JP6807180B2 - 配線回路基板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配線回路基板およびその製造方法に関する。
従来から、種々の電気機器または電子機器に配線回路基板が用いられている。特許文献1には、磁気ディスク装置において磁気ヘッドを位置決めするために用いられる配線回路基板として回路付サスペンション用基板が示される。
特許文献1の配線回路基板においては、導電性の支持基板上に絶縁性のベース層が形成される。ベース層上に導体パターンが形成される。無電解ニッケルめっきにより導体パターンの表面に金属皮膜が形成される。金属皮膜が形成された導体パターンを覆うようにカバー層が形成される。カバー層から露出するように導体回路パターンの端部に接続端子が形成される。
特開2012−235013号公報
上記の配線回路基板においては、導体パターンの表面に金属皮膜が形成されることにより、導体パターンとカバー層との密着性が向上される。それにより、導体パターンの腐食が防止される。しかしながら、特許文献1の配線回路基板では、高い周波数帯域における電気信号の伝送損失が高い。
本発明の目的は、導体パターンの腐食を防止しつつ高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失が低減された配線回路基板およびその製造方法を提供することである。
本発明者は、種々の実験および検討を行なった結果、導体パターンのうち配線を構成する部分(以下、配線部と呼ぶ。)とその配線部を覆う絶縁層との間にニッケルの磁性以上の磁性を有する金属層が存在しないことにより、高い周波数帯域において電気信号の伝送損失を低減できることを見出し、下記の発明に想到した。
また、本発明者は、配線部とその配線部を覆う絶縁層との間にニッケルの磁性以上の磁性を有する金属層が存在する場合でも、配線部の全長に対するその金属層の長さの割合が40%以下に設定されることにより、高い周波数帯域において電気信号の伝送損失を低減できることを見出し、下記の発明に想到した。
(1)第1の発明に係る配線回路基板は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に形成され、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、配線部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように設けられる第1の金属被覆層と、第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分を覆うとともに第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないように第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層と、第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆う第2の金属被覆層とを備え、第1の金属被覆層は、配線部に接触し、第2の絶縁層は、第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触し、第1の金属被覆層は、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではない。
その配線回路基板においては、配線部を覆うように第1の金属被覆層が設けられ、第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分を覆うように第2の絶縁層が設けられる。第1の金属被覆層は配線部に接触し、第2の絶縁層は第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触する。この場合、配線部と第2の絶縁層との間には、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体の層が存在しない。それにより、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第2の絶縁層が第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触することにより、第2の絶縁層と配線部との間の密着性が向上する。さらに、第1の金属被覆層は、端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように形成される。それにより、第1の金属被覆層の内部に第2の絶縁層の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターンにおける端子部と配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
また、配線回路基板は、第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆う第2の金属被覆層をさらに備える。この場合、導体パターンの端子部、第1の金属被覆層および第2の金属被覆層により接続端子を形成することができる。それにより、接続端子の表面状態を第2の金属被覆層により整えることができる。
(2)第2の発明に係る配線回路基板は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に形成され、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、配線部の一部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように設けられる第1の金属被覆層と、第1の金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち第1の金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないように第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層と、第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆う第2の金属被覆層とを備え、第1の金属被覆層は、配線部の一部に接触するとともに配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、第2の絶縁層は、第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触し、第1の金属被覆層は、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではない。
その配線回路基板においては、配線部の一部と端子部とを覆うように第1の金属被覆層が設けられ、第1の金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち第1の金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うように第2の絶縁層が設けられる。第1の金属被覆層は配線部の一部に接触し、第2の絶縁層は第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触する。この場合、配線部と第2の絶縁層との間には、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体の層が存在しない。それにより、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第2の絶縁層は第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触し、第1の金属被覆層は配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びる。それにより、導体パターンにおける端子部と配線部との境界の近傍において、第2の絶縁層と配線部との間の密着性が向上する。さらに、第1の金属被覆層は、端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように形成される。それにより、第1の金属被覆層の内部に第2の絶縁層の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターンにおける端子部と配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
また、配線回路基板は、第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆う第2の金属被覆層をさらに備える。この場合、導体パターンの端子部、第1の金属被覆層および第2の金属被覆層により接続端子を形成することができる。それにより、接続端子の表面状態を第2の金属被覆層により整えることができる。
(3)第3の発明に係る配線回路基板は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に形成され、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、配線部の一部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように設けられる第1の金属被覆層と、第1の金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち第1の金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないように第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層と、第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆う第2の金属被覆層とを備え、第1の金属被覆層は、配線部の一部に接触するとともに配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、第2の絶縁層は、第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触し、配線部の全長に対する配線部の一部を覆う第1の金属被覆層の長さの割合は40%以下である。
その配線回路基板においては、配線部の一部と端子部とを覆うように第1の金属被覆層が設けられ、第1の金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち第1の金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うように第2の絶縁層が設けられる。第1の金属被覆層は配線部の一部に接触し、第2の絶縁層は第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触する。
ここで、配線部の全長に対する配線部の一部を覆う第1の金属被覆層の長さの割合は40%以下である。この場合、配線部の全長に対して60%以上の長さの範囲において、配線部と第2の絶縁層との間には、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体の層が存在しない。それにより、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第2の絶縁層は第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触し、第1の金属被覆層は配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びる。それにより、導体パターンにおける端子部と配線部との境界の近傍において、第2の絶縁層と配線部との間の密着性が向上する。さらに、第1の金属被覆層は、端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように形成される。それにより、第1の金属被覆層の内部に第2の絶縁層の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターンにおける端子部と配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
また、配線回路基板は、第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆う第2の金属被覆層をさらに備える。この場合、導体パターンの端子部、第1の金属被覆層および第2の金属被覆層により接続端子を形成することができる。それにより、接続端子の表面状態を第2の金属被覆層により整えることができる。
(4)第1の金属被覆層は、配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から5μm以上離れた位置まで延びてもよい。
この場合、導体パターンにおける端子部と配線部との境界の近傍において、第2の絶縁層と配線部との間の密着性がより向上する。
(5)第1の金属被覆層は、金、銀、クロム、錫および白金のうち少なくとも1種類の金属を含んでもよい。
この場合、配線回路基板の用途に応じて、第1の金属被覆層としてより適切な金属を使用することができる。
(6)第1の金属被覆層は、ニッケル、金、銀、クロム、錫および白金のうち少なくとも1種類の金属を含んでもよい。
この場合、配線回路基板の用途に応じて、第1の金属被覆層としてより適切な金属を使用することができる。
)第1の金属被覆層の少なくとも一部は、互いに積層された第1および第2の金属層により構成されてもよい。
この場合、配線回路基板における第1の金属被覆層の構成の自由度が向上する。
第4の発明に係る配線回路基板は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に形成され、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、配線部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように設けられる金属被覆層と、金属被覆層のうち配線部を覆う部分を覆うとともに金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないように第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層と、金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆う端子バリア層と、端子バリア層を覆う端子表面層とを備え、金属被覆層は、配線部に接触し、第2の絶縁層は、金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触し、金属被覆層は、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではなく、導体パターンは、銅を含み、端子表面層は、金を含み、端子バリア層は、ニッケルまたはパラジウムを含む。
この場合、導体パターンから端子表面層への銅の成分の拡散が端子バリア層により抑制される。それにより、端子表面層の金に銅の成分が拡散することによる端子表面層の耐食性および濡れ性の低下が抑制される。
(9)第5の発明に係る配線回路基板は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に形成され、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、配線部の一部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように設けられる金属被覆層と、金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないように第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層と、金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆う端子バリア層と、端子バリア層を覆う端子表面層とを備え、金属被覆層は、配線部の一部に接触するとともに配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、第2の絶縁層は、金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触し、金属被覆層は、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではなく、導体パターンは、銅を含み、端子表面層は、金を含み、端子バリア層は、ニッケルまたはパラジウムを含む。
(10)第6の発明に係る配線回路基板は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に形成され、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、配線部の一部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように設けられる金属被覆層と、金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないように第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層と、金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆う端子バリア層と、端子バリア層を覆う端子表面層とを備え、金属被覆層は、配線部の一部に接触するとともに配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、第2の絶縁層は、金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触し、配線部の全長に対する配線部の一部を覆う金属被覆層の長さの割合は40%以下であり、導体パターンは、銅を含み、端子表面層は、金を含み、端子バリア層は、ニッケルまたはパラジウムを含む。
11第7の発明に係る配線回路基板は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に形成され、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、配線部の一部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように設けられる金属被覆層と、金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないように第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層と、金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆うとともに金属被覆層のうち配線部を覆う部分を覆わないようにかつ導体パターンに接触しないように形成された端子表面層とを備え、金属被覆層は、配線部の一部に接触するとともに配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、第2の絶縁層は、金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触し、配線部の全長に対する配線部の一部を覆う金属被覆層の長さの割合は40%以下であり、導体パターンは、銅を含み、端子表面層は、金を含み、金属被覆層は、ニッケルを含む。
この場合、導体パターンから端子表面層への銅の成分の拡散が金属被覆層により抑制される。それにより、端子表面層の金に銅の成分が拡散することによる端子表面層の耐食性および濡れ性の低下が抑制される。
12)配線回路基板は、第2の絶縁層上に形成される上部導体パターンをさらに備え、上部導体パターンの少なくとも一部は、導体パターンに重なってもよい。これにより、導体パターンと上部導体パターンの少なくとも一部とが上下に積層されるので、配線回路基板の小型化が実現されるとともに、配線回路基板の設計の自由度が向上する。
13)配線回路基板は、第2の絶縁層上に形成され、上部端子部と上部端子部から延びる上部配線部とを有する上部導体パターンと、上部配線部の一部と上部端子部とを覆うとともに上部端子部の表面上から上部配線部の表面上に連続して延びるように設けられる上部金属被覆層と、上部金属被覆層のうち上部配線部の一部を覆う部分と上部配線部のうち上部金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに上部金属被覆層のうち上部端子部を覆う部分を覆わないように第2の絶縁層上に設けられる第3の絶縁層とをさらに備え、上部導体パターンの少なくとも一部は、導体パターンに重なり、上部金属被覆層は、上部配線部の一部に接触するとともに上部配線部の表面上で上部端子部と上部配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、第3の絶縁層は、上部金属被覆層のうち上部配線部を覆う部分に接触するとともに上部配線部の他の部分に接触し、上部配線部の全長に対する上部配線部の一部を覆う上部金属被覆層の長さの割合は40%以下であってもよい。
この場合、上部配線部の全長に対して60%以上の長さの範囲において、上部配線部と第3の絶縁層との間には、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体の層が存在しない。それにより、導体パターンおよび上部導体パターンに関して、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第3の絶縁層は上部金属被覆層のうち上部配線部を覆う部分に接触している。上部金属被覆層は、上部端子部の表面上から上部配線部の表面上に連続して延びるとともに、上部配線部の表面上で上部端子部と上部配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びている。それにより、上部導体パターンにおける上部端子部と上部配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
