前記(A1)に記載の発明によれば、遊技領域を流下する遊技球は、遊技盤に配設される入球装置に入球する場合がある。転動部を転がる遊技球は、可動部材の動作によってその転動部での転がり態様に影響を受ける。そのため、案内通路を通過した遊技球は、可動部材の動作によってその転動部での転がり態様に影響を受けた状態で転動部を転がった後に、複数の排出通路のうちのいずれかに振り分けられる。したがって、転動部を転がる遊技球が複数の落下孔のうちのいずれの落下孔に入るかがランダムに決まるので、転動部を利用した遊技の興趣性を向上させることができる。
前記(A2)に記載の発明によれば、案内通路を通過した遊技球は、最初に第1転動領域を転動する。第1転動領域を転動する遊技球は、可動部材による動作の影響を直接的に受けるので、案内通路を通過した時点とは異なる勢いや進行方向で転動する。可動部材による動作の影響を受けた遊技球は、可動部材による動作の影響に応じて異なる勢いで、また、可動部材による動作の影響に応じて異なる進入位置から第2転動領域に入る。第2転動領域を転動する遊技球は、可動部材による動作の影響に応じて異なる勢いや進入位置で転動し、その勢いが弱まった時点で近くの落下孔に入球する。このように、第2転動領域を転動する遊技球の勢いは、第1転動領域での可動部材による動作の影響に応じて異なるので、いずれの落下孔へ入球するかのランダム性を向上させることができる。
前記(A3)に記載の発明によれば、第1転動領域を転動する遊技球は、転動部の外周側に配設された状態で動作する可動部材に接触することで、第2転動領域での落下孔に向けて転がる転がり態様に影響を受ける。したがって、入球装置に入球するタイミングや案内通路を通過する遊技球の勢いの強弱が可動部材と接触した後の遊技球の転がり態様に反映されるので、いずれの落下孔へ入球するかのランダム性を向上させることができる。
前記(A4)に記載の発明によれば、第1転動領域から第2転動領域に入り、第2転動領域を転動する遊技球は、平面視で略円形の皿状に形成される第2転動領域を旋回しながら、中央部に穿設された複数の落下孔のいずれかに入球する。第1転動領域の外縁には、この外縁に沿って回転する壁状の可動部材が立設されている。したがって、案内通路を通過する遊技球と、回転する壁状の可動部材との接触のタイミングに応じて、第1転動領域を転動する遊技球の方向や勢いと第2転動領域を旋回する遊技球の方向や勢いとが変わるので、転動部での旋回運動の結果としていずれの落下孔へ入球するかのランダム性を向上させることができる。
前記(A5)に記載の発明によれば、第1転動領域を転動する遊技球は、姿勢変更部によって傾けられた第1転動領域の姿勢の傾きによって、転がり態様に影響を受ける。したがって、第1転動領域での遊技球の転がり方が第1転動領域の姿勢の傾きによって予期せぬ影響を受けるので、第2転動領域での遊技球の転がり方にも第1転動領域の姿勢の傾きに応じた影響が表れる。したがって、いずれの落下孔へ入球するかのランダム性を向上させることができる。
前記(A6)に記載の発明によれば、第1転動領域を転動する遊技球は、当初は、第1経路に沿って下向きに回転しながら徐々に内側に転動する。第1転動領域の姿勢が第2転動領域に向けて傾くと、第1転動領域を転動する遊技球の経路は、第1経路から外れた経路であって内側(第2転動領域側)を向く第2経路に変更される。つまり、第1転動領域を下向きに回転しながら徐々に内側に向けて転動する遊技球の経路が、姿勢変更を境に、直接的に内側に向く経路に変更される。したがって、第2転動領域に入るまでの遊技球の転動にも遊技者の興味を引くことができる。また、姿勢変更が行われる時点で第1経路のどこを通過しているかによって、第2転動領域への入り方も変わってくるので、いずれの落下孔へ入球するかのランダム性を向上させることができる。
前記(A7)に記載の発明によれば、第1転動領域を転がる遊技球は、第1転動領域上での転がり位置がどこになるか、第1転動領域におけるどの箇所が基準位置からの高さが最も高くなる姿勢を採るかに応じて、第1転動領域上での転がり態様が大きく変わり、複数の落下孔のうちのいずれの落下孔に入球するかも大きく変わる。したがって、転動部を転がる遊技球の動きのランダム性がより一層向上する。
前記(B1)に記載の発明によれば、遊技領域を流下する遊技球は、遊技盤に配設される入球装置に入球する場合がある。入球装置に入球した遊技球は、案内通路を通過した後に、転動部を転がり、転動部に穿設された複数の落下孔のうちのいずれかの落下孔に入球する。落下孔に入球した遊技球は、落下孔に対応して設けられる排出通路を通過し、入球検出部によってその落下孔への入球が検出される。入球検出部によって入球検出されると、入球検出に基づいて発生する遊技状態が遊技者に所定の遊技価値を付与する第1遊技状態又は第1遊技状態とは異なる第2遊技状態のいずれかに決定される。所定の確率変更条件が成立すると、確率変更手段によって確率変更が行われ、第1遊技状態に決定される確率が通常の遊技状態での確率よりも高められる状態、つまり確率変動状態が発生する。その結果、転動部を利用した遊技の興趣性を向上させることができる。
また、入球装置には落下孔ごとに対応させて振分表示部が備えられ、振分表示部には落下孔への入球を契機として決定される遊技状態が第1遊技状態又は第2遊技状態のいずれであるかを予め表示する振分表示が行われ、確率変更手段によって確率変更が行われる場合には、該確率変更を振分表示に反映させて表示されるので、確率変更手段によって確率変更が行われた場合にも、確率変更が行われた後の振分表示を見ることで、確率変更後の状況を容易に認識することができる。
前記(B2)に記載の発明によれば、複数の落下孔のうち第1落下孔で遊技球が入球検出されると、その入球検出に基づいて発生する遊技状態が第1遊技状態に決定され、複数の落下孔のうち第2落下孔で遊技球が入球検出されると、その入球検出に基づいて発生する遊技状態が第2遊技状態に決定される。確率変更条件が成立して、確率変更手段によって確率変更が行われると、第2落下孔での入球検出に基づいて発生する遊技状態が第2遊技状態から第1遊技状態に変わる。つまり、確率変更条件の成立が契機となって、第1遊技状態が決定される落下孔が増えることで、第1遊技状態の発生確率が増える。これにより、第1遊技状態を発生させる契機となる落下孔へ遊技球が入球する確率だけを向上させる確率変動状態を好適に発生させることができる。
