以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。本実施形態では、本発明の収納庫の一例として冷蔵庫を挙げて説明する。但し、本発明は、冷蔵庫への適用に限定はされない。
<第1の実施形態>
図1には、第1の実施形態にかかる冷蔵庫10の内部構成を示す。また、図2には、冷蔵庫10とスマートフォン(情報端末)200との間で情報の送受信を行う通信システムを示す。
図2に示すように、冷蔵庫10は、上段に主冷蔵室11、中段に冷凍室12、及び、下段に野菜室(野菜用冷蔵室)13を備えている。主冷蔵室11には、左右に分割された観音開き式の冷蔵室扉11a及び11bが設けられている。冷凍室12には、引き出し式の冷凍室扉12aが設けられている。また、野菜室13には、引き出し式の野菜室扉13aが設けられている。ここで説明する冷蔵庫10の各貯蔵室の構成は一例であり、本発明はこの構成に限定はされない。
図1に示すように、本実施の形態に係る冷蔵庫10は、庫内に収納されている物品a〜j(食料品、医薬品など)を撮影するための撮影装置31(31a、31b、31c)を備えている。そして、図2に示すように、撮影装置31で得られた庫内の画像情報は、インターネットなどの情報通信網を介して、スマートフォン200などの外部の情報端末に送信される。また、冷蔵庫10の正面の冷蔵室扉11bには、撮影装置31によって撮影された庫内の画像を表示するための表示パネル35が取り付けられている。冷蔵庫10と複数の情報端末とで構成される通信システムにより、ユーザは、情報端末を利用して、例えば外出先などから自宅の冷蔵庫10内に収納されている物品を確認することができる。
次に、冷蔵庫10の主冷蔵室11の内部を、図1を参照しながら説明する。冷蔵庫10の主冷蔵室11の内部は、略直方体状を有しており、天井面21、底面22、前面23、背面24、及び、図示しない2つの側面(右側面、左側面)で区画されている。図1に示すように、主冷蔵室11内には、2つの棚(第1の棚25及び第2の棚26)が設けられている。これら第1の棚25及び第2の棚26によって、主冷蔵室内の収容空間が、上下方向に3つに区分けされている。この区分けされた3つの収容空間を、上段から順に、第1の収容空間27、第2の収容空間28、及び第3の収容空間29と呼ぶ。
また、主冷蔵室11には、庫内を明るくするための照明41、扉11a及び11bの開閉状態を検知する扉センサ42が設けられている。さらに、主冷蔵室11には、内部に収納された物品を撮影するための撮影装置31(31a・31b・31c)が、各収容空間27・28・29に対してそれぞれ設けられている。撮影装置31(31a・31b・31c)は、各収容空間27・28・29の上方にそれぞれ設けられている。具体的には、収容空間27を撮影するための撮影装置31aは、天井面21に設置されている。また、収容空間28を撮影するための撮影装置31bは、第1の棚25の内部に設けられている。また、収容空間29を撮影するための撮影装置31cは、第2の棚26の内部に設けられている。
撮影装置31は、主として、プリズム(導光部材)51とCCDカメラ(光電変換装置)52とで構成されている。プリズム51は、各収容空間27・28・29の上方に配置され、各収容空間からの光を受光し、受光した光をCCDカメラ52が配置されている方向へ導くものである。プリズム51は、各収容空間27・28・29の上方において、各収容空間の略全体を覆うように配置されている。CCDカメラ52は、プリズム51によって導かれた光を検知し、検知した光を電気信号に変換するものである。CCDカメラ52において得られた電気信号は、後述する制御部32及び画像処理部34などにおいて画像形成処理が行われた後、冷蔵庫10内を撮影した画像情報として表示パネル35及び外部の情報端末200などに送られる。CCDカメラ52は、撮影した画像を、カラー画像として検知可能なものであってもよいし、モノクロ画像として検知するものであってもよい。このような冷蔵庫10内の一連の撮影処理は、冷蔵庫10内に設けられた撮影システム30(図3参照)において行われる。
以上で説明した構成以外の冷蔵庫10の構成については、従来公知の冷蔵庫の構成を適用することができる。そのため、その詳細な説明は省略する。
続いて、図1及び図3を参照しながら、冷蔵庫10内に設けられた撮影システム30の詳細について説明する。図1では、冷蔵庫10の上段に設けられた主冷蔵室11の内部のみを示している。しかし、本実施の形態の冷蔵庫10においては、その中段に設けられた冷凍室12及び下段に設けられた野菜室13などにも、主冷蔵室11と同様の撮影システム30が設けられていてもよい。
図3に示すように、撮影システム30は、撮影装置31、制御部(画像形成部)32、メモリ33、画像処理部(画像形成部)34、表示パネル35、送信部36、照明41、扉センサ42、及びタイマ43などを主な構成要素として備えている。また、図3では、撮影システム30内の撮影装置31の主な構成部材を模式的に示している。なお、説明の便宜上、図3に示す撮影装置31では、その奥行方向をxとし、横方向をyとし、縦方向をzとする。
撮影装置31は、内部に設けられたCCDカメラ52によって撮影された各収容空間の様子を、画像データ(電気信号)として制御部32へ送信する。制御部32は、CPUで構成され、撮影システム30内の各構成要素を制御して、冷蔵庫10内の各収容空間の撮影処理を実行する。メモリ33は、撮影装置31によって撮影された画像情報を記憶する。画像処理部34は、撮影装置31のプリズム51の光学特性などに起因して発生する画像のゆがみなどを補正する処理(シェーディング補正)を行う。
表示パネル35は、撮影装置31によって撮影され、画像処理部34で処理が行われた画像を表示する。送信部36は、撮影装置31によって撮影され、画像処理部34で処理が行われた画像データを、例えば、家電制御サーバなどを介して、スマートフォン、PCなどの外部の情報端末へ送信する。照明41は、ユーザが冷蔵庫10の扉を開けた場合などに、庫内を明るくするために点灯される。扉センサ42は、冷蔵庫10に設けられた各扉の開閉状態を検知するためのセンサである。タイマ43は、各種機器内の動作等の経過時間を計測するものである。例えば、タイマ43は、扉センサ42によって扉が閉められたことを検知してからの経過時間を計測する。
撮影装置31には、上述したプリズム51及びCCDカメラ52の他に、液晶シャッタ(光路遮蔽部)53、カメラ制御部54、及びスリット走査部55などが備えられている。図3に示すように、プリズム51、CCDカメラ52、及び液晶シャッタ53は、透明な樹脂などで形成された筐体(ケース)60内に収納されている。このように、筐体60が撮影装置31の各構成部材を保護するカバーとしての役割を果たしている。特に、プリズム51は、傷や衝撃などに起因するゆがみなどにより、その光路が変わってしまう可能性がある。そこで、プラスチックなどの比較的剛性の高いカバーでプリズムを覆うことで、プリズムの傷やゆがみを防ぐことができる。なお、冷蔵室11内の空間を仕切るための棚(例えば、第1の棚25及び第2の棚26)を、筐体60で構成し、その内部に撮影装置31を配置してもよい。これにより、筐体60は、食料品を載せるための棚の機能と、撮影装置31を保護するカバーの機能とを兼ね備えることができる。
