JP6806538B2 - ビスマス鉄酸化物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、誘電体セラミックス、圧電セラミックス及びその原料として有用なビスマス鉄酸化物の製造方法に関する。
Pb(Zr,Ti)O(以下、「PZT」という)は、優れた圧電特性を示す材料として知られているが、地球環境問題の観点から強誘電体とする機能性材料では、鉛を含む材料の使用が厳しく制限されつつある。現在、鉛を含まないPZTの代替材料として、BiFeOおよびそれを用いた固溶体が注目されている。
BiFeOの製造方法としては、例えば、下記特許文献1には、酸化ビスマス及び酸化鉄を乾式混合し、焼成する固相法が提案されている。また、下記特許文献2には硝酸鉄及び硝酸ビスマスを硝酸水溶液に溶解した溶液に、炭酸水素アンモニウムとアンモニア水を添加してビスマス鉄複合酸化物を得、次いで、ビスマス鉄複合酸化物を非イオン性高分子凝集剤で凝集させて凝集物を得、次いで、該凝集物を400℃以上650℃以下で焼成する方法が提案されている。
しかしながら、BiFeOは、Biの揮発性が高いことから、焼成中にBiが揮発し、組成がずれて不純物が生成しやすく、不純物含有量の少ない高純なものを製造することが難しいことが知られている。
このため、例えば、非特許文献1には、不純物が少ないBiFeOの製造方法として、化学両論組成よりも過剰のBiを加えて焼成し、不純物と未反応のBiを硝酸で溶かして取り除く方法が提案されている。
特開2010−254560号公報 特開2011−213581号公報
Journal of American Ceramic Society,Vol.50,p437(1967)
ところが、非特許文献1に開示されている製造方法では、工程が煩雑になり工業的に有利な方法とは言い難い。
従って、本発明の目的は、工業的に有利な方法で、不純物含有量が少ないBiFeOで表されるビスマス鉄酸化物を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末を、水分散媒及びメディアの存在下で、湿式粉砕及び混合して、原料粉砕混合粉末を得、得られる原料粉砕混合粉末を、450〜700℃で焼成することにより、X線回折的に不純物含有量が少ないBiFeOで表されるビスマス鉄酸化物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、BiFeOで表されるビスマス鉄酸化物の製造方法であって、
次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末を、水分散媒及びメディアの存在下で、湿式粉砕及び混合して、原料粉砕混合粉末を得る湿式粉砕工程と、
該原料粉砕混合粉末を焼成原料として、450〜700℃で焼成することにより、BiFeOで表されるビスマス鉄酸化物を得る焼成工程と、
を有することを特徴とするビスマス鉄酸化物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、工業的に有利な方法で、不純物含有量が少ないBiFeOで表されるビスマス鉄酸化物を製造する方法を提供することができる。
実施例1の焼成物のSEM写真及びX線回折図である。 実施例2の焼成物のSEM写真及びX線回折図である。 実施例3の焼成物のSEM写真及びX線回折図である。 実施例4の焼成物のSEM写真及びX線回折図である。 実施例5の焼成物のSEM写真及びX線回折図である。 比較例1の焼成物のSEM写真及びX線回折図である。 比較例2の焼成物のSEM写真及びX線回折図である。 比較例3の焼成物のSEM写真及びX線回折図である。 比較例4の焼成物のSEM写真及びX線回折図である。 比較例5の焼成物のSEM写真及びX線回折図である。 比較例6の焼成物のSEM写真及びX線回折図である。 比較例7の焼成物のSEM写真及びX線回折図である。 比較例8の焼成物のSEM写真及びX線回折図である。
本発明のビスマス鉄酸化物の製造方法は、BiFeOで表されるビスマス鉄酸化物の製造方法であって、
次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末を、水分散媒及びメディアの存在下で、湿式粉砕及び混合して、原料粉砕混合粉末を得る湿式粉砕工程と、
該原料粉砕混合粉末を焼成原料として、450〜700℃で焼成することにより、BiFeOで表されるビスマス鉄酸化物を得る焼成工程と、
