JP6807738B2 - 歯ブラシ - Google Patents

歯ブラシ Download PDF

Info

Publication number
JP6807738B2
JP6807738B2 JP2016256241A JP2016256241A JP6807738B2 JP 6807738 B2 JP6807738 B2 JP 6807738B2 JP 2016256241 A JP2016256241 A JP 2016256241A JP 2016256241 A JP2016256241 A JP 2016256241A JP 6807738 B2 JP6807738 B2 JP 6807738B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hair
hole
toothbrush
flocking
flat line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016256241A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018108129A (ja
Inventor
健彦 池田
健彦 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2016256241A priority Critical patent/JP6807738B2/ja
Publication of JP2018108129A publication Critical patent/JP2018108129A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6807738B2 publication Critical patent/JP6807738B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Brushes (AREA)

Description

本発明は、歯ブラシに関し、特に、複数本のブリッスルを束ねてなる毛束が、平線を用いて植設されている歯ブラシに関する。
歯ブラシの植毛台に形成された植毛孔に、複数本のブリッスルを束ねてなる毛束を植設する方法として、薄い金属製の平板である平線を用いる方法が知られている。これは、毛束をその中央部分で二つ折りにし、折れ曲がり部分の内側に平線をあて、これを合成樹脂製の歯ブラシの植毛台に形成された植毛孔に、打ち込むことにより植毛する方法である(図1参照)。平線は、植毛孔の直径よりも長い寸法を備えているので、その両端部分が植毛孔の外周部分に無理打ちされて、植毛孔の孔壁内に食い込むことにより固定され、毛束は、その折れ曲がり部分が平線と孔底部との間に挟み込まれることで、植毛孔内に固定される。このような方法で固定化した歯ブラシは、歯磨きの際に毛束を噛む等の行為により、毛束そのものが平線ごと抜け落ちる、いわゆる「タフト抜け」の問題が生じる場合がある。
そこで、平線を用いて毛束を植毛台に植設した歯ブラシにおいて、植設した毛束やブリッスルが、植毛孔から抜けるのを防止できるようにした歯ブラシが、種々開発されている。例えば、特許文献1では、植毛孔の底面が円錐状に窄まり、該底面に断面台形状の凹部が形成されている歯ブラシが開示されている。特許文献2では、植毛孔の内方へ張り出すことによって、それより下方の孔径が上方の孔径よりも小さくなる縮径段部を、周方向において部分的に形成し、平線をその長手方向両端が前記張出した部分にかからないように打ち込んで、植毛孔内の縮径した部分で毛茎部を厚密状に保持した歯ブラシが開示されている。特許文献3では、植毛穴の内周面における、毛束の折り返しにより屈曲した外周面に対面する所定の深さ位置に、外周面に食い込む縮径段差部を設けるとともに、植毛穴の底面に、毛束の折り返しの曲率半径よりも大きな曲率半径の凹曲面からなる当接面を設けた歯ブラシが開示されている。
実開平2−145123号公報 実用新案登録第2554838号公報 特開2015−83044号公報
しかしながら、上記従来の植毛孔の底面に円錐状の縮径段差部を設けることによって、植設した毛束やブリッスルが植毛孔から抜けるのを防止できるようにした特許文献1から特許文献3の歯ブラシでは、植毛孔の底面が平らな歯ブラシと比較して、植毛強度の向上は得られるものの、十分にタフト抜けの問題が解消されない場合があった。また、植毛孔の内部が縮径しているため、植毛時に強い力で深く毛束を押し込む必要があり、その結果、植毛台の座割れやクラック等を生じる可能性が高くなるとともに、毛束の先端があたかも使用済みの歯ブラシのごとく広がり、外観上大きな問題となる場合があった。また、特許文献1から特許文献3の歯ブラシを植毛機で植毛しようとすると、高速に植毛することが困難であるため、植毛に要するサイクルタイムが伸びるという生産性の問題も別途生じる。
