JP6815829B2 - 現像剤容器、現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置 - Google Patents

現像剤容器、現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は現像剤としてのトナーを収納する現像剤容器、および現像剤容器を用いる現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置に関するものである。
ここで、電子写真画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」ともいう)とは、電子写真画像形成方式を用いて記録材(記録媒体)に画像を形成するものである。画像形成装置の例としては、複写機、プリンタ(レーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置、ワードプロセッサ、及び、これらの複合機(マルチファンクションプリンタ)などが含まれる。
電子写真画像形成方式(電子写真プロセス)を用いたプリンタ等の画像形成装置では、像担持体としての電子写真感光体(以下、「感光体」という)を一様に帯電させる。次いで、帯電した感光体を選択的に露光することによって、感光体上に静電像を形成する。次いで、感光体上に形成された静電像を、現像剤としてのトナーでトナー像として顕像化する。そして、感光体上に形成されたトナー像を、記録用紙、プラスチックシート等の記録材に転写し、更に記録材上に転写されたトナー像に熱や圧力を加えることでトナー像を記録材に定着させることで画像記録を行う。
このような画像形成装置には、一般に、各種のプロセス部材のメンテナンスを必要とする。この各種のプロセス部材のメンテナンスを容易にするために、上述のような感光ドラム、帯電部材、現像部材、クリーニング部材等を枠体内にまとめてカートリッジ化したものがある。そして、このカートリッジ(プロセスカートリッジ)を画像形成装置(装置本体)に着脱可能なとすることが実用化されている。プロセスカートリッジ方式によれば、ユーザビリティーに優れた画像形成装置を提供することができる。
ここで、トナー収納室と現像室とを連通する開口を、トナーシール部材を用いて封止し、トナー収納室に設けられた回転部材によって、トナーシール部材を剥離するものがある。そして、この回転部材を画像形成装置の装置本体によって駆動して巻き取る構成がある。(特許文献1)
このような構成において、トナーシール部材にテーパを設けて、巻き取り力を低減させるものが提案されている(特許文献2)。また、トナーシール部材の一部をたるませることによって、巻き取りタイミングを異ならせ、巻き取り力を低減させるものが提案されている(特許文献3)
特開平8−292634号公報 特開昭63−294583号公報 特開2014−112206号公報
本発明は、現像剤収納室から現像剤を排出する開口を封止する封止部材が固定され、回転することで封止部材を剥離する開封部材が設けられた構成において、開封部材を回転するために必要な力を低減させることを目的とする。
上記課題を解決するため、本出願にかかる発明は、
現像剤を収納する現像剤容器であって、
前記現像剤を収納する現像剤収納室と前記現像剤収納室から前記現像剤を排出する開口とが設けられた枠体と、
前記枠体に剥離可能に固定され、前記開口を封止する封止部材であって、前記現像剤収納室に備えられた封止部材と、
前記枠体に回転可能に支持され、前記封止部材を剥離する開封部材であって、前記現像剤収納室に備えられた開封部材と、
前記開封部材と接続し、前記開封部材を回転させる駆動部材と、
を有し、
前記封止部材は、前記開封部材に固定される第1の固定部と、前記開口の周りにおいて前記枠体に固定される第2の固定部と、前記開封部材の回転軸線方向において、前記駆動部材が配置される駆動側に位置する駆動側端部と、前記駆動側の反対側の被駆動側に位置する被駆動側端部と、を有し、
前記開封部材は、前記第2の固定部の長手方向と交差する方向に、前記封止部材を剥離するように構成され、
前記第1の固定部と前記第2の固定部の間における前記封止部材の面積が、前記回転軸線方向における前記第2の固定部の中央から前記駆動側よりも、前記中央から前記被駆動側が小さくなるように、前記第1の固定部と前記第2の固定部の間において、前記封止部材の前記被駆動側端部に前記被駆動側から前記駆動側に向かう傾斜部が形成されることを特徴とする現像剤容器である。
また、本発明は上記現像剤容器を用いる現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置にも用いることができる。
本出願に係る発明により、封止部材を回転させる際に、現像剤の負荷によって、開封部材の回転に係る負荷が上昇することを抑制できる。したがって、本発明は、現像剤収納室から現像剤を排出する開口を封止する封止部材が接着され、回転することで封止部材を剥離する開封部材が設けられた構成において、開封部材を回転するために必要な力を低減させることができる。
第1の実施例におけるトナーシール部材、回転部材、現像枠体の構成を説明する図 電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジの概略断面図 電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジの斜視図 プロセスカートリッジの概略断面図 トナーシール部材開封動作を説明するプロセスカートリッジの断面図 比較例のトナーシール部材の形状、固定部を説明する分解斜視図 第1の実施例におけるトナーシール部材の形状、固定部を説明する分解斜視図 回転部材の長手方向の変形量を示す説明図 トナーシール部材の取り付け説明図 回転部材のねじれの影響を説明する図。 トナーシール部材、開封部材の形状を説明する図。 第2実施形態を説明する図 第3実施形態を説明する図。
[実施例1]
<電子写真画像形成装置>
先ず、本発明に係る電子写真画像形成装置(画像形成装置)の一実施例の全体構成について図2、図3を用いて説明する。図2は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。図3は、画像形成装置100にプロセスカートリッジ7を装着する斜視図である。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。
