JP6812057B2 - 船舶用推進装置及びそれを備えた船舶 - Google Patents

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本発明は、船舶用推進装置及びそれを備えた船舶に関する。
従来、スクリュープロペラのプロペラボスに取り付けるキャップにフィンを設け、スクリュープロペラの推進性能を向上する船舶用推進装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の船舶用推進装置においては、キャップに設けられるフィンの形状を、後半部において後縁側をカットした形状とすることにより、プロペラ後方の縮流に対するフィン効果を維持しながら、フィンの抵抗を少なくして推進効率を増加させている。
特許第5405872号公報
しかしながら、特許文献1に記載の船舶用推進装置においては、主にキャップの側面から側方に向けてフィンが延出して設けられている。このため、スクリュープロペラの回転軸を基準とした、フィンの径方向の外周端がプロペラボスの外周面から外側に大きく突出している。このため、フィンの外周端周辺からキャビテーションが生じ、このキャビテーションが騒音の原因となり得る。
このようなフィンから生じるキャビテーションに起因する騒音は、航行時における静穏性の確保が要請される船舶において特に問題となる。近年、乗船時における快適性等の観点から、航行時における静穏性を確保しながら、推進性能を向上することができる船舶が要請されている。
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、航行時における静穏性を確保しながら、推進性能を向上することができる船舶用推進装置及びそれを備えた船舶を提供することを目的の1つとする。
本発明の一態様の船舶用推進装置は、複数のブレードが外周面に設けられるプロペラボスと、複数のフィンが設けられ、前記プロペラボスの後端部に取り付けられるキャップと、を備え、前記複数のフィンを前記キャップから後方側に延出して設けた船舶用推進装置であって、前記キャップは、前記プロペラボスの後端部の外径よりも小径の小径部分と、前記小径部分に連続して前記キャップの後端に位置する後端面とを有し、前記フィンは、前縁部分の基端部が前記キャップの小径部分に配置されると共に、前記前縁部分がその基端部よりも後方側に延出して設けられ、前記フィンの基端部の一部が前記後端面に連結し、前記フィンは、前記プロペラボスの外周面に沿って後方側に延ばした環状の仮想線の内側領域内で後方側に延出して設けられ、当該フィンの後縁部分が前記キャップの前記後端面よりも後方側の位置に配置されることを特徴とする。
この構成によれば、キャップから複数のフィンが後方側に延出して設けられることから、フィンを側方側に延出させる場合に比べて、フィンの外径をコンパクト化することができる。これにより、フィンの構成に基づくキャビテーション数を大きくできるので、キャビテーションの発生を抑制することができる。この結果、キャビテーションに起因する騒音の発生を防止でき、航行時における静穏性を確保することができる。また、プロペラボスの後方側の水流がフィンにより調整されることから、プロペラボスの後方側に形成されるハブ渦の発生を抑制できるので、推進性能を向上することができる。この結果、航行時における静穏性を確保しながら、推進性能を向上することが可能となる。また、プロペラボスの外径よりも内側に配置されたキャップの一部からフィンが後方側に延出して設けられることから、フィンの開始点を流速が低い部分に配置することができる。これにより、フィンの後方側(背面側)における圧力を低くできるので、効果的にキャビテーションの発生を抑制することができる。さらに、フィンは、プロペラボスの外周面に沿って後方側に延ばした環状の仮想線の内側領域内で後方側に延出して設けられることから、フィンの全体を流速が低い部分に配置できるので、更に効果的にキャビテーションの発生を抑制することができる。しかも、装置本体の回転軸を基準としたフィンの外径寸法をコンパクト化することができるので、フィンの外径寸法が反映されるキャビテーション数を大きくでき、キャビテーションを更に発生し難くすることができる。
また、本発明の船舶用推進装置複数のブレードが外周面に設けられるプロペラボスと、複数のフィンが設けられ、前記プロペラボスの後端部に取り付けられるキャップと、を備え、前記複数のフィンを前記キャップから後方側に延出して設けた船舶用推進装置であって、前記キャップは、前記プロペラボスの後端部の外径よりも小径の小径部分を有し、前記フィンは、前縁部分の基端部が前記キャップの小径部分に配置されると共に、前記前縁部分がその基端部よりも後方側に延出して設けられ、前記フィンは、前記プロペラボスの外周面に沿って後方側に延ばした環状の仮想線の内側領域内で後方側に延出して設けられ、当該フィンの後縁部分が前記キャップの後端部分よりも後方側の位置に配置され、前記キャップは、後端部に平面部分を有し、前記フィンの後縁部分は、側面視にて、前記キャップの平面部分より後方側の位置で、当該平面部分を含む平面と平行に延在することを特徴とする
