本発明の一態様であるプロジェクタ取り付け部材は、室内の天井材の裏側部分にプロジェクタを取り付けるためのプロジェクタ取り付け部材であって、プロジェクタの上方に配置される天板部と、天板部を支持し、天井材の裏側部分に取り付けられるベース部と、天板部に対するプロジェクタの姿勢を手動調整可能に、天板部とプロジェクタとを接続する接続部とを、有し、接続部が、天板部の上方側に配置され、天板部に対するプロジェクタの姿勢を手動調整するために作業者が把持して操作する把持部を備えている。
このような構成によれば、プロジェクタが天井裏に設置される場合において、プロジェクタの設置姿勢を容易に調整することができる。
接続部が、天板部に形成された貫通穴と、プロジェクタに固定され、貫通穴を備える固定具と、把持部としての取手部と、天板部の貫通穴と固定具の貫通穴とを通過する軸部とを備える蝶ボルトと、固定具の貫通穴を通過した蝶ボルトの軸部の部分に固定される抜け止め部材と、蝶ボルトの取手部と天板部との間で、蝶ボルトの軸部と螺合するナットと、を含んでもよい。
接続部が、天板部に形成された貫通穴と、プロジェクタに固定され、スリット溝を備える固定具と、頭部が天板部の下方に位置する姿勢で、軸部が天板部の貫通穴を通過するねじと、固定具のスリット溝と係合し、ねじの軸部に外挿され、且つ、ねじの頭部に受け支えられるスリット溝係合部材と、把持部としての取手部を備え、ねじの軸部に螺合した状態で天板部の上側部分に接触する第1の蝶ナットと、把持部としての取手部を備え、第1の蝶ナットの上方でねじの軸部に固定されている第2の蝶ナットと、を含んでもよい。
天板部に形成された貫通穴が、蝶ボルトの軸部に螺合するめねじ穴であってもよい。このめねじ穴とナットや第1の蝶ナットが二重ナット(ダブルナット)として機能することにより、天板部に対してプロジェクタを固定することができる。
接続部が、プロジェクタに固定され、同一平面上に設けられた第1、第2、および第3のめねじ穴を備える下側固定具と、天板部の裏面に固定され、第1、第2、および第3のめねじ穴それぞれに対向するように設けられた3つの通し穴を備える上側固定具と、把持部としての頭部をそれぞれ備え、それぞれが通し穴を通過してめねじ穴に係合する3つのローレットねじと、それぞれが下側固定具と上側固定具との間のローレットねじの軸部に外挿された3つのスプリングと、を含み、下側固定具の第1および第2のめねじ穴が、プロジェクタの光軸を含む鉛直面に対して直交する第1の直線上に位置し、下側固定具の第2および第3のめねじ穴が、第1の直線に対して直交する第2の直線上に位置してもよい。
ベース部が、天板部に支持されたプロジェクタの出射部が斜め下方向に向くように、天板部を支持してもよい。それにより、作業者は、プロジェクタの設置姿勢を微調整するだけで済む。また、プロジェクタの設置姿勢の調整しろを小さくすることができる。
天板部が蓋体であって、ベース部が、プロジェクタを収容し、天板部によって閉じられる上方が開いたボックス体であってもよい。
また、本発明の別の態様である浴室は、プロジェクタと、
天井材の裏側部分にプロジェクタを取り付けるためのプロジェクタ取り付け部材と、
プロジェクタから出射された投影光が透過する透過部を備える天井材と、を含み、
プロジェクタ取り付け部材が、
プロジェクタの上方に配置される天板部と、
天板部を支持し、天井材の裏側部分に取り付けられるベース部と、
天板部に対するプロジェクタの姿勢を手動調整可能に、天板部とプロジェクタとを接続する接続部とを、有し、
接続部が、天板部の上方側に配置され、天板部に対するプロジェクタの姿勢を手動調整するために作業者が把持して操作する把持部を備えている。
このような構成によれば、プロジェクタが天井裏に設置される場合において、プロジェクタの設置姿勢を容易に調整することができる。
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するものであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る浴室を概略的に示している。
図1に示すように、浴室100は、天井材102と、複数の壁材104と、床材106とを有する。浴室100の内部空間は、これらの天井材102、複数の壁材104、および床材106によって画定されている。
また、浴室100は、1つの壁材104の表側部分に、画像Pを投影するように構成されている。なお、本明細書において、天井材102や壁材104の表側は浴室100の内部空間側を言い、裏側は内部空間の外部側を言う。
