JP6815438B2 - 光導波路及び光学式濃度測定装置 - Google Patents

光導波路及び光学式濃度測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、光導波路及び光学式濃度測定装置に関する。
結晶などで形成された薄膜などの構造体を形成する材料の屈折率が構造体の外部の材料の屈折率よりも大きいとき、構造体の中を伝搬する光は、構造体と構造体の外部との界面で全反射を繰り返しながら進行していく。
図17に示すように、構造体51の中を伝搬する光Lは、構造体51と物質53との界面で全反射するとき、構造体51の内部を伝搬する光の他に屈折率の小さい物質53側に染み出す。この染み出しは、エバネッセント波と呼ばれ、光Lが構造体51を伝搬していく過程で構造体51に隣接している物質によって吸収されうる。図17では、構造体51の内部を伝搬する光Lの強度が光強度E1として図示され、エバネッセント波の強度が光強度E2として図示されている。このため、構造体51を伝搬している光Lの強度変化から、構造体51に接している物質53の検出や同定などが可能になる。上述したエバネッセント波の原理を利用した分析法は、全反射吸収分光(ATR:Attenuated Total Reflection)法と呼ばれ、物質の化学組成分析などに利用されている。
特許文献1には、ATR法をセンサに応用した光導波路型センサが提案されている。この光導波路型センサは、基板の上にコア層を形成して光を通し、エバネッセント波を利用してコア層に接する物質を検出するようになっている。
コア層を伝搬させる光としては赤外線を用いることが一般的である。物質には特定の波長の赤外線を選択的に吸収する特性があるため、被測定物質の吸収スペクトルに合わせた赤外線を伝搬させることで、物質の分析やセンシングを行うことが出来る。
センサの感度を向上させるためには、コア層における光学的損失を小さくし、また、被測定物質とエバネッセント波が相互作用する領域を大きくすることが求められる。その方法として、例えば、断続的に並んだ支持構造体を用いて導波路の一部を基板に対して浮かせる構造等が提案されている。
特開2005−300212号公報
しかし、導波路の一部を基板に対して浮かせる構造ではセンサの機械的強度が低下してしまい、信頼性が低かった。このように、センサの高感度および高信頼性を備わせることは難しかった。
本発明は、高感度および高信頼性を実現させる光導波路および光学式濃度測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様による光導波路は、
被測定気体または被測定液体の濃度を測定する光学式濃度測定装置に用いる光導波路であって、
基板と、
長手方向に沿って延伸し、光が伝搬可能なコア層と、
前記基板の少なくとも一部と前記コア層の一部とを接続し、前記基板に対して前記コア層を支持する支持部と、
前記基板および前記コア層に挟まれる空間領域において前記支持部とは異なる位置に配置されており、前記コア層の幅方向の中央位置から外れた位置で最大高さとなるように前記基板から前記コア層に向かって突出する突起部と、を備えることを特徴とする。
さらに、上記目的を達成するために、本発明の一態様による光学式濃度測定装置は、上記本発明のいずれかの態様による光導波路と、前記コア層に光を入射可能な光源と、前記コア層を伝搬した光を受光可能な検出部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、センサの高感度および高信頼性を実現させる光導波路および光学式濃度測定装置を提供することが可能となる。
本発明の実施形態による光導波路並びに光学式濃度測定装置1の概略構成と、光学式濃度測定装置を利用したATR法によるセンシングとを説明する図である。 本発明の実施形態による光導波路の部分的な構成を示す図であって、光導波路の一部を基板の主面に対して光源または光検出器側から見た平面図である。 本発明の実施形態による光導波路の概略構成を示す図であって、図1中のA−A線で切断した光導波路の端面図である。 本発明の実施形態による光導波路の概略構成を示す図であって、図1中のB−B線で切断した光導波路の端面図である。 本発明の別の実施形態による光導波路の部分的な構成を示す図であって、光導波路の一部を基板の主面に対して光源または光検出器側から見た平面図である。 本発明の実施形態による光導波路の製造方法を説明するための、SOI基板の平面図である。 図6のSOI基板をC−C線、D−D線で切断した断面を示す端面図である。 本発明の実施形態による光導波路の製造方法を説明するための、光導波路主要部の平面図である。 図8の光導波路主要部をC−C線、D−D線で切断した断面を示す端面図である。 本発明の実施形態による光導波路の製造方法を説明するための、一部をマスクパターンで覆った光導波路主要部の平面図である。 図10の光導波路主要部をC−C線で切断した断面を示す端面図である。 図10の光導波路主要部をD−D線で切断した断面を示す端面図である。 本発明の実施形態による光導波路の製造方法を説明するための、BOX層の一部を除去した光導波路主要部の平面図である。 図13の光導波路主要部をC−C線で切断した断面を示す端面図である。 図13の光導波路主要部をD−D線で切断した断面を示す端面図である。 本発明の別の実施形態による光導波路主要部を、図13中に示す光導波路主要部のC−C線と同じ位置で切断した断面を示す端面図である。 光導波路を伝搬する光のエバネッセント波を説明するための図である。 断続的な支持部を持ち、さらに断続的な支持部の間に突起部を設けた光導波路を説明するための図である。 本発明の実施形態による光導波路の電子顕微鏡による観察解析結果を示す図であって、突起部の幅方向における頂点位置と、コア層の影の幅方向における中央位置がずれていることを示す平面図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
