JP6873376B2 - シャフトの回り止め機構及び伸縮アクチュエータ - Google Patents
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Description
そして、モータの駆動によりシャフトが軸方向に移動すると、ハウジングから突出するシャフトの突出量が変化し、伸縮アクチュエータ全体の長さが変化(伸縮)する。
このような伸縮アクチュエータは、例えば、四輪車両に搭載されて車輪の転舵角を変更する車両用転舵装置として用いられる。
上記理由から、伸縮アクチュエータは、シャフトをハウジングに係合させてシャフトの回転を防止するシャフトの回り止め機構(以下、単に「回り止め機構」と称する場合がある)をさらに備える。
また、回り止め部は、長孔内に配置され、長孔の内周面に当接している。
そして、シャフトにねじ軸の回転力が伝達した場合、回り止め部が長孔の内周面に係合し、シャフトの回転が防止される。
また、長孔とボルト挿入用孔とは、シャフトを挟んで互いに反対側に位置するように形成する必要があり、ハウジングのレイアウトが大きく制限された。
第1実施形態の伸縮アクチュエータについて、図1〜図3を参照しながら説明する。
シャフト1の一端部1aは、ハウジング2を貫通して外部に配置されている。
また、シャフト1の一端部1aには、第1ブッシュ8aが設けられている。
一方で、シャフト1の他端部1bには、外周面に螺旋溝41aが形成されたねじ軸41が設けられている。つまり、シャフト1と変換装置4のねじ軸41とが一体に形成されている。
以下、シャフト1が延在する方向を左右方向とし、一端部1a側を左側と称し、他端部1b側を右側と称する。
ハウジング2は、左側部分を構成する有底筒状の第1ハウジング2aと、右側部分を構成する有底筒状の第2ハウジング2bと、をボルト(不図示)で締結することで形成されている。
この円筒部2c内に配置されるシャフト1の中間部1cは、シャフト1の回り止め機構10の後述する回り止め部13が固定される部位である。
また、ハウジング2の円筒部2cには、シャフト1の軸方向(左右方向)に長い孔であって内部に回り止め部13が配置される長孔11が形成されている。
なお、長孔11の詳細について、回り止め部13と併せて後述する。
そのほか、第2ハウジング2bの右壁には、第2ブッシュ8bが設けられている。
変換装置4は、ナット40と、ねじ軸41と、を備える。
ナット40は、ハウジング2の内壁面に嵌め込まれたボールベアリング42に支持され、ねじ軸41を中心に回転自在になっている。
ナット40の内周面には、ねじ軸41の螺旋溝41aと歯合する螺旋溝40aが形成されている。
また、ナット40は、左右方向に比較的長く形成されており、ナット40の左端部に後述する従動プーリ51が固定されている。
なお、本実施形態では、変換装置4に送りねじを用いた例を挙げたが、ボールねじを用いてもよい。
伝達装置5は、モータ3の出力軸3aに連結する駆動プーリ50と、変換装置4のナット40に固定される従動プーリ51と、駆動プーリ50と従動プーリ51とに掛け回されたベルト52と、を備える。
以下、駆動プーリ50と従動プーリ51とが配置される方向を上下方向とし、駆動プーリ50側を上側と称し、従動プーリ51側を下側と称する。
なお、本実施形態では、伝達装置5にプーリを用いた例を挙げたが、ウォームギヤを用いてもよい。
そして、駆動プーリ50と一体なナット40が回転すると、ねじ軸41には軸方向(左右方向)に向う推進力が作用し、シャフト1が左方へ又は右方へ移動する。
これにより、ハウジング2から外部に突出するシャフト1の一端部1aの突出量が変化し、伸縮アクチュエータ100の左右方向の長さが伸縮する。
図2に示すように、回り止め機構10は、シャフト1の中間部1cの外周面から径方向外側に突出する回り止め部13と、長孔11の内周面と、を備えている。
また、シャフト1の中間部1cには、シャフト1の外周面から径方向内側に窪み、長孔11に向って開口する固定穴12が形成されている。
