JP6558855B2 - ローラユニットおよび車両用開閉体駆動装置 - Google Patents
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Description
スライドドアは、車両本体の前後方向に沿って延在するガイドレールに、ローラユニットを介してスライド移動自在に支持されている。ガイドレールの前方には、車室内側に向かって湾曲形成された湾曲部が設けられている。そして、スライドドアは、全閉状態になる際、ローラユニットが湾曲部に案内されることにより、車両本体の側面と面一となるように車両本体の内側に引き込まれるようになっている。
そこで、ガイドレール側にローラユニットに接続される2つのケーブルの一端側を近づけるため、ケーブルガイド(ケーブル支持体)を設ける技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、手間がかかる加工を施すために、ローラユニットの組み付け性が悪化するばかりか、ローラユニットが大型化してしまうという課題がある。
また、ケーブルホルダにホルダ側貫通孔を形成すると共に、ケーブルガイドにガイド側貫通孔を形成するので、ブラケットに一体化されたケーブルホルダおよびケーブルガイドをセットすると共に、ローラをセットした後、各貫通孔に支軸を挿通し、この支軸をブラケットに取付けることができる。このため、ローラユニットの組み付け性を向上できる。
さらに、支軸を避けるようにケーブルホルダやケーブルガイドを形成する必要がないので、これらケーブルホルダやケーブルガイドを小型化できる。
また、ガイド側貫通孔の孔径が、かしめ部の外径よりも大きく設定されているので、ガイド側貫通孔を介してケーブルガイドの上から支軸を座屈変形させることができる。このため、ローラユニットの組み付け性を向上できる。
このため、ガイドレールに沿ってローラユニットがスライド移動する際、このスライド移動の途中でケーブルの配線経路長が変化してしまうことを抑制できる。
また、ケーブルに対する保持剛性を維持しつつ、組み付け性を向上できると共に、大型化を抑制可能な車両用開閉体駆動装置を提供できる。
また、ケーブルホルダにホルダ側貫通孔を形成すると共に、ケーブルガイドにガイド側貫通孔を形成するので、ブラケットに一体化されたケーブルホルダおよびケーブルガイドをセットすると共に、ローラをセットした後、各貫通孔に支軸を挿通し、この支軸をブラケットに取付けることができる。このため、ローラユニットの組み付け性を向上できる。
さらに、支軸を避けるようにケーブルホルダやケーブルガイドを形成する必要がないので、これらケーブルホルダやケーブルガイドを小型化できる。
図1は、本発明に係るスライドドア自動開閉装置110が搭載された車両100の側面図、図2は、スライドドア103の車両本体101への取り付け構造を示す平面図である。なお、以下の説明において、説明を簡単にするために、車両100の地面側を単に下側、車両100の天井側を単に上側、車両100の進行方向前方を単に前方、進行方向後方を単に後方などと表現して説明する。
なお、図示を省略するが、アッパーレール104、およびロアーレール105も前後方向に延在する直線部と、この直線部に対して車室内側に向かって湾曲形成された湾曲部とに、より構成されている。
そして、開放用ケーブル112は、開側プーリ114を介して一端が駆動ユニット111に連結され、他端がローラユニット1に連結されるように両者1,111に跨って配線されている。一方、閉塞用ケーブル113は、閉側プーリ115を介して一端が駆動ユニット111に連結され、他端がローラユニット1に連結されるように両者1,111に跨って配線されている。
(ローラユニット)
図3は、ローラユニット1を上側からみた斜視図、図4は、ローラユニット1を下側からみた側面図である。図5は、ローラユニット1からホルダ・ガイド120を取り外した状態を、上側からみた斜視図であって、図3に対応している。
図3〜図5に示すように、ローラユニット1は、一端がセンターアーム107の先端に取り付けられたベースブラケット2を有している。ベースブラケット2は、金属板にプレス加工等を施して形成されたものであって、断面略L字状に形成されたベース本体3を有している。ベース本体3は、上下方向に沿って延在する縦壁3aと、この縦壁3aの下端から水平方向に沿って屈曲延出する横壁3bと、により構成されている。そして、縦壁3aを車両本体101側であるセンターレール106側に向けた状態で配置している。
支軸23の両端には、それぞれ座屈変形させることにより形成されたかしめ部26が設けられている。これにより、ベースブラケット2からの支軸23の抜けが防止されると共に、支軸23からの垂直ローラ21の抜けが防止される。
図6は、ホルダ・ガイド120の斜視図である。
同図に示すように、ホルダ・ガイド120は、樹脂により形成されたものである。また、ホルダ・ガイド120は、ベースブラケット2の縦壁3a側に配置されたケーブルホルダ11と、ケーブルホルダ11のセンターレール106側に配置されたケーブルガイド40と、が一体成形されたものである。
ケーブルホルダ11は、開放用ケーブル112の他端に設けられている円柱状のケーブルエンド112a、および閉塞用ケーブル113の他端に設けられている円柱状のケーブルエンド113aを保持する機能を有している。
ケーブルホルダ11は、ベースブラケット2の幅方向に沿って長く形成されたホルダベース12を有している。なお、以下の説明では、ケーブルホルダ11の長手方向を単に長手方向と称し、ケーブルホルダ11の短手方向を単に短手方向と称して説明する場合がある。
また、貫通孔32の内周縁には、リング状のスペーサ13がセンターレール106側に向かって突出形成されている。このスペーサ13は、ホルダベース12と垂直ローラ21との間の隙間Sを確保するためのものである。また、スペーサ13は、垂直ローラ21の内輪21aに当接するように形成されている。