本実施例では、第1〜第4の画像形成部の構成及び動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。
画像形成装置100は、像担持体としての感光ドラム(感光体)1を有する。本実施例では、画像形成装置100は、4個の感光ドラム1(1Y、1M、1C、1K)を有する。感光ドラム1は、図示矢印A方向に回転する。感光ドラム1の周囲には帯電ローラ2及びスキャナユニット(露光装置)3が配置されている。
ここで、帯電ローラ2は、感光ドラム1の表面を均一に帯電する帯電部材である。そして、スキャナユニット3は、画像情報に基づきレーザーを照射して感光ドラム1上に静電像(静電潜像)を形成する露光装置である。又、感光ドラム1の周囲には、現像装置(以下、現像ユニット)4(4Y、4M、4C、4K)及びクリーニング部材としてのクリーニングブレード6(6Y、6M、6C、6K)が配置されている。
更に、4個の感光ドラム1に対向して、感光ドラム1上のトナー像を記録材12に転写するための中間転写体としての中間転写ベルト5が配置されている。
また、現像ユニット4は、現像剤として非磁性一成分現像剤、即ち、トナーT(TY、TM、TC、TK)を用いて、感光ドラム1上にトナー像を形成するものである。現像ユニット4は、感光ドラム1に形成された静電潜像を現像する現像剤担持体としての現像ローラ22を有する。本実施例では、現像ローラ22を感光ドラム1に対して接触させて接触現像を行う。現像ローラ22は、感光ドラム1上に形成された静電潜像を、トナーTによって現像する。
本実施例では、感光体ユニット13は、感光ドラム1と、帯電ローラ2、および、清掃部材としてのクリーニングブレード6を備える。また、感光体ユニット13は、感光ドラム1上に残留している転写残トナー(廃トナー)を収容する除去現像剤収容部(以下廃トナー収容部と称す)14a(14aY、14aM、14aC、14aK)を有する。
さらに本実施例では、現像ユニット4および感光体ユニット13を、一体的にカートリッジ化して、プロセスカートリッジ7を形成している。プロセスカートリッジ7は、画像形成装置100に設けられた不図示の装着ガイド、位置決め部材などの装着部材を介して、画像形成装置100に着脱可能となっている。
本実施例では、プロセスカートリッジ7は、図3矢印Gで示すように、感光ドラム1の軸線方向に沿って、画像形成装置100に対して着脱可能である。
本実施例では、各色用のプロセスカートリッジ7は全て同一形状である。各色用のプロセスカートリッジ7内には、それぞれイエロー(TY)、マゼンタ(TM)、シアン(TC)、ブラック(TK)の各色のトナーT(TY、TM、TC、TK)が収納されている。
中間転写ベルト5は、全ての感光ドラム1に当接し、図示矢印B方向に回転する。中間転写ベルト5は、複数の支持部材(駆動ローラ26、二次転写対向ローラ27、従動ローラ28)に掛け渡されている。
中間転写ベルト5の内周面側には、各感光ドラム1に対向するように、一次転写部材としての、4個の一次転写ローラ8(8Y、8M、8C、8K)が並設されている。又、中間転写ベルト5の外周面側において二次転写対向ローラ27に対向する位置には、二次転写部材としての二次転写ローラ9が配置されている。
<画像形成プロセス>
画像形成時には、先ず、感光ドラム1の表面が帯電ローラ2によって一様に帯電される。次いで、スキャナユニット3から発された画像情報に応じたレーザー光によって、帯電した感光ドラム1の表面が走査露光され、感光ドラム1上に画像情報に従った静電潜像が形成される。次いで、感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像ユニット4によってトナー像として現像される。感光ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ8の作用によって中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。
例えば、フルカラー画像の形成時には、上述のプロセスが、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて順次に行われ、中間転写ベルト5上に各色のトナー像が順次に重ね合わせて一次転写される。その後、中間転写ベルト5の移動と同期して記録材12が二次転写部へと搬送される。そして、記録材12を介して中間転写ベルト5に当接している二次転写ローラ9の作用によって、中間転写ベルト5上の4色トナー像は、一括して記録材12上に二次転写される。
トナー像が転写された記録材12は、定着部材としての定着装置10に搬送される。定着装置10において記録材12に熱及び圧力を加えられることで、記録材12にトナー像が定着される。
一次転写工程後に感光ドラム1上に残留した一次転写残トナーは、クリーニングブレード6によって除去される。また、二次転写工程後に中間転写ベルト5上に残留した二次転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置11によって除去される。
除去された転写残トナー(廃トナー)は、画像形成装置100の廃トナーボックス(不図示)に排出される。
画像形成装置100は、所望の単独又はいくつか(全てではない)の画像形成部のみを用いて、単色又はマルチカラーの画像を形成することもできるようになっている。
図2に示すように、本実施例では、複数の感光ドラム1を、鉛直方向と交差する方向に一列に配置している。さらに、複数の感光ドラム1を、中間転写ベルト5の下方に配置した。
感光ドラム1を中間転写ベルト5転写体の下方に配置する場合、画像形成装置本体内において、中間転写ベルト5を間に挟んで、例えば定着装置10と現像ユニット4(またはスキャナユニット)とを離れた位置に配置することができる。そのため、現像ユニット4(またはスキャナユニット)が定着装置10の熱の影響を受け難いなどの利点がある。
なお、中間転写ベルト5にかえて、記録材を搬送する記録材担持体を用いた場合も、上記利点は得られる。
<プロセスカートリッジ>
