JP6808038B2 - 工具寿命検出装置および工具寿命検出方法 - Google Patents

工具寿命検出装置および工具寿命検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、機械加工時に使用する工具の工具寿命検出装置および工具寿命検出方法に関するものである。
切削加工において使用する工具は、個体差により不良が発生するまでの寿命バラツキが大きい。そのため、工具の寿命を管理する場合には、例えば、平均的な寿命を目安として、一定の加工回数だけ使用した場合に工具を交換するという方法が考えられる。
しかしながら、このような寿命管理方法では、工具が平均的な寿命と比較して短寿命である場合、工具の加工性能の低下によって製品不良が発生してしまう虞がある。一方、工具が平均的な寿命と比較して長寿命である場合には、寿命到達前に工具を交換することになるため、ロスコストとなってしまうという問題がある。
また、部品を1個加工するごとに工具の摩耗および欠損の状態を直接観察して、寿命を判定する方法も考えられる。しかしながら、部品を1個加工するごとに工具の状態を観察する工程が必要となって生産性が低下するため、実用的ではない。
これに対して、従来から、主軸モータの電力、動力、トルクまたは電流値などをリアルタイムで測定し、測定値を基準値と比較することにより、工具の寿命を検出する工具寿命検出方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。特許文献1には、1個の部品を加工する際の主軸モータにおける最大消費電力もしくは電力振動振幅値を測定し、基準値と比較することによって工具の寿命を判定する方法が開示されている。
また、特許文献2には、1個の部品を加工する際の主軸モータにおける累計消費電力量と基準消費電力量とを比較し、比較結果に応じて工具の寿命を判定する方法が開示されている。このとき、累計消費電力量は、工具が加工せずに空転している場合に消費される電力に相当する量を除いている。また、基準消費電力量は、新品の工具を使用して加工した1つ目の部品加工データを使用している。
さらに、特許文献3には、被加工物の材質に応じて工具の使用時間を補正することによって工具の交換時期を推定する方法が開示されている。なお、この場合には、外乱負荷トルクの積算値もしくは変化率を用いて工具の寿命が判定されるようにすることもできる。
特開平6−320396号公報 特開2005−22052号公報 特開平7−51998号公報
特許文献1および2に記載された工具寿命検出方法では、被加工物を加工する際の主軸モータの累積電力値、動力、トルクまたは電流値などを加工時の負荷として測定している。そして、測定された加工負荷値と予め設定された閾値とを比較し、負荷値が閾値を超えるか否かによって工具の寿命が検出される。また、特許文献3に記載された工具寿命検出方法では、被加工物の材質に応じて工具の加工負荷値を予め補正することができる。
しかしながら、加工負荷値は、加工時に発生する切り屑の排出不良および被加工物の削りにくさにも影響される。すなわち、工具の切れ味などの加工性能に変化がない場合でも、切り屑の排出不良が一時的に生じた場合には、加工負荷値が大きくなる。
そのため、単純に工具の加工負荷値のみを用いて工具寿命を検出する方法では、切り屑の排出不良などによって加工負荷値が大きいのか、あるいは、工具の加工性能が低下したことによって加工負荷値が大きいのかを明確に区別することができない。したがって、この場合には、加工時に発生する切り屑の排出不良および被加工物の削りにくさを考慮して加工負荷値の大小を判断しなければ、工具寿命を正確に検出することができない。
また、同一の材質の被加工物であっても、部品間あるいは部品内の削りにくさが変化した場合には、加工負荷値の補正で十分に対応することが困難である。そのため、工具寿命の判定精度が低下してしまう。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、工具寿命の検出精度を向上させることができる工具寿命検出装置および工具寿命検出方法を提供することを目的とする。
