JP6811214B2 - 遠隔操作システム及びプログラム - Google Patents

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本発明は、遠隔操作システム及びプログラムに関し、特に、ホスト端末のデスクトップ環境(デスクトップ型RPAを含む)を、後着優先のリモートデスクトップ接続を利用して複数のゲスト端末で操作する場合に有用な技術に関する。
近年、働き方改革や、少子高齢化に伴う労働人口の減少に対応するために、PC(Personal Computer)上で人が行う業務を、一定のルールに従ってソフトウェアロボット(以下、「ロボット」と略称する)が自動的に実行するRPA(Robotic Process Automation)と呼ばれるツールの活用が進んでいる。
RPAには、サーバー型RPAとデスクトップ型RPAがあり、一般にはデスクトップ型RPAの方が安価である。デスクトップ型RPAは、PCごとにインストールされ、当該PCのデスクトップ環境でのみ実行可能なソフトウェアである。
このようなデスクトップ型RPAがインストールされたPCにおいて、ロボットが稼動している間は、当該PCを人は操作することができない。ロボットが実行するプログラム(シナリオとも呼ばれる)によっては、稼動時間が数時間にも及ぶため、通常は、RPA専用のPC(以下、「専用PC」と称する)が用意される。
そのため、RPAを導入するには、RPAのライセンス費用に加えて、専用PCの費用が必要となり、特に、多数の拠点でRPAを使用する場合には導入コストが非常に高額となる。例えば、NTT DATA社製WinActor(登録商標)の1ライセンスあたりの年間ライセンス料は、シナリオの実行のみ可能な実行版に比較して、シナリオの作成及び実行が可能なフル機能版はより高額である。
そこで、通常業務を行うPCから、専用PCにリモートデスクトップ接続することにより、専用PCのデスクトップ環境を遠隔操作してRPAを利用できるRPAシステムが検討され、一部で実用化されている。RPAシステムによれば、専用PCのRPAを、複数台のPCで共用することができるため、導入コストを低減することができる。
なお、リモートデスクトップ接続を利用する場合、RPAのシナリオ作成時のPCの解像度と、シナリオ実行時にPCに表示されるリモートデスクトップ接続のウインドウの解像度とを同一にする必要がある。同一にしないとRPAのシナリオ実行時に、多くの場合エラーが発生するからである。この点からも、RPA専用のPCが必要となる。
RPAシステムにおいて、リモートデスクトップ接続されるPC(RPA専用PC)を「ホスト端末」、ホスト端末においてリモートデスクトップ接続が許可されているPC(通常の業務端末)を「ゲスト端末」と称する。リモートデスクトップ接続は、例えば、Windows OS(「Windows」は登録商標)に標準で付属している機能を利用して行うことができ、ゲスト端末からホスト端末に利用要求が送信されることにより確立される。Windows標準のリモートデスクトップ接続のように、後からの利用要求を優先する機能を、「後着優先のリモートデスクトップ接続」と称する。
なお、リモートデスクトップ接続を支援する技術としては、例えば、特許文献1がある。
特開2017−130086号公報
しかしながら、後着優先のリモートデスクトップ接続を利用する場合、第1のゲスト端末によってリモートデスクトップ接続されているホスト端末に対して、第2のゲスト端末から新たにリモートデスクトップ接続の利用要求が送信されると、後着の第2のゲスト端末の利用が優先され、第1のゲスト端末との通信は強制的に切断される。そのため、複数のゲスト端末でホスト端末のRPAを共用するRPAシステムでは、他のゲスト端末がリモートデスクトップ接続していないか注意する必要があり、運用が繁雑になる。
一方、第2のゲスト端末からリモートデスクトップ接続の利用要求があった場合に、第1のゲスト端末のディスプレイに、他のゲスト端末からリモートデスクトップ接続の利用要求があったことを表示し、接続を許可するか否かを選択させることもできる。しかしながら、RPAの実行時には、ゲスト端末は放置されることが多く、結局、所定時間経過後に第2のゲスト端末の接続が許可され、第1のゲスト端末との通信は切断されてしまうため、有効な解決策にはならない。
本発明の目的は、後着優先のリモートデスクトップ接続を利用したシステム(特に、RPAシステム)の運用を円滑化できる遠隔操作システム及びプログラムを提供することである。
本発明に係る遠隔操作システムは、