更に、平線を用いて毛束を植毛台に植設した歯ブラシは、例えば歯磨きの際にブリッスルが歯間に挟まった場合に、ブリッスルが植毛孔から抜け出る、いわゆる「毛ずれ」の問題が生じる場合があったが、特許文献1から特許文献3の歯ブラシでは十分対応できていなかった。
本発明は、その製造方法や製造器具(植毛機の種類)、歯ブラシの材質によらず、毛束を構成する複数のブリッスルの各々の引き抜き抵抗の差を解消し、毛束全体の植毛強度を向上することで、毛ずれやタフト抜けが生じるのを効果的に回避することのできる歯ブラシを提供することを目的とする。
本発明者らは、特許文献1から特許文献3の歯ブラシは、毛束を構成する各ブリッスルにかかる引き抜き抵抗の差が大きい点に着目し、植毛孔の底部付近を特定の構造にすることで、植毛孔の内部で毛束の下部側面を支えるように挟み込むことを着想した。これにより、植毛時に毛束を過度な力で押し込むことなく、毛束全体の植毛強度が向上し、かつ、複数のブリッスル各々の引き抜き抵抗の差を低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、複数本のブリッスルを束ねてなる毛束が、植毛台に形成された植毛孔に、平線を用いて二つ折りにされた状態で植設されている歯ブラシであって、前記植毛孔の孔底部には、打ち込まれた前記平線の直下部分に配置されて、前記平線が前記植毛孔を横断する方向に延設する凹部が形成されており、前記毛束は、二つ折りにされた折れ曲がり部が、前記平線と前記凹部との間に挟みこまれた状態で植設されている歯ブラシを提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の歯ブラシによれば、打ち込まれた平線と植毛孔の孔底部との間に折れ曲がり部分が挟み込まれた、毛束を構成する複数のブリッスルの各々の引き抜き抵抗の差を解消して、毛束全体の植毛強度を向上させることで、毛ずれやタフト抜けが生じるのを効果的に回避することができる。また、毛束先端が広がることもなく、外観も良い。
本発明の好ましい一実施形態に係る歯ブラシを形成する際に、複数本のブリッスルを束ねた毛束を、植毛台に形成された植毛孔に、平線を用いて二つ折りにした状態で植設する状況を説明する略示斜視図である。 本発明の好ましい一実施形態に係る歯ブラシの構成を説明する、毛束を除いた状態の植毛部の拡大平面図である。 (a)は、平線が打ち込まれる前の植毛孔の、図1のA−Aに沿った拡大断面図、(b)は、図1のB−Bに沿った拡大断面、(c)は、(b)のC−Cに沿った拡大断面図である。 (a)は、平線が打ち込まれて毛束が植設された植毛孔の、図2のA−Aに沿った拡大断面図、(b)は、図2のB−Bに沿った拡大断面図である。 (a)〜(c)は、植毛孔の孔底部に形成された凹溝による凹部を説明する略示断面図である。 植毛孔の孔底部に形成された凹部の他の形態を例示する、(a)は、平線が打ち込まれる前の植毛孔の図2のA−Aに沿った拡大断面図、(b)は、図2のB−Bに沿った拡大断面図である。
図1に示す本発明の好ましい一実施形態に係る歯ブラシ10は、把持部(図示せず)と植毛台20とここれらを連結する首部21とからなる歯ブラシ本体22の、植毛台20に形成された複数の植毛孔11に、複数本のブリッスル12を束ねてなる毛束13を、平線14を用いて二つ折りにした状態で各々植設することによって構成される。
そして、本実施形態の歯ブラシ10は、図2〜図4に示すように、平線14を用いて毛束13が植設されている植毛孔11の孔底部11aには、打ち込まれた平線14の直下部分に配置されて、平線14が植毛孔11を横断する方向に延設する凹部15が形成されている。そして、毛束13は、二つ折りにされた折れ曲がり部13aが、平線14と凹部15との間に挟みこまれた状態で植設されている。これによって、毛束13は、凹部15の底部や平線14のみならず、開口縁部15aや側面部15bによってしっかりと挟み込まれ、複数本のブリッスル12の引き抜き抵抗に差が生じるのを抑制し、毛ズレ、タフト抜けを低減する。また、凹部15が平線14の直下部分に配置され、平線14が植毛孔11に延設されていることから、毛束13の折れ曲がり部を、縮径した空間に無理やり押し込む必要が無く、毛束13の先端の広がりが生じにくい。本実施形態では、好ましくは植毛台20に形成された複数の植毛孔11の全ての孔底部11aに、凹部15が形成されており、毛束13が、平線14を用いて全ての植毛孔11に各々植設されている。
そして、本実施形態の歯ブラシ10では、植毛孔11の孔底部11aに形成された凹部15は、平線14が植毛孔11を横断する方向と同様の方向に延設して設けられている(図2参照)。図2においては、植毛孔11を開口部側から見た際に、凹部15は、植毛孔11の孔底部11aの径方向の端から端まで全域にわたって、平線14が横断する方向と同様の方向に直線状に延設して設けられている。凹部15は、円形の平坦な面となっている植毛孔11の孔底部11aの中央部分を、植毛台20の長手方向Xに対して例えば25度傾けた直径方向に横断するように形成されている。ここで、凹部15が延設する、平線14が延設する方向と同様な方向は、平線14が延設する方向と合致する、これと平行な方向である必要は必ずしも無く、後述するように、各々の毛束13を構成するブリッスル12の全体を、折れ曲がり部13aにおいて、凹部15の開口縁部15aや側面部15b(図3、図4参照)と、平線14との間に挟み込むことが可能な範囲で、平線14が延設する方向と平行な方向から、僅かにずれた方向であっても良い。