本発明の工具寿命検出装置は、被加工物を加工する工具の寿命を検出する工具寿命検出装置であって、前記被加工物を加工する際に前記工具に対してかかる負荷を加工負荷値として測定する加工負荷測定装置と、前記加工負荷測定装置により測定された加工回数毎の前記加工負荷値に基づき、工具の寿命を判定する信号処理装置とを備え、前記信号処理装置は、加工回数毎に測定された前記加工負荷値に基づき、前記被加工物に対する加工の難易度を示す加工難易度を、前記被加工物に対する1回の加工における前記加工負荷値の平均値または積算値と、前記被加工物に対する1回の加工における前記加工負荷値の最大値と、現時点から設定加工回数前までの加工における前記最大値の極大値と極小値との差である変化量とに基づき演算し、演算した前記加工難易度と、前記工具の寿命の判定基準を示す判定基準値とを比較し、前記加工難易度が前記判定基準値を超えた場合に、工具寿命であると判定するものである。
以上のように、本発明によれば、加工難易度と判定基準値との比較結果に応じて工具の寿命を判定することにより、工具寿命の検出精度を向上させることができる。
実施の形態1に係る工具寿命検出装置の使用形態の一例を示す概略図である。 図1の工具寿命検出装置における信号処理装置の構成の一例を示すブロック図である。 被加工物に対して1回の加工を行った場合に電流計で測定される主軸モータの負荷電流の一例を示すグラフである。 加工負荷値の最大値Aの変化量Pについて説明するための概略図である。 実施の形態1に係る工具寿命検出装置による工具寿命検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。 被加工物50に対する加工回数と加工負荷値の平均値Mとの関係を示すグラフである。 被加工物50に対する加工回数と加工負荷値の最大値Aとの関係を示すグラフである。 被加工物50に対する加工回数と最大値Aの変化量Pとの関係を示すグラフである。 被加工物への加工回数毎の加工難易度の演算結果について説明するための概略図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る工具寿命検出装置について説明する。この工具寿命検出装置は、切削加工等を行う際に使用される工具の寿命を検出するものである。
図1は、本実施の形態1に係る工具寿命検出装置1の使用形態の一例を示す概略図である。図1に示すように、工具寿命検出装置1は、例えば立形マシニングセンタ等のドリル等の工具110を備えた加工機100に接続されている。
[加工機の構成]
加工機100は、被加工物50が載置される加工機テーブル101、工具110を保持するホルダ102、シャフト103およびベアリング104を介して工具110が取り付けられる主軸105、ならびに主軸モータ106を備えている。加工機100では、主軸モータ106によって主軸105が回転駆動することによって工具110が回転する。
なお、この例では、被加工物50を加工する加工機100が立形マシニングセンタである場合について説明しているが、本実施の形態1に適用可能な加工機100は、立形マシニングセンタに限定されるものではない。また、加工機100に取り付けられる工具110についても、ドリル以外のものであってもよい。
[工具寿命検出装置の構成]
工具寿命検出装置1は、電流計10および信号処理装置20を備えている。電流計10は、被加工物50を加工する際にかかる加工負荷を測定する加工負荷測定装置として動作する。電流計10は、主軸モータ106に接続され、主軸モータ106に流れる負荷電流値を一定間隔で測定する。電流計10は、例えば図示しないA/D(Analog/Digital)変換器を備え、測定した負荷電流値をデジタル信号に変換して信号処理装置20に送る。
信号処理装置20は、電流計10で測定された負荷電流値から得られる被加工物50の加工負荷に基づき、工具110の工具寿命を検出する。ここで、「工具寿命」とは、工具110が加工性能を十分に発揮できない状態のことをいう。なお、以下では、電流計10で測定された負荷電流そのものを、被加工物50の加工負荷であるものとして説明する。
