JP6813846B2 - マスキングテープ及びそれを用いた塗膜形成方法 - Google Patents

マスキングテープ及びそれを用いた塗膜形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、塗膜を形成させたくない養生領域を覆うためのマスキングテープに関し、更には、養生領域を覆うと共に養生シートを固定するためのマスキングテープに関し、更に詳しくは、塗装領域に2層以上の塗膜を形成させる際に、それぞれの塗膜を形成させたくない養生領域を覆うためのマスキングテープに関する。
不要物の付着等から養生領域を守るために養生が行われる。該養生領域としては、具体的には、例えば、床、壁、屋上の床壁、塀、柱等の建造物;戸、障子、襖等の建具;机、椅子、ベッド等の家具;自動車、バス、飛行機等の乗物;文房具、食器、装飾品、調理器具等の備品;等がある。
そして、該養生領域を、種々の塗膜;塗料(滴)、塵埃等の工事中の飛散物;風雨、日射等の天然不要物;等から守るために養生シートが用いられる。
養生は、マスキングテープ自体で養生領域を覆ったり、ポリエチレンフィルム等のフィルムからなる養生シートで養生領域を覆ったりして行われる。
その中でも後者の場合、該養生シートが剥がれないように、該養生シートの端部等を養生領域の縁又は養生領域の近傍(以下、単に「養生領域の縁」と略記する場合がある)に固定するが、この固定方法としては、主に以下の2種類がある。
1種類目は、汎用の粘着テープタイプのものをマスキングテープとして使用する方法である。すなわち、該粘着テープと養生シートの端部とを作業者が手に持って、養生シートの端部の略全部を該粘着テープで固定する方法である。その場合、粘着テープの小片と養生シートの端部とを持って、まず一旦養生シートを養生領域の縁に仮止めし、次いで、養生シートの端部の略全部を粘着テープで完全に封止して固定する場合もある。
このような、粘着テープとしては、汎用の粘着テープが用いられ得るが、養生用に特化したものとして、すなわち養生シートを養生領域の縁に固定する粘着テープに特化したものとして、例えば引用文献1に記載の粘着テープが知られている。
引用文献1には、養生した後に塗装作業をし、その作業後に粘着テープを剥がすときに、粘着テープが粘着テープの幅方向の端部から裂けることを避けるために、粘着テープの幅方向の端部の方が、幅方向の中央部より粘着性を落とした養生用の粘着テープが記載されている。
2種類目は、予め養生シートの端部が「粘着テープの幅方向の端部」に貼り付けられている「粘着テープ付き養生シート」(「マスカー」とも言われる)を用いる方法である。 マスカーを用いると、前記した1種類目の方法に用いられる汎用の粘着テープと比較して、予め養生シートが粘着テープに貼り付けられているので、現場での作業が楽になるという特長がある。
例えば、引用文献2には、凹凸面への追従性が良く、作業(施工)後に剥がし易いマスカーが記載され、引用文献3には、手切れ性が良いマスカーが記載されている。また、引用文献4には、作業(施工)後に剥がし易く、塗料の見切りが奇麗になるマスカーが記載されている。
しかしながら、上記の引用文献では、何れも1層の塗膜を考慮したものであるが、例えば、屋上、ベランダ、床等に防水塗装により塗膜を形成する施工分野では、塗装領域に少なくとも合計で2層以上の塗膜を形成する場合が多くある。
その場合、マスキングテープを1回だけ貼り付け、その上から2層以上の塗膜を連続して形成させ、該2層以上の塗膜が全部形成されてから、該マスキングテープを剥離すると以下の問題点がある。
すなわち、(1)2層以上の塗膜であるため膜厚が厚いことが多いので、マスキングテープを剥離したときに塗膜の際(きわ)の性能や外観(見切りの状態等)が不良となる。(2)下層の塗膜が硬化及び/又は乾燥してから上層の塗膜を形成させるため、最終的に該マスキングテープを剥離するときには、該下層は完全に硬化しているので、マスキングテープを剥離したときに、該「完全に硬化した下層」が剥離し易くなっていたり、下層の塗膜の際(きわ)の性能や外観(見切りの状態等)が不良になったりすることがあり、そのため「2層以上の塗膜」全体としても極めて不良となる。
上記問題点を回避するため、下層の塗膜の縁から、上層の塗膜の縁を(若干)はみ出させ、すなわち、下の塗膜が形成されていない部分にも上の層を若干張り出させて形成させ、塗膜の縁を奇麗にさせたり(塗膜の縁の外観を良くしたり)、最上層の塗膜の見切りを良くしたり、性能(例えば、塗膜が防水塗料の場合には防水性)を向上させたりすることがある。
下層を形成させてから、完全に硬化・乾燥する前に、下層用のマスキングテープを剥離すれば、該下層の縁で見切りが不良になることは少ない。
しかしながら、上記のように施工する場合、従来のマスキングテープでは、以下の問題点があった。
すなわち、上層を形成させたくない養生領域に、まずマスキングテープ(粘着テープ)を用いて養生シートを貼り付ける。次いで、下層を形成させたくない養生領域に、別のマスキングテープ(粘着テープ)を少しずらして貼り付ける。このように、養生だけでも面倒な作業(多くの作業)をする必要があった。
そして、下層を塗布した後、該下層用のマスキングテープ(粘着テープ)を剥離し、上層を塗布した後、上層用のマスキングテープ(粘着テープ)を剥離すると共に養生シートを除去する。
前記したように養生だけで多くの作業工程があると施工時間が延びたり、養生に複雑な工程があると、作業が難しかったりするという問題点もあった。
養生には、作業工程数の削減、作業性の良さ(作業の容易さ)、作業時間の短縮、マスキングテープ(粘着テープ)の奇麗な貼り付け、マスキングテープを剥離した際の塗膜の見切りの奇麗さ等が要求される。
また、2層以上の塗膜が必要な場合(分野)は多く、例えば塗膜防水工法においては、例えば下塗り1〜2回、要すれば中塗り1回、上塗り(トップコート層の塗布)1回の合計で2層以上の塗膜形成をする場合が殆どである。
しかしながら、2層以上の塗膜形成に関して、前記問題点を解消し、前記要求を満足する養生方法や塗膜形成方法は、公知技術では不十分であり、更なる改善の余地があった。
また、それらの要求を満足する養生方法や塗膜形成方法に使用されるマスキングテープにも更なる改善の余地があった。
特開平10−147760号公報 特開2006−028726号公報 特開2013−249436号公報 特開2014−173038号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、2層以上の塗膜形成に際して、養生作業工程数の削減、養生作業性の向上(養生作業の容易化)、作業時間の短縮、マスキングテープの奇麗な貼り付け、マスキングテープを剥離した際の塗膜の縁の性能や見切りの奇麗さ等が達成されたマスキングテープを提供することにあり、また、それを使用した養生方法、2層以上の塗膜形成方法を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、基材に長尺方向に延伸されたポリマーフィルムを有するものを使用し、幅方向の端である端辺に平行に線状体を設けたマスキングテープを使用すれば、下層塗膜を形成した後に、該線状体をマスキングテープから引き上げることによって、該線状体が真上の下層塗膜を切り取って、該線状体が接している上記基材と共に不要の下層塗膜を除去でき、その後、上層塗膜を形成時に、下層塗膜のない部分に上層塗膜を形成でき、それによって、マスキングテープの貼り付け作業を1回にできて、上記課題が解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、塗装領域に2層以上の塗膜を形成する際に、それぞれの塗膜を形成させない養生領域を覆っておくためのマスキングテープであって、
少なくとも、基材、線状体及び粘着層を有し、該基材は、マスキングテープの長尺方向に延伸されたポリマーフィルムを有し、該線状体は、マスキングテープの幅方向の端である端辺に平行に設けられていることを特徴とするマスキングテープを提供するものである。
また、本発明は、塗装領域に2層以上の塗膜を形成する際に、それぞれの塗膜を形成させない養生領域を養生シートで覆っておくために、該養生シートの端部を該養生領域の縁に固定する上記のマスキングテープを提供するものである。
言い換えれば、本発明は、塗装領域に2層以上の塗膜を形成する際に、それぞれの塗膜を形成させない養生領域を、マスキングテープ自体で覆うと共に養生シートでも覆っておくために、該養生シートの端部を該養生領域の縁に固定する上記のマスキングテープを提供するものである。
また、本発明は、上記のマスキングテープがロール状に巻回された状態になっているものであることを特徴とするマスキングテープロールを提供するものである。
また、本発明は、上記のマスキングテープを使用した塗膜形成方法であって、
少なくとも以下の工程(1)ないし(5)を有することを特徴とする塗膜形成方法を提供するものである。
(1)マスキングテープを用いて養生領域を覆う、又は、マスキングテープを用いて養生シートの端部を養生領域の縁に固定して該養生領域を該養生シートで覆う、又は、予めマスキングテープ付属養生シートが設けられたマスキングテープを用いて養生領域を該マスキングテープ付属養生シートで覆う工程
(2)上記塗装領域に1層目の塗膜を形成する工程
(3)上記線状体をマスキングテープから引き上げることによって、該線状体の真上にある塗膜を切り取って、該線状体が接している上記基材と共に不要の塗膜を除去するか、又は、上記線状体を含めそれより端辺側のマスキングテープを引き上げることによって、該線状体の真上にある塗膜と該線状体より端辺側にある塗膜とを切り取って、不要の塗膜を除去する工程
