JP6809837B2 - 車両コーティング剤の塗布方法及び塗布装置 - Google Patents

車両コーティング剤の塗布方法及び塗布装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6809837B2
JP6809837B2 JP2016153424A JP2016153424A JP6809837B2 JP 6809837 B2 JP6809837 B2 JP 6809837B2 JP 2016153424 A JP2016153424 A JP 2016153424A JP 2016153424 A JP2016153424 A JP 2016153424A JP 6809837 B2 JP6809837 B2 JP 6809837B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle body
coating agent
liquid
body surface
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016153424A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018021130A (ja
Inventor
小池 雅彦
雅彦 小池
康 湯本
康 湯本
厚司 柳川
厚司 柳川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Parker Corp
MK Seiko Co Ltd
Original Assignee
Parker Corp
MK Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Parker Corp, MK Seiko Co Ltd filed Critical Parker Corp
Priority to JP2016153424A priority Critical patent/JP6809837B2/ja
Publication of JP2018021130A publication Critical patent/JP2018021130A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6809837B2 publication Critical patent/JP6809837B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Cleaning, Maintenance, Repair, Refitting, And Outriggers (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

本発明は、自動車の塗装、ガラス、ゴム、プラスチック等から構成される表面に高度な撥水性、光沢、滑り性を付与し、車両表面の保護および美観向上を図る車両コーティング剤の塗布方法及び塗布装置に関するものである。
従来、自動車などの車両表面に洗車機を用いて行うコーティングにおいて、陽イオン性界面活性剤を含有したコーティング剤やアミノ変性ポリシロキサンを界面活性剤にて乳化したコーティング剤を水にて数十から数百倍に希釈してスプレー塗布することが行われている。これらの陽イオン性界面活性剤やアミノ変性ポリシロキサンは、カチオン基を有する吸着成分であることから、コーティング剤希釈液をスプレー塗布するだけで弱アニオン性に帯電している車両表面に容易に吸着し、被膜を形成させることで撥水性を付与させることができるため洗車機を用いたコーティングに多用されている。
従来実施例としては、アミノ変性ポリシロキサンを非イオン性界面活性剤で乳化し、特定のカチオン性界面活性剤を含有させた自動塗布方法に用いるコーティング剤が特許文献1に開示されている。また、更に高度な撥水性を付与させることを目的に、トリメチルシロキシケイ酸を含有した組成物についても開示されており、手作業用としてはアミノ変性ジメチルポリシロキサンと他のオルガノポリシロキサン等を併用し、洗浄と撥水処理を同時に行うもの、洗車機用としては、特定のアミノ変性ポリシロキサンを主成分とする組成物および処理方法が公表されている。(特許文献2、3)
上記の従来実施例としては、トリメチルシロキシケイ酸とオルガノポリシロキサンの混合液を水中分散したエマルションと、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、有機酸、アルキルグルコシドを含有する手作業用の洗浄撥水剤が特許文献2に開示されており、特定のアミノ変性ポリシロキサンを主成分としたカーポリッシュ用エマルション組成物が特許文献3に開示されている。
