以下、本発明の一実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態の一例である有機EL表示装置1を示す平面図である。図2は図1のII−II線で示される切断面で得られる断面図である。図3は表示パネル3の回路層31に形成されている回路の一例を説明するための図である。図4はタッチパネル2の回路層21に形成されている導体パターンの例を示す図である。図5は図1のV−V線で示される切断面で得られる断面図である。図6は表示パネル3の接続領域A3を折り返した状態を示す断面図である。以下の説明において「上方向」は表示パネル3からタッチパネル2に向かう方向である。また、以下の説明において「下方向」はタッチパネル2から表示パネル3に向かう方向である。
本明細書での開示は本発明に係る実施形態の一例に過ぎず、発明の主旨を保った範囲での適宜の変更は、本発明の範囲に含まれる。また、図面において示されている各部の幅、厚さ、形状等は一例であり、図面に表れている各部の幅や厚さ、形状等は本発明の範囲を限定するものではない。
有機EL表示装置1は表示パネル3と、表示パネル3と向き合うように配置されているタッチパネル2とを有している。図1に示すように、表示パネル3とタッチパネル2とには、複数の画素によって構成される表示領域A1と、表示領域A1の外側に位置するシール領域A2とが設けられている。シール領域A2には、表示パネル3とタッチパネル2との間に位置し、それらを接着するシール材52(図5参照)が配置されている。表示パネル3には、シール領域A2の外縁の一部(例えばシール領域A2の一辺)の外側に位置している接続領域A3がさらに設けられている。タッチパネル2は表示パネル3の表示領域A1とシール領域A2とに対応するサイズを有している。すなわち、タッチパネル2は表示パネル3の接続領域A3を覆う部分を有していない。接続領域A3には外部電線が取り付けられる。表示パネル3は四角形である。接続領域A3は四角形の4辺のうち1つの辺に設けられている。本明細書の例では、外部電線として、FPC(Flexible Printed Circuits、フレキシブルプリント回路)65が接続領域A3に取り付けられている(図6参照)。尚、図1において表示領域A1とシール領域A2との間に、非発光領域が設けられていてもよい。非発光領域は画素が配置されておらず、シール材52も設けられていない領域である。非発光領域には例えば駆動回路が配置されている。
図2に示すように、表示パネル3は第1基板30を有している。第1基板30はポリイミドなどの樹脂によって形成され、可撓性を有している。後において説明するように、表示パネル3の接続領域A3は、タッチパネル2とは反対側に折り返される(図6参照)。
表示パネル3は、第1基板30のタッチパネル2側の面に形成されている積層構造を有している(表示パネル3の積層構造は、図2に示す充填材51と第1基板30との間に形成されている層構造である。以下において、この積層構造を「第1積層構造」と称する)。
図2に示すように、第1積層構造は、有機材料によって形成されている発光層を含む有機層33を有している。有機層33は、ホール注入層や、ホール輸送層、電子注入層、電子輸送層を含んでもよい。また、有機層33は少なくとも表示領域A1に形成されている。有機EL表示装置1の一例では、有機層33の全体が同じ色(例えば、白)で発光するように、有機層33は複数の画素の全域において同じ積層構造を有する。他の例として、有機層33は各画素の色で発光するように、画素に対応した積層構造を有してもよい。例えば、有機層33は赤画素Prでは赤色光を発するように形成され、緑画素Pgでは緑色光を発するように形成され、青画素Pbでは青色光を発するように形成されてもよい。
図2に示すように、第1積層構造は、複数の画素にそれぞれ形成されている複数の下部電極32を有している。また、第1積層構造はバンク層35を有している。バンク層35には、隣り合う2つの画素の境に位置し且つ下部電極32の外周部上に配置されるバンク35aが形成されている。有機層33は下部電極32とバンク層35の上に形成され、バンク35aの内側で下部電極32と接触している。有機層33上に上部電極34が形成されている。一例では、上部電極34は表示領域A1の全域に亘って繋がっている。下部電極32と上部電極34は有機層33に電荷を供給する。一例では、下部電極32は陽極であり、有機層33にホールを供給する。一方、上部電極34は陰極であり、有機層33に電子を供給する。