前記(B3)に記載の発明によれば、通常の遊技状態では、第1直径を有する第1直径孔に遊技球が入球すると、その入球検出に基づいて発生する遊技状態が第1遊技状態に決定される。第1直径よりも長い第2直径を有する第2直径孔に遊技球が入球すると、その入球検出に基づいて発生する遊技状態が第2遊技状態に決定される。確率変更条件が成立すると、振分回転部が転動部を回転させて、通常の遊技状態での第1直径孔の位置に第2直径孔を位置させ、通常の遊技状態での第2直径孔の位置に第1直径孔が位置させる。つまり、確率変更条件の成立が契機となって、第1遊技状態が決定される落下孔の直径が長くなることで、第1遊技状態の発生確率が増える。これにより、上記(B2)とは異なる手段によっても、第1遊技状態を発生させる契機となる落下孔へ遊技球が入球する確率だけを向上させる確率変動状態を好適に発生させることができる。
前記(B4)に記載の発明によれば、入球検出部での入球検出に基づいて発生する遊技状態が第1遊技状態に決定されると、可変入球装置において特別遊技状態が発生する。特別遊技状態では、通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な態様で可変入球装置の入球口が開状態と閉状態とに可変するので、遊技領域を流下する遊技球は、可変入球装置に入球し易くなる。この特別遊技状態において確率変更条件が成立することを契機として確率変更が行われる。これにより、第1遊技状態において確率変更条件が成立すると、転動部の複数の落下孔のうちのいずれかへの入球検出に基づいて発生する遊技状態が第1遊技状態に決定される確率が通常の遊技状態よりも高くなる確率変動状態が発生するという新たな遊技性を遊技者に提供できる。
前記(B5)に記載の発明によれば、通常の遊技状態では、振分表示部には落下孔への入球を契機として決定される遊技状態が第1遊技状態又は第2遊技状態のいずれであるかを示す第1特定情報又は第2特定情報が所定の個数ずつ落下孔ごとに対応させて予め表示されているので、ある落下孔へ遊技球が入球しようとするとき、当該落下孔によっていずれの遊技状態が発生するのかが容易に分かる。また、確率変更が行われる場合、振分表示部に表示されている第2特定情報の表示が減るとともに第1特定情報の表示が増えるので、確率変更が行われた場合にどの落下孔に入球すれば第1遊技状態が発生するのかが容易に分かる。その結果、遊技性を理解し易い遊技機を提供することができる。
前記(C1)に記載の発明によれば、遊技領域を流下する遊技球は、所定条件の成立を契機として開閉部材によって開状態に可変されている入球口から可変入球装置に入球する場合がある。この開状態中に可変入球装置に入球する遊技球は、所定条件として第1条件が成立する場合には第1誘導通路に誘導され、所定条件として第2条件が成立する場合には第2誘導通路に誘導される。第1誘導通路又は第2誘導通路から排出される遊技球は、特定入球部に入球する場合と非特定入球部に入球する場合とがある。特定入球部に入球すれば、特別遊技状態の終了後、次に第1条件が成立する確率が通常の遊技状態よりも高い確率変動状態が発生するが、非特定入球部に入球しても、確率変動状態は発生しない。第1誘導通路又は第2誘導通路のいずれから排出される遊技球も、振分動作手段の振分動作によって、特定入球部に振り分けられる可能性がある。ただし、第1条件が成立して第1誘導通路から排出される遊技球も、第2条件が成立して第2誘導通路から排出される遊技球も、振分動作手段から同じ振分動作を受けるが、第2誘導通路から排出される遊技球よりも、第1誘導通路から排出される遊技球の方が特定入球部に振り分けられ易い。つまり、振分動作手段の振分動作を同じ動きのままでも、第1誘導通路又は第2誘導通路のいずれを通過するかに応じて、特定入球部への入球し易さ、すなわち確率変動状態が発生する確率が変わる。
このように、第1条件が成立して第1誘導通路から排出される遊技球も第2条件が成立して第2誘導通路から排出される遊技球もいずれも、振分動作手段の振分動作によって、特定入球部に振り分けられる可能性がある。そのため、遊技者は、第1条件と第2条件のいずれが成立するかによって確率変動状態が発生する可能性の有無を区別する、ということができない。また、第1条件と第2条件のいずれが成立する場合も振分動作が変わらないので、遊技者は、振分動作を見ても確率変動状態が発生する確率の高低を区別できない。ただし、第2条件が成立して第2誘導通路から排出される遊技球よりも、第1条件が成立して第1誘導通路から排出される遊技球の方が特定入球部に振り分けられ易いので、確率変動状態が発生する確率は、第1条件が成立する場合の方が第2条件が成立する場合よりも確実に高くなっている。したがって、特別遊技状態で確率変動状態が発生することに向けられる遊技者の興味が早々に減退されるという事態を低減することができる。また、振分機構の動作によって確率変動状態が発生するか否かが変わる場合にも、確率変動状態が発生する確率を好適に高めることができる。
前記(C2)に記載の発明によれば、第1条件が成立する場合に遊技領域を流下する遊技球は、第1開閉部材が開状態と閉状態とに可変する状態での第1入球口に入球し、第1誘導通路へ案内される。第2条件が成立する場合に遊技領域を流下する遊技球は、第2開閉部材が開状態と閉状態とに可変する状態での第2入球口に入球し、第2誘導通路へ案内される。第1開閉部材によって可変される第1入球口に入球する遊技球も、第2開閉部材によって可変される第2入球口に入球する遊技球も、振分動作手段から同じ振分動作を受けるが、第2入球口に入球する遊技球よりも、第1入球口に入球する遊技球の方が特定入球部に入球し易い。つまり、振分動作手段の振分動作を同じ動きのままでも、第1入球口が可変されるか第2入球口が可変されるかに応じて、特定入球部に入球する確率、すなわち確率変動状態が発生する確率が変わる。したがって、振分動作手段の振分動作が同じ動作のままでも、第1入球口又は第2入球口のいずれが可変されるかによって、確率変動状態が発生する確率が変わるという新しい遊技性を遊技者に提供できる。