また、これらの吸着性、撥水性の性能に加え、車両表面の保護および美観向上を目的に、光沢、滑り性を付与させたコーティング剤として、ジメチルポリシロキサンを含有した組成物についても公表されている。上記の従来実施例としては、アミノ変性ポリシロキサンを特定の非イオン性界面活性剤を用いて乳化した乳化物とジメチルポリシロキサンを特定の非イオン性界面活性剤を用いて乳化した乳化物を混合してなる光沢撥水付与組成物が特許文献4に開示されている。
特開平8−188745号公報 特開平11−116988号公報 特開2004−339305号公報 特開2004−300387号公報
上記従来実施例の中で、高度な撥水性、光沢、滑り性を付与させたコーティング剤は全て1液型のコーティング剤である。しかし、陽イオン性界面活性剤やアミノ変性ポリシロキサン等のカチオン基を有する吸着成分とトリメチルシロキシケイ酸等の撥水性、ジメチルポリシロキサン等の光沢、滑り性を向上させる成分を混合した液剤は相溶性の悪い水性エマルションとなるため、高温及び低温環境下、また長期間の保存において分離、沈降等を引き起こす可能性が高くなり、コーティング剤の安定性を保持することが困難となる。このような不安定化したコーティング剤を洗車機で使用した場合、車両表面に均一に塗布することが困難となりムラが発生するといった問題がある。
また、エマルションの安定化を図るため、各種界面活性剤や水溶性高分子化合物等の乳化安定剤を多量に含有すると、これらの乳化安定剤がコーティング剤成分の吸着を阻害し、高度な撥水性、光沢、滑り性を付与させることができないという問題がある。
そこで本発明は、上記従来の技術の欠点に鑑み、コーティング剤の品質劣化を抑制し、洗車機より効率良く均一に塗布することで、高度な撥水性、光沢、滑り性を付与させ、車両表面の保護および美観向上を提供することを目的とする。
このような課題を解決する手段として、カチオン基を有する吸着成分(1)及び水から構成される液剤をA液、カチオン基を有さない直鎖シロキサン構造を有するオルガノポリシロキサン(2)、及び又はトリメチルシロキシケイ酸(3)、非イオン性界面活性剤(4)及び水から構成される液剤をB液とし、2液に分けることで乳化安定剤の含有量を少量で済ませることが可能となり、それぞれのコーティング剤の品質劣化を抑制させ、このA液、B液を管路内で混合させてから車体面に塗布することで、コーティング剤成分を効率良く車両表面に吸着させ、高度な撥水性、光沢、滑り性を付与させる方法を見出した。
上記本発明の車両コーティング剤の塗布方法により、液剤の品質劣化は抑制され、洗車機より効率良く均一に塗布することで、高度な撥水性、光沢、滑り性を付与させ、車両表面の保護および美観向上を提供することができる。
本発明の塗布装置を備えた洗車機を示す側面図である。 給水系を示す説明図である。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
本発明で使用するカチオン基を有する吸着成分(1)(以下「成分(1)」と略す)は、アミノ変性ポリシロキサン、陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。
アミノ変性ポリシロキサンとしては、従来車両のコーティング剤成分として使用されているアミノ変性ポリシロキサンはいずれも使用することができる。また、オイル状のものに限らず、水性エマルションにせしめたものなどが上市されており、この中から一種または二種以上を選択して本発明で使用することができる。
陽イオン性界面活性剤としては、四級アンモニウム塩、アルキルアミン塩、またはこれらのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。そして、この中から本組成物の特性を鑑み一種または二種以上を選択することができ、また、これら成分自体は当該技術分野においてよく知られており、市場から入手して本発明で使用することができる。
本発明で使用するカチオン基を有さない直鎖シロキサン構造を有するオルガノポリシロキサン(2)(以下「成分(2)」と略す)は、一般式RSiO(RSiO)SiRで表され、ジメチルポリシロキサンやメチルハイドロジェンポリシロキサン、カチオン基を有さない有機変性ポリシロキサンが挙げられる。
また、上記のカチオン基を有さない有機変性ポリシロキサンの変性種類としてはアルキル変性、アルキルアラルキル変性、脂肪酸変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、ポリエーテル変性、アルコール変性、フルオロアルキル変性、メタクリル変性、メチルフェニル変性、エポキシポリエーテル変性等が挙げられる。
このような成分(2)は光沢、滑り性、被膜の均質性等の特性を鑑み適宜選択でき、動粘度は1〜10,000mm/sのものが好ましく、中でも5〜3,500mm/sのものが好ましい。また、成分(2)はオイル状のものに限らず、水性エマルションにせしめたものなどが上市されており、この中から一種または二種以上を選択して本発明で使用することができる。
成分(2)の動粘度が高すぎると、被膜の均質性が悪くムラが生じやすくなり、動粘度が低すぎると、被膜の均質性は良くなるが、光沢、滑り性が低下する。