所定のソフトウェアがインストールされたホスト端末と、前記ホスト端末のデスクトップ環境を後着優先のリモートデスクトップ接続により操作可能なゲスト端末と、を備える遠隔操作システムであって、
前記ゲスト端末は、
リモートデスクトップ接続状況を含む前記ホスト端末の利用状況を監視する利用状況監視部と、
前記利用状況監視部による監視結果を表示する利用状況表示部と、
記ホスト端末へのリモートデスクトップ接続の利用要求を指示するユーザー操作が、リモートデスクトップ接続可能な前記ホスト端末に対するものであるか否かを前記監視結果をもとに判断し、リモートデスクトップ接続可能な前記ホスト端末に対する利用要求の指示である場合に、当該利用要求を受け付ける利用要求受付部と、
前記利用要求受付部が前記利用要求を受け付けた場合に、リモートデスクトップ接続のプログラムを起動するリモートデスクトップ接続起動部と、
を備えることを特徴とする。
本発明に係るプログラムは、
所定のソフトウェアがインストールされたホスト端末のデスクトップ環境を後着優先のリモートデスクトップ接続により操作可能なゲスト端末のコンピューターに、
リモートデスクトップ接続状況を含む前記ホスト端末の利用状況を監視する第1処理と、
前記第1処理による監視結果を表示する第2処理と、
記ホスト端末へのリモートデスクトップ接続の利用要求を指示するユーザー操作が、リモートデスクトップ接続可能な前記ホストに対するものであるか否かを前記監視結果をもとに判断し、リモートデスクトップ接続可能な前記ホスト端末に対する利用要求の指示である場合に、当該利用要求を受け付ける第3処理と、
前記第3処理において前記利用要求を受け付けた場合に、リモートデスクトップ接続のプログラムを起動する第4処理と、
を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、後着優先のリモートデスクトップ接続を利用したシステム(特に、RPAシステム)の運用を円滑化することができる。
図1は、実施の形態に係る遠隔操作システムを適用したRPAシステムの概略構成を示す図である。 図2は、ゲスト端末のハードウェア構成を示す図である。 図3は、ホスト端末のハードウェア構成を示す図である。 図4は、リモートデスクトップ接続支援処理の一例を示すフローチャートである。 図5は、リモートデスクトップ接続支援処理の起動画面の一例を示す図である。 図6は、リモートデスクトップ接続支援画面の一例を示す図である。 図7は、設定画面の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る遠隔操作システムを適用したRPAシステムSの概略構成を示す図である。
図1に示すように、RPAシステムSは、ゲスト端末1及びホスト端末2を備える。ゲスト端末1及びホスト端末2は、例えば、汎用のPCで構成され、インターネット等の通信ネットワークを介して、相互に通信可能に接続される。本実施の形態では、ゲスト端末1及びホスト端末2には、Windows OSが搭載されている。
ゲスト端末1は、通常の業務に使用されるPCであり、拠点A1〜A5ごとに複数台設置される。なお、拠点A1にもゲスト端末1は設置されるが、図1では省略されている。
ホスト端末2は、RPAプログラム242(図3参照)がインストールされた専用PCであり、一つの拠点A1に集約して設置される。ホスト端末2を1拠点に集約して設置することにより、RPAの保守・管理が容易になる。なお、ホスト端末2は、少なくとも1台あればよいが、多数のゲスト端末1でRPAを共用するため、複数台あることが好ましい。図1では、6台のホスト端末2(機器ID:R1C1〜R1C6)が設置されている場合について示している。
また、ホスト端末2には、デスクトップ型RPAとして、例えば、WinActorがインストールされている。本実施の形態では、6台のホスト端末2のうち、機器IDが「R1C1」、「R1C2」のホスト端末2には、フル機能版のWinActorがインストールされており、機器IDが「R1C3」〜「R1C6」のホスト端末2には、実行版のWinActorがインストールされている。なお、フル機能版のWinActorは、実行版のWinActorの機能を有している。
ゲスト端末1は、ホスト端末2のデスクトップ環境を、リモートデスクトップ接続(以下、RDP(Remote Desktop Protocol))により操作できるように設定されている。本実施の形態では、Windows標準のRDP機能を利用する。つまり、ホスト端末2のシステム設定において、ゲスト端末1によるリモートデスクトップ接続が許可されている。これにより、ゲスト端末1を用いて、ホスト端末2のデスクトップ環境を遠隔操作し、ホスト端末2にインストールされているRPAを実行することができる。