前記(C3)に記載の発明によれば、第1遊技領域から可変入球装置に向かって流下する遊技球は第1入球口に入球し易いが、第2遊技領域から可変入球装置に向かって流下する遊技球は、第1遊技領域を流下して第1入球口に入球しようとする遊技球の入球し易さと比べて、第2入球口に入球し難い。つまり、第2入球口が可変される場合よりも、第1入球口が可変される場合の方が、可変入球装置に入球しない無駄球が発生し難い。したがって、振分動作手段の振分動作が同じ動作のままでも、第1入球口又は第2入球口のいずれが可変されるかによって、確率変動状態が発生する確率が変わるとともに、遊技球の減り方も変わるという新しい遊技性を遊技者に提供できる。
前記(C4)に記載の発明によれば、第1誘導通路から排出される遊技球は、受入部で保持されて特定入球部に入球する場合があり、第2誘導通路から排出される遊技球も、受入部で保持されて特定入球部に入球する場合があるが、第2誘導通路から排出される遊技球よりも、第1誘導通路から排出される遊技球の方が受入部に受け入れられる機会が多くなるように、振分動作手段の振分動作が行われる。そのため、第2誘導通路から排出される遊技球よりも、第1誘導通路から排出される遊技球の方が、特定入球部に入球する機会が多く与えられている。したがって、上述の(C1)から(C3)までの発明を好適に実現することができる。
振分動作において受入部が第1誘導通路から排出される遊技球を受け入れる機会が多くなるように行われる振分動作手段の振分動作は、例えば、第1誘導通路から遊技球が排出される位置と受入部の位置とが一致する時間が、第2誘導通路から遊技球が排出される位置と受入部の位置とが一致する時間よりも長くなる振分動作である。
前記(C5)に記載の発明によれば、第1条件として入球装置への遊技球の入球を契機として発生する特別遊技状態が第1特別遊技状態に決定されると、可変入球装置の入球口が開状態と閉状態とに可変されて第1誘導通路に遊技球が誘導される状態となる。第2条件として入球装置への遊技球の入球を契機として発生する特別遊技状態が第2特別遊技状態に決定されると、可変入球装置の入球口が開状態と閉状態とに可変されて第2誘導通路に遊技球が誘導される状態となる。遊技球が可変入球装置に入球し、特定入球部に振り分けられると、第1特別遊技状態に決定される確率が通常の遊技状態よりも高くなる。つまり、第1特別遊技状態に決定される場合と第2特別遊技状態に決定される場合とで特定入球部への振り分けられ易さが異なるという構成において、確率変動状態が発生すると、特別遊技状態の終了後に行われる次の遊技において、第1特別遊技状態が発生し、その特別遊技状態において再び特定入球部へ入球する確率、すなわち確率変動状態の発生確率が高くなる。したがって、入球装置において第1特別遊技状態に決定されるか、第2特別遊技状態に決定されるかによって、可変入球装置の振分動作手段の振分動作において次に確率変動状態を発生する確率が変わるという新しい遊技性を遊技者に提供することができる。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の概略正面図である。図2は、遊技盤30の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸J1として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース(図示省略)と、この樹脂ベース(図示省略)に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。また、内枠12は、図1に示すように、樹脂ベース(図示省略)の前面側で片開き自在な前面枠セット14を備えている。
具体的には、樹脂ベース(図示省略)は、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(図2を用いて後述する遊技領域30aと同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
前面枠セット14は、正面視左側で上下方向の開閉軸J1を軸心にして当該内枠12に対して開閉自在に取り付けられている。言い換えれば、前面枠セット14は、樹脂ベース(図示省略)に対して開閉自在となっている。
図2に示すように、遊技盤30は、その遊技領域30aを樹脂ベース(図示省略)の開口部に位置させるようにして当該樹脂ベースの裏面側に着脱自在に取り付けられる。
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視すると、最下部に位置する下皿ユニット13と、この下皿ユニット13の上側に位置する上皿ユニット21と、この上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23と、に大別される。これらの下皿ユニット13と上皿ユニット21とガラス枠部23とは、図示省略のベース板体の前面側各箇所にそれぞれ取り付けられて前面枠セット14が構成されている。
下皿ユニット13は、図1に示すように、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18とを備えている。
球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。
遊技球発射ハンドル18は、図1に示すように、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が図2に示す遊技盤30の遊技領域30aに打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図3参照)などで構成されている。音出力部24は、図1に示すように、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所で、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカ48(図11参照)からの音を出力するための出力口である。