<光導波路>
本発明の実施態様に係る光導波路は、被測定気体または被測定液体の濃度を測定する光学式濃度測定装置に用いる光導波路であって、基板と、長手方向に沿って延伸し且つ光が伝搬可能なコア層と、基板の少なくとも一部とコア層の一部とを接続し基板に対してコア層を支持する支持部と、基板およびコア層に挟まれる空間領域において支持部とは異なる位置に配置されておりコア層の幅方向の中央位置から外れた位置で最大高さとなるように基板からコア層に向かって突出する突起部と、を備えている。なお、長手方向とは、少なくとも1方向に沿って延伸している形状の三次元構造物における、最も長く延びている方向であって、直線状の方向だけでなく、曲線状の方向を含む。また、基板およびコア層に挟まれる空間領域において支持部とは異なる位置とは、当該空間領域内において、長手方向および幅方向の少なくとも一方において支持部が存在しない位置である。また、幅方向とは、本実施態様において、コア層の長手方向に垂直且つ基板の主面に平行な方向である。基板の主面とは、基板の板厚方向に垂直な表面であって、さらに言換えると、本実施態様において、基板を形成する6面の中で、面積が最大である面である。さらに、コア層は曲線状に延びる部分を含み、かつ突起部はコア層の曲線状に延びる部分と基板とに挟まれる空間領域、言い換えると、突起部はコア層の曲線状に延びる部分の直下に配置されていてよい。なお、直下とは、コア層から基板に向かう方向を上下方向と定めた場合における、まっ直ぐ下であることを意味する。突起部は、コア層の曲線状に延びる部分において、コア層の内周側もしくは外周側に偏った位置でコア層の直下に配置されていてよい。
ATR法を利用したセンサでは、エバネッセント波と被測定物質との相互作用量を増加させること、及び、被測定物質以外の材料への光吸収を低減させることによりセンサ感度を向上させることができる。被測定物質以外の材料への光吸収を低減させるためには、コア層を支える支持部を、コア層の基板に相対する面の一部に部分的に存在させ、コア層の多くの部分を露出させることが有効である。支持部に接続されずに基板に対して浮いているコア層の部分には、結露などにより当該一部と基板の間に生じる水分によるメニスカス力により、当該一部が基板上に張付くスティッキングが発生し得る。スティッキングが発生すると、導波路の一部浮かせた構成を維持できず、センサの感度が著しく低下する。これに対して、基板の面に構造物を設けることによりスティッキング発生の可能性は低減する。また、スティッキングは従来、可動部を有するいわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスにおいて問題視されることが多いが、先述のようなメニスカス力に起因するスティッキングについては、可動部を有していない構造においても対策することが求められる。
このような構成の光導波路として、基板と、基板上に配置されたコア層と、基板とコア層の一部とを接続し基板に対してコア層を断続的に支持する支持部と、基板からコア層に向かって突出する突起部と、を備える光導波路が考えられる。このような構成の光導波路では、突起部によりコア層の基板への張付きが防がれるので、スティッキングの発生の可能性が低減する。ただし、基板とコア層との間に突起部を確実に形成するために、突起部をコア層の幅方向の中央に存在させると、コア層の幅方向中央近傍で最大の強度で染み出すエバネッセント波が突起部によって光吸収される虞がある。
本実施態様に係る光導波路によれば、突起部のコア層に向かう最大高さの位置がコア層の幅方向の中央位置から外れている。つまり、突起部の中でコア層に最も近づく部分が、光が主に伝搬するコア層の幅方向の中心から離れた位置に設けられている。これにより、本実施態様に係る光導波路によれば、コア層の幅方向の中央位置から外れた位置において最大高さとなる突起部が設けられているので、コア層のスティッキング発生を抑制しながら、突起部によるエバネッセント波の光吸収を低減させ得る。このため、本実施態様に係る光導波路を備える光学式濃度測定装置において、スティッキングによる光導波路の故障の可能性を低減させながら測定感度を向上させることが可能になり、高感度および高信頼性が実現され得る。また、突起部は、コア層の曲線状に延びる部分と基板とに挟まれる空間領域に配置されている。これにより、本実施態様に係る光導波路は、直線状の部分よりスティッキングが発生し易い曲線状の部分における、スティッキングの発生を抑制し得る。また、突起部はコア層の曲線状に延びる部分において、コア層の内周側もしくは外周側に偏った位置でコア層の直下に配置されている。コア層の曲線状に延びた部分を伝搬する光は、コア層の曲率半径によっては、コア層の外周側に若干偏ってコア層内を伝搬するため、コア層の内周側に偏った位置に突起部を配置する方がより好ましい。突起部がコア層の曲線状に延びる部分において、コア層の内周側に偏った位置でコア層の直下に配置された光導波路は、突起部と伝搬光の距離がより離れるので、突起部によるエバネッセント波の光吸収をより低減させ得る。ただし、突起部がコア層の曲線状に延びる部分において、コア層の外周側に偏った位置でコア層の直下に配置された光導波路でも、突起部と伝搬光の距離が離れるため、一定の効果はある。また、本実施態様に係る光導波路では、コア層は可動部を有していなくてもよい。