を有することを特徴とするビスマス鉄酸化物の製造方法である。
本発明のビスマス鉄酸化物の製造方法は、BiFeOで表されるビスマス鉄酸化物の製造方法であって、湿式粉砕工程と、焼成工程と、を有する。
本発明のビスマス鉄酸化物の製造方法に係る湿式粉砕工程は、ビーズミル、ボールミル等のメディアミルを用いて、水分散媒及びメディアの存在下で、次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末を、湿式粉砕して、これらの製造原料を微細に粉砕すると共に、これらの製造原料を均一に混合して、次炭酸ビスマスと鉄化合物が微細化され且つ均一に混合されている原料粉砕混合粉末を得る工程である。
湿式粉砕工程において湿式粉砕及び混合される原料は、次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末である。湿式粉砕工程の原料となる次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末は、いずれも、湿式粉砕工程で微細化されるため、湿式粉砕工程の原料となる次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末の粒径は特に制限されない。また、湿式粉砕工程の原料となる次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末の純度は、特に制限されないが、高純度なものほど好ましい。
前記鉄化合物としては、良好な反応性、組成管理の容易性、経済性、安全性等の観点から、酸化水酸化鉄(III)(FeOOH)又は酸化鉄(III)(Fe)が好ましい。
湿式粉砕工程では、メディアミル内で、原料の次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末を、水分散媒に混合し、原料の次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末が、水分散媒に分散された原料スラリーを形成させ、湿式粉砕及び混合を行うか、あるいは、メディアミル外で、原料の次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末を、水分散媒に混合し、撹拌して、予め、原料の次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末が、水分散媒に分散された原料スラリーを形成させておき、得られる原料スラリーを、メディアミル内に投入し、湿式粉砕及び混合を行う。
湿式粉砕工程において、水分散媒に混合する原料次炭酸ビスマス粉末と鉄化合物粉末の量の比は、原子換算のモル比換算で、鉄に対するビスマスのモル比(ビスマス/鉄)が、0.980〜1.020、好ましくは0.990〜1.010となる比である。
原料次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末と、水分散媒の混合量の比は、原料スラリー中の次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末の合計含有量が、5〜70質量%、好ましくは10〜50質量%となる量である。原料スラリー中の次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末の合計含有量が上記範囲であることにより、製造効率及び湿式粉砕効率が高くなり、ハンドリングが良好な点で、好ましい。
原料スラリーには、原料スラリーの粘度、ハンドリング性等を調節するために、必要に応じて、分散剤、消泡剤等を添加することができる。分散剤としては、高分子型のポリカルボン酸系、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合系、ポリエチレングリコール、ポリカルボン酸部分アルキルエステル系、ポリエーテル系、ポリアルキレンポリアミン系等の分散剤、界面活性剤型のアルキルスルホン酸系、四級アンモニウム系、高級アルコールアルキレンオキサイド系、多価アルコールエステル系、アルキルポリアミン系等の分散剤、無機型のポリリン酸塩系等の分散剤などが挙げられ、また、消泡剤としては、シリコーン系のオイル型、溶液型、オイルコンパウンド型、エマルジョン型、自己乳化型など、有機系のポリエーテル、高級アルコール等が挙げられる。なお、これらの任意の原料スラリーへの添加成分は、構造中に金属元素を含まないことが必要である。