次に、本実施例の画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジ7の全体構成について、図4を用いて説明する。図4は、プロセスカートリッジ7の概略断面図であり、プロセスカートリッジ7が画像形成装置100に収納され、画像形成を行う際の姿勢を示している。
現像ユニット4は、トナーを収納する現像剤容器を備える。現像剤容器は、トナーTと、トナーTを収納する枠体としての現像枠体18を備える。さらに、現像ユニット4には、感光ドラム1と接触して図4に示す矢印D方向(反時計方向)に回転する現像剤担持体としての現像ローラ22が設けられている。現像ローラ22は、その長手方向(現像ローラ回転軸線方向)の両端部において、軸受を介して回転可能に現像枠体18に支持されている。
現像枠体18には、トナーを収納する現像剤収納室(以下、トナー収納室)18aと、現像ローラ22を収納する現像室18bが設けられる。トナー収納室18aと現像室18bとの間は、隔壁18dによって仕切られている。隔壁にはトナー収納室18aと現像室18bとを連通する開口18cが設けられる。すなわち、開口18cは、トナー収納室18aから現像室18bに、トナーを排出するものである。なお、本実施例では、重力方向において、現像室18bはトナー収納室18aの上方に位置する。
現像室18bには、現像ローラ22に接触して矢印E方向に回転する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ20と現像ローラ22のトナー層を規制するための現像剤規制部材としての現像ブレード21が配置されている。
現像枠体18のトナー収納室18aの内部には、開口18cを封止する封止部材としてのトナーシール部材23cが設けられている。トナーシール部材23cは、現像枠体18の開口18cの周りに対して、剥離可能に接着されている。トナーシール部材23cは、可撓性を有するシート状の部材である。トナーシール部材23cは、現像枠体18の材料と相溶性のある材料または接着層を有する材料で構成されている。
現像枠体18のトナー収納室18aの内部には、トナーシール部材23cを現像枠体18から剥離する開封部材としての回転部材(軸部材)23aが設けられている。回転部材23aは、回転軸線23a0を中心に矢印F方向に回転可能なように、現像枠体18に支持されている。回転部材23aは、樹脂などによって構成され、可撓性を有し、弾性変形が可能である。ここで、重力方向において、開口18cは、回転軸線23a0の上方に位置する。
回転部材23aの回転軸線23a0の方向(回転軸線方向)と交差(例えば、本実施例では直交)する方向において、トナーシール部材23cの一端側(先端側)は、現像枠体18に接着されている。そして、トナーシール部材23cの他端側(固定側)は、回転部材23aに固定されている。回転部材23aが回転すると、トナーシール部材23cは、回転部材23aの周りに巻き付けられる。そして、トナーシール部材23cは、現像枠体18から剥離される。すなわち、回転部材23aは、回転することによってトナーシール部材23cを巻き取るものである。
また、現像枠体18のトナー収納室18aには、収納されたトナーTを撹拌するとともに、開口18cを介して、現像ローラ22やトナー供給ローラ20へトナーを搬送するための搬送部材(搬送シート)23bが設けられている。搬送部材23bは、可撓性を有するシート状の部材である。回転部材23aの回転軸線方向と交差(直交)する方向において、搬送部材23bの一端側(先端側)は自由端である。また、搬送部材23bの他端側(固定側)は回転部材23aに固定されている。搬送部材23bは、回転部材23aと共に回転可能である。搬送部材23bの一端側(先端23b1)は、トナー収納室18aの内壁(現像枠体18の内壁)の、少なくとも一部と接触する。
本実施例では、少なくとも枠体としての現像枠体18、現像剤としてのトナーT、封止部材としてのトナーシール部材23c、開封部材としての回転部材23aを備えたものを、現像剤容器と呼ぶ。また、現像剤容器に少なくとも現像ローラ22が備えられたものを、現像ユニット4と呼ぶ。すなわち、現像ユニット4には、現像剤容器が含まれている。また、回転部材23a、トナーシール部材23c、搬送部材23bを備えたものを、搬送ユニット(開封部材ユニット)23と呼ぶ。
感光体ユニット13は、感光体ユニット13内の各種要素を支持する枠体としてのクリーニング枠体14を有する。クリーニング枠体14には、軸受部材を介して感光ドラム1が図4に示す矢印A方向に、回転可能に取り付けられている。
また、クリーニング枠体14には、帯電ローラ軸受15が、帯電ローラ2の回転中心と感光ドラム1の回転中心とを通る線に沿って、取り付けられている。ここで、帯電ローラ軸受15は、図4に示す矢印C方向に移動可能に取り付けられている。帯電ローラ2は、帯電ローラ軸受15に回転可能に取り付けられている。そして、帯電ローラ軸受15は、付勢部材としての帯電ローラ加圧バネ16により感光ドラム1に向かって付勢される。
また、クリーニングブレード6は、一次転写後に感光ドラム1の表面に残った転写残トナー(廃トナー)を除去するための弾性部材6aと、弾性部材を支持するための支持部材6bとが一体に形成されている。
クリーニングブレード6によって感光ドラム1の表面から除去された廃トナーは、クリーニングブレード6とクリーニング枠体14により形成される空間を重力方向に落下し、廃トナー収容部14a内に収容される。
本実施例では、感光体ユニット13と現像ユニット4を結合して、プロセスカートリッジ7としている。そして、プロセスカートリッジ7を画像形成装置に着脱可能なものとした。しかし、感光体ユニット13と、現像ユニット4は、独立して画像形成装置に着脱可能であってもよい。また、現像剤容器が、独立して画像形成装置に着脱可能であってもよい。
<トナーシール部材による開口の封止>
本実施例における、トナーシール部材23cによる開口18cの封止について説明する。図9(a)は、本実施例におけるトナーシール部材23cの取り付け構成について説明する断面図である。図9(b)は、本実施例における本実施例におけるトナーシール部材23cの取り付け構成について説明するための分解図である。なお、図9(b)は、トナーシール部材23cが伸ばされた状態(後述する折り返し部23c6がのばされた状態)を示している。