信号処理装置20は、例えばマイクロコンピュータなどの演算装置、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ、入力装置、出力装置およびHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置などのハードウェアと、演算装置上で実行されるプログラムソフトウェア等とで構成されている。
図2は、図1の工具寿命検出装置1における信号処理装置20の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、信号処理装置20は、負荷値記憶部21、難易度演算部22、難易度記憶部23、判定基準値演算部24、判定基準値記憶部25、比較判定部26、比較判定結果記憶部27、および外部報知部28で構成されている。
負荷値記憶部21は、電流計10で測定された、被加工物50を加工する際の主軸モータ106の負荷電流値が加工負荷値として記憶される。負荷値記憶部21は、電流計10によって一定間隔で測定された主軸モータ106の負荷電流値が加工負荷値として時系列毎に複数記憶される。
難易度演算部22は、負荷値記憶部21に記憶された加工負荷値に基づき、被加工物50に対する加工の難易度を示す加工難易度Hnを演算する。加工難易度Hnの詳細な演算方法については、後述する。難易度記憶部23は、難易度演算部22で演算された加工難易度Hnを記憶する。
なお、加工難易度Hnは、電流計10で測定された負荷電流値について算出する場合に限られず、例えば、主軸モータ106の電力値、トルク値、動力値、および回転角速度の少なくともいずれか1つを測定対象としてもよい。また、例えば、加工方法に応じて適切な加工難易度Hnが設定されるようにしてもよい。
判定基準値演算部24は、難易度記憶部23に記憶された加工難易度Hnが入力される。判定基準値演算部24は、工具110が新品直後から折損するまでの間の加工難易度Hnが入力された場合に、入力された加工難易度Hnに基づき、工具110の寿命の判定基準を示す判定基準値Htを演算する。判定基準値Htの詳細な演算方法については、後述する。
判定基準値記憶部25は、判定基準値演算部24で演算された判定基準値Htを記憶する。また、判定基準値記憶部25には、例えば、現在使用している工具110と同一種類の工具を使用した場合の、判定基準値演算部24で演算された判定基準値Htが予め記憶されている。そして、このような判定基準値Htが工具110の種類毎に記憶されている。
比較判定部26は、難易度演算部22で演算された加工難易度Hnと、判定基準値記憶部25に記憶された判定基準値Htとが入力される。比較判定部26は、入力された加工難易度Hnと判定基準値Htとを比較する。比較判定部26は、加工難易度Hnが判定基準値Htを超えている場合に、工具110が寿命であると判定し、表示装置等の外部報知部28に対して、工具を交換する旨の要求を出力する。比較判定結果記憶部27は、比較判定部26における比較判定結果を記憶する。
外部報知部28は、例えば、工具寿命を検出したことを示す報知を視覚的に表示するディスプレイまたはLED(Light Emitting Diode)等の表示装置からなる。また、外部報知部28としては、これに限られず、例えば、当該報知を音声によって作業者に知らせるスピーカ等の音声出力装置を適用することもできる。
外部報知部28は、比較判定部26において加工難易度Hnが判定基準値Htを超えている場合に、比較判定部26から出力される要求に基づき、工具110が工具寿命であると判定したことを示す報知を行う。
[加工難易度の演算方法]
次に、難易度演算部22における加工難易度Hnの演算方法について説明する。加工難易度Hnは、工具110の切れ味などの加工性能の影響と、加工時に発生する切り屑の詰まりによる影響とを考慮して演算される。具体的には、加工難易度Hnは、加工負荷値の平均値M、加工負荷値の最大値A、および最大値Aの変化量Pの3つのパラメータを用いて、以下の式(1)に基づき演算することができる。
Figure 0006808038