図2は、ゲスト端末1のハードウェア構成を示す図である。
図2に示すように、ゲスト端末1は、演算/制御装置としてのCPU(Central Processing Unit)11、主記憶装置としてのRAM(Random Access Memory)12及びROM(Read Only Memory)13、記憶部14、表示部15、操作入力部16、ネットワークI/F17、及び外部機器I/F18等を有する。各ユニット12〜18は、システムバス19を介してCPU11に接続される。
ROM13には、例えば、BIOS(Basic Input/Output System)、ファームウェア等の基本プログラムや、基本的な設定データが記憶される。CPU11は、記憶部14から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM12に展開し、展開したプログラムを実行することにより、各種機能を実現する。本実施の形態では、CPU11は、記憶部14に記憶されているリモートデスクトップ接続支援プログラム143(以下、RDP支援プログラム143)を実行することにより、利用状況監視部、利用状況表示部、利用要求受付部、リモートデスクトップ接続起動部、及び解像度設定部として機能する。これらの機能の詳細については、図4のフローチャートに従って後述する。
記憶部14は、例えば、不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブ等の補助記憶装置である。記憶部14は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc(「Blu-ray」は登録商標))等の光ディスク、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気ディスクを駆動して情報を読み書きするディスクドライブであってもよい。本実施の形態では、記憶部14は、WindowsOSのプログラム141、リモートデスクトップ接続プログラム142(以下、RDPプログラム142)、RDP支援プログラム143や、各種アプリケーションのプログラム等を記憶している。
表示部15は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTディスプレイ等で構成される。表示部15は、CPU11の指示に従って、画面表示を行う。
操作入力部16は、テンキー、スタートキー等の各種操作キー、及びマウス等のポインティングデバイスを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号をCPU11に出力する。ユーザーは、操作入力部16を操作して、各種アプリケーションの実行や、設定データの変更等を行うことができる。
なお、表示部15及び操作入力部16は、例えば、タッチパネル付きのフラットパネルディスプレイにより、一体的に設けられてもよい。
ネットワークI/F17は、有線/無線LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークを介して外部機器と通信を行うためのインターフェースである。CPU11は、ネットワークI/F17を介して、ネットワークに接続された外部機器(例えば、ホスト端末2)との間で、各種情報の送受信を行う。
外部機器I/F18は、USB(Universal Serial Bus)等の通信バスを介して外部機器を接続するためのインターフェースである。CPU11は、外部機器I/Fに接続された外部機器との間で、各種情報の送受信を行う。
図3は、ホスト端末2のハードウェア構成を示す図である。
ホスト端末2のハードウェア構成は、ゲスト端末1と同様であるので、簡単に説明する。すなわち、図3に示すように、ホスト端末2は、演算/制御装置としてのCPU21、主記憶装置としてのRAM22及びROM23、記憶部24、表示部25、操作入力部26、ネットワークI/F27、及び外部機器I/F28等を有する。各ユニット22〜28は、システムバス29を介してCPU21に接続される。ホスト端末2では、記憶部24に、WindowsOSのプログラム241のほか、デスクトップ型のRPAプログラム242が記憶されている。
RPAシステムSにおいて、ゲスト端末1は、RDPプログラム142を実行することで、ホスト端末2のデスクトップ環境を遠隔操作することができ、例えば、ホスト端末2にインストールされているRPAプログラム242を実行することができる。