なお、本実施の形態の冷蔵庫10においては、第2の収容空間28及び第3の収容空間29を撮影するための撮影装置31b・31cを収納する筐体60は、第1の棚25及び第2の棚26を構成している。一方、第1の収容空間27を撮影するための撮影装置31aを収納する筐体60は、天井面21に設置されている。
図3に示すように、プリズム51は、断面が三角形の角柱形状を有している。プリズム51は、ガラス、水晶など透明な材質で形成されており、周囲の空間とは異なる屈折率を有している。これにより、プリズム51は、受光面51aに入射した光を屈折させて、出射面51bへと導く導光部材として機能する。図3では、撮影装置31の下部の収容空間からの光(収容空間に配置された各物品から反射された光)が撮影装置31内を進行する様子を矢印L0、L1、L2、L3、L4で順に示している。
液晶シャッタ53は、筐体60内の底面(すなわち、プリズム51の受光面51aの下部)に設けられている。図3に示すように、液晶シャッタ53は、筐体60の底面の略全領域にわたって配置されている。図4(a)には、液晶シャッタ53の画素構成を示す。図4(a)に示すように、液晶シャッタ53には、x方向に延びる線状の画素Pが、y方向に複数個並んで配置されている。
スリット走査部55は、液晶シャッタ53に接続され、液晶シャッタ53内の各画素の透過状態を制御する。すなわち、撮影装置31が収容空間の撮影処理を開始すると、スリット走査部55は、液晶シャッタ53内の複数個の画素Pを順次駆動し、各画素Pの透過及び遮蔽の制御を行う。すなわち、スリット走査部55によって透過状態に制御されている画素Pがスリット(光透過部)となる。そして、スリット走査部55によって各画素Pが順次透過状態となることで、液晶シャッタ53内のスリットの位置が移動する。液晶シャッタ53の画素には、例えば、RGBのカラーフィルタが設けられていてもよい。
また、プリズム51の出射面51bの近傍には、出射面51bと向き合うようにCCDカメラ52が配置されている。本実施の形態においては、図3に示すように、CCDカメラ52は、x方向に延びる線状の形状を有している。すなわち、CCDカメラ52内には、x方向に直線的に配列した複数個の撮像素子が含まれている。
カメラ制御部54は、CCDカメラ52に接続され、CCDカメラ52の走査を制御する。本実施の形態では、カメラ制御部54は、z1方向(x方向と直交する方向)にCCDカメラ52を走査する。
本実施の形態の撮影装置31は、上記のような構成により、収容空間からの光L0を、液晶シャッタ53において形成されたスリット(光透過部)を通過させ(L1)、線状の光としてプリズム51へ入射し屈折させる(L2)ことができる。さらに、プリズム51内を進んだ光(L3)は、最終的に出射面51bから出射し(L4)、CCDカメラ52によって受光され、電気信号に変換される。
なお、撮影装置31において行われる撮影処理において、スリット走査部55による液晶シャッタ53の制御と、カメラ制御部54によるCCDカメラ52の走査制御とは連動している。具体的には、スリット走査部55による駆動が開始されると、図3で示すy1方向に、複数個配列した画素Pが1つずつ順次透過状態となり、透過状態となった画素Pから透過した光に基づく画像(x方向の線状画像)のみが、プリズム51内に導かれる。そして、スリット走査部55による駆動の開始に合わせて、カメラ制御部54がCCDカメラ52をz1方向に走査することで、プリズム51を導かれた線状画像が、CCDカメラ52によって順次取得され、画像データ(電気信号)に変換される。
CCDカメラ52によって取得された画像データは、制御部32及び画像処理部34(画像形成部)に送信され、ゆがみ補正などを含む画像形成処理が行われる。ここで行われる画像形成処理については、例えば、ラインセンサを備えたスキャナ装置などを用いて、取得された画像データを1枚の画像として出力する場合に一般的に行われている画像形成処理を適用してもよい。
以上のような一連の撮影処理が終了すると、プリズム51の受光面51a全体でとらえた面状の画像が得られる。得られた画像は、例えば、一旦メモリ33に格納された後、表示パネル35に送信される。表示パネル35では、冷蔵室11内の各収容空間27・28・29の撮影画像を適宜表示させることができる。これにより、使用者は、冷蔵庫10の扉を開けることなく、冷蔵室11内の収容物の状況を確認することができる。
また、メモリ33に格納された撮影画像の情報は、例えば、スマートフォンなどの外部の情報端末200からの要求により、送信部36を介して、要求元の情報端末200へ送信される。これにより、冷蔵庫10の使用者は、外出先などから情報端末200を介して冷蔵室11内の現在の収容物の状況を確認することができる。そのため、例えば買物時に、情報端末200を用いて冷蔵室11内に目的とする収容物が存在するか否かを確認し、必要に応じて、その目的の収容物を購入するか否かを決めることができる。
なお、本実施の形態では、冷蔵室11に設置された撮影システム30のみについて言及しているが、他の貯蔵室(冷凍室12、野菜室13など)にも同様の撮影システム30が備えられていることが好ましい。これにより、冷蔵庫10内の全ての貯蔵室内の収容物の状況を、冷蔵庫10の各扉を開けることなく確認することができる。
本実施の形態の冷蔵庫10は、上記のように、各収容空間の上方に、当該収容空間全体からの反射光を受光できるようなプリズム51を備えている。そして、プリズム51が受光した収容空間からの反射光を、収容空間の一端部(例えば、背面24側)へ導くことができる。また、上記収容空間の一端部には、プリズム51から出射された光を検知し、電気信号に変換するCCDカメラ52が配置されている。
上記の構成によれば、プリズム51が設けられていることにより、冷蔵庫の各収容空間を上方から全体的にとらえた画像を、各収容空間の端部に配置されたCCDカメラ52へ、効率的に集めることができる。
もし、本実施の形態の冷蔵庫においてプリズムが設けられていなかったとすると、CCDカメラ52によって全ての収容物を捉えきれない可能性がある。例えば、特許文献1や特許文献2に示されるように収容空間内にカメラを配置したとしても、図1に示すような位置関係で収容物g及びjが配置されているとすると、カメラからより遠くに置かれている背の低い収容物jは、カメラに近い背高の収容物gの陰に隠れてしまい、カメラによって認識されない可能性が高い。
また、例えば、特許文献2(特開2012−193873号公報)に開示されている冷蔵庫のように、1つの収納スペースに複数台のカメラを設置した場合であっても、収容スペースに非常に多くの品物が収容されていると、カメラと各品物との位置関係によっては品物が認識されない可能性がある。
