JP6807928B2 - 発酵飲料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発酵飲料の製造方法に関する。より詳しくは、ホップを用いた発酵飲料の製造方法に関する。
従来、ビールテイスト飲料の製造においては、麦汁にホップを何ら処理せずに添加して煮沸する工程がよく行われている。しかし、煮沸工程における加熱はビールテイスト飲料の品質に大きな影響を及ぼすので、ホップを別途加工することでホップに含まれる成分を有効に活用する技術が検討されている。
例えば、特許文献1では、最終的な製品に付加されるホップ香気成分を低減または除去することを目的として、ホップと原料液を異なる加熱条件で別々に煮沸することで、ホップ香気成分を効率的に蒸散させながら、ホップ苦味成分を抽出する方法を開示している。具体的には、大気圧下で、90℃に加熱した溶媒にホップを加え、これらの混合物を約90〜100℃の範囲内の温度で約30〜180分間保持することで、香気成分を所定量蒸発させてα酸を溶媒中に十分抽出した後、原料液に添加している。
また、特許文献2では、ホップに含まれるα酸の異性化を改善するために、ホップ抽出物をマイクロエマルションとすることで、ホップ抽出物の液滴サイズを小さくして比表面積を増大し、麦汁への苦味成分付与を行っている。ここで、ホップ抽出物としては液体又はペースト状のものが用いられており、それを水性流体と混合して剪断攪拌によりマクロエマルションを生成した後、100バールより高い圧力まで加圧し、次いで圧力緩和することでマイクロエマルションを生成する方法が採用されている。また、エマルションの生成中には異性化の温度条件とすることでα酸のイソ化も進行するため、このように調製されたホップ加工物を用いることで、麦汁の煮沸時間を大幅に短縮できると記載されている。
特開2009−77730号公報 特表2014−511707号公報
しかしながら、特許文献1の方法では苦味成分のみを考慮したものであり、近年の消費者の嗜好の多様化には十分対応できないものである。また、特許文献2の方法は煩雑な操作を経ることから、更なる改良が求められる。
本発明の課題は、良好な苦味を有しながら、より芳醇でフルーティーな香りを有する発酵飲料の製造方法を提供することにある。
本発明は、密閉容器内で、ホップ含有水を温度100℃以上130℃以下、圧力0.01MPa以上0.36MPa以下の条件下で処理したホップ処理物を、密閉容器から原料液に添加後、酵母を加えて発酵させることを特徴とする、発酵飲料の製造方法に関する。
本発明の製造方法により、良好な苦味を有しながら、より芳醇でフルーティーな香りを有する発酵飲料を造りこむことが可能になる。
本発明の発酵飲料の製造方法は、特定の高温高圧処理を施したのち、解圧前に冷却したホップ処理物を用いることに大きな特徴を有する。
従来、発酵飲料の香味調整には、煮沸工程の初期にホップを添加して苦味を十分抽出した上で、香り付けには別途ホップを添加するといった、複数回のホップ添加がよく行われている。しかしながら、ホップ含有水を特定の高温高圧処理に施す、即ち、密閉容器内において沸騰温度よりも高い温度で加圧して煮沸することにより、ホップからの苦味成分の抽出が促進されるだけでなくα酸の異性化も促進されてイソα酸量が増加することを本発明者らが初めて見出した。またその際に、フルーティー香成分であるethyl 2 methyl butyrate(E2MB)や3 methyl butyrate、3-hexenoic acid ethyl esterの前駆体(例えば、2-methyl butanoic acid、3-methyl butanoic acid、3-hexenoic acid)も生成されることになるが、当該前駆体は上面酵母によりエステル化されてフルーティーな香りを呈する成分に生成されるため、当該高温高圧処理によって多くの前駆体が生成されることで、本発明の製造方法により得られる発酵飲料がより芳醇でフルーティーな香りを有するものになると推定される。ただし、これらの推測は、本発明を限定するものではない。なお、本明細書において、前記高温高圧処理のことを、単に、本発明の処理と記載することもある。
本明細書における「発酵飲料」とは、穀類を原料の一部として使用し、発酵させた飲料をいい、望ましくは、麦、中でも麦芽を原料の一部として使用して製造したアルコール含有飲料をいう。具体的には、ビール、発泡酒、低アルコール麦芽発酵飲料(例えばアルコール分1%未満の麦芽発酵飲料)等をあげることができ、日本における酒税法上の酒類の分類上、ビール、発泡酒、リキュール類、スピリッツ類に分類される発酵麦芽飲料である。
以下に、ホップ処理物の調製方法について説明する。