(4)上記塗装領域に最上層の塗膜を形成する工程
(5)マスキングテープを剥離する、又は、マスキングテープを剥離し、養生シート又はマスキングテープ付属養生シートを除去する工程
上記工程(1)は、言い換えれば、以下の工程(1−1)又は(1−2)又は(1−3)を有するものである。
(1−1)マスキングテープを用いてマスキングテープ自体で養生領域を覆う工程
(1−2)マスキングテープを用いて養生シートの端部を養生領域の縁に固定して、マスキングテープ自体でも該養生領域を覆うと共に該養生領域を該養生シートでも覆う工程
(1−3)マスキングテープ自体でも該養生領域を覆うと共に「予めマスキングテープ付属養生シートが設けられたマスキングテープ」を用いて該養生領域を該マスキングテープ付属養生シートで覆う工程
また、本発明は、上記のマスキングテープを使用して養生部分を養生することを特徴とする養生方法を提供するものである。
また、本発明は、上記のマスキングテープを使用することを特徴とする塗膜防水工法を提供するものである。また、本発明は、上記のマスキングテープを使用して得られた2層以上の防水塗膜を提供するものである。
本発明によれば、前記背景技術に記載した問題点と前記課題とを解決し、塗装領域に2層以上の塗膜形成をする際に、養生作業における工程数を削減でき、養生作業が容易になり、作業性が向上すると共に作業時間の短縮が図れる。
また、マスキングテープ(すなわち、それぞれの塗膜に対して養生するための粘着テープ)を奇麗に貼り付ける(設置する)ことができる。
従来の粘着テープ(マスキングテープ)では、下層用の粘着テープとして上層用とは別の粘着テープを使用するので、貼り付け作業が2層の場合は2度になり(n層の場合はn回になり)、養生における工程数が増える。粘着テープを上から押しつけて強く接着させるには時間がかかるので、確実に養生にかかる時間が増える。
本発明によれば、塗膜形成が何層であってもマスキングテープの貼り付け作業は1回なので、養生にかかるトータルの時間が少なくなり、上記問題点が解消される。
それぞれの塗膜の縁の位置や奇麗さは、貼り付けられた粘着テープの縁の位置や奇麗さで決まる。従って、塗装現場で作業者が何度も粘着テープを貼り付けていたのでは、上層用粘着テープの端辺と下層用粘着テープの端辺が平行にならない、塗膜の縁にギザギザが発生する等、塗装の品質を落とすこととなる。
本発明によれば、線状体が、マスキングテープの端辺に対して平行に(該端辺から等距離に)設けられており、しかも、線状体とマスキングテープの端辺との間隔は、マスキングテープの製造工場内で製造時に定量的に制御されるので、作業者の技量に依存することなく、常に塗膜の縁の位置や奇麗さが確保される。
作業者は、養生作業の最初の段階で、最下層の塗膜の養生に際してマスキングテープを丁寧に貼り付けるだけで、全ての層の縁の位置が正確に奇麗に決まる。特に、「下層塗膜の縁」から「その直ぐ上の上層塗膜の縁」までの距離(上層があり下層がない部分の間隔)が、本発明のマスキングテープでは、予め「マスキングテープの端辺と線状体との距離」として、マスキングテープ製造時に正確に制御されているので、作業者の技量に依存することなく、2層以上の塗膜が正確な仕上がりになると共に、それぞれの塗膜形成の作業が容易となる。
また、塗膜が完全に硬化又は乾燥した後にマスキングテープを剥がすと、塗膜の縁が乱れたり(見切りが不十分になったり)塗膜が剥離したりするので、通常は、塗膜が完全に硬化又は乾燥する前にマスキングテープを剥がす。例えば、超速硬化型のウレタン塗料又はウレア塗料では、塗装後約30分を経過すると、塗膜が硬化してしまうので、それからマスキングテープを剥がすと前記問題点が発生する。
従って、上層塗膜の塗装のための準備は、下層の塗装後はできるだけ素早く完結させる必要がある。本発明のマスキングテープを使用すれば、線状体をマスキングテープから引き上げるだけで、不要の下層塗膜を除去でき、下層がなく上層だけがあるべき領域を素早く確保できる。
塗膜防水塗装のための養生等を含め、多くの養生作業は中腰で行なうことが多いが、養生作業時間が長くなると、作業者に与える苦痛が大きくなる。
本発明によれば、上記問題点が軽減される。すなわち、何度も粘着テープを貼らないので、養生作業時間が短くてすみ、作業者に与える苦痛が軽減される。
養生には、作業工程数の削減、作業性の良さ(作業の容易さ)、作業時間の短縮、マスキングテープ(粘着テープ)の奇麗な貼り付け、マスキングテープを剥離したときの塗膜の際(縁)の、種々の性能や外観(見切り)の奇麗さ等が要求される。
また、2層以上の塗膜が必要な場合(分野)は多くあり、例えば、塗膜防水工法においては、(名称は種々であるが)、下塗り1〜2回、要すれば中塗り1回、上塗り(トップコート層の塗布)1回の合計で2〜3層以上の塗膜形成をする場合や、特に、下層1層、上層1層及びトップコート層1層の合計3層の塗膜形成をする場合等が殆どである。
本発明によれば、上記要求が満足され、そのため、2層以上の塗膜が必要な場合(分野)に極めて効果を発揮する。
本発明のマスキングテープの一例を示す概略平面図である。 (a)線状体がマスキングテープの端辺から互いに間隔を開けて3本設けられている形態 (b)線状体がマスキングテープの幅方向の全体に互いに間隔を開けて設けられている形態 (c)線状体と端辺の間隔d1及び線状体同士の間隔d2の定義を示す拡大図 本発明のマスキングテープの構造(線状体、離型等の形態)の具体例を示す概略断面図である。 (a)線状体が粘着層の内部にある形態 (b)線状体が横に扁平になっている形態 (c)線状体が粘着層に一部入り込んだ形態 (d)線状体が粘着層の表面に付着している形態 (e)線状体の太さが粘着層の厚さを占めている形態 (f)基材の表面が離型処理されて離型処理層が存在する形態 (g)全体離型紙を有する形態 本発明のマスキングテープの構造(層構成)の具体例を示す概略断面図である。 (a)図1のA−A’矢視断面図、図4のB−B’矢視断面図であって、本発明のマスキングテープの基本的な形態 (b)更にマスキングテープの養生領域側に片側離型紙を有する形態 (c)更にマスキングテープの養生領域側にマスキングテープ付属養生シートを有する形態 マスキングテープがロール状に巻回されてなるマスキングテープロールの一例を示す概略斜視図である。 本発明のマスキングテープを使用して3層の塗膜を形成する塗膜形成方法における各工程の概略断面図である。 (a)マスキングテープを貼り付けて養生シートで養生領域を覆った状態 (b)最下層を塗布した状態 (c)線状体をマスキングテープから引き上げて、その真上の最下層の塗膜を切って不要の塗膜を除去した状態 (d)中間層を塗布した状態 (e)線状体をマスキングテープから引き上げて、その真上の中間層の塗膜を切って不要の塗膜を除去した状態 (f)最上層(トップコート層)を塗布した状態 (g)マスキングテープを剥離し、その上の最上層の不要の塗膜を除去し養生シートも除去した状態
以下、本発明について説明するが、本発明は、以下の具体的形態に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
<マスキングテープ>
本発明は、塗装領域Tに2層以上の塗膜を形成する際に、それぞれの塗膜を形成させない養生領域Yを覆っておくためのマスキングテープ11であって、
少なくとも、基材12、線状体14及び粘着層13を有し、該基材12は、マスキングテープ11の長尺方向に延伸されたポリマーフィルムを有し、該線状体14は、マスキングテープ11の幅方向の端である端辺に平行に設けられていることを特徴とするマスキングテープ11である。
更に本発明は、塗装領域Tに2層以上の塗膜を形成する際に、それぞれの塗膜を形成させない養生領域Yを養生シート31で覆っておくために、該養生シート31の端部を該養生領域Yの縁に固定する上記のマスキングテープ11である。
言い換えれば、本発明は、塗装領域Tに2層以上の塗膜を形成する際に、それぞれの塗膜を形成させない養生領域Yを、マスキングテープ11自体で覆うと共に養生シート31でも覆っておくために、該養生シート31の端部を該養生領域Yの縁に固定する上記のマスキングテープ11である。
マスキングテープとは、塗膜を形成させたくない部分や塗料を付着させたくない部分(養生領域)を、マスキングテープ自体でも覆うと共に、養生シートでも覆っておく場合には、該養生シートの端部を該養生領域の縁に、「マスキングテープが有する粘着層」で固定するためのものである。
一般に、「スプレーコート等の塗料の飛び散りが多い塗布方法」を使用する場合には、塗膜を形成させたくない(塗料の飛び散りの付着を避けたい)養生領域Yは、マスキングテープ11自体で覆うと共に、広い面積を養生シート31でも覆っておくことが多い。
一方、一般に、「手塗り(刷毛塗り等)、ローラー塗布等の塗料の飛び散りが少ない塗布方法」を使用する場合には、塗膜を形成させたくない養生領域Yは、養生シート31を用いず、塗膜(塗料)のはみ出しに対処するために、マスキングテープ11自体のみで局部的に覆っておくことが多い。
本発明のマスキングテープは、それら両方の塗布方法(形態)に好適に適用できる。
何れにしても、本発明のマスキングテープ11は、塗装領域Tに2層以上の塗膜を形成する際に、それぞれの塗膜を形成させない養生領域Yを覆っておくためのマスキングテープ11である。
