JP6807082B2 - インナーサイレンサー装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車やオートバイ等のマフラーの排気管に挿入されて、排気管から放出されるエンジンの爆発音を抑制する着脱自在なインナーサイレンサー装置に関する。
自動車のマフラーの排気管に挿着するインナーサイレンサーが知られている(特許文献1参照)。
このものは、排気管の内側に挿着されて、自動車等のエンジンで発生する騒音を抑制するとともに、エンジンのパワーを任意に可変させることができるものである。
このインナーサイレンサーは、ボルトとナットとによって、排気管の内側に取り付けられている。
特開2002−168111号公報
特許文献1に記載のインナーサイレンサーは、ボルトとナットによって、排気管に取り付けられている。このため、取付け・取外しには、工具が必要であり、また、相応の時間がかかるという問題があった。さらに、取り外した際、インナーサイレンサー、ボルト、及びナットが別体となるために、ボルトやナット等の構成部材をなくしやすいという問題もあった。
本発明は、上述事情に鑑みてなされたものであり、排気管にインナーサイレンサーを、工具が不要で、簡単に取付け・取外しでき、さらに、構成部材をなくしにくくしたインナーサイレンサー装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る発明は、インナーサイレンサー装置において、排気管の終端部の排気管貫通孔に合わせたインナーサイレンサー貫通孔を有し、前記排気管の内側に挿入された着脱自在なインナーサイレンサーと、前記排気管貫通孔と前記インナーサイレンサー貫通孔とに進入して前記インナーサイレンサーを前記排気管に取り付ける留め具と、一端部が、前記インナーサイレンサーの始端部に取り付けられ、他端部が、前記留め具に取り付けられた索状体と、を備える、ことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係るインナーサイレンサー装置において、前記索状体は、前記一他部と前記他端部との間の中間部が前記インナーサイレンサーの内側を経由する、ことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係るインナーサイレンサー装置において、前記留め具は、閉方向に付勢されて前記排気管貫通孔とインナーサイレンサー貫通孔とに進入するとともに、ワンタッチで開方向に開くフック部を有する、ことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に係るインナーサイレンサー装置において、前記留め具は、フック部とは別体の、索状体の他端部が取り付けられる部分を有する、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、インナーサイレンサーの排気管に対する取付けに際しては、排気管貫通孔とインナーサイレンサー貫通孔とを合わせ、両孔に留め具を進入させるだけの、工具が不要な簡単な作業で行うことができる。また、インナーサイレンサーの排気管からの取外しに際しては、インナーサイレンサーと索状体と留め具とが一体であるため、留め具を両孔から取外し、索状体を引くことで、工具が不要な簡単な作業でインナーサイレンサーを排気管から簡単に取り外すことができる。さらに、インナーサイレンサーの取り外し後は、インナーサイレンサーと索状体と留め具とが一体であるため、索状体や留め具をなくすおそれがない。
請求項2の発明によれば、索状体は一端部と他端部との間の中間部がインナーサイレンサーの内側を経由するので、外側を経由する場合と異なり、インナーサイレンサーの外側と排気管の内側との間に、索状体が通る隙間を設ける必要がない。
請求項3の発明によれば、留め具は、閉方向に付勢されて排気管貫通孔とインナーサイレンサー貫通孔とに進入するとともに、ワンタッチで開方向に開くフック部を有するので、排気管に対するインナーサイレンサーの着脱に際し、フック部をワンタッチで両孔に通し、また、ワンタッチで両孔から外して退避させることができる。
請求項4の発明によれば、前記留め具は、フック部とは別体の、索状体の他端部が取り付けられる部分を有するので、排気管貫通孔及びインナーサイレンサー貫通孔からフック部を抜いた際に、他端部がフック部から外れるおそれがない。
インナーサイレンサー20を留め具30によって排気管10に取り付けた状態を説明する図であり、排気管10及びインナーサイレンサー20の長手方向に沿った断面図を示している。 留め具30を外してインナーサイレンサー20を排気管10から取り外した状態を説明する図であり、排気管10及びインナーサイレンサー20の長手方向に沿った断面を示している。 留め具30の正面図である。 留め具30を図3中の矢印J方向から見た図である。 留め具30を図3中の矢印K方向から見た図である。
以下、本発明を適用した実施形態を、図面に基づいて詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同一又は類似の構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
<実施形態1>
図1〜図5を参照して、本発明を適用した実施形態1に係るインナーサイレンサー装置100について説明する。
