JP6813387B2 - 指紋センサー用配線基板 - Google Patents

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Description

本発明は、指紋センサー用配線基板に関するものである。
図8に、従来の指紋センサー用配線基板200を示す。従来の指紋センサー用配線基板200は、絶縁基板11と、配線導体12と、ソルダーレジスト層13とから成る。
絶縁基板11は、コア絶縁層11aの上下面にビルドアップ絶縁層11bが積層されて成る。コア絶縁層11aは、ガラスクロス入りの熱硬化性樹脂から成る。コア絶縁層11aの厚みは30〜400μm程度である。コア絶縁層11aには、複数のスルーホール14が形成されている。ビルドアップ絶縁層11bは、ガラスクロスを含まない熱硬化性樹脂から成る。ビルドアップ絶縁層11bの厚みは10〜20μm程度である。ビルドアップ絶縁層11bには複数のビアホール15が形成されている。
配線導体12は、コア絶縁層11aの上下面およびスルーホール14内、ならびにビルドアップ絶縁層11bの表面およびビアホール15内に被着されている。配線導体12は、銅めっきから成る。配線導体12の厚みは、10〜20μm程度である。
上面側の最表層の配線導体12の一部は、指紋読み取り用の表層帯状電極16を形成している。表層帯状電極16は、図9に示すように、端部にランド16aを有する細い帯状のパターンであり、複数本が第1の方向に沿って平行に並んでいる。表層帯状電極16における帯状パターン部の幅は5〜20μm程度である。表層帯状電極16における帯状パターン部同士の隣接間隔は、50〜65μm程度である。
さらに、上面側の最表層の配線導体12の一部は、表層帯状電極16同士の間に複数のパッド電極17を有している。パッド電極17は、第1の方向に沿う寸法が40〜65μm程度、これに直交する第2の方向に沿う寸法が30〜45μm程度であり、表層帯状電極16との間隔が10〜20μmである。このパッド電極17は、後述する内層帯状電極18上に位置している。そして、直径が20〜40μmの円形のビアホール15a内に充填されたビア導体19を介して内層帯状電極18に接続されている。
図8に戻って、上面側のビルドアップ絶縁層11bを挟んで位置する上面側の最表層から2番目の配線導体12の一部は、指紋読み取り用の内層帯状電極18を形成している。内層帯状電極18は、図10に示すように、端部にランド18aを有する細い帯状のパターンであり、第1の方向に直交する第2の方向に沿って平行に並んでいる。内層帯状電極17における帯状パターン部の幅は30〜65μm程度である。内層帯状電極18における帯状パターン部同士の隣接間隔は、15〜40μm程度である。
これらの表層帯状電極16と内層帯状電極18とは、図11に示すように、互いに直交する方向に交差するように上下に重なっている。
図8に戻って、下面側の最表層の配線導体12の一部は、外部接続パッド20を形成している。外部接続パッド20と表層帯状電極16および内層帯状電極18とは、所定のもの同士が、配線導体12を介して互いに接続されている。
ソルダーレジスト層13は、上面側および下面側のビルドアップ絶縁層11bおよびその表面の配線導体12を覆うように被着されている。ソルダーレジスト層13は、熱硬化性樹脂から成る。ソルダーレジスト層13には、フィラーとしてシリカ粉末が分散されている。ソルダーレジスト層13の厚みは、配線導体12の表面上で5〜20μm程度である。上面側のソルダーレジスト層13は、配線導体12を完全に覆っている。下面側のソルダーレジスト層13は、外部接続パッド20を露出させる開口部を有している。
そして、この指紋センサー用配線基板200の上面に指を載せて表層帯状電極16に電圧を印加すると、上面側のソルダーレジスト層13を挟んで対向する表層帯状電極16と指の表面との間に静電容量が形成される。この静電容量は、指紋の凸部では大きく、指紋の凹部では小さいものとなる。この静電容量の差を複数の表層帯状電極16と複数の内層帯状電極17とに電圧を順次印加してスキャンすることにより検出し、それを外部のプロセッサーで演算処理することにより指紋を読み取ることができる。
なお、この指紋センサー用配線基板200においては、パッド電極17が表層帯状電極16の間に配置されていることで、表層帯状電極16と内層帯状電極18との間の静電結合が強まり、それにより指紋の読み取りの感度を高いものとしている。なお、このような高感度の要求は、さらに高まっている。
特開2001−46359号公報