また、本実施形態では、凹部15は、好ましくは、植毛孔11の孔底部11aの他の部分よりも一段低くなった、窪み状の凹溝として形成されている(図3(a)、図4(a)参照)。すなわち、凹部15である凹溝は、円形の平坦な面となっている孔底部11aの中央部分を溝状に窪ませることによって、例えば幅が0.35〜0.6mm程度、深さが0.1〜0.8mm程度の大きさの矩形状の断面形状を備える、直線状の凹溝として形成されている。このような凹溝による凹部15は、例えば図5(a)に示す平坦な孔底部11aの底面部に、図5(b)に示すように、凹溝15を掘りこむように形成されていても良いが、植毛台20の強度の向上を図る点から、図5(c)に示すように、孔底部11aの底面部における、凹溝15となる部分を挟んだ両側に、一対の弓形形状の段差片11bを盛り込んだような形状とすることが好ましい。このような形状は、射出成形によって歯ブラシ本体22を形成する際に、植毛孔11の孔底部11aと面する部分の金型の形状を、所定の形状となるように加工しておくことにより設けることができる。凹部15が、孔底部11aの他の部分よりも一段低くなった窪み状の凹溝として形成されていることにより、金型の加工が容易になると共に、射出成形する際に、凹部15が形成される部分の孔底部11aに樹脂を流し易くなる。
なお、本発明の歯ブラシでは、植毛孔11の孔底部11aに形成される凹部は、孔底部11aの他の部分よりも一段低くなった、窪み状の凹溝となっている必要は必ずしも無く、後述するように、毛束13を構成するブリッスル12の全体を、折れ曲がり部13aにおいて、凹部の開口縁部や側面部と、平線14との間に挟み込むことが可能な範囲で、種々の形態の凹部とすることができる。例えば、図6(a)、(b)に示すように、植毛孔11の平坦な孔底部11aの中央部分に、平線14が延設する方向に直線状に平行に延設させて、一対の凸リブ16を形成し、これらの一対の凸リブ16によって挟まれる凹状の部分を、凹部15’とすることもできる。図6(a)、(b)に示す凹部15’によっても、凸リブ16の内側の角部16aによる開口縁部や内側の側面部16bと、平線14との間に、毛束13を構成するブリッスル12の全体を挟み込むことが可能になって、後述する作用効果と同様の作用効果を奏することが可能になる。なお、リブを上から見た時の形状は、凹部15’が形成されていればどのような形でも良い。
本実施形態では、凹部15は、打ち込まれる平線14が植毛孔11を横断する方向と同様の方向に延設して、平線14の直下部分に配置されるように形成されている。毛束13は、折り曲げた際の折れ曲がり部13aの内側に平線14をあてた状態で、平線14と共に植毛孔11に向けて打ち込まれる。このように、毛束13は、二つ折りにされた折れ曲がり部13aが、平線14と凹部15との間に挟みこまれた状態で植設される。これによって、各々の毛束13を構成する複数本のブリッスル12は、二つ折りにされた毛束13の折れ曲がり部13aにおいて、図4(a)、(b)に示すように、平線14及び凹部15が平行又は略平行に延設する植毛孔11の直径方向の全域又は略全域に亘って、平線14と凹部15の開口縁部15aとの間に挟み込まれた状態で、植毛されることになる(図4(b)参照)。また、平線14が凹部15に対して更に深く打ちこまれた場合(図示せず)、毛束13は、折れ曲がり部13aにおいて、凹部15の開口縁部15a又は側面部15bと、平線14との間に挟み込まれた状態で植毛される。
そして、上述の構成を備える本実施形態の歯ブラシ10によれば、打ち込まれた平線14と植毛孔11の孔底部11aとの間に折れ曲がり部分11aが挟み込まれた、毛束11を構成するブリッスル12の各々の引き抜き抵抗がばらつくのを抑制して、毛ずれが生じるのを効果的に回避することが可能になる。
すなわち、本実施形態の歯ブラシ10によれば、毛束13を構成する複数本のブリッスル12は、二つ折りにされた毛束13の折れ曲がり部13aにおいて、平行又は略平行に延設する平線14及び凹部15に沿って、植毛孔11の直径方向の全域又は略全域に亘って配置される。更に毛束13を構成する複数本のブリッスル12は、その全体が、平線14の下端部分と、当該下端部分の直下部分にこれと平行又は略平行に延設して配置された、凹部15の開口縁部15aや側面部15bとの間の、幅の狭い間隔部分に、略均等な挟み込み圧力によって挟みこまれた状態で、各々の植毛孔11に植毛される。このため、略均等な挟み込み圧力によって、複数本のブリッスル12の各々の引き抜き抵抗がばらつくのを抑制することが可能となり、各々の毛束13を構成する複数本のブリッスル12に毛ずれが生じるのを、効果的に回避することが可能になる。