本発明で使用するトリメチルシロキシケイ酸(3)(以下「成分(3)」と略す)は、一般式((CH3)3SiO1/2)x・(SiO2)yで表され、その構造、構成単位から通称MQレジンとも呼ばれている。これは、水ガラスをQ単位(SiO4/2)の出発原料とし、トリメチルシリル基(M単位(CH3)3SiO1/2)で末端を封鎖したものである。
このような成分(3)は有機溶剤、オルガノポリシロキサン等に溶解したもの、またそれらを水性エマルションにせしめたものなどが上市されており、この中から一種または二種以上を選択して本発明で使用することができる。
本発明で使用する非イオン性界面活性剤(4)(以下「成分(4)」と略す)は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。そして、この中から本組成物の乳化性、安定性などの特性を鑑み一種または二種以上を選択することができ、また、これら成分(4)それ自体は当該技術分野においてよく知られており、市場から入手して本発明で使用することができる。
本発明のコーティング剤組成物に使用する水は、組成物中の他成分へ影響を与えないために、塩類を除去したイオン交換水を使用することが望ましい。
本発明に使用されるコーティング剤組成物は、上記必須成分に加えて、さらに必要に応じて本発明の目的達成を妨げない範囲において低級アルコール、グリコールエーテル、多価アルコール等の低温安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の成分安定剤、pH調整剤、防腐剤、防錆剤、着色剤、香料等の助剤を含有することができる。
実施例及び比較例
続いて、本発明の実施例について説明する。試料A液、B液の配合を表1に、成分を表2に示す。尚、表1における数字の単位は質量%とし、この質量%は最終的に得られた組成物における各成分の濃度を示している。
(試料A液)
<試料A-1>
成分(1)のカチオン基を有する吸着成分に陽イオン性界面活性剤の塩化ジデシルジメチルアンモニウムを採用し、これをイオン交換水に加え、混合撹拌したものを試料A-1とした。
<試料A-2>
成分(1)のカチオン基を有する吸着成分に動粘度1000mm/s・アミノ当量1800g/molのアミノ変性ポリシロキサンを採用し、これに非イオン性界面活性剤のHLB11.4のポリオキシエチレンアルキルエーテルを加え、両者を混合撹拌したものにイオン交換水を加えたものを試料A-2とした。
<試料A-3>
成分(1)のカチオン基を有する吸着成分の代わりに、アニオン基を有する吸着成分であるポリアクリル酸ナトリウムを採用し、これをイオン交換水に加え、混合攪拌したものを試料A-3とした。
(試料B液)
<試料B-1>
成分(2)のカチオン基を有さない直鎖シロキサン構造を有するオルガノポリシロキサンに動粘度350mm/sのジメチルポリシロキサンを採用し、成分(3)のトリメチルシロキシケイ酸に有効成分濃度16質量%のトリメチルシロキシケイ酸水性エマルションを採用し、成分(4)の非イオン性界面活性剤にHLB11.4のポリオキシエチレンアルキルエーテルを採用し、これらを混合撹拌したものにイオン交換水を加えたものを試料B-1とした。
<試料B-2>
成分(2)のカチオン基を有さない直鎖シロキサン構造を有するオルガノポリシロキサンに動粘度12500mm/sのジメチルポリシロキサンを採用し、成分(3)のトリメチルシロキシケイ酸に有効成分濃度16質量%のトリメチルシロキシケイ酸水性エマルションを採用し、成分(4)の非イオン性界面活性剤にHLB11.4のポリオキシエチレンアルキルエーテルを採用し、これらを混合撹拌したものにイオン交換水を加えたものを試料B-2とした。
<試料B-3>
成分(2)のカチオン基を有さない直鎖シロキサン構造を有するオルガノポリシロキサンの代わりに、環状シロキサン構造を有する動粘度4mm/sのシクロペンタシロキサンを採用し、成分(3)のトリメチルシロキシケイ酸に有効成分濃度16質量%のトリメチルシロキシケイ酸水性エマルションを採用し、成分(4)の非イオン性界面活性剤にHLB11.4のポリオキシエチレンアルキルエーテルを採用し、これらを混合撹拌したものにイオン交換水を加えたものを試料B-3とした。
Figure 0006809837
Figure 0006809837
(装置)
上記コーティング剤の塗布に好適な装置について、図1を用いて説明する。
図1において、1は本体フレームで、門型に形成され、床面に敷設された走行レール2・2上を走行モータ3に駆動されて往復走行する。本体フレーム1には、洗車処理を行う各種の洗車処理装置として、ブラシ装置・ブロワノズル・散液パイプが備えられ、本体フレーム1の走行に伴って、散液パイプから水・洗剤・ワックスを車体に散布しながらブラシ装置でブラッシングするブラシ洗浄処理や、散液パイプからコーティング剤を車体に吹き付けるコーティング剤散布処理、ブロワノズルから空気を車体に吹き付ける乾燥処理を行う。