これに対して、本実施の形態の冷蔵庫によれば、冷蔵庫内の各収容空間に置かれた収容物を上方から平面的にとらえた画像を、撮影画像として取得することができる。これにより、収容物の認識漏れを大きく減少させることができる。また、カメラの台数を減らしても、収容物の認識漏れの発生を抑えることができる。そのため、製造コストの削減が期待できる。また、本実施の形態の冷蔵庫によれば、各収容空間の上面全体を覆うような大面積のCCDカメラを設けることなく、収納空間の上面全体を捉えた画像を取得することができる。したがって、CCDカメラに用いる撮像素子の個数をより少なくすることができる。
本実施の形態では、導光部材としてプリズムを用いているが、本発明はこれに限定はされない。本発明の冷蔵庫に用いられる導光部材は、各収容空間を上方から俯瞰した状態の画像を取得することができるように、収容空間から入射した光を屈折または反射させて、光電変換装置まで導くことができるものであればよい。このような導光部材としては、光ファイバ、ミラーなどが挙げられる。導光部材として光ファイバを用いる場合には、収容空間の上面全体に複数の光ファイバを配置し、収容空間の一端部に設けられた光電変換装置まで光を導く構成とすればよい。また、光ファイバの先端の受光部が、収容空間の上方を面状に移動するような構成であってもよい。
また、本実施の形態では、プリズムへの入射光の光路を部分的に遮断する光路遮蔽部として、液晶シャッタを採用しているが、本発明はこれに限定はされない。例えば、光路遮蔽部として、板状や膜状の部材に移動可能なスリット(隙間)が形成された機械式の移動スリットを採用することもできる。
図4(b)には、液晶シャッタの変形例を示す。図4(a)に示す液晶シャッタ53には、y方向のみに複数個に分割された線状の画素が形成されている。これに対して、図4(b)に示す液晶シャッタ253においては、略正方形状の複数個の画素が面全体に形成され、これらの画素がx方向及びy方向にマトリクス状に並んで配置されている。
図4(b)に示す液晶シャッタ253は、例えば、x方向に各画素を一つずつ順次走査して透過状態とする。この場合、CCDカメラ52は、プリズム51を通過して得られた点状の光を順次取得し、画像データに変換して、1本のx方向の線状の画像データとすることができる。続いて、液晶シャッタ253は、y1方向に一つずれた列において、同様にx方向に各画素を一つずつ順次走査して透過状態とする。このとき、CCDカメラ52は、z方向に一つずれた列において、プリズム51を通過して得られた点状の光を順次取得し、画像データに変換して、1本のx方向の線状の画像データとすることができる。これを繰り返すことで、1枚の面状の画像データを取得することができる。
上述した液晶シャッタ253の制御方法は一例であり、本発明はこれに限定はされない。例えば、x方向に配列した複数の画素の一列を同時に透過状態として、図4(a)に示す液晶シャッタ53と同様に、線状の画像データを一度に取得することも可能である。
なお、本発明の冷蔵庫においては、光路遮蔽部は必ずしも設けられていなくてもよい。しかし、プリズム内へ入射した光がプリズム内を多重反射することで、画像が混合する可能性がある。そこで、収容空間とプリズムとの間に光路遮蔽部を設け、プリズムに対して光を線状に入射させることで、このような画像の混合を抑えることができる。
また、本実施の形態では、CCDカメラ52がz1方向に移動する構成を例に挙げて説明した。しかし、プリズム51の光学特性によって、受光面51aからの光を出射面51bの特定の箇所に効率よく集光させることができれば、CCDカメラは固定されていてもよい。また、液晶シャッタによって画像の混合を抑えることができれば、CCDカメラは固定されていてもよい。
また、本実施の形態では、プリズムを通して送られた光学情報を画像データ(電気信号)へ変換する光電変換装置として、CCDカメラを用いているが、本発明はこれに限定はされない。これ以外の光電変換装置として、例えば、CMOSカメラのようなイメージセンサとして利用されているものが挙げられる。
続いて、本実施形態の冷蔵庫10において行われる収容空間の撮影処理の流れを、図5を参照しながら説明する。
冷蔵庫内の撮影処理は、使用者が冷蔵庫の扉を閉めた後に実施されることが望ましい。これは、通常、使用者は、冷蔵庫から物品を取り出す目的で、冷蔵庫の扉を開けることが多く、使用者が冷蔵庫の扉を閉めたときには、扉を開ける前と比較して庫内の状態が変化している可能性が高いためである。
図5に示すように、収容空間の撮影処理は、扉センサ42によって、冷蔵庫10の扉11a(又は扉11b)が開状態であると検知されたときに開始される。ここで、扉センサ42は、扉11a(又は扉11b)が閉じられたか否かを検知する(ステップS1)。S1において扉11a(又は扉11b)が依然として開状態であると検知された場合には(S1でNo)、扉が閉じられるまでこのステップを繰り返す。
一方、S1において扉11a(又は扉11b)が閉じられたと検知されると(S1でYes)、制御部32は、照明41を消灯(OFF)し(ステップS2)、タイマ43の計測を開始(ON)させる(ステップS3)。そして、タイマ43が所定時間(例えば、30秒)経過するまで待機する(ステップS4)。その後、タイマ43が所定時間経過したことを通知すると(S4でYes)、制御部32は照明41を点灯(ON)する(ステップS5)。
照明41が点灯した後、撮影装置31は各収容空間27・28・29の撮影を開始する(ステップS6)。すなわち、各収容空間27・28・29に対応する各撮影装置31a・31b・31c内の液晶シャッタ53及びCCDカメラ52が、それぞれ上述のような動作をして、各収容空間の俯瞰画像を撮影する。そして、各収容空間27・28・29の撮影が全て終了すると(ステップS7でYes)、照明41は消灯(OFF)され(ステップS8)、一連の撮影処理は終了する。
以上のような流れで、使用者が冷蔵室11の扉を閉めたタイミングで、冷蔵室11内の各収容空間の撮影処理を行うことができる。そして、撮影処理によって取得された画像データは、制御部32及び画像処理部34(画像形成部)に送信されて、上述したような画像処理が行われ、各収容空間の最新の撮影画像としてメモリ33に保存される。
なお、上記のようなタイミングで撮影処理を行い、最新の撮影画像とその一つ前の撮影画像とを比較することで、冷蔵室11に新たに追加された収容物や、冷蔵室11から取り出された収容物の情報を得ることができる。
また、冷蔵室11の扉が閉められた直後においては、扉を解放した際に外部から侵入した湿気を含むより暖かな空気の影響で、CCDカメラ52のレンズなどにくもりが生じることがある。このような状態で撮影処理を行うと、撮影画像が不鮮明になる可能性がある。そこで、上述の撮影処理のように、冷蔵室11の扉を閉じてから所定時間(例えば、30秒)が経過するのを待って、CCDカメラ52のくもりが除去された後に、撮影を開始することが好ましい。
また、上述の方法では、ステップS5で照明41を点灯(ON)しているが、照明41以外に撮影用の照明を設けている構成では、ステップS5では撮影用の照明を点灯(ON)してもよい。この場合、撮影用の照明は収容空間27・28・29毎に設けることが好ましい。また、CCDカメラ52の手前にハーフミラーなどを設けてもよい。これにより、照明用の光路を撮影用の光路と兼用することができる。