本実施の形態1の場合、図1に示すように、壁材104に向かって画像Pを投影する画像投影システム10が、天井材102の裏側に配置されている。天井材102の裏側に配置された画像投影システム10から浴室100内に画像Pを投影するために、天井材102には開口102aが設けられている。また、天井材102の裏側に画像投影システム10を配置するために利用可能な点検口102bが、天井材102に設けられている。
図2は、浴室100の天井材102の裏側に配置された画像投影システム10を概略的に示している。また、図3は、図2に示すA−A線に沿った画像投影システム10の断面を示している。なお、図には、発明の理解を容易にするために、X−Y−Z座標系が示されている。X軸方向およびY軸方向は水平方向を示し、Z軸方向は鉛直方向を示している。
図3に示すように、画像投影システム10は、投影光Lを浴室100の壁材104に向かって出射する(画像Pを投影する)プロジェクタ12と、プロジェクタ12を天井材102に取り付けるためのプロジェクタ取り付け部材14と、天井材102の開口102aを塞ぐカバー部材16と、カバー部材16を覆うケース部材18とを有する。
本実施の形態1の場合、図3に示すように、プロジェクタ取り付け部材14は、プロジェクタ12を収容する内部空間14aを備える蓋付きボックス状であって、天井材102の裏側部分102cに、例えば、ねじや接着剤などによって固定される。このプロジェクタ取り付け部材14は、プロジェクタ12の上方に配置される天板部20と、プロジェクタ12が通過する上部開口を備えて天板部20を支持するベース部22と、天板部20とプロジェクタ12とを接続する3つの接続部24とを備える。
プロジェクタ取り付け部材14の天板部20は、上方が開いたボックス状のベース部22と協働し、プロジェクタ12が収容される内部空間14aを形成するように構成されている。すなわち、天板部20は、上方が開いたボックス状のベース部22を閉じる、ベース部22に対して着脱可能な蓋体である。
また、プロジェクタ取り付け部材14の天板部20は、プロジェクタ12の上方に配置され、プロジェクタ12を3つの接続部24を介して支持する。すなわち、プロジェクタ12は、3つの接続部24を介して、天板部20に吊るされている。
プロジェクタ取り付け部材14のベース部22は、天板部20を天井材102から離れた状態で支持する。すなわち、ベース部22は、天板部20と天井材102との間にプロジェクタ12のスペースを確保する。本実施の形態1の場合、ベース部22は、上方が開いたボックス体であって、蓋状の天板部20と着脱可能に係合する。
また、プロジェクタ取り付け部材14のベース部22は、正面壁部22aに、投影光Lを出射するプロジェクタ12の出射部12aが通過する貫通穴22bを備えている。
さらに、プロジェクタ取り付け部材14のベース部22は、天板部20を傾いた姿勢で支持するように構成されている。具体的には、天板部20に支持されているプロジェクタ12の出射部12aが斜め下方向に向くように、ベース部22は天板部20を水平に対して傾いた状態で支持する。これにより、プロジェクタ12は、天井材102の裏側から開口102aを介して浴室100内に向かって投影光Lを出射することができる。
図3に示すように、プロジェクタ取り付け部材14の3つの接続部24それぞれは、天板部20に対するプロジェクタ12の姿勢を手動調整可能に、天板部20とプロジェクタ12とを接続するように構成されている。また、接続部24それぞれは、図2に示すように、天板部20の上方側に配置され、天板部20に対するプロジェクタ12の姿勢を手動調整するために作業者が把持して操作する把持部としての取手部26aを備える。この接続部24について詳細に説明する。
図4は、図3に示す領域Bの拡大図であって、1つの接続部24を示している。図4に示すように、本実施の形態1の場合、接続部24それぞれは、プロジェクタ12を天板部20に吊るための蝶ボルト26と、プロジェクタ12に固定される固定具28とを含んでいる。
蝶ボルト26は、天板部20に対するプロジェクタ12の姿勢を手動調整するために作業者が触れる取手部26aと、おねじが形成された軸部26bとを備える。蝶ボルト26の取手部26aが天板部20の上方に配置され、軸部26bが天板部20を貫通してプロジェクタ取り付け部材14の内部空間14a内に向かって延在している。そのために、天板部20には、蝶ボルト26の軸部26bが通過する貫通穴20aが形成されている。また、蝶ボルト26の軸部26bの先端部には、理由は後述するが、抜け止め部材30が固定されている。抜け止め部材30は、例えば二重ナット(ダブルナット)である。