以下、光導波路を構成する各構成要件について、具体例を挙げて説明する。
<コア層>
コア層は、長手方向に沿って延伸し且つ光が長手方向に沿って伝搬可能であれば特に制限されない。具体的には、シリコン(Si)やガリウムひ素(GaAs)、ゲルマニウム(Ge)等で形成されたコア層が挙げられる。なお、長手方向とは、少なくとも1方向に沿って延伸している形状の三次元構造物における、最も長く延びている方向であって、直線状の方向だけでなく、曲線状の方向を含む。コア層の長手方向に沿った任意の位置における垂直な断面は、円形に限定されず、当該断面の中心から外表面までの距離が当該断面の中心を軸にした回転によって変動する任意の形状、例えば矩形であってよい。したがって、コア層は、本実施態様において長尺の板状である。
また、コア層の少なくとも一部は、露出することにより被測定気体または被測定液体と直接接触可能、または、コア層を伝搬する光の真空波長の1/4よりも薄い薄膜に被覆されることにより当該薄膜を介して被測定気体または被測定液体と接触可能であってもよい。これにより、エバネッセント波と被測定気体または被測定液体を相互作用させ、被測定気体または被測定液体の濃度を測定することが可能となる。
また、コア層は曲線状に延びる部分を含んでよい。これにより、コア層全体を平面視した際の、コア層の輪郭のアスペクト比を1に近づけ得るので、光導波路および光学式濃度測定装置が小型化され得る。また、コア層の長手方向における少なくとも一部には、長手方向と垂直な断面においてコア層および基板の間の全領域に、後述の支持部が存在しなくてもよい。これにより、コア層から染み出すエバネッセント波と周囲の気体または液体との相互作用量を増加させることが可能となる。なお、支持部が存在しないとは、コア層が、長手方向において互いに隣接する、2つの支持部の間に架渡されていることである。さらには、支持部が存在しないとは、コア層の基板に対向する全領域は、長手方向において互いに隣接する2つの支持部の間で、空隙、または、コア層が伝搬する光の吸収率が支持部よりも低い媒質を、基板との間に有することである。
コア層を伝搬する光はアナログ信号としての赤外線であってもよい。ここでアナログ信号としての赤外線とは、光のエネルギーの変化を0(低レベル)および1(高レベル)の2値で判定するのではなく、光のエネルギーの変化量を扱う信号であることを意味する。これにより、各実施態様に係る光導波路をセンサや分析装置に適用することができる。またこの場合、赤外線の真空波長は2μm以上12μm以下であってもよい。この波長帯は環境に代表的に浮遊するガス(CO、CO、NO、NO、SO、CH、HO、CO等)が吸収する波長帯である。これにより各実施態様に係る光導波路をガスセンサとして利用することができる。
<基板>
基板は、基板上に支持部、突起部、及びコア層を形成可能であれば特に制限されない。具体的には、シリコン基板やGaAs基板等が挙げられる。基板の主面とは、基板の水平方向(膜厚方向に垂直な方向)の表面を指す。基板の表面は、必ずしも露出していなくてもよく、一部が支持部および突起部と同じ材料の薄膜により覆われていてもよい。なお、基板の表面が露出していない場合、後述する突起部の高さとは、基板の表面を基準とした突起部表面の高さではなく、コア層直下の領域における当該薄膜表面のうち、最も低くなる位置を基準とした場合の突起部表面の高さを指す。
<支持部>
支持部は、基板の少なくとも一部とコア層の一部とを接続する。また、支持部は、基板に対してコア層を支持するようになっている。
また、支持部は、基板及びコア層を接合可能であれば特に制限されないが、好ましくは任意の波長の光またはコア層を伝搬する光に対してコア層よりも屈折率が小さい材料である。一例として、支持部の形成材料として、シリコン酸化膜(SiO)やシリコン(Si)やガリウムひ素(GaAs)等が挙げられる。屈折率は、任意の波長の光に対して、あるいは特定の波長の光に対する屈折率である。特定の波長の光は、特に光学式濃度測定装置において、コア層を伝搬する光である。これにより、支持部は、支持部との接続部分においてもコア層を伝播する光を全反射させ得る。
また、支持部とコア層との接続部分は、コア層の基板と対向する面における、いずれの位置であってもよく、例えば、幅方向の中央位置であってよい。さらには、支持部とコア層との接続部分は、コア層の幅方向の端面におけるいずれの位置であってもよい。また、支持部のコア層との接続部分は、コア層の長手方向に沿って断続的に存在させてもよい。これにより、コア層は長手方向において一部に支持部に接触しない外表面が増加するので、エバネッセント波と被測定気体または被測定液体との相互作用領域を拡大し得る。また、支持部のコア層との接続部分は、コア層の幅方向におけるコア層の端から該コア層の中央位置に近づくにつれて、コア層の長手方向に広がる形状であってもよい。このような形状であることにより、コア層の長手方向に沿って、支持部の無い領域から支持部の有る領域に向かう場合(またはその逆の場合)に、コア層の周囲の状況が段階的に変化する。その結果、コア層を伝搬する光にとって急激な周囲状況の変化を抑制できるため、コア層を伝搬する光の散乱損失を抑えることが可能となる。
