JP6815919B2 - ローラユニットおよび車両用開閉体駆動装置 - Google Patents

ローラユニットおよび車両用開閉体駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、ローラユニットおよび車両用開閉体駆動装置に関するものである。
従来、ワゴン車やワンボックス車等の車両において、車両本体の側部に設けられた乗降用の開口部を開閉するスライドドア(車両用開閉体)を電動モータによって駆動させ、乗員の乗降する際の利便性を高めた駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
スライドドアは、車両本体の前後方向に沿って延在するガイドレールに、ローラユニットを介してスライド移動自在に支持されている。ガイドレールの前方には、車室内側に向かって湾曲形成された湾曲部が設けられている。そして、スライドドアは、全閉状態になる際、ローラユニットが湾曲部に案内されることにより、車両本体の側面と面一となるように車両本体の内側に引き込まれる。
ローラユニットには、開閉用と閉塞用の2つのケーブルの一端が接続されている。これら2つのケーブルの他端は、それぞれ駆動装置に接続されている。駆動装置には、開閉用ケーブルと閉塞用ケーブルにテンションを加えるテンショナーが設けられている。駆動装置は、このテンショナーによってテンションを加えた状態で、2つのケーブルの他端をそれぞれ別々に引張するように構成されている。ケーブルが引張されると、ガイドレールに沿ってローラユニットがスライド移動し、スライドドアの開閉動作が行われる。
ところで、ローラユニットに、開閉用ケーブルおよび閉塞用ケーブルの端部(ケーブルエンド)を接続する場合、これらケーブルに強いテンション(テンショナーによって付与されるテンション)が加わった状態で行う必要があり、そのために接続作業に困難が伴う。そこで、例えば、作業用のストッパを使用することで、テンショナーの作用を一時的に無効化して、ケーブルに作業用の余長を確保し、その状態で、ローラユニットに開閉用ケーブルおよび閉塞用ケーブルの端部を接続する。そして、接続後にストッパを解除してテンショナーの作用を有効化し、余長を吸収すると共にケーブルにテンションを導入するという組付方法が一般に採用されている。
特開2009−235891号公報
しかし、ストッパを用いてテンショナーの作用を一時的に無効化する方法は、駆動装置が装備される車体側においてストッパの設定と解除を行う面倒があり、作業性が悪いという課題があった。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、開放用ケーブルおよび閉塞用ケーブルの端部を接続する際の組付性の向上を図ることのできるローラユニットおよび車両用開閉体駆動装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るローラユニットは、車両本体に設けられたガイドレールに沿って、スライドドアをスライド可能に支持すると共に、前記スライドドアを自動開閉するための駆動装置に各々一端が連結された開放用ケーブルおよび閉塞用ケーブルの各々他端が連結されるローラユニットにおいて、前記ガイドレールと前記スライドドアとに跨るように設けられ、前記車両本体とは反対側の端部で前記スライドドアを支持するブラケットと、前記ブラケットの前記スライドドア側の端部に設けられ、前記ガイドレール内を転動するローラと、前記ブラケットの前記スライドドア側の端部に前記ブラケットと一体的に設けられ、前記開放用ケーブルおよび前記閉塞用ケーブルの各々他端を保持するケーブルホルダと、前記ケーブルホルダに着脱自在に設けられ、前記開放用ケーブルおよび前記閉塞用ケーブルの各々他端の近傍部分を、前記各々他端の前記ケーブルホルダに対する保持位置に向けてガイドするケーブルガイドと、を備え、前記ケーブルガイドの前記ガイドレールに沿う方向の一端側に、前記開放用ケーブルおよび前記閉塞用ケーブルのいずれか一方の前記他端の近傍部分の配索方向をU字状に反転させて前記他端を前記保持位置に導く配索方向反転部が設けられると共に、前記ケーブルホルダの前記ガイドレールに沿う方向の他端側に、前記開放用ケーブルおよび前記閉塞用ケーブルの各々他端のケーブルエンドを保持するケーブルエンド保持部が設けられ、前記ブラケットには、前記ローラを支持するローラ支持部が設けられ、前記開放用ケーブルおよび前記閉塞用ケーブルのいずれか一方は、前記ケーブルガイドの配索方向反転部を経由することにより、前記ローラ支持部の外側を取り囲むように配索されていることを特徴とする。
この構成においては、一方のケーブルの端部の近傍部分をケーブルガイドの配索方向反転部に掛け回すことにより、そのケーブルの配索方向をU字状に反転させることができる。従って、配索方向反転部を備えたローラユニットを動滑車に見立てることが可能になり、ケーブルの端部をケーブルホルダの保持位置まで引っ張る際の力を理論的には動滑車の原理により低減することができる。例えば、まず、閉鎖用ケーブルの端部を、ケーブルホルダの所定の保持位置に係止させる。このときは、テンションゼロで係止作業を行うことができる。
次に、開放用ケーブルの端部を、ケーブルホルダの所定の保持位置に係止させる。このときには、先に閉鎖用ケーブルの端部がローラユニットに接続されているので、テンショナーによるテンションに抗しながら、開放用ケーブルの端部をケーブルホルダの所定の保持位置まで引き寄せなければならない。ここで、この開放用ケーブルをU字状に反転させずに保持位置まで引き寄せるとした場合は、閉鎖用ケーブルの引張力と同じ力で反対方向に引き寄せる必要がある。ところが、動滑車の役割をする配索方向反転部に開放用ケーブルを掛け回して配索方向をU字状に反転させると、閉鎖用ケーブルの引張力に対抗する開放用ケーブルの本数が見かけ上2本になり、1本当たりの引っ張り力を低減できるようになる。つまり、開放用ケーブルの端部を、ケーブルホルダの所定の保持位置まで引き寄せる力を約半分にすることができる。よって、ストッパによりテンションナーの作用の無効化を行わないでも、比較的小さい力でケーブルの端部をローラユニットに接続することができ、組付作業性の向上が図れる。
