JP6811575B2 - リニアアクチュエータおよびリニアアクチュエータ装置 - Google Patents
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Description
特許文献1の図13で示されている従来のリニアアクチュエータでは、モータ部は、中空状回転軸と、この中空状回転軸の外周に取付けられた回転子と、該回転子の周囲に設けられた固定子とを有し、通電に伴って中空状回転軸が回転動作する。モータ部を収納するケース部は、固定子の前後を挟んで組み付けられたブラケットとベアリングハウジングで角筒状に構成され、開口端をフランジで閉塞されている。
さらに、特許文献1の従来例については、特許文献1の図13より明らかなように、第1のベアリングハウジングAの段部と第2のベアリングハウジングBの段部により、スラストラジアルベアリングが固定されている。特許文献1の発明については、ケースの段部とケースにネジ加工されており、ケースに螺合する外輪固定リングにより、スラストラジアルベアリングの外輪を固定している。したがって、上記の問題点の他に、ケースにスラストラジアルベアリングの外輪を固定するネジを加工しており、コスト高となっている。さらに、ケースはアルミニューム、外輪固定リングが鉄の場合、アルミニュームと鉄の熱膨張率の違いにより、温度上昇等の温度変化により、ネジの緩みが発生するというおそれがあった。
さらに、本発明は、前記出力用ネジ軸の直線運動の方向に沿って前記ケースの外面にガイド部を設け、該ガイド部に沿ってスライドする移動子を設けるとともに、該移動子を前記出力用ネジ軸に連結したことにある。
またさらに、本発明は、前記出力用ネジ軸の直線運動の方向に沿って前記ケースの内部にガイド孔を設け、該ガイド孔に挿入されたガイド用シャフトを設けるとともに、該ガイド用シャフトを前記出力用ネジ軸の出力端に連結したことにある。
また、本発明は、前記請求項1に記載のリニアアクチュエータと、このリニアアクチュエータに組み付けられたガイドユニットとを備え、このガイドユニットには、前記リニアアクチュエータの出力用ネジ軸に連結された移動子と、この移動子が走行するガイドレールとを備え、前記リニアアクチュエータの出力用ネジ軸の動きに連動して前記ガイドレールに沿って前記移動子が直線運動することにある。
さらに、本発明は、前記請求項1に記載のリニアアクチュエータのモータ部のケースを選択可能に構成し、該ケースの種類を用途に応じて変更して、モータ部に組み付けるようにしたことにある。
また、本発明によれば、前記ケースの開口端に配置されたブラケットと、該ブラケットと前記ケースとの間に配置された前記モータ部の固定子と、前記ケースとを軸方向に固定するボルトにより、前記スラストラジアルベアリング固定用係止部材を一体に締結するので、ケースにスラストラジアルベアリングの外輪を固定するためのネジ加工が不要となり、コストの低減を図ることができる。
さらに、本発明によれば、前記出力用ネジ軸の直線運動の方向に沿って前記ケースの外面にガイド部を設け、該ガイド部に沿ってスライドする移動子を設けるとともに、該移動子を前記出力用ネジ軸に連結したので、ケースに直接、ガイド機構が組み付けられるため精度的に有利となる。
またさらに、本発明によれば、前記出力用ネジ軸の直線運動の方向に沿って前記ケースの内部にガイド孔を設け、該ガイド孔に挿入されたガイド用シャフトを設けるとともに、該ガイド用シャフトを前記出力用ネジ軸の出力端に連結したので、ケースに直接、ガイド機構が組み付けられるため精度的に有利となるとともに、ケースのモータ組付部、直動機構組み付け部がケース基準で組み付けられているため、精度が確保し易い。
また、本発明によれば、前記請求項1に記載のリニアアクチュエータと、このリニアアクチュエータに組み付けられたガイドユニットとを備え、このガイドユニットには、前記リニアアクチュエータの出力用ネジ軸に連結された移動子と、この移動子が走行するガイドレールとを備え、前記リニアアクチュエータの出力用ネジ軸の動きに連動して前記ガイドレールに沿って前記移動子が直線運動するので、移動子に外部機構を組み付けることにより、種々の機構に取り付けて往復動操作を行うことができる。
さらに、本発明は、前記請求項1に記載のリニアアクチュエータのモータ部のケースを選択可能に構成し、該ケースの種類を用途に応じて変更して、モータ部に組み付けるようにしたので、種々のケースを選択的に取り付けて、種々の用途に用いることができる。
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1ないし図3において、200はリニアアクチュエータで、このリニアアクチュエータ200は、ボディを構成する一体ものの角筒状のケース207と、モータ部201とブラケット208、フランジ209で構成されている。