支持部の形成方法の一例としては、SOI(Silicon On Insulator)基板の埋め込み酸化膜(BOX:Buried Oxide)層(SiO層)をエッチングすることで、コア層(Si層)と基板(Si層)をBOX層で支持する構造を形成することができる。
<突起部>
突起部は、基板およびコア層に挟まれる空間領域において支持部とは異なる位置に配置されている。また、突起部は、コア層の幅方向の中央位置から外れた位置で最大高さである。ただし、突起部は、コア層の長手方向の全域に亘って、コア層の幅方向の中央位置から外れた位置で最大高さでなくてよい。例えば、突起部は、コア層の長手方向の少なくとも一部の領域においてコア層の幅方向の中央位置から外れた位置で最大高さであって、別の一部の領域においてコア層の幅方向の中央位置で最大高さであってよい。また、突起部は、基板からコア層に向かって突出する。なお、基板およびコア層の間で支持部とは異なる位置とは、基板およびコア層に挟まれる空間領域において、長手方向および幅方向の少なくとも一方で支持部が存在しない位置である。
また、突起部は、支持部と同一の材料で形成されていてよい。これにより、コア層の厚さ方向において、支持部と重複する領域に配置される突起部がリソグラフィ技術およびエッチング技術などを用いて、容易に形成され得る。また、突起部は山形状であってよい。これにより、長手方向に垂直な面内でコア層が例えば矩形形状である構成では、突起部が山形状であるとコア層の底面と突起部の表面とが平行にならず、コア層と突起部との間でのスティッキングが発生しにくくなる。突起部が山形状でない構成でも、コア層の底面と、突起部のコア層に対向する表面とが平行でないことで、同様の効果が得られる。なお、突起部の山形状は、コア層の厚さ方向に垂直な任意の方向、例えば、コア層の長手方向から見た形状である。また、突起部はコア層の幅方向において非対称であってもよいが、好ましくは対称であってよい。コア層の幅方向において対称とは、当該幅方向に垂直な直線を対称軸とした線対称を意味する。これにより、コア層が幅方向に対称な構造をしている場合、突起部も幅方向に対称構造をしていることで、コア層の直下方向に突起部の無い領域のコア層から、コア層の直下方向に突起部が有る領域のコア層に光が進行して行く際に、光のモード変換が起こりにくくなり、モード変換による伝搬ロスが小さくなる。また、突起部は、コア層の幅方向の中央位置から、コア層の幅の3%以上離れた位置で最大の高さを有してよく、好ましくはコア層の幅の10%以上離れた位置で最大の高さを有し、より好ましくはコア層の幅の20%以上離れた位置で最大の高さを有し、さらに好ましくはコア層の幅の30%以上離れた位置で最大の高さを有してよい。また、突起部は、コア層の幅方向の中央位置から、100nm以上離れた位置で最大の高さを有してよく、好ましくはコア層の幅の300nm以上離れた位置で最大の高さを有し、より好ましくはコア層の幅の600nm以上離れた位置で最大の高さを有し、さらに好ましくはコア層の幅の900nm以上離れた位置で最大の高さを有してよい。これにより、染み出すエバネッセント波の突起部に到達する割合を低減でき、突起部の最大高さの存在位置をコア層の幅方向の中央位置から大きくずらすほど、突起部によるエバネッセント波の光吸収をより低減させ得る。また、突起部の最大高さは、コア層および基板の間隔の1/20以上であってよい。これにより、コア層のスティッキング発生がより抑制され得る。また、突起部の最大高さは、100nm以上であってよい。これにより、コア層のスティッキング発生がいっそう抑制され得る。また、突起部は、コア層の長手方向に沿って断続的に存在してよい。これにより、突起部の長手方向における合計の長さが短くなるので、突起部によるエバネッセント波の光吸収がいっそう抑制され得る。
<光学式濃度測定装置>
本発明の各実施態様に係る光学式濃度測定装置は、本発明の各実施態様に係る光導波路と、コア層に光を入射可能な光源と、コア層を伝搬した光を受光可能な検出部と、を備える。
以下、光学式濃度測定装置を構成する各構成要件について、具体例を挙げて説明する。
<光源>
光源は、コア層に光を入射可能であれば特に制限されない。ガスの測定に赤外線を用いる場合には光源として、白熱電球やセラミックヒータ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ヒータや赤外線LED(Light Emitting Diode)などを用いることができる。光源は光導波路と光接続可能な構成であればどのような配置でもよい。例えば、光源は、光導波路と同じ個体内に光導波路に隣接して配置してもよいし、別の個体として光導波路から一定の距離を置いて配置されてもよい。また、ガスの測定に紫外線を用いる場合には光源として、水銀ランプや紫外線LEDなどを用いることができる。また、ガスの測定にX線を用いる場合には光源として、電子ビームや電子レーザーなどを用いることができる。
光学式濃度測定装置に備えられる光導波路のコア層を伝搬する光は、アナログ信号としての赤外線であってもよい。ここで、アナログ信号としての赤外線とは、光のエネルギーの変化を0(低レベル)および1(高レベル)の2値で判定するのではなく、光のエネルギーの変化量を扱う信号であることを意味する。これにより、光学式濃度測定装置をセンサや分析装置に適用することができる。またこの場合、赤外線の真空波長は2μm以上12μm以下であってもよい。この波長帯は環境に代表的に浮遊するガス(CO、CO、NO、NO、SO、CH、HO、CO等)が吸収する波長帯である。これにより本実施態様に係る光学式濃度測定装置をガスセンサとして利用することができる。