ここで、各側壁12a,12bは、ケーブルエンド挿入孔16a,16bを中心に、ホルダベース12の長手方向中央側がケーブルエンド保持部34とされ、長手方向両端側がケーブルフック35とされている。なお、これらケーブルエンド保持部34とケーブルフック35の役割については後述する。
ケーブルガイド40は、ケーブルホルダ11に固定される各ケーブル112,113のケーブルエンド112a,113a側を案内するためのものである。ケーブルガイド40は、ケーブルホルダ11の長手方向に沿って長く形成され、且つケーブルホルダ11の両端に設けられた側壁12a,12bに跨るように形成されている。
そして、ケーブルホルダ11とケーブルガイド40とが一体成形され、これらケーブルホルダ11とケーブルガイド40とにより囲まれた開口部120aに、垂直ローラ21が配置される。すなわち、ケーブルガイド40は、垂直ローラ21を挟んでケーブルホルダ11とは反対側に配置されている。
2つの側壁43,44の間の幅W2は、ケーブルホルダ11の第1側壁12aと第2側壁12bとの間の幅W1と同一に設定されている。また、2つの側壁43,44は、それぞれケーブルホルダ11の各側壁12a,12bに滑らかに連なるように形成されている。そして、これら底壁41と側壁43,44とにより、ガイド溝42が形成される。このガイド溝42に、各ケーブル112,113が配線される
次に、図7〜図9に基づいて、ローラユニット1の組付け方法およびローラユニット1の作用について説明する。
図7〜図9は、ローラユニット1の組付け手順を示す説明図である。
まず、図7に示すように、予めベースブラケット2に水平ローラ10a,10bを組み付けておく。
また、支軸23の端部を座屈変形させるにあたり、支軸23のベースブラケット2とは反対側端は、ホルダ・ガイド120のケーブルガイド40の上から工具等で支軸23の端部を押圧することになる。ここで、ケーブルガイド40には、湾曲部43a,44aによってかしめ部26が露出する程度の開口部45が形成されている。このため、ケーブルガイド40の上から容易に支軸23の端部を座屈変形させることができる。
続いて、ベースブラケット2を正規の向きに捻ることにより、ケーブルガイド40上で各ケーブル112,113が交差する(図9において実線で示す)。そして、ケーブルガイド40のガイド溝42に、各ケーブル112,113が収納される。
一方、図9において、閉塞用ケーブル113は右方に引き出されており、この閉塞用ケーブル113のケーブルエンド113aは、ホルダ・ガイド120の左側のケーブルエンド挿入孔16a,16bに挿入されている。そして、各ケーブルエンド112a,113aから引き出された各ケーブル112,113は、ケーブルガイド40上で交差した形でガイド溝42に収納されている。
さらに、ホルダ・ガイド120には、スペーサ13が一体成形されているので、支軸23の両端を座屈変形させた場合であっても、ホルダベース12と垂直ローラ21との間に、確実に隙間Sが形成される。しかも、スペーサ13は、垂直ローラ21の内輪21aに当接するように形成されている。このため、垂直ローラ21をスムーズに転動させることができ、効率よくローラユニット1を動作させることができる。
このため、このセンターレール106に、各ケーブル112,113を極力近づけることができる。よって、センターレール106が直線部106aと湾曲部106bとにより構成されている場合であっても、ローラユニット1のスライド位置によって各ケーブル112,113の配線経路長が変化してしまうことを抑制できる。
(ローラユニット)
次に、この発明の第2実施形態を図10〜図13に基づいて説明する。なお、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明をする。
図10は、ローラユニット201を上側からみた斜視図であって、前述の図3に対応している。図11は、ローラユニット201を下側からみた斜視図である。
図12は、ケーブルホルダ211の斜視図である。
図10〜図12に示すように、ケーブルホルダ211は、ベースブラケット2の幅方向に沿って長く形成されたホルダベース212を有している。ホルダベース212は、ベースブラケット2に溶接等によりベースブラケット2と一体化されている。また、ホルダベース212は断面略コの字状に形成されており、ベースブラケット2に接する底壁212aと、底壁212aの短手方向両側から立ち上がり形成された2つの側壁212b,212c(第1側壁212b、第2側壁212c)と、により構成されている。
また、各側壁212b,212cは、ベース拡大部231に対応する位置が大きく切り欠かれており、この側壁212b,212cの切り欠かれた箇所とベース拡大部231とが、垂直ローラ配置部233とされている。この垂直ローラ配置部233に、垂直ローラ21が配置される。垂直ローラ21を枢支する支軸23は、基端がホルダベース212の貫通孔232を介してベースブラケット2に固定されている。
さらに、第2側壁212cの内周側が、ケーブルエンド挿入孔236bとされている。また、ケーブルエンド保持部234およびケーブルフック235は、全体として略C字状になっているので、第2側壁212cのうち、ケーブルフック235を構成している箇所には、車幅方向略中央にスリット237が形成されている。
そして、カラー243を介し、各ケーブルエンド挿入孔236a,236bに、ケーブルエンド112a,113aが挿入される。また、スリット237を介し、第2側壁212cの上下方向外側から内側に各ケーブル112,113が挿入される。そして、このように構成されたケーブルホルダ211に、ケーブルガイド240が取り付けられる。
図13は、ケーブルガイド240の斜視図である。
図10、図11、図13に示すように、ケーブルガイド240は、断面略L字状に形成された取付部241を有している。取付部241は、水平ローラ取付座9a,9bに面する横壁241aと、横壁241aの下側縁から下方に向かって屈曲延出する縦壁241bと、により構成されている。