以下、長孔11、固定孔12、回り止め部13の順で説明する。
図3に示すように、長孔11は、平面視で左右方向に長い長方形状に形成されている。このため、長孔11の内周面は、軸方向(左右方向)に延在する一対の長手面11a,11aと、長孔11の幅方向(前後方向)に延在する一対の短手面11b,11bと、を備える。
図3に示すように、被固定部14は、貫通孔14aを有するカラー16と、カラー16の外周面に固定された一対の当接部17,17と、カラー16の外周面に固定された突き当て部18,18と、を備える。なお、被固定部14の各構成の説明は、固定部15の後にする
図2に示すように、ボルト19の軸部は、カラー16の貫通孔14a内に挿通されている。
また、ボルト19の軸部の先端側(一端側)の外周面には、ねじ溝19aが形成されており、ボルト19が固定穴12に螺合している。このため、カラー16は、ボルト19の軸部に係合し、ボルト19の軸部に直交する方向(左右方向及び前後方向)に移動しないようになっている。
さらに、ボルト19の頭部19bは、カラー16の上面に当接してカラー16をシャフト1側に締め付けている。このため、カラー16は、ガタつくことなくシャフト1に固定され、ボルト19の軸部から脱落しないようになっている。
図3に示すように、カラー16の外形は、平面視で正方形に形成されている。このため、カラー16の外周面は、一対の長手面11a,11aに対向する前面16a及び後面16bと、一対の短手面11b,11bに対向する左面16c及び右面16dと、を備える。
なお、シャフト1が軸方向(左右方向)に移動する場合、当接部17が一対の長手面11a,11aを摺動する。このため、当接部17は、摩擦抵抗が小さい樹脂材料により形成されることが好ましい。
なお、本実施形態の当接部17は、樹脂材料により形成されているが、ゴムや金属材料で形成されていてもよい。
この突き当て部18は、仮にモータ3やモータ3の制御装置が故障したとしてもシャフト1の移動量を所定量に制限する、というフェールセーフ機能を発揮するためのものである。これによれば、シャフト1が所定の移動量を超えて移動しようとする場合、突き当て部18が長孔11の一対の短手面11b,11bに突き当たり、シャフト1の移動量が所定量に制限されるようになる。
具体的に説明すると、長孔11の上方(ハウジング外)から長孔11内に向って、被固定部14を挿入する。ここで、被固定部14の貫通孔14aが、シャフト1に形成された固定穴12に重なるように配置する。
つぎに、長孔11の上方(ハウジング外)から長孔11内に向って、ボルト19を挿入するとともに、ボルト19の軸部を被固定部14の貫通孔14aに挿入する。そして、ボルト19を回すことで、ボルト19の軸部が固定穴12に螺合(挿入)し、ボルト19がシャフト1に固定される。
永久磁石21は、ボルト19の頭部19bの穴19c内に嵌め込まれている。これにより、永久磁石21は、シャフト1の移動に伴って長孔11を軸方向(左右方向)に移動する。
また、永久磁石21が回り止め部13に固定されるため、別途に永久磁石21を固定するための部品が不要となり、小型化を図れる。
磁気センサ22には、環状のフランジ23が形成されている。フランジ23は、ハウジング2に螺合するボルト24に締め付けられ、磁気センサ22がハウジング2に固定されている。
また、磁気センサ22は、長孔11を閉塞した状態でハウジング2に固定されている。このため、長孔11を閉塞する蓋部材を不要とすることができ、部品点数の削減を図れる。また、蓋部材で長孔11を閉塞し、その蓋部材の上面側(ハウジング2の外側)に磁気センサ22を設置すると、磁気センサ22が検出できる永久磁石21の磁界が弱くなり、正確なシャフトのストローク量を測定できないおそれがある。しかしながら、本実施形態によれば、磁気センサ22が検出できる永久磁石21の磁界が弱くなることを回避でき、ストローク量の測定精度が向上する。
なお、フランジ23の底面には、環状のシール部25が設けられており、長孔11に粉塵や水等が侵入し難くなっている。