ここで、式(1)における加工負荷値の平均値Mは、1回の加工を行った場合の加工負荷値を平均したものである。平均値Mには、工具110の切れ味等の加工性能の影響が最も顕著に表れる。加工負荷値の最大値Aは、1回の加工を行った場合の加工負荷値の最大値である。最大値Aには、切り屑の詰まりによる影響が最も顕著に表れる。加工負荷値の最大値Aの変化量Pは、上述のようにして得られた加工負荷値の最大値Aについて、現時点から予め設定された加工回数前までの複数の最大値Aのうち、極大値と極小値との差を示すものである。
(加工負荷値の平均値Mおよび最大値A)
図3は、被加工物50に対して1回の加工を行った場合に電流計10で測定される主軸モータ106の負荷電流の一例を示すグラフである。被加工物50の加工は、回転している工具110を被加工物50に対して一定の送り速度で接近させ、工具110と被加工物50とが接触することによって開始される。加工が開始されると、工具110に対する負荷が増加する。それに伴い、主軸モータ106における負荷電流値は増加する。
すなわち、工具110の先端に被加工物50が接触し、工具110が移動することにより、工具110と被加工物50との接触面積が増加する。これにより、図3に示すように、主軸モータ106における負荷電流値が上昇する。そして、工具110が予め設定された分だけ掘り進んだ後、工具110の送り速度が「0」となり、主軸モータ106における負荷電流値が減少する。本実施の形態1では、工具110の先端が被加工物50に接触することによって負荷電流値が上昇した時点から、工具110の送り速度が「0」となる時点までが、加工負荷値の検出時間として設定される。
なお、主軸モータ106によって工具110を回転させると、主に主軸105とベアリング104との摩擦により、回転数に応じた空転時負荷が発生し、一定の電流値が出力される。このとき、主軸105の回転開始時には、慣性力によって非常に大きな負荷電流値が出力されることがある。この場合、負荷電流値は、工具110の寿命とは無関係である。そのため、信号処理装置20の負荷値記憶部21では、この工具寿命とは無関係な負荷電流値を除外して、負荷電流値を加工負荷値として記憶する。
例えば、信号処理装置20は、工具110と被加工物50とが接触して負荷電流値が上昇した時点から、工具110と被加工物50とが接触する直前までの予め設定された0.5秒程度の時間の負荷電流値の平均値を算出する。そして、負荷値記憶部21は、算出した負荷電流値の平均値を接触時点の負荷電流値から差し引いた値を記憶する。
図3において、被加工物50に対して1回の加工を行った場合の負荷電流値を平均したものが、上述した式(1)における加工負荷値の平均値Mとなる。また、この1回の加工を行った場合の負荷電流値のうち最も大きい値が、式(1)における加工負荷値の最大値Aとなる。
なお、加工難易度Hnを演算する際のパラメータとして、加工負荷値の平均値Mの代わりに加工負荷値の積算値Sを用いてもよい。積算値Sは、被加工物50に対して1回の加工を行った場合の加工負荷値を積算したものである。
(加工負荷値の最大値Aの変化量P)
図4は、加工負荷値の最大値Aの変化量Pについて説明するための概略図である。図4は、加工回数に対する加工負荷値である負荷電流値の最大値Aを示している。
例えば、同一工具による23回目の加工の最大値Aの変化量Pを算出する場合について考える。信号処理装置20は、例えば7加工前の17回目の加工から23回目の加工までの間で、最大値Aの極大値と、当該最大値Aの極小値とを取得する。この例では、21回目の加工時の値が最大値Aの極大値となり、17回目の加工時の値が当該最大値Aの極小値となる。そして、信号処理装置20は、取得した最大値Aの極大値および極小値の差分を変化量Pとして算出する。
なお、ここでは、加工負荷値の最大値Aの変化量Pを算出する際の加工回数の範囲を7加工分として、変化量Pを算出する場合を例にとって説明したが、変化量Pを算出する際の加工回数の範囲は、式(2)に基づき決定される。すなわち、式(2)における値Dが最も大きくなる場合の値sが、変化量Pを算出する際の加工回数の範囲となる。