また、開放用ケーブルおよび閉塞用ケーブルのケーブルエンドの保持部をケーブルホルダの片側にまとめて配置したので、コンパクトな構成にすることができる。また、ケーブルガイドの配索方向反転部を経由させることで、ローラ支持部の外側を取り囲むようにして、一方のケーブルをケーブルエンド保持部まで導くので、ローラユニットをガイドレールに沿ってスライドさせる2本のケーブルを、極力ガイドレールに近い位置に寄せることができる。
本発明のローラユニットおいて、前記ケーブルエンド保持部が設けられた前記ケーブルホルダが金属製部品として構成され、前記ケーブルホルダに、樹脂製部品として構成された前記ケーブルガイドが圧入により結合されていることを特徴とする。
この構成においては、ケーブルエンド保持部が設けられたケーブルホルダが金属製部品として構成されているので、ローラユニットに対するケーブルの接続強度を保証することができる。また、ケーブルガイドが樹脂製部品として構成されているので、複雑で微妙な形状であっても製作が容易にできる。また、ケーブルホルダにケーブルガイドを結合する際の圧入も容易にでき、組付性が向上する。
本発明のローラユニットにおいて、前記ケーブルガイドに、前記開放用ケーブルおよび前記閉塞用ケーブルをそれぞれガイドするための2本のケーブルガイド溝が設けられていることを特徴とする。
この構成においては、ケーブルガイドに開放用ケーブルおよび閉塞用ケーブルのガイド溝がそれぞれ設けられているので、ケーブルが配索しやすく、重なり等の支障も生じない。
本発明に係る車両用開閉体駆動装置は、前記ローラユニットと、前記開放用ケーブルおよび前記閉塞用ケーブルの各々一端が連結されている前記駆動装置と、を備えることを特徴とする。
この構成においては、開放用ケーブルおよび閉塞用ケーブルのローラユニットへの接続が容易な車両用開閉体駆動装置を提供できる。
本発明によれば、開閉用ケーブルおよび閉塞用ケーブルの端部を接続する際の組付性の向上を図ることができる。
本発明の実施形態における車両の側面図である。 本発明の実施形態におけるスライドドアの車両本体への取り付け構造を示す平面図である。 本発明の実施形態におけるローラユニットを斜め上側からみた斜視図であり、四角枠の中の図はケーブルの配索経路を取り出して示している。 本発明の実施形態におけるローラユニットを斜め下側からみた斜視図であり、四角枠の中の図はケーブルの配索経路を取り出して示している。 本発明の実施形態におけるローラユニットを図3と反対の方向の斜め上側からみた斜視図であり、四角枠の中の図はケーブルの配索経路を取り出して示している。 本発明の実施形態におけるケーブルホルダを示し、(a)および(b)は、それぞれ異なる方向から見た斜視図である。 本発明の実施形態におけるケーブルガイドを示し、(a)〜(c)は、それぞれ異なる方向から見た斜視図である。 本発明の実施形態におけるケーブルホルダにケーブルガイドを取り付けた状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態におけるケーブルの配索経路の説明図で、(a)はケーブルホルダとケーブルの関係を示す斜視図、(b)はケーブルホルダおよびケーブルガイドとケーブルの関係を示す(a)と同方向から見た斜視図である。 本発明の実施形態におけるローラユニットの要部を上から見た平面図である。 図10におけるケーブルガイドと開放用ケーブルの関係を取り出して示す平面図である。 本発明の実施形態におけるローラユニット(ベースブラケットは図示省略)に開放用ケーブルおよび閉塞用ケーブルの各ケーブルエンドを組み付ける方法を説明するための斜視図であって、(a)は組み付ける前の状態を示す図、(b)は組み付けた後の状態を示す図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(車両)
図1は、本発明に係るスライドドア自動開閉装置110が搭載された車両100の側面図である。図2は、スライドドア103の車両本体101への取り付け構造を示す平面図である。なお、以下の説明において、説明を簡単にするために、車両の地面側を単に下側、車両の天井側を単に上側、車両の進行方向前方を単に前方、進行方向後方を単に後方と表現して説明する。
図1に示すように、車両100の車両本体101の側部には、車両本体101の開口部102を開閉するためのスライドドア103が設けられている。このスライドドア103は、開口部102の上側に配置されているアッパーレール104と、開口部102の下側に配置されているロアーレール105と、開口部102の上下方向略中央であって、かつ後方側に配置されたセンターレール106と、にそれぞれスライド移動自在に支持されている。
図2に示すように、センターレール106は、前後方向に延在する直線状の直線部106aと、直線部106aに対して車室内側に向かって湾曲形成された湾曲部106bとが一体成形されたものである。センターレール106は、湾曲部106bを前方側に向けた状態で車両本体101に固定されている。
なお、図示を省略するが、アッパーレール104、およびロアーレール105も前後方向に延在する直線部と、この直線部に対して車室内側に向かって湾曲形成された湾曲部とに、より構成されている。
スライドドア103の後端部には、センターレール106に対応する箇所に、センターアーム107が設けられている。このセンターアーム107の先端が、ローラユニット1を介してセンターレール106にスライド自在に支持されている。
図示を省略するが、スライドドア103の前方には、上端部にアッパーアームが設けられ、下端部にロアーアームが設けられている。そして、アッパーレール104には、ローラユニットを介してアッパーアームの先端がスライド自在に支持されている。一方、ロアーレール105には、ローラユニットを介してロアーアームの先端がスライド自在に支持されている。これらアッパーレール104、およびロアーレール105に取り付けられるローラユニットとしては、センターレール106に取り付けられているローラユニット1と同一構造のものを採用することができる。