本発明におけるホップ含有水とは、ホップと水を原材料として含有するもののことを言う。即ち、本発明におけるホップ含有水とは、ホップと水を単に混合したものだけでなく、ホップと水を混合した後に何らかの処理(例えば、攪拌処理)を行ったものであってもよい。
本発明で用いられるホップとしては、毬花(未受精の雌花が成熟したもの)全体そのまま又は粉砕したものを用いることができる。また、ホップを乾燥しただけの「乾燥毬花」、乾燥毬花を粉砕しペレット状にしたホップペレット、苞ホップ(毬花からルプリンを大幅に除去した加工品)、ホップエキス等のホップ加工品を用いることもできる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。なお、ホップの産地、品種も特に限定されず、製造する発酵飲料の香味に応じて適宜選択して使用することができる。
また、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲内で、水以外に、他の溶媒を用いることができる。他の溶媒としては、水性溶媒であればよく、含水アルコール等を用いることができる。水を含めた全溶媒における水の含有量としては、飲食品への配合を考慮すると、99.5質量%以上が好ましく、99.8質量%以上がより好ましく、99.9質量%以上が更に好ましい。なお、本明細書において、水と他の溶媒を含む全溶媒のことを総じて、単に処理溶媒と記載することもある。
処理溶媒のpHは、特に限定されないが、好ましくは4.5〜9.5であり、より好ましくは5.0〜8.5である。
前記処理溶媒にホップを混合するが、含有水中のホップ(固形分)濃度としては特に限定されないが、処理効率の観点から、30g/L以上、あるいは、45g/L以上が例示される。なお、本発明では、高温高圧処理中に処理溶媒が蒸発することがないため、得られるホップ処理物におけるホップ濃度は前記からほぼ変動しないものである。ここでのホップ固形分とは、添加前のホップ乾燥重量のことを意味する。
かかるホップ含有水を本発明では密閉容器内で加熱する。密閉容器とは、後述する高温高圧処理中に外部を完全に遮断した閉鎖空間を形成できる容器のことを意味し、処理時間以外は外部への開口部や外部との連絡路を有するものであってもよい。本発明では、高温高圧に耐えられる構造のものであればよく、例えば、処理時間以外は麦汁煮沸槽や沈殿槽等と配管を介して繋がる公知の処理槽(タンク)であって、処理中には弁を閉めて前記したような閉鎖空間を作れるものを用いることができる。なお、処理槽は、金属等の成分が溶出したり、有害物質が生成しないような材質であればよく、無用の反応や腐食、劣化などを防ぐためステンレスなどの素材が好ましいがこれに限定されるものではない。
本発明では、前記したような処理槽にホップ含有水を充填して高温高圧処理を行なうが、効率よく処理を行なう観点から、ホップ含有水が占める部分を除いた残りの空間体積が、次の少なくとも1つを満足する状態で処理が行なわれることが好ましい。即ち、処理槽の空隙部分の体積空間が、(i)処理槽の全体体積中、好ましくは50体積%以下、より好ましくは30体積%以下、更に好ましくは10体積%以下(下限は特に設定されない)となるようホップ含有水が充填されている状態、及び/又は(ii)窒素置換又は酸素置換されている状態、であることが好ましい。
高温高圧処理での処理温度としては、100℃以上130℃以下となる温度であればよいが、異性化を促進する観点から、105℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましい。また、香気成分の分解を抑制する観点から、125℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。なお、本明細書において、処理温度とは処理槽を加熱する装置の設定温度のことを意味するが、内容物の温度が前記温度範囲内となるよう設定することが好ましい。内容物の温度は、例えば、装置に付帯した温度計により測定することができる。
高温高圧処理での処理圧力としては、0.01MPa以上0.36MPa以下となる圧力であればよい。本明細書で「圧力」というときは「ゲージ圧力」を意味する。従って、例えば「圧力0.01MPa」は絶対圧力に換算すると、大気圧に0.01MPaを加えた圧力を意味する。なかでも、異性化を促進する観点から、0.05MPa以上が好ましく、0.10MPa以上がより好ましい。また、上限は用いる処理槽の耐圧によって一概には設定されないが、フルーティー香成分の前駆体の生成を促進する観点から、0.30MPa以下が好ましく、0.27MPa以下がより好ましい。
よって、好適な処理温度と処理圧力の組み合わせとしては、例えば、100℃・0.01MPaの条件、105℃・0.12MPaの条件、110℃・0.14MPaの条件、115℃・0.17MPaの条件、120℃・0.20MPaの条件、125℃・0.24MPaの条件、130℃・0.27MPaの条件等が挙げられる。