Figure 0006808038
(パラメータの正規化)
ところで、加工負荷値の平均値M、加工負荷値の最大値A、および加工負荷値の最大値Aの変化量Pの3つのパラメータは、それぞれが取り得る数値範囲が大きく異なる。算出された数値そのものを用いて式(1)に基づき加工難易度Hnが演算された場合、平均値Mなどの数値範囲の大きいパラメータの影響が他のパラメータよりも大きくなる。そのため、適切な加工難易度Hnを演算することができない。
そこで、難易度演算部22は、平均値M、最大値A、および最大値Aの変化量Pのそれぞれを同じ範囲の数値として扱うことができるように、それぞれのパラメータの値を、0以上1以下の値、すなわち最小値が「0」、最大値が「1」となるように正規化する。例えば、加工負荷値の平均値Mは、式(3)に基づき正規化することができる。また、加工負荷値の最大値A、および加工負荷値の最大値Aの変化量Pについては、ここでは説明を省略するが、式(3)と同様の式に基づき正規化することができる。
Figure 0006808038
(係数a、bおよびc)
上述した式(1)において、係数a、bおよびcは、加工負荷値の平均値M、最大値Aおよび最大値Aの変化量Pのそれぞれが寿命に与える影響の重みを決定するものである。係数a、bおよびcは、新品工具への交換直後に予め設定された回数だけ加工した際の加工難易度Hの平均値と、工具110が折損する前の予め設定された回数分の加工難易度Hの平均値との差が最も大きくなる場合の値が正規化されて用いられる。すなわち、係数a、bおよびcは、式(4)における値Dが最も大きくなる場合の値に決定される。なお、式(4)で用いられる加工難易度Hnの値についても、式(5)に基づき正規化される。
Figure 0006808038
Figure 0006808038
[判定基準値の演算方法]
次に、判定基準値Htの演算方法について説明する。本実施の形態1では、事前に測定された同一種類の工具110における加工負荷値を用いて得られる、工具110が折損する前の設定回数分の加工難易度Hの平均値が、判定基準値Htとして設定される。事前に測定された加工負荷値とは、現在使用している工具110と同様の工具を使用した場合に、新品直後から折損するまでに得られた加工負荷値である。判定基準値Htは、係数a、bおよびcを算出する場合と同様に、工具110の折損前の設定回数分の加工難易度Hの平均値を算出することによって得ることができる。
[工具寿命検出処理]
次に、本実施の形態1に係る工具寿命検出装置1による工具寿命検出処理について説明する。図5は、本実施の形態1に係る工具寿命検出装置1による工具寿命検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、被加工物50に対する加工が開始されると、電流計10は、工具110が取り付けられた主軸105を駆動する主軸モータ106に流れる負荷電流値を測定する。測定された負荷電流値は、加工負荷値として信号処理装置20の負荷値記憶部21に記憶される。なお、負荷電流値の測定は、予め設定された時間毎に繰り返される。
次に、ステップS2において、難易度演算部22は、負荷値記憶部21に記憶された加工負荷値に基づき、加工負荷値の平均値M、加工負荷値の最大値A、およびこの最大値Aの変化量Pを算出する。そして、難易度演算部22は、平均値M、最大値Aおよび変化量Pに基づき、加工難易度Hnを演算する。
ステップS3において、比較判定部26は、難易度演算部22で演算された加工難易度Hnと、判定基準値記憶部25に記憶された判定基準値Htとを比較する。比較の結果、加工難易度Hnが判定基準値Htを超えている場合(ステップS3;YES)には、処理がステップS4に移行する。
ステップS4において、比較判定部26は、工具110が寿命に達し、被加工物50に対する加工の継続が困難であると判定し、工具110の交換を報知するための工具交換要求信号を出力する。比較判定部26から出力された工具交換要求信号は、比較判定結果記憶部27に記憶される。また、ステップS5において、外部報知部28は、工具交換要求信号に基づき、光、映像または音声等によって工具110の交換を作業者に対して報知する。