また、車両100には、スライドドア103を自動開閉するためのスライドドア自動開閉装置110が搭載されている。スライドドア自動開閉装置110は、いわゆるケーブル式の自動開閉装置であり、車両用開閉体駆動装置に相当する。スライドドア自動開閉装置110は、センターレール106にスライド自在に装着されるローラユニット1と、センターレール106の前後方向略中央で、かつ車両本体101の内部に配置されている駆動ユニット(駆動装置)111と、駆動ユニット111とローラユニット1の後部とを連結する開放用ケーブル112と、駆動ユニット111とローラユニット1の前部とを連結する閉塞用ケーブル113と、を備えている。
また、センターレール106の後端には、開側プーリ114が設けられている。一方、センターレール106の前端には、閉側プーリ115が設けられている。そして、開放用ケーブル112は、開側プーリ114を介して一端が駆動ユニット111に連結され、他端がローラユニット1に連結されるように両者1、111に跨って配索されている。一方、閉塞用ケーブル113は、閉側プーリ115を介して一端が駆動ユニット111に連結され、他端がローラユニット1に連結されるように両者1、111に跨って配索されている。
ここで、開放用ケーブル112の他端(後述するケーブルエンド112aの設けられたケーブル端部)は、後方からローラユニット1に接続されている。また、閉塞用ケーブル113の他端(後述するケーブルエンド113aの設けられたケーブル端部)は、前方からローラユニット1に接続されている。
駆動ユニット111は、電動モータ116と不図示のケーブル駆動機構と、電動モータ116の駆動制御を行うための制御装置117とを備えている。ケーブル駆動機構には、開放用ケーブル112および閉塞用ケーブル113に必要なテンションを加える不図示のテンショナーが含まれている。そして、制御装置117により制御された電動モータ116が正逆回転することにより、不図示のケーブル駆動機構が駆動し、テンショナーによるテンションが加えられた状態で、開放用ケーブル112や閉塞用ケーブル113が牽引される。これにより、ローラユニット1を介し、各レール104〜16に沿ってスライドドア103がスライド移動する。そして、自動でスライドドア103の開閉動作が行われる。
すなわち、開放用ケーブル112がローラユニット1を後方に牽引することで、スライドドア103が後方へスライド移動して開口部102が開放される。反対に、閉塞用ケーブル113がローラユニット1を前方に牽引することで、スライドドア103が前方へスライド移動して開口部102が閉塞される。
この閉塞動作の最終段階において、センターレール106の湾曲部106bにローラユニット1が案内されて前方に移動する。また、アッパーレール104およびロアーレール105の湾曲部にローラユニット(何れも不図示)が案内されて前方に移動する。それにより、スライドドア103が車両本体1の外側から車室内側に斜めに引き込まれ、その後車両本体101の側面と面一となって閉じられる。
(ローラユニット)
図3は、ローラユニット1を斜め上側からみた斜視図、図4は、ローラユニット1を斜め下側からみた斜視図、図5は、ローラユニット1を図3とは別の方向の斜め上側からみた斜視図である。これら各図における四角枠の中の図は、開放用ケーブルおよび閉鎖用ケーブルの配索経路を取り出して示している。
(ベースブラケット)
図3〜図5に示すように、ローラユニット1は、一端がセンターアーム107(図2参照)の先端に取り付けられているベースブラケット2を有している。ベースブラケット2は、金属板にプレス加工等を施して形成されたものである。ベースブラケット2は、断面略L字状に形成されているベース本体3を有している。ベース本体3は、上下方向に沿って延在する縦壁3aと、この縦壁3aの下端から水平方向に沿って屈曲延出する横壁3bと、により構成されている。そして、縦壁3aを車両本体101側であるセンターレール106側に向けた状態で配置されている。縦壁3aの前端側の側縁と後端側の側縁には、開放用ケーブル112のケーブルエンド112aの近傍部分を通すための切欠3e、3fが設けられている。
ベース本体3の横壁3bには、一側に上方に向かって立ち上がる立ち上がり壁4が屈曲延出されている。さらに、この立ち上がり壁4の上端に、横壁3bと平行に、かつ対向するように舌片部5が屈曲延出されている。これら横壁3b、立ち上がり壁4、および舌片部5により断面略コの字状の受け入れ部6が形成され、ここに、スライドドア103から延びるセンターアーム107が収納される。
また、横壁3bと舌片部5には、不図示のシャフトを上下方向に沿って挿入可能な挿通孔8が形成されている。そして、不図示のシャフトを介してベースブラケット2とセンターアーム107とが連結される。すなわち、センターアーム107に対してベースブラケット2が、シャフト7を中心にして回転自在に取り付けられる。
一方、縦壁3aの上端には、幅方向(前後方向)両端にセンターレール106側(図3における紙面手前側)、つまり、車両本体101側(図2参照)に向かってローラ取付座9a、9bが屈曲延出されている。各ローラ取付座9a、9bには、それぞれセンターレール106に収納される水平ローラ10a、10bが設けられている。各水平ローラ10a、10bは、それぞれローラ取付座9a、9bから上側に向かって突設された支軸20a、20bに、回転自在に支持されている。また、ベース本体3の縦壁3aには、ローラ取付座9a、9bの下側にケーブルホルダ11が設けられている。
以下の部材の説明においては、ローラユニット1の使用時(据付時)の姿勢を基準にして、スライドドア103側を車外側、センターレール106側を車内側と表現して説明する。なお、前後方向と上下方向と車外・車内側の方向は、おおよそ互いに直交した3軸方向を指している。