さらに、導体パターンと上部導体パターンの少なくとも一部とが上下に積層されるので、配線回路基板の小型化が実現されるとともに、配線回路基板の設計の自由度が向上する。
14)配線回路基板は、第2の絶縁層上に形成され、上部端子部と上部端子部から延びる上部配線部とを有する上部導体パターンと、上部配線部と上部端子部とを覆うとともに上部端子部の表面上から上部配線部の表面上に連続して延びるように設けられる上部金属被覆層と、上部金属被覆層のうち上部配線部を覆う部分を覆うとともに上部金属被覆層のうち上部端子部を覆う部分を覆わないように第2の絶縁層上に設けられる第3の絶縁層とをさらに備え、上部導体パターンの少なくとも一部は、導体パターンに重なり、上部金属被覆層は、上部配線部に接触し、第3の絶縁層は、上部金属被覆層のうち上部配線部を覆う部分に接触し、上部金属被覆層は、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではなくてもよい。
この場合、上部配線部と第3の絶縁層との間には、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体の層が存在しない。それにより、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第3の絶縁層が上部金属被覆層のうち上部配線部を覆う部分に接触し、上部金属被覆層は上部端子部の表面上から上部配線部の表面上に連続して延びる。それにより、上部導体パターンにおける上部端子部と上部配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
さらに、導体パターンと上部導体パターンの少なくとも一部とが上下に積層されるので、配線回路基板の小型化が実現されるとともに、配線回路基板の設計の自由度が向上する。
15)配線回路基板は、第2の絶縁層上に形成され、上部端子部と上部端子部から延びる上部配線部とを有する上部導体パターンと、上部配線部の一部と上部端子部とを覆うとともに上部端子部の表面上から上部配線部の表面上に連続して延びるように設けられる上部金属被覆層と、上部金属被覆層のうち上部配線部の一部を覆う部分と上部配線部のうち上部金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに上部金属被覆層のうち上部端子部を覆う部分を覆わないように第2の絶縁層上に設けられる第3の絶縁層とをさらに備え、上部導体パターンの少なくとも一部は、導体パターンに重なり、上部金属被覆層は、上部配線部の一部に接触するとともに上部配線部の表面上で上部端子部と上部配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、第3の絶縁層は、上部金属被覆層のうち上部配線部を覆う部分に接触するとともに上部配線部の他の部分に接触し、上部金属被覆層は、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではなくてもよい。
この場合、上部配線部と第3の絶縁層との間には、ニッケルと同程度の磁気特性を有する層が存在しない。それにより、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第3の絶縁層は上部金属被覆層のうち上部配線部を覆う部分に接触している。上部金属被覆層は、上部端子部の表面上から上部配線部の表面上に連続して延びるとともに、上部配線部の表面上で上部端子部と上部配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びている。それにより、上部導体パターンにおける上部端子部と上部配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
さらに、導体パターンと上部導体パターンの少なくとも一部とが上下に積層されるので、配線回路基板の小型化が実現されるとともに、配線回路基板の設計の自由度が向上する。
16)配線回路基板は、下部絶縁層と、下部絶縁層上に形成された下部導体パターンとをさらに備え、第1の絶縁層は、下部導体パターンの少なくとも一部を覆うように下部絶縁層上に形成され、導体パターンの少なくとも一部は、下部導体パターンに重なってもよい。これにより、導体パターンと下部導体パターンの少なくとも一部とが上下に積層されるので、配線回路基板の小型化が実現されるとともに、配線回路基板の設計の自由度が向上する。
17)第の発明に係る配線回路基板の製造方法は、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、配線部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるようにかつ配線部に接触するように、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではない金属を用いて第1の金属被覆層を形成する工程と、第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分を覆うとともに第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないようにかつ第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するように第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程と、第1の金属被覆層のうち端子部を覆うように第2の金属被覆層を形成する工程とを含む。
その配線回路基板の製造方法においては、配線部を覆うように金属被覆層が設けられ、金属被覆層のうち配線部を覆う部分を覆うように第2の絶縁層が設けられる。金属被覆層は配線部に接触し、第2の絶縁層は金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触する。この場合、配線部と第2の絶縁層との間には、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体の層が存在しない。それにより、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第2の絶縁層が金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触することにより、第2の絶縁層と配線部との間の密着性が向上する。さらに、金属被覆層は、端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように形成される。それにより、金属被覆層の内部に第2の絶縁層の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターンにおける端子部と配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
18)第の発明に係る配線回路基板の製造方法は、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、配線部の一部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるようにかつ配線部の一部に接触するように、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではない金属を用いて第1の金属被覆層を形成する工程と、第1の金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち第1の金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないようにかつ第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触するように第2の絶縁層を第1の絶縁層上に形成する工程と、第1の金属被覆層のうち端子部を覆うように第2の金属被覆層を形成する工程とを含み、第1の金属被覆層を形成する工程において、第1の金属被覆層は、配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びるように形成される。
その配線回路基板の製造方法においては、配線部の一部と端子部とを覆うように金属被覆層が設けられ、金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うように第2の絶縁層が設けられる。金属被覆層は配線部の一部に接触し、第2の絶縁層は金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触する。この場合、配線部と第2の絶縁層との間には、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体の層が存在しない。それにより、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第2の絶縁層は金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触し、金属被覆層は配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びる。それにより、導体パターンにおける端子部と配線部との境界の近傍において、第2の絶縁層と配線部との間の密着性が向上する。さらに、金属被覆層は、端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように形成される。それにより、金属被覆層の内部に第2の絶縁層の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターンにおける端子部と配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
19)第10の発明に係る配線回路基板の製造方法は、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、配線部の一部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるようにかつ配線部の一部に接触するように第1の金属被覆層を形成する工程と、第1の金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち第1の金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないようにかつ第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部のうち他の部分に接触するように第2の絶縁層を第1の絶縁層上に形成する工程と、第1の金属被覆層のうち端子部を覆うように第2の金属被覆層を形成する工程とを含み、第1の金属被覆層を形成する工程において、第1の金属被覆層は、配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びるように形成され、配線部の全長に対する配線部の一部を覆う第1の金属被覆層の長さの割合は40%以下に設定される。
その配線回路基板の製造方法においては、配線部の一部と端子部とを覆うように金属被覆層が設けられ、金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うように第2の絶縁層が設けられる。金属被覆層は配線部の一部に接触し、第2の絶縁層は金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触する。
ここで、配線部の全長に対する配線部の一部を覆う金属被覆層の長さの割合は40%以下である。この場合、配線部の全長に対して60%以上の長さにおいて、配線部と第2の絶縁層との間には、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体の層が存在しない。それにより、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第2の絶縁層は金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触し、金属被覆層は配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びる。それにより、導体パターンにおける端子部と配線部との境界の近傍において、第2の絶縁層と配線部との間の密着性が向上する。さらに、金属被覆層は、端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように形成される。それにより、金属被覆層の内部に第2の絶縁層の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターンにおける端子部と配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
(20)第11の発明に係る配線回路基板の製造方法は、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、配線部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるようにかつ配線部に接触するように、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではない金属を用いて金属被覆層を形成する工程と、金属被覆層のうち配線部を覆う部分を覆うとともに金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないようにかつ金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するように第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程と、金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆う端子バリア層を形成する工程と、端子バリア層を覆う端子表面層を形成する工程とを含み、導体パターンは、銅を含み、端子表面層は、金を含み、端子バリア層は、ニッケルまたはパラジウムを含む。
(21)第12の発明に係る配線回路基板の製造方法は、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、配線部の一部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるようにかつ配線部の一部に接触するように、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではない金属を用いて金属被覆層を形成する工程と、金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないようにかつ金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触するように第2の絶縁層を第1の絶縁層上に形成する工程と、金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆う端子バリア層を形成する工程と、端子バリア層を覆う端子表面層を形成する工程とを含み、金属被覆層を形成する工程において、金属被覆層は、配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びるように形成され、導体パターンは、銅を含み、端子表面層は、金を含み、端子バリア層は、ニッケルまたはパラジウムを含む。
(22)第13の発明に係る配線回路基板の製造方法は、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、配線部の一部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるようにかつ配線部の一部に接触するように金属被覆層を形成する工程と、金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないようにかつ金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部のうち他の部分に接触するように第2の絶縁層を第1の絶縁層上に形成する工程と、金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆う端子バリア層を形成する工程と、端子バリア層を覆う端子表面層を形成する工程とを含み、金属被覆層を形成する工程において、金属被覆層は、配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びるように形成され、配線部の全長に対する配線部の一部を覆う金属被覆層の長さの割合は40%以下に設定され、導体パターンは、銅を含み、端子表面層は、金を含み、端子バリア層は、ニッケルまたはパラジウムを含む。
(23)第14の発明に係る配線回路基板の製造方法は、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、配線部の一部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるようにかつ配線部の一部に接触するように金属被覆層を形成する工程と、金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないようにかつ金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部のうち他の部分に接触するように第2の絶縁層を第1の絶縁層上に形成する工程と、金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆うとともに金属被覆層のうち配線部を覆う部分を覆わないようにかつ導体パターンに接触しないように端子表面層を形成する工程とを含み、金属被覆層を形成する工程において、金属被覆層は、配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びるように形成され、配線部の全長に対する配線部の一部を覆う金属被覆層の長さの割合は40%以下に設定され、導体パターンは、銅を含み、端子表面層は、金を含み、金属被覆層は、ニッケルを含む。
本発明によれば、導体パターンの腐食を防止しつつ高い周波数帯域においても電気信号の損失が低減された配線回路基板が実現される。
第1の実施の形態に係るサスペンション基板の平面図である。 接続端子およびその周辺部分の平面図である。 接続端子およびその周辺部分の平面図である。 接続端子およびその周辺部分の平面図である。 接続端子およびその周辺部分の断面図である。 図1のサスペンション基板の製造工程を示す模式的工程図である。 図1のサスペンション基板の製造工程を示す模式的工程図である。 図1のサスペンション基板の製造工程を示す模式的工程図である。 図1のサスペンション基板の製造工程を示す模式的工程図である。 第2の実施の形態に係るサスペンション基板の一部を示す平面図および断面図である。 第3の実施の形態に係るサスペンション基板の一部を示す平面図および断面図である。 第4の実施の形態に係るサスペンション基板の一部を示す平面図および断面図である。 第4の実施の形態に係るサスペンション基板の他の例を示す平面図である。 第5の実施の形態に係るサスペンション基板の一部を示す平面図および断面図である。 第1の実施の形態に係るサスペンション基板における接続端子の他の構成例を示す平面図および断面図である。 第2の実施の形態に係るサスペンション基板における接続端子の他の構成例を示す平面図および断面図である。 第5の実施の形態に係るサスペンション基板における接続端子の他の構成例を示す平面図および断面図である。 第4の実施の形態に係るサスペンション基板における接続端子の他の構成例を示す平面図および断面図である。 第4の実施の形態に係るサスペンション基板における接続端子のさらに他の構成例を示す平面図および断面図である。 第5の実施の形態に係るサスペンション基板における接続端子のさらに他の構成例を示す平面図および断面図である。 他の実施の形態に係るサスペンション基板の平面図である。 図21のサスペンション基板の接続端子およびその周辺部分の平面図である。 図21のサスペンション基板の接続端子およびその周辺部分の断面図である。 図21のサスペンション基板の製造工程を示す模式的工程図である。 図21のサスペンション基板の製造工程を示す模式的工程図である。 図21のサスペンション基板の製造工程を示す模式的工程図である。 図21のサスペンション基板の製造工程を示す模式的工程図である。 図21のサスペンション基板の製造工程を示す模式的工程図である。 図21のサスペンション基板においてベース絶縁層の一部に開口部が形成された例を示す図である。 図21のサスペンション基板においてベース絶縁層の一部に開口部が形成された例を示す図である。 図30のサスペンション基板において露出するシード層の部分が除去された状態を示す図である。 上下に積層された2つの導体パターンおよびそれらに対応する2つの接続端子の第1の構成例を示す断面図である。 上下に積層された2つの導体パターンおよびそれらに対応する2つの接続端子の第2の構成例を示す断面図である。 上下に積層された2つの導体パターンおよびそれらに対応する2つの接続端子の第3の構成例を示す断面図である。 上下に積層された2つの導体パターンおよびそれらに対応する2つの接続端子の第4の構成例を示す断面図である。 上下に積層された2つの導体パターンおよびそれらに対応する2つの接続端子の第5の構成例を示す断面図である。 上下に積層された2つの導体パターンおよびそれらに対応する2つの接続端子の第6の構成例を示す断面図である。 比較例2のサスペンション基板の一部を示す平面図および断面図である。 実施例10,11,12および比較例2についてのパラメータSDD21の測定結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係る配線回路基板およびその製造方法について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る配線回路基板として、ハードディスクドライブ装置のアクチュエータに用いられる回路付サスペンション基板(以下、サスペンション基板と略記する)について説明する。