例えば、第1実施形態は、回り止め部13が一つだけとなっているが、本発明は回り止め部13を複数にしてもよい。
また、第1実施形態では、永久磁石21をボルト19の頭部19bに固定しているが、本発明は、永久磁石を固定する固定部(以下、永久磁石用固定部と称する)を別途に設けてもよい。
以下、複数の回り止め部と永久磁石用固定部とを備えた伸縮アクチュエータについて、図4,5を参照しながら説明する。
第2実施形態の伸縮アクチュエータ100Aは、シャフト101と、ハウジング102と、モータ(不図示)と、変換装置(不図示)と、伝達装置(不図示)と、シャフト101の回り止め機構110と、永久磁石121を有するストロークセンサ120と、永久磁石121をシャフト101に固定するための永久磁石用固定部130と、を備える。
以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
永久磁石用固定部130は、永久磁石用固定穴131に螺合してシャフト101に固定される永久磁石用ボルト132と、を備える。
また、永久磁石用ボルト132の頭部132aには、孔132bが形成され、その孔132bに永久磁石121が嵌め込まれている。
このため、シャフト101の移動に伴って永久磁石用固定部130が移動しても、永久磁石用ボルト132には、一対の長手面111a,111aを摺動する際の振動が発生せず、永久磁石121が永久磁石用ボルト132から脱落しないようになっている。
また、シャフト101には、2つの固定穴112に対応して2つの(複数の)固定穴112が形成されている。
この固定穴112は、第1実施形態の固定穴12と同様に、開口側(長孔111側)から視て円形状を呈し、内周面に図示しないねじ溝が形成されている。
よって、シャフト101に回転方向の荷重が作用した場合、2つの回り止め部113,113に作用する荷重が分散される。
また、シャフト101が所定の移動量を超えて移動する場合、右側の短手面111bに右側の回り止め部113が付き当たり、左側の短手面111bに左側の回り止め部113が付き当たる。
以上から、回り止め部113を複数備えると、回り止め部113に作用する荷重を低減でき、回り止め部113の耐久性が向上する。
外周部材116の外周面において前後方向を向く面は、一対の当接部117を構成している。
また、永久磁石用固定部130の左側の回り止め部113の外周部材116において、左側を向く面が左側の突き当て部118を構成している。
また、永久磁石用固定部130の右側の回り止め部113の外周部材116において、右側を向く面が右側の突き当て部118を構成している。
以下、固定部としてボルト以外のものを用いた第3実施形態と第4実施形態について説明する。
図6に示すように、第3実施形態の伸縮アクチュエータ200の回り止め部213は、固定部215として円柱状のピン部材219を備えている。
なお、シャフト201には、外周面から径方向内側に窪み、長孔211に向って開口する円筒状の固定穴212が形成されている。
ピン部材219は、カラー216内を貫通するとともに、一端部がシャフト201の固定穴212内に挿入されている。
また、ピン部材219の外径は、固定穴212の内径とカラー216の内径よりも大径に形成されている。
このため、ピン部材219の一端部が固定穴212に嵌合し、ピン部材219はシャフト201に固定されている。また、カラー216がピン部材219に嵌合し、カラー216(被固定部214)がピン部材219から脱落しないようになっている。
そして、このようなピン部材219を用いる場合、ハウジングの外側から長孔211に挿入することで、カラー216(被固定部214)をシャフト201に組み付けることができる。
図7に示すように、第4実施形態の伸縮アクチュエータ300の回り止め部313は、棒状部材319を備えている。
また、シャフト301には、外周面から径方向内側に窪み、長孔311に向って開口する円筒状の固定穴313が形成されている。また、固定穴313には、ねじ溝313aが形成されている。