固定具28は、図5に示すように、「S」字状に折り曲げた帯状の金属プレートであって、2つの貫通穴28a,28bを備える。貫通穴28aは、固定具28の一方の端部である固定部28cに形成され、貫通穴28bは他方の端部であるループ部28dに形成されている。
貫通穴28aは、図3に示すように、固定具28の固定部28cをプロジェクタ12に固定するための固定ボルト32の通し穴である。固定ボルト32は、筒状のスペーサ部材34を介して固定具28の固定部28cを固定する。
貫通穴28bは、図5に示すように、鍵穴形状である。具体的には、円形断面を備える円形穴部28baと、円形穴部28baから延在するスロット部28bbとから、貫通穴28bは構成されている。
貫通穴28bの円形穴部28baは、図4に示す抜け止め部材30が通過できる大きさ(直径D)を備える。一方、スロット部28bbは、抜け止め部材30は通過することができないが、蝶ボルト26の軸部26bは通過できる大きさ(幅W)を備える。すなわち、円形穴部28baの直径Dに比べてスロット部28bbの幅Wは小さい。
図4に示すように、蝶ボルト26の軸部26bの先端部に固定された抜け止め部材30と固定具28の貫通穴28bとにより、蝶ボルト26と固定具28のループ部28dは着脱可能に接続することができる。具体的には、図6に示すように、3つの接続部24それぞれにおいて、抜け止め部材30が固定具28の貫通穴28bの円形穴部28baを通過する。次に、円形穴部28ba内に位置する蝶ボルト26の軸部26bの部分(すなわち抜け止め部材30より取手部26a側の部分)がスロット部28bb内に進入する。これにより、蝶ボルト26と固定具28のループ部28dは着脱可能に接続することができる。すなわち、抜け止め部材30がフックとして機能し、それにより、抜け止め部材30と固定具28のループ部28dとがフックアンドループ接続する。
本実施の形態1の場合、図3に示すように、プロジェクタ12の天井材102の裏側への設置が完了すると、プロジェクタ12は出射部12aが斜め下に向いた状態である。固定具28は、このような傾き姿勢のプロジェクタ12に対して、図4に示すように、の貫通穴28bのスロット部28bbが円形穴部28baから斜め上方向に延在するように固定されている。したがって、プロジェクタ12の使用中、蝶ボルト26と固定具28は、抜け止め部材30と貫通穴28bのスロット部28bbとを介して、また、プロジェクタ12の自重によって接続し続けることができる。
なお、図3に示すように、突発的な衝撃がプロジェクタ12に加わるなどして蝶ボルト26と固定具28との接続(フックアンドループ接続)が意図せず解除されないように、プロジェクタ12を制止するプロジェクタ制止用ボルト36が設けられている。プロジェクタ制止用ボルト36は、プロジェクタ取り付け部材14のベース部22に形成されためねじ穴に螺合し、先端でプロジェクタ12の後部(出射部12aの反対側の部分)に当接する。これにより、蝶ボルト26の軸部26bが固定具28のスロット部28bbから円形穴部28baに向かって相対移動しないように、プロジェクタ12は制止される。その結果、蝶ボルト26と固定具28との接続が意図せず解除されることが抑制される。
図4に示すように、蝶ボルト26の取手部26aと天板部20との間の軸部26bの部分に、ナット38が螺合している。このナット38は、天板部20と固定具28との間の距離Hを調整するためのものである。
具体的には、ナット38の回転をスパナ等で制限した状態で、作業者が蝶ボルト26の取手部26aを回すと、天板部20と固定具28との間の距離Hが変化する。3つの接続部24それぞれにおいて天板部20と固定具28との間の距離Hが変化すると、天板部20に対するプロジェクタ12の姿勢が変化する。したがって、作業者が3つの接続部24それぞれの取手部26aを回すことにより、プロジェクタ12の設置姿勢を調整することができる。
なお、接続部24それぞれのナット38は、天板部20に固定(例えば溶接)されてもよい、または、ナット38に代わって、天板部20の貫通穴20aが蝶ボルト26の軸部26bと螺合するめねじ穴であってもよい。これにより、作業者は、1つの接続部24について片手で操作することができ、その結果、プロジェクタ12の設置姿勢の調整作業効率が向上する。