[1]第1の実施の形態
(1)サスペンション基板の構造
図1は、第1の実施の形態に係るサスペンション基板の平面図である。図1において、矢印が向かう方向を前方と呼び、その逆方向を後方と呼ぶ。図1に示すように、サスペンション基板1は、金属製の長尺状の支持基板10(図5参照)により形成されるサスペンション本体部100を備える。図1においては、サスペンション本体部100は、略前後方向に延びている。
サスペンション基板1は、長尺状の支持プレート50により支持される。サスペンション本体部100の上面には、点線で示すように、書込用配線パターンW1,W2、読取用配線パターンR1,R2および電源用配線パターンP1,P2が形成されている。
サスペンション本体部100の先端部には、U字状の開口部11を形成することにより磁気ヘッド搭載部(以下、タング部と呼ぶ)12が設けられている。タング部12は、サスペンション本体部100に対して所定の角度をなすように破線Rの箇所で折り曲げ加工される。
サスペンション本体部100の一端部におけるタング部12の上面には4つの接続端子21,22,23,24が形成されている。また、サスペンション本体部100が延びる方向における中央部近傍の両側部には、2つの接続端子25,26がそれぞれ形成されている。タング部12の上面に磁気ヘッドを有するヘッドスライダ(図示せず)が実装される。タング部12の接続端子21〜24にヘッドスライダの磁気ヘッドの端子が接続される。接続端子25,26は、支持プレート50に設けられた2つの圧電素子91,92にそれぞれ接続される。
サスペンション本体部100の他端部の上面には6つの接続端子31,32,33,34,35,36が形成されている。接続端子31〜34には、プリアンプ等の電子回路が接続される。接続端子35,36には圧電素子91,92用の電源回路が接続される。接続端子21〜26と接続端子31〜36とは、それぞれ書込用配線パターンW1,W2、読取用配線パターンR1,R2および電源用配線パターンP1,P2により電気的に接続されている。また、サスペンション本体部100には複数の孔部Hが形成されている。
支持プレート50は、前端領域51、後端領域52および中央領域53を有する。後端領域52は矩形状を有する。前端領域51は台形状を有し、その幅は後方から前方に向かって漸次減少する。中央領域53は前後方向に延びる矩形状を有し、前端領域51と後端領域52との間に配置される。サスペンション基板1が支持プレート50の上面に支持された状態において、接続端子31〜36を含むサスペンション基板1の端部は、後端領域52から後方に突出する。
中央領域53の一部分には、圧電素子実装領域54が設けられる。圧電素子実装領域54は、サスペンション基板1の接続端子25,26と重なる。圧電素子実装領域54の両側部は、外方に湾曲するように突出する。また、圧電素子実装領域54には、幅方向(前後方向に直交する方向)に延びる貫通孔54hが形成される。この構成によれば、支持プレート50の圧電素子実装領域54の部分は、前後方向に伸縮性を有する。
貫通孔54hをまたぐように圧電素子実装領域54の下面に圧電素子91,92が実装される。圧電素子91,92は、サスペンション基板1の両側方にそれぞれ位置する。圧電素子91,92は、貫通孔54hを通してサスペンション基板1の接続端子25,26にそれぞれ接続される。
接続端子25,35および電源用配線パターンP1を介して圧電素子91に電圧が印加され、接続端子26,36および電源用配線パターンP2を介して圧電素子92に電圧が印加される。これにより、圧電素子91,92の伸縮に伴って、支持プレート50が前後方向に伸縮する。圧電素子91,92に印加される電圧を制御することにより、サスペンション基板1上のヘッドスライダの磁気ヘッドの微小な位置合わせが可能になる。
支持プレート50に支持されたサスペンション基板1はハードディスク装置に設けられる。磁気ディスクへの情報の書込み時に一対の書込用配線パターンW1,W2に電流が流れる。書込用配線パターンW1と書込用配線パターンW2とは、差動の書込み信号を伝送する差動信号線路対を構成する。また、磁気ディスクからの情報の読取り時に一対の読取用配線パターンR1,R2に電流が流れる。読取用配線パターンR1と読取用配線パターンR2とは、差動の読取り信号を伝送する差動信号線路対を構成する。
(2)接続端子およびその周辺部分の構成
次に、サスペンション基板1の接続端子21〜26,31〜36およびその周辺部分について詳細に説明する。図2〜図4は、接続端子21〜26,31〜36およびその周辺部分の平面図である。図5は、接続端子21〜26,31〜36およびその周辺部分の断面図である。図2(a)〜(c)の縮尺は互いに異なり、図3(a)〜(c)の縮尺は互いに異なり、図4(a)〜(c)の縮尺は互いに異なり、図5(a)〜(c)の縮尺は互いに異なる。
図2(a)、図3(a)および図4(a)は図1の接続端子21〜24およびその周辺部分を示し、図2(b)、図3(b)および図4(b)は図1の接続端子25およびその周辺部分を示し、図2(c)、図3(c)および図4(c)は図1の接続端子31,32およびその周辺部分を示す。図2(a)〜(c)においては、金属被覆層15(図5参照)およびカバー絶縁層43(図5参照)の図示が省略されている。図3(a)〜(c)においては、カバー絶縁層43(図5参照)の図示が省略されている。接続端子26は接続端子25と同様の構成を有し、接続端子33〜36は接続端子31,32と同様の構成を有する。
図5(a)〜(c)は、図2(a)のA−A線拡大断面図、図2(b)のB−B線拡大断面図および図2(c)のC−C線拡大断面図をそれぞれ示す。図2(a)〜(c)、図3(a)〜(c)および図4(a)〜(c)の平面図には、構成の理解を容易にするために、図5(a)〜(c)の断面図の各部材に付されたハッチングまたはドットパターンと同一のハッチングまたはドットパターンが付されている。後述する図6〜図12、図14および図38等についても同様である。
図5(a)〜(c)に示すように、例えばステンレス鋼からなる金属製の支持基板10上に例えばポリイミドからなるベース絶縁層41が形成される。図2(a)〜(c)に示すように、ベース絶縁層41上に、例えば銅からなる複数(本例では6つ)の導体パターン61が形成される。各導体パターン61は、2つの端子部61aと1本の配線部61bとを含む。配線部61bは、2つの端子部61aをつなぐようにかつ各端子部61aから延びるように形成される。6つの導体パターン61の配線部61bにより、上記の書込用配線パターンW1,W2、読取用配線パターンR1,R2および電源用配線パターンP1,P2がそれぞれ構成される。なお、各導体パターン61とベース絶縁層41との間には図示しないシード層が形成されている。
図5(a)〜(c)に示すように、各導体パターン61の全体を覆うように金属被覆層15が形成される。具体的には、各導体パターン61の端子部61aおよび配線部61bを覆うとともに端子部61aの表面上から配線部61bの表面上に連続して延びるように金属被覆層15が形成される。本実施の形態においては、金属被覆層15は、主としてニッケルの磁性よりも低い磁性を有する金属(例えば非磁性体の金属)からなり、ニッケルの磁性よりも低い磁性を有する。具体的には、金属被覆層15は例えば金からなる。
複数の導体パターン61の2つの端子部61aにそれぞれ金属被覆層15が形成されることにより、図3(a)に示すように、書込用配線パターンW1,W2および読取用配線パターンR1,R2の一端部に、それぞれ接続端子21〜24が形成される。図3(b)に示すように、電源用配線パターンP1の一端部に、接続端子25が形成される。同様に、電源用配線パターンP2(図1)の一端部に、接続端子26(図1)が形成される。図3(c)に示すように、書込用配線パターンW1,W2の他端部に、それぞれ接続端子31,32が形成される。同様に、読取用配線パターンR1,R2(図1)および電源用配線パターンP1,P2(図1)の他端部に、接続端子33〜36(図1)が形成される。
図4(a)〜(c)に示すように、各導体パターン61に形成される金属被覆層15のうち配線部61bを覆う部分を覆うとともに端子部61aを覆う部分を覆わないように、ベース絶縁層41上にカバー絶縁層43が形成される。カバー絶縁層43は、例えばポリイミドからなる。
上記の構成において、金属被覆層15は配線部61bおよび端子部61aに接触し、カバー絶縁層43は金属被覆層15のうち配線部61bを覆う部分に接触する。また、接続端子21〜24,33〜36の近傍に位置するカバー絶縁層43の端部は、各導体パターン61の端子部61aと配線部61bとの境界61c(図5参照)上に位置する。
図5(a)〜(c)に示すように、本実施の形態においては、金属被覆層15は、配線部61bの表面上で端子部61aと配線部61bとの境界61c上の位置から少なくとも距離L0離れた位置まで延びるように形成される。距離L0は、3μm以上である。
(3)サスペンション基板の製造方法
以下、サスペンション基板1の製造方法を説明する。図6〜図9は、図1のサスペンション基板1の製造工程を示す模式的工程図である。図6および図7は接続端子21〜24およびその周辺に相当する部分の平面図を示す。図8および図9は、図6および図7のD−D線断面図を示す。
まず、図6(a)および図8(a)に示すように、例えばステンレス鋼からなる支持層10a上に、例えばポリイミドからなるベース絶縁層41を形成する。支持層10aの厚みは、例えば10μm以上50μm以下である。ベース絶縁層41の厚みは、例えば5μm以上15μm以下である。ここで、ベース絶縁層41は、図1のサスペンション基板1の形状と同一の形状に形成される。
次に、図6(b)および図8(b)に示すように、ベース絶縁層41上に図示しないシード層を介して例えば銅からなる複数(本例では6つ)の導体パターン61を形成する。シード層は、例えばクロムおよび銅の積層膜またはクロムの単層膜からなり、スパッタリング、無電解めっきまたは蒸着等の方法により形成することができる。各導体パターン61の厚みは、例えば1μm以上20μm以下である。6つの導体パターン61の配線部61bにより、ベース絶縁層41上に書込用配線パターンW1,W2、読取用配線パターンR1,R2および電源用配線パターンP1,P2が形成される。
書込用配線パターンW1,W2間の間隔および読取用配線パターンR1,R2間の間隔は、例えばそれぞれ5μm以上100μm以下である。同様に、書込用配線パターンW1と電源用配線パターンP1との間の間隔および読取用配線パターンR2と電源用配線パターンP2との間の間隔は、例えばそれぞれ5μm以上100μm以下である。書込用配線パターンW1,W2、読取用配線パターンR1,R2および電源用配線パターンP1,P2の幅は、例えば5μm以上200μm以下である。
続いて、図6(c)および図8(c)に示すように、各導体パターン61の端子部61aおよび配線部61bを覆うとともに端子部61aの表面上から配線部61bの表面上に連続して延びるように金属被覆層15を形成する。6つの導体パターン61の端子部61aとそれらの端子部61aを被覆する金属被覆層15とにより、図1の接続端子21〜26,31〜36が形成される。
金属被覆層15は、主としてニッケルの磁性よりも低い磁性を有する金属からなり、例えば電解めっきにより形成される。なお、金属被覆層15は、無電解めっきまたはスパッタリングにより形成することもできる。金属被覆層15の材料としては、例えば金が用いられる。また、金属被覆層15の材料として銀、クロム、錫および白金のうちいずれかを用いることもできる。金属被覆層15の厚みは、例えば0.005μm以上5μm以下であり、0.01μm以上3μm以下であることが好ましい。
その後、図7(a)および図9(a)に示すように、金属被覆層15のうち配線部61bを覆う部分を覆うとともに端子部61aを覆う部分を覆わないように、ベース絶縁層41上に例えばポリイミドからなるカバー絶縁層43を形成する。それにより、接続端子21〜26,31〜36がカバー絶縁層43から露出する。カバー絶縁層43の厚みは、例えば2μm以上10μm以下である。
その後、図7(b)および図9(b)に示すように、ベース絶縁層41と重なる支持層10aの部分が残存するように支持層10aを加工することにより、支持基板10を形成する。支持層10aの加工は、例えばエッチングにより行われる。これにより、サスペンション基板1が完成する。
(4)第1の実施の形態の効果
本実施の形態に係るサスペンション基板1においては、各導体パターン61の配線部61bを覆うように金属被覆層15が設けられ、金属被覆層15のうち配線部61bを覆う部分を覆うようにカバー絶縁層43が設けられる。金属被覆層15は配線部61bに接触し、カバー絶縁層43は金属被覆層15のうち配線部61bを覆う部分に接触する。この場合、配線部61bとカバー絶縁層43との間には、ニッケルの磁性以上の磁性を有する金属層(例えば強磁性体の金属からなる層)が存在しない。本発明者の実験および検討の結果、配線部61bとその配線部61bを覆うカバー絶縁層43との間にニッケルの磁性以上の磁性を有する金属層が存在しないことにより、高い周波数帯域において電気信号の伝送損失を低減できることがわかった。したがって、上記のサスペンション基板1によれば、高い周波数帯域における電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、上記の構成においては、カバー絶縁層43が金属被覆層15のうち配線部61bを覆う部分に接触することにより、カバー絶縁層43と配線部61bとが接触する場合に比べてカバー絶縁層43と配線部61bとの間の密着性が向上する。したがって、カバー絶縁層43と金属被覆層15との間に大きな空隙が生じにくくなる。さらに、金属被覆層15は、端子部61aの表面上から配線部61bの表面上に連続して延びるように形成される。それにより、金属被覆層15の内部にカバー絶縁層43の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターン61における端子部61aと配線部61bとの境界61cおよびその近傍に腐食が発生することが防止される。
サスペンション基板1の上記の製造方法においては、配線部61b上に腐食の発生を防止するための金属被覆層15が形成されると同時に、端子部61a上に接続端子21〜26,31〜36用の金属被覆層15が形成される。この場合、配線部61bへの金属被覆層15の形成と、端子部61aへの金属被覆層15の形成とを個別に行う必要がないので、サスペンション基板1の製造工程数が低減される。
[2]第2の実施の形態
第2の実施の形態に係るサスペンション基板について、第1の実施の形態に係るサスペンション基板1と異なる点を説明する。図10は、第2の実施の形態に係るサスペンション基板の一部を示す平面図および断面図である。図10(a),(b)に、平面図および断面図がそれぞれ示される。図10(a)の平面図は、第1の実施の形態の図3(a)の平面図に対応する。図10(b)の断面図は、図10(a)のE−E線拡大断面図を示し、第1の実施の形態の図5(a)の断面図に対応する。
本実施の形態に係るサスペンション基板においても、第1の実施の形態と同様に、支持基板10上にベース絶縁層41が形成され、ベース絶縁層41上に図示しないシード層を介して複数の導体パターン61が形成される。複数の導体パターン61の配線部61bを覆うようにベース絶縁層41上にカバー絶縁層43が形成される(図4(a)参照)。図10(a)では、カバー絶縁層43の図示が省略されている。
図10(a),(b)に示すように、本実施の形態では、各導体パターン61の配線部61bの一部と端子部61aとを覆うとともに端子部61aの表面上から配線部61bの表面上に連続して延びるように金属被覆層15が設けられる。さらに、金属被覆層15は、配線部61bの表面上で端子部61aと配線部61bとの境界61c上の位置から距離L1離れた位置まで延びる。
本実施の形態に係るサスペンション基板においては、各導体パターン61の配線部61bの一部を覆うように金属被覆層15が設けられる。また、金属被覆層15のうち配線部61bを覆う部分と、配線部61bのうち金属被覆層15により覆われない他の部分とを覆うようにカバー絶縁層43が設けられる。金属被覆層15は配線部61bの一部に接触し、カバー絶縁層43は金属被覆層15のうち配線部61bを覆う部分に接触するとともに配線部61bの他の部分に接触する。この場合、配線部61bとカバー絶縁層43との間には、ニッケルの磁性以上の磁性を有する金属層が存在しない。したがって、本実施の形態においても、高い周波数帯域における電気信号の伝送損失を低減することができる。
本実施の形態においては、上記の距離L1は3μm以上に設定される。この場合、導体パターン61における端子部61aと配線部61bとの境界61cの近傍において、金属被覆層15によりカバー絶縁層43と配線部61bとの間の密着性が向上する。それにより、第1の実施の形態と同様に、金属被覆層15の内部にカバー絶縁層43の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターン61における端子部61aと配線部61bとの境界61cおよびその近傍に腐食が発生することが防止される。
上記の距離L1は、5μm以上に設定されることが好ましい。この場合、導体パターン61における端子部61aと配線部61bとの境界61cの近傍において、カバー絶縁層43と配線部61bとの間の密着性がより向上する。したがって、カバー絶縁層43と金属被覆層15との間に大きな空隙がより生じにくくなる。その結果、導体パターン61における腐食の発生がより防止される。
[3]第3の実施の形態
第3の実施の形態に係るサスペンション基板について、第2の実施の形態に係るサスペンション基板と異なる点を説明する。図11は、第3の実施の形態に係るサスペンション基板の一部を示す平面図および断面図である。図11(a),(b)に、平面図および断面図がそれぞれ示される。図11(a)の平面図は、第2の実施の形態の図10(a)の平面図に対応する。図11(b)の断面図は、図11(a)のF−F線拡大断面図を示し、第2の実施の形態の図10(b)の断面図に対応する。図10(a)の例と同様に、図11(a)では、カバー絶縁層43の図示が省略されている。
図11(a),(b)に示すように、本実施の形態では、各導体パターン61に形成される金属被覆層15のうち端子部61aを覆う部分を覆うように、例えば金からなる金属被覆層16が形成されている。金属被覆層16の厚みは、例えば0.005μm以上5μm以下であり、0.01μm以上3μm以下であることが好ましい。
本実施の形態に係るサスペンション基板の製造方法においては、カバー絶縁層43の形成後(図7(a)および図9(a)参照)、露出する金属被覆層15上に例えば電解めっきにより金属被覆層16が形成される。この場合、図1の接続端子21〜26,31〜36は、導体パターン61の端子部61a、金属被覆層15および金属被覆層16により形成される。
上記の構成によれば、サスペンション基板の製造過程で金属被覆層15の表面状態が不安定になる場合でも、端子部61aにおける金属被覆層15の表面が金属被覆層16により覆われる。それにより、接続端子21〜26,31〜36の表面状態を整えることができる。
本実施の形態では、金属被覆層16の材料として金が用いられる。上記の例に限らず、金属被覆層16の材料としてニッケル、銀、クロム、錫および白金のうちいずれかを用いることもできる。
[4]第4の実施の形態
第4の実施の形態に係るサスペンション基板について、第2の実施の形態に係るサスペンション基板と異なる点を説明する。図12は、第4の実施の形態に係るサスペンション基板の一部を示す平面図および断面図である。図12(a),(b)に、平面図および断面図がそれぞれ示される。図12(a)の平面図は、第2の実施の形態の図10(a)の平面図に対応する。図12(b)の断面図は、図12(a)のG−G線拡大断面図を示し、第2の実施の形態の図10(b)の断面図に対応する。図10(a)の例と同様に、図12(a)では、カバー絶縁層43の図示が省略されている。
図12(a),(b)に示すように、本実施の形態では、図10の金属被覆層15に代えて例えばニッケルからなる金属被覆層17が設けられる。本実施の形態において、金属被覆層17は、主としてニッケルの磁性以上の磁性を有する金属からなり、例えば電解めっき、無電解めっきまたはスパッタリングにより形成される。金属被覆層17の厚みは、例えば0.005μm以上5μm以下であり、0.01μm以上3μm以下であることが好ましい。
金属被覆層17は、配線部61bの表面上で端子部61aと配線部61bとの境界61c上の位置から距離L2離れた位置まで延びる。距離L2は3μm以上に設定される。それにより、第2の実施の形態と同様に、導体パターン61における端子部61aと配線部61bとの境界61cの近傍において、金属被覆層17によりカバー絶縁層43と配線部61bとの間の密着性が向上する。したがって、導体パターン61における端子部61aと配線部61bとの境界61cおよびその近傍に腐食が発生することが防止される。
図13は、第4の実施の形態に係るサスペンション基板の他の例を示す平面図である。図13では、書込用配線パターンW1,W2、読取用配線パターンR1,R2および電源用配線パターンP1,P2のうち金属被覆層17が形成されている部分が太い実線で示される。図13のサスペンション基板においては、金属被覆層17の距離L2が図12(a),(b)の例に比べて長い。
ここで、書込用配線パターンW1,W2、読取用配線パターンR1,R2および電源用配線パターンP1,P2を構成する複数の導体パターン61の各々において、配線部61bの軸心に沿う一方の端子部61aと他方の端子部61aとの間の距離を配線部61bの全長と呼ぶ。
この場合、上記の距離L2は、配線部61bの全長に対するその配線部61bを覆う全ての金属被覆層17の長さの割合が40%以下となるように設定される。
上記の構成においては、配線部61bの一部と端子部61aとを覆うように金属被覆層17が設けられ、金属被覆層17のうち配線部61bの一部を覆う部分と配線部61bのうち金属被覆層17により覆われない他の部分とを覆うようにカバー絶縁層43が設けられる。金属被覆層17は配線部61bの一部に接触し、カバー絶縁層43は金属被覆層17のうち配線部61bを覆う部分に接触するとともに配線部61bの他の部分に接触する。