図2に示すように、第1積層構造は第1基板30の上側に形成されている回路層31を有している。下部電極32は回路層31の上側に形成されている。回路層31には下部電極32に供給される電流を制御する回路が形成されている。
図3に示すように、回路層31は、各画素に形成されている画素回路31Aを有している。画素回路31Aは複数のTFT(Thin Film Transistor)31a,31bや、キャパシタ31cを有している。また、回路層31には、X方向に伸びている走査信号線31Bと、Y方向に伸びている映像信号線31Cと、Y方向に伸びている駆動電源線31Dとが形成されている。走査信号線31BはY方向に並んでいる複数の画素行のそれぞれに設けられている。映像信号線31CはX方向に並んでいる複数の画素列のそれぞれに設けられている。走査信号線31Bは走査線駆動回路(不図示)によって順番に選択される。選択された走査信号線31Bには点灯TFT31aをオンする電圧が印加される。映像信号線31Cには、選択された走査信号線31Aに接続された画素の映像信号に応じた電圧が加えられる。この電圧は点灯TFT31aを介してキャパシタ31cに加えられる。駆動TFT31bはキャパシタ31cに加えられた電圧に応じた電流をOLED3aに供給する。これにより、選択された走査信号線31Bに対応する画素のOLED3aが発光する。OLED3aは上述の下部電極32、有機層33、及び上部電極34によって構成される。駆動電源線31D及び駆動TFT31bを介してOLED3aに電流が供給される。OLED3aの陽極(すなわち下部電極32)は駆動TFT31bに接続される。一方、各OLED3aの陰極は接地電位に接続され、全画素のOLED3aの陰極は共通の電極(すなわち上部電極34)で構成される。なお、画素回路31Aは図3に示す例に限られず、種々の変更がなされてよい。
図1に示すように、表示パネル3の接続領域A3には、複数の第1端子部31eと、複数の第2端子部31fとが形成されている。第1端子部31eは回路層31に形成されている上述の回路に設けられている。一例では、ドライバIC62が接続領域A3に実装される。回路層31には、ドライバIC62と第1端子部31eとを接続する複数のライン(不図示)が形成されている。また、回路層31には、ドライバIC62を、上述した走査信号線31B、映像信号線31C、及び駆動電源線31Dに接続する複数のライン(不図示)が形成されている。一方、第2端子部31fは、タッチパネル2に電気的に接続されている後述する表示パネル側検出ライン61の端部に設けられている。図5に示すように、端子部31e、31fの外周縁はバンク層35によって覆われてもよい。これにより、端子部31e、31fの剥がれを抑えることができる。これに替えて、端子部31e、31fの外周縁は後述する無機バリア層41、43によって覆われてもよい。
第1端子部31eには、表示パネル3を駆動するための信号を表示パネル3に加えるための外部電線が接続される。第2端子部31fにはタッチパネル2からの信号を外部の制御装置に送信するための外部電線が接続される。有機EL表示装置1の例では、第1端子部31eに接続される外部電線と、第2端子部31fに接続される外部電線として、共通のFPC65(図6参照)が利用される。
複数の第2端子部31fは、図1に示すように、例えば複数の第1端子部31eに対して片側にまとめて配置される。第2端子部31fのレイアウトは図1に示す例に限られない。例えば、第2端子部31fは複数の第1端子部31eの両側に分散して配置されてもよい。
図2に示すように、第1積層構造は有機層33に水分が浸透するのを防止するための多層バリア40を有している。多層バリア40は上部電極34上に形成され、有機層33の全体を覆っている。すなわち、多層バリア40の外周縁は有機層33の外周縁よりも外側に位置している。多層バリア40は第1無機バリア層41と、第1無機バリア層41上に形成されている有機バリア42と、有機バリア42上に形成されている第2無機バリア層43とを有している。すなわち、有機バリア42は第1無機バリア層41と第2無機バリア層43とによって挟まれている。第1無機バリア層41と第2無機バリア層43は無機材料によって形成される。無機材料の一例は窒化ケイ素や酸化ケイ素などである。第1無機バリア層41の材料と第2無機バリア層43の材料は同じでもよいし、異なっていてもよい。第1無機バリア層41と第2無機バリア層43のそれぞれが複数の層によって構成されてもよい。有機バリア42は有機材料によって形成されている。