湿式粉砕工程においては、次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末の湿式粉砕及び混合を、メディアミルを用いて行う。メディアミルとしては、ビーズミル、ボールミル等が挙げられる。これらのうち、メディアミルとしては、生産性及び対応メディアの選択性が高い点で、ビーズミルが好ましい。メディアミルに用いられるメディアとしては、イットリア安定化ジルコニア性のボール又はビーズが、耐衝撃性が高く、コンタミが少なくなる点で、好ましい。イットリア安定化ジルコニア性のビーズの径は、好ましくは0.05〜1mmφである。また、湿式粉砕工程において、使用するイットリア安定化ジルコニア製のビーズは、1種類に限定されるものでなく、湿式粉砕の状況に応じて、途中でビーズの径を切り替えてもよい。
湿式粉砕工程において、メディアミルの運転方法としては、パス方式であっても循環方式であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。
湿式粉砕工程では、原料粉砕混合粉末の比表面積が、10m/g以上となるまで粉砕することが好ましく、15m/g以上となるまで粉砕することが特に好ましい。原料粉砕混合粉末の比表面積が上記範囲にあることにより、反応性、均質性が高い原料粉砕混合粉末となるので、焼成工程を経て、異相がない又は異相が非常に少ない高純度のBiFeOで表されるビスマス鉄酸化物が得られる。
湿式粉砕工程の変形形態(以下、湿式粉砕工程の第一の変形形態とも記載する。)として、湿式粉砕工程において、湿式粉砕及び混合を途中で一旦中断し、原料粉砕混合中間物を一部採取し、採取物を蛍光X線法により分析して、該採取物中のビスマスと鉄のモル比(Bi/Fe)を求め、求めたビスマスと鉄のモル比から、原料粉砕混合中間物のビスマスと鉄のモル比を1.000にするために必要な追加次炭酸ビスマス量又は追加鉄化合物量を算出し、次いで、追加次炭酸ビスマス量の次炭酸ビスマス粉末又は追加鉄化合物量の鉄化合物粉末を、原料粉砕混合中間物に混合し、湿式粉砕及び混合を再開して、原料粉砕混合粉末を得る形態が挙げられる。反応スケールが大きくなるほど、原料の重量に対する水分などの不純成分の影響が大きくなるため、湿式粉砕工程を行い得られる原料粉砕混合粉末のビスマスと鉄のモル比がずれ易くなる。そのため、反応スケールが大きい場合に、湿式粉砕工程として、このような湿式粉砕工程の第一の変形形態を採用することが、焼成工程を経て、異相がない又は異相が非常に少ない高純度のBiFeOで表されるビスマス鉄酸化物が得られる点で、好ましい。
湿式粉砕工程を行った後、湿式粉砕工程を行い得られる原料粉砕混合粉末を、乾燥して、焼成工程の焼成原料とする。原料粉砕混合粉末を乾燥する方法としては、特に制限されず、例えば、湿式粉砕工程後の原料スラリーを、バット等に移し、乾燥機中で、100〜150℃で静置全量乾燥する方法、スラリーを固液分離し、濾過ケーキを乾燥機中で、100〜150℃で静置乾燥する方法、スラリーをスプレードライヤーに通じて100〜150℃で連続乾燥する方法等が挙げられる。
本発明のビスマス鉄酸化物の製造方法に係る焼成工程は、湿式粉砕工程を行い得られた原料粉砕混合粉末を、焼成することにより、BiFeOで表されるビスマス鉄酸化物を得る工程である。
焼成工程における焼成温度は、450〜700℃、好ましくは500〜650℃である。焼成温度が上記範囲であることにより、結晶性が高く、X線回折的にBiFeやBi等の不純物のピークが少ないBiFeOで表されるビスマス鉄酸化物が得られる。焼成時間は、適宜選択されるが、粒径の揃った主相率の高いBiFeOで表されるビスマス鉄酸化物が得られる点で、好ましくは3時間以上、特に好ましくは5〜30時間である。焼成雰囲気は、特に制限されず、大気雰囲気又は酸素雰囲気のいずれでもよい。
焼成工程では、焼成を複数回行ってもよい。例えば、1回原料粉砕混合粉末の焼成を行い、次いで、焼成物を冷却及び粉砕後、再び焼成物の粉砕物を焼成してもよい。
焼成工程を行った後、焼成物を適宜冷却し、必要に応じて、粉砕、解砕、分級等を行い、BiFeOで表されるビスマス鉄酸化物を得る。