以下、(スプレーコート等の塗料の飛び散りが多い塗布方法を想定して)、養生領域Yをマスキングテープ11自体で覆うと共に養生シート31でも覆う態様を中心に説明するが、本発明のマスキングテープ11は、養生シート31を用いず、養生領域をマスキングテープ11自体のみで覆う態様をも含むものとする。
<<マスキングテープの使用分野と使用形態>>
本発明のマスキングテープ11を用いて「養生領域Yを覆う」ことによって、また、「養生シート31(の端部)を養生領域Yの縁に固定することによって該養生領域Yを養生シート31で覆う」ことによって、該養生領域Yに塗膜が形成されないようにしたり、塗料の液滴等が付着しないようにしたり、施工時に埃等が付着することを防止したりする。
本発明のマスキングテープ11は、塗装領域Tに2層以上の塗膜を形成する際に用いられる。本発明のマスキングテープ11は、塗膜の総数の下限については2層以上の塗膜を形成する際に用いられ、塗膜の層数の上限には特に限定はないが、6層以下が好ましく、4層以下がより好ましく、3層以下が特に好ましい。
2層以上の塗膜形成をする分野としては、具体的には、例えば、新築時又は改修時の塗膜防水塗装施工分野;厨房、食品工場等の水を使用する場所での防水処理分野;自動車、バス、飛行機等の乗物のペイント分野;等が挙げられる。
2層以上の塗膜を形成する場合としては、限定はされないが、具体的には、塗膜を厚く形成したい場合;塗膜防水工法において、ピンホールを排除するために2層以上の塗膜を形成する場合;防水のための塗膜とは別に、紫外線等による黄変や脆弱化を防止するためのトップコート層を形成する場合;遮熱のための上層、滑り止めのための上層等を設ける場合;等が挙げられる。
特に、改修時の塗膜防水工法では、押えコンクリートの上に(要すれば通気緩衝シートを敷き)、塗膜を1層以上形成させ、最後に所謂トップコート層を形成させると言うように、複数層の塗膜の形成が一般的であるため、本発明のマスキングテープ11の特長を生かし易い。
しかも、防水に汎用されるウレタン防水層は、液体塗料塗布後の硬化を利用して形成しているため、見切りを奇麗にするため等の目的で、硬化・乾燥が完了する前に素早く、従来は粘着テープ(マスキングテープ)を剥離する必要があった。その点からも、本発明のマスキングテープ11は、塗膜防水工法に適している。
すなわち、本発明における塗膜は、防水塗装塗膜であることが好ましい。また、本発明の別の態様は、上記のマスキングテープ11を使用することを特徴とする塗膜防水工法である。
<<マスキングテープの形態>>
本発明のマスキングテープ11は、少なくとも、基材12、線状体14及び粘着層13を有し、該基材12は、マスキングテープ11の長尺方向に延伸されたポリマーフィルムを有し、該線状体14は、マスキングテープ11の幅方向の端である端辺に平行に設けられていることを特徴とする。
図2に示したように、本発明のマスキングテープ11は、少なくとも、基材12、線状体14及び粘着層13を有している。基材12、線状体14及び粘着層13の配置の順は、特に限定はなく、「塗膜を形成した後、該線状体14をマスキングテープ11から引き上げることによって、該線状体14の真上にある塗膜を好適に切り取って、該線状体14が接している上記基材12と共に不要の塗膜を除去できる」ようになっていればよい。
具体的には、例えば、図2(a)(b)(e)(f)(g)に示したように、線状体14が粘着層13の内部にある(内部に潜り込んだ)形態でも、図2(c)に示したように、線状体14が粘着層13に一部だけに潜り込んだ形態でも、図2(d)に示したように、線状体14が粘着層13の表面に付着している形態でもよい。
図2(a)(b)(e)(f)(g)は全て下から、粘着層13、線状体14、基材12の順に配置されており、図2(c)(d)は全て下から、線状体14、粘着層13、基材12の順に配置されている。図示しないが、下から、粘着層13、基材12、線状体14の順に配置されていてもよく、その場合、線状体14は接着剤等で基材12の上に接着されていることが好ましい。
上記のような形態であると、線状体14で好適に「半硬化状態の塗膜」を切断することができる。
また、塗膜だけでなく基材12も好適に切断できる。すなわち、「長尺方向に延伸されたポリマーフィルム」を有していて長尺方向に切れ易くなっている基材12の「線状体と端辺の間隔d1部分」や、「線状体同士の間隔d2部分」を、該線状体14で好適に切断して除去することができる。詳しくは、防水塗膜を例にするならば、図5に示したように、基材12の「中間層塗膜拡張部分52k等に対応した『線状体と端辺の間隔d1』部分」や、「トップコート層塗膜拡張部分53k等に対応した『線状体同士の間隔d2』部分」を、線状体14で好適に切断することができる。
図5に示したように、塗膜と基材12を切断後、中間層塗膜拡張部分52kの下に存在していた下層51の塗膜部分や、トップコート層塗膜拡張部分53kの下に存在していた中間層52の塗膜部分は、その下に位置する「切断されて不要となった細長の基材」と共に除去される。
本発明の前記効果を発揮するために、好ましくは、上記線状体14が、上記基材12と上記粘着層13の間に存在するか、又は、上記粘着層13の中に存在することである。同様の理由から、特に好ましい態様は、例えば、図2(a)(b)(e)(f)(g)に示したような態様である。
また、図2(a)(f)(g)の中では、図2(f)が、回巻を解く際の取り扱い易さ、層構成の単純さ(「離型処理層17が付いた基材12」と「粘着層13」の実質2層)等の点からは特に好ましい。
本発明のマスキングテープ11の幅は、特に限定はないが、15mm以上150mm以下であることが好ましい。より好ましくは20mm以上100mm以下であり、更に好ましくは25mm以上75mm以下であり、特に好ましくは30mm以上50mm以下である。
下限が上記以上であると、マスキングテープ11を強固に養生領域Yの縁に貼り付けられ、一方、上限が上記以下であると、マスキングテープ11の幅が無駄にならず、持ち運びや貼り付け等の作業性が良くなる。
<<基材>>
マスキングテープ11の基材12は、長尺方向に延伸されたポリマーフィルムである。
該ポリマーフィルムは、延伸によって延伸方向に沿って切れ易くできるようなものであれば、如何なる製造方法で製造されたものかには依らないが、例えば、インフレーション法、Tダイ法、溶液流延法、カレンダー法等が挙げられる。
また、ポリマーフィルムの材質も、延伸によって延伸方向に沿って切れ易くできるようなものであれば限定はないが、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリカーボネート、(メタ)アクリレート(共重合体)、スチレン(共重合体)、アクリロニトリル(共重合体)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、プロピレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリアミド(ナイロン)、セロファン等が挙げられる。
中でも、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)等が、下記する延伸の効果を奏し易く、延伸方向である長尺方向(長手方向)に切れ易い;引張強度;柔軟性;等の点から好ましい。
基材の厚さは特に限定はないが、20μm〜500μmが好ましく、40μm〜350μmがより好ましく、80μm〜200μmが特に好ましい。
基材12の厚さが薄過ぎると、破れることがあり、一方、基材12の厚さが厚過ぎると、作業終了後に撤収し難かったり、無駄になったり、マスキングテープロール41の直径が不必要に大きくなる場合がある。
本発明のマスキングテープ11の基材12であるポリマーフィルムは、マスキングテープ11の長尺方向(長手方向)に延伸されたものであることが必須である。ポリマーフィルムを加熱しながら一定方向に引っ張って変形させると、ポリマー分子が変形方向に並んで強度が増すと共に、変形方向には「変形方向と直角方向」に比べ相対的に切れ易くなる。
本発明のマスキングテープ11の基材12は、長尺方向(長手方向)に延伸されているので、長尺方向(長手方向)には切れ易くなっているのと同時に、幅方向には切れ難くなっている。そのため、塗膜形成後、線状体14を引き上げることによって、該線状体14が接している基材12の部分が、長尺方向(長手方向)のみに切れて、幅方向には切れないので、作業性が上がると共に、真っ直ぐ切れて塗膜の見切りが奇麗に仕上がる。
延伸していないポリマーフィルムを基材に用いると、線状体14を引き上げる際に、半硬化した塗料を切る力のみならず基材12を切る力も必要なので、力が必要であり作業性が悪化し、更には線状体14が切れてしまう場合もある。また、マスキングテープ11の長尺方向(長手方向)のみに切れずに、曲がって切れてしまう場合もある。
本発明のマスキングテープ11の基材12であるポリマーフィルムは、マスキングテープ11の長尺方向(長手方向)に延伸されたものであることが必須であるが、長尺方向(長手方向)に切れ易いようになってさえいれば、それと直角方向等の他の方向にも延伸されているもの(例えば、二軸延伸フィルム)を排除するものではない。ただ、長尺方向(長手方向)に切れ易い点から、一軸延伸フィルムが好ましい。
本発明における基材12は、マスキングテープ11の長尺方向に延伸されたポリマーフィルム(一軸延伸フィルム等)を有していればよく、長尺方向(長手方向)に切れ易いようになっていれば、多層フィルムを排除するものではない。