さらに、本発明の船舶用推進装置において、前記フィンは、装置本体の回転軸を基準とした径方向の外周端部に円弧部分を設けることが好ましい。この構成によれば、フィンの外周端部周辺での圧力の低下を軽減でき、当該外周端部から発生するキャビテーションを抑制することができる。
本発明の一態様の船舶は、上述したいずれかの船舶用推進装置を備えることを特徴とする。この構成によれば、上述した船舶用推進装置により奏する効果を船舶で得ることができるので、航行時における静穏性を確保しながら、推進性能が向上された船舶を提供することができる。
本発明によれば、航行時における静穏性を確保しながら、推進性能を向上することができる。
本実施の形態に係る船舶用推進装置の一例であるスクリュープロペラの斜視図である。 本実施の形態に係るスクリュープロペラの側面図である。 本実施の形態に係るスクリュープロペラが有するフィンの構成を説明するための模式図である。 本実施の形態に係るスクリュープロペラが有するフィンの構成を説明するための模式図である。 本実施の形態に係るスクリュープロペラの周辺の流速分布の説明図である。 本実施の形態に係るスクリュープロペラが有するフィンの前縁部分周辺の拡大図である。 本実施の形態に係るスクリュープロペラの周辺の圧力分布の説明図である。 本実施の形態に係るスクリュープロペラに発生する揚力の説明図である。
以下、添付図面を参照して、本実施の形態の船舶用推進装置の一例であるスクリュープロペラについて説明する。なお、本実施の形態に係るスクリュープロペラは、可変ピッチプロペラ(CPP:Controllable Pitch Propeller)に好適に使用されるが、その適用対象はCPPに限定されるものではなく、固定ピッチプロペラ(FPP:Fixed Pitch Propeller)にも使用することができる。
また、本実施の形態に係るスクリュープロペラは、プロペラ前進率Jが0.8以上の高速航行が可能な船舶に好適に使用される。しかしながら、その適用対象は、上記に該当する船舶に限定されるものではなく、プロペラ前進率Jが0.8より小さい船舶にも適用することができる。なお、プロペラ前進率Jは、以下の式1により求められる。式中の「Va」はプロペラ前進速度[m/s]を示し、「n」はプロペラの回転数[rps]を示し、「D」はプロペラの直径[m]を示す。
J = Va / n×D (式1)
図1は、本実施の形態に係る船舶用推進装置の一例であるスクリュープロペラ1の斜視図である。図2は、本実施に係る形態のスクリュープロペラ1の側面図である。以下の説明においては、図1及び図2に示す前後方向を、本実施の形態に係るスクリュープロペラ1及びこのスクリュープロペラ1が搭載される船舶の前後方向と呼ぶものとする。なお、図2においては、説明の便宜上、後述するキャップ4の前端部分41と小径部分42との境界を破線で示している。なお、図3〜図5においても同様である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るスクリュープロペラ1は、図示しない駆動源からの推進力が伝達されるプロペラ軸に固定されるプロペラボス(以下、単に「ボス」という)2と、ボス2の外周面に設けられる複数(本実施の形態では5枚)のブレード3と、ボス2の後端部に取り付けられるキャップ4とを含んで構成される。ボス2、ブレード3及びキャップ4は、駆動源からの推進力により一体的に回転可能に構成される。本実施の形態に係るスクリュープロペラ1は、回転軸Aを基準として矢印B方向に回転する(図1参照)。
ボス2は、概して円筒形状を有し、例えば、図示しないプロペラ軸の外周部に固定される。ボス2は、正面視にて、円形状を有する外周面21を備える。ボス2の外周面21には、複数のブレード3が設けられる。なお、複数のブレード3がボス2と別部品として構成される場合、外周面21には、複数のブレード3が嵌合される複数の溝部が形成される。これらの溝部は、ブレード3の嵌合部分における断面形状に一致した形状を有している。
複数のブレード3は、ボス2の外周面21にて周方向に等間隔を空けて配置される。複数のブレード3は、それぞれボス2の外周面21から径方向外側に向かって延びるように設けられている。ボス2及びブレード3は、銅合金等の金属材料を鋳造することで一部品として形成することができる。しかしながら、ボス2及びブレード3の構成については、これに限定されるものではなく任意の構成を採用できる。例えば、ボス2を銅合金で形成する一方、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等で製造したブレード3をボス2の外周面21に嵌合させてもよい。
キャップ4は、例えば、繊維強化プラスチック(FRP)材料で成形されるが、これに限定されない。キャップ4は、ボス2の後端部22に取り付けられ、ボス2の外周面21に一体化されると共に、緩やかにキャップ4の中央側(スクリュープロペラ1の回転軸A側)に湾曲して後方側に平坦面が形成される外面形状を有している。より具体的にいうと、キャップ4は、ボス2の後端部22の外径と同径の前端部分41と、この前端部分41の後方側に連続して配置され、前端部分41の外径よりも小径の小径部分42と、この小径部分42の後縁部分に連続して配置され、スクリュープロペラ1の回転軸Aと直交して延在する平面部分43とを有している(図2参照)。