また、天板部20の貫通穴20aが蝶ボルト26の軸部26bと螺合するめねじ穴である場合、そのめねじ穴がナット38と協働することにより、天板部20にプロジェクタ12を移動不可能に固定するができる。すなわち、天板部20のめねじ穴とナット38とが二重ナット(ダブルナット)として機能し、天板部20に対して蝶ボルト26が移動不可能に固定され、その結果、天板部20にプロジェクタ12が固定される。
このような天板部20に対するプロジェクタ12の姿勢を手動調整可能に天板部20とプロジェクタ12とを接続する3つの接続部24により、プロジェクタ12を所望の位置に設置した後に、その設置姿勢を調整することができる。
このようなプロジェクタ取り付け部材14によれば、プロジェクタ12は、天井材102の裏側部分102cに設置され、また、ほこりなどから保護される(特に天板部20によってほこりの堆積が抑制される)。また、プロジェクタ取り付け部材14によって下側に傾いた姿勢で支持されることにより、プロジェクタ12は、出射部12aから天井材102の開口102aを介して浴室100内に向かって投影光Lを出射することができる。
図3に示すように、カバー部材16は、天井材102の開口102aを塞いでいる。これにより、浴室100の内部空間から天井材102の裏側空間への蒸気の侵入を抑制している。このカバー部材16は、プロジェクタ12の出射部12aから出射された投影光Lが透過できるガラスまたは樹脂材料から作製されている。
図3に示すように、ケース部材18は、カバー部材16を覆うように、またプロジェクタ12の出射部12aを覆うように構成されて配置されている。これにより、カバー部材16とプロジェクタ12の出射部12aとが、ほこりなどから保護される。
次に、これまで説明してきた画像投影システム10の浴室100への設置方法の一例について説明する。
まず、図1に示す天井材102に設けられた点検口102bを介して、作業者が、カバー部材16を天井材102の裏側部分102cに取り付ける。
次に、図6に示すように、作業者は、プロジェクタ取り付け部材14の天板部20に、3つの接続部24を介してプロジェクタ12を取り付ける。
続いて、プロジェクタ12が取り付けられた天板部20をベース部材22に取り付ける。すなわち、プロジェクタ12をプロジェクタ取り付け部材14内に収容する。
続いて、図7に示すように、作業者は、プロジェクタ12が収容されたプロジェクタ取り付け部材14を、天井材102の裏側部分102cに取り付ける。そして、プロジェクタ12の出射部12aを回すなどによってプロジェクタ12のピント等を調整した後、ケース部材18を天井材102の裏側部分102cに取り付ける。これにより、プロジェクタ12の設置作業が完了する。
プロジェクタ12の設置作業が完了すると、次に、作業者は、プロジェクタ12の設置姿勢の調整作業を実行する。
具体的には、作業者は、図2に示すように、プロジェクタ取り付け部材14の天板部20の上方側に設けられた3つの接続部24それぞれの取手部26a(蝶ボルト26)を適切に回すことにより、プロジェクタ12の設置姿勢を調整する。
このとき、作業者は、プロジェクタ12の設置姿勢を調節するために触れる必要がある3つの取手部26aに容易にアクセスすることができるとともに容易に操作することができる。したがって、プロジェクタ12の設置姿勢を容易に調整することができる。
具体的に説明すると、図2に示すように、3つの取手部26aがプロジェクタ取り付け部材14の天板部20の上方側に位置する。そのため、浴室100内に居る作業者は、点検口102bを介して3つの取手部26aに容易にアクセスすることができる。
これとは異なり、点検口102bから遠くて見えないプロジェクタ取り付け部材14のベース部22の側面22c側に取手部26aが存在する場合、浴室100内に居る作業者は、取手部26aに手が届かない。この場合、作業者は、手のみならず、上半身全体で点検口102bを介して天井材102の裏側に進入する必要がある。しかし、取手部26aを操作する度に、点検口102bから上半身を出して浴室100の壁材104に映る画像Pを確認する必要があり、非常に手間である。あるいは、天井材102の裏側空間が狭いまたは天井材102の強度が低いなどの理由から、上半身での進入自体できない場合がある。この場合には、プロジェクタ12の設置姿勢の調整自体ができない。
このように取手部26aが天板部20の上方側以外の位置に存在する場合、プロジェクタ12の設置位置に対する作業者の位置(点検口102bの位置)によっては、プロジェクタ12の設置姿勢の調整が困難または不可能な場合がある。