(ケーブルホルダ)
図6は、ケーブルホルダ11を示し、(a)および(b)は、それぞれ異なる方向から見た斜視図である。
ケーブルホルダ11は、図3〜図5に示すように、開放用ケーブル112の他端に設けられている円柱状のケーブルエンド112a、および、閉塞用ケーブル113の他端に設けられている円柱状のケーブルエンド113aを、ローラユニット1に固定するためのものである。ケーブルホルダ11は、高い強度を確保するため、金属板にプレス加工等を施して形成されており、溶接等によってベースブラケット2と一体化されている。
なお、各ケーブルエンド112a、113aをローラユニット1に係止する際には、直接、ケーブルエンド112a、113aをローラユニット1の所定部位に係止してもよいし、樹脂製などの円筒状のカラーを円柱状のケーブルエンド112a、113aの外周に介在させた上で係止してもよい。本実施形態では、各ケーブルエンド112a、113aは、それぞれC形カラー112b、113bを介してローラユニット1の所定部位に係止される。
図6(a)および図6(b)に示すように、ケーブルホルダ11は、ベースブラケット2の幅方向(前後方向)に沿って長く形成されたホルダベース12を有している。このホルダベース12は、上下方向に板面を沿わせた板状の部分であり、長手方向(前後方向)の中間部分の上下方向幅が広く形成され、長手方向の両端側部分の上下方向幅が狭く形成されている。上下方向幅が広く形成された長手方向中間部分と上下方向幅が狭く形成された長手方向両端側部分は、なだらかな移行部を介して連続している。このホルダベース12は、ベースブラケット2のベース本体3の縦壁3aに接する当接面12aを、車外側の外面に有している。
ホルダベース12の前端には、車内側に向けてL字形に突出し、先端13aが先窄まり形状とされた圧入腕13が設けられている。圧入腕13は、ケーブルガイド40と結合するための腕である。また、ホルダベース12の後端の上下縁部には、車内側に向けて突出した一対の保持壁14、15が設けられている。これら一対の保持壁14、15は、上下方向に間隔をあけて互いに平行に対向している。これにより、ケーブルホルダ11の保持壁14、15を有する部分は、ホルダベース12の上下方向幅の小さい後端部分を含めて、前後方向から見た断面がコ字状をなしている。上下の保持壁14、15の間には、ケーブルガイド40を圧入するための圧入溝16が確保されている。
ここで、ケーブルホルダ11と後述するケーブルガイド40の上下方向の位置関係を分かりやすくするために便宜上、図6(a)中に符号A1〜A3で示すように、ケーブルホルダ11の上側の保持壁14の高さ位置を「上段A1」、圧入溝16の高さ位置を「中段A2」、下側の保持壁15の高さ位置を「下段A3」と呼ぶことにする。
ホルダベース12の長手方向の中間部の上下縁部には、車内側に向けて突出したリブ壁31、32が設けられている。これら上下のリブ壁31、32は、ホルダベース12の長手方向の中間部から、前述したなだらかな移行部を経て、保持壁14、15の前側縁まで連続して設けられており、保持壁14、15と一体化されている。ただし、保持壁14、15は、リブ壁31、32の車内側に向けての突出寸法の2倍程度の突出寸法を有している。これら保持壁14、15の車内側に向けての突出寸法は、前述したローラ取付座9a、9bの突出寸法と同程度とされている。
上段A1に位置する上側の保持壁14は、上から見た平面形状が、前方外側に先端を突き出したL字形をなしている。この上から見るとL字形をなした上側の保持壁14の内側のコーナー部14cは、1/4円弧状にアール(R)が形成されており、ホルダベース12の後端面12bに連続している。そして、このホルダベース12の後端面12bから上側の保持壁14のコーナー部14cにかけての部分が、開放用ケーブル112のケーブルエンド112aを係止するための開放用ケーブルエンド保持部17の一部とされている。
また、上側の保持壁14の上方から見てほぼ中央には、上下方向に貫通した円形孔14aが形成されている。この円形孔14aの中心は、ホルダベース12の後端面12bと同一平面上に位置するようにその位置が設定されている。この円形孔14aは、閉塞用ケーブル113のケーブルエンド113aを係止する閉塞用ケーブルエンド保持部18の一部とされている。また、上側の保持壁14の車内側の端面14bは、前後方向に平行な平面として形成されている。
一方、下段A3に位置する下側の保持壁15は、ホルダベース12の後端面12bと同一平面に後端面15cが位置するように寸法が規定されている。この下側の保持壁15の後端面15cも、開放用ケーブル112のケーブルエンド112aを係止するための開放用ケーブルエンド保持部17の一部とされている。
また、下側の保持壁15の車内側の端部15bは、ケーブルガイド40と嵌合する部分として構成され、前後方向の両角部に面取りが施されている。この下側の保持壁15には、上側の保持壁15の円形孔14aと同心の円を半分にした半円状切欠15aが設けられている。従って、この半円状切欠15aの円弧の円中心は、下側の保持壁15の後端面15cと同一平面上にある。この半円状切欠15aは、閉塞用ケーブル113のケーブルエンド113aを係止する閉塞用ケーブルエンド保持部18の一部とされている。
また、ホルダベース12の長手方向の中間部には、肉厚方向(車内外方向)に貫通する略長円形状の貫通孔33が形成されている。そして、この貫通孔33が形成された部分のホルダベース12の車内側のスペースが、垂直ローラ配置部34とされている。
垂直ローラ配置部34には、図3〜図5に示すように、センターレール106に収納される垂直ローラ21が設けられている。垂直ローラ21は、支軸21aに回転自在に支持されている。この支軸21aは、ホルダベース12の貫通孔33およびベースブラケット2のベース本体3の縦壁3aに形成した貫通孔3d(図5参照)に貫通固定されている。