有機バリア42はの材料は、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂などである。このような無機バリア層41、43、及び有機バリア42を利用することによって、上部電極34や第1無機バリア層41に異物が入った場合に、有機バリア42によってその異物を包み込むことができるので、異物に起因するバリア性能の劣化を抑えることができる。第2無機バリア層43は有機バリア42の全体を覆っている。表示パネル3の平面視において、第1無機バリア層41の外周部41aと第2無機バリア層43の外周部43aは有機バリア42の外縁42aよりも外側に位置している(図5参照)。第1無機バリア層41の外周部41aと第2無機バリア層43の外周部43aは互いに接しており、それらの内側に有機バリア42が形成されている。こうすることによって、有機バリア42に水分が浸透することを抑えることができる。有機バリア42は、例えば、無機バリア層41、43よりも大きな厚さを有する。
図2に示すように、タッチパネル2は第2基板20を有している。第2基板20はガラス基板でもよいし、アクリルなどの樹脂によって形成されてもよい。タッチパネル2は第2基板20の表示パネル3側の面に形成されている積層構造を有している(タッチパネル2の積層構造は、図2に示す充填材51と第2基板20との間に形成されている層構造である。以下においてこの積層構造を「第2積層構造」と称する)。第2積層構造は回路層21を有している。
図4に示すように、回路層21の導体パターンは、それぞれがX方向に伸びている複数の第1検出電極21Aと、それぞれがY方向に伸びている複数の第2検出電極21Bとを有している。複数の第1検出電極21AはY方向に並んでおり、複数の第2検出電極21BはX方向に並んでいる。回路層21の一例では、各第1検出電極21AはX方向に並んでいる複数の矩形部21cと、隣接する2つの矩形部21cを繋ぐ接続部21dとを有する。同様に、各第2検出電極21BはY方向に並んでいる複数の矩形部21cと、隣接する2つの矩形部21cを繋ぐ接続部21dとを有する。第1検出電極21Aの接続部21dと、第2検出電極21Bの接続部21dは絶縁膜を介して交差する。タッチパネル2は、このような検出電極21A、21Bによって、静電容量式のタッチパネルとして機能する。
回路層21の導体パターンは、検出電極21A、21Bの端部からそれぞれ伸びている複数の検出ライン21Cをさらに有している。検出ライン21Cはタッチパネル2の縁に沿って形成されている。検出ライン21Cは、その端部に、端子部21Caを有している。回路層21の検出電極21A、21BはITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電材料によって形成される。検出ライン21Cは、透明導電材料によって形成されてもよいし、金属によって形成されてもよい。
図2に示すように、第2積層構造は回路層21を覆う保護絶縁層22を有してもよい。また、第2積層構造は保護絶縁層22の下側に形成されているカラーフィルタ層23を有してもよい。カラーフィルタ層23には各画素の色に対応したカラーフィルタ23r、23g、23b形成される。
上述したように、検出ライン21Cはタッチパネル2の外縁に沿って形成されている。図4及び図5に示すように、各検出ライン21Cは、その端部に、端子部21Caを有している。端子部21Caはシール領域A2に位置している。シール領域A2は平面視において表示領域A1を取り囲む枠形状を有している。シール領域A2は表示パネル3の接続領域A3側に位置する部分A2sを含んでいる(以下では、この部分A2sを「接続側シール領域」と称する)。複数の検出ライン21Cの端子部21Caは接続側シール領域A2sに形成されている。有機EL表示装置1の例では、複数の端子部21Caは、接続側シール領域A2sの片側(図4においては第2基板20の縁20b寄り)に形成されている。複数の端子部21Caの位置はこれに限られない。例えば、複数の端子部21Caは、接続側シール領域A2sの両側に形成されてもよい。
図5に示すように、シール領域A2にはシール材52が配置されている。シール材52は表示パネル3とタッチパネル2との間に配置され、表示パネル3とタッチパネル2とを互いに接着している。表示パネル3とタッチパネル2との間には充填材51が充填されている。充填材51はシール領域A2の内側に配置され、シール材52によってシールされている。