図9(a)、図9(b)に示すように、トナーシール部材23cは、一端側において、現像枠体18の開口18cの周りおいて、現像枠体18に接着される接着部30を有する。本実施例では、トナーシール部材23cと現像枠体18は熱溶着で接着される。接着部30とは、トナーシール部材23cと現像枠体18が、互いに接着されている部分を指す。回転部材23aは、回転の中心である回転軸線23a0の周りに、図中矢印F方向に回転する。回転部材23aの断面は、外形が多角形であり、本実施例では角が丸められた四角形である。トナーシール部材23cは、他端側において、回転部材23aのシール固定面に対して固定される固定部31を有している。なお、トナーシール部材23cの先端を、先端部23c1と呼ぶ。そして、回転部材23aの回転方向の下流側に位置する面を、下流面23c4と呼ぶ。
回転部材23aが回転すると、接着部30と固定部31の間でトナーシール部材23cが図中矢印P1方向に引っ張られる。このP1方向を、引張方向と呼ぶ。トナーシール部材23がP1方向に引っ張られると、接着部30は徐々に剥離していき、図中矢印P2の方向に、開口18cが露出する。この、開口18cの露出が進行する方向(接着部30の剥離が進行していく方向)P2を、開封方向と呼ぶ。
図9(b)に示すように、回転部材23aの回転軸線方向は、接着部30の長手方向(開口18cの長手方向と略同一)に延びている。本実施例では、接着部30の長手方向と、回転軸線方向は平行である。すなわち、回転部材23aは、接着部30の長手方向と交差する方向(好ましくは直交方向)に向けて、トナーシール部材23を引張り、開封(剥離)する。言い換えると、トナーシール23cの引張方向P1と、開封方向P2が、接着部30の長手方向(または回転部材23aの回転軸線方向)と交差する方向(好ましくは直交方向)である。
一方、回転部材23aの回転軸線方向において、回転部材23aの一端には、回転部材23aに駆動を伝え、回転部材23aを回転させる駆動部材としてのギア23eが接続されている。ギア23eと回転部材23aは、回転部材23aの回転軸線方向の一端に設けられた不図示の取り付け穴に、ギア23eの取り付け突起を差し込むことで接続される。ギア23eは、画像形成装置に備えられた不図示の駆動源から駆動入力を受けて回転する。すなわち、回転部材23aは画像形成装置によって回転させられ、トナーシール部材23cの開封や、搬送部材23bの回転が行われる。ここで、回転部材23aの長手方向(回転軸線方向(図1(b)H方向))において、ギア23eが接続される側を駆動側とよぶ。回転軸線方向において、駆動側に対向する側(反対側)を被駆動側(非駆動側)と呼ぶ。トナーシール部材23cの端部のうち、回転部材23aの回転軸線方向において、駆動側に位置する端部を、駆動側シール端部(駆動側端部)23c2と呼ぶ。
一方、回転部材23aの被駆動側は、現像枠体18に回転可能に支持されている(被支持部23a5)。また、トナーシール部材23cの端部のうち、回転部材23aの回転軸線方向において、被駆動側に位置する端部を、被駆動側シール端部(被駆動側端部)23c3と呼ぶ。
図9(b)に示すように、接着部30は、開口18cの周囲を囲むように形成されている。ここで、接着部30は、接着部30の長手方向に延びる接着部と、長手方向に交差する方向(本実施例では直交する方向)である短手方向に延びる接着部とを有する。このうち、長手方向に延びる接着部であって、開封方向P2で開口18cの上流側に位置する接着部が接着部30a(上流側接着部)であり、開封方向P2で開口18cの下流側に位置する接着部が接着部30b(下流側接着部)である。また、短手方向に延びる接着部であって、駆動側に位置する接着部が接着部30c(駆動側接着部)である。被駆動側に位置する接着部が、接着部30d(被駆動側接着部)である。接着部30a、接着部30b、接着部30c、接着部30dは開口18cの開口縁に沿って連続的に形成されている。これにより、トナー収納室18aに収納されたトナーTの封止が可能になる。
図9(a)に示すように、本実施例では、固定部31と接着部30の間で、トナーシール部材23cは折り返されている(折り返し部23c6)。そして、接着部30(少なくとも接着部30a)を剥離するとき、接着部30からトナーシール部材23cの先端部23c1に向かう方向を引張方向P1として引っ張られる。すなわち、トナーシール部材23cは、開封方向P2で下流側に位置する接着部30bから、上流側に位置する接着部30aに向かう方向P3に対して、逆方向を含む方向に引っ張られる。
言い換えると、トナーシール部材は折り返し部23c6で折り返された状態で剥離される。そして、引張方向P1は、折り返し部23c6からトナーシール部材23cの先端部23c1に向かう方向P4(本実施例ではP2と同一方向)を含む方向である。なお、引張方向P1と、折り返し部23c6からトナーシール部材23cの先端部23c1に向かう方向P4は、完全に一致している必要はない。
こうすることで、接着面に対して、90度以上傾斜(図中θ)させてトナーシール部材23cを引っ張ることができ、トナーシール部材23cを剥離する際の負荷を低減できる。これを本実施例では傾斜剥離と呼ぶ。
<トナーシール部材、回転部材、現像枠体の構成>
本実施例におけるトナーシール部材23cによって開口18cを開封可能に封止する接着部30と、トナーシール部材23cを回転部材23aに固定させる固定部31の構成について、図1(a)〜(b)、図4を用いてさらに説明する。
図1(a)はトナーシール部材23c、回転部材23a、現像枠体18を組み付けた様子を示す分解斜視図である。
図1(b)は回転部材23aと回転部材23aへ画像形成装置100からの駆動を伝達するためのギア23eが組み付けられた状態を示す分解斜視図である。
上述のように、回転部材23aの長手方向(回転軸線方向)(図1(b)H方向)の一端側でギア23eが設けられている側が駆動側であり、他端側が被駆動側である。
また、図1(a)に示すように、トナーシール部材23cの端部のうち、回転部材23aの回転軸線方向において、駆動側に位置する端部が、駆動側シール端部(駆動側端部)23c2である。また、トナーシール部材23cの端部のうち、回転部材23aの回転軸線方向において、被駆動側に位置する端部が、被駆動側シール端部(被駆動側端部)23c3である。トナーシール部材23cは、回転部材23aに熱溶着等によって固定される。この部分が固定部31である。固定部31のうち、回転部材23aの回転軸線方向において、駆動側の端部を、駆動側固定部端部31aとよぶ。固定部31のうち、被駆動側の端部を被駆動側固定部端部31bとよぶ。駆動側固定部端部31aは駆動側シール端部23c2近傍に位置し、被駆動側固定部端部31bは開口18cの長手方向において、開口18cの中央部よりも被駆動側に位置する。