処理時間としては、処理槽の大きさや処理温度、圧力によって一概には設定されないが、例えば、60L容程度のタンクを用いて110〜120℃の加圧処理を行なう場合は、処理温度に到達後15〜60分間が好適であり、15〜30分間がより好適である。なお、ここでの処理時間とは加熱を継続している時間のことであり、その間の圧力は継続して前記圧力を示す必要はなく、部分的に前記圧力を示せばよい。
また、本発明においては、高温高圧の処理を行なった後には、香気成分の容器外への蒸散を抑制する観点から、密閉容器の圧を解除せずに内容物の温度が下がるまで待つことが好ましい。内容物の温度が下がることにより、香気成分の容器外への蒸散が抑制されて得られる処理物に香気成分をより多く吸収させることが可能となるからである。内容物の温度としては、香気成分の吸収促進の観点から、好ましくは90℃以下、より好ましくは70℃以下、更に好ましくは50℃以下、更に好ましくは40℃以下である。また、下限は特に限定されないが、作業性の観点から、10℃程度である。温度の低下方法としては特に限定はなく、積極的に冷却しても、自然放冷であってもよい。
また、得られた処理物に対しては、公知の処理(例えば、ろ過、濃縮、分画、乾燥等)を行ってもよいが、本発明においては、より多くの香味成分を付与する観点から、残渣も含めた処理物全体をそのまま用いることが好ましい。具体的には、例えば、麦汁煮沸槽にそのまま処理物全体を添加して麦汁と共に更なる煮沸を行ってもよく、また、沈殿槽に添加して麦芽粕と残渣を沈殿させてもよく、発酵タンクにそのまま添加してもよい。
かくして、ホップ処理物が得られる。得られたホップ処理物は、α酸の抽出が十分に行われ、イソα酸の前駆体の生成が進行し、かつ、イソ化の進行量も多いものである。ホップ処理物の各成分含有量は一概には設定されないが、例えば、開口部を有する処理槽を用いて開放系で100℃で処理する以外は同様にして得られた処理物と対比すると、本発明により得られたホップ処理物のイソα酸量は、好ましくは1.1質量倍以上、より好ましくは1.2質量倍以上であり、上限は特に設定されない。また、フルーティー香前駆体量として、例えば、E2MBの前駆体量は、好ましくは1.2質量倍以上、より好ましくは1.5質量倍以上であり、上限は特に設定されない。
本発明の発酵飲料の製造方法は、前記ホップ処理物を原料液に添加する工程を行う以外は、当業者に知られる通常の方法に従って行なうことができる。ここで、原料液とは、水、麦汁、液糖等を意味する。例えば、麦芽等の麦、他の穀物、でんぷん、及び糖類からなる群より選ばれる少なくとも1種に加え、必要に応じ、苦味料、色素などの原料を、仕込釜又は仕込槽に投入し、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせた後、穀皮等を濾過により取り除いて麦汁を得る。次いで得られた麦汁に本発明のホップ処理物を、必要により、公知のホップ(ホップ加工品)と共に添加して煮沸して、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除いて、清澄麦汁を得る。あるいは、得られた麦汁を清澄タンクに投入する際に、本発明のホップ処理物を共に添加して凝固タンパク質などの固形分を取り除いて、清澄麦汁を得る。これらの糖化工程、煮沸・清澄化工程、固形分除去工程などにおける条件は、公知の条件を用いればよい。
次いで、前記で得られた清澄麦汁に酵母を添加して発酵を行なわせ、必要に応じ濾過機などで酵母を取り除いて製造することができる(発酵工程ともいう)。本発明で用いられる酵母としては、ビール酵母であり、上面発酵酵母であっても、下面発酵酵母であってもよいが、本発明においてはイソα酸前駆体がより多く生成されていることから、上面酵母を用いることが好ましい。また、発酵条件は、知られている条件を用いればよい。なお、発酵開始後に本発明のホップ処理物を更に添加してもよい。更に、貯酒、必要により炭酸ガスを添加して、濾過・容器詰め、必要により殺菌の工程を経て、本発明の発酵飲料を得ることができる。
かくして、本発明の製造方法により、ホップ由来の苦味や香気が十分付与された発酵飲料を得ることができる。本発明においては、かかるホップ処理物を用いることで、香味調整を一度に行えるという優れた効果が奏される。
また、本発明は、前記した高温高圧処理を行なって得られる、ホップ処理物を提供する。
本明細書における「ホップ処理物」とは、本発明の処理により得られた処理物をいい、さらにその二次加工品を含む。一例として、処理物中の残渣を除いてからエタノールを溶剤としたホップエキスや、炭酸ガスを溶剤としたホップエキス(乾燥した亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素を溶剤に用いて得られたホップエキス(特許第3155003号、特許第3513877)も含む。)や、イソ化ホップ、還元ホップ、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップなどのホップ加工品が挙げられる。