しかし、Windows標準の後着優先のリモートデスクトップ接続を利用する場合、すでにリモートデスクトップ接続されているホスト端末2に対して、他のゲスト端末1から新たにリモートデスクトップ接続の利用要求が送信されると、当該他のゲスト端末1の利用が優先され、先に接続していたゲスト端末1との通信は強制的に切断される。その結果、リモートデスクトップ接続を利用してRPAプログラム242を実行していた場合、RPAプログラム242の実行結果を確実に取得できなくなるという不具合が生じうる。
そこで、本実施の形態では、ゲスト端末1において、リモートデスクトップ接続を利用するに際して、RDP支援プログラム143を実行することにより、上述した不具合を解消している。
図4は、リモートデスクトップ接続支援処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、ユーザー操作に基づいて、CPU11が記憶部14に格納されているRDP支援プログラム143を実行することにより実現される。
ステップS11において、CPU11は、表示部15にRDP支援処理の起動画面D1を表示する(図5参照)。
図5に示すように、起動画面D1には、リモートデスクトップ接続を支援するための項目として、「WinActorフル機能版_デスクトップへ接続」という選択項目C1、「WinActor実行版_デスクトップへ接続」という選択項目C2、「設定画面の表示」という選択項目C3が配置されている。また、選択項目C1〜C3の選択を決定するための実行ボタンB11が配置されている。
「WinActorフル機能版_デスクトップへ接続」という選択項目C1は、フル機能版のWinActorがインストールされているホスト端末2(機器ID:R1C1、R1C2)にリモートデスクトップ接続する際に選択される項目である。ユーザーは、例えば、ロボットに実行させるシナリオを作成する際に、選択項目C1に対応するラジオボタンを選択する。
「WinActor実行版_デスクトップへ接続」という選択項目C2は、シナリオの実行が可能なWinActor(実行版又はフル機能版)がインストールされているホスト端末2(R1C1〜R1C6)にリモートデスクトップ接続する際に選択される項目である。ユーザーは、例えば、すでに作成されているシナリオをロボットに実行させる際に、選択項目C2に対応するラジオボタンを選択する。
「設定画面の表示」という選択項目C3は、リモートデスクトップ接続の環境設定を行う際に選択される項目である。ユーザーは、例えば、ゲスト端末1の表示部15に表示されるリモートデスクトップ接続のウインドウの解像度がシナリオを作成したホスト端末2の表示部25の解像度と異なる場合に、選択項目C3に対応するラジオボタンを選択する。
図5では、選択項目C2が選択されている場合を示している。ユーザーが、選択項目C1〜C3のいずれかを選択した上で、実行ボタンB11を操作することで、RDP支援画面D2(図6参照)又は環境設定画面D3(図7参照)に切り替わる。
ステップS12において、CPU11は、起動画面D1においてユーザーが選択した選択項目を判定する。選択項目C1又はC2が選択された場合、ステップS13の処理に移行する。選択項目C3が選択された場合、ステップS17の処理に移行する。
ステップS13において、CPU11は、起動画面D1において、選択項目C2が選択された場合、ホスト端末2(機器ID:R1C1〜R1C6)の利用状況を取得する(利用状況監視部としての処理)。具体的には、CPU11は、接続状況確認コマンドをホスト端末2に送信する。接続状況確認コマンドを受信したホスト端末2は、接続状況(リモートデスクトップ接続しているユーザーがあるか空きか)をゲスト端末1のCPU11に返す。CPU11は、接続状況確認コマンドに対するホスト端末2の応答に基づいて、当該ホスト端末2の利用状況を取得する。
なお、リモートデスクトップ接続しているユーザーがある場合は、ホスト端末2は、ユーザー名を返す。しかし、例えば管理者によるメンテナンスなどでホスト端末2がリモートデスクトップ接続できないような状況の場合は、ホスト端末2は、接続状況確認コマンドに対して「回答拒否」をゲスト端末1のCPU11に返す。また、対象のホスト端末2の電源がオフとなっている場合は、「タイムアウト(返答なし)」の判断が行われる。「回答拒否」、「タイムアウト(返答なし)」のいずれかの場合は、接続状況確認コマンドに対してホスト端末2が接続状況を返せない応答不可の状況であり、後述するステップS14において「No Responce」と表示される。このように、ホスト端末2の利用状況は、ホスト端末2のリモートデスクトップ接続状況及び接続状況確認コマンドに対してホスト端末2が応答不可である状況を含む。