棒状部材319は、カラー316内を貫通するとともに、一端部がシャフト301の固定穴312内に入り込んでいる。
また、棒状部材319の外周面には、ねじ溝319aが形成されている。このため、棒状部材319の一端部は、固定穴313のねじ溝313aに螺合し、棒状部材319がシャフト301に固定されている。
また、カラー316(被固定部314)の内周面には、図示しないねじ溝を形成されており、カラー316が棒状部材319と螺合している。このため、カラー316は、棒状部材315から脱落しないようになっている。
なお、このような棒状部材319を用いる場合、ハウジングの外側から長孔311に挿入することで、カラー316(被固定部314)をシャフト301に組み付けることができる。
1,101 シャフト
2,102 ハウジング
4 変換装置
10,110 回り止め機構
11,111,211,311 長孔
11a,111a 長手面
11b,111b 短手面
12,112,212,312 固定穴
13,113,213,313 回り止め部
14,114 被固定部
15 固定部
17,117 当接部
18,118 突き当たり部
19,119 ボルト
20,120 ストロークセンサ
21,121 永久磁石
22,122 磁気センサ
41 ねじ軸
130 永久磁石用固定部
Claims (6)
- 変換装置のねじ軸と一体に形成されたシャフトと、前記シャフトを収容するハウジングと、を係合させて前記シャフトの回転を防止するシャフトの回り止め機構であって、
前記シャフトの外周面から径方向外側に突出する回り止め部を備えており、
前記ハウジングには、前記シャフトの軸方向に長い孔であって内部に前記回り止め部が配置される長孔が形成されており、
前記シャフトには、前記シャフトの外周面から径方向内側に窪み、前記長孔に向って開口する固定穴が形成されており、
前記回り止め部は、
前記長孔の内周面において前記軸方向に延在する一対の長手面に当接する当接部を有する被固定部と、
前記被固定部を貫通するとともに一端部が前記固定穴に螺合されて前記被固定部を前記シャフトに固定するボルトと、
を有し、
前記被固定部は、前記長孔の前記ハウジング外側から前記長孔内に向って、前記被固定部の貫通穴が前記シャフトに形成された前記固定穴に重なるように挿入され、
前記ボルトは、前記長孔の前記ハウジング外側から前記長孔を通って前記貫通穴に挿入され、
前記ボルトの軸部が前記貫通穴に挿入された状態で前記ボルトを回すことで、前記ボルトの軸部が前記固定穴に螺合し、前記ボルトが前記シャフトに固定されている
ことを特徴とするシャフトの回り止め機構。 - 前記被固定部は、前記シャフトが所定の移動量を超えて移動する場合、前記長孔の内周面において前記長孔の幅方向に延在する一対の端面に突き当たる突き当て部を有することを特徴とする請求項1に記載のシャフトの回り止め機構。
- 複数の前記回り止め部を有し、
前記シャフトには、前記複数の回り止め部に対応して複数の前記固定穴が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシャフトの回り止め機構。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシャフトの回り止め機構と、
永久磁石と磁気センサとを有し、前記シャフトのストローク量を測定するストロークセンサを備え、
前記永久磁石は、前記ボルトに固定されていることを特徴とする伸縮アクチュエータ。 - 前記磁気センサは、前記長孔を閉塞することを特徴とする請求項4に記載の伸縮アクチュエータ。
- 請求項3に記載のシャフトの回り止め機構と、
永久磁石と磁気センサとを有し、前記シャフトのストローク量を測定するストロークセンサと、
前記永久磁石をシャフトに固定するための永久磁石用固定部と、
を備え、
複数の前記回り止め部は、前記永久磁石用固定部を挟んで前記軸方向両側に配置されていることを特徴とする伸縮アクチュエータ。
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