この場合、配線部61bの全長に対して60%以上の長さの範囲において、配線部61bとカバー絶縁層43との間には、ニッケルの磁性以上の磁性を有する金属層が存在しない。本発明者の実験および検討の結果、配線部61bとその配線部61bを覆うカバー絶縁層43との間にニッケルの磁性以上の磁性を有する金属層が存在する場合でも、配線部61bの全長に対するその金属層の長さの割合が40%以下に設定されることにより、高い周波数帯域において電気信号の伝送損失を低減できることがわかった。それにより、本実施の形態においても、高い周波数帯域における電気信号の伝送損失を低減することができる。
[5]第5の実施の形態
第5の実施の形態に係るサスペンション基板について、第4の実施の形態に係るサスペンション基板と異なる点を説明する。図14は、第5の実施の形態に係るサスペンション基板の一部を示す平面図および断面図である。図14(a),(b)に、平面図および断面図がそれぞれ示される。図14(a)の平面図は、第4の実施の形態の図12(a)の平面図に対応する。図14(b)の断面図は、図14(a)のJ−J線拡大断面図を示し、第4の実施の形態の図12(b)の断面図に対応する。図12(a)の例と同様に、図14(a)では、カバー絶縁層43の図示が省略されている。
図14(a),(b)に示すように、本実施の形態では、図12の金属被覆層17の全体を覆うように金属被覆層18が形成されている。金属被覆層18の厚みは、例えば0.005μm以上5μm以下であり、0.01μm以上3μm以下であることが好ましい。金属被覆層18の材料としては、例えば金が用いられる。また、金属被覆層18の材料としてニッケル、銀、クロム、錫および白金のうちいずれかを用いることもできる。
第5の実施の形態に係るサスペンション基板の製造方法においては、ベース絶縁層41上に図示しないシード層を介して複数の導体パターン61を形成した後、各導体パターン61の一部に金属被覆層17および金属被覆層18が順次積層される。金属被覆層17は例えば無電解めっきまたはスパッタリングにより形成され、金属被覆層18は例えば電解めっきにより形成される。その後、金属被覆層18のうち配線部61bを覆う部分と配線部61bのうち金属被覆層17,18により覆われない他の部分とを覆うようにベース絶縁層41上にカバー絶縁層43が形成される。
本実施の形態においては、カバー絶縁層43は金属被覆層18のうち配線部61bを覆う部分に接触する。金属被覆層18は、配線部61bの表面上で端子部61aと配線部61bとの境界61c上の位置から距離L2離れた位置まで延びる。距離L2は3μm以上に設定される。それにより、第4の実施の形態と同様に、導体パターン61における端子部61aと配線部61bとの境界61cの近傍において、金属被覆層18によりカバー絶縁層43と配線部61bとの間の密着性が向上する。したがって、導体パターン61における端子部61aと配線部61bとの境界61cおよびその近傍に腐食が発生することが防止される。
[6]他の実施の形態
(1)第1の実施の形態に係るサスペンション基板1においては、接続端子21〜24が、図2〜図5の構成に代えて以下の構成を有してもよい。図15は、第1の実施の形態に係るサスペンション基板1における接続端子21〜24の他の構成例を示す平面図および断面図である。図15(a),(b)に、平面図および断面図がそれぞれ示される。図15(a)の平面図は、第1の実施の形態の図3(a)の平面図に対応する。図15(b)の断面図は、図15(a)のA1−A1線拡大断面図を示し、第1の実施の形態の図5(a)の断面図に対応する。図3(a)の例と同様に、図15(a)では、カバー絶縁層43の図示が省略されている。
図15(a),(b)に示すように、各導体パターン61に形成される金属被覆層15のうち端子部61aを覆う部分を覆うように、バリア層70が形成されている。さらに、バリア層70を覆うように金層71が形成されている。この場合、接続端子21〜24は、導体パターン61の端子部61a、金属被覆層15、バリア層70および金層71により形成される。
バリア層70の厚みは、例えば0.2μm以上4.0μm以下であり、0.5μm以上3.0μm以下であることが好ましい。また、金層71の厚みは、例えば0.02μm以上1.5μm以下であり、0.05μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
ここで、バリア層70は、導体パターン61の表面から金属被覆層15に拡散する銅の成分が、さらに金層71へ拡散することを抑制する機能を有する。このような機能を実現するために、本例ではバリア層70の材料としてニッケルが用いられる。なお、バリア層70として、ニッケルに代えてパラジウムを用いることもできる。
上記の構成によれば、接続端子21〜24においては、外部に露出する金層71に導体パターン61の銅の成分が拡散しない。それにより、金層71に銅の成分が拡散することに起因する金層71の耐食性および濡れ性の低下が抑制される。したがって、良好な耐食性および濡れ性を有する接続端子21〜24が実現される。
接続端子25,26,31〜36においても、図15の接続端子21〜24と同様に、バリア層70および金層71が設けられてもよい。それにより、良好な耐食性および濡れ性を有する接続端子25,26,31〜36が実現される。
(2)第2の実施の形態に係るサスペンション基板においては、接続端子21〜24が、図10の構成に代えて以下の構成を有してもよい。図16は、第2の実施の形態に係るサスペンション基板における接続端子21〜24の他の構成例を示す平面図および断面図である。図16(a),(b)に、平面図および断面図がそれぞれ示される。図16(a)の平面図は、第2の実施の形態の図10(a)の平面図に対応する。図16(b)の断面図は、図16(a)のA2−A2線拡大断面図を示し、第2の実施の形態の図10(b)の断面図に対応する。図10(a)の例と同様に、図16(a)では、カバー絶縁層43の図示が省略されている。
図16(a),(b)に示すように、本例では、図15の例と同様に、各導体パターン61に形成される金属被覆層15のうち端子部61aを覆う部分を覆うように、バリア層70が形成されている。さらに、バリア層70を覆うように金層71が形成されている。それにより、金層71に導体パターン61の銅の成分が拡散することに起因する金層71の耐食性および濡れ性の低下が抑制される。したがって、良好な耐食性および濡れ性を有する接続端子21〜24が実現される。
接続端子25,26,31〜36においても、図16の接続端子21〜24と同様に、バリア層70および金層71が設けられてもよい。それにより、良好な耐食性および濡れ性を有する接続端子25,26,31〜36が実現される。
(3)第5の実施の形態に係るサスペンション基板においては、接続端子21〜24が、図14の構成に代えて以下の構成を有してもよい。図17は、第5の実施の形態に係るサスペンション基板における接続端子21〜24の他の構成例を示す平面図および断面図である。図17(a),(b)に、平面図および断面図がそれぞれ示される。図17(a)の平面図は、第5の実施の形態の図14(a)の平面図に対応する。図17(b)の断面図は、図17(a)のA3−A3線拡大断面図を示し、第5の実施の形態の図14(b)の断面図に対応する。図14(a)の例と同様に、図17(a)では、カバー絶縁層43の図示が省略されている。
図17(a),(b)に示すように、各導体パターン61に形成される金属被覆層17,18のうち端子部61aを覆う部分を覆うように、図15および図16の例と同様のバリア層70が形成されている。さらに、バリア層70を覆うように金層71が形成されている。この場合、接続端子21〜24は、導体パターン61の端子部61a、金属被覆層17,18、バリア層70および金層71により形成される。
本例のバリア層70は、導体パターン61の表面から金属被覆層17,18に拡散する銅の成分が、さらに金層71へ拡散することを抑制する機能を有する。それにより、金層71に導体パターン61の銅の成分が拡散することに起因する金層71の耐食性および濡れ性の低下が抑制される。したがって、良好な耐食性および濡れ性を有する接続端子21〜24が実現される。
接続端子25,26,31〜36においても、図17の接続端子21〜24と同様に、バリア層70および金層71が設けられてもよい。それにより、良好な耐食性および濡れ性を有する接続端子25,26,31〜36が実現される。
(4)第4の実施の形態に係るサスペンション基板においては、接続端子21〜24が、図12の構成に代えて以下の構成を有してもよい。図18は、第4の実施の形態に係るサスペンション基板における接続端子21〜24の他の構成例を示す平面図および断面図である。図18(a),(b)に、平面図および断面図がそれぞれ示される。図18(a)の平面図は、第4の実施の形態の図12(a)の平面図に対応する。図18(b)の断面図は、図18(a)のA4−A4線拡大断面図を示し、第4の実施の形態の図12(b)の断面図に対応する。図12(a)の例と同様に、図18(a)では、カバー絶縁層43の図示が省略されている。
本例では、金属被覆層17の材料としてニッケルが用いられる。図18(a),(b)に示すように、各導体パターン61に形成される金属被覆層17のうち端子部61aを覆う部分を覆うように、ニッケルからなるバリア層70が形成されている。さらに、バリア層70を覆うように金層71が形成されている。この場合、接続端子21〜24は、導体パターン61の端子部61a、金属被覆層17、バリア層70および金層71により形成される。
本例のサスペンション基板の製造過程においては、支持層10a上にベース絶縁層41が形成され、ベース絶縁層41上に形成される導体パターン61の一部に金属被覆層17が形成される。導体パターン61の配線部61bに重なるようにカバー絶縁層43が形成され、支持層10aに図1の開口部11および孔部Hが形成される。その後、端子部61aを覆う金属被覆層17の部分にバリア層70および金層71が順次形成され、支持基板10の外形が形成されるように支持層10aが加工される。
上記の製造過程のうちカバー絶縁層43が形成されてから金層71が形成されるまでの間には、例えばシード層を除去するためのソフトエッチング等によりカバー絶縁層43で覆われていない金属被覆層17の部分の表面状態が不安定になる場合がある。このような場合でも、後工程でカバー絶縁層43で覆われていない金属被覆層17の部分がバリア層70により覆われる。したがって、表面状態が整えられたバリア層70上に連続的に金層71を形成することができる。
これにより、金属被覆層17およびバリア層70のニッケルにより導体パターン61から金層71へ銅の成分が拡散することが十分に抑制される。したがって、金層71に導体パターン61の銅の成分が拡散することに起因する金層71の耐食性および濡れ性の低下が抑制される。その結果、良好な耐食性および濡れ性を有する接続端子21〜24が実現される。
接続端子25,26,31〜36においても、図18の接続端子21〜24と同様に、バリア層70および金層71が設けられてもよい。それにより、良好な耐食性および濡れ性を有する接続端子25,26,31〜36が実現される。
なお、上記の製造過程のうちカバー絶縁層43が形成されてから金層71が形成されるまでの間に金属被覆層17の部分の表面状態が不安定にならない場合には、バリア層70は設けられなくてもよい。端子部61aを覆う金属被覆層17の部分に金層71が形成されてもよい。
(5)第4の実施の形態に係るサスペンション基板においては、接続端子21〜24が、図12の構成に代えて以下の構成を有してもよい。図19は、第4の実施の形態に係るサスペンション基板における接続端子21〜24のさらに他の構成例を示す平面図および断面図である。図19(a),(b)に、平面図および断面図がそれぞれ示される。図19(a)の平面図は、第4の実施の形態の図12(a)の平面図に対応する。図19(b)の断面図は、図19(a)のA5−A5線拡大断面図を示し、第4の実施の形態の図12(b)の断面図に対応する。図12(a)の例と同様に、図19(a)では、カバー絶縁層43の図示が省略されている。
本例では、図18の例と同様に、金属被覆層17の材料としてニッケルが用いられる。図19(a),(b)に示すように、金属被覆層17は、導体パターン61のうち境界61cおよびその近傍を除く配線部61bの一部を覆うように形成されている。金属被覆層17により被覆されていない導体パターン61の境界61cおよびその近傍と端子部61aとを覆うように、バリア層70が形成されている。本例のバリア層70は、金属被覆層17と同じ材料からなる。バリア層70のうち端子部61aを覆う部分を覆うように金層71が形成されている。この場合、接続端子21〜24は、導体パターン61の端子部61a、バリア層70および金層71により形成される。
本例のサスペンション基板の製造過程においては、支持層10a上にベース絶縁層41が形成され、ベース絶縁層41上に形成される導体パターン61の一部に金属被覆層17が形成される。導体パターン61の配線部61bに重なるようにカバー絶縁層43が形成された後、カバー絶縁層43により覆われていない金属被覆層17の部分がエッチングにより除去される。このとき、境界61cの近傍に位置する金属被覆層17の部分も除去される。続いて、支持層10aに図1の開口部11および孔部Hが形成される。その後、露出する導体パターン61の境界61cおよびその近傍と端子部61aとを覆うように、バリア層70および金層71が形成され、支持基板10の外形が形成されるように支持層10aが加工される。
上記の製造過程においては、カバー絶縁層43が形成されてからバリア層70が形成されるまでの間に、導体パターン61の境界61cおよびその近傍と端子部61aとを覆う金属被覆層17が除去されている。その後、バリア層70と金層71とが露出する導体パターン61の部分に順次形成される。この場合、表面状態が整えられたバリア層70上に連続的に金層71を形成することができる。したがって、バリア層70のニッケルにより導体パターン61から金層71へ銅の成分が拡散することが十分に抑制される。それにより、金層71に導体パターン61の銅の成分が拡散することに起因する金層71の耐食性および濡れ性の低下が抑制される。したがって、良好な耐食性および濡れ性を有する接続端子21〜24が実現される。
図19の例では、導体パターン61上に形成される金属被覆層17とバリア層70とが同じニッケルからなり、一体的に構成される。端子部61aを覆うバリア層70は金属被覆層17の一部として機能する。金属被覆層17およびバリア層70により導体パターン61の境界61cおよびその近傍部分が連続的に覆われる。これにより、本例においても、金属被覆層17の内部にカバー絶縁層43の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。
接続端子25,26,31〜36は、図19の接続端子21〜24と同様の構成を有してもよい。それにより、良好な耐食性および濡れ性を有する接続端子25,26,31〜36が実現される。
(6)第5の実施の形態に係るサスペンション基板においては、接続端子21〜24が、図14の構成に代えて以下の構成を有してもよい。図20は、第5の実施の形態に係るサスペンション基板における接続端子21〜24のさらに他の構成例を示す平面図および断面図である。図20(a),(b)に、平面図および断面図がそれぞれ示される。図20(a)の平面図は、第5の実施の形態の図14(a)の平面図に対応する。図20(b)の断面図は、図20(a)のA6−A6線拡大断面図を示し、第5の実施の形態の図14(b)の断面図に対応する。図14(a)の例と同様に、図20(a)では、カバー絶縁層43の図示が省略されている。
本例では、金属被覆層17の材料としてニッケルが用いられ、金属被覆層18の材料として金が用いられる。図20(b)に示すように、金属被覆層18は、導体パターン61に接触しないように形成される。この場合、ニッケルからなる金属被覆層17は金属被覆層18に導体パターン61の銅の成分が拡散することを抑制する。
それにより、金属被覆層18に導体パターン61の銅の成分が拡散することに起因する金属被覆層18の耐食性および濡れ性の低下が抑制される。したがって、良好な耐食性および濡れ性を有する接続端子21〜24が実現される。
本例のサスペンション基板の製造過程においては、導体パターン61の一部に金属被覆層17を形成した後、金属被覆層18を形成する際に、金属被覆層17の端面および金属被覆層17により被覆されていない導体パターン61の表面部分にマスクを形成する。この状態で、金属被覆層17を覆うように金属被覆層18を形成する。その後、マスクを除去する。それにより、金属被覆層18と導体パターン61とが接触しないように、金属被覆層18を形成することができる。
接続端子25,26,31〜36は、図20の接続端子21〜24と同様の構成を有してもよい。それにより、良好な耐食性および濡れ性を有する接続端子25,26,31〜36が実現される。
(7)上記の第1〜第5の実施の形態に係るサスペンション基板においては、接続端子21〜26,31〜36が重なる支持基板10の部分が一定の厚みを有するが、本発明はこれに限定されない。接続端子21〜26,31〜36のいずれかが重なる支持基板10の部分に開口部が形成されてもよい。また、上記の第1〜第5の実施の形態に係るサスペンション基板においては、接続端子21〜26,31〜36が重なるベース絶縁層41の部分が一定の厚みを有するが、本発明はこれに限定されない。接続端子21〜26,31〜36のいずれかが重なるベース絶縁層41の部分に凹部が形成されてもよい。
図21は、他の実施の形態に係るサスペンション基板の平面図である。図21のサスペンション基板は、基本的に第5の実施の形態に係るサスペンション基板と同じ構成を有する。図21では、書込用配線パターンW1,W2、読取用配線パターンR1,R2および電源用配線パターンP1,P2のうち金属被覆層18が形成されている部分が太い実線で示される。以下、図21のサスペンション基板について、第5の実施の形態に係るサスペンション基板と異なる点を説明する。
図22は、接続端子21〜26,31〜36およびその周辺部分の平面図である。図23は、接続端子21〜26,31〜36およびその周辺部分の断面図である。図22(a)〜(c)の縮尺は互いに異なり、図23(a)〜(c)の縮尺は互いに異なる。
図22(a)は図21の接続端子21〜24およびその周辺部分を示し、図22(b)は図21の接続端子25およびその周辺部分を示し、図22(c)は図21の接続端子31,32およびその周辺部分を示す。図22(a)〜(c)においては、カバー絶縁層43(図23参照)の図示が省略されている。接続端子26は接続端子25と同様の構成を有し、接続端子33〜36は接続端子31,32と同様の構成を有する。図23(a)〜(c)は、図22(a)のB1−B1線拡大断面図、図22(b)のB2−B2線拡大断面図および図22(c)のB3−B3線拡大断面図をそれぞれ示す。
図22(a)および図23(a)に示すように、接続端子21〜24およびその周辺部分の構成は、第5の実施の形態に係る接続端子21〜24およびその周辺部分の構成と同じである(図14参照)。
図22(b)および図23(b)に示すように、接続端子25はカバー絶縁層43に形成された円形の開口部43x(図23(b))を通して上方に露出するように形成されている。また、接続端子25は、導体パターン61の端子部61aおよび金属被覆層17,18により形成される。本例の接続端子25を構成する端子部61aは、円環形状を有する。また、金属被覆層17,18は、その端子部61aの内周面および上面を覆うように形成される。ベース絶縁層41のうち端子部61aに重なる部分に、導体パターン61の境界61cに対応する円形の凹部41uが形成されている。また、支持基板10のうち端子部61aに重なる部分に、導体パターン61の境界61cに対応する円形の開口部10xが形成されている。
図22(c)および図23(c)に示すように、接続端子31およびその周辺部においては、ベース絶縁層41のうち端子部61aに重なる矩形領域に、凹部41vが形成されている。また、支持基板10のうち端子部61aに重なる部分に、矩形の開口部10yが形成されている。
図21のサスペンション基板の製造方法を説明する。図24〜図28は、図21のサスペンション基板の製造工程を示す模式的工程図である。図24(a)、図25(a)、図26(a),図27(a)および図28(a)は図22(a)のB1−B1線拡大断面図に対応し、図24(b)、図25(b)、図26(b)、図27(b)および図28(b)は図22(b)のB2−B2線拡大断面図に対応し、図24(c)、図25(c)、図26(c)、図27(c)および図28(c)は図22(c)のB3−B3線拡大断面図に対応する。
まず、図24(a)〜(c)に示すように、ステンレス鋼からなる支持層10a上にポリイミドからなるベース絶縁層41を形成することにより、支持層10aおよびベース絶縁層41からなる二層基板を形成する。また、図24(b),(c)に示すように、ベース絶縁層41のうち接続端子25,26,31〜36に重なることになる予め定められた領域に凹部41u,41vを形成する。凹部41u,41vは、例えば階調露光技術、レーザー加工技術またはエッチング技術を用いて形成することができる。
次に、図25(a)〜(c)に示すように、ベース絶縁層41上に図示しないシード層を介して銅からなる複数の導体パターン61を形成する。6つの導体パターン61の配線部61bにより、ベース絶縁層41上に書込用配線パターンW1,W2、読取用配線パターンR1,R2および電源用配線パターンP1,P2が形成される。
次に、図26(a)〜(c)に示すように、各導体パターン61の端子部61aおよび配線部61bを覆うとともに端子部61aの表面上から配線部61bの一部の表面上に連続して延びるようにニッケルからなる金属被覆層17を形成する。また、金属被覆層17を覆うように金からなる金属被覆層18を形成する。これにより、接続端子21〜26,31〜36が形成される。
次に、図27(a)〜(c)に示すように、金属被覆層17,18のうち配線部61bを覆う部分を覆うとともに端子部61aを覆う部分を覆わないように、ベース絶縁層41上に例えばポリイミドからなるカバー絶縁層43を形成する。
その後、図28(a)〜(c)に示すように、支持層10aに図1の開口部11および孔部Hを形成すると同時に支持層10aのうち端子部61aに重なる予め定められた部分に開口部10x,10yを形成する。
最後に、ベース絶縁層41と重なる支持層10aの部分が残存するように支持層10aを加工することにより、支持基板10を形成する。これにより、サスペンション基板が完成する。