上皿ユニット21は、図1に示すように、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の真上位置)に位置するように、ネジ等の締結具により固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に形成された窓部101を備えている。
つまり、前面枠セット14には、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23の中央箇所に、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞となっており、その空洞部分を略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図示省略のガラスユニットが前面枠セット14の裏面側に取り付けられたものである。ガラスユニット(図示省略)は、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
さらに、ガラス枠部23は、図1に示すように、窓部101の周囲に各種の電飾部(第1電飾部102、第2電飾部103および第3電飾部104)を備えている。つまり、前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視した状態で窓部101の周囲で左箇所に、LED等を内蔵した第1電飾部102(左側電飾部)を、窓部101の周囲で右箇所に、LED等を内蔵した第2電飾部103(右側電飾部)を、窓部101の周囲で上箇所に、LED等を内蔵した第3電飾部104(上側電飾部)を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
本パチンコ機10では、第1電飾部102、第2電飾部103および第3電飾部104は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、本パチンコ機10の第1電飾部102および第2電飾部103には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙S1(図2参照)などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、図2に示すように、正面視で四角形状の合板でその左側の両角部が取れたような形状としており、その周縁部(後述するレール51,52の外側部分)が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略縦長楕円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて前面枠セット14の前方外側から視認可能な状態となっている。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図1参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は複数本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。複数本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略縦楕円環状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、内枠12に設けられた返しゴム54(図2に二点鎖線で示す部材)が位置するようになっている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。なお、図2に破線で示すように、外レール52の先端部から内レール51の右側先端部までは、内枠12に形成された壁部55(図2に破線で示す)が位置する。壁部55には、その内側面に沿って遊技部品56が配設されている。遊技盤39は、この遊技部品56によって遊技領域30の右側が仕切られている。
なお、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1)やプレートを貼着するためのスペースとなっている。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシール(図2のS1)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長楕円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが大きく構成されている。
遊技盤30は、図2に示すように、正面視で遊技領域30aの中央箇所には、以下に説明する入球装置200と大入賞装置300とが上下に所定の間隔を空けて配設されている。入球装置200は、遊技領域30aを流下する遊技球が入球可能であって、当該入球が後述する大当たり状態を発生させる契機となる。大入賞装置300は、当該契機が入球装置200において発生することを条件として、遊技領域30aを流下する遊技球が入球し易い開状態を所定時間とった後に、遊技領域30aを流下する遊技球が入球し難い閉状態に変化するラウンドを所定回数繰り返す大当たり状態となる。なお、入球装置200は本発明の入球装置に相当し、大入賞装置300は本発明の可変入球装置に相当する。
入球装置200の上縁には、遊技球の入球を可能とする振分入球口202が設けられている。入球装置200の上縁からさらに上方には、遊技球が通過可能な隙間を空けて進入制限部材204が設けられている。進入制限部材204は、その周囲に植設される釘などとともに、振分入球口202への遊技球の入球し易さ又は入球し難さを調整するものである。