このように、ローラユニット1に設けられている水平ローラ10a、10bの支軸20a、20bと、垂直ローラ21の支軸21aは、互いに略直交するように設けられている。すなわち、水平ローラ10a、10bは、ローラユニット1の水平方向の移動を規制しながらセンターレール106内を転動する。一方、垂直ローラ21は、ローラユニット1にかかる荷重を受け、この荷重をセンターレール106に伝達しながらセンターレール106内を転動する。
(ケーブルガイド)
図7は、ケーブルガイド40を示し、(a)〜(c)は、それぞれ異なる方向から見た斜視図である。図8は、ケーブルホルダにケーブルガイドを取り付けた状態を示す斜視図である。なお、以下のケーブルガイド40の説明における「上段A1」、「中段A2」、「下段A3」の高さ位置は、図8に示すように、ケーブルホルダ11の「上段A1」、「中段A2」、「下段A3」の高さ位置と対応している。
図3〜図5に示すように、ケーブルガイド40は、ケーブルホルダ11に固定される各ケーブル112、113のそれぞれのケーブルエンド112a、113aの近傍部分を、各々のケーブルホルダ11に対する保持位置に向けてガイドするためのものである。ケーブルガイド40は、ケーブルホルダ11と別体部品として製作された上で、ケーブルホルダ11に着脱自在に一体に結合される。ケーブルガイド40は、金属製であってもよいが、形状が複雑であるため、金属性に比べ成形が容易な樹脂の一体成形部品として構成されている。ケーブルガイド40は、ケーブルホルダ11の長手方向(前後方向)に沿って長くなるように形成されたガイド本体41を有している。このガイド本体41は、ケーブルホルダ11の上段〜下段の高さと同程度の高さを有している。
ガイド本体41の長手方向の前端側には、車外側(ケーブルホルダ11側)に突出したブロック状の第1結合部42が設けられている。第1結合部42は、ケーブルホルダ11と結合する部分である。この第1結合部42の車外側の端面には、車内側に向かって四角の圧入孔43が設けられている。この圧入孔43は、ケーブルホルダ11の圧入腕13が圧入される孔である。この圧入孔43の内側面には、圧入腕13の圧入に伴って潰れることで圧入による結合強度を高める複数のリブ43aが設けられている。この第1結合部42のさらに前端側には、開放用ケーブル112(図3参照)のケーブルエンド112aの近傍部分を湾曲状に案内するための湾曲案内部44が設けられている。
後述するが、開放用ケーブル112のケーブルエンド112aの近傍部分は、この湾曲案内部44に掛け回されることで、配索方向がU字状に反転する。つまり、後方から前方に向かって延びていた開放用ケーブル112が、この湾曲案内部44に掛け回されることで、前方から後方に向かって延びるように反転する。従って、この湾曲案内部44が配索方向反転部に相当する。
一方、ガイド本体41の長手方向の後端側には、第2結合部51と、第1保持腕52と、第2保持腕53と、が設けられている。第2結合部51は、ケーブルホルダ11と結合する部分であり、車外側(ケーブルホルダ11側)に向けて突出している。第2結合部51と第1保持腕52は中段A2に位置している。この中段A2に位置している第2結合部51は、ケーブルホルダ11の上下の保持壁14、15間の中段A2に位置する圧入溝16に圧入される厚肉板状の部分である。第2結合部51は、圧入を容易にするために、圧入方向の先端51aの上下角部が面取りされて先窄まり形状になっている。
次に、第1保持腕52は、第2結合部51と同じ中段A2に形成された腕状の部分であり、第2結合部51の後端側に突き出している。また、第2保持腕53は、第1保持腕53よりも車内側で中段A2の第1保持腕53よりも下側に位置をずらした下段A3に配置されており、第2結合部51の後端側に腕状に突き出している。中段A2の第1保持腕52と下段A3の第2保持腕53は、車内外方向に対をなすように設けられている。中段A2の第1保持腕52と下段A3の第2保持腕53は、第2保持腕53が車内側に位置し、第1保持腕52が車外側に位置している。
第1保持腕52の車外側の側面52bと第2結合部51の先端部の後端面51bとの間には、滑らかな1/4円弧面よりなるコーナー部52cが設けられている。このコーナー部52cから第2結合部51の先端部の後端面51bにかけての部分は、ケーブルホルダ11の上側の保持壁14のコーナー部14cからホルダベース12の後端面12bにかけての部分に一致するように形成されている。
中段A2に位置する第1保持腕52と下段A3に位置する第2保持腕53の基部間には、閉鎖用ケーブル113のケーブルエンド113aが挿入される円形孔55が設けられている。この円形孔55は、第1保持腕52の先端と第2保持腕53の先端との間に確保された隙間56を介して外部に開放している。
また、図7(b)、図7(c)に示すように、ガイド本体41の車内側の外側面には、上下に2本のガイド溝45、46が設けられている。上側のガイド溝45は、開放用ケーブル112を案内するためのガイド溝であり、上段A1に形成されている。下側のガイド溝46は、閉塞用ケーブル113を案内するためのガイド溝であり、中段A2に形成されている。上段A1に位置する上側のガイド溝45の後端は、中段A2に位置する第2結合部51の上側において開放している。中段A2に位置する下側のガイド溝46の後端は、下段A3に位置する第2保持腕53の上側において、円形孔55の中心に向けてなだらかに湾曲しながら円形孔55に連通している。
上段A1に位置する上側のガイド溝45は、上側と下側の側壁45a、45bによって画成されている。また、中段A2に位置する下側のガイド溝45は、上側と下側の側壁46a、46bによって画成されている。これら上側のガイド溝45と下側のガイド溝46は、ガイド本体41の長手方向(前後方向)に沿って平行に形成されている。
上側のガイド溝45の下側の側壁45bと、下側のガイド溝46の上側の側壁46aは、上側のガイド溝45と下側のガイド溝46とを仕切る隔壁47によって構成されている。この隔壁47の上面(上側のガイド溝45の下側の側壁45b)は、中段A2に位置する第2結合部51の上面と面一とされ、隔壁47の後端は、第2結合部51の車内側の端部に連続している。