一方、本実施の形態1の場合、取手部26aが天板部20の上方側に位置する。したがって、プロジェクタ12の設置位置に対して作業者(点検口102b)がどのような位置に存在していても、作業者は、同様に且つ容易に取手部26aに対してアクセスおよび操作することができる。
以上、このような本実施の形態1によれば、プロジェクタ12が天井裏(天井材102の裏側部分102c)に設置される場合において、プロジェクタ12の設置姿勢を容易に調整することができる。
また、本実施の形態1の場合、図3に示すように、プロジェクタ12を接続部24を介して支持するプロジェクタ取り付け部材14の天板部20は、プロジェクタ12の出射部12aが斜め下方向に向くようにベース部22に支持されている。すなわち、プロジェクタ12の設置姿勢を調整する前の段階で、プロジェクタ12から浴室100の壁材104に画像Pが既に投影されている。したがって、作業者は、プロジェクタ12の設置姿勢を微調整するだけでよく、また、プロジェクタ12の設置姿勢の調整しろは小さくて済む(上述の実施の形態1の場合、蝶ボルト26を短くすることができる)。
さらに、本実施の形態1の場合、図6および図7に示すように、プロジェクタ12を支持するプロジェクタ取り付け部材14の天板部20が、ベース部22に対して着脱可能である。そのため、プロジェクタ12とプロジェクタ取り付け部材14とを一体化した状態で、天井材102の裏側部分102cに取り付ける場合に比べて、作業性に優れる。
(実施の形態2)
本実施の形態2のプロジェクタ取り付け部材は、接続部を除いて、実質的に上述の実施の形態1のプロジェクタ取り付け部材と実質的に同一である。したがって、その異なる接続部について説明する。
図2に示すように、上述の実施の形態1の場合、プロジェクタ取り付け部材14は、同一の3つの接続部24を備える。それと異なり、本実施の形態2の場合、3つの接続部の内、1つの接続部は異なる。すなわち、本実施の形態2のプロジェクタ取り付け部材は、第1の接続部を2つ備え、第1の接続部と異なる第2の接続部を1つ備える。
図8は、本実施の形態2のプロジェクタ取り付け部材の第1の接続部を示している。図9は、第2の接続部を示している。まず、第1の接続部について説明する。
図8に示すように、プロジェクタ取り付け部材の第1の接続部124Aは、天板部20に対するプロジェクタ12の姿勢を手動調整可能に、天板部20とプロジェクタ12とを接続するように構成されている。
そのために、第1の接続部124Aは、図8に示すように、天板部20に形成された貫通穴20aを通過するトラスねじ50を有する。そのトラスねじ50の軸部(おねじ部)50aには、複数の蝶ナット52、54、複数のナット56〜60が係合し、また複数のスプリングワッシャ62〜68とボビン部材70が外挿されている。
図8に示すように、トラスねじ50は、その頭部50bがプロジェクタ取り付け部材内に存在する状態で、すなわち、頭部50bが天板部20の下方に位置する姿勢で、軸部50aが天板部20の貫通穴20aを通過している。
そのトラスねじ50の頭部50bに、ボビン部材70が受け支えられている。また、ボビン部材70は、ナット60とスプリングワッシャ68によって頭部50bに接触した状態でトラスねじ50に固定されている。
ボビン部材70は、プロジェクタ12に取り付けられた固定具72に係合する。具体的には、ボビン部材70の縮径部70aが、図10に示すように、固定具72に形成されたスリット溝72a内に配置されることにより、ボビン部材70と固定具72とが係合する。すなわち、ボビン部材70は、スリット溝72aと係合するスリット溝係合部材として機能する。
図8に示すように、プロジェクタ取り付け部材の天板部20上方に姿勢調整用蝶ナット(第2の蝶ナット)52が配置され、その姿勢調整用蝶ナット52は、トラスねじ50に対して回転しないように、スプリングワッシャ62、64を介してキャップナット56とナット58とに挟まれている。回り止め用蝶ナット(第1の蝶ナット)54はスプリングワッシャ66を介して天板部20に接触する。これにより、第1の接続部124A、すなわちトラスねじ50、ボビン部材70、固定具72、および回り止め用蝶ナット54により、プロジェクタ12がプロジェクタ取り付け部材の天板部20に吊り下げ支持される。
また、姿勢調整用蝶ナット52の取手部を手作業で回すことにより、プロジェクタ取り付け部材14の天板部20とプロジェクタ12との間の距離を変更することができる。すなわち、天板部20とプロジェクタ12との間に配置されるトラスねじ50の部分の長さを調節することができる。