なお、起動画面D1において、選択項目C1が選択された場合は、WinActorフル機能版がインストールされている機器ID:R1C1、R1C2のホスト端末2の利用状況が取得される。
ステップS14において、CPU11は、表示部15にRDP支援画面D2を表示する(利用状況表示部としての処理、図6参照)。図6は、起動画面D1において選択項目C2が選択された場合のRDP支援画面である。
図6に示すように、RDP支援画面D2には、ホスト端末2に対してリモートデスクトップ接続の利用要求を指示するためのホスト選択ボタンB21〜B26、ホスト端末2の利用状況を更新するための更新ボタン31、RDP支援処理を終了するための終了ボタンB32が配置されている。ホスト選択ボタンB21〜B26は、ホスト端末2に対応して設けられ、利用要求受付部として機能する。
また、ホスト選択ボタンB21〜B26の上部には、ホスト端末2の利用状況U1〜U6が表示されている。利用状況U1、U6の「No Responce」は、機器ID:R1C1、R1C6のホスト端末2の電源がオフになっているなど接続状況確認コマンドに対してホスト端末2が応答不可の状況であることを示している。利用状況U2の「使用中」は、機器ID:R1C2のホスト端末2が、他のゲスト端末1によってリモートデスクトップ接続されていることを示している。利用状況U3〜U5の「接続可能」は、機器ID:R1C3〜R1C5のホスト端末2が、他のゲスト端末1によってリモートデスクトップ接続されておらず、接続可能であることを示している。
RDP支援画面D2に表示されている利用状況U1〜U6により、ユーザーは、どのホスト端末2にリモートデスクトップ接続してもよいかを容易に把握することができる。ユーザーは、リモートデスクトップ接続可能なホスト端末2(機器ID:R1C3〜R1C5)に対応するホスト選択ボタンB23〜B25のいずれかを選択して、リモートデスクトップ接続するホスト端末2を指定することとなる。
また、本実施の形態では、リモートデスクトップ接続可能なホスト端末2に対応するホスト選択ボタンB23〜B25は操作可能な状態となっており、リモートデスクトップ接続不能なホスト端末2に対応するホスト選択ボタンB21、B22、B26は操作不能な状態となっている。
すなわち、リモートデスクトップ接続可能なホスト端末2に対する利用要求だけが受け付けられ、リモートデスクトップ接続不能なホスト端末2に対する利用要求は無効とされるようになっている。
これにより、ユーザーの誤操作により、接続すべきでないホスト端末2に対してリモートデスクトップ接続の利用要求が送信され、その結果、後着優先による不具合が生じるのを防止することができる。
また、ホスト選択ボタンB21〜B26は、リモートデスクトップ接続可能な場合と接続不能な場合とで異なる態様で表示されるのが好ましい。例えば、リモートデスクトップ接続不能なホスト端末2に対応するホスト選択ボタンB21、B22、B26をグレーアウト表示(図6では、破線表示)とすることで、ユーザーは、一見して当該ホスト選択ボタンB21、B22、B26が操作不能であることを知得できる。
なお、この場合は、ホスト選択ボタンB21〜B26の表示態様にホスト端末2の利用状況が反映されているので、利用状況U1〜U6のように、ホスト端末2の利用状況をテキストで表示しなくても、リモートデスクトップ接続の可否を判断することができる。
ステップS15において、CPU11は、RDP支援画面D2においてユーザーが実行した選択操作を判定する(利用要求受付部としての処理)。
ホスト選択ボタンB23〜B25のいずれかが操作され、ホスト端末2へのリモートデスクトップ接続が指示された場合、ステップS16に移行する。更新ボタンB31が操作された場合、ステップS13の処理に移行し、ホスト端末2の利用状況が更新される。終了ボタンB32が操作された場合、RDP支援処理は終了となる。
ステップS16において、CPU11は、RDPプログラム142を起動する。ユーザーは、リモートデスクトップ接続の起動画面(図示略)において、アクセス権限情報(例えば、ID及びパスワード)を入力することにより、指定したホスト端末2のデスクトップ環境を遠隔操作できるようになる。そして、ホスト端末2のデスクトップ環境でRPAプログラム242を実行することにより、ロボットにシナリオを実行させることができる。RPAで指定したシナリオが終了して、リモートデスクトップ接続が切断されるまで、他のゲスト端末1によるホスト端末2へのリモートデスクトップ接続は不能となるので、シナリオの実行結果を確実に取得することができる。