該多層フィルムの多層加工としては、インフレーション法による共押出、Tダイ法による共押出、共押出によるラミネート、接着剤によるラミネート、ヒートシール、表面処理コーティング等が挙げられる。
<<線状体>>
本発明のマスキングテープ11における線状体14は、マスキングテープ11の幅方向の端である端辺に平行に設けられている。
線状体14の本数については、マスキングテープの端辺11eから間隔を開けて、片側のみで、1本以上4本以下の本数で設けられていることが好ましく、1本以上3本以下の本数で設けられていることがより好ましく、2本設けられていることが特に好ましい。その上限に関しては、例えば5本以上の線状体を全て使用する場合とは、6層以上の塗膜形成に用いる場合であるが、そのような多層塗膜(場合)は少ないからである。
線状体14は、マスキングテープの端辺11eから間隔を開けて、片側の短辺にのみ設けられていてもよいが、両側の端辺にそれぞれ設けられていることが好ましい。
線状体14は、マスキングテープの塗装領域側11tに設けられるが、マスキングテープ11の片側の端辺からのみ間隔を開けて設けられているのと比べ、マスキングテープ11の両側の端辺から間隔を開けて、それぞれ設けられていると、マスキングテープ11をロール状に巻回してマスキングテープロール41としたときに、作業者が塗装領域T側に立って作業をしてもその逆であっても、また、ロールを解きながら左側からマスキングテープ11を貼っても、右側からマスキングテープ11を貼っても、必ず、塗装領域Tの側のマスキングテープの端辺11eから線状体14が設けられているので作業性が向上するのと共に、作業者が右利きでも左利きでも、マスキングテープ11の取り扱いがし易い。
また、マスキングテープ11の幅方向に、全体的に(一方の端辺から他方の端辺に向けて全面に)線状体14を設けることも、上記理由や製造が容易となる点等から好ましい(図1(b))。すなわち、線状体14が、互いに間隔d2を開けて、幅方向の全体に設けられている形態も好ましい。
線状体14は、マスキングテープの端辺11eから0.4mm以上15mm以下の間隔を開けて、該端辺に平行に設けられていることが好ましい。該間隔は、0.6mm以上13mm以下がより好ましく、0.8mm以上10mm以下が更に好ましく、1mm以上7mm以下が特に好ましく、1.2mm以上5mm以下が最も好ましい。
上記間隔が小さ過ぎると、塗膜や基材12が奇麗に切れ難くなったり、中間層塗膜拡張部分52kやトップコート層塗膜拡張部分53k等の拡張部分が小さく(狭く)なり過ぎるので、塗膜端面が奇麗でなくなるのと共にそこから水が浸入して防水性が劣ったりする場合がある。すなわち、下層51の縁の近傍で、その上の層も途切れることになり、塗膜の縁が乱れたり、塗膜の縁の外観が悪化したり、そこから塗布液が入り込む場合がある。
一方、上記間隔が大き過ぎると、上層のみで下層51がない部分の幅が広くなり過ぎるので、塗膜の防水性や強度が劣ったり、該間隔が無駄になったりする場合がある。
すなわち、線状体と端辺の間隔d1と線状体同士の間隔d2は、上記間隔が好ましい。線状体と端辺の間隔d1と線状体同士の間隔d2の定義を図1(c)に示す。「線状体同士の間隔d2」とは、2本の線状体の対応する縁の間隔、又は、2本の線状体の中心線間の間隔である(ほぼ同一のはずである)。
線状体と端辺の間隔d1と線状体同士の間隔d2は異なっていてもよく、また、線状体14が片側に3本以上あるときは、線状体同士の間隔d2は、互いに異なっていても同一でもよい。ただし、作業性、汎用性、製造性等の点から、線状体同士の間隔d2は等しいことが好ましく、線状体と端辺の間隔d1と線状体同士の間隔d2を含め全て等しいことが特に好ましい。
該線状体14の断面は、略真円、略楕円、略長方形等、特に限定はない。すなわち、図2(a)、(c)〜(g)の示したように円でも、図2(b)に示したように横に扁平になっている形状でも、逆に縦に扁平になっている形状でもよい。
該線状体14の太さ又は「断面が真円でないときにはその断面の平均の差し渡し長さ」は、0.01mm以上1.5mm以下が好ましく、0.03mm以上1mm以下がより好ましく、0.1mm以上0.6mm以下が特に好ましい。
上記下限以上であると、線状体14が切れ難い、塗膜形成後に線状体14を引き上げて塗膜を切る際に作業者の手が切れることがなく手が痛くない等の効果がある。また、上記上限以下であると、塗膜や基材12が切れ易い、切れ易いので作業者が塗膜形成後に線状体14を引き上げる際に力が必要ない、塗膜の縁の外観(見切り)が奇麗になる等の効果がある。
該線状体14の材質は、特に限定はないが、鉄、ステンレス、(ピアノ線の材質である)炭素鋼、真鍮(黄銅)、クロム・亜鉛・スズ等の金属でめっきされた鉄等の金属;ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート(共重合体)、アクリロニトリル(共重合体)、ポリアミド(ナイロン)等の合成高分子;木綿、麻等の天然高分子;それらの複合物;等が挙げられる。
また、該線状体14は、1本のフィラメント(長繊維)であっても、それに撚りをかけたフィラメントヤーンであっても、短繊維を紡績した紡績糸(ステープルヤーン)であってもよい。また、複数種類の短繊維を混ぜて紡績された混紡糸であってもよく、特に限定はない。
<<粘着層>>
本発明のマスキングテープ11は、少なくとも、基材12、線状体14及び粘着層13を有しているが、該粘着層13の材質は特に限定はなく、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等、公知の各種粘着剤から適宜選択して使用することができる。作業後に、対象物等から剥がす必要があるため、糊残りが少なく、適度に剥離容易なものが好ましい。
粘着層の厚さは特に限定はないが、10μm〜200μmが好ましく、15μm〜150μmがより好ましく、25μm〜100μmが特に好ましい。
粘着層13の厚さが薄過ぎると、塗装作業中に養生領域Y(対象物)から剥離する場合があり、一方、厚過ぎると、粘着性が強くなり過ぎて、作業後に対象物等から剥がし難くなったり、対象物上の塗膜を剥離させてしまったり、マスキングテープ11が千切れて作業現場に残存させてしまう場合等がある。
<<基材、線状体、粘着層以外>>
本発明のマスキングテープ11は、少なくとも、基材12、線状体14及び粘着層13を有するが、本発明の効果を損なわない範囲で、それ以外のもの(例えば、他の層や処理層、付加物等)を有していてもよい。「それ以外のもの」としては、例えば、図2(g)に示したような、粘着層13(の好ましくは全面)に接して設けられている「全体離型紙16」、図2(f)に示したような、基材12の粘着層13とは反対側の面(の好ましくは全面)に施されている「離型処理層17」、図示しないが、基材12・粘着層13・線状体14同士の接着性を向上させるために何れかに処理されるプライマー処理層、着色層等が挙げられる。
<<<全体離型紙、離型処理層>>>
該全体離型紙16は、マスキングテープ11を巻回してマスキングテープロール41としたときに、粘着層13が1周下の基材12に粘着しないように設けられ、マスキングテープ貼り付け時には、剥離して使用する。本発明のマスキングテープ11は、マスキングテープロール41として供給されることが好ましいので、全体離型紙16又は離型処理層17を有することが好ましい。
該全体離型紙16としては、少なくとも全体離型紙基材と全体離型紙離型層を有し、公知のものが使用できる。
全体離型紙基材の材質は、紙には限定されず、例えば、紙;ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルム;布;等が挙げられる。離型剤の塗布性、コスト等の点からは紙が好ましいが、薄くできる点等からはプラスチックフィルムが好ましい。
全体離型紙離型層の材質は、特に限定はないが、離型性の点からシリコーン樹脂が好ましい。
全体離型紙16の厚さは特に限定はないが、10μm〜150μmが好ましく、15μm〜100μmがより好ましく、20μm〜70μmが特に好ましい。
全体離型紙16の厚さが薄過ぎると、全体離型紙16を剥ぎ取っている途中で切れて作業性が落ちたり、全体離型紙16が小さく破れて作業現場に残存したりする場合がある。
一方、厚過ぎると、無駄になったり、マスキングテープロール41の直径が不必要に大きくなったりする場合がある。
離型処理層17も、マスキングテープ11を巻回してマスキングテープロール41としたときに、粘着層13が1周下の基材12に粘着しないように設けられる。離型処理層17は、基材12の表面を離型処理すること等によって設けられる。
<片側離型紙を有するタイプ>
限定はされないが、本発明のマスキングテープ11の好ましい態様としては、更に、マスキングテープ11の片側のみに、上記粘着層13に接して片側離型紙21が設けられており、該片側離型紙21は、マスキングテープ11を上記養生領域Yに貼り付けた後に、該片側離型紙21を剥ぎ取りながら上記養生シート31の端部を該養生領域Yの縁に固定できるようになっているマスキングテープが挙げられる。
なお、図3(b)について、養生シート31を用いず、マスキングテープ11のみで、養生領域Yを覆う場合には、養生シート31を固定(使用)しないので、片側離型紙21は必要がない。
図3(b)に示したように、片側離型紙21は、マスキングテープ11の粘着層13に接して、マスキングテープ11の幅方向の片側のみに設けられており、マスキングテープ11を養生領域Yに貼り付けた後に、該片側離型紙21を剥ぎ取りながら養生シート31の端部を該養生領域Yの縁に固定できるような形態になっている。