なお、図8に示すように、一方の手で姿勢調整用蝶ナット52の取手部を回したときに回り止め用蝶ナット54が一緒に回らないように、回り止め用蝶ナット54の取手部は他方の手で把持される。
図9に示すように、第2の接続部124Bは、図8に示す第1の接続部124Aと異なり、蝶ナットを有していない。すなわち、この第2の接続部124Bは、第1の接続部124Aとは異なり、プロジェクタ12の姿勢を変更するときに使用されない。第2の接続部124Bは、単にプロジェクタ取り付け部材の天板部20とプロジェクタ12とを接続するためのものである。
具体的には、図9に示すように、第2の接続部124Bは、天板部20に形成された貫通穴20aを通過するトラスねじ80を有する。そのトラスねじ80の軸部(おねじ部)80aには、ナット82が係合し、またスプリングワッシャ84、ワッシャ86、カラー88が外挿されている。
図9に示すように、トラスねじ80は、その頭部80bがプロジェクタ取り付け部材内に存在する状態で、すなわち、頭部80bが天板部20の下方に位置する姿勢で、軸部80aが天板部20の貫通穴20aを通過している。
そのトラスねじ80の頭部80bに、ワッシャ86とカラー88とが受け支えられている。
ワッシャ86とカラー88は、プロジェクタ12に取り付けられた固定具90に係合する。具体的には、カラー88が図10に示す固定具90に形成されたスリット溝90a内に配置された状態で、ワッシャ86が固定90を受け支える。すなわち、ワッシャ86とカラー88は、スリット溝90aと係合するスリット溝係合部材として機能する。
図9に示すように、プロジェクタ取り付け部材の天板部20上にナット82が配置され、そのナット82はスプリングワッシャ84を介して天板部20に接触する。これにより、第2の接続部124B、すなわちトラスねじ90、ワッシャ86、固定具90、およびナット82により、プロジェクタ12がプロジェクタ取り付け部材の天板部20に吊り下げ支持される。
第2の接続部124Bにおいて、プロジェクタ取り付け部材の天板部20とプロジェクタ12との間の距離(その間のトラスねじ90の部分の長さ)は、例えば、工場出荷時に設定される。
このような第1の接続部124Aと第2の接続部124Bによれば、2つの第1の接続部124Aそれぞれの姿勢調整用蝶ナット52の取手部を手作業で回すことにより、天板部20に対するプロジェクタ12の姿勢を簡単に調整することができる。それにより、プロジェクタ12の出射部12aからカバー部材16を介して浴室100内に投影される画像Pの傾きや形状を調整することができる。
天板部20の貫通穴20aがトラスねじ50や80と螺合するめねじ穴である場合、そのめねじ穴が回り止め用蝶ナット54やナット82と協働することにより、天板部20にプロジェクタ12を移動不可能に固定するができる。すなわち、天板部20のめねじ穴と回り止め用蝶ナット54やナット82とが二重ナット(ダブルナット)として機能し、天板部20に対してトラスネジ50や80が移動不可能に固定され、その結果、天板部20にプロジェクタ12が固定される。
本実施の形態2も、上述の実施の形態1と同様に、プロジェクタ12が天井裏に設置される場合において、プロジェクタ12の設置姿勢を容易に調整することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態3のプロジェクタ取り付け部材は、天板部および該天板部にプロジェクタを接続する接続部について、上述の実施の形態1および2と異なる。したがって、異なる点について説明する。
図11は、本実施の形態3に係るプロジェクタ取り付け部材の一部を示している。図12は、プロジェクタ取り付け部材の接続部の分解斜視図である。そして、図13は、プロジェクタ取り付け部材の部分断面図である。
図12に示すように、プロジェクタ12とプロジェクタ取り付け部材の天板部220とを接続する接続部は、プロジェクタ12に固定されるプレート状の下側固定具250と、天板部220の裏面に固定されるプレート状の固定具252と、下側固定具250と上側固定具252とを接続する3つのローレットねじ254A、254B、254Cとを含んでいる。
図12に示すように、下側固定具250は、スペーサ256を介することにより、また、複数のねじ258により、プロジェクタ12との間にスペースを設けた状態でプロジェクタ12に固定されている。