トナーシール部材23cは開口18cを覆い、かつ回転部材23aに取り付け可能な長さが必要である。また、前述した傾斜剥離をするために、トナーシール部材23cは、折り返すことができるような長さが必要である。また、トナーシール部材23cの開封後にトナーシール部材23cの先端部23c1が撹拌シート23bの先端部23b1にかからない構成としている。(不図示)
図1(a)に示すように、トナーシール部材23cの先端部23c1側は、開口18cの開口縁に沿って現像枠体18に熱溶着等によって剥離可能に接着(固定)されている。上述したように、この接着部が接着部30である。また、接着部30は、開封方向において、開口18cの上流側に位置する、長手方向の接着部30a、下流側に位置する長手方向の接着部30bを有する。さらに、駆動側に位置する短手方向の接着部30c、被駆動側に位置する短手方向の接着部30dを有する。接着部30a、接着部30b、接着部30c、接着部30dは開口18cの開口縁に沿って連続的に形成されている。これにより、トナー収納室18aに収納されたトナーの封止が可能となる。
<トナーシール部材および開封部材の形状>
トナーシール部材および開封部材の形状を、図1、図7、図11を用いて説明する。図7は本実施例の構成を示す図である。図11はトナーシール部材の形状を説明する図である。
図1(a)、図7に示すように、トナーシール部材23cには、回転部材23aに固定される固定部31と、現像枠体18への接着部30の間に凹部23c5が設けられている。
凹部23c5は、トナーシール部材23cの被駆動側シール端部23c3に形成されている。凹部23c5は、被駆動側シール端部23c3の一部が、駆動側シール端部23c2に向かって退避するように(凹形状を有するように)、形成された部分である。すなわち、被駆動側シール端部23c3の一部が、被駆動側から駆動側に向かって傾斜する部分を有している。本実施例では、被駆動側シール端部23c3の一部は、接着部30から固定部31に向かう方向、かつ被駆動側から駆動側に向かう方向に傾斜している。
図11(a)に示すように、回転軸線方向(H方向)において、被駆動側シール端部23c3の最外側部23c31と、最内側部23c32の距離を距離Dh1とする。駆動側シール端部23c2の最外側部23c21と、最内側部23c22の距離を距離Dh2とする。このとき、凹部23c5が設けられることにより、距離Dh1は、距離Dh2よりも大きい。なお、本実施例においては、駆動側シール端部23c2は直線形状をしているため、駆動側シール端部23c2の最外側部23c21と、最内側部23c22のH方向における位置は等しく、Dh2はゼロである。
この凹部23c5が設けられることにより、下流面23c4の面積は減らされている。図11(b)に示すように、接着部30と固定部31の間において、回転部材23aの回転軸線方向H(接着部30長手方向)における接着部30の中央30eから駆動側の面積V2よりも、接着部30の中央30eから被駆動側の面積V1が小さい。なお、接着部30の中央30eは、本実施例では開口18cの中央と一致する。
本実施例では、凹部23c5は、被駆動側シール端部23c3で最も大きくなるように形成される。すなわち、下流面23c4の面積は、被駆動側に向かって小さくなるように形成される。また、凹部23c5と、凹部23c5よりも被駆動側においては、固定部31と接着部30の間がトナーシール部材23cで連結されていない。したがって、凹部23c5が、被駆動側シール端部23c3の一部を形成する形になっている。
現像枠体18の短手方向(回転部材23aの回転軸線方向と交わる(直交する)方向)において、凹部23c5の接着部側凹部端23c51は、凹部23c5が接着部30にかからないように、接着部30近傍に位置する。すなわち、凹部23c5が駆動側に向かい始める位置である接着部側凹部端23c51は、接着部30よりも固定部31側(固定部側)である。現像枠体18の長手方向(回転部材23aの回転軸線方向)において、凹部23c5の幅L2は、トナーシール部材23cの長手方向幅L1の2分の1から4分の1とした。さらに、幅L2は、トナーシール部材23cの接着部30の幅L3の2分の1以下とした。また、固定部31の幅L4が、接着部30の幅L3の2分の1よりも大きくなるようにした。また、搬送部材23bは、長手方向において、被駆動側シール端部23c3の最内側部23c32(凹部23c5の最内側部と一致)よりも、外側まで延長され、かつ接着部30の長手方向の幅よりも大きくなるようにした。
凹部23c5が設けられることにより、回転軸線方向において、被駆動側シール端部23c3の最内側部23c32は、被駆動側における接着部30の端部(接着部30d)よりも内側に位置する。また、駆動側シール端部23c2の最内側部23c22は、駆動側における接着部30の端部(接着部30c)よりも外側に位置する。また、回転軸線方向において、固定部31の長さは接着部30の長さよりも短い。また、回転軸線方向において、中央30eから固定部30の端部までの長さは、駆動側の長さ(中央30eから駆動側固定部端部31aまでの長さ)よりも、被駆動側の長さ(中央30eから被駆動側固定部端部31bまでの長さ)が短い。
一方、図1に示すように、現像枠体18の長手方向に直交する方向において、接着部30と固定部31の間の長さDは現像枠体18の長手方向で等しいことが好ましい。図11(a)に示すように、回転軸線方向と直交する方向に接着部30と固定部31の間がトナーシール部材23cで連結されている領域内(図中のZ)において、トナーシール部材23cの長さDを測る。このとき、長さDの最大値と最小値の差が、回転軸線方向(接着部の長手方向)と直交する方向における、開口18cの幅Dh3よりも小さくなるようにした。なお、本実施例では、接着部30と固定部31の長手方向は平行であるため、長さDの最大値と最小値の差はゼロである。
