル源の量が変動する。この保持部130へ供給されるエアロゾル源の量が変動した結果、負荷132の温度も併せて変動するため、電流センサ1508と電圧センサ1510を用いて導出される負荷132の抵抗値から、保持部接触量を導出できる。制御部106は、保持部接触量と補正係数α5との間の予め規定された関係1530に基づいて、導出された保持部接触量から補正係数α5を得る。
制御部106は、検知された電流値及び電圧値から導出されたヒータ抵抗値1520と補正係数α6との間の予め規定された関係1532に基づいて、補正係数α6を得る。
制御部106は、上述のようにして得られた補正係数α1〜α6を様々な手法で現在の吸引インターバルAに対して適用することができる。例えば、制御部106は、補正係数α1からα6を加算した値をAに乗算することにより得られる値を全体の補正係数として用いることにより、構成された吸引インターバルA´を得てもよい。
これらは補正係数を導出する手法の例にすぎず、様々な手法を適用することができる。図15において概念的に示した処理を具体的に実現するためにエアロゾル生成装置100を様々に構成し得ることが当業者に理解されるべきである。
上述の説明において、本開示の第2の実施形態は、エアロゾル生成装置及びエアロゾル生成装置を動作させる方法として説明された。しかし、本開示が、プロセッサにより実行されると当該プロセッサに当該方法を実行させるプログラム、又は当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として実施され得ることが理解されよう。
<第3の実施形態>
本開示の第1の実施形態に関して説明したように、貯留部が貯留するエアロゾル源が不足した第1状態にあるか、貯留部がエアロゾル源を供給可能であるが保持部が保持するエアロゾル源が不足した第2状態にあるか、を区別することができるエアロゾル生成装置が実現可能である。以下で説明する本開示の第3の実施形態は、このような特徴を有するエアロゾル生成装置を適切に制御することを可能にするものである。
本開示の第1の実施形態に関して説明されたエアロゾル生成装置の構成(例えば、図1A、図1B、図2、図3、図8などに関連して説明された構成)及び動作方法(例えば、図6、図7、図10、図12B、図13Bなどに関連して説明された処理)、並びに本開示の第2の実施形態に関して説明されたエアロゾル生成装置の動作方法(例えば、図14、図15などに関連して説明された処理)は、本実施形態の例として用いることが可能である。
一例において、本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置100は、電源110と、電源110から給電を受けて発熱しエアロゾル源を霧化する負荷132と、負荷132の温度に関連する値を取得するために用いられる要素112と、電源110と負荷132を電気的に接続する回路134と、エアロゾル源を貯留する貯留部116と、貯留部116から供給されるエアロゾル源を負荷132が加熱可能な状態に保持する保持部130と、制御部106とを備える。制御部106は、回路134が機能した後又は機能している間の負荷132の温度に関連する値の変化に基づき、エアロゾル生成装置100が、貯留部116が貯留するエアロゾル源が不足した第1状態にあるか、貯留部116がエアロゾル源を供給可能であるが保持部130が保持するエアロゾル源が不足した第2状態にあるか、を区別し、第1状態が検知された場合は第1制御を実行し、第2状態が検知された場合は第1制御と異なる第2制御を実行するように構成されてもよい。これにより、貯留部116のエアロゾル源の不足を検知した場合の制御と、保持部130のエアロゾル源の不足を検知した場合の制御とが異なるので、エアロゾル生成装置100において生じる事象に応じて適切な制御を実行することができる。
一例において、第1状態においては、貯留部116が貯留するエアロゾル源が不足するために、負荷132の温度がエアロゾル源の沸点又はエアロゾル源の蒸発によりエアロゾル源の生成が生じる温度を超える。第2状態においては、貯留部116がエアロゾル源を供給可能であるが保持部130が保持するエアロゾル源が不足するために、負荷132の温度がエアロゾル源の沸点又はエアロゾル源の蒸発によりエアロゾル源の生成が生じる温度を超える。
一例において、上述の第2制御は、上述の第1制御に比べて、貯留部116が貯留するエアロゾル源を多く減少させる。これにより、事象に応じて貯留部116のエアロゾル残量及び保持部130のエアロゾル残量を適切な値に維持することができる。
一例において、第2制御において制御部106が実行する制御は、第1制御において制御部106が実行する制御よりも、多くの数の変数及び/又は多くの量のアルゴリズムを変更する。第1制御は第1状態(貯留部116が貯留するエアロゾル源が不足した状態)が検知された場合に実行される。したがって、第1制御は、ユーザに対して貯留部116の交換又はエアロゾルの補充を指示することのみを含んでもよい。他方、第2制御は第2状態(貯留部116がエアロゾル源を供給可能であるが保持部130が保持するエアロゾル源が不足した状態)が検知された場合に実行される。したがって、第2制御は、例えば、本開示の第2の実施形態に関連して説明された図14のステップ1414の処理に含まれ得る様々な制御を含み得る。例えば、第2制御は、電源110が負荷132への給電を開始する際と電源110が負荷132への給電を完了する際の少なくとも一方において、保持部130が保持するエアロゾル源の保持量を増大させる制御又は当該保持量が増大する可能性を向上させる制御を含んでもよい。第2制御はまた、エアロゾルの生成を完了してから次にエアロゾルの生成を開始するまでのインターバルを前回のインターバルよりも長くする制御を含んでもよい。