また、遊技盤30は、遊技領域30aの右側の領域であって、遊技領域30aを流下する遊技球が大入賞装置300に入球し易く構成されている右遊技領域30Rと、遊技領域30aを流下する遊技球が第1領域よりも大入賞装置300に入球し難く構成されている左遊技領域30Lと、を有する。右遊技領域30Rを流下する遊技球は、遊技部品56とこの遊技部品56に所定間隔を空けて上下方向に配設される釘列との間に形成される領域によって、右遊技領域30Rに発射された遊技球が大入賞装置300に入球し易くなるように誘導される。なお、右遊技領域30Rは、本発明の第1遊技領域に相当し、左遊技領域30Lは、本発明の第2遊技領域に相当する。
ここで、入球装置200の構成について、図3〜図6も用いてもう少し詳細に説明する。図3は、(a)は入球装置200の正面図であり、(b)はそのA−A線断面図である。図4は、(a)は入球装置200の図3(a)のB−B線断面図であり、(b)はその一部拡大図である。図5は、入球装置200を斜め上から見た状態の部分斜視図である。図6は、(a)は通常の遊技状態での振分表示の説明図であり、(b)は確率変動状態での振分表示の説明図である。
入球装置200は、入球した遊技球を内部に案内する案内通路201と、案内通路201を通過した遊技球を下流側に排出する複数の排出通路203a,203b,203c,203d,203e(総称する場合は排出通路203と言う)と、案内通路201を通過した遊技球を排出通路203のうちのいずれかに振り分ける振分機構205と、を備えている。なお、案内通路201は本発明の案内通路に相当し、排出通路203は本発明の排出通路に相当し、振分機構205は本発明の振分手段に相当する。
振分機構205は、案内通路201を通過した遊技球が転がるクルーン207と、クルーン207に穿設され、複数の排出通路203に連設される複数の落下孔209a,209b,209c,209d,209e(総称する場合は落下孔209と言う)と、落下孔209に向けて転がる遊技球の転がり態様に影響を与えるように動作する回転バンパー211と、を備えている。詳細には、案内通路201の出口に相当する案内出口201aが入球装置200の奥側に配置され、案内出口201aから排出される遊技球がクルーン207を転がるように構成されている。なお、クルーン207は本発明の転動部に相当し、落下孔209は本発明の落下孔に相当し、回転バンパー211は本発明の可動部材に相当する。また、落下孔209aは、本発明の第1落下孔に相当し、落下孔209b,209cは、本発明の第2落下孔に相当する。
振分機構205には、落下孔209ごとに対応して、以下に説明する大当たり判定用通過センサ231a,231b,231c,231d,231e(以下、総称するときは大当たり判定用通過センサ231と呼ぶ)が設けられている。大当たり判定用通過センサ231は、落下孔209への遊技球の入球(通過)を検出するとともに、大当たり状態の発生の有無や大当たり状態の種別の決定(判定)に用いられる。なお、大当たり判定用通過センサ231は、本発明の入球検出部に相当する。
大当たり判定用通過センサ231によって決定される大当たり状態の種別について説明する。大当たり状態には、遊技者に付与される遊技価値の異なる大当たり状態がある。例えば10ラウンドある大当たり状態や15ラウンドある大当たり状態などラウンド数が異なる大当たり状態がある。15ラウンドの大当たり状態の方が10ラウンドの大当たり状態よりも大入賞装置300への入球機会が多いので、遊技価値としての賞球の獲得数も異なる。また、当該大当たり状態の終了後、次に大当たり状態が発生する確率が通常の遊技状態よりも高くなる確率変動状態が大当たり状態中に発生する場合がある。この場合、遊技価値としての確率変動状態が発生する確率が通常の大当たり状態中よりも高くなる大当たり状態もある。
本実施例では、15ラウンドある大当たり状態で且つ当該大当たり状態中に確率変動状態が発生する確率が通常の大当たり状態中よりも高い大当たり状態を第1大当たり状態と呼ぶ。また、15ラウンドある大当たり状態で当該大当たり状態中に確率変動状態が発生する確率が通常の確率(つまり第1大当たり状態中よりも低い確率)である大当たり状態を第2大当たり状態と呼ぶ。なお、第1大当たり状態は、本発明の第1遊技状態に相当し、第2大当たり状態は、本発明の第2遊技状態に相当する。また、第1大当たり状態や第2大当たり状態などの大当たり状態は、本発明の特別遊技状態に相当する。
通常の遊技状態においては、落下孔209aへの入球による大当たり判定用通過センサ231aでの入球検出は、第1大当たり状態が発生する契機となる。また、落下孔209b,209cへの入球による大当たり判定用通過センサ231b,231cでの入球検出は、第2大当たり状態が発生する契機となる。また、落下孔209d,209eへの入球による大当たり判定用通過センサ231d,231eでの入球検出は、賞球のみ払い出す外れ状態が発生する契機となる。
確率変動状態においては、落下孔209a,209bへの入球による大当たり判定用通過センサ231a,231bでの入球検出は、第1大当たり状態が発生する契機となる。また、落下孔209c,209dへの入球による大当たり判定用通過センサ231c,231dでの入球検出は、第2大当たり状態が発生する契機となる。また、落下孔209eへの入球による大当たり判定用通過センサ231eでの入球検出が、賞球のみ払い出すなどの外れ状態が発生する契機となる。
そのため、以下では、上述した第1大当たり状態を発生する契機が成立することを第1大当たり当選と呼び、上述した第2大当たり状態を発生する契機が成立することを第2大当たり当選と呼ぶ。なお、第1大当たり当選は、本発明の第1条件に相当し、第2大当たり当選は、本発明の第2条件に相当する。
クルーン207は、以下に説明する外側転動領域207aと内側転動領域207bとを有する。外側転動領域207aは、案内通路201を通過した遊技球が内側に向けて転動するように傾斜される領域であって且つ該領域を転動する遊技球が回転バンパー211による動作の影響を直接的に受ける領域である。内側転動領域207bは、外側転動領域207aの内側に設けられる領域であって落下孔209が穿設され且つ外側転動領域207aから入った遊技球が転動する領域である。なお、外側転動領域207aは、本発明の第1転動領域に相当し、内側転動領域207bは、本発明の第2転動領域に相当する。