<検出部>
検出部は、光導波路のコア層を伝搬した光を受光可能であれば特に制限されない。ガスの測定に赤外線を用いる場合には検出部として、焦電センサ(Pyroelectric sensor)、サーモパイル(Thermopile)あるいはボロメータ(Bolometer)等の熱型赤外線センサや、ダイオードあるいはフォトトランジスタ等の量子型赤外線センサ等を用いることができる。また、ガスの測定に紫外線を用いる場合には検出部として、ダイオードやフォトトランジスタ等の量子型紫外線センサ等を用いることができる。また、ガスの測定にX線を用いる場合には検出部として、各種半導体センサを用いることができる。
〔実施形態〕
本発明の実施形態による光導波路および光学式濃度測定装置について図1から図15を用いて説明する。
図1は、本実施形態による光学式濃度測定装置1の概略構成を示す図であるとともに、本実施形態による光導波路10を利用したATR法の概念図でもある。
図1に示すように、光学式濃度測定装置1は、濃度などを検出するガスが存在する外部空間2に設置されて使用される。光学式濃度測定装置1は、本実施形態による光導波路10と、光導波路10に備えられたコア層11に光(本実施形態では赤外線IR)を入射可能な光源20と、コア層11を伝搬した赤外線IRを受光可能な光検出器(検出部の一例)40とを備えている。
光導波路10は、基板15と、赤外線IR(光の一例)が伝搬可能なコア層11と、基板15の少なくとも一部とコア層11の一部とを断続的に接続することにより、基板15に対してコア層11を支持する支持部17と、基板15からコア層11に向かって突出する突起部18とを備えている。コア層11および基板15はシリコン(Si)で形成され、支持部17および突起部18は二酸化ケイ素(SiO)で形成されている。
基板15は例えば板状を有し、コア層11は、例えば、直方体形状を、部分的に有している。また、図2に示すように、コア層11は、基板15の主面に垂直な方向を軸に直方体を湾曲させた、曲線状に延びる部分を有している。
図1に示すように、光導波路10は、コア層11の長手方向の一端部に形成されたグレーティングカプラ118と、コア層11の長手方向の他端部に形成されたグレーティングカプラ119とを有している。グレーティングカプラ118は、光源20の出射方向に配置されている。なお、本実施形態では、光導波路10は、積層方向が鉛直方向に平行であり、基板15の主面が鉛直下方側に向くように設置されている。光源20の出射方向とは、このように光導波路10が設置された状態における、光源20の鉛直下方である。グレーティングカプラ118は、光源20から入射する赤外線IRを、コア層11を伝搬する赤外線IRに結合するようになっている。グレーティングカプラ119は、光検出器40に対向する方向に配置されている。なお、光検出器40に対向する方向とは、上述のように光導波路10が設置された状態における、光検出器40の鉛直下方である。グレーティングカプラ119は、コア層11を伝搬する赤外線IRを取り出して光検出器40に向けて出射するようになっている。
図3は図1中のA−A線で切断した断面を示す端面図であり、図4は図1中のB−B線で切断した断面を示す端面図である。
図1、図3、図4に示すように、光導波路10は、支持部17が設けられた領域を除いて、コア層11および基板15の間に、クラッド層などの所定の層を有さずに空隙13を有する構造をしている。
図3に示すように、コア層11と接続される支持部17の接続部分171は、コア層11の幅方向においてコア層11の中央位置cpと重なっている。また、図1に示すように、支持部17の接続部分171は長手方向に沿って、断続的に存在している。
図1、図2に示すように、コア層11の長手方向において、突起部18は基板15およびコア層11に挟まれる空間領域に支持部17とは異なる位置に配置されている。また、図3、図4に示すように、コア層11の幅方向において、突起部18は、当該空間領域に支持部17とは異なる位置に配置されている。また、突起部18は、コア層11の幅方向の中央位置cpから外れた位置で最大高さを有する。また、突起部18は、コア層11の長手方向から見て山形状である。また、突起部18は、コア層11の幅方向において対称である。また、突起部18は、コア層の幅方向の中央位置cpから、コア層11の幅の3%以上離れた位置で最大高さを有する。また、突起部18の最大高さは、コア層11および基板15の間隔gpの1/20以上であって、より具体的には100nm以上である。また、突起部18は、図1、図2に示すように、長手方向に沿ってコア層11の曲線状に延びる部分の直下にも配置されている。また、コア層11の曲線状に延びる部分において、突起部18は、コア層11の内周側もしくは外周側に偏った位置でコア層11の直下に配置されている(図2では内周側)。また、コア層11の曲線状に延びる部分において、突起部18は、コア層11の厚み方向から見て当該部分に沿って延在する。言い換えると、コア層11の曲線状に延びる部分において、突起部18は、コア層11の曲線状に延びる部分の幅方向における同じ位置に配置されている。
なお、コア層11の曲線状に延びる部分における突起部18は、コア層11の曲線に沿っていなくてもよい。例えば、図5に示すように、コア層11の曲線状に延びる部分において、突起部18は、当該曲線状に延びる部分とは異なる曲率半径を有する曲線状であって、突起部18の一部がコア層11の内周側や外周側に偏在するように配置されてもよい。