なお、本発明では、例えば、植毛台に形成された全ての植毛孔の孔底部に、凹部が形成されていて、これらの全ての植毛孔に平線を用いて毛束が植設されている必要は必ずしもなく、植毛台に形成された複数の植毛孔のうちの一部の孔底部にのみ凹部が形成されていて、一部の植毛孔にのみ、毛束が、平線と凹部との間に折れ曲がり部を挟み込んだ状態で植設されていても良い。植毛台に植設された毛束の一部が、平線を用いることなく、融着植毛等によって植設されたものであっても良い。
本実施形態では、歯ブラシ10を構成する歯ブラシ本体22は、歯ブラシ本体を構成する樹脂として一般的に使用されている合成樹脂を特に制限無く用いる事ができるが、ポリアセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、セルロースプロピオネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートから選ばれる一種又は二種以上であることが好ましい。また、美しい外観を得る観点から、これらの樹脂は、透明な樹脂である事が好ましい。
これらの好ましい樹脂を用いる場合には、歯ブラシの樹脂として一般的に用いられているポリプロピレン樹脂と比較して、耐薬品性に劣ると共に、硬い樹脂であることから、平線を強い力で打ちこむと内部残留応力が高くなり、歯ブラシの使用者が例えばアルコール等で植毛部を消毒する等の行為により、植毛台の座割れやクラック等を生じる可能性がさらに高くなる。その場合、平線14を打ち込んだ際の内部残留応力を取り除く緩和処理のため、毛束13の植毛後に歯ブラシ本体22を60〜70℃で連続1時間加熱処理を行うアニーリングを行う。
本発明の歯ブラシは、一般的な樹脂を用いて歯ブラシ本体が形成されている場合のみならず、アニーリング処理のように内部残留応力を緩和し、平線による毛束の固定強度が低下しブリッスルの引き抜き抵抗が低下した場合、すなわち毛ずれやタフト抜けの問題が生じ易い状態であっても、毛ズレやタフト抜けの問題が生じにくい。
歯ブラシ本体22の植毛台20は、本実施形態では、例えば長円形状(トラック円形状)の平面形状を備えるのが好ましい。また、植毛台20の平坦な表面には、縦横に所定の間隔をおいて、複数(本実施形態では40箇所)の植毛孔11が分散配置されて形成されている。
なお、本発明の歯ブラシは、歯ブラシ本体の植毛台20が、2.5〜5.5mm程度の厚さを有していることが好ましく、口腔内での操作性や取り扱い易さを向上させる観点から、3.5〜4.5mm、程度の厚さを有していることがより好ましく、2.5〜3.4mm程度の薄い厚さを有していることが更に好ましい。
歯ブラシの口腔内での操作性を向上させるため、植毛台20の薄厚化を図ろうとした場合、植毛孔11の深さを浅くする必要があることから、毛ズレやタフト抜けの問題が生じやすくなったり、あるいは植毛強度を上げるために植毛時に無理な押し込みをして毛束13の先端が広がる可能性が更に高くなるが、本発明の歯ブラシは植毛台20の厚さが一般的な厚みである場合のみならず、植毛台20を薄厚化した場合であっても、毛ズレやタフト抜け、更には毛束13の先端が広がるという問題が生じにくい。
歯ブラシ本体22の植毛台20の表面に形成された複数の植毛孔11は、本実施形態では、各々、例えば0.8〜2.5mm程度の直径の円形断面を備えると共に、例えば2.0〜5.0mm程度の深さを有する有底の孔部となっている。複数の植毛孔11の各々の孔底部11aには、上述のように、凹部15が形成されている。複数の植毛孔11の各々には、複数本のブリッスル12を束ねてなる毛束13が、平線14を用いて植設されている。
各々の植毛孔11に植設される毛束13を構成するブリッスル12は、好ましくはナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン等のブリッスルに用いられている周知の合成樹脂を、特に制限なく用いることができる。また、ブリッスルは例えば0.10〜0.25mm(4〜10mil)程度の太さを有するフィラメントト材であって、これを例えば十数本〜数十本束ねることによって、毛束13が構成される。また、ブリッスル12は、例えば15〜35mmの長さを有しており、毛束13を中央部分で二つ折りに折り曲げて、この折れ曲がり部13aの側から植毛孔11に挿入されて、平線14を用いて毛束13が植設された際に、植毛台20の表面からの当該ブリッスル11の高さ(毛丈)が、例えば8〜13mmとなるように植毛されている。
ここで、本実施形態では、歯ブラシ本体22の植毛台20に形成された植毛孔11の深さと、植毛台20に植設された毛束13を構成するブリッスル12の毛丈との比(植毛孔の深さ/ブリッスルの毛丈)は、0.2〜0.33となっていることが好ましい。植毛孔11の深さとブリッスル12の毛丈との比が、0.2〜0.33となっていることにより、毛ズレやタフト抜けの問題が生じにくくなる。また、植毛孔11の深さとブリッスル12の毛丈との比が、0.2〜0.33となっていることで、毛束13の抜けや、ブリッスル12の毛ずれの問題を生じ易くなるが、本実施形態の歯ブラシ10によれば、植毛孔11の孔底部11aが、上述の所定の形状を備えていることにより、特に、植設された毛束13を構成するブリッスル12に毛ずれが生じるのを、効果的に回避できるようになっている。