外側転動領域207aと内側転動領域207bは、全体として、外側から内側へ向かうに従って下り傾斜し、内側転動領域207bの中央部に穿設された落下孔209の付近が最も低くなっている。外側転動領域207aと内側転動領域207bは、全体として、平面視で略円形の皿状に形成されている。また、内側転動領域207bも、平面視で略円形の皿状に形成されている。そのため、クルーン207を転動する遊技球は、落下孔209の周囲を旋回することができる。
回転バンパー211は、外側転動領域207aの外周側に配設された状態で動作する部材であって、その動作中に外側転動領域207aを転がる遊技球と接触することで、内側転動領域207bでの落下孔209に向けて転がる遊技球の転がり態様に影響を与える部材である。具体的には、回転バンパー211は、皿状の内側転動領域207bの外縁に沿って立設され、この皿状の内側転動領域207bの外縁に沿って回転する壁状に形成される部材である。回転バンパー211は、例えば、図3(b)及び図5において二点鎖線で示す反時計周りの方向に回転する。
回転バンパー211を回転駆動させる構成は、図4(a)に示すように、バンパー駆動部212によって行われている。バンパー駆動部212は、図4(b)に示すように、回転バンパー211の外周面に形成される歯形に相当する回転ギア211aと、回転ギア211aの歯形にかみ合う位置に配設される駆動ギア212aと、駆動ギアに回転軸212bを介して連結されるステッピングモータなどの駆動モータ212cと、回転バンパー322を入球装置200に対して回転可能とするボールベアリング212dとで構成されている。
回転バンパー211を回転させる速さは、回転バンパー211に接触した後の遊技球がクルーン207内で転がり続けることができる速さであればよい。例えば、20秒で回転バンパー211を360度回転させる程度のゆっくりとした一定の速さでもよい。また、回転バンパー211を回転させるパターンは、一定でもよく、速い回転と遅い回転とを組み合わせたパターンであってもよい。
回転バンパー211を回転させる契機は、遊技機が電源をオンされるタイミングや、通過遊技球発射装置38が遊技球の発射を開始可能となるタイミングや、振分入球口202への入球のタイミングが考えられる。振分入球口202への入球は、振分入球口202付近に遊技球通過検出用センサを配設することによって検出できる。
回転バンパー211は、リング状に形成され、その内周面には山状に連なって形成される遊技球接触部213が設けられている。遊技球接触部213は、ギアの斜めに傾斜した歯形のような形状をしている。回転バンパー211の形状は、リングを半分に切ったような1/2リング状や、リングを4分の1に切った1/4リング状や、リング以外の形状であってもよく、外側転動領域207aの外縁に沿って回転できる形状であればよい。遊技球接触部213の形状は、同じ形状のものを連ねてもよいし、異なる複数の形状のものを連ねてもよい。
遊技球接触部213と遊技球が接触する位置は、遊技球が振分入球口202に入球するタイミングや、遊技球が振分入球口202に入球する際の勢いや、回転バンパー211が回転する速さなどによって異なる。遊技球接触部213と遊技球が接触する位置が異なると、遊技球接触部213と衝突して弾き返される際の遊技球の勢いや転がり方向などが異なる。
次に、入球装置200に入球した遊技球の流れについて説明する。
遊技領域30aを流下する遊技球は、進入制限部材204やその周辺の釘によって入球装置200の外側に弾かれる場合があるが、いくつかの遊技球は振分入球口202から入球装置200内に入球する場合がある。振分入球口202に入球した遊技球は、案内通路201を通って案内出口201aから排出される。
図4(b)及び図5に示すように、案内出口201aから排出された遊技球は、その勢いを利用して外側転動領域207aの傾斜面を駆け上がる。外側転動領域207aの傾斜面を登り切った遊技球は、外側転動領域207aの周囲(上手側)で回転している回転バンパー211に接触して弾き返されて進行方向を変える。回転バンパー211に弾き返された遊技球は、再び回転バンパー211に接触して弾き返されてさらに進行方向を変える場合もある。外側転動領域207aを転がった後に内側転動領域207bに進入する。回転バンパー211での弾かれ方によって、回転バンパー211に弾かれた遊技球が内側転動領域207bに進入する位置も変わってくる。内側転動領域207bに進入した遊技球は、その勢いに応じて、落下孔209の周囲を旋回したり、落下孔209の周囲をふらふらと転がったりして、その勢いが弱まった時点で近くの落下孔209に入球する。
このように、内側転動領域207bを転動する遊技球の勢いや進行方向は、外側転動領域207aでの回転バンパー211による動作の影響に応じて異なるので、いずれの落下孔209へ入球するかのランダム性が向上する。また、入球装置200に入球するタイミングや案内通路201を通過する遊技球の勢いの強弱が回転バンパー211と接触した後の遊技球の転がり態様に反映されるので、いずれの落下孔209へ入球するかのランダム性が向上する。また、外側転動領域207aを転動する遊技球と回転バンパー211との接触のタイミングに応じて、内側転動領域207bを旋回する遊技球の方向や勢いが変わるので、クルーン207での旋回運動の結果としていずれの落下孔へ入球するかのランダム性が向上する。
次に、入球装置200における振分表示について説明する。図6に示すように、クルーン207には、以下に説明する第1大当たり情報271や第2大当たり情報272や外れ情報273を表示する振分表示器275a,275b,275c,275d,275e(以下、総称する場合は振分表示器275と呼ぶ。)が落下孔209ごとに対応させて備えられている。具体的には、振分表示器275a,275b,275c,275d,275eは、外側転動領域207aのうち落下孔209a,209b,209c,209d,209eにそれぞれ対向する位置に設けられている。振分表示器275は、外側転動領域207aを転がる遊技球が振分表示器275の上も転がることができるように、外側転動領域207aとの段差が低くなるように配設されている。振分表示器275は、本発明の振分表示部に相当し、第1大当たり情報271は、本発明の第1特定情報に相当し、第2大当たり情報272は、本発明の第2特定情報に相当する。