なお、突起部18の形状や、コア層11の幅方向における突起部18の位置は、以下の方法で確認される。突起部18の断面形状を確認する場合は、長手方向に垂直な面を電子顕微鏡(SEM)で観察することによって確認される。また、幅方向における突起部18のコア層11との相対位置に関しては、光導波路10のコア層11側から、集束イオンビーム(FIB)照射によるダメージ層DMの形成により、コア層11の影WSを基板に転写し、その後で、コア層11を剥離し、剥離した表面に転写されたコア層11の影WSと突起部18とを電子顕微鏡(SEM)で観察することにより、幅方向における突起部18のコア層11との相対位置が確認される。より詳細に説明すると、コア層11が空中に浮いている箇所において、基板15の主面に対して垂直な方向に集束イオンビーム照射をすることで、集束イオンビームによるダメージ層DMによってコア層11の影WSが基板15に転写される。転写されたコア層11の影WSは、基板15の主面と平行な面内におけるコア層11の位置を示しているため、転写されたコア層11の影WSと突起部18の位置を比較することで、突起部18とコア層11の相対位置を判断することができる。上記手法を用いて、実際に観察したコア層11の影WSと突起部18の様子を図19に示す。基板15の主面において、集束イオンビームによるダメージ層DMが形成された領域と、集束イオンビームによるダメージ層DMが形成されなかったコア層11の影WSの領域とでは、SEMで観察を行った際にコントラストに明確な差ができている。山形状の突起部18の頂点を示す線と、基板15に転写されたコア層11の影WSの幅方向の中央位置cpとは、幅方向において約300nmのずれあることが確認される。すなわち、コア層11の幅方向の中央位置cpから外れた位置で最大高さとなるように基板15からコア層11に向かって突出する突起部18が形成されていることわかる。
ここで、本実施形態による光導波路10の効果について、図18に示す幅方向の中央位置cpに突起部18’が設けられた光導波路10’と比較しながら説明する。
ATR法を用いたセンサは、コア層内ではシングルモードで光を伝搬させることが多い。本実施形態による光学式濃度測定装置1でも、光導波路10に備えられたコア層11内ではシングルモードで光(赤外線)を伝搬させる例を挙げている。ただし、マルチモード伝搬させる場合でも、コア層11の中央を伝搬する光成分は存在するため、本発明の効果は得られる。図3、図4に示すように、コア層11内をシングルモードで赤外線IRを伝搬させると、赤外線IRの光軸OAは、赤外線IRの伝搬方向である長手方向に直交する平面で切断した断面において、コア層11のほぼ中心に位置する。また、このとき、コア層11の周りにしみ出すエバネッセント波EWは、光軸OAに近いコア層11の外表面付近で多くなる。それゆえ、エバネッセント波EWは、コア層11および基板15に挟まれる空間領域において、光軸OAと重なるコア層11の中心からの距離が最短となる、幅方向の中央位置cp付近で最も多くなる。なお、図18に示す、幅方向の中央位置cpに突起部18’が設けられた光導波路10’のコア層11’を伝搬する赤外線IRのエバネッセント波EWの分布も、本実施形態の光導波路10と同様である。
ATR法を用いたセンサでは、コア層から染み出るエバネッセント波と被測定物質との相互作用領域を拡大させ(つまりコア層の露出部分を拡大させ)、かつ、被測定物質以外の材料への光の吸収(つまり支持部等による光の吸収)を低減させることで、センサとしての感度を上げられる。スティッキングの抑制のために形成される突起部18’に関して、図18に示すように、コア層11’の幅方向の中央位置cpに設けられることが最も単純な形状として考えられる。
しかしながら、光導波路10’では、突起部18’が、光Lの伝搬方向である長手方向に対して直交する平面内(すなわち図18に示した断面)において、コア層11’の幅方向の中央位置cpの、コア層11’と基板15’との間に設けられていることで、突起部18’の形成材料によるエバネッセント波EWの吸収が最も顕著に生じる。その結果、光導波路10’を用いたセンサの感度が低下してしまう。
これに対し、図2、図4に示すように、本実施形態による光導波路10は、光導波路10’と同様に、コア層11および基板15の間に挟まれる空間領域に突起部18を設け、スティッキングを抑制する構造を有している。長手方向に垂直な断面において、コア層11は、コア層11の中心に関して対称構造を有している。コア層11を伝搬する赤外線IRがシングルモードの場合、コア層11を伝搬する赤外線IRの光軸OAはコア層11の中央に重なる。そこで、図2、図4に示すように、突起部18は、コア層11の幅方向における中央位置cpからどちらかの端にずらされて設けられている。これにより、エバネッセント波EWが最も集中する領域から突起部18を遠ざけることができる。すなわち、突起部18の最大高さとなる位置は、長手方向に垂直な断面において、コア層11の幅方向の中央位置cpに位置しない。また、光導波路10全体の小型化のために、コア層11は曲線状に延びる部分を有しており、突起部18は当該曲線状に延びるコア層11の直下に配置されている。このように、光導波路10は、直線状の部分よりスティッキング耐久性が低い曲線状の部分におけるコア層11のスティッキング耐久性を向上し得る。また、突起部18は、コア層11の曲線状の部分において、コア層11の内周側や外周側に偏った位置でコア層11の直下に配置されている(図2では内周側)。コア層11の曲線状に延びた部分を伝搬する光は、コア層11の曲率半径によっては、コア層11の外周側に若干偏ってコア層11内を伝搬するため、コア層11の内周側に偏った位置に突起部18を配置する構成がより好ましい。突起部18がコア層11の曲線状に延びる部分において、コア層11の内周側に偏った位置でコア層11の直下に配置された光導波路10は、突起部18とコア層11を伝搬する赤外線IRの距離がより離れるので、突起部18によるエバネッセント波EWの光吸収をより低減させ得る。ただし、突起部18がコア層11の外周側に偏った位置で配置された場合でも、突起部18と赤外線IRの距離が離れるため、一定の効果はある。