図5に示すように、表示パネル3の第1積層構造は、複数の表示パネル側検出ライン61を有している。表示パネル側検出ライン61は、接続側シール領域A2sから接続領域A3まで伸びている。表示パネル側検出ライン61は接続側シール領域A2sに形成されている部分61aを有している(この部分61aを以下では「接触部」と称する)。表示パネル側検出ライン61は接触部61aから接続領域A3の第2端子部31fまで伸びている。図1の例では、表示パネル側検出ライン61はY方向に直線的に伸びている。表示パネル側検出ライン61は、例えばAlやAgなどを含む金属によって形成される。表示パネル側検出ライン61のレイアウトや材料はここで説明する例に限られず、適宜変更されてよい。
図5に示すように、表示パネル側検出ライン61の接触部61aと、タッチパネル2に形成されている検出ライン21Cの端子部21Caは、パネル2、3の厚さ方向においてシール材52を挟んで向き合っている。表示パネル側検出ライン61の接触部61aはシール材52に向けて露出するように第1積層構造に形成されている。検出ライン21Cの端子部21Caはシール材52に向けて露出するように第2積層構造に形成されている。シール材52は導体によって形成されている導電ビーズ53を含んでいる(導電ビーズは請求項の「導体粒」に対応している)。複数の表示パネル側検出ライン61の接触部61aは、複数の検出ライン21Cの端子部21Caに導電ビーズ53を介してそれぞれ電気的に接続している。すなわち、表示パネル側検出ライン61の接触部61aと検出ライン21Cの端子部21Caの双方は導電ビーズ53に接触している。表示パネル側検出ライン61によれば、タッチパネル2を駆動するためのFPCをタッチパネル2ではなく、表示パネル3の接続領域A3に取り付けることが可能となる。その結果、FPCの接続作業を容易化できる。
導電ビーズ53の直径は、図5に示すように、例えばタッチパネル2と表示パネル3との距離、より具体的には表示パネル側検出ライン61の接触部61aと検出ライン21Cの端子部21Caとの間の距離に対応する。これにより、表示パネル側検出ライン61の接触部61aと検出ライン21Cの端子部21Caは共通の導電ビーズ53に接触する。また、導電ビーズ53はタッチパネル2と表示パネル3との間のスペーサとして機能する。導電ビーズ53の直径は多層バリア40の厚さよりも大きいのが好ましい。こうすることによって、導電ビーズ53と検出ライン21Cとの間の接触圧、及び導電ビーズ53と表示パネル側検出ライン61との間の接触圧が確保し易くなる。導電ビーズ53の直径は必ずしもここで説明した例に限られない。例えば、導電ビーズ53の直径は表示パネル側検出ライン61の接触部61aと検出ライン21Cの端子部21Caとの間の距離よりも小さくてもよい。
図5に示すように、有機バリア42の外縁42aはシール材52に含まれている導電ビーズ53よりも内側に位置している。言い換えると、有機バリア42の外縁42aは導電ビーズ53よりも表示領域A1寄りに位置している。表示領域A1とシール領域A2との間に非発光領域が設けられている場合には、有機バリア42の外縁42aは非発光領域に位置している。有機バリア42は有機材料によって形成されているため、比較的柔らかい。そのため、有機バリア42の外縁42aが導電ビーズ53よりも内側に位置している図5の構造によれば、有機バリア42の上側に導電ビーズ53が位置している構造に比べて、導電ビーズ53と表示パネル側検出ライン61との間の接触圧と、導電ビーズ53と検出ライン21Cの端子部21Caとの間の接触圧とが確保し易くなる。その結果、それらの電気的接続の安定性を図ることができる。なお、複数の導電ビーズ53が接続側シール領域A2sの幅方向(図5においてE方向)に並んでいてもよい。この場合、表示パネル側検出ライン61の接触部61aと検出ライン21Cの端子部21Caはこれら複数の導電ビーズ53を通して電気的に接続する。この場合、最も内側に位置している導電ビーズ53(すなわち、最も表示領域A1寄りに位置している導電ビーズ53)よりも内側に、有機バリア42の外縁42aが位置しているのが好ましい。
有機EL表示装置1の例では、図5に示すように、有機バリア42の外縁42aはシール領域A2における導電ビーズ53が設けられている部分、すなわち接続側シール領域A2sの内縁よりも内側に位置している。こうすることにより、導電ビーズ53と検出ライン21Cとの間の接触圧、及び導電ビーズ53と表示パネル側検出ライン61との間の接触圧をさらに容易に確保することが可能となる。有機バリア42の外縁42aは、その全周に亘って、シール領域A2の内側に位置してもよい。すなわち、有機バリア42の外縁42aは、接続側シール領域A2sだけでなく、シール領域A2の他の部分の内縁よりも内側に位置してもよい。