なお、この長さDは、回転部材23aが現像枠体18に取り付けられた状態での長さを指す。ただし、現像枠体18と回転部材23aのガタ等を考慮すれば、現像枠体18から回転部材23aを取り外した状態で測定することもできる。
また、本実施例では、回転軸線方向と接着部30が平行な時、剥離されたトナーシール部材23cの駆動側の最外側部23c21と、被駆動側の最外側部23c31が、開口18cの外側に位置するようにした。すなわち、剥離されたトナーシール部材23cの先端23c1において、長手両端部が、開口18cの外側に位置するようにした。
トナーシール部材23cの固定部31と接着部30の間の長さが、被駆動側と駆動側で大きく異なる(固定部31と接着部30のなす角度のずれが大きい)と、接着部30の開封後、トナーシール部材23cがトナー搬送に影響することがある。よって、トナーシール部材23cの固定部31と接着部30の間の長さの差を小さく(好ましくは長さを等しく)することで、接着部30の開封後、搬送部材23のトナー撹拌が長手方向で均一になるようにした。したがって、現像室へのトナー供給及び残量検知においてトナーシート部材23の影響が小さい。
<トナーシール部材の開封動作>
本実施例におけるプロセスカートリッジ7の使用開始時に行うトナーシール部材23cの開封動作について図1(a)、図5(a)〜(d)を用いて説明する。
図5(a)〜(d)は剥がし方を説明するプロセスカートリッジ7の断面図である。
図5(a)に示されるように、開口18cがトナーシール部材23cで封止されている状態で、プロセスカートリッジ7が画像形成装置100にセットされる。
図5(b)に示されるように、画像形成装置100から駆動を受けると、回転部材23aが矢印F方向に回転する。すると、トナーシール部材23cは回転に伴って現像枠体18から引き剥がされる。
回転部材23aが矢印F方向に回転すると、はじめに図1(a)に示す接着部30aの駆動側から引き剥がされる。
さらに回転部材23aが矢印F方向に回転すると、図1(a)に示す接着部30aが駆動側から被駆動側に向かって引き剥がされ、接着部30cは接着部30bに向かって引き剥がされる。
さらに回転部材23aが矢印F方向に回転すると、接着部30dが接着部30bに向かって引き剥がされる。
さらに回転部材23aが矢印F方向に回転すると、接着部30bが駆動側から被駆動側に引き剥がされる。
すると、図5(c)に示すように、トナーシール部材23cが接着部30の全域から引き剥がされる。これにより、開口18cが開封され、搬送部材23bによって、トナー収納室18aから現像室18bにトナーが撹拌されて搬送される。
図5(d)に示すように、開口18cから除去されたトナーシール部材23cは、回転部材23aに固定されたままトナー収納室18aに残り、撹拌シート23bに巻き付いた状態で回転部材23aと共に回転する。
この開封動作において、トナーの凝集状態によってはトナーシール部材23cを引き剥がすための巻き取り力が高くなる。特に、被駆動側にトナーが凝集した場合、最も巻き取り力が高くなる。
<トナーの負荷>
上述したように、トナーシール部材23cや回転部材23aはトナー収納室18aに備えられている(トナー収納室18aの内部のトナーと接触可能)。この構成においては、トナー収納室18aの外側に回転部材23aがあるような構成と比較して、トナー収納室18aのトナーTの凝集の影響を受ける。特に、カートリッジが放置されたり、運搬時に振動させられたりした時は、トナーは凝集しやすい。また、本実施例では、トナーシール部材23cを、傾斜剥離する(図9参照)。従って、折り返し部23c6にトナーが挟み込まれるため、トナーの負荷を受けやすい。
凝集したトナーの負荷は非常に大きいため、トナーシール部材23cの一部に凹部23c5を設けて、トナーシール23cの下流面23c4の面積を減らすことで、トナーの負荷の影響を低減できる。さらに、凹部23c5からトナーを通過させることもできる。
<回転部材の変形>
次に回転部材23aの変形について図6(a)〜(b)、図7、図8を用いて説明する。
図6(a)〜(b)は比較例を示す図である。図8は回転部材23aの長手方向の変形量を示す説明図である。
図6(a)に示す構成では、トナーシール部材123cは凹部等が設けられていない長方形である。この場合、トナーシール部材123cと回転部材123aの間にあるトナーが回転部材123aの回転時に抵抗となり、トナーシール部材123cを引き剥がすための巻き取り力が高くなる。
これに対して、本実施例では図7に示すように、トナーシール部材23cの回転部材23aに固定される固定側、かつ被駆動側に凹部23c5(図中L2部)がある。この場合、トナーシール部材23cの下流面23c4の面積が小さく、トナーの影響を受けにくい。また、トナーシール部材23cと回転部材23aの間にあるトナーは回転部材23aの回転時、凹部23c5から通り抜ける。また、搬送部材23bでトナーをほぐしながらトナーシール部材23cを引き剥がすため、巻き取り力が低減できる。
図6(b)では、トナーシール部材123cの回転部材123aに固定される固定側、かつ被駆動側に凹部123c2、駆動側に凹部123c3があり、回転部材123dの中央部のみでトナーシール部材123cを固定する構成である。この場合、トナーシール部材123cと回転部材123aの間にあるトナーは回転部材123cの回転時、凹部123c2、凹部123c3からトナーが抵抗なく通り抜けるため、トナーの凝集状態による影響は小さい。しかし、回転部材123aの回転時、回転部材123aが最も変形しやすい長手中央部に負荷が集中してかかるため、図8(a)に示すように、回転部材123aの変形が大きい。よって、回転部材123aの変形による摺擦音やギアの歯飛びが発生する可能性がある。また、凹部123c2と凹部123c3の大きさによっては、固定部131が接着部130を剥離する力に耐えられなくなる場合がある。
これに対して、本実施例では図7に示すように、トナーシール部材23cの回転部材23aに固定される側、かつ被駆動側に凹部23c5がある。この場合、回転部材23aの回転時、回転部材23aがギア23eによって支持されるため最も変形しにくい長手方向の駆動側に、回転駆動から力がかかる。従って、図8(b)の実線に示すように、比較例での変形(図8(b)の破線)に比べ、回転部材23aの変形を抑制することができる。