次に、本実施形態による光導波路10の製造方法について図1から図4を参照しつつ図6から図16を用いて説明する。図6は、光導波路10の製造工程平面図を示している。図7は、図6中に示すC−C線、D−D線で切断した光導波路10の製造工程端面図を示している。図8は、光導波路10の製造工程平面図を示している。図9は、図8中に示すC−C線、D−D線で切断した光導波路10の製造工程端面図を示している。図10は、光導波路10の製造工程平面図を示している。図11は、図10中に示すC−C線で切断した光導波路10の製造工程端面図を示している。図12は、図10中に示すD−D線で切断した光導波路10の製造工程端面図を示している。図13は、光導波路10の製造工程平面図を示している。図14は、図13中に示すC−C線で切断した光導波路10の製造工程端面図を示している。図15は、図13中に示すD−D線で切断した光導波路10の製造工程端面図を示している。図16は、別の実施形態の光導波路主要部を、図13中に示す光導波路主要部10aのC−C線と同じ位置で切断した製造工程端面図を示している。
まず、シリコンで形成され最終的に基板15となる支持基板15aと、シリコンで形成されコア層11が形成される活性基板11aのいずれか一方、または両方にSiO膜を形成し、このSiO膜を挟むようにして支持基板15aおよび活性基板11aを貼り合わせて熱処理して結合する。その後、活性基板11aを所定の厚さまで研削・研磨するなどして活性基板11aの膜厚を調整する。これにより、図6、図7に示すように、支持基板15aと、支持基板15a上に形成されたBOX層17aと、BOX層17a上に形成された活性基板11aとを有し、「シリコン−絶縁層−シリコン」構造を有するSOI基板100が形成される。
次に、SOI基板100をリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて活性基板11aをエッチングし、断面矩形で長手方向に延伸するコア層11を形成する。これにより、図8、図9に示すように、板状の支持基板15aと、支持基板15a上に形成され板状のBOX層17aと、BOX層17a上の一部に形成され四角柱状のコア層11とを有する光導波路主要部10aを形成する。
次に、図10から図12に示すように、コア層11およびBOX層17aの一部を覆うマスクパターンM1、マスクパターンM2を形成する。図10、図11に示すように、マスクパターンM1は、コア層11の幅方向の中央位置に対してどちらかの端側に偏って配置されている。さらに、マスクパターンM1は、コア層11の曲線状に延びる部分においては、当該部分の内周側もしくは外周側に偏って配置されている(図10、図11では内周側)。図10、図12に示すように、マスクパターンM2は、コア層11の幅方向の中央位置に対称に配置され、マスクパターンM1より幅方向に長い。マスクパターンM1、マスクパターンM2は、フォトレジストでもよいし、シリコン窒化膜等のハードマスクでもよい。また、マスクパターンM1とマスクパターンM2は、一体(すなわち同一)のマスク層であってもよく、異なるマスク層であってもよい。
次に、マスクパターンM1、マスクパターンM2をマスクとして光導波路主要部10aのBOX層17aの一部をウェットエッチングなどで除去する。これにより、図13、図14に示すように、コア層11の幅方向における中央位置から片側であって、曲線状に延びる部分の内周側もしくは外周側に偏った位置に存在する突起部18が形成される(図13、図14では内周側)。また、図13、図15に示すように、コア層11の幅方向における中央位置cpに存在する支持部17が形成される。なお、図13から図15では、支持部17および突起部18を形成する部分以外のBOX層17aが除去されているが、必ずしも完全に除去されずに、図16に示す別の実施形態のように、BOX層17aの残りなどで支持基板15aを覆う薄膜19を形成してよい。なお、このときの突起部18の最大高さは、コア層11の直下の領域における当該薄膜19表面のうち、最も低くなる位置を基準としたときの、突起部18の山形状の頂点高さである。
その後、マスクパターンM1、マスクパターンM2をエッチングする。なお、本実施形態ではグレーティングカプラの形成を省略したが、図1に示すようなグレーティングカプラ118、グレーティングカプラ119を形成する場合は、図8に示すコア層11の形成と当時もしくはその前後にグレーティングカプラ118、グレーティングカプラ119を形成し、その後、図10に示すマスクパターンM1、マスクパターンM2を形成するとよい。コア層11の長手方向の一端部にスリット状のグレーティングカプラ118を形成し、コア層11の長手方向の他端部にスリット状のグレーティングカプラ119を形成すると図1に示した構造となる。
次に、支持基板15aを所定領域で切断して光導波路主要部10aを個片化する。これにより、突起部18が、コア層11の幅方向における中央位置cpから外れて、偏った位置に存在する光導波路10(図1から図4参照)が完成する。