ブラシ装置は、車体上面に沿って昇降し同上面をブラッシングするトップブラシ4と、車体の幅方向に対して開閉動作し車体の前後面および側面をブラッシングする左右一対のサイドブラシ5とを備えている。ブロワノズルは、車体上面に沿って昇降し同上面に空気を吹き付けて乾燥をはかるトップノズル6と、車体側面に空気を吹き付けて乾燥をはかる左右一対のサイドノズル7とを備えている。尚、昇降・開閉・回転の各動作については、いずれも正転逆転可能なモータによる公知の手段により行われる。
散液パイプは、自動車車体に水とシャンプーを選択的に散布するシャンプー散布パイプ8と、自動車車体に水とコーティング剤を選択的に散布するコーティング散布パイプ9と、自動車車体に水を散布する水散布パイプ10とを備えている。各散布パイプ8・9・10は、それぞれアーチ状に形成され、車体の上面及び側面に各処理剤を散布する。
図2は給水系を示す配管図である。給水系は、貯水タンク11内に備えた水中ポンプ12によって給水され、シャンプー散布パイプ8に至る管路13と、コーティング散布パイプ9に至る管路14と、水散布パイプ10に至る管路15とを備えている。管路13には、シャンプータンク16と連通したシャンプー管路17が接続されており、シャンプー管路17に設けたチューブポンプ18により定量のシャンプーを吸い上げ、管路13内にシャンプーが混入される。管路14には、A液タンク19と連通したA液管路20と、B液タンク21と連通したB液管路22が接続されており、A液管路20に設けたチューブポンプ23により定量のA液を吸い上げるとともに、B液管路20に設けたチューブポンプ24により定量のB液を吸い上げ、管路14内にA液とB液が混入される。各管路13・14・15は、それぞれ電磁弁25・26・27によって開閉制御される。
このような構成の門型洗車機で、A液とB液は別のタンク19・21に保存され、塗布する直前に管路14内で混合されて低圧ポンプ12により散布される。尚、本出願人により、A液とB液を各倍率に希釈した混合液を50℃環境下に2週間放置し、乳化しているシリコーン等が容器内に付着しないかを確認する希釈安定性試験を実施したところ、希釈液に付着が見られないことを確認した。このため、A液とB液を管路内で混合しても管路内壁等に付着し、管路詰まりを引き起こす可能性は低い。
(試験)
試験は、上記組成の試料A液、B液でコーティングされた車体面を使用し、車体面の撥水性試験・光沢試験・被膜の均質性試験・滑り性試験を実施する。各試験は、下記の評価基準に基づいて判定する。
<試験1> 撥水性試験
車体面に水を散布して車体面の撥水状態を目視判定した。
<試験2> 光沢試験
車体面の光沢を、目視により未処理部分と比較判定した。
<試験3> 被膜の均質性試験
車体面の被膜の均質性を、目視により未処理部分と比較判定した。
<試験4> 滑り性試験
車体面に500gの分銅をペーパータオルで包み、車体面の傾斜面に静かに載せて、これが滑り落ちる速さを目視により比較判定した。
(評価基準)
各試験方法の評価基準は次の通りである。
<試験1> 撥水性試験(目視判定)
○:水滴が球形に近く、水滴残りが少ない。
△:水滴が半円形に近く、水滴残りがやや多い。
×:水滴が不均一で、水濡れする部分がある。
<試験2> 光沢試験(目視判定)
○:明らかな光沢の向上が観られた。
△:やや光沢の向上が観られた。
×:未処理部分とほとんど光沢の差異がない。
<試験3> 被膜の均質性試験(目視判定)
○:ムラがなく均質な被膜が得られた。
△:ややムラはあるが殆ど均質な被膜が得られた。
×:ムラが多く不均質な被膜である。または未処理部分とほとんど光沢の差異がないため判定不可。
<試験4> 滑り性試験(目視判定)
○:手を離すと直ぐに滑り落ちる。
△:ゆっくりと滑り落ちる。
×:未処理部分とほとんど差異が無くあまり滑らない。
(実施例)
<実施例1>
試料A-1と試料B-1を洗車機の管路内で混合して自動車の塗装面に低圧塗布してコーティングされた車体面を作成する。この車体面で試験1〜4を実施し、評価基準に基づいて車体面のコーティングを評価した。評価結果を表3に示す。
<実施例2>
試料A-1と試料B-2を洗車機の管路内で混合して自動車の塗装面に低圧塗布してコーティングされた車体面を作成する。この車体面で試験1〜4を実施し、評価基準に基づいて車体面のコーティングを評価した。評価結果を表3に示す。
<実施例3>
試料A-2と試料B-1を洗車機の管路内で混合して自動車の塗装面に低圧塗布してコーティングされた車体面を作成する。この車体面で試験1〜4を実施し、評価基準に基づいて車体面のコーティングを評価した。評価結果を表3に示す。
<実施例4>
試料A-2と試料B-2を洗車機の管路内で混合して自動車の塗装面に低圧塗布してコーティングされた車体面を作成する。この車体面で試験1〜4を実施し、評価基準に基づいて車体面のコーティングを評価した。評価結果を表3に示す。
(比較例)
<比較例1>
試料A-1と試料B-3を洗車機の管路内で混合して自動車の塗装面に低圧塗布してコーティングされた車体面を作成する。この車体面で試験1〜4を実施し、評価基準に基づいて車体面のコーティングを評価した。評価結果を表3に示す。