本発明が解決しようとする課題は、表層帯状電極の間に内層帯状電極とビア導体を介して接続されたパッド電極を有する指紋センサー用配線基板において、指紋の読み取りの感度を、さらに高めることが可能な指紋センサー用配線基板を提供することにある。
本発明の指紋センサー用配線基板は、複数の絶縁層が積層されて成る絶縁基板と、最上層の前記絶縁層上に形成されており、第1の方向に沿って並設された指紋読み取り用の複数本の表層帯状電極と、最上層の前記絶縁層に接する次層の前記絶縁層上に形成されており、前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って並設された指紋読み取り用の複数本の内層帯状電極と、最上層の前記絶縁層上に形成されており、前記内層帯状電極上で、かつ前記表層帯状電極同士の間に配置されたパッド電極と、該パッド電極と前記内層帯状電極との間の最表層の前記絶縁層を貫通して形成されており、前記パッド電極と前記内層帯状電極とを電気的に接続するビア導体と、を具備して成る指紋センサー用配線基板であって、前記ビア導体は、上面視で前記第1の方向に長い長円形状であることを特徴とするものである。
本発明の指紋センサー用配線基板によれば、表層帯状電極同士の間に配置されたパッド電極と内層帯状電極とを電気的に接続するビア導体は、上面視で表層帯状電極に沿う第1の方向に長い長円形状であることから、このビア導体と表層帯状電極との対向面積が大きなものとなる。その結果、表層帯状電極と内層帯状電極との間の静電結合がさらに強まり、それにより指紋の読み取りの感度を、さらに高めることが可能な指紋センサー用配線基板を提供することができる。
図1は、本発明の指紋センサー用配線基板の実施形態の一例を示す断面模式図である。 図2は、本発明の指紋センサー用配線基板の実施形態の一例における表層帯状電極およびパッド電極を示す上面図である。 図3は、本発明の指紋センサー用配線基板の実施形態の一例における内層帯状電極を示す上面図である。 図4は、本発明の指紋センサー用配線基板の実施形態の一例における表層帯状電極およびパッド電極と内層帯状電極とが上下に重なった状態を示す上面図である。 図5は、本発明の指紋センサー用配線基板の実施形態の他の例を示す断面模式図である。 図6は、図5に示す指紋センサー用配線基板の製造方法を説明するための工程毎の断面模式図である。 図7は、図5に示す指紋センサー用配線基板の製造方法を説明するための工程毎の断面模式図である。 図8は、従来の指紋センサー用配線基板を示す断面模式図である。 図9は、従来の指紋センサー用配線基板の表層帯状電極およびパッド電極を示す上面図である。 図10は、従来の指紋センサー用配線基板の内層帯状電極を示す上面図である。 図11は、従来の指紋センサー用配線基板における表層帯状電極およびパッド電極と内層帯状電極とが上下に重なった状態を示す上面図である。
次に、本発明の指紋センサー用配線基板の実施形態の一例を図1〜図4を参照して説明する。図1に示すように、本例の配線基板100は、絶縁基板1と、配線導体2とソルダーレジスト層3とから成る。
絶縁基板1は、コア絶縁層1aの上下面にビルドアップ絶縁層1bを積層して成る。コア絶縁層1aは、ガラスクロス入りの熱硬化性樹脂から成る。ビルドアップ絶縁層1bは、ガラスクロスなしの熱硬化性樹脂から成る。これらの絶縁層用の熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等が用いられる。熱硬化性樹脂の中には、水酸化アルミニウムやシリカ等の無機絶縁物フィラーが分散されている。コア絶縁層1aの厚みは、30〜400μmである。コア絶縁層1aには、複数のスルーホール4が形成されている。スルーホール4の直径は、70〜100μm程度である。ビルドアップ絶縁層1bの厚みは、10〜20μmである。ビルドアップ絶縁層1bには、複数のビアホール5が形成されている。ビアホール5の直径は20〜70μmである。
配線導体2は、コア絶縁層1aの上下面およびスルーホール4内、ならびにビルドアップ絶縁層1bの表面ならびにビアホール5内に被着されている。配線導体2は、銅めっきから成る。配線導体2の厚みは、コア絶縁層1aの上下面に被着されたもので10〜20μm、ビルドアップ絶縁層1bの表面に被着されたもので5〜50μmである。
上面側のビルドアップ絶縁層1bの表面に被着された配線導体2の一部は、指紋読み取り用の表層帯状電極6を形成している。表層帯状電極6は、図2に示すように、端部にランド6aを有する細い帯状のパターンであり、複数本が第1の方向に沿って平行に並んでいる。表層帯状電極6は、帯状パターン部の幅が5〜20μm程度であり、互いに隣接する帯状パターン部同士の間隔が50〜65μm程度である。