上記の図21のサスペンション基板においては、金属被覆層18は、導体パターン61に接触しないように形成されてもよい。それにより、図20の例と同様に、良好な耐食性および濡れ性を有する接続端子21〜26,31〜36が実現される。さらに、上記の図21のサスペンション基板においては、カバー絶縁層43の形成前の工程で接続端子21〜26,31〜36が完成する。それにより、図28(a)〜(c)の工程の後で支持層10aを加工して支持基板10を形成する工程の前に、端子用のめっきを行う必要がない。したがって、製造工程数の増加が抑制されている。
さらに、本例の接続端子21〜26,31〜36は、導体パターン61上に2つの金属被覆層17,18が積層された単純な構造を有する。そのため、サスペンション基板が超音波を用いて洗浄される場合でも、超音波の衝撃により接続端子21〜26,31〜36の各々が破損しにくい。
上記の図21のサスペンション基板においては、接続端子21〜26,31〜36のいずれかが重なるベース絶縁層41の部分に凹部41u,41vに代えて開口部が形成されてもよい。図29および図30は、図21のサスペンション基板においてベース絶縁層41の一部に開口部が形成された例を示す図である。
図29(a)〜(c)の平面図は、図22(a)〜(c)の平面図にそれぞれ対応する。図30(a)〜(c)の拡大断面図は、図23(a)〜(c)の拡大断面図にそれぞれ対応する。
図29(a)および図30(a)に示すように、接続端子21〜24およびその周辺部分の構成は、第5の実施の形態に係る接続端子21〜24およびその周辺部分の構成と同じである(図14参照)。図29(b)および図30(b)に示すように、本例では、ベース絶縁層41のうち端子部61aに重なる部分に、導体パターン61の境界61cに対応する円形の開口部41xが形成されている。また、図29(c)および図30(c)に示すように、接続端子31およびその周辺部においては、ベース絶縁層41のうち端子部61aに重なる一部の矩形領域に、開口部41yが形成されている。ベース絶縁層41の開口部41x,41yは、例えば図28の工程の後、支持層10aを加工して支持基板10を形成する工程の前に形成される。
図30(a)〜(c)では、導体パターン61の下地としてベース絶縁層41上に形成されるシード層が太い実線で示される。この場合、図30(b),(c)に示すように、接続端子25,26,31〜36においては、導体パターン61の下面に形成されているシード層がベース絶縁層41の開口部41x,41yおよび支持基板10の開口部10x,10yを通して下方に露出する。これにより、当該露出部に電子機器の端子等を接続することができる。
ここで、図30の構成において、シード層のうち下方に露出する部分が除去されてもよい。図31は、図30のサスペンション基板において露出するシード層の部分が除去された状態を示す図である。図31(a)〜(c)は、図30(a)〜(c)の拡大断面図にそれぞれ対応する。図31(b),(c)に示すように、本例では、導体パターン61の下面がベース絶縁層41の開口部41x,41yおよび支持基板10の開口部10x,10yを通して下方に露出する。これにより、当該露出部に電子機器の端子等を接続することができる。ベース絶縁層41の開口部41x,41y内に位置するシード層の部分は、例えばベース絶縁層41の開口部41x,41yの形成後に除去することができる。
(8)上記の実施の形態に係るサスペンション基板は、基本的に支持基板10上にベース絶縁層41、導体パターン61およびカバー絶縁層43がこの順で積層された構成を有するが、本発明はこれに限定されない。支持基板10上に複数のベース絶縁層41および複数の導体パターン61が交互に積層されてもよい。上下に重なる複数の導体パターン61およびそれらに対応する複数の接続端子の構成例について説明する。
図32は、上下に積層された2つの導体パターンおよびそれらに対応する2つの接続端子の第1の構成例を示す断面図である。図32(a)に、2つの導体パターン61A,61Bの2つの接続端子およびそれらの周辺部材の縦断面図が示される。図32(b)に、図32(a)のC1−C1線縦断面図が示される。
図32の第1の構成例においては、支持基板10上に絶縁層41Aが形成されている。絶縁層41A上に、銅からなる導体パターン61Aが形成されている。導体パターン61Aは、端子部61aおよび配線部61bを含む。導体パターン61Aのうち配線部61bの一部と端子部61aとは、絶縁層41Aの端部から突出している。
導体パターン61Aの配線部61bの一部を覆うようにニッケルからなる金属被覆層17が形成されている。金属被覆層17は、導体パターン61Aの上面および両側面上で導体パターン61Aの境界61cから3μm以上離れた位置まで延びている。導体パターン61Aの端子部61aを覆うように、金属被覆層17と同じ材料からなるバリア層70が形成されている。また、バリア層70は、導体パターン61Aの下面上で導体パターン61Aの端部から絶縁層41Aの端部の位置まで延びている。導体パターン61Aの配線部61bの全長に対するその配線部61bを覆う全ての金属被覆層17の長さの割合は40%以下となるように設定される。なお、導体パターン61Aの端部から絶縁層41Aの端部の位置までの長さは、導体パターン61Aの配線部61bの全長に比べて極めて小さい。
金属被覆層17と導体パターン61Aの配線部61bのうち金属被覆層17により覆われない他の部分とを覆うとともにバリア層70を覆わないように絶縁層41A上に絶縁層41Bが形成されている。絶縁層41B上に、銅からなる導体パターン61Bが形成されている。導体パターン61Bは、端子部61aおよび配線部61bを含む。導体パターン61Bの一部は、導体パターン61Aに重なる。導体パターン61Bの配線部61bの全体を覆うようにニッケルからなる金属被覆層17が形成されている。導体パターン61Bの端子部61aを覆うように、金属被覆層17と同じ材料からなるバリア層70が形成されている。導体パターン61Bの配線部61bに重なりかつ金属被覆層17を覆うように絶縁層41B上にカバー絶縁層43が形成されている。
下に位置する導体パターン61Aに設けられるバリア層70を覆うように、金層71が形成されている。それにより、フライング構造を有する接続端子TAが形成されている。上に位置する導体パターン61Bに設けられるバリア層70を覆うように、金層71が形成されている。それにより、接続端子TBが形成されている。
上記のように、下に位置する導体パターン61Aの配線部61bの全長に対するその配線部61bを覆う全ての金属被覆層17の長さの割合は40%以下となるように設定される。これにより、導体パターン61Aの配線部61bでは、第4の実施の形態と同様に、高い周波数帯域における電気信号の伝送損失を低減することができる。したがって、導体パターン61Aの配線部61bは、高周波信号用の伝送線路として有効に使用することができる。
また、上記の構成においては、金属被覆層17とバリア層70とが同じニッケルからなり、金属被覆層17とバリア層70とが一体的に構成される。バリア層70は金属被覆層17の一部として機能する。金属被覆層17およびバリア層70により導体パターン61A,61Bの境界61cおよびその近傍部分が連続的に覆われる。これにより、金属被覆層17およびバリア層70の内部にカバー絶縁層43の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターン61A,61Bの境界61cおよびその近傍における腐食の発生が防止される。
上に位置する導体パターン61Bの配線部61bの全体を覆うようにニッケルからなる金属被覆層17が形成されているので、導体パターン61Bとカバー絶縁層43との密着性が向上する。導体パターン61Bの配線部61bは、例えば低周波信号用の伝送線路、接地導体層またはシールド層として使用することが好ましい。
なお、図32の第1の構成例においては、図18の例と同様に、導体パターン61A,61Bの端子部61aとバリア層70との間に金属被覆層17が形成されてもよい。
図33は、上下に積層された2つの導体パターンおよびそれらに対応する2つの接続端子の第2の構成例を示す断面図である。図33(a)に、2つの導体パターン61A,61Bの2つの接続端子およびそれらの周辺部材の縦断面図が示される。図33(b)に、図33(a)のC2−C2線縦断面図が示される。以下、第2の構成例について、図32の第1の構成例と異なる点を説明する。
図33の第2の構成例においては、導体パターン61Aの配線部61bの全体および端子部61aを覆うように金属被覆層15が形成されている。金属被覆層15は、主としてニッケルの磁性よりも低い磁性を有する金属(例えば非磁性体の金属)からなり、ニッケルの磁性よりも低い磁性を有する。本例では、金属被覆層15の材料として、金または銀が用いられる。端子部61aを覆う金属被覆層15の部分を覆うようにニッケルからなるバリア層70が形成されている。また、バリア層70は、導体パターン61Aの下面上で導体パターン61Aの端部から絶縁層41Aの端部の位置まで延びている。
導体パターン61Aの配線部61bを覆う金属被覆層15の部分を覆うとともに端子部61aを覆う金属被覆層15の他の部分を覆わないように絶縁層41A上に絶縁層41Bが形成されている。絶縁層41B上に、銅からなる導体パターン61Bが形成されている。導体パターン61Bには、図32の第1の構成例と同様に、ニッケルからなる金属被覆層17およびバリア層70が形成されている。
下に位置する導体パターン61Aに設けられるバリア層70を覆うように、金層71が形成されている。それにより、フライング構造を有する接続端子TAが形成されている。上に位置する導体パターン61Bに設けられるバリア層70を覆うように、金層71が形成されている。それにより、接続端子TBが形成されている。
上記の構成においては、下に位置する導体パターン61Aの配線部61bと絶縁層41Bとの間には、ニッケルの磁性以上の磁性を有する金属層が存在しない。これにより、導体パターン61Aの配線部61bでは、第1の実施の形態と同様に、高い周波数帯域における電気信号の伝送損失を低減することができる。したがって、導体パターン61Aの配線部61bは、高周波信号用の伝送線路として有効に使用することができる。また、金属被覆層15により導体パターン61Aの境界61cおよびその近傍部分が連続的に覆われるので、金属被覆層15の内部にカバー絶縁層43の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターン61Aの境界61cおよびその近傍における腐食の発生が防止される。
上に位置する導体パターン61Bの配線部61bの全体を覆うようにニッケルからなる金属被覆層17が形成されているので、導体パターン61Bとカバー絶縁層43との密着性が向上する。導体パターン61Bの配線部61bは、例えば低周波信号用の伝送線路、接地導体層またはシールド層として使用することが好ましい。
なお、図33の第2の構成例においては、図10の第2の実施の形態の例と同様に、導体パターン61Aの全体ではなく、導体パターン61Aの配線部61bの一部と端子部61aとを覆うように金属被覆層15が形成されてもよい。また、図18の例と同様に、導体パターン61Bの端子部61aとバリア層70との間に金属被覆層17が形成されてもよい。
図34は、上下に積層された2つの導体パターンおよびそれらに対応する2つの接続端子の第3の構成例を示す断面図である。図34(a)に、2つの導体パターン61A,61Bの2つの接続端子およびそれらの周辺部材の縦断面図が示される。図34(b)に、図34(a)のC3−C3線縦断面図が示される。以下、第3の構成例について、図32の第1の構成例と異なる点を説明する。
図34の第3の構成例においては、導体パターン61Aの配線部61bの全体を覆うようにニッケルからなる金属被覆層17が形成されている。導体パターン61Aの端子部61aを覆うようにニッケルからなるバリア層70が形成されている。バリア層70は、導体パターン61Aの下面上で導体パターン61Aの端部から絶縁層41Aの端部の位置まで延びている。
導体パターン61Aの配線部61bに重なりかつ金属被覆層17を覆うように絶縁層41A上に絶縁層41Bが形成されている。絶縁層41B上に、銅からなる導体パターン61Bが形成されている。導体パターン61Bの配線部61bの一部を覆うようにニッケルからなる金属被覆層17が形成されている。金属被覆層17は、導体パターン61Bの境界61cから3μm以上離れた位置まで延びている。導体パターン61Bの端子部61aを覆うように、金属被覆層17と同じ材料からなるバリア層70が形成されている。導体パターン61Bの配線部61bの全長に対するその配線部61bを覆う全ての金属被覆層17の長さの割合は40%以下となるように設定される。
下に位置する導体パターン61Aに設けられるバリア層70を覆うように、金層71が形成されている。それにより、フライング構造を有する接続端子TAが形成されている。上に位置する導体パターン61Bに設けられるバリア層70を覆うように、金層71が形成されている。それにより、接続端子TBが形成されている。
上記のように、上に位置する導体パターン61Bの配線部61bの全長に対するその配線部61bを覆う全ての金属被覆層17の長さの割合は40%以下となるように設定される。これにより、導体パターン61Bの配線部61bでは、第4の実施の形態と同様に、高い周波数帯域における電気信号の伝送損失を低減することができる。したがって、導体パターン61Bの配線部61bは、高周波信号用の伝送線路として有効に使用することができる。
また、上記の構成においては、金属被覆層17とバリア層70とが同じニッケルからなり、金属被覆層17とバリア層70とが一体的に構成される。バリア層70は金属被覆層17の一部として機能する。金属被覆層17およびバリア層70により導体パターン61A,61Bの境界61cおよびその近傍部分が連続的に覆われる。これにより、金属被覆層17およびバリア層70の内部にカバー絶縁層43の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターン61A,61Bの境界61cおよびその近傍における腐食の発生が防止される。
下に位置する導体パターン61Aの配線部61bの全体を覆うようにニッケルからなる金属被覆層17が形成されているので、導体パターン61Aと絶縁層41Bとの密着性が向上する。導体パターン61Aの配線部61bは、例えば低周波信号用の伝送線路、接地導体層またはシールド層として使用することが好ましい。
なお、図34の第3の構成例においては、図18の例と同様に、導体パターン61A,61Bの端子部61aとバリア層70との間に金属被覆層17が形成されてもよい。
図35は、上下に積層された2つの導体パターンおよびそれらに対応する2つの接続端子の第4の構成例を示す断面図である。図35(a)に、2つの導体パターン61A,61Bの2つの接続端子およびそれらの周辺部材の縦断面図が示される。図35(b)に、図35(a)のC4−C4線縦断面図が示される。以下、第4の構成例について、図32の第1の構成例と異なる点を説明する。
図35の第4の構成例においては、図32の第1の構成例と同様に、下に位置する導体パターン61Aの配線部61bの一部を覆うようにニッケルからなる金属被覆層17が形成されている。導体パターン61Aの配線部61bの全長に対するその配線部61bを覆う全ての金属被覆層17の長さの割合は40%以下となるように設定される。
また、図35の第4の構成例においては、図34の第3の構成例と同様に、上に位置する導体パターン61Bの配線部61bの一部を覆うようにニッケルからなる金属被覆層17が形成されている。導体パターン61Bの配線部61bの全長に対するその配線部61bを覆う全ての金属被覆層17の長さの割合は40%以下となるように設定される。
これらより、導体パターン61A,61Bの配線部61bでは、第4の実施の形態と同様に、高い周波数帯域における電気信号の伝送損失を低減することができる。したがって、導体パターン61A,61Bの配線部61bは、高周波信号用の伝送線路として有効に使用することができる。
なお、図35の第4の構成例においては、図18の例と同様に、導体パターン61A,61Bの端子部61aとバリア層70との間に金属被覆層17が形成されてもよい。
図36は、上下に積層された2つの導体パターンおよびそれらに対応する2つの接続端子の第5の構成例を示す断面図である。図36(a)に、2つの導体パターン61A,61Bの2つの接続端子およびそれらの周辺部材の縦断面図が示される。図36(b)に、図36(a)のC5−C5線縦断面図が示される。以下、第5の構成例について、図34の第3の構成例と異なる点を説明する。
図36の第5の構成例においては、図34の第3の構成例と同様に、下に位置する導体パターン61Aの配線部61bの全体を覆うようにニッケルからなる金属被覆層17が形成されている。
一方、上に位置する導体パターン61Bに関しては、配線部61bの全体および端子部61aを覆うように金属被覆層15が形成されている。金属被覆層15は、主としてニッケルの磁性よりも低い磁性を有する金属(例えば非磁性体の金属)からなり、ニッケルの磁性よりも低い磁性を有する。本例では、金属被覆層15の材料として、金または銀が用いられる。
導体パターン61Bの配線部61bを覆う金属被覆層15の部分を覆うとともに端子部61aを覆う金属被覆層15の他の部分を覆わないように絶縁層41B上にカバー絶縁層43が形成されている。端子部61aを覆う金属被覆層15の部分を覆うようにニッケルからなるバリア層70が形成されている。そのバリア層70を覆うように金層71が形成されている。それにより、接続端子TBが形成されている。
上記の構成においては、上に位置する導体パターン61Bの配線部61bとカバー絶縁層43との間には、ニッケルの磁性以上の磁性を有する金属層が存在しない。これにより、導体パターン61Bの配線部61bでは、第1の実施の形態と同様に、高い周波数帯域における電気信号の伝送損失を低減することができる。したがって、導体パターン61Bの配線部61bは、高周波信号用の伝送線路として有効に使用することができる。また、金属被覆層15により導体パターン61Bの境界61cおよびその近傍部分が連続的に覆われるので、金属被覆層15の内部にカバー絶縁層43の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターン61Bの境界61cおよびその近傍における腐食の発生が防止される。
なお、図36の第5の構成例においては、図10の第2の実施の形態の例と同様に、導体パターン61Bの全体ではなく、導体パターン61Bの配線部61bの一部と端子部61aとを覆うように金属被覆層15が形成されてもよい。また、図18の例と同様に、導体パターン61Aの端子部61aとバリア層70との間に金属被覆層17が形成されてもよい。
図37は、上下に積層された2つの導体パターンおよびそれらに対応する2つの接続端子の第6の構成例を示す断面図である。図37(a)に、2つの導体パターン61A,61Bの2つの接続端子およびそれらの周辺部材の縦断面図が示される。図37(b)に、図37(a)のC6−C6線縦断面図が示される。以下、第6の構成例について、図33の第2の構成例と異なる点を説明する。
図37の第6の構成例においては、図33の第2の構成例と同様に、下に位置する導体パターン61Aの配線部61bの全体および端子部61aを覆うように金属被覆層15が形成されている。上記のように、金属被覆層15は、ニッケルの磁性よりも低い磁性を有する。
また、図37の第6の構成例においては、図36の第5の構成例と同様に、上に位置する導体パターン61Bの配線部61bの全体および端子部61aを覆うように金属被覆層15が形成されている。
これらより、導体パターン61A,61Bの配線部61bでは、第1の実施の形態と同様に、高い周波数帯域における電気信号の伝送損失を低減することができる。したがって、導体パターン61A,61Bの配線部61bは、高周波信号用の伝送線路として有効に使用することができる。また、金属被覆層15により導体パターン61A,61Bの境界61cおよびその近傍部分が連続的に覆われるので、導体パターン61A,61Bの境界61cおよびその近傍における腐食の発生が防止される。
なお、図37の第6の構成例においては、図10の第2の実施の形態の例と同様に、導体パターン61Aの全体ではなく、導体パターン61Aの配線部61bの一部と端子部61aとを覆うように金属被覆層15が形成されてもよい。また、導体パターン61Bの全体ではなく、導体パターン61Bの配線部61bの一部と端子部61aとを覆うように金属被覆層15が形成されてもよい。
(9)上記実施の形態において、配線回路基板は支持基板10を含むサスペンション基板1であるが、本発明はこれに限定されない。配線回路基板は、例えば支持基板10を含まないフレキシブル配線回路基板であってもよい。
(10)上記実施の形態において、金属被覆層15,17は例えば電解めっき、無電解めっきまたはスパッタリングにより形成されるが、本発明はこれに限定されない。金属被覆層15,17は、セミアディティブ法またはサブトラクティブ法等の他の方法を用いて形成されてもよい。
また、上記実施の形態において、金属被覆層16,18は電解めっきにより形成されるが、本発明はこれに限定されない。金属被覆層16,18は、無電解めっき、スパッタリング、セミアディティブ法またはサブトラクティブ法等の他の方法を用いて形成されてもよい。
(11)第1の実施の形態においては、第3の実施の形態と同様に、金属被覆層15のうち導体パターン61の端子部61aを覆う部分に図11の金属被覆層16が形成されてもよい。また、第4の実施の形態においては、第3の実施の形態と同様に、金属被覆層17のうち導体パターン61の端子部61aを覆う部分に図11の金属被覆層16が形成されてもよい。さらに、第5の実施の形態においては、第3の実施の形態と同様に、金属被覆層18のうち導体パターン61の端子部61aを覆う部分に図11の金属被覆層16が形成されてもよい。これらの場合、接続端子21〜26,31〜36の表面状態が整えられる。
(12)第1〜第3の実施の形態においては、第5の実施の形態と同様に、金属被覆層15の全体を覆うように図14の金属被覆層18が形成されてもよい。この場合、金属被覆層18の材料としては、ニッケルの磁性よりも低い磁性を有する金属を用いる。
(13)第4の実施の形態においては、複数の導体パターン61の配線部61bのうち両端部から延びるように金属被覆層17が形成されるが、本発明は上記の例に限定されない。配線部61bの全長に対するその配線部61bを覆う金属被覆層17の長さの割合が40%以下になるのであれば、金属被覆層17の一部がその配線部61bの両端部に位置する金属被覆層17の部分から分離して形成されてもよい。例えば、金属被覆層17の一部が配線部61bの中央部に形成されてもよい。