第1大当たり情報271は、当該第1大当たり情報271が表示された振分表示器275に対応する落下孔209に備えられた大当たり判定用通過センサ231での入球検出に基づき発生する遊技状態が第1大当たり状態であることを示す情報である。第2大当たり情報272は、当該第2大当たり情報272が表示された振分表示器275に対応する落下孔209に備えられた大当たり判定用通過センサ231での入球検出に基づき発生する遊技状態が第2大当たり状態であることを示す情報である。外れ情報273は、当該外れ情報273が表示された振分表示器275に対応する落下孔209に備えられた大当たり判定用通過センサ231での入球検出に基づき発生する遊技状態が外れ状態であることを示す情報である。例えば、図6(a)及び(b)に示すように、第1大当たり情報271は、二重丸で示す表示情報であり、第2大当たり情報272は、一重丸で示す表示情報であり、外れ情報273は、×印で示す表示情報である。なお、第1大当たり情報271を赤色の表示情報とし、第2大当たり情報272を青色の表示情報とし、外れ情報273を緑色の表示情報とするなど色分け表示をしても構わない。
図6(a)に示す通常の遊技状態では、振分表示器275aが第1大当たり情報271を表示し、振分表示器275b,275cが第2大当たり情報272を表示し、振分表示器275d,275eが外れ情報273を表示する場合を例示している。この例に限らず、通常遊技状態における、振分表示器275bが第1大当たり情報271を表示し、振分表示器275c,275dが第2大当たり情報272を表示し、振分表示器275a,275eが外れ情報273を表示する等のように、第1大当たり情報271,第2大当たり情報272,外れ情報273を表示する表示位置が上述の例示の表示位置と異なってもよい。また、振分表示器275aに第1大当たり情報271を表示し、振分表示器275b〜275eにすべて外れ情報273を表示する等のように、第1大当たり情報271,第2大当たり情報272,外れ情報273を表示する表示数が上述の例示の表示数と異なってもよい。また、第1大当たり情報271,第2大当たり情報272,外れ情報273を表示する表示位置や表示数を、入球装置200への入球ごとのタイミングや入球装置200への所定数の入球ごとのタイミングなどで、ランダムに変化させてもよい。また、第1大当たり情報271,第2大当たり情報272,外れ情報273を表示する表示位置や表示数を、ランダムなタイミングでランダムに変化させてもよい。
振分表示器275は、後述する確率変更が行われる場合には、図6(b)に示すように、確率変更に合わせて表示態様を変化させる。すなわち、通常の遊技状態から確率変動状態へ移行する確率変更が行われる場合、振分表示器275a,275bが第1大当たり情報271を表示し、振分表示器275c,275dが第2大当たり情報272を表示し、振分表示器275eが外れ情報273を表示する状態に変化する場合を例示している。この例に限らず、確率変更へ移行する場合における第1大当たり情報271,第2大当たり情報272,外れ情報273を表示する表示位置や表示数を上述のように異ならせたり、ランダムに変化させたりしてもよい。また、なお、確率変動状態から通常の遊技状態に戻る確率変更が行われる場合、図6(a)に示す通常の遊技状態の振分表示態様に戻る。
このように、入球装置200は、各落下孔209に対応させて大当たり判定用通過センサ231を備え、対応する大当たり判定用通過センサ231での入球検出に基づいて発生させる遊技状態を、第1大当たり情報271,第2大当たり情報272,外れ情報273のいずれかに選択的に変えることができる。これにより、従来あったようなクルーンを備える入賞装置のように、ある落下孔にて入球検出された場合に発生する遊技状態が固定されており、クルーンを利用した遊技において確率変動状態を発生させることができなかった装置と比べて、クルーンを利用した遊技の興趣性を向上させることができる。
また、各落下孔209に対応する振分表示器275を設け、該振分表示器275に選択的に表示される第1大当たり情報271,第2大当たり情報272,外れ情報273に対応する遊技状態を生じさせる。これにより、落下孔209での入球検出に基づいて遊技者に付与される利益(第1大当たり状態,第2大当たり状態,外れ状態などの遊技上の利益)を自由に変えるように構成する場合にも、クルーン207のどの落下孔209への入球を契機としてどのような利益が付与されるかを遊技者に容易に認識できないという事態を低減させることができる。
具体的には、通常の遊技状態から確率変動状態へ移行する確率変更が行われる場合に、振分表示器275の表示が第2大当たり情報272から第1大当たり情報271に変化することをもって、遊技者は確率変動状態が発生することを容易に認識できる。また、確率変動状態から通常の遊技状態に戻る確率変更が行われる場合にも、振分表示器275の表示が第1大当たり情報271から第2大当たり情報272に変化することをもって、遊技者は確率変動状態から通常の遊技状態に戻ることを容易に認識できる。したがって、落下孔209での入球検出により第1大当たり状態や第2大当たり状態を発生させる遊技においても、遊技者は、通常の遊技状態から確率変動状態への移行や、確率変動状態から通常の遊技状態への移行などの遊技性を理解しやすくなる。
次に、大入賞装置300の構成について、図7〜図8も用いてもう少し詳細に説明する。図7は、(a)は大入賞装置300の正面図であり、(b)はその前面カバー300aを外した状態での正面図である。図8は、(a)乃至(d)は振分動作機構315の一部破断させた正面図,正面図,C−C線断面図,D−D線断面図である。
大入賞装置300は、遊技領域30aを流下する遊技球が入球可能な大入賞口303を有し、大当たり状態において大入賞口303を遊技球が入球し易い開状態と大入賞口303を遊技球が入球し難い閉状態とに可変するように構成されている。