図5に示すように、第1無機バリア層41と第2無機バリア層43の双方は、シール領域A2に位置し且つ互いに接触している部分を有している。こうすることにより、有機バリア42の外縁42aがシール領域A2に近い場合でも、有機バリア42を第1無機バリア層41と第2無機バリア層43とによって確実に囲むことができる。その結果、有機バリア42に水分が浸透することをより確実に防止することができる。有機EL表示装置1の例では、第1無機バリア層41の外周部41aと第2無機バリア層43の外周部43aがシール領域A2に位置し且つ互いに接している。図5に示す例に替えて、第1無機バリア層41の外周部41aと第2無機バリア層43の外周部43aのうちの一方だけが、シール領域A2に位置してもよい。例えば、第2無機バリア層43の外周部43aだけが、シール領域A2に位置してもよい。
有機EL表示装置1では、図5に示すように、無機バリア層41、43は表示領域A1とシール領域A2に形成され、接続領域A3には形成されていない。すなわち、無機バリア層41、43の外周縁はシール領域A2の外周縁よりも内側に位置している。後において説明するように、表示パネル3の接続領域A3は折り返されている(図6参照)。無機バリア層41、43が接続領域A3には形成されない図5の構造によると、無機バリア層41、43が接続領域A3に形成されている構造に比べて、表示パネル3の接続領域A3の剛性が低くなり、接続領域A3を折り返すことが容易となる。このような無機バリア層41、43は例えばマスクを利用することで形成できる。例えば、無機バリア層41、43は、接続領域A3に無機バリア層41、43の材料が付着しないように形成されたマスクを利用して形成できる。無機バリア層41、43は、例えばCVD(Chemical
Vapor Deposition)によって形成できる。図5で示す例に替えて、無機バリア層41、43は第2端子部31fだけを覆わないように、接続領域A3に形成されてもよい。この場合、無機バリア層41、43は、第2端子部41fに無機バリア層41、43の材料が付着しないように形成されたマスクを利用して形成できる。
図5に示すように、回路層31は接続領域A3に位置している部分を有している。回路層31のこの部分には、上述したように、ドライバIC62と複数の第1端子部31e(図1参照)とを接続する複数のライン(不図示)が形成されている。また、回路層31のこの部分には、ドライバIC62を、走査信号線31B、映像信号線31C、駆動回路、及び駆動電源線31Dに接続する複数のライン(不図示)が形成されている。表示パネル3の第1積層構造は、接続領域A3に形成され且つ回路層31を覆っている絶縁層を有している。そして、表示パネル側検出ライン61はこの絶縁層の上側に形成されている。この構造によれば、表示パネル側検出ライン61の下側にも上述のラインを形成することが可能となる。その結果、ラインのレイアウトの自由度を増すことができる。有機EL表示装置1の例では、表示パネル側検出ライン61と回路層31との間には、上述の絶縁層としてバンク層35が形成されている。この構造によれば、表示パネル側検出ライン61と回路層31とを絶縁する専用の絶縁層を形成する構造に比べて、製造工程を減らすことができる。
図5に示すように、無機バリア層41、43の外周部41a、43aはバンク層35上に形成され、表示パネル側検出ライン61の接触部61aは無機バリア層41、43の外周部41a、43a上に形成されている。無機バリア層41、43の外周部41a、43aのうち一方だけがバンク層35上に形成されてもよい。バンク層35は、シール領域A2に破断部(溝)35bを有している。破断部35bはシール領域A2の全周に亘って設けられている。この破断部35bによって、水分がバンク層35を通して表示領域A2に浸透することを防ぐことができる。表示パネル側検出ライン61の接触部61aは破断部35bの上側に位置している。
上述したように、接続領域A3には複数の第2端子部31fが形成されている。複数の第2端子部31fには複数の表示パネル側検出ライン61の端部がそれぞれ接続している。第2端子部31fは第1端子部31eと同じ層に形成されている。第1端子部31eと第2端子部31fは、例えば回路層31に形成されている回路を構成する導体層に形成される。こうすることにより、第2端子部31fの高さと第1端子部31eの高さとを等しくできる。その結果、第2端子部31fと第1端子部31eとに共通のFPC65を安定的に接続し易くなる。つまり、FPC65を表示パネル3の接続領域A3に押しつけて接続する工程で、第2端子部31fに作用する圧力と第1端子部31eに作用する圧力とを均一化できる。FPC65は例えば、異方性導電接着剤によって表示パネル3に接着される。第2端子部31fにおけるシール領域A2側の端部に、表示パネル側検出ライン61の端部が接触している。