モータ部201は中空状回転軸203と、該回転軸203の外周面に取付けた回転子202Bと、この回転子202Bの周囲に設けた固定子202Aとを備えている。モータ部201は、図示しない駆動装置に連結されており、駆動装置の作動によって通電され、回転磁界を発生するものである。
ボールネジ軸兼出力軸212は、ボールネジナット211に螺合され、図示しない直動機構に固定することにより回転が防止され、ボールネジナット211の回転に伴って左右方向に直線運動する。すなわち、このリニアアクチュエータによれば、中空状回転軸203の回転運動がボールネジ兼出力軸212の直線運動に変換される。セットカラー210は、ボールネジ軸兼出力軸212の引き込みを防止するもので、調整用ノブ213により、中空状回転軸203を手動で回転させ、ボールネジ軸兼出力軸212の位置を手動で調整することができる。
モータ部201の作動により中空状回転軸203が回転すると、中空状回転軸203の回転とともにボールネジナット211も回転する。ボールネジナット211の回転に伴ってボールネジ兼出力軸212は、軸方向に移動を開始する。中空状回転軸203を逆方向に回転させると、出力用ネジ軸212は逆方向に移動を開始する。こうして、中空状回転軸203の回転方向を切り替えることにより、ボールネジ兼出力用軸212は往復動を開始する。
図4および図5は、本発明の第2の実施の形態を示したもので、角筒状のケースの外形を薄形に形成したものである。この第2の実施の形態では図1ないし図3と同一部分は同符号を付して同一部分の説明は省略して説明する。
図4および図5はケース307に、丸シャフトのガイド307Aを設けた、丸シャフト付リニアアクチュエータ300の例である。
この実施の形態では、第1の実施の形態のケース207に代えて用いられているケース307は、直動を案内するための、リニアブッシュ317とリニアシャフト316を収納する部分307a、307bを設けてある。リニアシャフト316の先端部は締結ジョイント319に、ねじ320で締結されており、ボールネジ兼出力軸312の先端部は締結ジョイント319に、ねじ321で締結されている。ボールネジ兼出力軸312はシャフトガイド307Aに案内されるリニアシャフト316により回転が防止され、ボールネジナット311の回転に伴って左右方向に直線運動する。
リニアブッシュ317とリニアシャフト316によるシャフトガイド307Aがケース307の両側面の2箇所に設けられている例を示したが、側面の片方に1箇所にシャフトガイド307Aを設けても良い。
この第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
図6A、図6Bは本発明の第3の実施の形態を示したもので、シングルガイド・ブロックの直動案内機構が設けられたリニアアクチュエータの構造を示したものである。この第3の実施の形態では図4のリニアアクチュエータの外側にガイド機構を組み付けたものである。ここではリニアアクチュエータ400のガイド機構の構造について説明する。
ケース407はガイドレール取付部407Aを設け、ねじ420でガイドレール408を組み付けている。ガイドレール408に沿ってガイドブロック409が移動する。ガイドブロック409には移動子としてのテーブル410が結合してあり、テーブル410の先端には、下方に向けて折り曲げられたジョイント部410aが設けられている。このジョイント部410aにはボールネジ兼出力軸412の先端がねじ421で締結してある。そして、ボールネジ兼出力軸412が移動すれば、ジョイント部410aを介してテーブル410とガイドブロック409が同期して移動する構成になっている。ボールネジ兼出力軸412の構成は、図2ないし図4の実施の形態の説明と同様である。
この第3の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
図7は図6の変形例で、機構部及びモータ501の上部両端面に、ガイドレール508A,508Bを締結するケース507の構造を示している。この第4の実施の形態のリニアアクチュエータ500の機構部分は図4および図5の実施の形態で説明した構成と同様であるので、機構部分の説明は省略して説明する。
前記ケース507の構成は、図4の実施の形態と同様である。
この場合ケース507には、左右の丸シャフトのガイドを設けた部分の上面にガイドレール508A,508Bを設け、このガイドレール508A,508Bに沿って案内される移動子としてのテーブル510がケース507の上面に配置されている。このテーブル510の左右の内側にはガイドブロック509A,509Bが設けられており、このガイドブロック509A,509Bが前記ガイドレール508A,508Bに沿って摺動するように構成されている。前記テーブル510の先端には、下方側に折り曲がったジョイント部510aが設けられており、このジョイント部510aが図4で説明したボールネジ兼出力軸312およびリニアシャフト316の先端部に連結されている。
それぞれのガイドレール508A,508Bと摺動するガイドブロック509A,509Bはテーブル510に設けられているので、ボールネジ兼出力軸312の動きに応じて、直動運動をする。図6のアクチュエータのガイドを高剛性にしたタイプである。