<比較例2>
試料A-2と試料B-3を洗車機の管路内で混合して自動車の塗装面に低圧塗布してコーティングされた車体面を作成する。この車体面で試験1〜4を実施し、評価基準に基づいて車体面のコーティングを評価した。評価結果を表3に示す。
<比較例3>
試料A-3と試料B-1を洗車機の管路内で混合して自動車の塗装面に低圧塗布してコーティングされた車体面を作成する。この車体面で試験1〜4を実施し、評価基準に基づいて車体面のコーティングを評価した。評価結果を表3に示す。
<比較例4>
試料A-3と試料B-2を洗車機の管路内で混合して自動車の塗装面に低圧塗布してコーティングされた車体面を作成する。この車体面で試験1〜4を実施し、評価基準に基づいて車体面のコーティングを評価した。評価結果を表3に示す。
<比較例5>
試料A-3と試料B-3を洗車機の管路内で混合して自動車の塗装面に低圧塗布してコーティングされた車体面を作成する。この車体面で試験1〜4を実施し、評価基準に基づいて車体面のコーティングを評価した。評価結果を表3に示す。
<比較例6>
試料A-1を塗布した後、試料B-1を塗布してコーティングされた車体面を作成する。この車体面で試験1〜4を実施し、評価基準に基づいて車体面のコーティングを評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 0006809837
(評価結果評論)
実施例1・3は、「撥水性」・「光沢」・「被膜の均質性」・「滑り性」について一様に高い性能が確認された。
実施例2・4は、成分(2)のカチオン基を有さない直鎖シロキサン構造を有するオルガノポリシロキサンに、動粘度12500mm/sのジメチルポリシロキサンを採用したため、実施例1・3に比べて、ややコーティングにムラが見られ「被膜の均質性」が低評価となった。
比較例1・2は、成分(2)のカチオン基を有さない直鎖シロキサン構造を有するオルガノポリシロキサンの代わりに、環状シロキサン構造を有する動粘度4mm/sのシクロペンタシロキサンを採用したため、「被膜の均質性」は良好であるが、被膜が薄いため、「撥水性」と「光沢」は低い評価結果となり、「滑り性」はコーティングによる効果が認められなかった。
比較例3〜5は、成分(1)のカチオン基を有する吸着成分の代わりに、アニオン基を有する吸着成分であるポリアクリル酸ナトリウムを採用したため、車両表面に対する吸着性が乏しく「撥水性」・「光沢」・「被膜の均質性」・「滑り性」について一様に効果が認められなかった。
比較例6は、「撥水性」・「光沢」・「被膜の均質性」・「滑り性」について一様に低い評価結果となった。
上記試験結果より、車体面に高度な「撥水性」・「光沢」・「被膜の均質性」・「滑り性」を付与し、塗布ムラがなく均一に塗布させるには、実施例1〜4が有効であり、特に成分(2)にカチオン基を有さない直鎖シロキサン構造で動粘度1〜10000mm/sの範囲のオルガノポリシロキサンを用いることが有効であることが確認された。
従って、カチオン基を有する吸着成分(1)及び水から構成されるA液と、カチオン基を有さない直鎖シロキサン構造を有するオルガノポリシロキサン(2)、及び又はトリメチルシロキシケイ酸(3)、非イオン性界面活性剤(4)及び水から構成されるB液の2液からなる車両コーティング剤を管路内で混合させてから車体面に塗布することで、簡便且つ迅速にコーティング剤を作用させ、仕上がりがよいコーティング剤の塗布が実現する。
A液を塗布した車体面にB液を塗布すると、吸着基を持たないB液が車体面にうまく吸着されず流されてしまうが、A液とB液を管路内で混合させて塗布することで、A液の吸着基が車体表面への吸着力を確保しながら、B液の成分とも吸着するため、車体面に「撥水性」・「光沢」・「被膜の均質性」・「滑り性」を与えることができると推測される。
(使用態様)
続いて、このコーティング剤の塗布方法を用いた車体処理について、前記洗車機での使用態様に基づいて説明する。尚、ここでは洗車機が自動車を跨いで往復走行し、自動車に対して洗浄・乾燥を順次実行する門型洗車機を採用した例を説明するが、ブラシを有しないノンブラシ洗車機や手持ちのスプレーガンから液剤を噴射するスプレー洗車機等でも使用でき、本発明を逸脱しない範囲で採用できる。
自動車を所定の停車位置に停車させ、洗車コースを選択した後、スタート入力すると、洗車が開始する。コーティング剤塗布を行う洗車コースでは、本体フレーム1が自動車を2.5往復する間に、洗車処理が実行され、本体フレーム1の第1往行でシャンプー洗浄工程、第1復行・第2往行・第2復行でコーティング工程、第3往行で乾燥工程が順次実行される。尚、この洗車コースも特に限定されるものではない。