一方、ステップS3において、加工難易度Hnが判定基準値Ht以下である場合(ステップS3;NO)には、ステップS6において、被加工物50に対する加工が継続される。そして、ステップS7において、演算された加工難易度Hnが難易度記憶部23に記憶され、処理がステップS1に戻る。
このように、本実施の形態1では、加工回数毎に測定された加工負荷値に基づき得られる加工難易度と、判定基準値とを比較し、加工難易度が判定基準値を超えた場合に工具110が工具寿命であると判定する。このように、加工回数毎の加工負荷値の変動を考慮することにより、工具寿命の検出精度が向上する。また、被加工物50に対する加工による加工負荷値の平均値M、加工負荷値の最大値A、および最大値Aの変化量Pを考慮して、工具110の寿命を検出することにより、工具寿命の検出精度がより向上する。
[工具寿命検出処理の具体例]
次に、上述した工具寿命検出処理の具体例について説明する。ここでは、工具110として直径3mmのドリルを用い、被加工物50としてのアルミブロックに50mmの深穴加工を施す場合を例にとって説明する。なお、加工機100として、キラ・コーポレーション社製の立形マシニングセンタ「HPC−30Vb」を使用し、工具110として、三菱マテリアル社製のドリル「WSTARMNS0300X20DB」を使用した。また、この例では、工具110であるドリルの回転数を9550[rpm]とし、送り速度を0.15[mm/rev]として、被加工物50に加工を行った。
図6は、被加工物50に対する加工回数と加工負荷値の平均値Mとの関係を示すグラフである。図7は、被加工物50に対する加工回数と加工負荷値の最大値Aとの関係を示すグラフである。図8は、被加工物50に対する加工回数と最大値Aの変化量Pとの関係を示すグラフである。
まず、図6〜図8に示すように、被加工物50に対する加工回数毎に、加工負荷値の平均値M、加工負荷値の最大値A、および最大値Aの変化量Pのそれぞれのパラメータが算出される。また、図示しないが、これらのパラメータは、最小値が「0」、最大値が「1」となるように正規化される。なお、この例では、被加工物50に対する加工回数が33回の時点で、工具110が折損した。
次に、式(1)に基づき、加工難易度Hnが算出され、正規化される。また、新品の工具110に交換した直後の1回目の加工〜7回目の加工までの7加工分の加工難易度Hと、折損前の10回目の加工〜16回目の加工までの7加工分の加工難易度Hとの差が最も大きくなる係数a、bおよびcは、それぞれ「a=0」、「b=0.03」および「c=0.97」と算出された。
図9は、被加工物50への加工回数毎の加工難易度Hnの演算結果について説明するための概略図である。図9では、加工回数毎の加工難易度Hnと判定基準値Htとの関係が示されている。ここでは、工具110が折損する前の7加工分の加工難易度Hの平均値に基づき、判定基準値Htは、「1.04」に設定されている。
この例では、加工回数が25回目となった時点で、加工難易度Hnが判定基準値Htを超えることになり、この時点で外部報知部28によって工具110の交換が報知される。仮に、工具110を交換しない場合には、加工回数が33回目の時点で工具110が折損してしまうため、工具寿命の検出精度が向上していることがわかる。
以上のように、本実施の形態1に係る工具寿命検出装置1は、加工回数毎に測定された加工負荷値に基づき、被加工物50に対する加工難易度を演算し、演算した加工難易度と工具寿命の判定基準値とを比較し、加工難易度が判定基準値を超えた場合に、工具寿命であると判定する。これにより、本実施の形態1では、工具寿命の検出精度を向上させることができる。
信号処理装置20は、被加工物50に対する1回の加工における加工負荷値の平均値Mと、被加工物50に対する1回の加工における加工負荷値の最大値Aと、現時点から設定加工回数前までの加工における最大値Aの極大値と極小値との差である変化量Pとに基づき、加工難易度Hnを演算する。さらに、判定基準値Htは、寿命と判定された同一種類の工具における、寿命と判定される前の設定加工回数分の加工難易度Hnの平均値である。これにより、工具寿命の検出精度がより向上する。