なお、小径部分42は、前端部分41の外周縁から後方側に行くに連れて内側に湾曲しながら次第に小径となる構成を有する。この小径部分42は、湾曲部分と呼んでもよい。また、前端部分41及び平面部分43は、必ずしも必要ない。例えば、前端部分41及び平面部分43を省略し、キャップ4全体をボス2の外周面21よりも小径の小径部分42(湾曲部分)で構成してもよい。この場合には、小径部分42の前端縁部がボス2の外周面21と同径とされることが好ましい。また、平面部分43を省略し、キャップ4の後端側部分を小径部分42(湾曲部分)で構成してもよい。さらに、前端部分41を省略し、小径部分42及び平面部分43でキャップ4を構成してもよい。
キャップ4には、その表面に沿って複数(本実施の形態では5枚)のフィン44が立設されている。例えば、これらのフィン44は、後面視にて、ボス2に設けられた隣接するブレード3の間の位置に配置されるが、これに限定されない。フィン44は、ブレード3の回転に伴ってボス2の後方側に発生する渦(以下、適宜「ハブ渦」という)の発生を抑制することを前提として、キャップ4における周方向の任意の位置に配置することができる。
このような構成を有するスクリュープロペラ1において、駆動源から推進力を得てブレード3及びフィン44が回転すると、フィン44がボス2の後方側の水流を調整することで、ボス2の後方側に発生するハブ渦が除去される。これにより、ハブ渦に起因するエネルギーのロスを軽減すると同時に推進力を増大することができる。なお、ハブ渦は、渦キャビテーションと呼ばれることもある。
ところで、キャップ4に設けられるフィン44は、スクリュープロペラ1の回転軸Aを基準とした、径方向の外周端の寸法(外径)を大きくすると、推進力を確保できる一方で、フィン44の構成に基づくキャビテーション数が小さくなる。すなわち、フィン44の構成に基づくキャビテーションは、フィン44の表面上の圧力係数−Cpがキャビテーション数σnよりも大きくなる場合に発生する。このため、フィン44の外径が大きくなると、フィン44の外周端周辺からキャビテーションが生じ易くなる。
ここで、圧力係数Cpは、一般に以下の式2により求められる。式中の「P」は表面上の圧力を示し、「P∞」は無限遠の圧力(実船では大気圧)を示し、「ρ」は海水の密度を示し、「n」はプロペラの回転数[rps]を示し、「D」はプロペラの直径[m]を示す。ここでは、「n」、「D」は、フィン44の回転数及び直径に置換される。
Cp = (P−P∞) / 0.5×ρ×n×D (式2)
また、キャビテーション数σnは、一般に以下の式3により求められる。式中の「P∞」は無限遠の圧力(実船では大気圧)を示し、「Pv」は海水の蒸気圧を示し、「ρ」は海水の密度を示し、「n」はプロペラの回転数[rps]を示し、「D」はプロペラの直径[m]を示す。ここでは、「n」、「D」は、フィン44の回転数及び直径に置換される。
σn = (P∞−Pv) / 0.5×ρ×n×D (式3)
フィン44から発生したキャビテーションは、スクリュープロペラ1におけるエネルギーのロスの原因となるだけでなく、航行に伴う騒音の原因となる。このため、特に航行時における静穏性が要請される船舶においては、フィン44からのキャビテーションの発生を極力抑制する必要がある。
本発明者等は、ハブ渦の除去に寄与するフィン44の構成が、船舶の航行時における静穏性を阻害する原因となっている点に着目した。そして、キャップ4に設けるフィン44をキャップ4の側方側(図1及び図2における上下方向側)ではなく、キャップ4の後方側に延出させることが航行時における静穏性の確保に寄与することを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の骨子は、複数のブレード3が外周面に設けられるボス2と、複数のフィン44が設けられ、ボス2の後端部に取り付けられるキャップ4とを備えるスクリュープロペラ1において、複数のフィン44をキャップ4から後方側に延出して設けることである。
この構成によれば、キャップ4から複数のフィン44が後方側に延出して設けられることから、フィン44を側方側(図1及び図2における上下方向側)に延出させる場合に比べて、フィン44の外径をコンパクト化することができる。これにより、フィン44の構成に基づくキャビテーション数を大きくすることができるので、キャビテーションの発生を抑制することができる。この結果、キャビテーションに起因する騒音の発生を防止でき、航行時における静穏性を確保することができる。また、ボス2の後方側の水流がフィン44により調整されることから、ボス2の後方側に形成されるハブ渦の発生を抑制できるので、推進性能を向上することができる。