下側のガイド溝46の下側の側壁46bの上面は、下段A3に位置する第2保持腕53の上面と面一とされ、側壁46bの後端は、第2保持腕53の基部(前端)に連続している。なお、第2保持腕53の基部の下面には、ケーブルホルダ11の下段の第2保持壁15の車内側の端部15bが嵌まる切欠58(後述する図12に明瞭に記載あり)が設けられている。
(湾曲案内部)
次にガイド溝45、46の前端側の構成について述べる。
図7(c)に示すように、ケーブルガイド40の前端部に位置する湾曲案内部44は、第1結合部42の車内側の背部を周り込むように第1結合部42に一体化されている。この湾曲案内部44は、外周面が前方に向かって凸の湾曲面として構成されている。上下のガイド溝45、46を仕切る隔壁47の前端は、ガイド本体41から湾曲案内部44の外周面にかけての位置まで延びており、湾曲案内部44に届いたところで途切れている。また、下側のガイド溝46の下側の側壁46bは、ガイド本体41から湾曲案内部44の湾曲の始まり位置まで延びてそこで途切れている。これは、下側のガイド溝46による閉塞用ケーブル113の案内は、直線経路の範囲だけで十分であるからである。
一方、上側のガイド溝45の上側の側壁45aの前端は、ガイド本体41から湾曲案内部44の外周面に沿って延設され、湾曲案内部44の終点部48まで延びている。湾曲案内部44の終点部48は、湾曲案内部44の終わりに相当する部分で、第1結合部42に隣接した車外側の位置に設けられている。
湾曲案内部44の終点部48には、中段A2の位置にケーブル引出溝48aが設けられている。ケーブル引出溝48aは、上側の側壁48cと下側の側壁48dによって画成されている。そして、ケーブル引出溝48aの上側の側壁48cが、上側のガイド溝45の上側の側壁45aの前端から延びる延長リブ45cと連続している。前述したように、上側のガイド溝45は上段A1に位置し、ケーブル引出溝48aは中段A2に位置している。そのため、上段A1から中段A2に至るように、延長リブ45cは、湾曲案内部44の湾曲外周面に沿いながら車内側から車外側に向けて下り傾斜するように形成されている。
なお、湾曲案内部44の終点部48の手前(ケーブル配索経路上の手前)の位置には、ケーブル引出溝48aに導入されるケーブルの抜け止めを行う抜け止め壁49が、延長リブ45cの先端から垂下するように設けられている。
湾曲案内部44の終点部48のケーブル引出溝48aの溝内底面は、湾曲案内部44の外周面により構成されている。ケーブル引出溝48aは、車内側から車外側に至るに従い、前側から後方へ向けて滑らかに湾曲している。
図7(a)に示すように、ケーブル引出溝48aの出口48eを形成する湾曲案内部44の終点部48の車外側端部48bは、図5に示すように、ベースブラケット2のベース本体3の縦壁3aの前端側の側縁に形成した切欠3eから車外側に僅かに突出するように形成されている。つまり、ケーブル引出溝48aの出口48eは、ベースブラケット2のベース本体3の縦壁3aよりも車外側に僅かに突き出した位置に配置されるようになっている。
(ケーブルホルダとケーブルガイドの組み合わせ)
以上のように構成されたケーブルホルダ11とケーブルガイド40は、図8に示すように組み合わせて結合されている。すなわち、ケーブルホルダ11の前端側の圧入腕13が、ケーブルガイド40の第1結合部42の圧入孔43に圧入されている。ケーブルホルダ11の後端側の圧入溝16に、ケーブルガイド40の第2結合部51が圧入されている。また、後述する図12に示すように、ケーブルホルダ11の上側の保持壁15の車内側の端部15bが、ケーブルガイド40の第2保持腕53の基部下面の切欠58に嵌合(または圧入)されている。以上により、ケーブルホルダ11とケーブルガイド40が一体に結合されている。
この結合状態において、ケーブルガイド40のガイド本体41とケーブルホルダ11のホルダベース12との間に、垂直ローラ21の収容される空間が確保される。また、ケーブルホルダ11のホルダベース12の後端面12bから上側の保持壁14の1/4円弧状のコーナー部14cにかけての部分と、ケーブルガイド40の第2結合部51の後端面51bから第1保持腕52の1/4円弧状のコーナー部52cにかけての部分との位置が揃う。この部分が、ケーブルホルダ11の下側の保持壁15の後端面15cと共に、開放用ケーブル112のケーブルエンド112aを係止する開放用ケーブルエンド保持部17を構成している。また、ケーブルホルダ11の上側の保持壁14の円形孔14aと、ケーブルガイド40の円形孔55と、ケーブルホルダ11の下側の保持壁15の半円状切欠15aとの位置が揃う。この部分が、閉塞用ケーブル113のケーブルエンド113aを係止する閉塞用ケーブルエンド保持部18を構成している。
また、この結合状態において、ケーブルガイド40の上段A1に位置する上側のガイド溝45と、ケーブルホルダ11の上段A1に位置する上側の保持壁14の高さが揃う。しかも、ケーブルガイド40の上側のガイド溝45の溝内底面と、ケーブルホルダ11の上側の保持壁14の車内側の端面14bとの位置が揃う。
図8を参照して、ケーブルホルダ11とケーブルガイド40の組み合わせ状態について説明したが、実際には先にケーブルホルダ11がベースブラケット2に結合されている。このため、ベースブラケット2に固定された状態のケーブルホルダ11に対し、ケーブルガイド40を圧入して組み付けることになる。そして、先に車体側に組み付けられた開放用ケーブル112のケーブルエンド112aと、閉塞用ケーブル113のケーブルエンド113aとをローラユニット1に接続する。
(ケーブルの接続手順および配索経路)
次に、図2、図4、図5、図9〜図12に基づいて、これらの開放用ケーブル112および閉塞用ケーブル113の接続手順と配索経路について説明する。