さらにまた、信号処理装置20は、工具寿命の判定結果を報知する。これにより、工具110が寿命であるか否かを作業者に報知することができる。
1 工具寿命検出装置、10 電流計、20 信号処理装置、21 負荷値記憶部、22 加工難易度演算部、23 加工難易度記憶部、24 判定基準値演算部、25 判定基準値記憶部、26 比較判定部、27 比較判定結果記憶部、28 外部報知部、50 被加工物、100 加工機、101 加工機テーブル、102 ホルダ、103 シャフト、104 ベアリング、105 主軸、106 主軸モータ、110 工具。

Claims (8)

  1. 被加工物を加工する工具の寿命を検出する工具寿命検出装置であって、
    前記被加工物を加工する際に前記工具に対してかかる負荷を加工負荷値として測定する加工負荷測定装置と、
    前記加工負荷測定装置により測定された加工回数毎の前記加工負荷値に基づき、工具の寿命を判定する信号処理装置と
    を備え、
    前記信号処理装置は、
    加工回数毎に測定された前記加工負荷値に基づき、前記被加工物に対する加工の難易度を示す加工難易度を、前記被加工物に対する1回の加工における前記加工負荷値の平均値または積算値と、前記被加工物に対する1回の加工における前記加工負荷値の最大値と、現時点から設定加工回数前までの加工における前記最大値の極大値と極小値との差である変化量とに基づき演算し、
    演算した前記加工難易度と、前記工具の寿命の判定基準を示す判定基準値とを比較し、
    前記加工難易度が前記判定基準値を超えた場合に、工具寿命であると判定する
    工具寿命検出装置。
  2. 前記信号処理装置は、
    演算した前記加工難易度を0以上1以下の値となるように正規化させる
    請求項1に記載の工具寿命検出装置。
  3. 前記判定基準値は、
    寿命と判定された同一種類の工具における、寿命と判定される前の設定加工回数分の加工難易度の平均値である
    請求項1または2に記載の工具寿命検出装置。
  4. 前記加工負荷測定装置は、
    工具を回転させる主軸モータの負荷電流値を前記加工負荷値として測定する電流計である
    請求項1〜のいずれか一項に記載の工具寿命検出装置。
  5. 前記信号処理装置は、前記工具寿命の判定結果を報知する
    請求項1〜のいずれか一項に記載の工具寿命検出装置。
  6. 前記信号処理装置は、
    前記加工負荷値に基づき、前記加工難易度を演算する難易度演算部と、
    前記加工難易度に基づき、前記判定基準値を演算する判定基準値演算部と、
    前記加工難易度と前記判定基準値とを比較し、前記工具の寿命を判定する比較判定部と
    を有する
    請求項1〜のいずれか一項に記載の工具寿命検出装置。
  7. 前記信号処理装置は、
    前記比較判定部による判定の結果を報知する報知部をさらに有する
    請求項に記載の工具寿命検出装置。
  8. 被加工物を加工する工具の寿命を検出する工具寿命検出方法であって、
    前記被加工物を加工する際に前記工具に対してかかる負荷を加工負荷値として測定するステップと、
    加工回数毎に測定された前記加工負荷値に基づき、前記被加工物に対する加工の難易度を示す加工難易度を、前記被加工物に対する1回の加工における前記加工負荷値の平均値または積算値と、前記被加工物に対する1回の加工における前記加工負荷値の最大値と、現時点から設定加工回数前までの加工における前記最大値の極大値と極小値との差である変化量とに基づき演算するステップと、
    演算された前記加工難易度と、前記工具の寿命の判定基準を示す判定基準値とを比較するステップと、
    前記加工難易度が前記判定基準値を超えた場合に、工具寿命であると判定するステップと
    を有する工具寿命検出方法。
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