以下、本実施の形態に係るスクリュープロペラ1が有するフィン44の構成について、図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4は、本実施の形態に係るスクリュープロペラ1が有するフィン44の構成を説明するための模式図である。図3においては、キャップ4を側方から示し、図4においては、キャップ4を上方側から示している。また、図3及び図4においては、説明の便宜上、単一のフィン44を示している。
図3に示すように、フィン44は、キャップ4に連結される基端部が小径部分42から平面部分43に回り込んで配置されている。フィン44の前縁部分441の基端部(以下、適宜「前縁基端部」という)44aは、小径部分42(より具体的には、小径部分42の中央部分近傍)に連結されている。一方、フィン44の最も内側に配置される基端部(以下、適宜「内側基端部」という)44bは、スクリュープロペラ1の回転軸Aの近傍の平面部分43に連結されている。キャップ4の外面形状は、径方向の外側(前端部分41)から内側(平面部分43)に進むにつれて回転軸Aに対する傾斜が大きくなっている。回転軸Aに対する傾斜が45度である仮想線Eを図3に示した。キャップ4の外面のうち、仮想線Eが小径部分42に接する箇所よりも後方側且つ内径側の領域が、船舶の後進側に面して回転軸Aに対する傾斜が45度以上の後面側領域である。フィン44は、キャップ4の外面に連結する基端部(前縁基端部44aから内側基端部44bまでの範囲)の長さの半分以上(図3の構成では略全体)が、キャップ4の外面のうち前記の後面側領域に位置している。
スクリュープロペラ1においては、このように前縁基端部44aを小径部分42に配置する一方、内側基端部44bを回転軸Aの近傍に配置することにより、キャップ4に対するフィン44の連結部分を長く確保している。これにより、フィン44自体の強度を確保することができる。この結果、フィン44の厚み寸法を小さくすることできるので、キャップ4の軽量化を通じてスクリュープロペラ1の推進性能を改善することができる。
フィン44の前縁部分441は、前縁基端部44aよりも後方側に延出して設けられている。すなわち、前縁部分441は、ボス2の外周面21よりも内側(回転軸A側)の位置に開始点が配置されている。図3に示すフィン44では、前縁部分441がキャップ4の後方側であって上方側に延出する場合について示している。なお、前縁部分441は、前縁基端部44aよりも後方側に延出することを条件として、その延出角度については任意に変更が可能である。例えば、スクリュープロペラ1の回転軸Aと平行に後方側に延出する構成であってもよい。
フィン44の後縁部分442は、側面視にて、キャップ4の平面部分43より後方側の位置で、平面部分43を含む平面と平行に延在している。図示しない他のフィン44の後縁部分442も同様の構成を有している。すなわち、全てのフィン44の後縁部分442は、側面視にて、同一平面上に配置されている。このようにフィン44の後縁部分442をキャップ4の平面部分43と平行にする配置することにより、キャップ4の後方側で水流が撹拌されキャップ4の後方側での負圧領域の形成を防止することができる。この結果、負圧領域の発生に伴う抵抗を除去でき、スクリュープロペラ1における推進性能を向上することができる。なお、後縁部分442の構成については、これに限定されるものではなく、平面部分43を含む平面と交差する方向に延在していてもよい。
前縁部分441と後縁部分442との間には、円弧部分443が形成されている。すなわち、フィン44は、前縁部分441がキャップ4の後方側に延出すると共に、キャップ4の上下方向の中心側に緩やかに湾曲する円弧部分443を介して後縁部分442に連なっている。なお、円弧部分443は、スクリュープロペラ1の回転軸Aを基準とした、フィン44の径方向の外周端部を構成する。
また、円弧部分443で構成されるフィン44の外周端部は、ボス2の外周面21に沿って後方側に延ばした環状の仮想線Cの内側領域内に配置されている。図示しない他のフィン44の円弧部分443も同様の構成を有している。すなわち、すなわち、キャップ4に設けられた複数のフィン44は、後面視にて、その全体がボス2の外周面21よりも内側の領域内に収容されている。
フィン44の前縁部分441には、図4に示すように、両面に円弧形状部441a、441bが形成されている。円弧形状部441aは、船舶の前進時におけるフィン44の回転方向の後面側に配置され、円弧形状部441bは、フィン44の回転方向の前面側に配置されている。前縁部分441における円弧形状部441bの形成領域は、円弧形状部441aよりも大きく構成されている。円弧形状部441bは、円弧形状部441aよりも大きなR形状を有している。詳細について後述するように、これらの円弧形状部441a、441bは、ブレード3からの水流がフィン4から剥離するのを抑制する役割を果たす。
以下、本実施の形態に係るスクリュープロペラ1の構成によって得られる、キャビテーションの抑制効果及び推進性能の改善効果について説明する。まず、スクリュープロペラ1で得られるキャビテーションの抑制効果について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、本実施の形態に係るスクリュープロペラ1の周辺の流速分布の説明図である。図5においては、スクリュープロペラ1の周辺の流速の概要を斜線間の幅で示している。斜線間の幅が狭いほど流速が早いことを示し、斜線間の幅が広いほど流速が遅いことを示している。