<プリズムの変形例>
本発明の冷蔵庫の撮影装置に用いられるプリズムの構造は、上述した実施の形態で説明したものに限定されない。本発明の冷蔵庫の撮影装置に用いられるプリズムは、収容空間に入射した光を、収容空間の端部に設けられた光電変換装置へ導くことができるものであればよい。図6には、プリズムの変形例を示す。
なお、ここで説明するプリズム(導光部材)は、各収容空間の上方に配置されている。しかし、本発明では、導光部材の収容空間における配置位置は、上方に限定はされない。導光部材は、収容空間からの光を受光し、収容空間の端部に設けられた光電変換装置に導くことができればよい。そのため、導光部材は、例えば、各収容空間の区画壁、あるいは、冷蔵庫の扉の庫内側の面などに配置することができる。ここで、収容空間の区画壁とは、収容空間に面している何れかの壁のことを意味する。この区画壁には、冷蔵庫内の収容空間の棚、仕切り壁、内壁などを含む。
収容空間の区画壁に導光部材が配置されていることで、収容空間内の光を効率的に収容空間へ導くことができる。また、収容空間の区画壁の中でも特に、収容空間の上方に導光部材が配置されていることが好ましい。これにより、導光部材は、収容空間全体を俯瞰的に捉えた画像を得ることができ、この画像を端部の光電変換装置へ伝えることができる。
図6(a)に示すように、大きさの異なる2つのプリズム351a及びプリズム351bを組み合わせて、1つの導光部材を351形成している。より幅の大きなプリズム351aは、上述の第1の実施形態で使用されるプリズム51と同じ構造を有しており、第1の実施形態と同様に、撮影装置31内に配置される。なお、図6(a)に示す例では、2つの導光部材を組み合わせて導光部材351を形成しているが、一つの導光部材を図6(a)に示すような形状に成形して、導光部材351としてもよい。
図6(b)に示すように、プリズム351aは、第1面351cと第2面351dと第3面とを有している。プリズム351bは、第1面351dと第2面351eと第3面とを有している。そして、より小さなプリズム351bの第1面351dは、プリズム351aの第2面351dと接触するように配置されている。プリズム351bの第1面351dと、プリズム351aの第2面351dとは、ほぼ同じ面積を有している。
図6(b)に示すように、プリズム351bの第2面351e上に、CCDカメラ352が配置されている。CCDカメラ352は、第1の実施形態におけるCCDカメラ52と同様に、複数個の撮像素子が線状に配列した形状を有している。図6(b)には、収容空間から導光部材351に入射する光の進行を矢印で模式的に示す。図6(b)に示すように、プリズム351aの第1面351cから入射した光は、プリズム351bとの接触面351dにおいて一旦収束して、プリズム351bへ入射する。その後、光はプリズム351b内を導かれ、第2面351eにおいて出射する。第2面351eから出射した光は、第2面351eに沿って走査されるCCDカメラ352によって光電変換され、画像データ(電気信号)となる。
上記のような構成により、本変形例は、2つのプリズム351a及び351bで一つの導光部材351を形成している。導光部材351は、図6(c)に示すように、プリズム351aの第1面351cから入射した光を、プリズム351bの第2面351eから出射させることができる。プリズム351bの第2面351eは、第1面351dの面積よりも大きいため、第1面351dで収束された光は、第2面351eでは、より拡大されて出射される。そのため、CCDカメラ352では、プリズム351aを単独で用いた場合と比較して、収容空間からの光をより正確に検知できる。また、CCDカメラ352がより拡大されて出射された光を画像データとして取得できることで、その後に行われる画像処理において、画像の解像度を向上させ、より鮮明な撮影画像を形成することができる。
<変形例1>
続いて、上述した第1の実施形態を応用した変形例1について説明する。上述の第1の実施形態では、光電変換装置として線状のCCDラインセンサを用いているが、本発明はこれに限定はされない。そこで、本変形例では、より受光面積の大きなCCDカメラを用いる例について説明する。
本変形例にかかる冷蔵庫10は、撮影装置431の構成のみが、第1の実施形態にかかる冷蔵庫とは異なっている。その他の構成については、基本的に第1の実施形態の冷蔵庫と同じ構成を適用することができる。そこで、ここでは、第1の実施形態とは異なる部分のみを説明する。
図7には、本変形例に係る冷蔵庫10に設けられた撮影装置431の構成を概略的に示す。第1の実施形態で説明した撮影装置31と同様に、撮影装置431は、主として、プリズム(導光部材)451とCCDカメラ(光電変換装置)452とで構成されている。第1の実施形態と同様に、撮影装置431を構成するプリズム451及びCCDカメラ452などは、透明な樹脂などで形成された筐体(ケース)460内に収納されている。
プリズム451は、第1の実施形態と同様に、各収容空間の上方において、各収容空間の略全体を覆うように配置されている。CCDカメラ452は、プリズム451によって導かれた光を検知し、検知した光を電気信号に変換するものである。本変形例では、CCDカメラ452として、第1の実施形態のCCDカメラ52よりも受光面積の大きなエリアセンサの形態のCCDカメラを用いている。図7に示すように、CCDカメラ452は、プリズム451の光出射面451aとほぼ同じ面積の長方形状の受光面を有している。CCDカメラ452内には、横方向及び縦方向にそれぞれ配列した複数個の撮像素子が含まれている。
上記のようなCCDカメラ452を用いることで、CCDカメラ452を走査することなく、プリズム451によって導かれた収容空間全体からの光を、画像データ(電気信号)に変換することができる。CCDカメラ452において得られた電気信号は、第1の実施形態と同様に、制御部32及び画像処理部34などにおいて画像形成処理が行われた後、冷蔵庫10内を撮影した画像情報として表示パネル35及び外部の情報端末200などに送られる。冷蔵庫10内の一連の撮影処理は、第1の実施形態と同様に行われる。
なお、撮影装置431では、プリズム451の受光面の幅に対して、出射面451aの幅(具体的には、図7中のz方向の幅)が縮小された構造となっている。そのため、CCDカメラ452によって取得された画像データでは、収容空間がy方向(図7)に圧縮されたような画像となる。そこで、制御部32及び画像処理部34では、デジタル処理によって、画像データを引き延ばすことが好ましい。これにより、視認時と比較して違和感のない収容空間の撮影画像を得ることができる。
また、図7に示す撮影装置431には、液晶シャッタは図示されていないが、プリズム内の多重反射による画像の混合を軽減するために、液晶シャッタを適宜用いてもよい。また、図6を用いて説明した複数のプリズムを組み合わせた構成において、上記のようなCCDカメラ452を適用してもよい。
<変形例2>