さらに、上面側のビルドアップ絶縁層1bの表面に被着された配線導体2の一部は、表層帯状電極6同士の間に複数のパッド電極7を有している。パッド電極7は、第1の方向に沿う寸法が40〜65μm程度、これに直交する第2の方向に沿う寸法が30〜45μm程度であり、表層帯状電極6との間隔が10〜20μmである。このパッド電極7は、後述する内層帯状電極8上に位置している。そして、短径が20〜40μm、長径が30〜60μmであり、第1の方向に長い長円形のビアホール5a内に充填されたビア導体9を介して内層帯状電極8に接続されている。
図1に戻って、コア絶縁層1aの上面に被着された配線導体2の一部は、指紋読み取り用の内層帯状電極8を形成している。内層帯状電極8は、図3に示すように、端部にランド8aを有する細い帯状のパターンであり、第1の方向に直角な第2の方向に沿って平行に並んでいる。内層帯状電極8は、帯状パターン部の幅が30〜65μm程度であり、互いに隣接する帯状パターン同士の間隔が15〜40μm程度である。
表層帯状電極6と内層帯状電極8とは、図4に示すように、互いに直交する方向に交差するように上下に重なっている。パッド電極7は、表層帯状電極6との水平間隔が5〜20μmである。
図1に戻って、下面側のビルドアップ絶縁層1bの表面に被着された配線導体2の一部は、外部接続パッド10を形成している。外部接続パッド10は、直径が200〜500μmの円形である。外部接続パッド10と表層帯状電極6および内層帯状電極8とは、所定のもの同士が配線導体2を介して電気的に接続されている。
ソルダーレジスト層3は、上面側および下面側のビルドアップ絶縁層1bおよびその表面の配線導体2を覆うように被着されている。ソルダーレジスト層3は、熱硬化性樹脂から成る。ソルダーレジスト層3には、フィラーとしてシリカ粉末が分散されている。ソルダーレジスト層3の厚みは、配線導体2の表面上で5〜20μm程度である。上面側のソルダーレジスト層3は、配線導体2を完全に覆っている。下面側のソルダーレジスト層3は、外部接続パッド10を露出させる開口部を有している。
そして、この指紋センサー用配線基板100の上面に指を載せて表層帯状電極6に電圧を印加すると、上面側のソルダーレジスト層3を挟んで対向する表層帯状電極6と指の表面との間に静電容量が形成される。この静電容量は、指紋の凸部では大きく、指紋の凹部では小さいものとなる。この静電容量の差を複数の表層帯状電極6と複数の内層帯状電極7とに電圧を順次印加してスキャンすることにより検出し、それを外部のプロセッサーで演算処理することにより指紋を読み取ることができる。
なお、この指紋センサー用配線基板100においては、内層帯状電極8にビア導体9を介して電気的に接続されたパッド電極7が表層帯状電極6の間に配置されていることで、表層帯状電極6と内層帯状電極8との間の静電結合が強まり、それにより指紋の読み取りの感度を高いものとしている。さらに、パッド電極7と内層帯状電極8とを接続するビア導体9は、上面視で表層帯状電極6に沿う第1の方向に長い長円形状であることから、従来の円形のビア導体と比較して、ビア導体9と表層帯状電極6との対向面積が大きなものとなる。その結果、表層帯状電極6と内層帯状電極8との間の静電結合がさらに強まり、それにより指紋の読み取りの感度を、さらに高めることが可能な指紋センサー用配線基板100を提供することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更は可能である。図5に、本発明の指紋センサー用配線基板の実施形態の別の例を示す。なお、図5に示す指紋センサー用配線基板100’おいて、上述の実施形態の一例と同様の箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この例では、表層帯状電極6およびパッド電極7が最上層の絶縁層1bの上面に埋入されている点で上述の実施形態の一例とは異なっている。埋入された表層帯状電極6およびパッド電極7の上面は、好ましくは最上層の絶縁層1bの上面よりも0.1〜3μm低いものとなっている。