図5に示す領域Aには、流速5m/s以上の水流が形成されている。領域Bには、流速3.5〜5m/sの水流が形成されている。領域Cには、流速1.5〜3.5m/sの水流が形成されている。領域Dには、流速0〜1.5m/sの水流が形成されている。なお、図5に示すこれらの領域A〜Dの流速は一例を示すものであり、スクリュープロペラ1が搭載される船舶の航行速度等に応じて適宜変化する。
図5に示すように、ボス2の外周面21の周囲に位置する領域では、外周面21からの距離が大きくなるほど流速が速くなっている。ボス2の外周面21の近傍には、流速1.5〜3.5m/sの領域Cが形成されている。一方、キャップ4の後方側には、流速1.5〜3.5m/sの領域C及び流速0〜1.5m/sの領域Dが形成されている。特に、キャップ4の中央部周辺(スクリュープロペラ1の回転軸Aの周辺:図2参照)の後方側に流速0〜1.5m/sの領域Dが形成されている。
このようにキャップ4の後方側の領域(言い換えると、ボス2の外周面よりも内側の領域)は、ボス2の外周面21より外側の領域よりも流速が低い。ここで、フィン44からのキャビテーションの発生には、フィン44の背面側(後方側)の圧力が影響する。すなわち、フィン44の背面側の圧力が低くなるほどキャビテーションが発生し易くなる。フィン44の背面側の圧力は、フィン44に流入する流れが速ければ速いほど低くなる。
スクリュープロペラ1においては、このような観点から、フィン44の背面側の圧力の低下を防止し、キャビテーションの発生を抑制するため、フィン44の前縁部分441の基端部44aをキャップ4の小径部分42に配置し、前縁部分441を基端部44aよりも後方側に延出させている。これにより、フィン44の前縁部分441の基端部44aを相対的に流速の低い部分に配置することができ、フィン44からのキャビテーションの発生を効果的に抑制することができる。
特に、プロペラ3の回転軸Aを基準としたフィン44の径方向の外周端部には、上述したように円弧部分443が設けられている。このようにフィン44の外周端部に緩やかに湾曲する円弧部分443を設けることにより、フィン44の外周端部周辺での圧力の低下を軽減することができ、当該外周端部から発生するキャビテーションを更に抑制することができる。
また、フィン44の前縁部分441には、円弧形状部441a、441bが設けられている(図4参照)。図6は、本実施の形態に係るスクリュープロペラ1が有するフィン44の前縁部分441周辺の拡大図である。図6Aにおいては、本実施の形態に係るフィン44の前縁部分441を示し、図6Bにおいては、前縁部分に円弧形状部を設けていない参照例に係るフィン44´の前縁部分441´を示している。なお、図6Bでは、説明の便宜上、本実施の形態に係るフィン44と同一の符号を付与している。
図6Bに示すフィン44´の周辺に前方側のブレード3からの水流が流入すると、前縁部分441´の近傍にて水流の向きが急激に変化することとなる。このため、前縁部分441´の近傍で水流が前縁部分441´の表面から剥離(離間)する領域(剥離領域)SAが発生する。例えば、剥離領域SAは、前縁部分441´の両面に発生し得る。このような剥離領域SAでは、圧力が低下し、キャビテーションが発生し易くなる。
このような前縁部分441におけるキャビテーションの発生を抑制すべく、本実施の形態に係るフィン44においては、図6Aに示すように、前縁部分441に円弧形状部441a、441bを設けている。これらの円弧形状部441a、441bにより、前方側のブレード3から流入した水流は、向きを急激に変化させることなく後方側に案内される。これにより、前縁部分441の周辺で水流が剥離する事態を回避できるので、キャビテーションの発生を効果的に抑制することができる。
次に、スクリュープロペラ1で得られる推進性能の改善効果について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、本実施の形態に係るスクリュープロペラ1の周辺の圧力分布の説明図である。図7においては、スクリュープロペラ1の周辺の圧力の概要を斜線間の幅で示している。斜線間の幅が狭いほど圧力が高いことを示し、斜線間の幅が広いほど圧力が低いことを示している。図7Aにおいては、本実施の形態に係るキャップ4を示し、図7Bにおいては、フィン44を設けていない参照例に係るキャップ4´を示している。なお、図7Bでは、説明の便宜上、本実施の形態に係るスクリュープロペラ1と同一の符号を付与している。
図7において領域A、B、C、Dには、プロペラ遠方の基準圧力に対する差圧領域を示している。領域Aには、基準圧力に対して600Paより大きい圧力差がある圧力領域が形成されている。領域Bには、基準圧力に対して0Pa〜600Paの圧力差がある圧力領域が形成されている。領域Cには、基準圧力に対して−1000〜0Paの圧力差がある圧力領域が形成されている。領域Dには、基準圧力に対して−1000Paより低い圧力差がある圧力領域が形成されている。なお、図7に示すこれらの領域A〜Dの基準圧力に対する圧力差は一例を示すものであり、スクリュープロペラ1が搭載される船舶の航行速度等に応じて適宜変化する。