前記した線状体14が、図3(b)のように、マスキングテープの塗装領域側11tだけに設けられているものでは、すなわち、マスキングテープの幅方向の端辺の片側(塗装領域側11t)のみに線状体14がある場合は、それとは反対側(マスキングテープの養生領域側11y)に片側離型紙21は存在する。なお、前記したような、マスキングテープの幅方向の端辺の両側に線状体14がある場合(例えば、図1、図4)や、マスキングテープ11の全面に線状体14がある場合にも、何れかの片側だけに片側離型紙21は存在していてもよい。
片側離型紙21の幅は、(片側離型紙21がある部分は、マスキングテープ11の粘着層13が対象物に貼り付かないので)、片側離型紙21が付いたままマスキングテープ11を養生領域Yに固定でき(対象物に十分に貼り付くだけの粘着層13の幅を確保でき)ていて、養生シートを固定できるだけの幅があれば特に限定はない。
片側離型紙21の位置・形態は、例えば、図3(b)に示したように、片側離型紙21の端とマスキングテープの端辺11eの位置が同じであってもよく、片側離型紙21の養生領域側の端が、マスキングテープより養生領域側に張り出していてもよい。
マスキングテープロール41にしたときの、巻回の容易さ、幅方向で厚さの違いを少なくする等の点から、特に限定はないが片側離型紙21の幅方向の端に関して、前記したような図3(b)の態様が好ましい。
片側離型紙21は、本発明のマスキングテープ11の幅方向の片側のみに、マスキングテープ11の幅全体の10%以上60%以下に設けられていることが好ましく、20%以上55%以下に設けられていることがより好ましく、30%以上50%以下に設けられていることが特に好ましい。
上記数値が小さ過ぎると、養生シート31を挿んで貼り付ける幅が狭くなるので、養生テープがしっかり固定できない場合等がある。一方、大き過ぎると、養生シート31の接着には十分すぎて無駄だったり、逆に養生シート31の貼り付けが難しくなったり、相対的に「対象物に貼り付ける粘着層の幅」が減ってしまう等の場合がある。
片側離型紙21の材料や厚さの好ましい範囲は、前記した全体離型紙16と同様である。
「上記のような片側離型紙21が設けられた本発明のマスキングテープ11」を使用した塗膜の形成方法は、塗膜の形成方法が以下であること(後記する本発明の塗膜形成方法の工程(1)が、更に以下であること)が好ましい。
すなわち、後記する工程(1)が、マスキングテープ11の、片側離型紙21が設けられていないために粘着層13が露出している部分の粘着層13を養生領域Yの縁に貼り付け、次いで、該片側離型紙21を剥ぎ取りながら、養生シート31の端部を、片側離型紙21を剥ぎ取ったことで露出した粘着層13に貼り付けつつ、該養生シート31の端部を該養生領域Yの縁に固定して、該養生シート31で該養生領域Yを覆う工程であることが好ましい。
片側離型紙21が設けられていないと、マスキングテープ11と養生シート31の端部とを作業者が同時に手に持って、養生シート31の端部の略全部を粘着テープで対象物に固定するか、粘着テープの小片と養生シート31の端部とを持って、まず養生シート31を対象物に仮止めし、次いで養生シート31の端部の略全部をマスキングテープ11で完全に固定する。
あるいは、マスキングテープ11の「養生シート31を固定する側」を(マスキングテープ11のある程度の長さに亘って)、手前側から曲げて又は巻き付けて、マスキングテープ11の「養生シート31を固定する側」が対象物に貼り付かないようにして、マスキングテープ11と対象物との間に隙間を作りつつ、ある程度の長さだけマスキングテープ11を対象物に貼り付けて、その後に養生シート31を該隙間に差し込んで、マスキングテープ11を養生領域Yに固定することが多い。
しかし、マスキングテープ11の幅方向の片側のみに片側離型紙21が設けられていると、作業者は養生シート31を持たずに、まず「片側離型紙21が設けられていないために粘着層が露出している部分の粘着層」を養生領域Yの縁に貼り付けられるので(片側離型紙21の部分は養生領域Yに貼り付かないので)、マスキングテープ11の全面を上から押して対象物に貼り付けることができる。
また、養生シート31を持たないので、まずはマスキングテープ11の貼り付けのみに集中すればよく、そのためマスキングテープ11を奇麗に貼り付けられ、見切りを奇麗にでき、また、本発明のマスキングテープ11を用いた養生シート31の固定作業が容易となる。
また、作業時間が短縮でき、広い面積の養生領域Y、出隅・入隅等があって入り組んだ構造の養生領域Y、養生シート31が決して破れてはならない養生領域Y等であっても好適に作業が可能である。
本発明のマスキングテープ11は、上記した通り片側離型紙21が設けられている形態も好ましいが、「端辺に平行に切れ込みのある離型紙」が略全面に設けられており、該切れ込みを利用して、「養生シートの端部を固定するために剥ぎ取る方の片側離型紙21」を残して、不要分を剥離除去できるような形態も好ましい(図示せず)。
すなわち、本発明の他の形態は、更に、マスキングテープ11の略全面に、上記粘着層に接して「マスキングテープの端辺に平行に切れ込みのある離型紙」が設けられており、該離型紙から片側離型紙17を残して他方を剥離除去した後にマスキングテープ11を上記養生領域Yに貼り付け、後に残った片側離型紙21を剥ぎ取りながら上記養生シート31の端部を該養生領域Yの縁に固定できるようになっているものである前記のマスキングテープである。
マスキングテープ11の略全面に、上記粘着層13に接して幅方向の略中央に切れ込みがある離型紙が設けられており、その一方を剥離除去した後にマスキングテープ11を上記養生領域Yに貼り付けた後に残った他方の片側離型紙21を剥ぎ取りながら、上記養生シート31の端部を該養生領域Yの縁に固定できるようになっているマスキングテープがより好ましい。
「端辺に平行に切れ込みのある離型紙」を設け、一方を剥離除去して残った方を片側離型紙21とすることによって、すなわち、該片側離型紙21を剥ぎ取りながら養生シート31の端部を養生領域Yの縁に固定する際に都合のよい方を片側離型紙21とできることによって、下から上に養生シート31を固定したい作業者にも、下から上に養生シート31を固定したい作業者にも適応できる。また、左から右に養生シートを固定したい作業者にも、右から左に養生シート31を固定したい作業者にも適応できる。また、右利きの作業者にも、左利きの作業者にも適応できる。
<<マスキングテープ付属養生シートを有するタイプ>>
本発明のマスキングテープ11は、更に、一番下段にマスキングテープ付属養生シート32が予め設けられているもの(以下、「マスカータイプ」と略記する場合がある)であることも好ましい。図3(c)に態様の例を示す通り、マスキングテープ付属養生シート32はマスキングテープの養生領域側11yに設けられる。
マスカータイプを用いると、予め養生シートがマスキングテープに貼り付けられて(付属して)いるので、現場での作業が楽になるという特長がある。
なお、図3(c)について、マスキングテープ付属養生シート32を用いず、マスキングテープ11のみで、養生領域Yを覆う場合には、マスキングテープ付属養生シート32は必要がない(マスカータイプである必要はない)。
本発明のマスキングテープ11は、例えば、図3(a)に示したような「片側離型紙21もマスキングテープ付属養生シート32もないタイプ」、図3(b)に示したような「片側離型紙21が設けられたタイプ」、図3(c)に示したような「マスキングテープ付属養生シート32が付属しているマスカータイプ」を含んでいる。
前記した線状体14が、図3(c)のように、マスキングテープの塗装領域側11tだけに設けられているものでは、すなわち、マスキングテープ11の幅方向の端辺の片側(塗装領域側11t)のみに線状体14がある場合は、それとは反対側(マスキングテープの養生領域側11y)にマスキングテープ付属養生シート32は存在する。なお、前記したような、マスキングテープ11の幅方向の端辺の両側に線状体14がある場合(例えば、図1、図4)や、マスキングテープ11の全面に線状体14がある場合にも、何れかの片側だけにマスキングテープ付属養生シート32は存在していてもよい。
<マスキングテープロール>
本発明のマスキングテープ11は、図4に概要を示したように、ロール状に巻回された状態で供されることが、移動の容易さ、施工現場での作業性等の点で好ましい。
すなわち、本発明の他の態様は、前記した本発明のマスキングテープ11がロール状に巻回された状態になっているものであることを特徴とするマスキングテープロール41である。
本発明のマスキングテープロール41におけるマスキングテープ11の全長は、特に限定はないが、作業性と持ち運びの点から、5m〜50mが好ましく、10m〜25mが特に好ましい。
また、マスキングテープロール41の直径(未使用のものの外径)は、特に限定はないが、作業性と持ち運びの点から、5cm〜30cmが好ましく、10cm〜20cmが特に好ましい。
マスキングテープ11は、通常は、左から右に又は上から下に養生領域Yの対象物に貼り付けるので、その際にマスキングテープの養生領域側11yが、養生領域Yの方に向くように巻回されていることが好ましい。
<養生方法>
本発明の養生方法は、前記のマスキングテープ11を使用して養生部分を養生することを特徴とする。以下の<塗膜形成方法>の項に該養生方法を含め記載する。
<塗膜形成方法>
本発明の他の態様は、前記のマスキングテープを使用した塗膜形成方法であって、
少なくとも以下の工程(1)ないし(5)を有することを特徴とする塗膜形成方法である。