ステップS12において選択項目C3が選択された場合、ステップS17において、CPU11は、表示部15に環境設定画面D3(図7参照)を表示する。
図7に示すように、環境設定画面D3には、リモートデスクトップ接続の環境設定を行うための項目として、「接続デスクトップの設定」という設定項目SI1、「解像度の設定」という設定項目SI2が配置されている。また、設定項目SI1、SI2の設定を決定するための設定ボタンB41が配置されている。
設定項目SI1のうち「WinActorフル機能版_デスクトップ」という項目は、フル機能版のWinActorがインストールされているホスト端末2を設定するための項目である。図7は、機器ID:R1C1、R1C2のホスト端末2にWinActorフル機能版がインストールされており、リモートデスクトップ接続により利用可能であることを示している。
設定項目SI1のうち「WinActor実行版_デスクトップ」という項目は、シナリオの実行が可能なWinActor(実行版又はフル機能版)がインストールされているホスト端末2を設定するための項目である。図7は、機器ID:R1C1〜R1C6のホスト端末2に実行版又はフル機能版いずれかのWinActorがインストールされており、リモートデスクトップ接続により利用可能であることを示している。
なお、実施の形態では、WinActor実行版がインストールされているホスト端末2の機器ID:R1C3〜R1C6に加えて、図5で「WinActor実行版_デスクトップへ接続」を選択した場合でもフル機能版がインストールされたホスト端末2に接続できるように、設定項目SI1のうち「WinActor実行版_デスクトップ」という項目において機器ID:R1C1、R1C2も設定している。
設定項目SI1において、ホスト端末2の機器IDを追加又は削除することにより、WinActorフル機能版又は実行版がインストールされているホスト端末2を設定することができる。
「解像度の設定」という設定項目SI2は、ゲスト端末1の表示部15に表示されるリモートデスクトップ接続のウインドウの解像度を設定するための項目である。図7は、ローカルの解像度、すなわちゲスト端末1で通常使用されている解像度を使用することを示している。この設定項目SI2において、実行するシナリオを作成したホスト端末2の表示部25の解像度を設定することができる(解像度設定部としての処理)。具体的には、設定項目SI2において、解像度(幅W及び高さH)を入力することで、ゲスト端末1の表示部15に表示されるリモートデスクトップ接続のウインドウの解像度を、シナリオを作成したホスト端末2の表示部25の解像度に合わせることができる。
これにより、WinActorで実行されるシナリオに、画像識別や座標指定が含まれていても、ゲスト端末1においてシナリオを作成したホスト端末2のデスクトップ環境が忠実に再現されるので、ロボットを正常に動作させることができる。
このように、本実施の形態に係るRPAシステムS(遠隔操作システム)は、RPAプログラム242(所定のソフトウェア)がインストールされたホスト端末2と、ホスト端末2のデスクトップ環境を後着優先のリモートデスクトップ接続により操作可能なゲスト端末1と、を備える。ゲスト端末1は、リモートデスクトップ接続状況を含むホスト端末2の利用状況を監視する利用状況監視部(CPU11、図4のステップS13)と、利用状況監視部による監視結果を表示する利用状況表示部(CPU11、図4のステップS14)と、ユーザー操作に基づいてホスト端末2へのリモートデスクトップ接続の利用要求を受け付ける利用要求受付部(CPU11、図4のステップS15)と、利用要求受付部が利用要求を受け付けた場合に、RDPプログラム142を起動するリモートデスクトップ接続起動部(CPU11、図4のステップS16)と、を備える。
また、実施の形態では、ゲスト端末1のCPU11がRDP支援プログラム143を実行することにより、本発明に係るRPAシステムが実現されている。
すなわち、RDP支援プログラム143は、RPAのプログラム242(所定のソフトウェア)がインストールされたホスト端末2のデスクトップ環境を後着優先のリモートデスクトップ接続により操作可能なゲスト端末1のCPU11(コンピューター)に、リモートデスクトップ接続状況を含むホスト端末2の利用状況を監視する第1処理(図4のステップS13)と、第1処理による監視結果を表示する第2処理(図4のステップS14)と、ユーザー操作に基づいてホスト端末2へのリモートデスクトップ接続の利用要求を受け付ける第3処理(図4のステップS15)と、第3処理において利用要求を受け付けた場合に、RDPプログラム142を起動する第4処理(図4のステップS16)と、を実行させる。