本実施形態では、平線14は、好ましくはステンレス、真鍮、アルミ等かからなる金属製の板状部材であり、厚さが例えば0.1〜0.4mm程度、幅(高さ)が例えば0.5〜3.0mm程度、長さが例えば1.0〜3.0mm提訴の大きさを備えている。また平線14の長さは、植毛孔11の直径よりも例えば0.2〜1.0mm程度長くなっている。平線の表面は平滑面でも良いが、タフト抜けをより一層抑制する観点から、片面又は両面に溝を形成しているものが好ましく、両面に溝を形成しているものが更に好ましい。
平線11は、相当の硬度を有する金属等からなるので、植毛孔11に打ち込まれる際に、その両端部分は、平線14よりも硬度の小さい合成樹脂製の植毛台20における植毛孔11の外周部分に、無理打ちされつつ食い込むようにして埋設され、両端の埋設部分において、植毛台20を形成する周囲の樹脂と密着する。本実施形態では、平線14は、全ての植毛孔11において、植毛台20の長手方向Xに対して例えば25度傾けた方向に延設させて、植毛孔11の直径方向に横断した状態となるように打ち込まれている(図2参照)。
以下、実施例及び比較例により、本発明の歯ブラシをさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例及び比較例の記載によって何ら制限されるものではない。
〔実施例1、2の歯ブラシ、比較例1、2の歯ブラシ〕
上記実施形態の歯ブラシと同様の構成を備え、凹部の周囲を底上げして凹溝を形成したことにより(図6(c)参照)、図3(a)〜(c)と同様の凹部形状を有する歯ブラシを、実施例1の歯ブラシとした。実施例1の歯ブラシにおいて、植毛台の厚さを4.5mmとし、40箇所の各々の円形の植毛孔の孔径を1.4mmとし、各々の植毛孔の孔深さを3.5mmとし、凹部の幅を0.4mmとし、凹部15の深さを0.15mmとした。毛束(タフト)を構成する毛(ブリッスル)として、太さが6mil(0.152mm)のものを使用し、これを21〜28本束ねることによって、毛束を構成した。平線として、厚さが0.2mmの通常平線を使用した。
また、凹部の幅を0.6mmとした以外は実施例1の歯ブラシと同様の構成を備える歯ブラシを実施例2の歯ブラシとした。
植毛台に形成された各々の植毛孔の孔底部に凹部は形成されておらず、孔底部がフラットな形状を有している(図6(a)参照)こと以外は、実施例1の歯ブラシと同様の構成を備える歯ブラシを、比較例1の歯ブラシとした。更に、植毛孔の孔深さを3.7mmとした以外は、比較例1と同様の構成を備える歯ブラシを比較例2の歯ブラシとした。実施例1、2の歯ブラシ及び比較例1、2の歯ブラシについて、後述する方法によって、歯ブラシのタフト抜き強度試験を行った。これらの歯ブラシに関する、タフト抜け強度及び毛ずれ強度の試験結果を表1に示す。
〔歯ブラシのタフト抜き強度試験〕
タフト(毛束)の抜き強度は、植毛孔一孔に植設されたタフトを、タフトごと10mm/secの引張速度で引き抜き、抜けた時の引っ張り荷重をプッシュプルケージにて測定した。測定は植毛台20に植えられた毛束をランダムに5カ所選択し、1カ所あたり5回測定した。全測定値の最大値、最小値、全測定値(25回)から算出した平均値及び標準偏差について、実施例と比較例を比較し、本発明の効果を評価した。
〔毛ずれ強度の評価方法〕
毛ズレ強度は、植毛孔一孔に植設された複数本のブリッスルのうち、平線から遠い位置にある外側の一本のブリッスルを10mm/secの引張速度で引き抜き、ブリッスルがずれはじめる時の引張荷重をプッシュプルゲージにて測定した。測定は植毛台20に植えられた毛束からランダムに11カ所選択し、1カ所あたり5回測定した。全測定値の最大値、最小値、全測定値(55回)から算出した平均値及び標準偏差について、実施例と比較例を比較し、本発明の効果を評価した。
1孔の本数は、抜き強度を試験したタフトと同じ位置の毛束について、引き抜いた毛束の毛の本数を数えることにより測定した。
表1に示す、タフト抜け強度及び毛ずれ強度の試験結果によれば、本発明に係る実施例1、2の歯ブラシは、比較例1、2の歯ブラシと比較して、タフト抜け強度及び毛ずれ強度のいずれもアップしていることが判明する。また特に、毛ずれ強度について、本発明に係る実施例1、2の歯ブラシは、比較例1、2の歯ブラシと比較して、相当程度アップしていることが判明する。
10 歯ブラシ
11 植毛孔
11a 孔底部
12 ブリッスル
13 毛束
13a 折れ曲がり部
14 平線
15,15’ 凹部(凹溝)
15a 開口縁部
15b 側面部
16 凸リブ
16a 内側の角部
16b 内側の側面部
20 植毛台
21 首部
22 歯ブラシ本体