(1)マスキングテープを用いて養生領域を覆う、又は、マスキングテープを用いて養生シートの端部を養生領域の縁に固定して該養生領域を該養生シートで覆う、又は、予めマスキングテープ付属養生シートが設けられたマスキングテープを用いて養生領域を該マスキングテープ付属養生シートで覆う工程
(2)上記塗装領域に1層目の塗膜を形成する工程
(3)上記線状体をマスキングテープから引き上げることによって、該線状体の真上にある塗膜を切り取って、該線状体が接している上記基材と共に不要の塗膜を除去するか、又は、上記線状体を含めそれより端辺側のマスキングテープを引き上げることによって、該線状体の真上にある塗膜と該線状体より端辺側にある塗膜とを切り取って、不要の塗膜を除去する工程
(4)上記塗装領域に最上層の塗膜を形成する工程
(5)マスキングテープを剥離する、又は、マスキングテープを剥離し、養生シート又はマスキングテープ付属養生シートを除去する工程
上記工程(1)は、言い換えれば、以下の工程(1−1)又は(1−2)又は(1−3)を有するものである。
(1−1)マスキングテープを用いてマスキングテープ自体で養生領域を覆う工程
(1−2)マスキングテープを用いて養生シートの端部を養生領域の縁に固定して、マスキングテープ自体でも該養生領域を覆うと共に該養生領域を該養生シートでも覆う工程
(1−3)マスキングテープ自体でも該養生領域を覆うと共に「予めマスキングテープ付属養生シートが設けられたマスキングテープ」(マスカータイプ)を用いて該養生領域を該マスキングテープ付属養生シートで覆う工程
上記工程(5)は、言い換えれば、以下の工程(5−1)又は(5−2)を有するものである。
(5−1)「養生シート」も「マスカータイプにおけるマスキングテープ付属養生シート」も用いず、マスキングテープ自体のみを使用したときに、該マスキングテープを剥離する工程
(5−2)マスキングテープを剥離すると共に、養生シート又はマスキングテープ付属養生シートをも除去する工程
「スプレーコート等の塗料の飛び散りが多い塗布方法」を使用する場合には、塗膜を形成させたくない(塗料の飛び散りの付着を避けたい)養生領域Yは、マスキングテープ11自体で覆うと共に、広い面積を養生シート31でも覆っておくことが好ましい。
その場合は、工程(1)は、工程(1−2)又は工程(1−3)であり、工程(5)は、工程(5−2)である。
工程図を図5に示す。
一方、「手塗り(刷毛塗り等)、ローラー塗布等の塗料の飛び散りが少ない塗布方法」を使用する場合には、塗膜を形成させたくない養生領域Yは、養生シート31を用いず、塗膜(塗料)のはみ出しに対処するために、マスキングテープ11自体のみで局部的に覆っておくことが好ましい。
その場合は、工程(1)は、工程(1−1)であり、工程(5)は、工程(5−1)である。
工程図は、図5から養生シート31を除いたものとなる。
以下、(スプレーコート等の塗料の飛び散りが多い塗布方法を想定して)、養生領域Yをマスキングテープ11自体で覆うと共に養生シート31でも覆う態様の塗膜形成方法を中心に説明するが、本発明の塗膜形成方法は、養生シート31を用いず、養生領域をマスキングテープ11自体のみで覆う態様の塗膜形成方法をも含むものである。
本発明の塗膜形成方法は、少なくとも上記の工程(1)ないし(5)を有するが、3層の塗膜を形成する場合は、工程(2’)と(3’)が加わって以下のようになる。
なお、層番号は下から振っている。例えば、1層目の塗膜は一番下に位置し、2層目の塗膜は1層目の上に位置する。
(1)(同上、すなわち)マスキングテープ11を用いて養生シート31の端部を養生領域Yの縁に固定して該養生領域Yを該養生シート31で覆う、又は、予めマスキングテープ付属養生シート32が設けられたマスキングテープ11を用いて養生領域Yを該マスキングテープ付属養生シート32で覆う工程(図5(a)参照)
(2)(同上、すなわち)上記塗装領域Tに1層目の塗膜を形成する工程(図5(b)参照)
(3)(同上、すなわち)上記線状体14をマスキングテープ11から引き上げることによって、該線状体14の真上にある塗膜を切り取って、該線状体14が接している上記基材12と共に不要の塗膜を除去する工程(図5(c)参照)
(2’)上記塗装領域Tに2層目の塗膜を形成する工程(図5(d)参照)
(3’)上記線状体14をマスキングテープ11から引き上げることによって、該線状体14の真上にある2層目の塗膜を切り取って、該線状体14が接している上記基材12と共に不要の塗膜を除去する工程(図5(e)参照)
(4)(同上、すなわち)上記塗装領域Tに最上層の塗膜を形成する工程(図5(f)参照)
(5)(同上、すなわち)マスキングテープ11を剥離し、養生シート31又はマスキングテープ付属養生シート32を除去する工程(図5(g)参照)
4層の塗膜を形成する場合は、以下の工程(2”)と(3”)が加わる。5層以上の塗膜を形成する場合も同様に工程が増える。
(2”)上記塗装領域Tに3層目の塗膜を形成する工程
(3”)上記線状体14をマスキングテープ11から引き上げることによって、該線状体14の真上にある3層目の塗膜を切り取って、該線状体14が接している上記基材12と共に不要の塗膜を除去する工程
工程ごとの概略断面図を図5に示す。図5では、3層の塗膜を形成する場合の一例を示す。図5では、例えば塗膜防水工法を想定して、1層目を下層51、2層目を中間層52、最上層をトップコート層53としている。
工程(1)後の概略断面図を図5(a)に示す。なお、マスカータイプの場合には、図5(a)の「養生シート31」が、「マスキングテープ付属養生シート32」となる。
本発明おいては、工程(1)で、マスキングテープ11を1回だけ養生領域Yの縁の対象物に固定することで(工程(1)が1回で)、2層目以降の塗膜用のマスキングテープが、同時に(いっぺんに)養生領域Yの縁の対象物に固定できたことと同様の効果が得られ、作業効率が格段に上がる。
「工程(2)上記塗装領域Tに1層目の塗膜を形成する工程」の後の概略断面図を図5(b)に示す。下層51の塗膜は、適宜マスキングテープ11の上部にまで塗布することが好ましい。
「工程(3)上記線状体14をマスキングテープ11から引き上げることによって、該線状体14の真上にある塗膜を切り取って、該線状体14が接している上記基材12と共に不要の塗膜を除去する工程」の後の概略断面図を図5(c)に示す。
線状体14をマスキングテープ11から引き上げるタイミングは、該下層51の塗膜が完全に硬化及び/又は乾燥し終える前であることが、下層塗膜見切り51mをしっかり奇麗にするために好ましい。
工程(3)の後には、従来法のように、改めて新たなマスキングテープ11を貼り直さなくても、また用済みになった下層51用のマスキングテープ11を全て剥離しなくてもよい。すなわち、本発明によれば、既に最初から、全ての層用のマスキングテープ11が存在する(貼り付けられている)ことになり(それと同様の効果が得られ)、養生作業が極めて簡略化される。
「工程(2’)上記塗装領域Tに2層目の塗膜を形成する工程」の後の概略断面図を図5(d)に示す。「2層目の塗膜」は図5においては「中間層52」である。2層目の塗膜(中間層52)は、適宜マスキングテープ11の上部にまで塗布することが好ましい。
2層目の塗膜(中間層52)は、下層51が除去された部分、すなわち中間層塗膜拡張部分52kにも塗布される。
「工程(3’)上記線状体14をマスキングテープ11から引き上げることによって、該線状体14の真上にある2層目の塗膜を切り取って、該線状体14が接している上記基材12と共に不要の塗膜を除去する工程」の後の概略断面図を図5(e)に示す。
2層目の塗膜(中間層52)は、下層51が除去された部分、すなわち中間層塗膜拡張部分52kにおいて、養生領域Yの縁の対象物に塗布されたまま残存する。これによって、多層塗膜の縁が奇麗になる、防水効果が上がる等、前記した効果を発揮する。
「工程(4)上記塗装領域Tに最上層の塗膜を形成する工程」の後の概略断面図を図5(f)に示す。
「最上層」(3層目の塗膜)は図5においては「トップコート層53」である。最上層(トップコート層53)は、適宜マスキングテープ11の上部にまで塗布することが好ましい。
最上層(トップコート層53)は、中間層52が除去された部分、すなわちトップコート層塗膜拡張部分53kにも塗布される。
「工程(5)マスキングテープ11を剥離し、養生シート31又はマスキングテープ付属養生シート32を除去する工程」の後の概略断面図を図5(g)に示す。
最上層(トップコート層53)は、中間層52が除去された部分、すなわちトップコート層塗膜拡張部分53kにおいて、養生領域Yの縁の対象物に塗布されたまま残存する。これによって、多層塗膜の縁が奇麗になる、縁においても紫外線等による劣化を防止効果が上がる等、前記した効果を発揮する。
<マスキングテープの用途>
本発明のマスキングテープ11は、特に限定はないが、塗膜防水工法に使用されることが好ましい。すなわち、本発明のマスキングテープ11は、前記塗膜が、防水塗装による塗膜である場合に、特にその効果を発揮する。
塗膜防水工法の場合は、施工規則が存在することにも起因して、ピンホールへの対処等のため2層以上の塗膜を形成させることが多く、塗膜防水工法においては、例えば、下塗り1〜2回、要すれば中塗り1回、上塗り(トップコート層の塗布)1回の合計で2層以上の塗膜形成をする場合が殆どである。
また、改修時に、押えコンクリートの上に通気緩衝シートを設ける場合でも、更にその上に、少なくとも1層以上の塗膜防水層とトップコート層の合計で2層以上の塗膜形成をする場合がある。