トナーシール部材23cを剥離する時、トナーシール部材23cが現像枠体18に接着されている力に対して、回転部材23aに固定される力が弱いと、トナーシール部材23cが剥離される前に、回転部材23aから剥離する。トナーシール部材23cを剥離する力は、接着部30と固定部31との間がトナーシール部材23cで連結されている部分で伝えられる。したがって、本実施例のように、トナーシール部材23cに凹部23c5を設けた場合、凹部23c5の部分では力が伝わらない。よって、仮に固定部31を長くしたとしても、凹部23c5が大きいほど、トナーシール部材23cを固定できる範囲(固定力を発揮できる範囲)は狭くなる。トナーの影響を減らすため、トナーシール部材23cの下流面23c4の面積を減らすことと、剥離力を上回るだけの固定力を発揮すること、を両立するため、凹部の大きさは制限される。そのため、凹部を設ける位置は、トナーシール部材23cのうち、トナーの影響を低減させやすい位置(トナーの影響を大きく受ける位置)に集中して配置することが望ましい。
回転部材23aにおいて、回転軸線方向で、被駆動側は駆動側からの距離が長い。そのため、トナーTの負荷等によって、回転軸線の周りに回転部材23aが捻じれた場合、被駆動側の方が大きく捻じれる。すなわち、駆動側に対して、被駆動側が回転し始めるタイミングが遅れる。そうすると、駆動側の下流面23c4(図10破線)は回転方向Fの下流側に移動するのに対し、被駆動側の下流面23c4(図10実線)は移動が遅れる。このため、トナーシール部材23cの表面が被駆動側に向かって傾斜する。そうすると、トナー収納室18aの中で、トナーが被駆動側に寄せられる。特に本実施例では、上述した傾斜剥離を行うため、折り返し部23c6の部分でもトナーが押し出されるため、この現象の影響が大きくなりやすい。また、回転部材23aには搬送部材23bが取り付けられている。搬送部材23bも、回転部材23aのねじりによって、被駆動側にトナーを寄せるように傾斜する。したがって、上述した減少の影響がより大きくなる。また、回転部材23aがねじれることによっても、同様の現象が起きる。
このとき、駆動側のトナー量は減り、被駆動側で増える傾向になる。したがって、駆動側よりも被駆動側で、トナーによる負荷は大きくなりやすい。よって、下流面23c4の面積を減らす位置(もしくは凹部を設ける位置)を、被駆動側にすることで、このようなトナーの偏りの影響を、受けづらくすることができる。したがって、トナーシール部材23cの下流面23c4の面積を減らす凹部を設ける構成において、剥離力を上回るだけの固定力を発揮しながら、トナーの影響を減らす効果を、効率的に得ることができる。
以上のとおり、トナーシール部材23cに凹部23c5を設けることで、下流面23c4の面積を減らす。こうすることで、トナーの負荷による影響(回転負荷の増加)を低減できる。また、被駆動側シール端部23c3に凹部を設けることで、剥離力を上回るだけの固定力を発揮しながら、トナーの影響を減らす効果を、効率的に得ることができる。
従って、開口が備えられた現像剤収納室に、開口を封止する封止部材(トナーシール部材)と、封止部材を剥離する開封部材(回転部材)が設けられた構成において、回転部材を回転するために必要な力を低減させることができる。
[実施例2]
本実施例におけるトナーシール部材23cについて図12を用いて説明する。
図12(a)に示すように、トナーシール部材23cは、接着部30と固定部31の間に少なくとも1つの穴部23fを有する。また、図12(b)に示すように、穴23fは、折り返し部23c6を挟んで、接着部30aおよび接着部30bの間の領域に対向する位置に設けた。
トナーシール部材23cと回転部材23aの間にあるトナーは回転部材23cの回転時、穴部23fからもトナーが抵抗なく通り抜けるため、トナーシール部材23cを引き剥がすための巻き取り力がさらに低減できる。さらに、穴23fを、折り返し部23c6を挟んで、接着部30aおよび接着部30bの間の領域に対向する位置に設けることで、シールの間に挟み込まれるトナーを通り抜けさせることができる。
[実施例3]
本実施例におけるトナーシール部材23cについて図13を用いて説明する。
図13に示すように、トナーシール部材23cは、回転部材23aに対して固定部231で固定される(図中ハッチング部)。固定部231は、例えば熱溶着で形成され、熱溶着のホーンの幅(231g)を、固定部231におけるトナーシール部材23cの幅よりも広くすること等によって接着される。この結果、トナーシール部材23cの被駆動側シール端部23c3のうち、凹部23c5が設けられている部分の端部と、固定部231の端部(231b)が一致する。また、駆動側においても、駆動側シール端部23c2と、固定部231の端部(231a)の端部が一致する。すなわち、固定部231は、トナーシール部材231の端部(エッジ)まで溶着されている。
こうすることで、固定部231の幅を最大限確保することができる。また、凹部23c5に沿って伝わる引張力の方向に沿うように、固定部231を設けることで、固定力を向上させることができる。
なお、上述した各実施例中の構成は、それぞれ必要に応じて組み合わせることができる。
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 スキャナユニット
4 現像ユニット
5 中間転写ベルト
6 クリーニングブレード
6a 弾性部材
6b 支持部材
7 プロセスカートリッジ
8 一次転写ローラ
9 二次転写ローラ
10 定着装置
11 中間転写ベルトクリーニング装置
12 記録材
13 感光体ユニット
14 クリーニング枠体
14a 廃トナー収容部
15 帯電ローラ軸受
16 帯電ローラ加圧バネ
18 現像枠体(枠体)
18a トナー収納室(現像収納室)
18b 現像室
18c 開口
20 トナー供給ローラ
21 現像ブレード
22 現像ローラ
23 搬送ユニット
23a 回転部材(開封部材)
23a0 回転軸線
23b 撹拌シート(搬送部材)
23b1 撹拌シート先端(搬送部材先端)
23c トナーシール部材(封止部材)
23c1 トナーシール部材先端
23c2 駆動側シール端部
23c3 被駆動側シール端部
23c4 下流面
23c5 凹部
23e ギア(駆動部材)
23f 穴部
30 接着部
31 固定部
100 画像形成装置