(14)上記の第1〜第5の実施の形態に係るサスペンション基板は、基本的に、金属製の支持基板10上にベース絶縁層41、導体パターン61およびカバー絶縁層43がこの順で積層された構成を有するが、本発明はこれに限定されない。サスペンション基板は、上記の構成に加えて、支持基板10とベース絶縁層41との間に設けられる他の絶縁層および他の導体パターンをさらに備えてもよい(図32〜図37の第1〜第6の構成例参照)。そのサスペンション基板は、基本的に、金属製の支持基板10上に、他の絶縁層、他の導体パターン、ベース絶縁層41、導体パターン61およびカバー絶縁層43がこの順で積層された構成を有する。この場合、他の導体パターンについても、上記の実施の形態と同様に、配線部の少なくとも一部と端子部とが覆われるように金属被覆層15,17,18のいずれかを形成してもよい。また、他の導体パターンの配線部が覆われるように他の絶縁層上にベース絶縁層41を形成してもよい。それにより、他の導体パターンについても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[7]請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、ベース絶縁層41および絶縁層41A,41Bが第1の絶縁層の例であり、導体パターン61,61A,61Bが導体パターンの例であり、端子部61aが端子部の例であり、配線部61bが配線部の例であり、金属被覆層15,17,18および金属被覆層17と同じ材料からなるバリア層70が第1の金属被覆層の例であり、カバー絶縁層43および絶縁層41Bが第2の絶縁層の例であり、金属被覆層16が第2の金属被覆層の例であり、金属被覆層17が第1の金属層の例であり、金属被覆層18が第2の金属層の例であり、サスペンション基板1が配線回路基板の例である。
また、バリア層70が端子バリア層の例であり、金層71が端子表面層の例であり、導体パターン61Bが上部導体パターンの例であり、導体パターン61Bの端子部61aが上部端子部の例であり、導体パターン61Bの配線部61bが上部配線部の例であり、金属被覆層15,17および金属被覆層17と同じ材料からなるバリア層70が上部金属被覆層の例であり、カバー絶縁層43が第3の絶縁層の例であり、絶縁層41Aが下部絶縁層の例であり、導体パターン61Aが下部導体パターンの例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
[8]実施例および比較例
本発明者は、実施例1として第1の実施の形態に係るサスペンション基板1(図1および図5参照)と同じ構成を有するサスペンション基板を作成し、実施例2,3,4,5として第2の実施の形態に係るサスペンション基板(図10参照)と同じ構成を有するサスペンション基板を作成した。実施例2,3,4,5においては、図10(b)の距離L1をそれぞれ3μm、5μm、10μmおよび50μmに設定した。
また、本発明者は、実施例6として第3の実施の形態に係るサスペンション基板(図11参照)と同じ構成を有するサスペンション基板を作成した。実施例6においては、図11(b)の距離L1を5μmに設定した。
さらに、本発明者は、実施例7,8,9,10,11,12として第5の実施の形態に係るサスペンション基板と同じ構成を有するサスペンション基板(図14参照)を作成した。実施例7,8,9,10,11,12においては、図14(b)の距離L2をそれぞれ5μm、10μm、50μm、950μm、3800μmおよび7600μmに設定した。
また、実施例7〜12においては、書込用配線パターンW1,W2および読取用配線パターンR1,R2を構成する4本の配線部61bの全長をそれぞれ38mmに設定した。配線部61bの全長に対する金属被覆層17により被覆される部分の長さの比率を強磁性被覆層占有率と呼ぶ。この場合、書込用配線パターンW1,W2および読取用配線パターンR1,R2に関して、実施例7,8,9,10,11,12の強磁性被覆層占有率は、それぞれ0.03%、0.05%、0.26%、5%、20%および40%となる。一方、実施例1〜6の強磁性被覆層占有率は全て0%となる。
また、本発明者は、比較例1として第2の実施の形態に係るサスペンション基板と図10(b)の距離L1の設定値を除いて基本的に同じ構成を有するサスペンション基板を作成した。比較例1のサスペンション基板においては、図10(b)の距離L1を1μmに設定した。
また、本発明者は比較例2として以下の構成を有するサスペンション基板を作成した。図38は、比較例2のサスペンション基板の一部を示す平面図および断面図である。図38(a),(b)に、平面図および断面図がそれぞれ示される。図38(a)の平面図は、第1の実施の形態の図3(a)の平面図に対応する。図38(b)の断面図は、図38(a)のK−K線拡大断面図を示し、第1の実施の形態の図5(a)の断面図に対応する。
比較例2のサスペンション基板においても、第1の実施の形態と同様に、支持基板10上にベース絶縁層41が形成され、ベース絶縁層41上に複数の導体パターン61が形成される。複数の導体パターン61の配線部61bを覆うようにベース絶縁層41上にカバー絶縁層43が形成される(図4(a)参照)。図38(a)では、カバー絶縁層43の図示が省略されている。
図38(a),(b)に示すように、各導体パターン61における配線部61bの全体を覆うようにかつ端子部61aを覆わないように金属被覆層17が形成される。端子部61aを覆うように金属被覆層19が形成される。このように、比較例2のサスペンション基板においては、金属被覆層17,19の各々は、端子部61aの表面上から配線部61bの表面上に連続して延びるように形成されていない。導体パターン61における端子部61aと配線部61bとの境界61cに重なるように、金属被覆層17と金属被覆層19との境界が位置する。比較例2では、金属被覆層17が配線部61bの全体を覆うので、強磁性被覆層占有率は100%となる。
上記の実施例1〜12および比較例1,2のサスペンション基板においては、支持基板10の材料としてステンレス鋼を用い、ベース絶縁層41およびカバー絶縁層43の材料としてポリイミドを用い、導体パターン61の材料として銅を用いた。また、実施例1〜6および比較例1の金属被覆層15、実施例6の金属被覆層16、ならびに実施例7〜12の金属被覆層18の材料として金を用いた。また、実施例7〜12および比較例2の金属被覆層17の材料としてニッケルを用い、比較例2の金属被覆層19の材料として金を用いた。
本発明者は、実施例1〜12および比較例1,2について、電気的特性の評価を行うために、書込用配線パターンW1,W2により電気信号が伝送されるときの透過特性を表すパラメータSDD21を測定した。パラメータSDD21は、差動モード入力および差動モード出力での減衰量を示す。
図39は、実施例10,11,12および比較例2についてのパラメータSDD21の測定結果を示す図である。図39において、縦軸はパラメータSDD21[dB]を表し、横軸は電気信号の周波数[GHz]を表す。また、図39において、実施例10,11,12についての測定結果をそれぞれ実線、一点鎖線および太い実線で示し、比較例2についての測定結果を点線で示す。
図39の測定結果によれば、実施例10,11,12のサスペンション基板は、4.5GHz以上の周波数の信号が伝送される場合でも、パラメータSDD21(減衰量)が−3dB(50%)以上に保たれる、すなわち高周波帯域の減衰量が小さいことがわかる。一方、比較例2のサスペンション基板は、4.5GHz以上の周波数の信号が伝送される場合に、パラメータSDD21(減衰量)が−3dB(50%)よりも低くなる、すなわち高周波帯域の減衰量が大きいことがわかる。
実施例1〜12および比較例1について上記の測定を行った結果、いずれのサスペンション基板においても4.5GHz以上の周波数の信号が伝送される場合に、パラメータSDD21が−3dB以上に保たれることがわかった。すなわち、高周波帯域における電気信号の伝送損失が低減されることがわかった。一方、比較例2については、4.5GHz以上の周波数の信号が伝送される場合に、パラメータSDD21が−3dBよりも低くなることがわかった。すなわち、高周波帯域では、電気信号の伝送損失が高くなることがわかった。
実施例1〜12および比較例1のサスペンション基板は、強磁性被覆層占有率が40%以下である。したがって、配線部61bの全長の少なくとも60%以上の範囲で配線部61bとカバー絶縁層43との間にニッケルが存在しないことにより、電気信号の伝送損失が低減されることがわかった。
また、上記の測定の結果、実施例1〜11および比較例1については、いずれのサスペンション基板においても5GHz以上の周波数の信号が伝送される場合に、パラメータSDD21が−3dB以上に保たれることがわかった。すなわち、高周波帯域における電気信号の伝送損失がより低減されることがわかった。したがって、強磁性被覆層占有率は20%以下に設定されることが好ましい。
本発明者は、実施例1〜12および比較例1,2について、カバー絶縁層43と導体パターン61の配線部61bとの密着性の評価を行った。具体的には、本発明者は、導体パターン61における端子部61aと配線部61bとの境界61c近傍において、カバー絶縁層43の端部と導体パターン61との間に大きな空隙が発生していないかについて確認した。
その結果、実施例1〜12および比較例2については、カバー絶縁層43の端部と配線部61bとの間に大きな空隙は発生していなかった。一方、比較例1については、カバー絶縁層43の端部と導体パターン61との間に大きな空隙が発生していた。これらの結果、配線部61b上で金属被覆層15,17,18のいずれかが導体パターン61の境界61c上の位置から3μm以上離れた位置まで延びるように形成されることにより、カバー絶縁層43と配線部61bとの間の密着性が向上することがわかった。
本発明者は、実施例1〜12および比較例1,2について、各導体パターン61の端子部61aと配線部61bとの境界61cおよびその近傍における腐食の有無を確認した。
その結果、実施例1〜12については、導体パターン61に腐食は発生していなかった。一方、比較例1,2については、導体パターン61に腐食が発生していた。比較例1のサスペンション基板においては、カバー絶縁層43と導体パターン61との間に形成された空隙を通してカバー絶縁層43の内部に空気、水または薬液等の流体が進入したと考えられる。一方、比較例2のサスペンション基板においては、金属被覆層17,19の境界を通して金属被覆層17,19の内部に空気、水または薬液等の流体が進入したと考えられる。
これらの結果、配線部61bを覆う金属被覆層15,17,18のいずれかが境界61c上の位置から3μm以上離れた位置まで延びるように形成されるとともに、金属被覆層15,17,18のうちのいずれかが、端子部61aの表面上から配線部61bの表面上に連続して延びるように形成されることにより、導体パターン61における腐食の発生を防止できることがわかった。
下記表1に、実施例1〜12および比較例1,2についての電気的特性の評価結果、密着性の評価結果、および腐食の有無の確認結果を示す。なお、表1では、各評価結果とともに、配線部61bの一端を覆う金属被覆層15,17,18の長さ(境界61cからの距離)が示される。また、カバー絶縁層43に接触する金属被覆層15,17,18が端子部61aの表面上から配線部61bの表面上に連続して延びるか否かが示される。さらに、表1では、強磁性被覆層占有率も示される。
表1の電気的特性の評価結果においては、パラメータSDD21が−3dB(50%)を示すときの周波数が5.0GHz以上であったサスペンション基板を「◎」で表す。また、パラメータSDD21が−3dB(50%)を示すときの周波数が4.5GHz以上5.0GHz未満であったサスペンション基板を「○」で表し、パラメータSDD21が−3dB(50%)を示すときの周波数が4.5GHz未満であったサスペンション基板を「×」で表す。
表1のカバー絶縁層43の密着性の評価結果においては、カバー絶縁層43と導体パターン61との間で大きな空隙が発生していなかったサスペンション基板を「○」で表し、大きな空隙が発生していたサスペンション基板を「×」で表す。
表1の導体パターン61の信頼性の評価結果においては、導体パターン61に腐食が発生していなかったサスペンション基板を「○」で表し、腐食が発生していたサスペンション基板を「×」で表す。
Figure 0006807180

[9]参考形態
(1)第1の参考形態に係る配線回路基板は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に形成され、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、配線部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように設けられる第1の金属被覆層と、第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分を覆うとともに第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないように第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層とを備え、第1の金属被覆層は、配線部に接触し、第2の絶縁層は、第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触し、第1の金属被覆層は、ニッケルの磁性よりも低い磁性を有する。
その配線回路基板においては、配線部を覆うように第1の金属被覆層が設けられ、第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分を覆うように第2の絶縁層が設けられる。第1の金属被覆層は配線部に接触し、第2の絶縁層は第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触する。この場合、配線部と第2の絶縁層との間には、ニッケルの磁性以上の磁性を有する層が存在しない。それにより、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第2の絶縁層が第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触することにより、第2の絶縁層と配線部との間の密着性が向上する。さらに、第1の金属被覆層は、端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように形成される。それにより、第1の金属被覆層の内部に第2の絶縁層の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターンにおける端子部と配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
(2)第2の参考形態に係る配線回路基板は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に形成され、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、配線部の一部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように設けられる第1の金属被覆層と、第1の金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち第1の金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないように第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層とを備え、第1の金属被覆層は、配線部の一部に接触するとともに配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、第2の絶縁層は、第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触し、第1の金属被覆層は、ニッケルの磁性よりも低い磁性を有する。
その配線回路基板においては、配線部の一部と端子部とを覆うように第1の金属被覆層が設けられ、第1の金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち第1の金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うように第2の絶縁層が設けられる。第1の金属被覆層は配線部の一部に接触し、第2の絶縁層は第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触する。この場合、配線部と第2の絶縁層との間には、ニッケルの磁性以上の磁性を有する層が存在しない。それにより、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第2の絶縁層は第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触し、第1の金属被覆層は配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びる。それにより、導体パターンにおける端子部と配線部との境界の近傍において、第2の絶縁層と配線部との間の密着性が向上する。さらに、第1の金属被覆層は、端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように形成される。それにより、第1の金属被覆層の内部に第2の絶縁層の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターンにおける端子部と配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
(3)第3の参考形態に係る配線回路基板は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に形成され、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、配線部の一部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように設けられる第1の金属被覆層と、第1の金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち第1の金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないように第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層とを備え、第1の金属被覆層は、配線部の一部に接触するとともに配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、第2の絶縁層は、第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触し、配線部の全長に対する配線部の一部を覆う第1の金属被覆層の長さの割合は40%以下である。
その配線回路基板においては、配線部の一部と端子部とを覆うように第1の金属被覆層が設けられ、第1の金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち第1の金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うように第2の絶縁層が設けられる。第1の金属被覆層は配線部の一部に接触し、第2の絶縁層は第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触する。
ここで、配線部の全長に対する配線部の一部を覆う第1の金属被覆層の長さの割合は40%以下である。この場合、配線部の全長に対して60%以上の長さの範囲において、配線部と第2の絶縁層との間には、ニッケルの磁性以上の磁性を有する層が存在しない。それにより、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第2の絶縁層は第1の金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触し、第1の金属被覆層は配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びる。それにより、導体パターンにおける端子部と配線部との境界の近傍において、第2の絶縁層と配線部との間の密着性が向上する。さらに、第1の金属被覆層は、端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように形成される。それにより、第1の金属被覆層の内部に第2の絶縁層の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターンにおける端子部と配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
(4)第1の金属被覆層は、配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から5μm以上離れた位置まで延びてもよい。
この場合、導体パターンにおける端子部と配線部との境界の近傍において、第2の絶縁層と配線部との間の密着性がより向上する。
(5)第1の金属被覆層は、金、銀、クロム、錫および白金のうち少なくとも1種類の金属を含んでもよい。
この場合、配線回路基板の用途に応じて、第1の金属被覆層としてより適切な金属を使用することができる。
(6)第1の金属被覆層は、ニッケル、金、銀、クロム、錫および白金のうち少なくとも1種類の金属を含んでもよい。
この場合、配線回路基板の用途に応じて、第1の金属被覆層としてより適切な金属を使用することができる。
(7)配線回路基板は、第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆う第2の金属被覆層をさらに備えてもよい。
この場合、導体パターンの端子部、第1の金属被覆層および第2の金属被覆層により接続端子を形成することができる。それにより、接続端子の表面状態を第2の金属被覆層により整えることができる。