本発明はまた、本発明のホップ処理物の製造方法を提供する。具体的には、密閉容器内で、ホップ含有水を温度100℃以上130℃以下、圧力0.01MPa以上0.36MPa以下の条件下で処理する工程を含むものであればよい。なお、前記で使用する原料や装置、反応条件については、前述の通りである。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
試験例1(ホップ処理物)
ホップペレット(品種:Saaz、産地:チェコ)を表1に示す濃度となるよう水と混合し、得られた混合物を表1に示す処理槽を用いて、表1に示す条件で処理を行なった。得られた処理物は表1に示す温度となるまで自然放冷し、その後、内容物について各成分の含有量を下記測定方法に従って測定した。結果を表1に示す。なお、処理槽として、開放系又は密閉系の処理槽とは、60L容の処理槽において処理中に栓が完全に出来た場合を密閉系、栓を開けた場合を開放系とした。いずれも、処理槽における処理前のホップ含有水体積は、処理槽全体積中の50〜90体積%となる量(空隙部分の空間体積50〜10体積%)充填した。また、処理後のホップ含有水濃度は、処理後の水分減量量から算出により求めた値である。
<イソα酸量>
EBC(European Brewery Convention)が発行している分析法の規定「Analytica−EBC」のMethod 7.7に記載されている方法に従って定量し、比較例1の含有量を1として換算量を算出した。
<E2MB前駆体量>
ASBC(The American Society of Brewing Chemists)が発行している分析法の規定「ASBC Methods of Analysis」に記載されている水蒸気蒸留法により定量し、比較例1の含有量を1として換算量を算出した。
Figure 0006807928
表1より、本発明の処理により得られた処理物は、イソα酸量もE2MB前駆体量も多く含有し、ホップから苦味成分と芳香成分を良好に抽出できていることが分かる。
試験例2(ビールの官能評価)
<ビールの製造>
通常の方法で得られた、ろ過麦汁100Lを煮沸釜にて98℃まで加熱後、表2に示すホップ処理物を添加した。1分攪拌後、ワールプールレストをとり、急冷し、冷麦汁を調製した。酵母を添加し発酵させ、ろ過後、炭酸ガス圧を調整し、ビールを製造した。
<官能評価>
得られたビールの香味を、評点法による官能試験によって評価した。良く訓練された官能評価者5名が、「苦味のキレ」、「フルーティー香」、及び「総合評価」について、5点満点で評価した。「とても感じる又はとても良い」を5点、「感じる又は良い」を4点、「やや感じる又はやや良い」を3点、「わずかに感じる又はわずかに良い」を2点、「感じない又は普通」を1点として、評価点の平均点を算出し、平均点に応じて下記基準に従って評価を行なった。「苦味のキレ」、「フルーティー香」、及び「総合評価」は平均点が高いほどよく、2.0以上が好ましい。結果を表2に示す。
Figure 0006807928
表2から明らかなように、実施例4は「苦味のキレ」や「フルーティー香」のバランスに優れるものであり、総合評価も良好であった。一方、比較例1は、「フルーティー香」の面で劣っており、好ましくない評価となった。
本発明によれば、ホップから苦味成分と香気成分をより簡便に抽出することが可能となり、嗜好品として新たなテイストを提供できる。

Claims (3)

  1. 密閉容器内で、ホップ含有水(但し、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含むものを除く)を温度110℃以上130℃以下、圧力0.14MPa以上0.27MPa以下の条件下で処理し、処理後の温度が10℃以上90℃以下となったホップ処理物を、密閉容器から原料液に添加後、酵母を加えて発酵させることを特徴とする、発酵飲料の製造方法。
  2. 密閉容器内での処理が、ホップ含有水が占める部分を除いた残りの空間体積が、(i)容器全体体積中50体積%以下となるようホップ含有水が充填されている、及び(ii)窒素置換又は酸素置換されている、から選ばれる少なくとも1つを満足する状態で行われるものである、請求項1記載の製造方法。
  3. ホップ処理物のホップ濃度が30g/L以上である、請求項1又は2記載の製造方法。
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