上側固定具252も、天板部220との間にスペースを設けた状態で該天板部220の裏側に固定されている。具体的には、天板部220には、下側に向かって切り起こされた複数の切り起こし部220aが形成されている。その切り起こし部220aの先端に、複数のねじ260を介して、上側固定具252が固定される。
上側固定具252に対する下側固定具250の姿勢(傾き)が調整できるように、下側固定具250は、3つのローレットねじ254A、254B、254Cによって上側固定具252に接続されている。
具体的に説明すると、下側固定具250には、ローレットねじ254A、254B、254Cに係合するめねじ穴250a、250b、250cが形成されている。3つのめねじ穴250a、250b、250cは、同一平面に設けられている、すなわち平坦な表面250dに設けられている。
一方、上側固定具252には、下側固定具250のめねじ穴250a、250b、250cそれぞれに対向するように設けられた通し穴252a、252b、252cが形成されている。
ローレットねじ254Aは、上側固定具252の通し穴252aを通過してめねじ穴250aに係合する。ローレットねじ254Bは、通し穴252bを通過してめねじ穴250bに係合する。そして、ローレットねじ254Cは、通し穴252cを通過してめねじ穴250cに係合する。なお、下側固定具250と上側固定具252との間のローレットねじ254A、254B、254Cの軸部には、スプリング262が外挿されている。これらのスプリング262は、下側固定具250と上側固定具252を互いに離間する方向に付勢している。それにより、これらのスプリング262は、ローレットねじ254A、254B、254Cのゆるみ止めとして機能している。
図13を参照しながら、ローレットねじ254A、254B、254Cによる上側固定具252に対する下側固定具250の姿勢調整について説明する。
ローレットねじ254Aの把持部としての頭部254Aaを把持して回すことにより、下側固定具250と上側固定具252との距離が変化する。ローレットねじ254Aの頭部254Aaへのアクセスは、天板部220に形成されたアクセス穴220bを介して行われる。3つのローレットねじ254A、254B、254Cそれぞれを回すことにより、上側固定部252に対する下側固定具250の姿勢を調整することができる。その結果、天板部220に対するプロジェクタ12の姿勢(傾き)、すなわちプロジェクタ12の光軸Cの方向が調整される。
また、作業者がプロジェクタ12の光軸Cの方向調整がより容易に行えるように、すなわち図11に示すように浴室100の壁材104に投影された画像Pの位置姿勢の調整をより容易に行えるように、本実施の形態のプロジェクタ取り付け部材の接続部は構成されている。
具体的には、図12に示すように、下側固定具250のめねじ穴250a、250bは、直線Ax1上に位置する。この直線Ax1は、プロジェクタ12の光軸Cを含む鉛直面に対して直交する。また、めねじ穴250b、250cは、直線Ax2上に位置する。この直線Ax2は、直線Ax1に直交する。めねじ穴250a、250b、250cが同一平面上に位置するので、直線Ax1、Ax2も同一平面(すなわち表面250d)上に位置する。
したがって、ローレットねじ254Aのみを回すと、下側固定具250は、直線Ax2を中心にして回転する。それにより、図1に示すように浴室100の壁材104に投影された画像Pの水平に対する姿勢(傾き)を調整することができる。
また、ローレットねじ254Cのみを回すと、下側固定具250は、直線Ax1を中心にして回転する。それにより、浴室100の壁材104に投影された画像Pの高さ位置を調整することができる。
このようにローレットねじそれぞれによって調整できる対象が明確であるため、作業者は、プロジェクタ12の光軸Cの方向調整をより容易に行うことができる。
なお、下側固定具250のめねじ穴250a、250b、250cそれぞれの位置は、上方から見た場合にめねじ穴250aの中心とめねじ穴250cの中心を結ぶ直線上の中点にプロジェクタ12の重心が重なるように、決定するのが好ましい。
また、下側固定具250と上側固定具252との間の距離が縮小するようにローレットねじ254A、254B、254Cを時計回りに回し続けると、これらのローレットねじの先端がいずれはプロジェクタ12の上面に接触する。これにより、時計回り方向へのローレットねじの回転が規制され、下側固定具250と上側固定具252との間の距離の下限が設定される。