このうち、コーティング工程では、コーティング剤散布パイプ9からコーティング剤を散布し、トップブラシ4とサイドブラシ5を回転して車体面のコーティングを行う。コーティング剤は、吸着成分を有するA液と撥水・光沢成分を有するB液とを散布直前に管路14内で混合して車体面に塗布される。これより、相溶性の悪い2液を別のタンクで保存しておき、乳化安定剤を多量に含有することで車体面への吸着性を低下させるといった問題を解決できる。また、本体フレーム1の1行路でA液を塗布した後、続く1行路でB液を塗布する必要がなくなるため、限られた洗車工程の中でコーティング剤を複数回塗布することができ、洗車時間を短縮して車体面のコーティングを行うことができる。更に、A液の吸着成分で車体面への吸着とB液との吸着が得られるため、コーティング剤の塗布圧を低くすることができ、高圧系の設備を持たない洗車機にも導入可能で、コストを抑えながら汎用性の高い製品を提供できる。
1 本体フレーム
8 シャンプー散布パイプ
9 コーティング散布パイプ
10 水散布パイプ
12 ポンプ
16 シャンプータンク
19 A液タンク
21 B液タンク

Claims (2)

  1. A液とB液を管路内で混合した車両コーティング剤を車体面に塗布する方法であって、
    前記A液は、
    カチオン基を有する吸着成分に陽イオン性界面活性剤の塩化ジデシルジメチルアンモニウムを採用し、これをイオン交換水に加え、混合撹拌したもの、又は、
    カチオン基を有する吸着成分に動粘度1000mm /s・アミノ当量1800g/molのアミノ変性ポリシロキサンを採用し、これに非イオン性界面活性剤のHLB11.4のポリオキシエチレンアルキルエーテルを加え、両者を混合撹拌したものにイオン交換水を加えたもの、であり、
    前記B液は、
    カチオン基を有さない直鎖シロキサン構造を有するオルガノポリシロキサンに動粘度350mm /sのジメチルポリシロキサンを採用し、トリメチルシロキシケイ酸に有効成分濃度16質量%のトリメチルシロキシケイ酸水性エマルションを採用し、非イオン性界面活性剤にHLB11.4のポリオキシエチレンアルキルエーテルを採用し、これらを混合撹拌したものにイオン交換水を加えたもの、又は、
    カチオン基を有さない直鎖シロキサン構造を有するオルガノポリシロキサンに動粘度12500mm /sのジメチルポリシロキサンを採用し、トリメチルシロキシケイ酸に有効成分濃度16質量%のトリメチルシロキシケイ酸水性エマルションを採用し、非イオン性界面活性剤にHLB11.4のポリオキシエチレンアルキルエーテルを採用し、これらを混合撹拌したものにイオン交換水を加えたもの、である
    ことを特徴とする車両コーティング剤の塗布方法。
  2. 上記請求項1記載のA液及びB液をそれぞれ別のタンクに保存し、該タンクから所定量ずつ取り出して同一管路内で合流混合した後、車体面に向けてコーティング剤を塗布する機能を備えた車両コーティング剤の塗布装置。
JP2016153424A 2016-08-04 2016-08-04 車両コーティング剤の塗布方法及び塗布装置 Active JP6809837B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016153424A JP6809837B2 (ja) 2016-08-04 2016-08-04 車両コーティング剤の塗布方法及び塗布装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016153424A JP6809837B2 (ja) 2016-08-04 2016-08-04 車両コーティング剤の塗布方法及び塗布装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018021130A JP2018021130A (ja) 2018-02-08
JP6809837B2 true JP6809837B2 (ja) 2021-01-06

Family

ID=61165286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016153424A Active JP6809837B2 (ja) 2016-08-04 2016-08-04 車両コーティング剤の塗布方法及び塗布装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6809837B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7048393B2 (ja) * 2018-04-04 2022-04-05 株式会社ダイフク 車両用のコーティング剤及びそれを用いた洗車機

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0687409A (ja) * 1992-04-23 1994-03-29 Mk Seiko Co Ltd 門形洗車機
JP3313255B2 (ja) * 1995-01-13 2002-08-12 株式会社ヤスヰ 自動塗布方法に用いるコーティング剤