続いて、第1の実施形態を応用した変形例2について説明する。本変形例は、上述の第1の実施形態とは、CCDカメラの構造が異なっている。その他の構成については、基本的に第1の実施形態の冷蔵庫と同じ構成を適用することができる。そこで、ここでは、第1の実施形態とは異なる部分のみを説明する。
図8には、本変形例に係る冷蔵庫10に設けられた撮影装置531の構成を概略的に示す。第1の実施形態で説明した撮影装置31と同様に、撮影装置531は、主として、プリズム(導光部材)551とCCDカメラ(光電変換装置)552とで構成されている。第1の実施形態と同様に、撮影装置531を構成するプリズム551及びCCDカメラ552などは、透明な樹脂などで形成された筐体(ケース)560内に収納されている。
プリズム551は、第1の実施形態と同様に、各収容空間の上方において、各収容空間の略全体を覆うように配置されている。CCDカメラ552は、プリズム551によって導かれた光を検知し、検知した光を電気信号に変換するものである。本変形例では、図8に示すように、CCDカメラ552は、縦方向(図中z方向)に延びる線状の形状を有している。すなわち、CCDカメラ552内には、z方向に直線的に配列した複数個の撮像素子が含まれている。そして、CCDカメラ552は、カメラ制御部(図示せず)によってその走査が制御される。本変形例では、カメラ制御部は、x1方向にCCDカメラ552を走査する。
CCDカメラ552において得られた電気信号は、第1の実施形態と同様に、制御部32及び画像処理部34などにおいて画像形成処理が行われた後、冷蔵庫10内を撮影した画像情報として表示パネル35及び外部の情報端末200などに送られる。冷蔵庫10内の一連の撮影処理は、第1の実施形態と同様に行われる。
なお、図8に示す撮影装置531には、液晶シャッタは図示されていないが、プリズム内の多重反射による画像の混合を軽減するために、液晶シャッタを適宜用いてもよい。また、図6を用いて説明した複数のプリズムを組み合わせた構成において、上記のようなCCDカメラ552を適用してもよい。
<変形例3>
続いて、第1の実施形態を応用した変形例3について説明する。本変形例は、上述の第1の実施形態とは、CCDカメラの構造が異なっている。その他の構成については、基本的に第1の実施形態の冷蔵庫と同じ構成を適用することができる。そこで、ここでは、第1の実施形態とは異なる部分のみを説明する。
図9には、本変形例に係る冷蔵庫10に設けられた撮影装置631の構成を概略的に示す。第1の実施形態で説明した撮影装置31と同様に、撮影装置631は、主として、プリズム(導光部材)651とCCDカメラ(光電変換装置)652とで構成されている。第1の実施形態と同様に、撮影装置631を構成するプリズム651及びCCDカメラ652などは、透明な樹脂などで形成された筐体(ケース)660内に収納されている。
プリズム651は、第1の実施形態と同様に、各収容空間の上方において、各収容空間の略全体を覆うように配置されている。CCDカメラ652は、プリズム651によって導かれた光を検知し、検知した光を電気信号に変換するものである。本変形例では、図9に示すように、CCDカメラ652は、略円形状を有している。そして、CCDカメラ652内には、奥行方向(図9のx1方向)及び縦方向(図9のz1方向)にそれぞれ配列した複数個の撮像素子が含まれている。これにより、CCDカメラ652は、所定の面積を有するエリアセンサの形態を有している。CCDカメラ652は、カメラ制御部(図示せず)によってその走査が制御される。本変形例では、カメラ制御部は、プリズム651の光出射面651aに沿うように、奥行方向x1及び縦方向z1にそれぞれ水平方向に移動する。
CCDカメラ652において得られた電気信号は、第1の実施形態と同様に、制御部32及び画像処理部34などにおいて画像形成処理が行われた後、冷蔵庫10内を撮影した画像情報として表示パネル35及び外部の情報端末200などに送られる。冷蔵庫10内の一連の撮影処理は、第1の実施形態と同様に行われる。
なお、図9に示す撮影装置631には、液晶シャッタは図示されていないが、プリズム内の多重反射による画像の混合を軽減するために、液晶シャッタを適宜用いてもよい。また、図6を用いて説明した複数のプリズムを組み合わせた構成において、上記のようなCCDカメラ652を適用してもよい。
また、本変形例では、複数個の撮像素子が縦横に複数個配列したエリアセンサ状のCCDカメラとしているが、1個の撮像素子のみを有するCCDカメラであっても、本変形例と同様の方法で、収容空間の上方からの撮影画像を取得することができる。
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態の冷蔵庫では、プリズムなどの導光部材が、収容空間からの光を受光し、その光を収容空間の一端部に設けられた光電変換装置へ導くことで、収容空間を上方から見た画像を取得している。これに対して、第2の実施形態では、光電変換装置へ光を導く導光部材が収容空間の上方を水平に移動して、収容空間を複数個所から捉えた画像を得る冷蔵庫の例について説明する。第2の実施形態の冷蔵庫に設けられた撮影装置は、走査撮像装置として機能する。
図10には、本第2の実施の形態にかかる冷蔵庫100の内部構成を示す。また、図10では、冷蔵庫100に備えられた撮影システム130内の主な構成部材を模式的に示している。また、図11には、撮影システム130内の撮影装置131の平面構成を示す。
本第2の実施形態に係る冷蔵庫100は、第1の実施形態の冷蔵庫10と同様に、スマートフォン200などの外部の情報端末との間で通信システムを構成する(図2参照)。本第2の実施形態にかかる冷蔵庫100は、撮影装置131の構成のみが、第1の実施形態にかかる冷蔵庫10とは異なっている。その他の構成については、基本的に第1の実施形態の冷蔵庫10と同じ構成を適用することができる。そこで、本第2の実施形態では、第1の実施形態とは異なる部分のみを説明する。
冷蔵庫100の主冷蔵室111の内部は、第1の実施形態の冷蔵庫10と同様に、略直方体状を有しており、天井面、底面、前面、背面、及び、2つの側面(右側面、左側面)で区画されている。図10に示すように、主冷蔵室111内には、2つの棚(第1の棚125及び第2の棚126)が設けられている。これら第1の棚125及び第2の棚126によって、主冷蔵室内の収容空間が、上下方向に3つに区分けされている。この区分けされた3つの収容空間を、上段から順に、第1の収容空間127、第2の収容空間128、及び第3の収容空間129と呼ぶ。
また、主冷蔵室111には、庫内を明るくするための照明141、及び、主冷蔵室の扉111aの開閉状態を検知する扉センサ142が設けられている。さらに、主冷蔵室111には、内部に収納された物品を撮影するための撮影装置131(131a・131b・131c)が、各収容空間127・128・129に対してそれぞれ設けられている。撮影装置131(131a・131b・131c)は、各収容空間127・128・129の上方にそれぞれ設けられている。具体的には、収容空間127を撮影するための撮影装置131aは、天井面121に設置されている。また、収容空間128を撮影するための撮影装置131bは、第1の棚125の内部に設けられている。また、収容空間129を撮影するための撮影装置131cは、第2の棚126の内部に設けられている。