さらに、図1に示すように、光導波路10のグレーティングカプラ118に赤外線IRを入射できるように光源20を設置し、光導波路10のグレーティングカプラ119から出射する赤外線IRを受光できるように光検出器40を配置することにより、光学式濃度測定装置1が完成する。
このように、光導波路10は、突起部18が、コア層11の長手方向に垂直な断面における中心に重なる(コア層11を伝搬する光の光軸OAに対して最短距離である)外表面からずれて、コア層11の幅方向の中央位置cpから一方の端側に存在する構造を有することで、コア層11におけるスティッキングの発生を抑制しながら、突起部18による被測定物質MOの検出特性の低下を防止し得る。
以上説明したように、本実施形態によれば、コア層11におけるスティッキングの発生を抑制しながら、センサの感度の低下を抑える突起部18を持った光導波路10および光学式濃度測定装置1を提供することができる。
また、本実施形態による光導波路10は、突起部18による当該エバネッセント波EWの吸収量を減少させることができる。これにより、本実施形態による光導波路10は、種々の仕様態様において高感度に安定して被測定物質MOを検出することができる。
1 光学式濃度測定装置
2 外部空間
10、10’ 光導波路
10a 光導波路主要部
11、11’ コア層
11a 活性基板
13 空隙
15、15’ 基板
15a 支持基板
17 支持部
17a BOX層
18、18’ 突起部
19 薄膜
40 光検出器
51 構造体
53 物質
100 SOI基板
118,119 グレーティングカプラ
171 第1の支持部の接続部分
cp コア層の幅方向の中央位置
DM 集束イオンビームによるダメージ層
E1 構造体の内部を伝播する光の強度
E2 エバネッセント波の強度
EW エバネッセント波
IR 赤外線
L 光
MO 被測定物質
OA 光軸
WS コア層の影

Claims (18)

  1. 被測定気体または被測定液体の濃度を測定する光学式濃度測定装置に用いる光導波路であって、
    基板と、
    長手方向に沿って延伸し、光が伝搬可能なコア層と、
    前記基板の少なくとも一部と前記コア層の一部とを接続し、前記基板に対して前記コア層を支持する支持部と、
    前記基板および前記コア層に挟まれる空間領域において前記支持部とは異なる位置に配置されており、前記コア層の幅方向の中央位置から外れた位置で最大高さとなるように前記基板から前記コア層に向かって突出する突起部と、を備える
    光導波路。
  2. 前記支持部は、前記コア層よりも屈折率の小さい材料で形成されている
    請求項1に記載の光導波路。
  3. 前記突起部は、前記支持部と同一の材料で形成されている
    請求項1または2に記載の光導波路。
  4. 前記突起部は、山形状である
    請求項1から3のいずれか1項に記載の光導波路。
  5. 前記突起部は、前記コア層の幅方向において対称である
    請求項1から4のいずれか1項に記載の光導波路。
  6. 前記突起部は、前記コア層の幅方向において非対象である
    請求項1から4のいずれか1項に記載の光導波路。
  7. 前記突起部は、前記コア層の幅方向の中央位置から、前記コア層の幅の3%以上離れた位置で最大高さである
    請求項1から6のいずれか1項に記載の光導波路。
  8. 前記突起部は、前記コア層の幅方向の中央位置から、100nm以上離れた位置で最大高さである
    請求項1から7のいずれか1項に記載の光導波路。
  9. 前記突起部の最大高さは、前記コア層および前記基板の間隔の1/20以上である
    請求項1から8のいずれか1項に記載の光導波路。
  10. 前記突起部の最大高さは、100nm以上である
    請求項1から9のいずれか1項に記載の光導波路。
  11. 前記長手方向に沿って延びる前記コア層は、曲線状に延びる部分を含み、
    前記突起部は、前記曲線状に延びる部分の直下に配置されている
    請求項1から10のいずれか1項に記載の光導波路。
  12. 前記突起部は、前記曲線状に延びる部分において、前記コア層の内周側に偏った位置で前記コア層の直下に配置されている
    請求項11に記載の光導波路。
  13. 前記突起部は、前記曲線状に延びる部分において、前記コア層の外周側に偏った位置で前記コア層の直下に配置されている
    請求項11に記載の光導波路。
  14. 前記突起部は、前記コア層の長手方向に沿って断続的に存在する
    請求項1から13のいずれか1項に記載の光導波路。
  15. 前記コア層の少なくとも一部は、露出、または、薄膜により被覆されている、
    請求項1から14のいずれか1項に記載の光導波路。
  16. 前記コア層を伝搬する光はアナログ信号としての赤外線である
    請求項1から15までのいずれか1項に記載の光導波路。
  17. 請求項1から16までのいずれか1項に記載の光導波路と、
    前記コア層に光を入射可能な光源と、
    前記コア層を伝搬した光を受光可能な検出部と、を備える
    光学式濃度測定装置。
  18. 前記光源は真空波長が2μm以上12μm未満の赤外線を前記コア層に入射する
    請求項17に記載の光学式濃度測定装置。
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