この第4の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
図8は図7の変形例で、機構部及びモータ601の側面に、ガイドレール608、ガイドブロック609を取り付けられるケース607を使用した構造を示す。これは移動子としてのテーブルの高さを押さえたアクチュエータである。この第5の実施の形態のリニアアクチュエータ600の機構部分は図1ないし図3の実施の形態で説明した構成と同様であるので、機構部分の説明は省略して説明する。
機構部及びモータ部601の側面に、機構部及びモータ部601の長手方向に沿ってケース607が一体的に設けられており、前記ケース607の上面に長手方向に沿ってガイドレール608が設けられている。
前記ガイドブロック609は移動子としてのテーブル610の下面に締結されており、テーブル610先端に下部側に延出したジョイント部610aが設けられ、このジョイント部610aの横方向、すなわち、機構部及びモータ部601側に延出した延長部610bがボールネジ兼出力軸612の先端と締結されている。そしてモータ部601の動きによってボールネジ兼出力軸612が直動運転され、これに連動してテーブル610が直動運動する。
この第5の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
このケースはモータ部とカイド締結部は精度確保のため加工が必要である。しかし、一体ケースでの加工のため、モータ部とガイド部が分離しているものより組み付けによる誤差がなく、高精度に組み立てられる。
図10は図1のリニアアクチュエータ200にガイドユニット801を組み合わせたものを示す。
この第6の実施の形態のリニアアクチュエータ200の機構部分は図1ないし図3の実施の形態で説明した構成と同様であるので、機構部分の説明は省略して説明する。
リニアアクチュエータ200単体はボールネジ兼出力軸212の回り止めがないと直動動作出来ない。また、負荷搬送等から実際使用する場合はガイドが必要となることから図10に示すガイドユニット801の機構などが必要となる。
前記ガイドユニット801は、リニアアクチュエータ200のフランジ209にアクチュエータ取付ネジ807を介して取り付けられるアクチュエータ取付フランジ802と、アクチュエータ取付フランジ802と直交して取り付けられたガイドレール取付ベース803と、ガイドレール取付ベース803の上面に固定されたガイドレール804と、ガイドレール804の両側の側面レール部分804aに摺動可能に組み付けられた一対のガイドブロック805と、これらガイドブロック805が下面に取り付けられたテーブル806とで構成されている。前記テーブル806はボールネジ軸締結ネジ808を介してボールネジ兼出力軸212に螺着されている。前記ガイドレール804はガイドレール取付ネジ810を介してガイドレール取付ベース803に取り付けられている。前記テーブル806はテーブル取付ネジ809でガイドブロック805に締結されている。
そして、ボールネジ兼出力軸212が直動を行うとテーブル806がガイドレール804に沿って同期して直動する。
図11(A)は、図1ないし図3の実施の形態で説明したリニアアクチュエータ200とケース207を示したものである。
図11(B)は、図6(A)および図6(B)の実施の形態で説明したリニアアクチュエータ400とケース407を示したものである。
図11(C)は、図4および図5の実施の形態で説明したリニアアクチュエータ300とケース307を示したものである。
図11(D)は、図7の実施の形態で説明したリニアアクチュエータ500とケース507を示したものである。
図11(E)は、図8の実施の形態で説明したリニアアクチュエータ600とケース607を示したものである。
ケースの形状を変えることにより、ガイド有り、無しのアクチュエータに変えることが出来る。
また、ガイド付きもガイドの種類により、それを取り付けるケースを変え、目的が異なるリニアアクチュエータにすることが出来る。
図11で示した他に、モータ部とボールネジ/ナットとその軸受部の構造は変えず、ケースとそれに取り付くガイドの種類を変更することでいろいろな目的のアクチュエータに変えていくことが出来る。
図12(A)および図12(B)に示したものは、図4(A)および図4(B)に示したリニアアクチュエータにモータ回転検出センサ331を組み付けたものである。
図13(A)および図13(B)に示したものは、図4(A)および図4(B)に示したリニアアクチュエータに回転電磁ブレーキ332等モータの付加機能を付けたものに適用したものである。
回転検出センサは光学、磁気式、機械式等いろいろな方法に対応できることは言うまでもない。電磁ブレーキも無励磁作動型、励磁作動型に対応できることは言うまでもない。