このRDP支援プログラム143は、例えば、当該プログラムが格納されたコンピューター読取可能な可搬型記憶媒体(光ディスク、光磁気ディスク、及びメモリカードを含む)を介して提供される。また例えば、このプログラムは、当該プログラムを保有するサーバーから、ネットワークを介してダウンロードにより提供することもできる。
実施の形態に係るRPAシステムS及びRDP支援プログラム143によれば、ユーザーは、ゲスト端末1によってリモートデスクトップ接続してもよいホスト端末2(他のゲスト端末1によってリモートデスクトップ接続されていないホスト端末2)を、容易に把握することができる。したがって、後着優先による不具合が生じることなく、リモートデスクトップ接続を利用したRPAシステムSを円滑に運用することができる。
さらには、リモートデスクトップ接続を利用したRPAシステムSを円滑に運用できるようになることで、ホスト端末2にだけRPAをインストールすればよいので、RPAの導入コストを低減することができる。その結果、RPAの導入促進を図ることもできる。
また、実施の形態に係るRPAシステムS及びRDP支援プログラム143によれば、拠点A2〜A5においてRPA専用PCが不要となるので(図1参照)、端末管理負荷を軽減できる。
また、RPAシステムSにおいて、利用要求受付部(CPU11)は、リモートデスクトップ接続可能なホスト端末2(機器ID:R1C3〜R1C5)に対する利用要求を受け付け、リモートデスクトップ接続不能なホスト端末2(機器ID:R1C1、R1C2、R1C6)に対する利用要求を無効とする。
具体的には、RPAシステムSにおいて、利用要求受付部は、ホスト端末2に対応して設けられ利用要求を指示するための操作ボタンB21〜B26を有し、リモートデスクトップ接続可能なホスト端末2(機器ID:R1C3〜R1C5)に対応する操作ボタンB23〜B25は操作可能であり、リモートデスクトップ接続不能なホスト端末2(機器ID:R1C1、R1C2、R1C6)に対応する操作ボタンB21、B22、B26は操作不能である。
これにより、ユーザーの誤操作により、接続すべきでないホスト端末2に対してリモートデスクトップ接続の利用要求が送信され、その結果、後着優先による不具合が生じるのを防止することができる。
また、RPAシステムSにおいて、利用状況監視部(CPU11)は、手動操作に基づいて、ホスト端末2の利用状況を更新する。なお、ホスト端末2の利用状況は、所定時間間隔で、自動的に更新されてもよい。
これにより、ホスト端末2の利用状況の変化が反映され、リモートデスクトップ接続可能なホスト端末2を適切に提示できるので、ホスト端末2の稼動効率を高めることができる。
また、RPAシステムSにおいて、ホスト端末2の利用状況は、ホスト端末2の電源のオフなど接続状況確認コマンドに対してホスト端末2が応答不可の状況を含む。
これにより、ユーザーは、他のゲスト端末1による利用によりリモートデスクトップ接続できないのか、電源オフによりリモートデスクトップ接続できないのかを把握できるので、特定のホスト端末2が一向に利用可能とならないことに対して不信感を抱くことがなくなり、また、ホスト端末2の電源を投入するよう指示することで、業務効率を高めることができる。
また、RPAシステムSにおいて、ホスト端末2にインストールされている所定のソフトウェアは、RPAである。
これにより、リモートデスクトップ接続を利用して実行する場合に不具合が生じやすいRPAを、複数台のゲスト端末1において共用することができる。
また、RPAシステムSにおいて、ゲスト端末1は、リモートデスクトップ接続先のホスト端末2の解像度に合わせて、当該ゲスト端末1のディスプレイに表示するリモートデスクトップ接続のウインドウの解像度を設定する解像度設定部(CPU11)を備える。
これにより、RPAで実行されるシナリオに、画像識別や座標指定が含まれていても、ゲスト端末1においてシナリオを作成したホスト端末2のデスクトップ環境が忠実に再現されるので、RPAのシナリオ実行時にエラーを発生することなく、ロボットを正常に動作させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、実施の形態では、リモートデスクトップ接続を利用して、ホスト端末2のRPAを実行する場合について説明したが、RPA以外のソフトウェアを実行する場合にも有用である。