図9は、ケーブルの配索経路の説明図で、(a)はケーブルホルダとケーブルの関係を示す斜視図、(b)はケーブルホルダおよびケーブルガイドとケーブルの関係を示す(a)と同方向から見た斜視図である。図10は、ケーブル配索後のローラユニットの要部を上から見た平面図である。図11は、図10におけるケーブルガイドと開放用ケーブルの関係を取り出して示す平面図である。図12は、ローラユニット(ベースブラケットは図示省略)に開放用ケーブルおよび閉塞用ケーブルの各ケーブルエンドを組み付ける方法を説明するための斜視図であって、(a)は組み付ける前の状態を示す図、(b)は組み付けた後の状態を示す図である。
図2を参照して先に述べたように、開放用ケーブル112のケーブルエンド112aは、スライドドア103を後方にスライドさせてドアを開く関係から、後方からローラユニット1に接続する。また、閉塞用ケーブル113のケーブルエンド113aは、スライドドア103を前方にスライドさせてドアを閉じる関係から、前方からローラユニット1に接続する。
(閉塞用ケーブルの配索)
開放用ケーブル112および閉塞用ケーブル113の各々ケーブルエンド112a、113aをローラユニット1に接続する場合、まず、前方から後方に向かって延びている閉塞用ケーブル113のケーブルエンド113aを、ローラユニット1の閉塞用ケーブルエンド保持部18に係止する。
すなわち、図12(a)中の矢印M1で示すように、円柱形のケーブルエンド113aを下から、ローラユニット1の半円状切欠15a、保持腕52、53間の円形孔55に順に通す。
そして、ケーブルエンド113aの上端を、図9(a)、(b)および図12(b)に示すように、ケーブルホルダ11の上側の保持壁14の円形孔14aに嵌合させる。その際、ケーブルエンド113aにつながるケーブル113は、ケーブルガイド40の一対の保持腕52、53の先端間の隙間56に通しながら、ケーブルガイド40の下側のガイド溝46に挿入する。
このときは、反対側の開放用ケーブル112のケーブルエンド112aは拘束されていないので、閉塞用ケーブル113にテンションは加わっておらず、テンションの影響を受けずに容易に閉塞用ケーブル113のケーブルエンド113aを閉塞用ケーブルエンド保持部18に係止することができる。
このようにケーブルエンド113aを装着することで、閉塞用ケーブル113のケーブルエンド113aは、開放用ケーブル112のケーブルエンド112aをローラユニット1に接続して閉塞用ケーブル113にテンションがかかった際に、そのテンションを、以下の箇所で受け止める。すなわち、そのテンションを、ケーブルホルダ11の上側の保持壁14の円形孔14aの内周壁や下側の保持壁15の半円状切欠15aの内周壁などに伝え、それらの箇所でテンションを受け止める。また、ケーブルエンド113aにつながるケーブル113は、ケーブルガイド40の第2の保持腕53の上側に位置しながら下側のガイド溝46に嵌まっているので、ケーブルエンド113aが脱落するおそれもない。
(開放用ケーブルの配索)
次にその状態で、図9(a)、(b)に示すように、後方から前方に向かって延びている開放用ケーブル112のケーブルエンド112aを、ローラユニット1の開放用ケーブルエンド保持部17に係止する。
その場合、まず、図10および図11に示すように、後方から前方に向かって延びている開放用ケーブル112を、ケーブルガイド40の上側のガイド溝45に挿入する。ここで、前述したように、ケーブルガイド40の上側のガイド溝45の溝内底面と、ケーブルホルダ11の上側の保持壁14の車内側の端面14bとの位置が揃っているので、開放用ケーブル112を段差なくスムーズに直線状にガイド溝45に挿入することができる。また、ガイド溝45の前端からはみ出た開放用ケーブル112のケーブルエンド112aの近傍部分を、湾曲案内部44に掛け回しながら、湾曲案内部44の終点部48のケーブル引出溝48aに挿入する。
こうすることで、前方に向かって延びた開放用ケーブル112のケーブルエンド112aの近傍部分の配索方向を、後方に向けてUターン(反転)させる。湾曲案内部44の終点部48の車外側端部48bは、ベースブラケット2の縦壁3aの前端側の側縁に形成した切欠3eを通して縦壁3aの車外側に露出している。このため、ケーブル引出溝48aの出口48eから引き出された開放用ケーブル112は、ベースブラケット2の縦壁3aの車外側に導出される。
そして、開放用ケーブル112のケーブルエンド112aの近傍部分を後方に向けて配索しながら、ケーブルエンド112aの直前部分を、図5に示すように、ベースブラケット2の縦壁3aの後端側の側縁に形成した切欠3fに通す。そして、ケーブルエンド112aを、図12中の矢印M2で示すように、縦壁3aの背後(車内側)のケーブルホルダ11の開放用ケーブルエンド保持部17に係止する。
この場合、円柱状のケーブルエンド112aは、図4に示すように、ベースブラケット2の縦壁3aの車内側の板面とケーブルホルダ11の開放用ケーブルエンド保持部17との間の空所に収容されるので、開放用ケーブル112にテンションがかかっている状態で確実に抜け止めされる。ここで、開放用ケーブル112に加わるテンションは、ケーブルエンド112aからケーブルホルダ11やベースブラケット2に伝えられ、これらの部分で受け止める。
このように配索されることにより、開放用ケーブル112は、図10に示すように、水平ローラ10a、10bや垂直ローラ21のローラ支持部(ベースブラケット2のローラ取付座9a、9bや縦壁3aによる垂直ローラ21の支持部分など)の外側を取り囲んだ状態となる。
以上の説明のように、開放用ケーブル112のケーブルエンド112aは、テンショナーによるテンションがかかった状態でローラユニット1に接続する必要があるが、開放用ケーブル112のケーブルエンド112aの近傍部分を、ケーブルガイド40の湾曲案内部44(配索方向反転部)に掛け回すことにより、その配索方向をU字状に反転させることができる。従って、湾曲案内部44を備えたローラユニット1を動滑車に見立てることが可能になり、開放用ケーブル112のケーブルエンド112aをケーブルホルダ11の開放用ケーブルエンド保持部17まで引っ張る際の力を理論的には動滑車の原理により低減することができる。