図1に示すように、有機EL表示装置1の例では、複数の第1端子部31eと、表示パネル側検出ライン61の端部に設けられている複数の第2端子部31fは一列で並んでいる。こうすることにより、FPC65を複数の第1端子部31eと複数の第2端子部31fとに押しつける作業の容易化を図ることができる。
有機EL表示装置1は例えば次の工程で形成され得る。第1基板30上に回路層31と下部電極32とを形成する。そして、下部電極32の外周部を覆うようにバンク層35を形成する。このとき、バンク層35は第1端子部31e及び第2端子部31fを覆わないように形成される。その後、有機層33、及び上部電極34を形成する。そして、上部電極34上に、第1無機バリア層41、有機バリア42、及び第2無機バリア層43をこの順番で形成する。無機バリア層41、43は上述したように、無機バリア層41、43の材料が接続領域A3(或いは端子部31e、31f)に付着しないように、マスクを利用して形成される。上述したように、有機バリア42の外縁42aはシール領域A2よりも内側に位置している。このような有機バリア42は例えばシール領域A2の内側に開口を有するマスクを利用して形成できる。例えば有機バリア42を蒸着によって形成できる。蒸着に替えて、有機バリア42を印刷によって形成されてもよい。その後、表示パネル側検出ライン61が無機バリア層41、43上に形成される。表示パネル側検出ライン61は、例えばインクジェット印刷や、オフセット印刷、フォトリソグラフィー工程で形成される。表示パネル側検出ライン61を形成した後、表示パネル3にタッチパネル2が貼り付けられる。このとき、シール領域A2にはシール材52が配置され、表示パネル3とタッチパネル2との間には充填材51が充填される。
上述したように、第1基板30は樹脂によって形成され、可撓性を有している。したがって、表示パネル3の外周部を撓ませたり、接続領域A3の部分を曲げたりすることが可能となり、その結果、有機EL表示装置1のデザインの自由度を増すことができる。
本実施形態では、図6に示すように、表示パネル3における接続領域A3はタッチパネル2とは反対側に折り返されている(以下において折り返された部分を「折り返し部D」と称する)。これにより、有機EL表示装置1の額縁部の幅を小さくできる。タッチパネル2の検出ライン21Cはシール材52に含まれる導電ビーズ53を介して、表示パネル側検出ライン61に接続されているので、タッチパネル2自体にはFPCなどの外部電線を接続するための領域が必要なくなっている。そのため、その領域の分だけタッチパネル2を小さくでき、有機EL表示装置1の額縁部の幅をさらに小さくできる。
図6に示すように、折り返し部Dと、表示パネル3の残部(すなわち、折り返し部Dと向き合っている部分)との間には、スペーサ71が配置されている。スペーサ71は円弧状の外周面71aを有している。折り返し部Dは外周面71aに沿って折り返されている。
スペーサ71は表示パネル3の接続側シール領域A2sの下側に位置している。すなわち、スペーサ71の一部は表示パネル3を挟んでシール材52に含まれる導電ビーズ53とは反対側に位置している。スペーサ71のこのレイアウトによると、表示パネル3の接続領域A3を折り返すときに、接続側シール領域A2sに不要な応力が作用することを防ぐことができる。例えば第1基板30の裏面にスペーサ71を押し当てている状態で、表示パネル3の接続領域A3を折り返すことによって、接続側シール領域A2sに不要な応力が作用することを防ぐことができる。その結果、検出ライン21Cと導電ビーズ53との接触や、表示パネル側検出ライン61と導電ビーズ53との接触が不安定となることを、抑えることができる。
図6に示されるように、FPC65が接続される端子部31e、31fが設けられた部分と、表示パネル3の裏面との間にも、スペーサ71の一部が位置しているのが好ましい。こうすることによって、端子部31e、31fの位置を固定し易くなるので、FPC65と端子部31e、31fとの接続安定性が確保し易くなる。