従って、本発明のマスキングテープ11は、新築時や改修時の塗膜防水工法に使用されることが好ましく、上記の点から、改修時の塗膜防水工法に使用されることが特に好ましい。また、重ね防水工法に使用されることが好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
縦横約10mの屋上の床面全面に、下層51の塗膜として、2液混合タイプの硬化型ウレタン防水塗料((株)ダイフレックス社製、「コスミックRIM」(登録商標))を塗布し、その後にトップコート層(最上層塗膜)((株)ダイフレックス社製、「コスミックトップS」)を形成した。
その前に、マスキングテープ11として、図3(a)において線状体が3本であるところを2本にしたものを用いた。なお、塗膜が2層のため、線状体2本のうち、マスキングテープ11の幅方向の最も端にある(端辺に最も近い)1本の線状体しか用いなかった。
マスキングテープの幅は48mmであり、基材12の厚さは0.15mm(150μm)であり、基材12の材質はポリプロピレンであって常法に従い長尺方向に延伸(一軸延伸)されたものであった。
線状体と端辺の間隔d1は3mmであり、線状体14の太さは0.1mm(100μm)であった。
粘着層13は、ゴム系粘着剤が使用され、厚さは0.1mm(100μm)であった。
厚さ0.07mm(70μm)の全体離型紙16が設けられていた。
養生領域Yである、該屋上に設置されている通気ファン、水槽、ソーラー発電等の装置;該屋上の床面にあるトレンチ;窓、出入り口の扉等の垂直部分;等を、上記マスキングテープ11と養生シート31を用いて養生した。
まず、全体離型紙16を剥離しながら、上記のマスキングテープ11を用いて養生シート31の端部を養生領域Yの縁に固定しつつ、上記養生領域Yを該養生シート31で覆った(工程(1)、図5(a))。
次いで、ウレタン防水塗料を、吹付機(グラコ(株)社製)を用いて塗布し、平均膜厚2mmとなるように下層51の塗膜を形成させた(工程(2)、図5(b))。
得られた「下層51の塗膜であるウレタン防水塗膜」が完全に硬化する前に、マスキングテープ11の幅方向の最も端にある(端辺に最も近い)線状体14を、マスキングテープ11から上に向かって引き上げることによって、該線状体14の真上にある下層51の塗膜を切り取って、「該線状体14の下とそれより縁側にある」基材12と共に不要の塗膜を除去した(工程(3)、図5(c))。
その際、マスキングテープ11は、屋上の床面又は養生部分の対象物から剥離しなかった。また、得られた下層塗膜見切り51mは奇麗なものであった。
上記下層51の塗膜が完全に硬化した後、最上層の塗膜(トップコート層53)を形成させた(工程(4)、図示しないが図5(d)と類似)。
得られたトップコート層53が完全に硬化する前に、マスキングテープ11を剥離し、養生シート31も除去した(工程(5)、図示せず)。
トップコート層塗膜見切り53mは奇麗なものであった。
塗膜防水工法の作業の全体としても、養生の作業(マスキングテープ11の貼り付け)が1回の工程で終わり、作業者の負担が少なく、養生作業が短時間で終了した。
また、防水塗膜の縁に存在する「トップコート層53はあるが下層51の塗膜がない部分」は、使用したマスキングテープ11に最初から設けられた線状体と端辺の間隔d1に対応して、その幅がどこでも完全に一定であり、最終仕上がりは、外観的にも奇麗であり防水効果にも優れていた。
実施例2
実施例1において、図3(a)に示したマスキングテープ11に代えて、図3(b)に示したような、マスキングテープ11の片側のみに、粘着層13に接して片側離型紙21が設けられているマスキングテープ11を用いた以外は、実施例1と同様に養生して塗装をした。
まず、該マスキングテープ11を所定の位置に置いて、その上から手で該マスキングテープ11の全面を押して、該マスキングテープ11のみを対象物に貼り付けたところ、「片側離型紙21が設けられていないために粘着層13が露出している部分」の粘着層が、養生領域Yの縁に特に強固に貼り付けられた。
次いで、該片側離型紙21を剥ぎ取りながら、養生シート31の端部を「片側離型紙21を剥ぎ取ったことで露出した粘着層」に貼り付けながら、その端部を養生領域Yの縁に固定した。
次いで、下層51の塗膜を形成するための塗料と、トップコート層53を形成するための塗料は、実施例1と同様のものを用い、実施例1と同様に塗布した。
得られた最も下の「下層51の塗膜であるウレタン防水塗膜」が完全に硬化する前に、マスキングテープ11の幅方向の最も端にある(端辺に最も近い)線状体14を、マスキングテープ11から上に向かって引き上げることによって、該線状体14の真上にある下層51の塗膜を切り取って、その下の基材12と共に不要の塗膜を除去した(工程(3)、図5(c))。
その際、マスキングテープ11は、屋上の床面又は養生部分の対象物から剥離しなかった。得られた下層塗膜見切り51mは奇麗なものであった。
上記下層51の塗膜が完全に硬化した後、最上層の塗膜(トップコート層53)を形成させた(工程(4)、図示しないが図5(d)と類似)。
得られたトップコート層53が完全に硬化する前に、マスキングテープ11を剥離し、養生シート31も除去した(工程(5)、図示せず)。
トップコート層塗膜見切り53mは奇麗なものであった。
塗膜防水工法の作業の全体としても、養生の作業(マスキングテープ11の貼り付け)が1回の工程で終わり、作業者の負担が少なく、養生作業が短時間で終了した。
また、防水塗膜の縁に存在する「トップコート層53はあるが下層51の塗膜がない部分」は、使用したマスキングテープ11に最初から設けられた線状体と端辺の間隔d1に対応して、その幅がどこでも完全に一定であり、最終仕上がりは、外観的にも奇麗であり防水効果にも優れていた。
実施例3
実施例1において、図3(a)に示したマスキングテープ11に代えて、図3(c)に示したような、マスキングテープ11の片側のみに、マスキングテープ付属養生シート32が、上記粘着層13によって予め固定されて設けられているマスキングテープ(マスカータイプのマスキングテープ)を使用した以外は、実施例1と同様にマスキングテープ11を貼り付け、実施例1と同様の塗料を使用して同様に作業を行った。
マスキングテープ11は、屋上の床面又は養生部分の対象物から剥離しなかった。
得られた下層塗膜見切り51mも、トップコート層塗膜見切り53mも奇麗なものであった。
塗膜防水工法の作業の全体としても、養生の作業(マスキングテープ11の貼り付け)が1回の工程で終わり、作業者の負担が少なく、養生作業が短時間で終了した。
また、防水塗膜の縁に存在する「トップコート層53はあるが下層51の塗膜がない部分」は、使用したマスキングテープ11に最初から設けられた線状体と端辺の間隔d1に対応して、その幅がどこでも完全に一定であり、最終仕上がりは、外観的にも奇麗であり防水効果にも優れていた。
実施例4
縦横約15mの屋上の床面全面を、通気緩衝シートとウレタン防水塗料を用いて改修した。
既存の防水塗膜の上の押えコンクリートの目地を、覆いテープ((株)秀カンパニー社製の「メジキーパー」(登録商標))で覆い、その上から、通気緩衝シート((株)ダイフレックス社製の商品名「マットSB」)を敷きつめた。
2液混合タイプの硬化型ウレタン防水塗料((株)ダイフレックス社製、「コスミックプロ12」)を、下層51及び中間層52として計2層、及び、トップコート層53(最上層塗膜)として、トップコート塗料((株)ダイフレックス社製、「コスミックトップP」)を1層、合計で3層を塗布した。
塗膜形成の前に、マスキングテープ11として、図1、図2(g)、図3(a)、図4に示したものを用いた以外は、厚さ、材質、太さ等の態様は、実施例1と同様のものを用いた。
線状体と端辺の間隔d1と、線状体同士の間隔d2は、何れも3mmであった。
なお、塗膜が3層のため、線状体3本のうち、マスキングテープ11の幅方向の最も端にある(端辺に最も近い)線状体14と、その内側にある線状体14の計2本しか用いなかった。
まず、全体離型紙16を剥離しながら、上記のマスキングテープ11を用いて養生シート31の端部を養生領域Yの縁に固定しつつ、上記養生領域Yを該養生シート31で覆った(工程(1)、図5(a))。
上記ウレタン防水塗料を、金鏝を用いて塗布し、平均膜厚1.5mmとなるように下層51の塗膜を形成させた(工程(2)、図5(b))。
得られた「下層51の塗膜であるウレタン防水塗膜」が完全に硬化する前に、マスキングテープ11の幅方向の最も端にある(端辺に最も近い)線状体14を、マスキングテープ11から上に向かって引き上げることによって、該線状体14の真上にある下層51の塗膜を切り取って、その下の基材12と共に不要の塗膜を除去した(工程(3)、図5(c))。
その際、マスキングテープ11は、屋上の床面又は養生部分の対象物から剥離しなかった。
得られた下層塗膜見切り51mは奇麗なものであった。
上記下層51の塗膜が完全に硬化した後、中間層52の塗膜を形成させた(工程(2’)、図5(d))。
得られた「中間層52の塗膜であるウレタン防水塗膜」が完全に硬化する前に、マスキングテープ11の端から2番目にある(端辺から2番目の)線状体14(残っている線状体14)を、マスキングテープ11から上に向かって引き上げることによって、該線状体14の真上にある中間層52の塗膜を切り取って、その下の基材12と共に不要の塗膜を除去した(工程(3’)、図5(e))。
その際、マスキングテープ11は、屋上の床面又は養生部分の対象物から剥離しなかった。