(8)第1の金属被覆層の少なくとも一部は、互いに積層された第1および第2の金属層により構成されてもよい。
この場合、配線回路基板における第1の金属被覆層の構成の自由度が向上する。
(9)配線回路基板は、第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆う端子バリア層と、端子バリア層を覆う端子表面層とをさらに備え、導体パターンは、銅を含み、端子表面層は、金を含み、端子バリア層は、ニッケルまたはパラジウムを含んでもよい。
この場合、導体パターンから端子表面層への銅の成分の拡散が端子バリア層により抑制される。それにより、端子表面層の金に銅の成分が拡散することによる端子表面層の耐食性および濡れ性の低下が抑制される。
(10)配線回路基板は、第1の金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆うようにかつ導体パターンに接触しないように形成された端子表面層をさらに備え、導体パターンは、銅を含み、端子表面層は、金を含み、第1の金属被覆層は、ニッケルを含んでもよい。
この場合、導体パターンから端子表面層への銅の成分の拡散が第1の金属被覆層により抑制される。それにより、端子表面層の金に銅の成分が拡散することによる端子表面層の耐食性および濡れ性の低下が抑制される。
(11)配線回路基板は、第2の絶縁層上に形成される上部導体パターンをさらに備え、上部導体パターンの少なくとも一部は、導体パターンに重なってもよい。これにより、導体パターンと上部導体パターンの少なくとも一部とが上下に積層されるので、配線回路基板の小型化が実現されるとともに、配線回路基板の設計の自由度が向上する。
(12)配線回路基板は、第2の絶縁層上に形成され、上部端子部と上部端子部から延びる上部配線部とを有する上部導体パターンと、上部配線部の一部と上部端子部とを覆うとともに上部端子部の表面上から上部配線部の表面上に連続して延びるように設けられる上部金属被覆層と、上部金属被覆層のうち上部配線部の一部を覆う部分と上部配線部のうち上部金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに上部金属被覆層のうち上部端子部を覆う部分を覆わないように第2の絶縁層上に設けられる第3の絶縁層とをさらに備え、上部導体パターンの少なくとも一部は、導体パターンに重なり、上部金属被覆層は、上部配線部の一部に接触するとともに上部配線部の表面上で上部端子部と上部配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、第3の絶縁層は、上部金属被覆層のうち上部配線部を覆う部分に接触するとともに上部配線部の他の部分に接触し、上部配線部の全長に対する上部配線部の一部を覆う上部金属被覆層の長さの割合は40%以下であってもよい。
この場合、上部配線部の全長に対して60%以上の長さの範囲において、上部配線部と第3の絶縁層との間には、ニッケルの磁性以上の磁性を有する層が存在しない。それにより、導体パターンおよび上部導体パターンに関して、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第3の絶縁層は上部金属被覆層のうち上部配線部を覆う部分に接触している。上部金属被覆層は、上部端子部の表面上から上部配線部の表面上に連続して延びるとともに、上部配線部の表面上で上部端子部と上部配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びている。それにより、上部導体パターンにおける上部端子部と上部配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
さらに、導体パターンと上部導体パターンの少なくとも一部とが上下に積層されるので、配線回路基板の小型化が実現されるとともに、配線回路基板の設計の自由度が向上する。
(13)配線回路基板は、第2の絶縁層上に形成され、上部端子部と上部端子部から延びる上部配線部とを有する上部導体パターンと、上部配線部と上部端子部とを覆うとともに上部端子部の表面上から上部配線部の表面上に連続して延びるように設けられる上部金属被覆層と、上部金属被覆層のうち上部配線部を覆う部分を覆うとともに上部金属被覆層のうち上部端子部を覆う部分を覆わないように第2の絶縁層上に設けられる第3の絶縁層とをさらに備え、上部導体パターンの少なくとも一部は、導体パターンに重なり、上部金属被覆層は、上部配線部に接触し、第3の絶縁層は、上部金属被覆層のうち上部配線部を覆う部分に接触し、上部金属被覆層は、ニッケルの磁性よりも低い磁性を有してもよい。
この場合、上部配線部と第3の絶縁層との間には、ニッケルの磁性以上の磁性を有する層が存在しない。それにより、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第3の絶縁層が上部金属被覆層のうち上部配線部を覆う部分に接触し、上部金属被覆層は上部端子部の表面上から上部配線部の表面上に連続して延びる。それにより、上部導体パターンにおける上部端子部と上部配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
さらに、導体パターンと上部導体パターンの少なくとも一部とが上下に積層されるので、配線回路基板の小型化が実現されるとともに、配線回路基板の設計の自由度が向上する。
(14)配線回路基板は、第2の絶縁層上に形成され、上部端子部と上部端子部から延びる上部配線部とを有する上部導体パターンと、上部配線部の一部と上部端子部とを覆うとともに上部端子部の表面上から上部配線部の表面上に連続して延びるように設けられる上部金属被覆層と、上部金属被覆層のうち上部配線部の一部を覆う部分と上部配線部のうち上部金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに上部金属被覆層のうち上部端子部を覆う部分を覆わないように第2の絶縁層上に設けられる第3の絶縁層とをさらに備え、上部導体パターンの少なくとも一部は、導体パターンに重なり、上部金属被覆層は、上部配線部の一部に接触するとともに上部配線部の表面上で上部端子部と上部配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、第3の絶縁層は、上部金属被覆層のうち上部配線部を覆う部分に接触するとともに上部配線部の他の部分に接触し、上部金属被覆層は、ニッケルの磁性よりも低い磁性を有してもよい。
この場合、上部配線部と第3の絶縁層との間には、ニッケルの磁性以上の磁性を有する層が存在しない。それにより、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第3の絶縁層は上部金属被覆層のうち上部配線部を覆う部分に接触している。上部金属被覆層は、上部端子部の表面上から上部配線部の表面上に連続して延びるとともに、上部配線部の表面上で上部端子部と上部配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びている。それにより、上部導体パターンにおける上部端子部と上部配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
さらに、導体パターンと上部導体パターンの少なくとも一部とが上下に積層されるので、配線回路基板の小型化が実現されるとともに、配線回路基板の設計の自由度が向上する。
(15)配線回路基板は、下部絶縁層と、下部絶縁層上に形成された下部導体パターンとをさらに備え、第1の絶縁層は、下部導体パターンの少なくとも一部を覆うように下部絶縁層上に形成され、導体パターンの少なくとも一部は、下部導体パターンに重なってもよい。これにより、導体パターンと下部導体パターンの少なくとも一部とが上下に積層されるので、配線回路基板の小型化が実現されるとともに、配線回路基板の設計の自由度が向上する。
(16)第4の参考形態に係る配線回路基板の製造方法は、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、配線部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるようにかつ配線部に接触するように、ニッケルの磁性よりも低い磁性を有する金属を用いて金属被覆層を形成する工程と、金属被覆層のうち配線部を覆う部分を覆うとともに金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないようにかつ金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するように第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程とを含む。
その配線回路基板の製造方法においては、配線部を覆うように金属被覆層が設けられ、金属被覆層のうち配線部を覆う部分を覆うように第2の絶縁層が設けられる。金属被覆層は配線部に接触し、第2の絶縁層は金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触する。この場合、配線部と第2の絶縁層との間には、ニッケルの磁性以上の磁性を有する層が存在しない。それにより、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第2の絶縁層が金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触することにより、第2の絶縁層と配線部との間の密着性が向上する。さらに、金属被覆層は、端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように形成される。それにより、金属被覆層の内部に第2の絶縁層の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターンにおける端子部と配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
(17)第5の参考形態に係る配線回路基板の製造方法は、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、配線部の一部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるようにかつ配線部の一部に接触するように、ニッケルの磁性よりも低い磁性を有する金属を用いて金属被覆層を形成する工程と、金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないようにかつ金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触するように第2の絶縁層を第1の絶縁層上に形成する工程とを含み、金属被覆層を形成する工程において、金属被覆層は、配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びるように形成される。
その配線回路基板の製造方法においては、配線部の一部と端子部とを覆うように金属被覆層が設けられ、金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うように第2の絶縁層が設けられる。金属被覆層は配線部の一部に接触し、第2の絶縁層は金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触する。この場合、配線部と第2の絶縁層との間には、ニッケルの磁性以上の磁性を有する層が存在しない。それにより、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第2の絶縁層は金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触し、金属被覆層は配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びる。それにより、導体パターンにおける端子部と配線部との境界の近傍において、第2の絶縁層と配線部との間の密着性が向上する。さらに、金属被覆層は、端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように形成される。それにより、金属被覆層の内部に第2の絶縁層の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターンにおける端子部と配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
(18)第6の参考形態に係る配線回路基板の製造方法は、端子部と端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、配線部の一部と端子部とを覆うとともに端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるようにかつ配線部の一部に接触するように金属被覆層を形成する工程と、金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに金属被覆層のうち端子部を覆う部分を覆わないようにかつ金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部のうち他の部分に接触するように第2の絶縁層を第1の絶縁層上に形成する工程とを含み、金属被覆層を形成する工程において、金属被覆層は、配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びるように形成され、配線部の一部を覆う金属被覆層の長さの配線部の全長に対する割合は40%以下に設定される。
その配線回路基板の製造方法においては、配線部の一部と端子部とを覆うように金属被覆層が設けられ、金属被覆層のうち配線部の一部を覆う部分と配線部のうち金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うように第2の絶縁層が設けられる。金属被覆層は配線部の一部に接触し、第2の絶縁層は金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触するとともに配線部の他の部分に接触する。
ここで、配線部の全長に対する配線部の一部を覆う金属被覆層の長さの割合は40%以下である。この場合、配線部の全長に対して60%以上の長さにおいて、配線部と第2の絶縁層との間には、ニッケルの磁性以上の磁性を有する層が存在しない。それにより、高い周波数帯域においても電気信号の伝送損失を低減することができる。
また、第2の絶縁層は金属被覆層のうち配線部を覆う部分に接触し、金属被覆層は配線部の表面上で端子部と配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びる。それにより、導体パターンにおける端子部と配線部との境界の近傍において、第2の絶縁層と配線部との間の密着性が向上する。さらに、金属被覆層は、端子部の表面上から配線部の表面上に連続して延びるように形成される。それにより、金属被覆層の内部に第2の絶縁層の外部から空気、水または薬液等の流体が進入することが防止される。したがって、導体パターンにおける端子部と配線部との境界およびその近傍に腐食が発生することが防止される。
本発明は、種々の配線回路基板に有効に利用することができる。
1 サスペンション基板
10 支持基板
10a 支持層
10x,10y,11,41x,41y,43x 開口部
12 タング部
15,16,17,18,19 金属被覆層
21,22,23,24,25,26,31,32,33,34,35,36 接続端子
41 ベース絶縁層
41A,41B 絶縁層
41u,41v 凹部
43 カバー絶縁層
50 支持プレート
51 前端領域
52 後端領域
53 中央領域
54 圧電素子実装領域
54h 貫通孔
61,61A,61B 導体パターン
61a 端子部
61b 配線部
61c 境界
70 バリア層
71 金層
91,92 圧電素子
100 サスペンション本体部
H 孔部
P1,P2 電源用配線パターン
R1,R2 読取用配線パターン
W1,W2 書込用配線パターン

Claims (23)

  1. 第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層上に形成され、端子部と前記端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、
    前記配線部と前記端子部とを覆うとともに前記端子部の表面上から前記配線部の表面上に連続して延びるように設けられる第1の金属被覆層と、
    前記第1の金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分を覆うとともに前記第1の金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆わないように前記第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層と
    前記第1の金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆う第2の金属被覆層とを備え、
    前記第1の金属被覆層は、前記配線部に接触し、
    前記第2の絶縁層は、前記第1の金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分に接触し、
    前記第1の金属被覆層は、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではない、配線回路基板。
  2. 第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層上に形成され、端子部と前記端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、
    前記配線部の一部と前記端子部とを覆うとともに前記端子部の表面上から前記配線部の表面上に連続して延びるように設けられる第1の金属被覆層と、
    前記第1の金属被覆層のうち前記配線部の前記一部を覆う部分と前記配線部のうち前記第1の金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに前記第1の金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆わないように前記第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層と
    前記第1の金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆う第2の金属被覆層とを備え、
    前記第1の金属被覆層は、前記配線部の前記一部に接触するとともに前記配線部の表面上で前記端子部と前記配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、
    前記第2の絶縁層は、前記第1の金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分に接触するとともに前記配線部の前記他の部分に接触し、
    前記第1の金属被覆層は、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではない、配線回路基板。
  3. 第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層上に形成され、端子部と前記端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、
    前記配線部の一部と前記端子部とを覆うとともに前記端子部の表面上から前記配線部の表面上に連続して延びるように設けられる第1の金属被覆層と、
    前記第1の金属被覆層のうち前記配線部の前記一部を覆う部分と前記配線部のうち前記第1の金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに前記第1の金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆わないように前記第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層と
    前記第1の金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆う第2の金属被覆層とを備え、
    前記第1の金属被覆層は、前記配線部の前記一部に接触するとともに前記配線部の表面上で前記端子部と前記配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、
    前記第2の絶縁層は、前記第1の金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分に接触するとともに前記配線部の前記他の部分に接触し、
    前記配線部の全長に対する前記配線部の前記一部を覆う前記第1の金属被覆層の長さの割合は40%以下である、配線回路基板。
  4. 前記第1の金属被覆層は、前記配線部の表面上で前記端子部と前記配線部との境界上の位置から5μm以上離れた位置まで延びる、請求項2または3記載の配線回路基板。
  5. 前記第1の金属被覆層は、金、銀、クロム、錫および白金のうち少なくとも1種類の金属を含む、請求項1または2記載の配線回路基板。
  6. 前記第1の金属被覆層は、ニッケル、金、銀、クロム、錫および白金のうち少なくとも1種類の金属を含む、請求項3記載の配線回路基板。
  7. 前記第1の金属被覆層の少なくとも一部は、互いに積層された第1および第2の金属層により構成される、請求項1〜のいずれか一項に記載の配線回路基板。
  8. 第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層上に形成され、端子部と前記端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、
    前記配線部と前記端子部とを覆うとともに前記端子部の表面上から前記配線部の表面上に連続して延びるように設けられる金属被覆層と、