本発明のビスマス鉄酸化物の製造方法を行い得られるビスマス鉄酸化物は、BiFeOで表されるビスマス鉄酸化物であり、BiFe及びBi25FeO40がX線回折的に観測されず、更にBiが少ないX線回折的に高純度なものであることが特徴の一つである。
本発明のビスマス鉄酸化物の製造方法を行い得られるBiFeOで表されるビスマス鉄酸化物は、鉛を含まないPZTの代替材料として、下記一般式(1)で表される圧電セラミックの原料として用いられる。
一般式(1):
xBiFeO−(1−x)ABO (1)
(式中、A及びBは一種または複数の金属イオンで、Aは1価、2価または3価の金属イオン、Bは3価、4価または5価の金属イオンを表す。)
一般式(1)において、ABOは、ペロブスカイト型、もしくはそれに近い構造のセラミックが好ましく、該ペロブスカイト型のセラミックの好ましいものとしては、BaTiO、SrTiO、CaTiO、BaZrO、SrZrO、CaZrO、KNbO、NaNbO、LiNbO、KTaO、NaTaO、LiTaO、AgNbO、BiCrO、BiMnO、BiCoO、BiNiO、(Bi0.5Na0.5)TiO、(Bi0.50.5)TiO、Bi(Zn0.5Ti0.5)O、Bi(Mg0.5Ti0.5)O、Bi(Ni0.5Ti0.5)O等が挙げられ、これらは2種以上の混合系であってもよい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
700mL容積のナイロン製ポットに、1mmφのZrO製ボールを仕込み、次炭酸ビスマス(日本化学産業製)37.1g、酸化水酸化鉄(III)(チタン工業製)13.1gを秤量して仕込み、次いで、純水を120g、分散剤(サンノプコ製 SN5468)を2.0g、消泡剤(サンノプコ製 SNデフォーマー)を0.4g仕込んだ。次いで、ナイロン製ポットを密閉して、回転速度120rpmで96時間湿式粉砕及び混合を行った。次いで、得られたスラリーをバットに移し、120℃で24時間乾燥を行い、原料粉砕混合粉末を得た。原料粉砕混合粉末の比表面積は18.03m/gであった。また、ビスマスと鉄のモル比(Bi/Fe)は、1.002であった。
次いで、原料粉砕混合粉末を550℃で7時間、大気雰囲気で焼成し、焼成物を得た。得られた焼成物をSEM観察した。そのSEM像を図1に示す。また、得られた焼成物を分析した。その分析結果を表1に示す。更にXRD分析を行った。その特徴を表2に示す。また、X線回折図を図1に示す。
(実施例2)
焼成温度を600℃としたこと以外は実施例1と同じ方法で行った。得られた焼成物のSEM像を図2に示す。また、得られた焼成物を分析した。その分析結果を表1に示す。更にXRD分析を行った。その特徴を表2に示す。また、X線回折図を図2に示す。
(実施例3)
700mL容積のナイロン製ポットに、1mmφのZrO製ボールを仕込み、次炭酸ビスマス(日本化学産業製)37.0g、酸化鉄(III)(関東化学製)11.5gを秤量して仕込み、次いで、純水を120g、分散剤(サンノプコ製 SN5468)を2.0g、消泡剤(サンノプコ製 SNデフォーマー)を0.4g仕込んだ。次いで、ナイロン製ポットを密閉して、回転速度120rpmで96時間湿式粉砕及び混合を行った。次いで、得られたスラリーをバットに移し、120℃で24時間乾燥を行い、原料粉砕混合粉末を得た。原料粉砕混合粉末の比表面積は25.57m/gであった。また、ビスマスと鉄のモル比(Bi/Fe)は、1.000であった。
次いで、原料粉砕混合粉末を550℃で7時間、大気雰囲気で焼成し、焼成物を得た。得られた焼成物をSEM観察した。そのSEM像を図3に示す。また、得られた焼成物を分析した。その分析結果を表1に示す。更にXRD分析を行った。その特徴を表2に示す。また、X線回折図を図3に示す。
(実施例4)
焼成温度を600℃としたこと以外は実施例3と同じ方法で行った。得られた焼成物のSEM像を図4に示す。また、得られた焼成物を分析した。その分析結果を表1に示す。更にXRD分析を行った。その特徴を表2に示す。また、X線回折図を図4に示す。
(実施例5)
20Lのステンレス製容器に、純水9500g及び分散剤(サンノプコ製 SN5468)を仕込み、撹拌機で撹拌しながら次炭酸ビスマス(日本化学産業製)3511g、酸化水酸化鉄(III)(チタン工業)1225gを仕込んでスラリーを調製し、1時間以上撹拌した。次いで、得られたスラリーを0.5mmφのジルコニアビーズを容積率で85%充填したビーズミル(アシザワファインテック製 LMZ-2)に、周速10m/秒、流量300mL/分で通過させて、処理スラリー(1パス)を、20Lのステンレス製容器に受けた。この処理スラリー(1パス)を十分に撹拌した後、少量をサンプリングして乾燥試料とし、強熱処理した後、蛍光X線法によりビスマスと鉄のモル比(ビスマス/鉄)を求めたところ0.997であった。この結果より、追加次炭酸ビスマス粉末量は、9.2gと算出された。