JP3769710B2 (ja) * 1997-10-20 2006-04-26 株式会社ソフト99コーポレーション 自動車用洗浄剤組成物
JP3577285B2 (ja) * 2001-03-29 2004-10-13 横浜油脂工業株式会社 新規コーティング剤
JP2003192997A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Wilson:Kk 塗装面の二液性洗浄艶出し剤
KR20030056112A (ko) * 2001-12-27 2003-07-04 주식회사 폴리테크 자동세차기용 환경 친화적 수용성 왁스 조성물
JP2004339305A (ja) * 2003-05-14 2004-12-02 Wacker Asahikasei Silicone Co Ltd カーポリッシュ
JP5631658B2 (ja) * 2009-08-20 2014-11-26 株式会社ソフト99コーポレーション 高圧噴付用撥水処理剤、および、車両表面の撥水処理方法
US8349062B2 (en) * 2010-01-13 2013-01-08 3M Innovative Properties Company Composition for washing and waxing a motor vehicle
JP5682095B2 (ja) * 2011-05-18 2015-03-11 スリーボンドファインケミカル株式会社 コーティング層及びコーティング層形成方法
JP6302773B2 (ja) * 2014-07-02 2018-03-28 エムケー精工株式会社 車両コーティング剤及びそれを用いた車体処理方法及び車体処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018021130A (ja) 2018-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7381250B2 (en) Interior protectant/cleaner composition
JP5246657B2 (ja) 洗車方法および洗車機
JP5631658B2 (ja) 高圧噴付用撥水処理剤、および、車両表面の撥水処理方法
JP6809837B2 (ja) 車両コーティング剤の塗布方法及び塗布装置
JP2018172491A (ja) 安定性に優れ、環境に対する負荷が小さいアミノ変性シリコーンエマルジョン組成物
JP3523950B2 (ja) 車両塗装面用処理剤
TW201038501A (en) Scratch masking coating for glass containers
US8252101B1 (en) Method and composition for polishing surfaces
US20070277697A1 (en) Product for treating vehicle surfaces
JP3313255B2 (ja) 自動塗布方法に用いるコーティング剤
JP6302773B2 (ja) 車両コーティング剤及びそれを用いた車体処理方法及び車体処理装置
JP7063840B2 (ja) エマルション撥水剤組成物
JP2018536043A (ja) プラスチック用の撥水剤配合物
JP4334260B2 (ja) 光沢撥水付与組成物、その製造方法及び自動塗布方法
JP4291075B2 (ja) 車輌用撥水剤の塗布方法
JP4344802B2 (ja) 防汚性塗膜形成剤及びそれを用いた防汚性塗膜形成方法
JP4936240B2 (ja) 車両表面のコーティング剤および車両表面のコーティング方法
JP2004339305A (ja) カーポリッシュ
JP4713865B2 (ja) 水性コーティング剤およびこの水性コーティング剤のコーティング方法
TWI789494B (zh) 撥水劑組成物
JPH0953050A (ja) 撥水性つや出し剤
JP4121680B2 (ja) 洗車方法
JP4971596B2 (ja) 水性硬表面滑水コーティング組成物、それを用いた硬表面水洗仕上処理方法及び洗車方法
US20230052983A1 (en) Waxing Composition and Method of Use
JP2006316201A (ja) 水性シャンプー兼撥水コート組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160907

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160829

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200518

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6809837

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250