図7Bに示すように、キャップ4´にフィン44が設けられていない場合には、キャップ4´の後方側で水流がキャップ4´の表面から剥離(離間)する。この剥離に伴って対応する領域の圧力が低下し、キャップ4´の後方には圧力領域Dが形成されている。圧力領域Dは、負圧領域を構成することとなり、スクリュープロペラ1を後方側に引っ張る力を作用させる。この結果、スクリュープロペラ1における推進性能を低下させる。
本実施の形態に係るスクリュープロペラ1においては、このような観点から、キャップ4の後方側における負圧領域の発生を抑制するため、図7Aに示すように、キャップ4の後方側にフィン44が張り出すように延出させている。このため、キャップ4の後方側で水流がフィン44により撹拌される。これにより、キャップ4の後方側で水流がキャップ4の表面から剥離することが抑制されるので、キャップ4の後方側に負圧領域が形成されるのを防止することができる。この場合、キャップ4の後方には、図7Aに示すように圧力領域Aが形成されている。この結果、負圧領域の発生に伴う抵抗を除去でき、スクリュープロペラ1における推進性能を向上することができる。
また、本実施の形態に係るスクリュープロペラ1においては、キャップ4から複数のフィン44が後方側に延出して設けられることから、フィン44を側方側(図1及び図2における上下方向側)に延出させる場合に比べて、フィン44の外径をコンパクト化することができる。これにより、フィン44の構成に基づくキャビテーション数を大きくすることができるので、キャビテーションの発生を抑制することができる。この結果、キャビテーションに起因する騒音の発生を防止でき、航行時における静穏性を確保することができる。
さらに、本実施の形態に係るスクリュープロペラ1において、ブレード3及びフィン44には図8に示す揚力が作用している。図8は、本実施の形態に係るスクリュープロペラ1に発生する揚力の説明図である。図8においては、ブレード3及びフィン44の断面を示している。なお、以下においては、説明の便宜上、図8に示すブレード3の上面をブレード上面31と呼び、ブレード3の下面をブレード下面32と呼ぶものとする。
図8に示すように、前方側からブレード3の周辺に流入した水流は、ブレード3の上下に分かれて流れる。この場合において、ブレード上面31の近傍の水流は、ブレード下面32の近傍の水流よりも速く流れる。このため、相対的にブレード上面31の近傍の圧力が低くなる一方、ブレード下面32の圧力が高くなる。これにより、ブレード3には、図8に示す揚力aが発生する。
図8に示す揚力aは、スクリュープロペラ1の推進方向ベクトルと回転方向ベクトルとに分解することができる。すなわち、揚力aは、スクリュープロペラ1を前方側に推進する推進方向成分a(スラストa)と、ブレード3を回転させる回転方向成分a(トルクa)で表される。ここで、スラストaの変化量に対してトルクaの変化量が大きい場合に、スクリュープロペラ1の推進性能は低下する。
本実施の形態に係るスクリュープロペラ1においては、ブレード3の後方であって、ブレード上面31に沿って流れる水流の流路上にフィン44を配置している。これにより、ブレード上面31に沿って流れた水流は、フィン44の近傍に流入する。言い換えると、ブレード上面31から吹き降ろされた水流がフィン44の近傍に流入している。このとき、フィン44は、ブレード3から流れ込む水流を受け、ブレード3とは逆方向の揚力bを発生させる。
図8に示す揚力bは、揚力aと同様に、推進方向ベクトルと回転方向ベクトルとに分解することができる。すなわち、揚力bは、スクリュープロペラ1を後方側に推進する推進方向成分b(スラストb)と、ブレード3を回転させる回転方向成分b(トルクb)で表される。ここで、トルクbは、トルクaと反対方向に向けられている。
本実施の形態に係るスクリュープロペラ1においては、ブレード3からの水流に応じてフィン44に発生する揚力(揚力b)を利用して、ブレード3に発生するトルク(トルクa)を相殺している。これにより、ブレード3に発生するトルクが低減されるので、スクリュープロペラ1の推進性能を向上することができる。このとき、フィン44には、後方側に推進するスラストbが発生するが、ブレード3に発生するスラストaと比べ、十分小さいので無視することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係るスクリュープロペラ1においては、キャップ4から複数のフィン44が後方側に延出して設けられることから、フィン44を側方側に延出させる場合に比べて、フィン44の外径をコンパクト化することができる。これにより、フィン44の構成に基づくキャビテーション数を大きくできるので、キャビテーションの発生を抑制することができる。この結果、キャビテーションに起因する騒音の発生を防止でき、航行時における静穏性を確保することができる。また、ボス2の後方側の水流がフィン44により調整されることから、ボス2の後方側に形成されるハブ渦の発生を抑制できるので、推進性能を向上することができる。この結果、航行時における静穏性を確保しながら、推進性能を向上することが可能となる。