また、膨出部252からガイド部253に至る間の略中央には、ガイド溝242に一部が重なるようにビード部254が形成されている。このビード部254は、縦壁241bおよびガイド部253の剛性を高めるためのものである。ビード部254は、車内外方向からみて円形状に形成されており、且つ垂直ローラ21側に若干凹むように形成されている。
また、ケーブルホルダ211とケーブルガイド240を、それぞれ金属板にプレス加工を施すことにより形成した場合であっても、1つのケーブルガイド240に1つのガイド溝242を形成するだけで、このガイド溝242に纏めて2つのケーブル112,113を配線することができる。このため、ローラユニット201を小型化できる。
2…ベースブラケット(ブラケット)
11,211…ケーブルホルダ
13…スペーサ
21…垂直ローラ(ローラ、転がり軸受)
21a…内輪
21b…外輪
23…支軸
26…かしめ部
32…貫通孔(ホルダ側貫通孔)
34,234…ケーブルエンド保持部
35,235…ケーブルフック
40,240…ケーブルガイド
42,242…ガイド溝
45…開口部(ガイド側貫通孔)
101…車両本体
103…スライドドア
106…センターレール(ガイドレール)
110…スライドドア自動開閉装置(車両用開閉体駆動装置)
111…駆動ユニット(駆動装置)
112…開放用ケーブル
112a,113a…ケーブルエンド
113…閉塞用ケーブル
Claims (8)
- 車両本体に設けられたガイドレールに沿って、スライドドアをスライド可能に支持すると共に、前記スライドドアを自動開閉するための駆動装置に一端が連結されている開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルの各々他端が連結されるローラユニットにおいて、
前記ガイドレールと前記スライドドアとに跨るように設けられ、前記車両本体とは反対側の端部で前記スライドドアを支持するブラケットと、
前記ブラケットに立設された支軸と、
前記支軸に回転自在に支持され、前記ガイドレール内を転動するローラと、
前記ブラケットの前記支軸が立設されている位置に配置され、前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルの各々他端を保持するケーブルホルダと、
前記ローラを挟んで前記ケーブルホルダとは反対側に配置されていると共に、該ケーブルホルダに一体的に設けられ、前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルをガイドするケーブルガイドと、
を備え、
前記ケーブルホルダに、前記支軸を挿通可能なホルダ側貫通孔を形成し、
前記ケーブルガイドに、前記支軸を挿通可能なガイド側貫通孔を形成したことを特徴とするローラユニット。 - 少なくとも前記支軸の前記ケーブルガイド側の端部は、前記支軸の軸径よりも拡径形成されたかしめ部を有し、
前記ガイド側貫通孔の孔径は、前記かしめ部の外径よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のローラユニット。 - 前記ケーブルガイドに、前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルを配線するためのガイド溝を形成し、
該ガイド溝上に前記ガイド側貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のローラユニット。 - 前記ローラは、内輪と外輪とを有する転がり軸受であり、
前記ケーブルホルダのホルダ側貫通孔の周囲に、前記内輪に当接すると共に前記ケーブルホルダと前記ローラとの間の隙間を確保するスペーサが設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のローラユニット。 - 前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルは、それぞれ前記ケーブルガイド上で交差させた状態で前記ケーブルガイドによってガイドされていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のローラユニット。
- 前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルの各々他端は、それぞれ柱状のケーブルエンドを備えており、
前記ケーブルホルダは、
前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルの各々他端の張力がかかる側に配置されたケーブルエンド保持部と、
前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルの各々他端の前記ケーブルエンド保持部とは反対側に配置されたケーブルフックと、
を備え、
前記ケーブルエンド保持部と前記ケーブルフックとにより、各前記ケーブルエンドの外周部が挟持されていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のローラユニット。 - 前記ケーブルガイドにより、前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルは、これら開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルの各々他端よりも前記ガイドレール側にオフセットされた形で配線されていることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のローラユニット。
- 請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のローラユニットと、
前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルの各々一端が連結されている前記駆動装置と、
を備えたことを特徴とする車両用開閉体駆動装置。
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