因みに、開放用ケーブル112をU字状に反転させずにケーブル保持位置まで引き寄せるとした場合は、閉鎖用ケーブル113の引張力と同じ力で反対方向に引き寄せる必要がある。ところが、動滑車の役割をする湾曲案内部44に開放用ケーブル112を掛け回して配索方向をU字状に反転させると、閉鎖用ケーブル113の引張力に対抗する開放用ケーブル112の本数が見かけ上2本になり、1本当たりの引っ張り力が1/2で済むことになる。つまり、開放用ケーブル112のケーブルエンド112aを、ケーブルホルダ11の所定の保持位置(開放用ケーブルエンド保持部)まで引き寄せる力を低減することができる。よって、ストッパによりテンションナーの作用の無効化を行わないでも、比較的小さい力で後から接続する開放用ケーブル112のケーブルエンド112aをローラユニット1に接続することができ、組付作業性の向上が図れる。
また、本実施形態では、開放用ケーブル112および閉塞用ケーブル113のケーブルエンド112a、113aの保持部(開放用ケーブルエンド保持部17および閉塞用ケーブルエンド保持部18)をケーブルホルダ11の片側(後端側)にまとめて配置しているので、コンパクトな構成にすることができる。
また、ケーブルガイド40の湾曲案内部(配索方向反転部)44を経由させることで、ローラ支持部の外側を取り囲むようにして、開放用ケーブル112を開放用ケーブルエンド保持部17まで導くので、ローラユニット1をセンターレール106に沿ってスライドさせる2本のケーブル(開放用ケーブル112および閉塞用ケーブル113)を、極力センターレール106に近い位置に寄せることができる。
また、本実施形態では、2つのケーブルエンド保持部17、18が設けられたケーブルホルダ11が金属製部品として構成されているので、ローラユニット1に対するケーブル112、113の接続強度を保証することができる。また、ケーブルガイド40が樹脂製部品として構成されているので、複雑で微妙な形状であっても製作が容易にできる。また、ケーブルホルダ11とケーブルガイド40を結合する際の圧入も容易にでき、組付性が向上する。
また、本実施形態では、ケーブルガイド40に開放用ケーブル112および閉塞用ケーブル113のガイド溝45、46がそれぞれ設けられているので、ケーブル112、113が配索しやすく、重なり等の支障も生じない。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、閉塞用ケーブル113と開放用ケーブル112を逆に置き換えてもよい。
1…ローラユニット
2…ベースブラケット(ブラケット)
3a…縦壁(ローラ支持部)
9a,9b…ローラ取付座(ローラ支持部)
10a,10b…水平ローラ
11…ケーブルホルダ
17…開放用ケーブルエンド保持部(保持位置)
18…閉塞用ケーブルエンド保持部(保持位置)
21…垂直ローラ
40…ケーブルガイド
44…湾曲案内部(配索方向反転部)
45,46…ガイド溝(ケーブルガイド溝)
101…車両本体
103…スライドドア
106…センターレール(ガイドレール)
110…スライドドア自動開閉装置(車両用開閉体駆動装置)
111…駆動ユニット(駆動装置)
112…開放用ケーブル
112a,113a…ケーブルエンド
113…閉塞用ケーブル

Claims (4)

  1. 車両本体に設けられたガイドレールに沿って、スライドドアをスライド可能に支持すると共に、前記スライドドアを自動開閉するための駆動装置に各々一端が連結された開放用ケーブルおよび閉塞用ケーブルの各々他端が連結されるローラユニットにおいて、
    前記ガイドレールと前記スライドドアとに跨るように設けられ、前記車両本体とは反対側の端部で前記スライドドアを支持するブラケットと、
    前記ブラケットの前記スライドドア側の端部に設けられ、前記ガイドレール内を転動するローラと、
    前記ブラケットの前記スライドドア側の端部に前記ブラケットと一体的に設けられ、前記開放用ケーブルおよび前記閉塞用ケーブルの各々他端を保持するケーブルホルダと、
    前記ケーブルホルダに着脱自在に設けられ、前記開放用ケーブルおよび前記閉塞用ケーブルの各々他端の近傍部分を、前記各々他端の前記ケーブルホルダに対する保持位置に向けてガイドするケーブルガイドと、
    を備え、
    前記ケーブルガイドの前記ガイドレールに沿う方向の一端側に、前記開放用ケーブルおよび前記閉塞用ケーブルのいずれか一方の前記他端の近傍部分の配索方向をU字状に反転させて前記他端を前記保持位置に導く配索方向反転部が設けられると共に、前記ケーブルホルダの前記ガイドレールに沿う方向の他端側に、前記開放用ケーブルおよび前記閉塞用ケーブルの各々他端のケーブルエンドを保持するケーブルエンド保持部が設けられ、
    前記ブラケットには、前記ローラを支持するローラ支持部が設けられ、
    前記開放用ケーブルおよび前記閉塞用ケーブルのいずれか一方は、前記ケーブルガイドの配索方向反転部を経由することにより、前記ローラ支持部の外側を取り囲むように配索されている
    ことを特徴とするローラユニット。
  2. 前記ケーブルエンド保持部が設けられた前記ケーブルホルダが金属製部品として構成され、
    前記ケーブルホルダに、樹脂製部品として構成された前記ケーブルガイドが圧入により結合されている
    ことを特徴とする請求項に記載のローラユニット。
  3. 前記ケーブルガイドに、前記開放用ケーブルおよび前記閉塞用ケーブルをそれぞれガイドするための2本のケーブルガイド溝が設けられている
    ことを特徴とする請求項1または請求項に記載のローラユニット。
  4. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のローラユニットと、
    前記開放用ケーブルおよび前記閉塞用ケーブルの各々一端が連結されている前記駆動装置と、を備える
    ことを特徴とする車両用開閉体駆動装置。
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