    前記金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分を覆うとともに前記金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆わないように前記第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層と、
    前記金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆う端子バリア層と、
    前記端子バリア層を覆う端子表面層とを備え、
    前記金属被覆層は、前記配線部に接触し、
    前記第2の絶縁層は、前記金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分に接触し、
    前記金属被覆層は、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではなく、
    前記導体パターンは、銅を含み、
    前記端子表面層は、金を含み、
    前記端子バリア層は、ニッケルまたはパラジウムを含む、配線回路基板。
  9. 第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層上に形成され、端子部と前記端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、
    前記配線部の一部と前記端子部とを覆うとともに前記端子部の表面上から前記配線部の表面上に連続して延びるように設けられる金属被覆層と、
    前記金属被覆層のうち前記配線部の前記一部を覆う部分と前記配線部のうち前記金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに前記金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆わないように前記第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層と、
    前記金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆う端子バリア層と、
    前記端子バリア層を覆う端子表面層とを備え、
    前記金属被覆層は、前記配線部の前記一部に接触するとともに前記配線部の表面上で前記端子部と前記配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、
    前記第2の絶縁層は、前記金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分に接触するとともに前記配線部の前記他の部分に接触し、
    前記金属被覆層は、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではなく、
    前記導体パターンは、銅を含み、
    前記端子表面層は、金を含み、
    前記端子バリア層は、ニッケルまたはパラジウムを含む、配線回路基板。
  10. 第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層上に形成され、端子部と前記端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、
    前記配線部の一部と前記端子部とを覆うとともに前記端子部の表面上から前記配線部の表面上に連続して延びるように設けられる金属被覆層と、
    前記金属被覆層のうち前記配線部の前記一部を覆う部分と前記配線部のうち前記金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに前記金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆わないように前記第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層と、
    前記金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆う端子バリア層と、
    前記端子バリア層を覆う端子表面層とを備え、
    前記金属被覆層は、前記配線部の前記一部に接触するとともに前記配線部の表面上で前記端子部と前記配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、
    前記第2の絶縁層は、前記金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分に接触するとともに前記配線部の前記他の部分に接触し、
    前記配線部の全長に対する前記配線部の前記一部を覆う前記金属被覆層の長さの割合は40%以下であり、
    前記導体パターンは、銅を含み、
    前記端子表面層は、金を含み、
    前記端子バリア層は、ニッケルまたはパラジウムを含む、配線回路基板。
  11. 第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層上に形成され、端子部と前記端子部から延びる配線部とを有する導体パターンと、
    前記配線部の一部と前記端子部とを覆うとともに前記端子部の表面上から前記配線部の表面上に連続して延びるように設けられる金属被覆層と、
    前記金属被覆層のうち前記配線部の前記一部を覆う部分と前記配線部のうち前記金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに前記金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆わないように前記第1の絶縁層上に設けられる第2の絶縁層と、
    前記金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆うとともに前記金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分を覆わないようにかつ前記導体パターンに接触しないように形成された端子表面層とを備え、
    前記金属被覆層は、前記配線部の前記一部に接触するとともに前記配線部の表面上で前記端子部と前記配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、
    前記第2の絶縁層は、前記金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分に接触するとともに前記配線部の前記他の部分に接触し、
    前記配線部の全長に対する前記配線部の前記一部を覆う前記金属被覆層の長さの割合は40%以下であり、
    前記導体パターンは、銅を含み、
    前記端子表面層は、金を含み、
    前記金属被覆層は、ニッケルを含む、配線回路基板。
  12. 前記第2の絶縁層上に形成される上部導体パターンをさらに備え、
    前記上部導体パターンの少なくとも一部は、前記導体パターンに重なる、請求項1〜3および8〜11のいずれか一項に記載の配線回路基板。
  13. 前記第2の絶縁層上に形成され、上部端子部と前記上部端子部から延びる上部配線部とを有する上部導体パターンと、
    前記上部配線部の一部と前記上部端子部とを覆うとともに前記上部端子部の表面上から前記上部配線部の表面上に連続して延びるように設けられる上部金属被覆層と、
    前記上部金属被覆層のうち前記上部配線部の前記一部を覆う部分と前記上部配線部のうち前記上部金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに前記上部金属被覆層のうち前記上部端子部を覆う部分を覆わないように前記第2の絶縁層上に設けられる第3の絶縁層とをさらに備え、
    前記上部導体パターンの少なくとも一部は、前記導体パターンに重なり、
    前記上部金属被覆層は、前記上部配線部の前記一部に接触するとともに前記上部配線部の表面上で前記上部端子部と前記上部配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、
    前記第3の絶縁層は、前記上部金属被覆層のうち前記上部配線部を覆う部分に接触するとともに前記上部配線部の前記他の部分に接触し、
    前記上部配線部の全長に対する前記上部配線部の前記一部を覆う前記上部金属被覆層の長さの割合は40%以下である、請求項3、10および11のいずれか一項に記載の配線回路基板。
  14. 前記第2の絶縁層上に形成され、上部端子部と前記上部端子部から延びる上部配線部とを有する上部導体パターンと、
    前記上部配線部と前記上部端子部とを覆うとともに前記上部端子部の表面上から前記上部配線部の表面上に連続して延びるように設けられる上部金属被覆層と、
    前記上部金属被覆層のうち前記上部配線部を覆う部分を覆うとともに前記上部金属被覆層のうち前記上部端子部を覆う部分を覆わないように前記第2の絶縁層上に設けられる第3の絶縁層とをさらに備え、
    前記上部導体パターンの少なくとも一部は、前記導体パターンに重なり、
    前記上部金属被覆層は、前記上部配線部に接触し、
    前記第3の絶縁層は、前記上部金属被覆層のうち前記上部配線部を覆う部分に接触し、
    前記上部金属被覆層は、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではない、請求項1、8または9記載の配線回路基板。
  15. 前記第2の絶縁層上に形成され、上部端子部と前記上部端子部から延びる上部配線部とを有する上部導体パターンと、
    前記上部配線部の一部と前記上部端子部とを覆うとともに前記上部端子部の表面上から前記上部配線部の表面上に連続して延びるように設けられる上部金属被覆層と、
    前記上部金属被覆層のうち前記上部配線部の前記一部を覆う部分と前記上部配線部のうち前記上部金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに前記上部金属被覆層のうち前記上部端子部を覆う部分を覆わないように前記第2の絶縁層上に設けられる第3の絶縁層とをさらに備え、
    前記上部導体パターンの少なくとも一部は、前記導体パターンに重なり、
    前記上部金属被覆層は、前記上部配線部の前記一部に接触するとともに前記上部配線部の表面上で前記上部端子部と前記上部配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延び、
    前記第3の絶縁層は、前記上部金属被覆層のうち前記上部配線部を覆う部分に接触するとともに前記上部配線部の前記他の部分に接触し、
    前記上部金属被覆層は、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではない、請求項1、8または9記載の配線回路基板。
  16. 下部絶縁層と、
    前記下部絶縁層上に形成された下部導体パターンとをさらに備え、
    前記第1の絶縁層は、前記下部導体パターンの少なくとも一部を覆うように前記下部絶縁層上に形成され、
    前記導体パターンの少なくとも一部は、前記下部導体パターンに重なる、請求項1〜3および8〜11のいずれか一項に記載の配線回路基板。
  17. 端子部と前記端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、
    前記配線部と前記端子部とを覆うとともに前記端子部の表面上から前記配線部の表面上に連続して延びるようにかつ前記配線部に接触するように、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではない金属を用いて第1の金属被覆層を形成する工程と、
    前記第1の金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分を覆うとともに前記第1の金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆わないようにかつ前記第1の金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分に接触するように前記第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程と
    前記第1の金属被覆層のうち前記端子部を覆うように第2の金属被覆層を形成する工程とを含む、配線回路基板の製造方法。
  18. 端子部と前記端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、
    前記配線部の一部と前記端子部とを覆うとともに前記端子部の表面上から前記配線部の表面上に連続して延びるようにかつ前記配線部の前記一部に接触するように、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではない金属を用いて第1の金属被覆層を形成する工程と、
    前記第1の金属被覆層のうち前記配線部の前記一部を覆う部分と前記配線部のうち前記第1の金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに前記第1の金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆わないようにかつ前記第1の金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分に接触するとともに前記配線部の前記他の部分に接触するように第2の絶縁層を前記第1の絶縁層上に形成する工程と
    前記第1の金属被覆層のうち前記端子部を覆うように第2の金属被覆層を形成する工程とを含み、
    前記第1の金属被覆層を形成する工程において、前記第1の金属被覆層は、前記配線部の表面上で前記端子部と前記配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びるように形成される、配線回路基板の製造方法。
  19. 端子部と前記端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、
    前記配線部の一部と前記端子部とを覆うとともに前記端子部の表面上から前記配線部の表面上に連続して延びるようにかつ前記配線部の前記一部に接触するように第1の金属被覆層を形成する工程と、
    前記第1の金属被覆層のうち前記配線部の前記一部を覆う部分と前記配線部のうち前記第1の金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに前記第1の金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆わないようにかつ前記第1の金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分に接触するとともに前記配線部のうち前記他の部分に接触するように第2の絶縁層を前記第1の絶縁層上に形成する工程と
    前記第1の金属被覆層のうち前記端子部を覆うように第2の金属被覆層を形成する工程とを含み、
    前記第1の金属被覆層を形成する工程において、前記第1の金属被覆層は、前記配線部の表面上で前記端子部と前記配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びるように形成され、
    前記配線部の全長に対する前記配線部の前記一部を覆う前記第1の金属被覆層の長さの割合は40%以下に設定される、配線回路基板の製造方法。
  20. 端子部と前記端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、
    前記配線部と前記端子部とを覆うとともに前記端子部の表面上から前記配線部の表面上に連続して延びるようにかつ前記配線部に接触するように、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではない金属を用いて金属被覆層を形成する工程と、
    前記金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分を覆うとともに前記金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆わないようにかつ前記金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分に接触するように前記第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程と、
    前記金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆う端子バリア層を形成する工程と、
    前記端子バリア層を覆う端子表面層を形成する工程とを含み、
    前記導体パターンは、銅を含み、
    前記端子表面層は、金を含み、
    前記端子バリア層は、ニッケルまたはパラジウムを含む、配線回路基板の製造方法。
  21. 端子部と前記端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、
    前記配線部の一部と前記端子部とを覆うとともに前記端子部の表面上から前記配線部の表面上に連続して延びるようにかつ前記配線部の前記一部に接触するように、ニッケルと同程度の磁気特性を有する強磁性体ではない金属を用いて金属被覆層を形成する工程と、
    前記金属被覆層のうち前記配線部の前記一部を覆う部分と前記配線部のうち前記金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに前記金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆わないようにかつ前記金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分に接触するとともに前記配線部の前記他の部分に接触するように第2の絶縁層を前記第1の絶縁層上に形成する工程と、
    前記金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆う端子バリア層を形成する工程と、
    前記端子バリア層を覆う端子表面層を形成する工程とを含み、
    前記金属被覆層を形成する工程において、前記金属被覆層は、前記配線部の表面上で前記端子部と前記配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びるように形成され、
    前記導体パターンは、銅を含み、
    前記端子表面層は、金を含み、
    前記端子バリア層は、ニッケルまたはパラジウムを含む、配線回路基板の製造方法。
  22. 端子部と前記端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、
    前記配線部の一部と前記端子部とを覆うとともに前記端子部の表面上から前記配線部の表面上に連続して延びるようにかつ前記配線部の前記一部に接触するように金属被覆層を形成する工程と、
    前記金属被覆層のうち前記配線部の前記一部を覆う部分と前記配線部のうち前記金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに前記金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆わないようにかつ前記金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分に接触するとともに前記配線部のうち前記他の部分に接触するように第2の絶縁層を前記第1の絶縁層上に形成する工程と、
    前記金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆う端子バリア層を形成する工程と、
    前記端子バリア層を覆う端子表面層を形成する工程とを含み、
    前記金属被覆層を形成する工程において、前記金属被覆層は、前記配線部の表面上で前記端子部と前記配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びるように形成され、
    前記配線部の全長に対する前記配線部の前記一部を覆う前記金属被覆層の長さの割合は40%以下に設定され、
    前記導体パターンは、銅を含み、
    前記端子表面層は、金を含み、
    前記端子バリア層は、ニッケルまたはパラジウムを含む、配線回路基板の製造方法。
  23. 端子部と前記端子部から延びる配線部とを有する導体パターンを第1の絶縁層上に形成する工程と、
    前記配線部の一部と前記端子部とを覆うとともに前記端子部の表面上から前記配線部の表面上に連続して延びるようにかつ前記配線部の前記一部に接触するように金属被覆層を形成する工程と、
    前記金属被覆層のうち前記配線部の前記一部を覆う部分と前記配線部のうち前記金属被覆層により覆われない他の部分とを覆うとともに前記金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆わないようにかつ前記金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分に接触するとともに前記配線部のうち前記他の部分に接触するように第2の絶縁層を前記第1の絶縁層上に形成する工程と、
    前記金属被覆層のうち前記端子部を覆う部分を覆うとともに前記金属被覆層のうち前記配線部を覆う部分を覆わないようにかつ前記導体パターンに接触しないように端子表面層を形成する工程とを含み、
    前記金属被覆層を形成する工程において、前記金属被覆層は、前記配線部の表面上で前記端子部と前記配線部との境界上の位置から3μm以上離れた位置まで延びるように形成され、
    前記配線部の全長に対する前記配線部の前記一部を覆う前記金属被覆層の長さの割合は40%以下に設定され、
    前記導体パターンは、銅を含み、
    前記端子表面層は、金を含み、
    前記金属被覆層は、ニッケルを含む、配線回路基板の製造方法。
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