一方、下側固定具250と上側固定具252との間の距離の上限を設定するために、図12に示すように、下側固定具250には、「T」字状の複数の貫通穴250eが形成されている。一方、上側固定具252には、「T」字状の切り起こし部252dが形成されている。「T」字状の貫通穴250eを「T」字状の切り起こし部252dが通過している。
下側固定具250と上側固定具252との間の距離が拡大するようにローレットねじ254A、254B、254Cを反時計回りに回し続けると、「T」字状の貫通穴250eに「T」字状の切り起こし部252dの先端がいずれは引っ掛かる。この引っ掛かりの後にローレットねじを反時計周りにさらに回しても、下側固定具250と上側固定具252との間の距離は変化しない。なお、この「T」字状の切り起こし部252dの切り起こし高さが大きくなればなるほど、下側固定具250と上側固定具252との間の距離についての調整可能範囲が拡大する。
「T」字状の貫通穴250eへの「T」字状の切り起こし部252dの引っ掛かりの後、ローレットねじ254A、254B、254Cを反時計周りにさらに回すと、下側固定具250からローレットねじが外れる可能性がある。その対処として、図12に示すように、天板部220のアクセス穴220bには、ローレットねじ254A、254B、254Cの頭部と接触可能なストッパ部220cが設けられている。ストッパ部220cに接触することにより、ローレットねじ254A、254B、254Cの反時計回りの過剰な回しを制限することができる。これにより、下側固定具250からローレットねじ254A、254B、254Cが外れることが抑制される。
本実施の形態3も、上述の実施の形態1と同様に、プロジェクタ12が天井裏に設置される場合において、プロジェクタ12の設置姿勢を容易に調整することができる。
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されない。
例えば、上述の実施の形態の場合、図3に示すように、プロジェクタ12は、出射部12aが斜め下方向に向いた状態で、プロジェクタ取り付け部材14の天板部20に支持されている。しかしながら、本発明の実施の形態はこれに限定されない。例えば、出射部が水平に向いた状態で天板部にプロジェクタは支持されてもよい。この場合、プロジェクタから出射された投影光を斜め下方向に反射するミラーが使用される。
また、上述の実施の形態の場合、図6や図7に示すように、プロジェクタ取り付け部材の天板部は蓋体であって、ベース部が天板部によって閉じられる上方が開いたボックス体であるが、本発明の実施の形態はこれに限らない。例えば、天板部が平板であって、ベース部が天板部を支持するフレーム体であってもよい。
さらに、上述の実施の形態1および2の場合、プロジェクタ12は、3つの接続部24(または2つの第1の接続部124Aと1つの第2の接続部124B)を介して、プロジェクタ取り付け部材14の天板部20に接続され、また、天板部20に対する姿勢を調節される。本発明の実施の形態は、これに限定されない。例えば、2つの接続部24(2つの第1の接続部124A)と、1本の金属ワイヤー(剛性があって変形可能なワイヤー)とによってプロジェクタ12と天板部20とが接続されてもよい。
すなわち、本発明の実施の形態のプロジェクタ取り付け部材は、広義には、室内の天井材の裏側部分にプロジェクタを取り付けるためのプロジェクタ取り付け部材はであって、プロジェクタの上方に配置される天板部と、天板部を支持し、天井材の裏側部分に取り付けられるベース部と、天板部に対するプロジェクタの姿勢を手動調整可能に、天板部とプロジェクタとを接続する接続部とを、有し、接続部が、天板部の上方側に配置され、天板部に対するプロジェクタの姿勢を手動調整するために作業者が把持して操作する把持部を備えるものである。
そして、上述の実施の形態の場合、画像投影システムは浴室内に画像を投影するが、言い換えると上述の実施の形態は画像を投影することができる浴室であるが、本発明の実施の形態はこれに限らない。本発明の実施の形態のプロジェクタ取り付け部材は、浴室のみならず、室内の天井材の裏側部分にプロジェクタを設置するときに使用されるものである。
以上のように、本発明における技術の例示として、実施形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、前述の実施形態は、本発明における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。