次いで、処理スラリー(1パス)に対して、最初の仕込みで用いた次炭酸ビスマス粉末を9.2g添加して更に十分撹拌した後、再度同条件のもとビーズミルを通過させ(2パス)、処理スラリー(2パス)を、20Lのステンレス製容器に受けた。前述と同様にサンプリングして、蛍光X線法によりビスマスと鉄のモル比(ビスマス/鉄)を求めたところ1.000であった。
次いで、更にビーズミルのパスを3回繰り返し、処理スラリー(5パス)を得、該処理スラリー(5パス)を、固液分離及び乾燥し、更に解砕を行い、原料粉砕混合粉末(5パス)を得た。得られた原料粉砕混合粉末(5パス)の比表面積は17.86m/gであった。
次いで、原料粉砕混合粉末(5パス)を、535℃で15時間焼成して、焼成物を得た。得られた焼成物をSEM観察した。そのSEM像を図5に示す。また、得られた焼成物を分析した。その分析結果を表1に示す。更にXRD分析を行った。その特徴を表2に示す。また、X線回折図を図5に示す。
(比較例1〜4)
原料として次炭酸ビスマス粉末に代えて、表3に示すビスマス化合物と鉄化合物の原料組み合わせにすること以外は、実施例1と同様に行った。得られた焼成物のSEM像を比較例1は図6に、比較例2は図7に、比較例3は図8に、比較例4は図9に示す。また、分析結果を表1に示す。更にXRD分析を行った。その特徴を表2に示す。また、X線回折図を比較例1は図6に、比較例2は図7に、比較例3は図8に、比較例4は図9に示す。
(比較例5〜8)
原料として次炭酸ビスマス粉末に代えて、表3に示すビスマス化合物と鉄化合物の原料組み合わせにすること以外は、実施例2と同様に行った。得られた焼成物のSEM像を比較例5は図10に、比較例6は図11に、比較例7は図12に、比較例8は図13に示す。また、分析結果を表1に示す。更にXRD分析を行った。その特徴を表2に示す。また、X線回折図を比較例5は図10に、比較例6は図11に、比較例7は図12に、比較例8は図13に示す。
以上のように、本発明によれば、従来、難しいとされてきた固相法において、簡便且つ安定に不純物相が極めて少なく組成が制御されたビスマス鉄酸化物を製造することが可能である。

Claims (4)

  1. BiFeOで表されるビスマス鉄酸化物の製造方法であって、
    次炭酸ビスマス粉末及び鉄化合物粉末を、水分散媒及びメディアの存在下で、湿式粉砕及び混合して、原料粉砕混合粉末を得る湿式粉砕工程と、
    該原料粉砕混合粉末を焼成原料として、450〜700℃で焼成することにより、BiFeOで表されるビスマス鉄酸化物を得る焼成工程と、
    を有し、
    該鉄化合物粉末が、酸化水酸化鉄(III)の粉末又は酸化鉄(III)の粉末であること、
    を特徴とするビスマス鉄酸化物の製造方法。
  2. 前記湿式粉砕工程を行い得られる前記原料粉砕混合粉末の比表面積が、10m/g以上であることを特徴とする請求項1記載のビスマス鉄酸化物の製造方法。
  3. 前記湿式粉砕工程において、湿式粉砕及び混合を途中で一旦中断し、原料粉砕混合中間物を一部採取し、採取物を蛍光X線法により分析して、該採取物中のビスマスと鉄のモル比(Bi/Fe)を求め、求めたビスマスと鉄のモル比から、該原料粉砕混合中間物のビスマスと鉄のモル比を1.000にするために必要な追加次炭酸ビスマス量又は追加鉄化合物量を算出し、次いで、該追加次炭酸ビスマス量の次炭酸ビスマス粉末又は該追加鉄化合物量の鉄化合物粉末を、該原料粉砕混合中間物に混合し、湿式粉砕及び混合を再開して、前記原料粉砕混合粉末を得ることを特徴とする請求項1又は2記載のビスマス鉄酸化物の製造方法。
  4. 前記湿式粉砕工程における湿式粉砕及び混合を、ビーズミル又はボールミルを用いて行うことを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載のビスマス鉄酸化物の製造方法。
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