Claims (20)

  1. 現像剤を収納する現像剤容器であって、
    前記現像剤を収納する現像剤収納室と前記現像剤収納室から前記現像剤を排出する開口とが設けられた枠体と、
    前記枠体に剥離可能に固定され、前記開口を封止する封止部材であって、前記現像剤収納室に備えられた封止部材と、
    前記枠体に回転可能に支持され、前記封止部材を剥離する開封部材であって、前記現像剤収納室に備えられた開封部材と、
    前記開封部材と接続し、前記開封部材を回転させる駆動部材と、
    を有し、
    前記封止部材は、前記開封部材に固定される第1の固定部と、前記開口の周りにおいて前記枠体に固定される第2の固定部と、前記開封部材の回転軸線方向において、前記駆動部材が配置される駆動側に位置する駆動側端部と、前記駆動側の反対側の被駆動側に位置する被駆動側端部と、を有し、
    前記開封部材は、前記第2の固定部の長手方向と交差する方向に、前記封止部材を剥離するように構成され、
    前記第1の固定部と前記第2の固定部の間における前記封止部材の面積が、前記回転軸線方向における前記第2の固定部の中央から前記駆動側よりも、前記中央から前記被駆動側が小さくなるように、前記第1の固定部と前記第2の固定部の間において、前記封止部材の前記被駆動側端部に前記被駆動側から前記駆動側に向かう傾斜部が形成されることを特徴とする現像剤容器。
  2. 前記封止部材は、前記第1の固定部と前記第2の固定部との間に折り返し部を有し、
    前記封止部材が前記枠体から剥離される際に前記封止部材が引っ張られる引張方向は、前記折り返し部から前記封止部材の先端部に向う方向を含むことを特徴とする請求項1に記載の現像剤容器。
  3. 前記開封部材に固定され、前記現像剤を搬送する搬送部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載の現像剤容器。
  4. 前記回転軸線方向に直交する直交方向において、前記第1の固定部と前記第2の固定部との間が前記封止部材で連結されている領域で、前記封止部材の長さを測った時、前記領域内における前記長さの最大値と最小値の差は、前記長手方向に直交する方向における、前記開口の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の現像剤容器。
  5. 前記回転軸線方向は、前記長手方向と平行であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の現像剤容器。
  6. 前記回転軸線方向において、前記被駆動側端部の最外側部と最内側部の間の距離は、前記駆動側端部の最外側部と最内側部の間の距離よりも長いことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の現像剤容器。
  7. 前記回転軸線方向において、前記被駆動側端部の前記最内側部は、前記被駆動側における前記第2の固定部の端部よりも内側に位置することを特徴とする請求項6に記載の現像剤容器。
  8. 前記回転軸線方向において、前記駆動側端部の前記最内側部は、前記駆動側における前記第2の固定部の端部よりも外側に位置することを特徴とする請求項6または7に記載の現像剤容器。
  9. 前記回転軸線方向と前記長手方向が平行なときに、剥離された前記封止部材の前記駆動側端部の前記最外側部と、前記被駆動側端部の前記最外側部は、前記開口の外側に位置することを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の現像剤容器。
  10. 前記回転軸線方向おいて、前記傾斜部の長さは、前記封止部材の長さの2分の1から4分の1であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の現像剤容器。
  11. 前記回転軸線方向において、前記第1の固定部の長さは前記第2の固定部の長さよりも短く、かつ
    前記中央から前記第1の固定部の端部までの長さは、前記駆動側の長さよりも前記被駆動側の長さが短いことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の現像剤容器。
  12. 前記傾斜部が前記被駆動側から前記駆動側に向かい始める位置は、前記回転軸線と交差する方向において、前記第2の固定部よりも前記第1の固定部側であることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の現像剤容器。
  13. 前記回転軸線方向において、前記被駆動側における前記第1の固定部の端部は、前記被駆動側端部のうち、前記傾斜部が設けられている部分と一致することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の現像剤容器。
  14. 前記封止部材は、前記第2の固定部と前記第1の固定部の間に少なくとも1つの穴部を有すること、を特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の現像剤容器。
  15. 重力方向において、前記開口は、前記回転軸線の上方に位置することを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の現像剤容器。
  16. 像担持体に形成された静電潜像を現像する現像剤担持体と、
    請求項1から15のいずれか一項に記載の現像剤容器と、
    を有することを特徴とする現像装置。
  17. 前記枠体に、前記現像剤担持体を収納する現像室が設けられることを特徴とする請求項16に記載の現像装置。
  18. 重力方向において、前記現像室は、前記現像剤収納室の上方に位置することを特徴とする請求項17に記載の現像装置。
  19. 前記像担持体と、
    請求項16から18のいずれか一項に記載の現像装置と、
    を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  20. 請求項1から15のいずれか一項に記載の現像剤容器が着脱可能であることを特徴とする画像形成装置。
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