撮影装置131を構成する走査ユニット151及びCCDカメラ152などは、第1の実施形態と同様に透明な樹脂などで形成された筐体(ケース)160内に収納されている。なお、冷蔵庫100においては、第2の収容空間128及び第3の収容空間129を撮影するための撮影装置131b・131cを収納する筐体160は、第1の棚125及び第2の棚126を構成している。一方、第1の収容空間127を撮影するための撮影装置131aを収納する筐体160は、天井面121に設置されている。
撮影装置131は、主として、走査ユニット(導光部材)151と、CCDカメラ(光電変換装置)152と、走査ユニット駆動部155とで構成されている。
走査ユニット151は、各収容空間127・128・129の上方に配置されている。走査ユニット151は、自身が移動しながら、複数個所において各収容空間からの光を受光し、各収容空間を上方から撮像した画像として、CCDカメラ152へ導くものである。図11に示すように、CCDカメラ152は、冷蔵庫100の左右方向に(左側面から右側面へ)線状に延びるラインセンサである。CCDカメラ152へ光を導く走査ユニット151も、CCDカメラ152の形状に合わせて、冷蔵庫100の左右方向に線状に延びる形状を有している。走査ユニット151は、平板状の支持基材156に支持されており、図10及び図11において矢印で示すように、筐体(ケース)160内を水平方向に移動する。なお、このような水平移動を実現するために、支持基材156はベルトコンベアのような構造を有していてもよい。
走査ユニット151内には、撮影対象となる各収容空間に対して光を照射する光源153と、各収容空間からの反射光を収容空間の端部に配置されたCCDカメラ152へ導くミラー154とが備えられている。CCDカメラ152は、走査ユニット151から導かれた光を光電変換して電気信号とする。CCDカメラ152において得られた電気信号は、後述する制御部132及び画像処理部134などにおいて画像形成処理が行われた後、冷蔵庫100内を撮影した画像情報として表示パネル135及び外部の情報端末200などに送られる。このような冷蔵庫100内の一連の撮影処理は、冷蔵庫100内に設けられた撮影システム130において行われる。
続いて、図10及び図11を参照しながら、冷蔵庫100内に設けられた撮影システム130について説明する。図10では、冷蔵庫100の上段に設けられた主冷蔵室111の内部のみを示しているが、本実施の形態の冷蔵庫100においては、その中段に設けられた冷凍室及び下段に設けられた野菜室などにも、主冷蔵室111と同様の撮影システム130が設けられていてもよい。
図10に示すように、撮影システム130は、撮影装置131、制御部(画像形成部)132、メモリ133、画像処理部(画像形成部)134、表示パネル135、送信部136、扉センサ142、及びタイマ143などを主な構成要素として備えている。
撮影装置131は、各収容空間の上方を移動しながら、収容空間からの光をCCDカメラ152へ導く走査ユニット151と、走査ユニット151からの光を光電変換し、画像データ(電気信号)として制御部132へ送信するCCDカメラ152とを備えている。制御部132、メモリ133、画像処理部134、表示パネル135、送信部136、扉センサ142、及びタイマ143については、第1の実施の形態で説明した、制御部32、メモリ33、画像処理部34、表示パネル35、送信部36、扉センサ42、及びタイマ43と、それぞれ基本的に同様の構成を有しているため、詳しい説明については省略する。
続いて、本実施形態の冷蔵庫100において行われる収容空間の撮影処理の流れについて説明する。第1の実施形態の冷蔵庫10では、主冷蔵室11内全体を照射する照明41を点灯させて各収容空間の撮影を行っていた。これに対して、本実施の形態の冷蔵庫100では、扉111aが閉められた後に行われる撮影処理において、照明141は使用せず、各撮影装置131内に備えられた走査光源153を使用して、所定の部分のみを明るくしている。
つまり、図4を用いて説明した第1の実施形態の冷蔵庫10における撮影処理において、ステップS5の照明41を、走査ユニット151内の光源153に変更し、ステップS8の照明41も、走査ユニット151内の光源153に変更することで、冷蔵庫100内の各収容空間の撮影処理を行うことができる。また、ステップS6からステップS7においては、走査ユニット駆動部155が走査ユニット151を駆動し、走査ユニット151が各収容空間の上面全体を通過するように、走査ユニット151を走査させる(図11参照)。そして、CCDカメラ152は、上面を移動する走査ユニット151から順次送信される光信号を電気信号に変換し、画像データとして制御部132及び画像処理部134へ送信する。ここで、走査ユニットが収容空間の上面を移動するとは、収容空間の上方を走査ユニットが平面状に(例えば、水平に)移動することを意味する。制御部132及び画像処理部134は、この画像データに基づいて、各収容空間を上方から撮影した1枚の画像データを形成する。
上記以外の撮影処理の流れについては、図4を用いて説明した冷蔵庫10における撮影処理の流れと同じである。そのため、詳しい説明については省略する。
本実施の形態の冷蔵庫100は、上記のように、各収容空間の上方に、当該空間を面状に移動する走査ユニット151を備えている。走査ユニット151内には、収容空間の端部に配置されたCCDカメラ152へ導くためのミラー154が設けられており、収容空間から受光した光をCCDカメラ152へ導くことができる。
上記の構成によれば、走査ユニット151が受光した光を、各収容空間の端部に配置されたCCDカメラ152へ、効率的に集めることができる。また、走査ユニット駆動部155は、冷蔵庫の各収容空間の上面全体を網羅するように走査ユニット151を走査する。これにより、CCDカメラ152は、収容空間の上面全体をくまなく撮像して得られた電気信号を画像データとして得ることができる。
そのため、本実施の形態の冷蔵庫によれば、冷蔵庫内の各収容空間に置かれた収容物を上方から平面的にとらえた画像を、撮影画像として取得することができる。これにより、収容物の認識漏れを大きく減少させることができる。また、カメラの台数を減らしても、収容物の認識漏れの発生を抑えることができる。
<第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。上述の第2の実施形態では、走査ユニット内の導光部材が収容空間の上方を水平に移動して、複数個所から収容空間を捉えた画像を得る冷蔵庫の例について説明した。これに対して、第3の実施形態では、走査ユニット内にCCDカメラが設置され、光電変換装置自体が、収容空間の上方を水平に移動して、複数個所から収容空間を撮影する冷蔵庫の例について説明する。