特に、キャップ4は、ボス2の後端部22の外径よりも小径の小径部分42を有し、フィン44は、前縁基端部44aがキャップ4の小径部分42に配置されると共に、前縁部分441が前縁基端部44aよりも後方側に延出して設けられている。これにより、ボス2の外径よりも内側に配置されたキャップ4の一部からフィン44が後方側に延出して設けられることから、フィン44の開始点を流速が低い部分に配置することができる。これにより、フィン44の後方側(背面側)における圧力を低くできるので、効果的にキャビテーションの発生を抑制することができる。
また、フィン44は、ボス2の外周面21に沿って後方側に延ばした環状の仮想線Cの内側領域にて、後方側に延出して設けられている(図3参照)。これにより、フィン44の全体を流速が低い部分に配置できるので、更に効果的にキャビテーションの発生を抑制することができる。しかも、スクリュープロペラ1の回転軸Aを基準としたフィン44の外径寸法をコンパクト化することができるので、フィン44の外径寸法が反映されるキャビテーション数を大きくでき、キャビテーションを更に発生し難くすることができる。
さらに、フィン44には、スクリュープロペラ1の回転軸Aを基準とした径方向の外周端部に円弧部分443が設けられている。これにより、フィン44の外周端部周辺での圧力の低下を軽減でき、当該外周端部から発生するキャビテーションを抑制することができる。
なお、本発明の実施の形態は上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施形態をカバーしている。
例えば、上記実施の形態においては、ボス2の後端部に取り付けられるキャップ4に複数のフィン44を設ける場合について説明している。しかしながら、複数のフィン44が形成される位置については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、キャップ4ではなく、ボス2の後端部分に直接フィン44を設ける構成としてもよい。この場合におけるボス2からのフィン44の延出方向については、上記実施の形態と同様である。
この構成によれば、ボス2の後端部分から複数のフィン44が後方側に延出して設けられることから、フィン44を側方側に延出させる場合に比べて、フィン44の外径をコンパクト化することができる。これにより、フィン44の構成に基づくキャビテーション数を大きくできるので、キャビテーションの発生を抑制することができる。この結果、キャビテーションに起因する騒音の発生を防止でき、航行時における静穏性を確保することができる。また、ボス2の後方側の水流がフィン44により調整されることから、ボス2の後方側に形成されるハブ渦の発生を抑制できるので、推進性能を向上することができる。この結果、航行時における静穏性を確保しながら、推進性能を向上することが可能となる。
また、上記実施の形態において、フィン44は、ボス2の外周面21に沿って後方側に延ばした環状の仮想線Cの内側領域内で後方側に延出する場合について説明している。しかしながら、フィン44の構成については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、フィン44は、ボス2の外周面21に沿って後方側に延ばした環状の仮想線Cの内側領域内に配置される部分の割合が、仮想線Cの外側領域に配置される部分よりも大きい構成としてもよい。この場合には、フィン44の大部分を流速が低い部分に配置できるので、効果的にキャビテーションの発生を抑制することができる。
一方、フィン44の一部をボス2の外周面21よりも外側に配置できるので、上記実施の形態と比べ、フィン44による推進力を確保することができる。ボス2の外周面21よりも外側に突出するフィン44の突出量は、任意の長さに設定することができる。スクリュープロペラ1の回転に伴ってブレード3の外周端部からキャビテーションが発生するタイミングよりも、フィン44の外周端部からキャビテーションが発生するタイミングが遅くなるようにフィン44の突出量を設定することは実施の形態として好ましい。
また、上記実施の形態において、キャップ4は、前端部分41にてボス2の後端部22に取り付けられ、ボス2の外周面21に一体化されると共に、小径部分42にて緩やかにキャップ4の中央側(スクリュープロペラ1の回転軸A側)に湾曲し、後方側に平面部分43が形成される外周形状を有する場合について説明している。しかしながら、キャップ4の構成については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。
例えば、キャップ4は、小径部分42が後方側に凸の円錐形状を有し、平面部分43を省略する形状であってもよい。また、この円錐形状の先端に平面部分43を配置する形状(すなわち、円錐台形状)であってもよい。このように構成される場合であっても、上記実施の形態のようにフィン44を配置することにより、同様の作用及び効果を得ることができる。