Claims (4)

  1. 複数本のブリッスルを束ねてなる毛束が、植毛台に形成された植毛孔に、平線を用いて二つ折りにされた状態で植設されている歯ブラシであって、
    前記植毛孔の平坦な面となっている孔底部には、打ち込まれた前記平線の直下部分に配置されて、前記平線が前記植毛孔の平坦な前記孔底部を横断する方向に延設する凹部が形成されており、
    前記毛束は、二つ折りにされた折れ曲がり部が、前記平線と前記凹部との間に挟みこまれた状態で植設されている歯ブラシ。
  2. 前記植毛台に形成された複数の植毛孔の全ての孔底部に、前記凹部が形成されており、前記毛束が、前記平線を用いて前記植毛孔に各々植設されている請求項1記載の歯ブラシ。
  3. 前記凹部は、孔底部の他の部分よりも一段低くなった窪み状の凹溝として形成されている請求項1又は2記載の歯ブラシ。
  4. 前記植毛台は、ポリアセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、セルロースプロピオネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートから選ばれる一種又は二種以上を用いて形成されている請求項1〜3のいずれか1項記載の歯ブラシ。
JP2016256241A 2016-12-28 2016-12-28 歯ブラシ Active JP6807738B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016256241A JP6807738B2 (ja) 2016-12-28 2016-12-28 歯ブラシ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016256241A JP6807738B2 (ja) 2016-12-28 2016-12-28 歯ブラシ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018108129A JP2018108129A (ja) 2018-07-12
JP6807738B2 true JP6807738B2 (ja) 2021-01-06

