JP6806836B2 - コンクリート基礎の健全性評価方法 - Google Patents
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Description
(1) コンクリート基礎の内部の状況を評価するコンクリート基礎の健全性評価方法において、該コンクリート基礎の上面の特定位置を打撃手段で叩き、該特定位置の近傍で該上面に伝達される弾性波を測定する弾性波測定工程と、該弾性波測定工程で測定された測定波形から、該コンクリート基礎の底面で反射された波形部分を特定し、弾性波の往復時間Tを計測する往復時間計測工程と、予め特定される該コンクリート基礎の上面から底面までの基礎厚さL0と、該往復時間Tにより、以下の式1で実測弾性波速度Cを算出する弾性波速度算出工程と、
(式1) C=L0÷(T/2)
該実測弾性波速度Cとコンクリートの標準弾性波速度C0とを比較し、該コンクリート基礎の内部の状況を評価する評価工程とを備えたことを特徴とする。
(式2) L=C0×(T/2)
該推定基礎厚さLと、予め特定される該コンクリート基礎の上面から底面までの基礎厚さL0とを比較し、該コンクリート基礎の内部の状況を評価する評価工程とを備えたことを特徴とする。
(式3) T0=L0÷C0×2
該コンクリート基礎の内部の状況を評価する評価工程とを備えたことを特徴とする。
(式1) C=L0÷(T/2)
該実測弾性波速度Cとコンクリートの標準弾性波速度C0とを比較し、該コンクリート基礎の内部の状況を評価する評価工程とを備えているため、実測弾性波速度と標準弾性波速度とを比較するという、客観的な方法でコンクリート基礎の内部状況が評価できる。その結果、熟練した技術者で無くても、コンクリート基礎の内部状況を簡便な方法で確実に評価できる、コンクリート基礎の健全性評価方法を提供することが可能となる。
(式2) L=C0×(T/2)
該推定基礎厚さLと、予め特定される該コンクリート基礎の上面から底面までの基礎厚さL0とを比較し、該コンクリート基礎の内部の状況を評価する評価工程とを備えているため、推定基礎厚さLと予め特定される基礎厚さL0とを比較するという、客観的な方法でコンクリート基礎の内部状況が評価できる。その結果、熟練した技術者で無くても、コンクリート基礎の内部状況を簡便な方法で確実に評価できる、コンクリート基礎の健全性評価方法を提供することが可能となる。
(式3) T0=L0÷C0×2
該コンクリート基礎の内部の状況を評価する評価工程とを備えているため、計測した往復時間Tと標準往復時間T0とを比較するという、客観的な方法でコンクリート基礎の内部状況が評価できる。その結果、熟練した技術者で無くても、コンクリート基礎の内部状況を簡便な方法で確実に評価できる、コンクリート基礎の健全性評価方法を提供することが可能となる。
本発明に係る第1の発明は、コンクリート基礎の内部の状況を評価するコンクリート基礎の健全性評価方法において、該コンクリート基礎の上面の特定位置を打撃手段で叩き、該特定位置の近傍で該上面に伝達される弾性波を測定する弾性波測定工程と、該弾性波測定工程で測定された測定波形から、該コンクリート基礎の底面で反射された波形部分を特定し、弾性波の往復時間Tを計測する往復時間計測工程と、予め特定される該コンクリート基礎の上面から底面までの基礎厚さL0と、該往復時間Tにより、以下の式1で実測弾性波速度Cを算出する弾性波速度算出工程と、
(式1) C=L0÷(T/2)
該実測弾性波速度Cとコンクリートの標準弾性波速度C0とを比較し、該コンクリート基礎の内部の状況を評価する評価工程とを備えていることを特徴とする。
(式2) L=C0×(T/2)
該推定基礎厚さLと、予め特定される該コンクリート基礎の上面から底面までの基礎厚さL0とを比較し、該コンクリート基礎の内部の状況を評価する評価工程とを備えていることを特徴とする。
(式3) T0=L0÷C0×2
該コンクリート基礎の内部の状況を評価する評価工程とを備えたことを特徴とする。
測定に使用した機器は、製品名「PIT」(Pile Dynamics,Inc.(アメリカ、PDI社品(パイルダイナミックス社))製)である。
図3の右側のグラフの方が、左側のグラフよりノイズがカットされており、波形の特異点が判別し易くなっている。
図4は、測定結果から5つの評価を経て、総合的にコンクリート基礎の健全性を評価する手順を記載したものである。
最初に、基礎の上面(天端面)で試験位置を位置に偏りが生じないように、複数の特定位置(測定箇所)設定する。
健全性評価を行うための弾性波測定器である「インテグリティ試験機」を用いて試験を行う。具体的には、以下の手順で試験を行う。
(1) 1測定箇所あたりの測定点数(受信センサーの設置位置を変える回数)は、埋設鉄筋位置を避けた1測定点以上とする(図2の写真参照、図2では4測定点としている)。
(2) 1測定点毎に3〜5回打撃を加えて測定波形を得る。この際、測定波形を平均した波形を得ることも可能である。
(3) 1測定箇所あたり3測定点の測定波形を収集する。
(4) 測定箇所を変える毎に、上記(1)〜(3)を繰り返し、測定箇所毎に測定波形を収集する。
(評価1)
測定波形自体を観察して、評価を行う。これは、杭の評価と同様な手法であるが、まずは測定波形を見て、波形の再現性、先端反射位置(基礎の厚さや、杭がある場合は杭長に係る波形の特異点の確認)、異常な波形の有無からクラックの有無の判定も可能である。