この場合、スラスト兼ラジアルベアリング固定リング315Bがネジを通すための通し穴になり、ブラケット308Bにタップが加工してある。図5の例では、ブラケット308側をネジ頭にして組み付けていることから、ブラケット308は通し穴、スラスト兼ラジアルベアリング固定リング215側にタップが切ってネジ締め固定してある。
このことから図5、図14とネジの固定方向は選択出来、同様の効果が得られる。
ケース207内周面に径方向に加工された段部207Aと、スラストラジアルベアリング204の軸方向端面に配置した係止部材(固定リング215)とを軸方向に締結したことで、ブラケット208、固定子202A、ケース207、スラストラジアルベアリング204の外輪204Bが固定されている。よって、低コストでスラストラジアルベアリング204の組み付けが容易であり、かつスラストラジアルベアリング204を強固に取り付けることができる。
図11に示したようにモータ部201とボールネジ軸兼出力軸212とその軸受部の直動機構は変えずケース207とガイド機構部を変更して、用途、目的が違うアクチュエータに変えることが出来る。
ケース207に直接ガイド機構が組み付けられるため精度的に有利になる。
ケース207のモータ組付部、直動機構組み付け部がケース基準で組み付けられているため、精度が確保し易い。
ケース207等はフランジ取付面から固定子取付面のL寸法が短いことから加工時の精度確保がし易い。
ケース207に取付穴を設けることが出来、必要に応じて取付面を増やせる。
モータ部201とケース207、ブラケット208、中空状回転軸203は、スラスト兼ラジアルベアリング固定リング215を採用し組付ネジ222は4本で組み付いており、組み付けが簡単であり、ネジの組み付け方向を変えることが出来る。また、ケースの筒状内周部にネジ加工の必要が無くなる。
201 モータ部
202A 固定子
202B 回転子
203、 中空状回転軸
204 スラストラジアルベアリング
205 ボールベアリング
206 ロックナット
207,307,407,507,607 ケース
307A ガイド
208 ブラケット
211 ボールネジナット
212,312 ボールネジ兼出力軸
215 スラストラジアルベアリング固定リング
222 モータ組立ボルト
316 リニアシャフト
319 締結ジョイント部
407A ガイドレール取付部
Claims (5)
- 中空状回転軸を有するモータ部と、該中空状回転軸の軸線上に挿通された出力用ネジ軸と、前記中空状回転軸内に配設されて前記出力用ネジ軸と螺合するネジナットとを備え、前記中空状回転軸の回転運動を前記ネジナットを介して前記出力用ネジ軸の直線運動に変換するとともに、前記中空状回転軸を軸方向に小径部と大径部とを有する段付き構造に形成し、前記小径部外周面に前記モータ部の回転子を取付け、前記大径部内に同心状に前記ネジナットを配設したリニアアクチュエータにおいて、
前記中空状回転軸の大径部外周面を回転自在に支持する軸受けを前記モータ部のケース内に同心状に設け、該軸受けにスラスト荷重およびラジアル荷重の双方を受けるスラストラジアルベアリングを設け、該スラストラジアルベアリングの外輪を、前記ケース内周面に設けた径方向の段部と、前記スラストラジアルベアリングの軸方向端面に配置した係止部材とにより軸方向に固定してなり、
前記ケースの開口端に配置されたブラケットと、該ブラケットと前記ケースとの間に配置された前記モータ部の固定子と、前記ケースとを軸方向に固定するボルトにより、前記スラストラジアルベアリング固定用係止部材を一体に締結し
たことを特徴とするリニアアクチュエータ。 - 前記出力用ネジ軸の直線運動の方向に沿って前記ケースの外面にガイド部を設け、該ガイド部に沿ってスライドする移動子を設けるとともに、該移動子を前記出力用ネジ軸に連結したことを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
- 前記出力用ネジ軸の直線運動の方向に沿って前記ケースの内部にガイド孔を設け、該ガイド孔に挿入されたガイド用シャフトを設けるとともに、該ガイド用シャフトを前記出力用ネジ軸の出力端に連結したことを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
- 前記請求項1に記載のリニアアクチュエータと、このリニアアクチュエータに組み付けられたガイドユニットとを備え、このガイドユニットには、前記リニアアクチュエータの出力用ネジ軸に連結された移動子と、この移動子が走行するガイドレールとを備え、前記リニアアクチュエータの出力用ネジ軸の動きに連動して前記ガイドレールに沿って前記移動子が直線運動することを特徴とするリニアアクチュエータ装置。
- 前記請求項1に記載のリニアアクチュエータのモータ部のケースを選択可能に構成し、該ケースの種類を用途に応じて変更して、モータ部に組み付けるようにしたことを特徴とするリニアアクチュエータ装置。
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