図1〜図5のうち、図1は、インナーサイレンサー20を留め具30によって排気管10に取り付けた状態を説明する図であり、排気管10及びインナーサイレンサー20の長手方向に沿った断面図を示している。また、図2は、留め具30を外してインナーサイレンサー20を排気管10から取り外した状態を説明する図であり、排気管10及びインナーサイレンサー20の長手方向に沿った断面を示している。また、図3は、留め具30の正面図である。また、図4は、留め具30を図3中の矢印J方向から見た図である。また、図5は、留め具30を図3中の矢印K方向から見た図である。
インナーサイレンサー装置100は、図1、図2に示すように、インナーサイレンサー20、留め具30、及びワイヤ(索状体)40を備えている。インナーサイレンサー装置100は、インナーサイレンサー20が留め具30及びワイヤ40を介して、排気管10に取り付けられている。
まず、インナーサイレンサー装置100の取り付け先となる、排気管10について説明する。
排気管10は、図1、図2の左側の不図示の延長端に、消音機能を備えたマフラー、排気ガス中の有害物質を除去したり排気ガスを消臭したりするキャタライザー、エキゾーストパイプ、エキゾーストマニホールド等を介してエンジンに接続されている。したがって、排気管10は、排気ガスが、エンジンからエキゾーストマニホールド、エキゾーストパイプ、キャタライザー、マフラー等を通過して、図1の右方向(矢印N方向)に案内して排出するようになっている。
排気管10は、円筒状に形成されて、排気ガスの排出方向(矢印N方向)に太さが段階的に太くなるように形成されている。すなわち、排気管10は、細径部11、中径部12、太径である終端部13が形成されている。細径部11と中径部12との間、及び中径部12と終端部13との間には、それぞれ段部14,15が形成されている。
排気管10の終端部13の終端縁13a近傍には、排気管貫通孔16が形成されている。終端部13の終端縁13aから、この排気管貫通孔16の縁のうち最も終端縁13a側に位置する部分16aまでの距離を距離L1とする。
次に、インナーサイレンサー装置100を構成するインナーサイレンサー20、留め具30、及びワイヤ40について説明する。
インナーサイレンサー20は、円筒状に形成されて、排気ガスの排出方向(矢印N方向)に太さが段階的に太くなるように形成されている。すなわち、インナーサイレンサー20は、細径である始端部21と、円錐状部22と、太径である終端部23とで形成され、始端部21の外周にカーボン繊維24が巻き付けてある。
インナーサイレンサー20に巻き付けられたカーボン繊維24の巻き外径D2は、図2に示すように、排気管10の中径部12の内径D1に対し、同じ(D1=D2)か、あるいは、やや小さく(D1>D2)設定されている。また、インナーサイレンサー20の終端部23の外径D4は、排気管10の終端部13の内径D3に対し、同じ(D3=D4)か、あるいは、やや小さく(D3>D4)設定されている。インナーサイレンサー20の始端部21の外径D6は、排気管10の細径部11の内径D5よりも、小さく(D5>D6)設定されている。
インナーサイレンサー20の終端部23にはインナーサイレンサー貫通孔25が形成されている。インナーサイレンサー貫通孔25は、上述の排気管貫通孔16と略同径に形成されている。終端部23の終端縁23aから、このインナーサイレンサー貫通孔25の縁のうち最も終端縁23a側に位置する部分25aまでの距離を距離L2とする。この距離L2については、本実施形態では、L1>L2に設定されている。つまり、図1に示すように、排気管貫通孔16にインナーサイレンサー貫通孔25を合わせたときに、排気管10の終端縁13aがインナーサイレンサー20の終端縁23aよりも、出っ張る(図1中の右側に位置する)ようになっている。
インナーサイレンサー20は、排気管10の内側に挿入され、インナーサイレンサー貫通孔25を排気管貫通孔16に一致させた状態で、留め具30によって排気管10に取り付けられている。この際、インナーサイレンサー20の円錐状部22は、排気管10の中径部12と太径である終端部13との間の段部15に当接しないようになっている。また、インナーサイレンサー20の始端縁21aは、排気管10の中径部12と終端部13との間の段部14に当接しないようになっている。
留め具30は、図1〜図5に示すように、相互に合わせた排気管貫通孔16とインナーサイレンサー貫通孔25とに進入して、インナーサイレンサー20を排気管10に取り付けている。
留め具30は、基体片31、回動片32、軸33、Dリング34(フック部とは別体の、索状体の他端部が取り付けられる部分)、及び捩じりばね35を備えている。
図3に示すように、基体片31は、先端側が「C」字形に曲がり、先端部には、フック部31aを有している。基体片31の基端側には、大径部31b,31cがあり、これらの間には、小径部31dがある。
回動片32は、先端側が「逆C」字形に曲がり、先端部には、フック部32aを有している。回動片32の基端部は、基体片31の中間部に差し込んだ軸33を中心に揺動自在に支持されている。また、軸33の周囲には、捩じりばね35が配設されていて、この捩じりばね35は、基体片31に対して回動片32を矢印X方向に付勢している。この付勢により、基体片31の先端のフック部31aと、回動片32の先端のフック部32aとが、重なって排気管貫通孔16とインナーサイレンサー貫通孔25とに入り込むようになっている。この際、基体片31側のストッパ31eに回動片32側のストッパ32eが当接している。