表層帯状電極6およびパッド電極7の上面が最上層の絶縁層1bの上面よりも0.1〜3μm低いものとなるように最上層の絶縁層1bの上面に埋入されていると、表層帯状電極6およびパッド電極7を覆うソルダーレジスト層3の厚みが例えば6μm以下の薄いものであったとしても、ソルダーレジスト層3の表面の凹凸を2μm以下の平坦なものにすることができる。このように、表層帯状電極6およびパッド電極7を被覆するソルダーレジスト層3の厚みが6μm以下と薄いとともにその表面の凹凸が2μm以下の平坦なものであることにより、指紋の検出感度および検出精度を良好なものとすることができる。
このような指紋センサー用配線基板100’の製造方法を図6および図7を参照して説明する。なお、図6,図7では、図5に示した指紋センサー用配線基板100’が上下逆さまの状態で製造される様子を示している。
先ず、図6(a)に示すように、平坦な支持基板21の上面にキャリア付き銅箔24を積層したものを準備する。支持基板21は、例えばガラスクロス入りのエポキシ樹脂板である。キャリア付き銅箔24は、キャリア銅箔22と銅箔23とが互いに剥離可能に積層されたものである。
次に、図6(b)に示すように、銅箔23の表面に最上層の配線導体2を形成する。この配線導体2は、表層帯状電極6およびパッド電極7を含んでいる。配線導体2は、周知のセミアディティブ法により形成する。
次に、図6(c)に示すように、銅箔23および最上層の配線導体2の表面に最上層の絶縁層1bを積層する。最上層の絶縁層1bには、ビアホール5aを含む複数のビアホール5をレーザ加工により形成する。
次に、図6(d)に示すように、最上層の絶縁層1bの表面およびビアホール5内に次層の配線導体2を形成する。
次に、図6(e)に示すように、配線導体2が形成された絶縁層1bの表面に絶縁層1aおよび次層の配線導体2を積層する。
次に、図7(f)に示すように、配線導体2が形成された絶縁層1aの表面に最下層の絶縁層1bおよび最下層の配線導体2を形成する。
次に、図7(g)に示すように、配線導体2が形成された最下層の絶縁層1bの表面に下面側のソルダーレジスト層3を形成する。
次に、図7(h)に示すように、キャリア銅箔22と銅箔23との間を剥離して支持基板21をキャリア銅箔22ともに除去する。
次に、図7(i)に示すように、銅箔23をエッチング除去して表層帯状電極6およびパッド電極7を露出させる。このとき、エッチングにより表層帯状電極6およびパッド電極7の表面も若干エッチングされて、表層帯状電極6およびパッド電極7の露出表面が最上層の絶縁層1bの表面よりも0.1〜3μm凹んだものとなる。
最後に、図7(j)に示すように、最上層の絶縁層1bおよび最上層の配線導体2の表面に上面側のソルダーレジスト層3を被着することにより、指紋センサー用配線基板100’が完成する。
1・・・・・・・絶縁基板
1a,1b・・・絶縁層
3・・・・・・・ソルダーレジスト層
6・・・・・・・表層帯状電極
7・・・・・・・パッド電極
8・・・・・・・内層帯状電極
9・・・・・・・ビア導体
100・・・・・指紋センサー用配線基板

Claims (3)

  1. 複数の絶縁層が積層されて成る絶縁基板と、最上層の前記絶縁層上に形成されており、第1の方向に沿って並設された指紋読み取り用の複数本の表層帯状電極と、最上層の前記絶縁層に接する次層の前記絶縁層上に形成されており、前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って並設された指紋読み取り用の複数本の内層帯状電極と、最上層の前記絶縁層上に形成されており、前記内層帯状電極上で、かつ前記表層帯状電極同士の間に配置されたパッド電極と、該パッド電極と前記内層帯状電極との間の最表層の前記絶縁層を貫通して形成されており、前記パッド電極と前記内層帯状電極とを電気的に接続するビア導体と、を具備して成る指紋センサー用配線基板であって、前記ビア導体は、上面視で前記第1の方向に長い長円形状であることを特徴とする指紋センサー用配線基板。
  2. 前記表層帯状電極および前記パッド電極は、最上層の前記絶縁層の上面に埋入されているとともに、該絶縁層ならびに前記表層帯状電極および前記パッド電極が平坦な表面を有するソルダーレジスト層で覆われていることを特徴とする請求項1記載の指紋センサー用配線基板。
  3. 前記表層帯状電極および前記パッド電極は、その上面が最上層の前記絶縁層の上面よりも0.1〜3μm低くなるように最上層の前記絶縁層の上面に埋入されているとともに、該表層帯状電極およびパッド電極の上面を覆う前記ソルダーレジスト層の厚みが6μm以下であることを特徴とする請求項2記載の指紋センサー用配線基板。
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