コンクリート基礎の設計による基板の厚さL0と、測定波形から判断される往復時間Tとに基づき、上記式1により、実測弾性波速度Cを算出する。そして、一例として、上記表1で示す縦波速度(弾性波速度)とコンクリートの品質の対比表を用いて、実測弾性波速度Cに対する評価を行う。
評価3では、測定波形の再現性の有無を、同じ試験箇所の測定点間、測定箇所間で比較して評価する。これは、再現性があれば内部は安定していると解釈でき、再現性がなければ内部異常も疑う可能性がでてくるため、再現性確認を取り入れた。具体的な評価の例としては、3測定点の波形が類似し再現性がある場合の評価「○」、2測定点が類似し1測定点が異なる場合の評価「△」、3測定点とも類似していない場合の評価「×」とした。
評価4では、基礎の厚さの範囲内における波形の状態を評価する。評価3と重なるところはあるが、再現性確認と併せて、特に設計厚さL0の範囲内(波形の往復時間Tの範囲内)の波形を特に注視し、内部異常の有無を判定する。具体的な評価の例としては、「設計厚さ内に明確な波形の異常は確認できない」場合の評価「○」、「波形が不明確」な場合の評価「△」、「波形に明らかな乱れがあり、判定不可」の場合の評価「×」とした。
評価5では、評価1〜4に基づき、総合的な評価を行う。評価1〜4の結果を用いて基礎毎に状態を判定する。評価5を行っておくことで、基礎毎の状態を相対的に評価でき、対策の要否判定や優先順位付けをするための要素となり得る。具体的な例としては、「内部損傷の可能性が低い」場合の評価「良好」、「内部損傷の可能性が高い」場合の評価「不良」、「内部損傷の可能性が判定できない」場合の評価「不確定」とした。
Claims (6)
- コンクリート基礎の内部の状況を評価するコンクリート基礎の健全性評価方法において、
該コンクリート基礎の上面の特定位置を打撃手段で叩き、該特定位置の近傍で該上面に伝達される弾性波を測定する弾性波測定工程と、
該弾性波測定工程で測定された測定波形から、該コンクリート基礎の底面で反射された波形部分を特定し、弾性波の往復時間Tを計測する往復時間計測工程と、
予め特定される該コンクリート基礎の上面から底面までの基礎厚さL0と、該往復時間Tにより、以下の式1で実測弾性波速度Cを算出する弾性波速度算出工程と、
(式1) C=L0÷(T/2)
該実測弾性波速度Cとコンクリートの標準弾性波速度C0とを比較し、該コンクリート基礎の内部の状況を評価する評価工程とを備えたことを特徴とするコンクリート基礎の健全性評価方法。 - コンクリート基礎の内部の状況を評価するコンクリート基礎の健全性評価方法において、
該コンクリート基礎の上面の特定位置を打撃手段で叩き、該特定位置の近傍で該上面に伝達される弾性波を測定する弾性波測定工程と、
該弾性波測定工程で測定された測定波形から、該コンクリート基礎の底面で反射された波形部分を特定し、弾性波の往復時間Tを計測する往復時間計測工程と、
コンクリートの標準弾性波速度C0と、該往復時間Tにより、以下の式2で該コンクリート基礎の上面から底面までの推定基礎厚さLを算出する基礎厚さ算出工程と、
(式2) L=C0×(T/2)
該推定基礎厚さLと、予め特定される該コンクリート基礎の上面から底面までの基礎厚さL0とを比較し、該コンクリート基礎の内部の状況を評価する評価工程とを備えたことを特徴とするコンクリート基礎の健全性評価方法。 - コンクリート基礎の内部の状況を評価するコンクリート基礎の健全性評価方法において、
該コンクリート基礎の上面の特定位置を打撃手段で叩き、該特定位置の近傍で該上面に伝達される弾性波を測定する弾性波測定工程と、
該弾性波測定工程で測定された測定波形から、該コンクリート基礎の底面で反射された波形部分を特定し、弾性波の往復時間Tを計測する往復時間計測工程と、
コンクリートの標準弾性波速度C0と、予め特定される該コンクリート基礎の上面から底面までの基礎厚さL0とにより、以下の式3で算出される標準往復時間T0と、計測した往復時間Tとを比較し、
(式3) T0=L0÷C0×2
該コンクリート基礎の内部の状況を評価する評価工程とを備えたことを特徴とするコンクリート基礎の健全性評価方法。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載のコンクリート基礎の健全性評価方法において、該コンクリート基礎の下側には杭が該コンクリート基礎に接続して配置されており、該特定位置は、該特定位置の鉛直方向には該杭が接続されていない場所であることを特徴とするコンクリート基礎の健全性評価方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のコンクリート基礎の健全性評価方法において、該特定位置の面と該特定位置の鉛直方向に位置する該底面の面とは、互いに平行であることを特徴とするコンクリート基礎の健全性評価方法。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載のコンクリート基礎の健全性評価方法において、該特定位置毎に、所定間隔で配置される複数の測定点を設け、該弾性波測定工程で得られた測定波形の中で採用する測定波形は、該コンクリート基礎内の埋設鉄筋位置を避けた測定点の測定波形であることを特徴とするコンクリート基礎の健全性評価方法。
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