得られた中間層塗膜見切り52mは奇麗なものであった。また、中間層塗膜拡張部分52k(中間層52はあるが下層51はない部分)は、どこをとっても、ちょうど3mmであり、防水性、外観とも優れていた。
上記中間層52の塗膜が完全に硬化した後、最上層の塗膜(トップコート層53)を形成させた(工程(4)、図5(f))。
得られたトップコート層53が完全に硬化する前に、マスキングテープ11を剥離し、養生シート31も除去した(工程(5)、図5(g))。
トップコート層塗膜見切り53mは奇麗なものであった。また、トップコート層塗膜拡張部分53k(トップコート層53はあるが下層51も中間層52もない部分)は、どこをとっても、ちょうど3mmであり、防水性、外観とも優れていた。
塗膜防水工法の作業の全体としても、養生の作業(マスキングテープ11の貼り付け)が1回の工程で終わり、作業者の負担が少なく、養生作業が短時間で終了した。
また、防水塗膜の縁に存在する中間層塗膜拡張部分52k(中間層52はあるが下層51はない部分)と、トップコート層塗膜拡張部分53k(トップコート層53はあるが下層51も中間層52もない部分)は、使用したマスキングテープ11に最初から設けられた線状体と端辺の間隔d1や、線状体同士の間隔d2に対応して、その幅がどこでも完全に一定であり、最終仕上がりは、外観的にも奇麗であり防水効果にも優れていた。
実施例5
実施例4において、マスキングテープ11として、図1(b)のように全面に線状体14があり、図2(f)のように、全体離型紙16も片側離型紙21もなく、ロールの「回巻の解き」は離型処理層17に依っているものに代えた。
また、実施例4において、ローラー塗布用の防水塗料を用い、スプレー塗布に代えてローラー塗布により、全ての塗膜(層)を形成させた。
更に、実施例4において、養生領域Yのうちの「塗装領域Tの近傍」のみを、養生シート31を用いず、マスキングテープ11自体のみで覆った。
また、中間層52の形成前も、トップコート層53の形成前も、何れも3mmだけ内側の線状体14を利用して、該線状体14より外側のマスキングテープ11を3mmだけ剥離した。すなわち、「該線状体14の下とそれより縁側にある」基材12と共に、その上の不要の塗膜を3mmだけ除去した。
結果として、図5(g)のように、トップコート層塗膜見切り53mは奇麗なものであった。また、トップコート層塗膜拡張部分53k(トップコート層53はあるが下層51も中間層52もない部分)は、どこをとっても、ちょうど3mmであり、防水性、外観とも優れていた。
スプレー塗布に代えてローラー塗布を用いたので、養生シート31を使用しなかったが、養生領域Yには塗料の飛び散りがなかった。
塗膜防水工法の作業の全体としても、養生の作業(マスキングテープ11の貼り付け)が1回の工程で終わり、作業者の負担が少なく、養生作業が短時間で終了した。
また、防水塗膜の縁に存在する中間層塗膜拡張部分52k(中間層52はあるが下層51はない部分)と、トップコート層塗膜拡張部分53k(トップコート層53はあるが下層51も中間層52もない部分)は、使用したマスキングテープ11に最初から設けられた線状体と端辺の間隔d1や、線状体同士の間隔d2に対応して、その幅がどこでも完全に一定であり、最終仕上がりは、外観的にも奇麗であり防水効果にも優れていた。
比較例1
実施例1で使用した本発明のマスキングテープ11に代えて、「市販の通常のロール状の粘着テープ」(以下、「市販粘着テープ」と略記する)を、マスキングテープとして使用した。
まず、トップコート層53の塗膜の末端に対応する部分に、市販粘着テープを貼り付けて養生シート31を固定して養生領域Yを養生シート31で覆った。次いで、上記と同じ市販粘着テープを、その縁を少し塗装領域T側にずらして上から貼り付けた。
次いで、実施例1と同様のウレタン防水塗料を塗布して下層51の塗膜を形成させた。
得られた「下層51の塗膜であるウレタン防水塗膜」が完全に硬化する前に、上から貼り付けた市販粘着テープを剥離し、該下層51の塗膜が完全に硬化した後、最上層塗膜(トップコート層53)を形成させた。
得られた最上層塗膜(トップコート層53)が完全に硬化する前に、市販粘着テープを剥離し、養生シート31も除去した。
マスキングテープ(市販粘着テープ)の貼り付け作業が2回必要であったため、養生の作業時間が長かった。2回も粘着テープの貼り付けをしなければならず、作業者の負担が大きかった。
また、作業者が現場で貼り付けたため、トップコート層塗膜拡張部分53kに、幅が広い場所と狭い場所ができてしまい、防水性と外観に劣っていた。
本発明のマスキングテープ11は、作業の容易性、作業後の奇麗さ、見切り性、コスト等に優れているため、あらゆる養生作業に好適に用いられる。
また、防水塗料、着色塗料、防錆塗料等を塗布する際の養生に特に好適に用いられ、このうち塗料としては、スプレー塗料、焼付塗料、ロール塗布用塗料、浸漬塗布用塗料等に好適に用いられる。中でも、養生シート31の必要性が高いスプレー塗料を吹き付ける際に特に好適に用いられる。
養生の養生領域Yとしては、屋上、床、壁、天井等の建造物;排水孔、グリストラップ、トレンチ等の床設置物;自動車、バス、トラック、飛行機、電車等の乗物;等に好適に用いられる。そのため、本発明は、上記した分野の種々の養生が必要の分野に広く利用されるものである。
11 マスキングテープ
11e マスキングテープの端辺
11t マスキングテープの塗装領域側
11y マスキングテープの養生領域側
12 基材
13 粘着層
14 線状体
d1 線状体と端辺の間隔
d2 線状体同士の間隔
16 全体離型紙
17 離型処理層
21 片側離型紙
31 養生シート
32 マスキングテープ付属養生シート
41 マスキングテープロール
51 下層
52 中間層
53 トップコート層
52k 中間層塗膜拡張部分
53k トップコート層塗膜拡張部分
51m 下層塗膜見切り
52m 中間層塗膜見切り
53m トップコート層塗膜見切り
Y 養生領域
T 塗装領域

Claims (8)

  1. 塗装領域に2層以上の塗膜を形成する際に、それぞれの塗膜を形成させない養生領域を覆っておくためのマスキングテープであって、
    少なくとも、基材、線状体及び粘着層を有し、該基材は、マスキングテープの長尺方向に延伸されたポリマーフィルムを有し、該線状体は、マスキングテープの幅方向の端である端辺に平行に設けられていることを特徴とするマスキングテープ。
  2. 塗装領域に2層以上の塗膜を形成する際に、それぞれの塗膜を形成させない養生領域を養生シートで覆っておくために、該養生シートの端部を該養生領域の縁に固定する請求項1に記載のマスキングテープ。
  3. 上記線状体が、マスキングテープの端辺から、互いに0.4mm以上15mm以下の間隔を開けて、該端辺に平行に設けられている請求項1又は請求項2に記載のマスキングテープ。
  4. 上記線状体が、マスキングテープの端辺から、互いに間隔を開けて1本以上4本以下の本数で設けられているか、又は、互いに間隔を開けて、幅方向の全体に設けられている請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載のマスキングテープ。
  5. 更に、マスキングテープの略全面に、上記粘着層に接して「マスキングテープの端辺に平行に切れ込みのある離型紙」が設けられており、該離型紙から片側離型紙を残して残りを剥離除去した後にマスキングテープを上記養生領域に貼り付け、後に残った片側離型紙を剥ぎ取りながら上記養生シートの端部を該養生領域の縁に固定できるようになっているものである請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載のマスキングテープ。
  6. 上記塗膜が、防水塗装による塗膜である請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載のマスキングテープ。
  7. 請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載のマスキングテープを使用した塗膜形成方法であって、
    少なくとも以下の工程(1)ないし(5)を有することを特徴とする塗膜形成方法。
    (1)マスキングテープを用いて養生領域を覆う、又は、マスキングテープを用いて養生シートの端部を養生領域の縁に固定して該養生領域を該養生シートで覆う、又は、予めマスキングテープ付属養生シートが設けられたマスキングテープを用いて該養生領域を該マスキングテープ付属養生シートで覆う工程
    (2)上記塗装領域に1層目の塗膜を形成する工程
    (3)上記線状体をマスキングテープから引き上げることによって、該線状体の真上にある塗膜を切り取って、該線状体が接している上記基材と共に不要の塗膜を除去するか、又は、上記線状体を含めそれより端辺側のマスキングテープを引き上げることによって、該線状体の真上にある塗膜と該線状体より端辺側にある塗膜とを切り取って、不要の塗膜を除去する工程
    (4)上記塗装領域に最上層の塗膜を形成する工程
    (5)マスキングテープを剥離する、又は、マスキングテープを剥離し、養生シート又はマスキングテープ付属養生シートを除去する工程
  8. 請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載のマスキングテープを使用して養生部分を養生することを特徴とする養生方法。
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