インターバルの長さは、エアロゾル源の粘性、エアロゾル源の残量、負荷132の電気抵抗値、電源110の温度の少なくとも1つに基づいて修正されてもよい。第2制御はまた、貯留部116から保持部130へ供給されるエアロゾル源の量又は速度の少なくとも一方を増加させる制御を含んでもよい。第2制御はまた、エアロゾルの生成量を減らすように回路134を制御することを含んでもよい。第2制御はまた、エアロゾル源を加温するように温調部を制御することを含んでもよい。第2制御はまた、負荷132によってエアロゾルが生成されていない間に、温調部を制御してエアロゾル源を加温することを含んでもよい。第2制御はまた、エアロゾル生成装置100内の通気抵抗を増大させるように上述の変更部を制御することを含んでもよい。第2制御はまた、要求部からの要求が大きいほどエアロゾルの生成量が多くなるような相関関係に基づき、回路134を制御することを含んでもよい。第2制御はまた、要求の大きさに対応するエアロゾルの生成量が少なくなるように当該相関関係を修正することを含んでもよい。本実施形態において、第1制御と比較して、第2制御を実行するためには、多くの数の変数及び/又は多くの量のアルゴリズムを変更する必要があることが理解されよう。
一例において、第2制御においてエアロゾルの生成を許可するために使用者に要求される作業の数は、第1制御においてエアロゾルの生成を許可するために使用者に要求される作業の数より少ない。例えば、第1制御の場合、ユーザは貯留部116を交換する作業、貯留部116にエアロゾル源を補充する作業などを行わなければならない。他方、第2制御は上述のような様々な制御を含み得るが、これらの制御はユーザに作業を行うことを要求することなく制御部106などのエアロゾル生成装置100のコンポーネントによって自動的に実行することが可能である。少なくともこれらのことから、本実施形態において、第2制御においてエアロゾルの生成を許可するために使用者に要求される作業の数が、第1制御においてエアロゾルの生成を許可するために使用者に要求される作業の数より少なくなり得ることが理解されよう。
一例において、制御部106は、第1制御と第2制御において、少なくとも既定期間だけエアロゾルの生成を禁止してもよい。これにより、第1状態及び第2状態のいずれの場合においてもエアロゾル生成装置100を不能化することができるので、負荷132の温度がさらに上昇することを抑制することができる。不能化とは、ユーザがエアロゾル生成装置100を操作しても負荷132への給電を行わないことを意味する。
第2制御においてエアロゾルの生成が禁止される期間は、第1制御においてエアロゾルの生成が禁止される期間より短くてもよい。第1状態から通常の制御が可能な状態に戻すためには貯留部116を交換するなどの作業が必要であるが、第2状態から通常の制御が可能な状態に戻すためにはそのような作業は不要である。したがって、不能化制御が不必要に長い時間実行されることを抑制することができる。
一例において、第1制御と第2制御は、エアロゾルの生成が禁止された状態からエアロゾルの生成が許可される状態へ移行するための復帰条件をそれぞれ有する。復帰とは、ユーザがエアロゾル生成装置100を操作して負荷132に給電することが可能な状態に戻ることを意味する。第1制御における復帰条件は、第2制御における復帰条件より厳しくなるよう設定されてもよい。例えば、第1制御における復帰条件は、第2制御における復帰条件よりも、多くの数の満たすべき条件を含む。別の例において、第1制御における復帰条件は、第2制御における復帰条件よりも、ユーザに強いる作業の工数が多い。別の例において、第1制御における復帰条件は、第2制御における復帰条件よりも、実行に時間がかかる。別の例において、第1制御における復帰条件が制御部106による制御のみでは完結せず、ユーザによる手作業等を必要とする一方、第2制御における復帰条件は制御部106による制御のみで完結する。別の例において、第2制御における復帰条件が充足されても、第1制御における復帰条件は充足されない。第1制御における復帰条件に含まれる、エアロゾル生成装置100の構成要素の交換作業の数は、第2制御における復帰条件に含まれる、エアロゾル生成装置100の構成要素の交換作業の数より多くてもよい。
一例において、エアロゾル生成装置100は、1つ以上の通知部108を備えてもよい。第1制御において機能する通知部108の数は、第2制御において機能する通知部108の数より多くてもよい。これにより、通常の状態に復帰するためにユーザの作業を必要とする場合において、ユーザがエアロゾル源の不足を認識しやすくなる。結果として、早期の復帰が可能となる。別の例において、第1制御において通知部108が機能する時間は、第2制御において通知部108が機能する時間より長くてもよい。別の例において、第1制御において電源110から通知部2へ供給される電力量は、第2制御において電源110から通知部へ供給される電力量より多くてもよい。
上述の説明において、本開示の第3の実施形態は、エアロゾル生成装置及びエアロゾル生成装置を動作させる方法として説明された。しかし、本開示が、プロセッサにより実行されると当該プロセッサに当該方法を実行させるプログラム、又は当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として実施され得ることが理解されよう。
以上、本開示の実施形態が説明されたが、これらが例示にすぎず、本開示の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、実施形態の変更、追加、改良などを適宜行うことができることが理解されるべきである。本開示の範囲は、上述した実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定されるべきである。