Family

ID=62843907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016256241A Active JP6807738B2 (ja) 2016-12-28 2016-12-28 歯ブラシ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6807738B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018183275A (ja) * 2017-04-24 2018-11-22 ライオン株式会社 歯ブラシ
JP2020065613A (ja) * 2018-10-22 2020-04-30 花王株式会社 歯ブラシ

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NZ239172A (en) * 1990-08-16 1995-05-26 Johnson & Johnson Consumer Bristled article with tuft cavities having a lower portion cross-sectional area less than the cross-sectional area of an upper portion
JP2554838Y2 (ja) * 1992-02-26 1997-11-19 サンスター株式会社 歯ブラシ
ES2176465T3 (es) * 1995-06-12 2002-12-01 Moll Ind Inc Cepillo con retencion mejorada de los mechones e hilo de anclaje para los mismos.
JP2005319217A (ja) * 2004-05-11 2005-11-17 Furumoto:Kk ヘアブラシ
JP6499831B2 (ja) * 2014-06-11 2019-04-10 花王株式会社 歯ブラシ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018108129A (ja) 2018-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5378370B2 (ja) 長い先細の剛毛及び短い先細でない剛毛を備えた歯ブラシ
KR102539341B1 (ko) 칫솔
KR101540280B1 (ko) 치간 브러시 및 그 제조 방법
JP5147223B2 (ja) 歯ブラシ
JP5160955B2 (ja) 歯ブラシ
JP5132712B2 (ja) 歯ブラシ
RU2745245C2 (ru) Щетка для начеса
JP5386259B2 (ja) 歯ブラシ
JP6807738B2 (ja) 歯ブラシ
JP7348539B2 (ja) 歯ブラシ
JP7348540B2 (ja) 歯ブラシ
JP4570293B2 (ja) 歯ブラシ
JP2012245314A (ja) 歯ブラシ
JP2012115445A (ja) 歯ブラシ
WO2015093334A1 (ja) 歯ブラシ
JP2007006938A (ja) 歯ブラシ
KR20190134606A (ko) 칫솔
JP2018198796A (ja) 歯ブラシ
JP2010200889A (ja) 歯ブラシ
JP5915347B2 (ja) 歯ブラシ
JP6973900B2 (ja) 歯ブラシ
JP7117901B2 (ja) 歯ブラシ
JP2004041402A (ja) 歯ブラシ
JP2022051585A (ja) 口腔用ブラシ及び口腔用ブラシ加工方法
JP2021007557A (ja) 歯ブラシ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190912

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200909

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201208

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6807738

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250