また、実施の形態では、Windows標準のRDP機能を利用してリモートデスクトップ接続する場合について説明したが、Windows以外のOS(例えば、MacOSやLinux(登録商標))に標準のRDP機能を利用してもよいし、市販のRDPソフトウェアを利用してもよい。すなわち、本発明は、利用されるリモートデスクトップ接続が、後着優先である場合に有用である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
S RPAシステム(遠隔操作システム)
1 ゲスト端末
2 ホスト端末
11、21 CPU
12、22 RAM
13、23 ROM
14、24 記憶部
15、25 表示部
16、26 操作入力部
17、27 ネットワークI/F
18、28 外部機器I/F
19、29 システムバス
141、241 WindowsOS
142 リモートデスクトップ接続プログラム(RDPプログラム)
143 リモートデスクトップ接続支援プログラム(RDP支援プログラム)
242 RPAプログラム

Claims (8)

  1. 所定のソフトウェアがインストールされたホスト端末と、前記ホスト端末のデスクトップ環境を後着優先のリモートデスクトップ接続により操作可能なゲスト端末と、を備える遠隔操作システムであって、
    前記ゲスト端末は、
    リモートデスクトップ接続状況を含む前記ホスト端末の利用状況を監視する利用状況監視部と、
    前記利用状況監視部による監視結果を表示する利用状況表示部と、
    記ホスト端末へのリモートデスクトップ接続の利用要求を指示するユーザー操作が、リモートデスクトップ接続可能な前記ホスト端末に対するものであるか否かを前記監視結果をもとに判断し、リモートデスクトップ接続可能な前記ホスト端末に対する利用要求の指示である場合に、当該利用要求を受け付ける利用要求受付部と、
    前記利用要求受付部が前記利用要求を受け付けた場合に、リモートデスクトップ接続のプログラムを起動するリモートデスクトップ接続起動部と、
    を備える遠隔操作システム。
  2. 前記利用要求受付部は、前記ユーザー操作がリモートデスクトップ接続不能な前記ホスト端末に対する利用要求を指示するものである場合、当該ユーザー操作を無効とする、請求項1に記載の遠隔操作システム。
  3. 前記利用要求受付部は、前記ホスト端末に対応して設けられ、前記利用要求を指示するための操作ボタンを有し、
    リモートデスクトップ接続可能な前記ホスト端末に対応する前記操作ボタンは操作可能であり、
    リモートデスクトップ接続不能な前記ホスト端末に対応する前記操作ボタンは操作不能である、請求項2に記載の遠隔操作システム。
  4. 前記利用状況監視部は、自動的に、又は手動操作に基づいて、前記利用状況を更新する、請求項1から3のいずれか一項に記載の遠隔操作システム。
  5. 前記利用状況は、前記ホスト端末の接続状況確認コマンドに対する応答不可の状況を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の遠隔操作システム。
  6. 前記所定のソフトウェアは、RPA(Robotic Process Automation)である、請求項1から5のいずれか一項に記載の遠隔操作システム。
  7. 前記ゲスト端末は、リモートデスクトップ接続先の前記ホスト端末の解像度に合わせて、当該ゲスト端末のディスプレイに表示するリモートデスクトップ接続のウインドウの解像度を設定する解像度設定部を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の遠隔操作システム。
  8. 所定のソフトウェアがインストールされたホスト端末のデスクトップ環境を後着優先のリモートデスクトップ接続により操作可能なゲスト端末のコンピューターに、
    リモートデスクトップ接続状況を含む前記ホスト端末の利用状況を監視する第1処理と、
    前記第1処理による監視結果を表示する第2処理と、
    記ホスト端末へのリモートデスクトップ接続の利用要求を指示するユーザー操作が、リモートデスクトップ接続可能な前記ホストに対するものであるか否かを前記監視結果をもとに判断し、リモートデスクトップ接続可能な前記ホスト端末に対する利用要求の指示である場合に、当該利用要求を受け付ける第3処理と、
    前記第3処理において前記利用要求を受け付けた場合に、リモートデスクトップ接続のプログラムを起動する第4処理と、
    を実行させるプログラム。
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