回動片32には、基端側に指掛け部32fが突設されていて、この指掛け部32fに指を掛けて矢印Z方向に倒すことにより、基体片31に対して、回動片32を矢印Y方向に移動させてフック部31a,32aを開くようになっている。
Dリング34は、基体片31の小径部31dに、貫通孔34aを通すことで、小径部31dに対して、回動自在となっている。
以上説明した留め具30は、「C」字形及び「逆C」字形によって形成される円弧部31rの直径D7が、D7>L1となっている。本実施の形態では、L1>L2として、説明したが、逆に、L1<L2であっても良い。この場合、D7>L2に設定されている。また、距離L1=L2であっても良い。この場合、D7>L1(=L2)に設定されている。
ワイヤ40は、一端部41が、インナーサイレンサー20の始端部21に取り付けられ、他端部42が、留め具30に取り付けられている。さらに詳しくは、ワイヤ40は、一端部41が、インナーサイレンサー20の始端部21の始端縁21a近傍に穿設された透孔26に取り付けられ、他端部42が、留め具30のDリング34に取り付けられている。さらに、ワイヤ40は、一端部41と他端部42との間の中間部43が、インナーサイレンサー20の内側を経由するようになっている。
上述の留め具30及びワイヤ40は、ステンレスで作られているか、クロムメッキが施されているかして、耐腐食性を備えている。また、索状体としては、ワイヤ40の代わりにガラス繊維でできた紐状のものを使用してもよい。ガラス繊維も、耐腐食性を備えている。
以下、インナーサイレンサー装置100の作用・効果をまとめる。
・インナーサイレンサー20の排気管10に対する取り付けに際しては、排気管貫通孔16とインナーサイレンサー貫通孔25とを合わせ、両孔に留め具30を進入させるだけの、工具が不要な簡単な作業で行うことができる。また、インナーサイレンサー20の排気管10からの取り外しに際しては、インナーサイレンサー20とワイヤ(索状体)40と留め具30とが一体であるため、留め具30を両孔から外し、ワイヤ(索状体)40を引くことで、工具が不要な簡単な作業でインナーサイレンサー20を排気管10から簡単に外すことができる。さらに、インナーサイレンサー20の取り外し後は、インナーサイレンサー20とワイヤ(索状体)40と留め具30とが一体であるため、ワイヤ(索状体)40や留め具30をなくすおそれがない。
・ワイヤ(索状体)40は一端部41と他端部42との間の中間部43がインナーサイレンサー20の内側を経由するので、外側を経由する場合と異なり、インナーサイレンサー20の外側と排気管10の内側との間に、ワイヤ(索状体)40が通る隙間を設ける必要がない。
・留め具30は、閉方向に付勢されて排気管貫通孔16とインナーサイレンサー貫通孔25とに進入するとともに、ワンタッチで開方向に開くフック部31a,32aを有するので、排気管10に対するインナーサイレンサー20の着脱に際し、フック部31a,32aをワンタッチで両孔に通し、また、ワンタッチで両孔から外して退避させることができる。
・留め具30は、フック部31a,32aとは別体の、ワイヤ(索状体)40の他端部42が取り付けられる部分(Dリング34)を有するので、排気管貫通孔16及びインナーサイレンサー貫通孔25からフック部31a,32aを抜いた際に、他端部42がフック部31a,32aから外れるおそれがない。
以上説明した排気管10とインナーサイレンサー20は、円筒に形成されているが、必ずしも円筒である必要はない。筒状に形成されていればよく、例えば、断面が楕円であってもよい。
10 排気管
13 終端部
16 排気管貫通孔
20 インナーサイレンサー
21 始端部
21a 始端縁
23 終端部
23a 終端縁
25 インナーサイレンサー貫通孔
30 留め具
34 Dリング(フック部とは別体の、ワイヤ(索状体)の他端部が取り付けられる部分)
40 ワイヤ(索状体)
41 ワイヤ(索状体)の一端部
42 ワイヤ(索状体)の他端部
43 ワイヤ(索状体)の中間部
100 インナーサイレンサー装置

Claims (4)

  1. 排気管の終端部の排気管貫通孔に合わせたインナーサイレンサー貫通孔を有し、前記排気管の内側に挿入された着脱自在なインナーサイレンサーと、
    前記排気管貫通孔と前記インナーサイレンサー貫通孔とに進入して前記インナーサイレンサーを前記排気管に取り付ける留め具と、
    一端部が、前記インナーサイレンサーの始端部に取り付けられ、他端部が、前記留め具に取り付けられた索状体と、を備える、
    ことを特徴とするインナーサイレンサー装置。
  2. 前記索状体は、前記一部と前記他端部との間の中間部が前記インナーサイレンサーの内側を経由する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のインナーサイレンサー装置。
  3. 前記留め具は、閉方向に付勢されて前記排気管貫通孔と前記インナーサイレンサー貫通孔とに進入するとともに、ワンタッチで開方向に開くフック部を有する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインナーサイレンサー装置。
  4. 前記留め具は、フック部とは別体の、索状体の他端部が取り付けられる部分を有する、
    ことを特徴とする請求項3に記載のインナーサイレンサー装置。


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