さらに、上記実施の形態においては、外周面21が平行に配置された円筒形状を有するボス2を備える場合について説明している。しかしながら、ボス2の形状については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、ボス2は、前方側部分よりも後方側部分の径方向の寸法が小さい円筒形状を有していてもよい。このように変更される場合であっても、上記実施の形態のようにキャップ4に前縁部分41及び小径部分42を有し、小径部分42の一部からフィン44を後方側に延出させることにより、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明は、航行時における静穏性を確保しながら、推進性能を向上することができるという効果を有し、特に、静穏性が要請される船舶に搭載される船舶用推進装置に有用である。
1 スクリュープロペラ(船舶用推進装置)
2 プロペラボス(ボス)
3 ブレード
4 キャップ
41 前端部分
42 小径部分
43 平面部分
44 フィン
44a 基端部(前縁基端部)
44b 基端部(内側基端部)
441 前縁部分
441a、441b 円弧形状部
442 後縁部分
443 円弧部分

Claims (6)

  1. 複数のブレードが外周面に設けられるプロペラボスと、
    複数のフィンが設けられ、前記プロペラボスの後端部に取り付けられるキャップと、を備え、
    前記複数のフィンを前記キャップから後方側に延出して設けた船舶用推進装置であって、
    前記キャップは、前記プロペラボスの後端部の外径よりも小径の小径部分と、前記小径部分に連続して前記キャップの後端に位置する後端面とを有し、
    前記フィンは、前縁部分の基端部が前記キャップの小径部分に配置されると共に、前記前縁部分がその基端部よりも後方側に延出して設けられ、前記フィンの基端部の一部が前記後端面に連結し、
    前記フィンは、前記プロペラボスの外周面に沿って後方側に延ばした環状の仮想線の内側領域内で後方側に延出して設けられ、当該フィンの後縁部分が前記キャップの前記後端面よりも後方側の位置に配置されることを特徴とする船舶用推進装置。
  2. 複数のブレードが外周面に設けられるプロペラボスと、
    複数のフィンが設けられ、前記プロペラボスの後端部に取り付けられるキャップと、を備え、
    前記複数のフィンを前記キャップから後方側に延出して設けた船舶用推進装置であって、
    前記キャップは、前記プロペラボスの後端部の外径よりも小径で後方側に進むにつれて径を小さくし、且つ径方向の外側よりも内側の方が前記プロペラボスの回転軸に対する傾斜が大きくなる外面形状を有し、
    前記フィンは、前記キャップの外面に連結する基端部の長さの半分以上が、前記キャップの外面のうち、船舶の後進側に面して前記回転軸に対する傾斜が45度以上である後面側領域に位置し、
    前記フィンは、前記プロペラボスの外周面に沿って後方側に延ばした環状の仮想線の内側領域内で後方側に延出して設けられ、当該フィンの後縁部分が前記キャップの後端部分よりも後方側の位置に配置されることを特徴とする船舶用推進装置。
  3. 複数のブレードが外周面に設けられるプロペラボスと、
    複数のフィンが設けられ、前記プロペラボスの後端部に取り付けられるキャップと、を備え、
    前記複数のフィンを前記キャップから後方側に延出して設けた船舶用推進装置であって、
    前記キャップは、前記プロペラボスの後端部の外径よりも小径の小径部分を有し、
    前記フィンは、前縁部分の基端部が前記キャップの小径部分に配置されると共に、前記前縁部分がその基端部よりも後方側に延出して設けられ、
    前記フィンは、前記プロペラボスの外周面に沿って後方側に延ばした環状の仮想線の内側領域内で後方側に延出して設けられ、当該フィンの後縁部分が前記キャップの後端部分よりも後方側の位置に配置され、
    前記キャップは、後端部に平面部分を有し、
    前記フィンの後縁部分は、側面視にて、前記キャップの平面部分より後方側の位置で、当該平面部分を含む平面と平行に延在することを特徴とする船舶用推進装置。
  4. 前記フィンは、装置本体の回転軸を基準とした径方向の外周端部に円弧部分を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の船舶用推進装置。
  5. 前記フィンの前縁部分は、前記プロペラボスの回転方向の後面側に配置された円弧状の断面形状の第1の円弧形状部と、前記プロペラボスの回転方向の前面側に配置された円弧状の断面形状の第2の円弧形状部とを有し
    前記第2の円弧形状部の形成領域は前記第1の円弧形状部の形成領域よりも大きく、且つ、前記第1の円弧形状部は前記第2の円弧形状部よりも曲率が大きいことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の船舶用推進装置。
  6. 請求項1から請求項のいずれかに記載の船舶用推進装置を備えることを特徴とする船舶。
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