本第3の実施形態に係る冷蔵庫110は、第1及び第2の実施形態の冷蔵庫と同様に、スマートフォン200などの外部の情報端末との間で通信システムを構成する(図2参照)。本第3の実施形態にかかる冷蔵庫110は、撮影装置731の構成のみが、第2の実施形態にかかる冷蔵庫100とは異なっている。その他の構成については、基本的に第2の実施形態の冷蔵庫と同じ構成を適用することができる。そこで、本第3の実施形態では、上述の実施形態とは異なる部分のみを説明する。
図12には、本実施形態に係る冷蔵庫110に設けられた撮影装置731の構成を概略的に示す。図12に示すように、撮影装置731は、主として、走査ユニット(光電変換装置)751と、走査ユニット751を支持する平板状の支持基材756と、走査ユニット駆動部(図示せず)とで構成されている。
走査ユニット751の内部には、主な構成部材として、撮影対象となる各収容空間に対して光を照射する光源753と、各収容空間からの反射光を受光し、画像データ(電気信号)に変換するCCDカメラ752とが設けられている。第1及び第2の実施形態と同様に、撮影装置731を構成する支持基材756及び走査ユニット751などは、透明な樹脂などで形成された筐体(ケース)に収納されている。
図示はしていないが、走査ユニット751は、冷蔵庫110に設けられた各収容空間の上方に配置されている。走査ユニット751は、自身が移動しながら、複数個所において各収容空間からの光を受光し、内部に設置されたCCDカメラ752が各収容空間の上方からの俯瞰画像を画像データとして出力する。走査ユニット751は、第2の実施形態の走査ユニット151と同様に、冷蔵庫110の左右方向に(左側面から右側面へ)線状に延びる形状を有している(図11参照)。走査ユニット751内に設置されたCCDカメラ752も、走査ユニット751の形状に合わせて、冷蔵庫110の左右方向に線状に延びるラインセンサの形態を有している。走査ユニット751は、平板状の支持基材756の表面に沿って、筐体(ケース)内を水平方向(上記左右方向に直交する方向)に移動する(図11参照)。
CCDカメラ752において得られた画像データ(電気信号)は、第2の実施形態と同様に、制御部及び画像処理部などにおいて画像形成処理が行われた後、冷蔵庫110内を撮影した画像情報として表示パネル及び外部の情報端末などに送られる。このような冷蔵庫110内の一連の撮影処理は、冷蔵庫110内に設けられた撮影システムにおいて行われる。
本実施の形態の冷蔵庫110は、上記のように、各収容空間の上方に、当該空間を面状に移動する走査ユニット751を備えている。走査ユニット751内には、収容空間を撮像し、電気信号に変換するCCDカメラ752が備えられている。また、走査ユニット駆動部は、冷蔵庫の各収容空間の上面全体を網羅するように走査ユニット751を走査することができる。これにより、走査ユニット751内のCCDカメラ752は、収容空間の上面全体をくまなく撮像して得られた電気信号を画像データとして得ることができる。
本実施の形態の冷蔵庫によれば、冷蔵庫内の各収容空間に置かれた収容物を上方から平面的にとらえた画像を、撮影画像として取得することができる。これにより、収容物の認識漏れを大きく減少させることができる。また、カメラの台数を減らしても、収容物の認識漏れの発生を抑えることができる。
なお、本実施の形態では、走査ユニット751は、収容空間の上面全体をくまなく移動し、CCDカメラ752は、常に撮影を行う構成となっている。しかし、本発明はこのような構成に限定はされない。例えば、収容空間の上面を移動する走査ユニットが、当該上面の複数の箇所において収容空間の撮影を行う構成も、本発明の範疇に含まれる。
<変形例A>
続いて、上述した第3の実施形態を応用した変形例Aについて説明する。上述の第3の実施形態では、走査ユニット内に配置された光電変換装置が、線状に複数個配列したラインセンサの形態を有している例について説明した。しかし、本発明はこのような構成に限定はされない。そこで、本変形例では、走査ユニット内に配置された光電変換装置が、縦横に複数個配列したエリアセンサの形態を有している例について説明する。
本変形例にかかる冷蔵庫110は、CCDカメラ852の構成のみが、第3の実施形態にかかる冷蔵庫110とは異なっている。その他の構成については、基本的に第3の実施形態の冷蔵庫と同じ構成を適用することができる。そこで、ここでは、第3の実施形態とは異なる部分のみを説明する。
図13には、本変形例に係る冷蔵庫110に設けられた撮影装置831の構成を概略的に示す。第3の実施形態で説明した撮影装置731と同様に、撮影装置831は、主として、走査ユニット(光電変換装置)(図示せず)と、走査ユニットを支持する平板状の支持基材855と、走査ユニット駆動部(図示せず)とで構成されている。
走査ユニットの内部には、主な構成部材として、撮影対象となる各収容空間に対して光を照射する光源(図示せず)と、各収容空間からの反射光を受光し、画像データ(電気信号)に変換するCCDカメラ852とが設けられている。
第3の実施形態と同様に、走査ユニットは、自身が移動しながら、複数個所において各収容空間からの光を受光し、内部に設置されたCCDカメラ852が各収容空間の上方からの俯瞰画像を画像データとして出力する。但し、第3の実施形態とは異なり、CCDカメラ852は、横方向(図13のx1方向)及び縦方向(図13のy1方向)にそれぞれ配列した複数個の撮像素子を有している。これにより、CCDカメラ852は、所定の面積を有するエリアセンサの形態を有している。そして、CCDカメラ852を搭載した走査ユニットは、走査ユニット駆動部によって駆動され、平板状の支持基材855の表面に沿って、筐体(ケース)内を横方向x1及び縦方向y2にそれぞれ水平方向に移動する。
このようにしてCCDカメラ852が、支持基材855の表面全体を移動することで、冷蔵庫110内の収容空間全体を上方からとらえた俯瞰画像を得ることができる。
<変形例B>
続いて、上述した第3の実施形態を応用した変形例Bについて説明する。上述の第3の実施形態では、走査ユニット内に配置された線状のCCDカメラ(ラインセンサ)が、収容空間の上面を平行に移動する例について説明した。しかし、本発明はこのような構成に限定はされない。そこで、本変形例では、線状に配置された撮像素子(ラインセンサ)が、端部を支点として回転移動する例について説明する。
本変形例にかかる冷蔵庫110は、走査ユニット751に対応する移動ユニット951の構成のみが、第3の実施形態にかかる冷蔵庫110とは異なっている。その他の構成については、基本的に第3の実施形態の冷蔵庫と同じ構成を適用することができる。そこで、ここでは、第3の実施形態とは異なる部分のみを説明する。
図14には、本変形例に係る冷蔵庫110に設けられた撮影装置931の構成を概略的に示す。第3の実施形態で説明した撮影装置731と同様に、撮影装置831は、主として、移動ユニット(光電変換装置)951と、移動ユニットを支持する平板状の支持基材955と、移動ユニット駆動部(図示せず)とで構成されている。
移動ユニット951の内部には、主な構成部材として、撮影対象となる各収容空間に対して光を照射する光源と、各収容空間からの反射光を受光し、画像データ(電気信号)に変換するCCDカメラとが設けられている。