スペーサ71は表示パネル3の全体に設けられていなくてもよい。例えば、図6に示すように、表示パネル3の折り返し部Dに対応する位置にだけスペーサ71は設けられてもよい。こうすることによって、表示パネル3の下側にスペースが確保できる。そして、有機EL表示装置1を搭載する電子機器の部品をこのスペースに配置できる。
有機EL表示装置1の例では、スペーサ71は第1基板30よりも大きな厚さを有している。スペーサ71は例えばアクリルなどの樹脂で形成される。スペーサ71の材料や厚さは、これに限定されない。
図7乃至図9は本発明の実施形態の他の例である有機EL表示装置100を示す図である。図7は有機EL表示装置100の平面図である。図8は図7のVIII−VIII線で示される切断面で得られる断面図である。図9は図7のIX−IX線で示される切断面で得られる断面図である。以下の説明では、これまで説明した有機EL表示装置1と異なる箇所を中心にして説明する。有機EL表示装置100について説明のない事項は、有機EL表示装置1と同様である。
有機EL表示装置100では、上述した第2端子部31fに替えて、表示パネル側検出ライン61の端部に第2端子部161bが設けられている。上述したように、表示パネル側検出ライン61は第1無機バリア層41と第2無機バリア層43上に形成されている。図8及び図9に示すように、第2端子部161は、上述の第2端子部31fとは異なり、表示パネル側検出ライン61と同じ層に位置している。すなわち、第2端子部161は第1無機バリア層41と第2無機バリア層43上に形成され、表示パネル側検出ライン61と同じ材料で形成されている。こうすることにより、第2端子部161と表示パネル側検出ライン61は同じ工程で形成される。
図7に示すように、複数の第1端子部31eと複数の第2端子部161bは一列に並んでいる。第1端子部31eと第2端子部161bとの間の距離、より具体的には、最も第2端子部161bに近い第1端子部31eと、最も第1端子部31eに近い第2端子部161bとの距離L1は、隣接する2つの第1端子部31eの間の距離よりも大きい。こうすることにより、第1端子部31eとFPC65の接続と、第2端子部161bとFPC65の接続の安定化を図ることができる。つまり、第2端子部161bは無機バリア層41、43上に形成されているため、第1端子部31eよりも高い位置に位置している。そのため、FPC65を接続領域A3に押しつけて接続する工程で、FPC65が端子部31e、161bに均一に押しつけられない可能性がある。図7に示すように、第1端子部31eと第2端子部161bとの間の距離L1を、隣接する2つの第1端子部31eの間の距離よりも大きくすることによって、FPC65から端子部31e、161bに作用する圧力の不均一を軽減できる。
有機EL表示装置100は、例えば次の工程で形成され得る。第1基板30上に回路層31や下部電極32を形成する。そして、下部電極32の外周部を覆うようにバンク層35を形成する。このとき、バンク層35は第1端子部31eを覆わないように形成される。その後、有機層33、及び上部電極34を形成する。そして、上部電極34上に、第1無機バリア層41、有機バリア42、及び第2無機バリア層43をこの順番で形成する。無機バリア層41、43は、有機EL表示装置1とは異なり、マスクを利用することなく表示パネル3の全域に形成される。そして、表示パネル側検出ライン61を、インクジェット印刷や、オフセット印刷、フォトリソグラフィープロセスなどの工程によって、無機バリア層41、43上に形成する。そして、表示パネル3にタッチパネル2が貼り付けられる。このとき、シール領域A2にはシール材52が配置され、表示パネル3とタッチパネル2との間には充填材51が充填される。最後に、接続領域A3に形成されている無機バリア層41、43を除去する。例えば、無機バリア層41、43はアッシングによって除去され得る。これにより、第1端子部31eが露出する。このとき、タッチパネル2と表示パネル側検出ライン61及び第2端子部161bがマスクとして機能するので、アッシング専用のマスクが不要となる。
本発明は以上説明した実施形態に限られず、種々の変更が可能である。例えば、つぎのような変更が可能である。
有機バリア42の外縁42aは、シール領域A2の4辺のうち接続側シール領域A2sの内縁よりも内側に位置し、他の3辺についてはシール領域A2の内縁よりも外側に位置してもよい。
接続側シール領域A2sの幅方向に複数の導電ビーズ53が並んでいる場合には、有機バリア42の外縁42aは最も外側の導電ビーズ53(最も接続領域A3に近い導電ビーズ)よりも内側に位置し、その他の導電ビーズ53は有機バリア42の上側に位置してもよい。