移動ユニット951は、第3の実施形態の走査ユニット151と同様に、線状に延びる形状を有している。但し、図14に示すように、移動ユニット951の延在方向の長さは、第3の実施形態の走査ユニット151の約半分であり、支持基材955の一端部(例えば、収容空間の背面側に位置する端部)において、中央から左右の一方側(図14に示す例では、中央から右側)へと延びるように配置されている点が、第3の実施形態とは異なっている。図示はしていないが、移動ユニット951内に設置されたCCDカメラも、移動ユニット951の形状に合わせて、冷蔵庫110の左右方向に線状に延びるラインセンサの形態を有している。
そして、図14に示すように、移動ユニット951は、支持基材955の下端部の中央付近を支点951aとして、平板状の支持基材955の表面に沿って、図中矢印方向に約180度回転移動する。これにより、支持基材955の表面上において、一点鎖線で示した扇形状の領域内を移動ユニット951は移動することができる。そのため移動ユニット951内に設けられたCCDカメラは、収容空間を上方から広範囲において撮影することができる。
なお、CCDカメラに広角レンズを取り付けることにより、収容空間のさらに広範な領域を上方から撮影することも可能である。また、CCDカメラに広角レンズを取り付けた場合には、例えば、移動ユニット951は、回転移動しながら、図14に破線で示すように複数の箇所において停止し、その停止した箇所のみで撮影を行ってもよい。CCDカメラが複数の箇所において収容空間の撮影を行うことで、収容空間内の収容物の認識漏れを減少させることができる。また、移動ユニット951が停止した箇所のみで撮影を行うことで、移動ユニット951が移動しながらCCDカメラを用いて撮影する場合と比較して、得られる画像データの処理が簡略化され、より容易に撮影画像を取得することができる。
なお、本変形例は、収容空間の上面をCCDカメラが移動する第3の実施形態の構成を変更したものであるが、本変形例の構成を、第1の実施形態のCCDカメラに適用してもよい。つまり、第1の実施形態において、図3に示すz1方向に平行移動するCCDカメラ52の代わりに、本変形例のように、支点を中心に回転移動するCCDカメラを用いてもよい。
<変形例C>
続いて、上述した第3の実施形態をさらに応用した変形例Cについて説明する。本変形例では、変形例A及び変形例Bを組み合わせた構成の例を説明する。本変形例では、変形例Bと同様の形状の移動ユニットが、端部を支点として回転移動するとともに、移動ユニットの先端に変形例Aと同様にエリアセンサの形態を有するCCDカメラが取り付けられている例について説明する。
本変形例にかかる冷蔵庫110は、走査ユニット751に対応する移動ユニット1051の構成のみが、第3の実施形態にかかる冷蔵庫110とは異なっている。その他の構成については、基本的に第3の実施形態の冷蔵庫と同じ構成を適用することができる。そこで、ここでは、第3の実施形態とは異なる部分のみを説明する。
図15には、本変形例に係る冷蔵庫110に設けられた撮影装置1031の構成を概略的に示す。第3の実施形態で説明した撮影装置731と同様に、撮影装置1031は、主として、移動ユニット(光電変換装置)1051と、移動ユニットを支持する平板状の支持基材1055と、移動ユニット駆動部(図示せず)とで構成されている。
移動ユニット1051には、主な構成部材として、撮影対象となる各収容空間に対して光を照射する光源と、各収容空間からの反射光を受光し、画像データ(電気信号)に変換するCCDカメラ1052とが設けられている。
移動ユニット1051は、第3の実施形態の走査ユニット151と同様に、線状に延びる形状を有している。但し、図15に示すように、移動ユニット1051の長さは、第3の実施形態の走査ユニット151の約半分であり、支持基材955の一端部において、中央から左右の一方側へと延びるように配置されている点が、第3の実施形態とは異なっている。また、変形例Bとは異なり、移動ユニット951内に設置されたCCDカメラ1052は、エリアセンサの形態を有しており、線状の移動ユニット1051の先端に配置されている。CCDカメラ1052は、変形例AのCCDカメラ852と同様の構造を適用することができる。
そして、図15に示すように、移動ユニット1051は、支持基材1055の下端部の中央付近を支点1051aとして、平板状の支持基材1055の表面に沿って、図中矢印a方向に約180度回転移動する。そのため移動ユニット1051の先端に設けられたCCDカメラ1052は、収容空間を上方から広範囲において撮影することができる。
なお、CCDカメラ1052に広角レンズを取り付けることにより、収容空間のほぼ全域を上方から撮影することも可能である。また、CCDカメラに広角レンズを取り付けた場合には、例えば、移動ユニット1051は、回転移動しながら、図14に破線で示すように複数の箇所において停止し、その停止した箇所のみで撮影を行ってもよい。この場合、図14に一点鎖線で囲んだ領域からの撮影画像を取得することができる。
また、移動ユニット1051の先端に取り付けられているCCDカメラ1052は、固定されていてもよいが、図14中に矢印bで示すように、線状に移動してもよい。これにより、より広範囲の地点で、収容空間の撮影を行うことができる。
このように、CCDカメラ1052が複数の箇所において収容空間の撮影を行うことで、収容空間内の収容物の認識漏れを減少させることができる。また、一つの収容空間に複数台のカメラを設置する従来の冷蔵庫と比較して、カメラの台数を減らすことができる。そのため、製造コストの削減につながるとともに、カメラが故障する頻度を減らすことが可能となる。
また、変形例B,Cのように、移動ユニットを、1点を中心に回転移動させる構成とすることで、移動ユニット駆動部を大幅に簡略化できる。また、駆動部を設置したことによる収容空間の減少も最小限に抑えることができる。
なお、変形例BおよびCの構成では、移動ユニットの駆動部が配置される支持基板の一端部とは反対側(図14,15では支持基板の上辺)の左右端が、撮影不可能な領域となる場合がある。しかし、駆動部を収容空間の背面側に位置することで、撮影できない領域は、冷蔵庫の前面側となる。冷蔵庫の収容空間の前面側は、使用者が扉を開けてすぐに視認できる領域であるため、さほど不便とはならない。また、駆動部を冷蔵庫背面の冷気ダクト(図示しない)に食い込ませて配置することで、駆動部による収容空間の減少を無くすこともできる。
上述の各本実施形態では、本発明の収納庫の一例として冷蔵庫を挙げて説明した。しかし、本発明は、冷蔵庫への適用に限定はされず、扉などによって通常の状態では内部の収容物の状態を確認することのできない、あらゆる収納庫に適用することができる。
例えば、日常生活を行う場所から離れた場所に配置されている収納庫に本発明を適用することで、収納庫の近くに人がいない場合にも、内部の状態を的確に把握することができる。このような収納庫としては、例えば、食品収納庫、タンス、倉庫、クローゼットなどが挙げられる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。