大入賞装置300は、図7(a)に示すように大入賞装置300の前面を構成する前面カバー300aの内側に、大入賞口303を開状態と閉状態とに可変する羽根317と、大入賞口303の開状態中に入球する遊技球が誘導される誘導通路307と、誘導通路307から排出される遊技球が入球可能なV入賞領域311と、誘導路307から排出される遊技球が入球可能であり且つV入賞領域311とは異なる普通領域313と、誘導通路307から排出される遊技球をV入賞領域311又は普通領域313のうちのいずれかに振り分ける振分動作を行う振分動作機構315と、を備えている。なお、羽根317は、本発明の開閉部材に相当し、V入賞領域311は、本発明の特定入球部に相当し、普通領域313は、本発明の非特定入球部に相当し、振分動作機構315は、本発明の振分動作手段に相当する。
大入賞口303は、右遊技領域30R側に配置される右大入賞口303aと、左遊技領域30L側に配置される左大入賞口303bとで構成されている。羽根317は、第1大当たり当選の成立を契機として右大入賞口303aを開状態と閉状態とに可変する右羽根317aと、第2大当たり当選の成立を契機として左大入賞口303bを開状態と閉状態とに可変する左羽根317bとで構成されている。誘導通路307は、第1大当たり当選が成立する場合に右大入賞口303aの開状態中に入球する遊技球が誘導される右誘導通路307aと、第2大当たり当選が成立する場合に左大入賞口303bの開状態中に入球する遊技球が誘導される左誘導通路307bとで構成されている。なお、右大入賞口303aは、本発明の第1入球口に相当し、左大入賞口303bは、本発明の第2入球口に相当する。また、右羽根317aは、本発明の第1開閉部材に相当し、左羽根317bは、本発明の第2開閉部材に相当する。また、右誘導通路307aは、本発明の第1誘導通路に相当し、左誘導通路307bは、本発明の第2誘導通路に相当する。
第1大当たり状態が発生する場合は、右羽根317aが動作し、右大入賞口303aが開放され、その開放中に入球する遊技球が右誘導通路307aを通過する。そのため、第1大当たり状態が発生する場合、遊技者は、右遊技領域30Rを狙って遊技球を発射する、いわゆる右打ちを行う。右羽根317aの開放中に右遊技領域30Rを流下する遊技球は、盤面の構成上、右大入賞口303aに入球し易くなっている。右遊技領域30Rに発射された遊技球の例えば9割以上が右大入賞口303aに誘導される。
第2大当たり状態が発生する場合は、左羽根317bが動作し、左大入賞口303bが開放され、その開放中に入球する遊技球が左誘導通路307bを通過する。そのため、第2大当たり状態が決定される場合、遊技者は、左遊技領域30Lを狙って遊技球を発射する。左羽根317bの開放中に左遊技領域30Lを流下する遊技球は、盤面の構成上、右羽根317aの開放中に右遊技領域30Rを流下する遊技球よりも左大入賞口303bに入球し難くなっている。具体的には、左遊技領域30Lに発射された遊技球は、左大入賞口303bの周囲の釘などに弾かれる。そのため、発射球のうち例えば3割程度の遊技球しか左大入賞口303bに入球しない。
右大入賞口303aと右羽根317aと右誘導通路307aとは、左大入賞口303bと左羽根317bと左誘導通路307bとに対して、構成上、左右対称に設けられている。そのため、遊技球が右大入賞口303a又は左大入賞口303bのいずれから入球しても、大入賞装置300内での遊技球の経路は、左右対称となる点を除いて同様である。
V入賞領域311及び普通領域313は、右誘導通路307a又は左誘導通路307bのいずれから排出される遊技球も入球可能に構成されている。
振分動作機構315は、第1大当たり状態及び第2大当たり状態のいずれが発生する場合にも、同じ振分動作を行う。ただし、振分動作機構315は、第2大当たり状態が発生する場合よりも、第1大当たり状態が発生する場合の方が、開放中に入球する遊技球がV入賞領域311に振り分けられ易い振分動作を行う。
振分動作機構315は、図8に示すように、右誘導通路307a及び左誘導通路307bから排出される遊技球を受け入れ可能な受入部321と、受入部321が設けられた回転体323と、回転体323の回転中心に固定されたシャフト325と、シャフト325を反時計回りに回転させる駆動モータなどの回転体駆動部324(図11参照)と、回転体323の裏面側に配設され且つ駆動モータや球排出通路などが取り付けられる取付板329とで構成されている。取付板329は、大入賞装置300の本体部に固定される部材である。なお、受入部321は、本発明の受入部に相当する。
受入部321は、遊技球を受け入れ可能な幅をもって形成されたU字状の部位である。受入部321は、単独で回転体323に設けられた状態では無底である。そのため、図8(c)に示すように、回転体323が取付板329に取り付けられた状態で、取付板329が受入部321の底部を塞いでいる。取付板329は、図8(a)及び(d)に示すように、回転体323の裏面に対向する領域のうちの上側に、V入賞領域311に相当するV入賞孔311aが穿設されている。また、取付板329は、図7(b)に示すように、回転体323の裏面に対向する領域のうちの下側に、普通領域313に相当する普通孔313aが穿設されている。なお、図8(d)では、普通孔313aの記載を省略しているが、取付板329の下方の省略部分には普通孔313aが穿設されている。
図7(b)に示すように、V入賞領域311の奥にはV入賞センサ327が設けられており、V入賞センサ327はV入賞領域311に入球した遊技球を検出するとV検出信号をメイン制御装置70(図11参照)へ出力する。普通領域313の奥には普通センサ328が設けられており、普通センサ328は普通領域313に入球した遊技球を検出すると普通検出信号をメイン制御装置70へ出力する。V入賞領域311に遊技球が入球する場合、第1大当たり状態又は第2大当たり状態の終了後、次に第1大当たり状態が成立する確率が通常の遊技状態よりも高い確率変動が発生する。普通領域313に遊技球が入球する場合、第1大当たり状態又は第2大当たり状態の終了後、確率変動状態は発生せずに、通常の遊技状態となる。なお、メイン制御装置70は、本発明の主制御装置に相当する。
第1大当たり状態では、右羽根317aが最大開放時間(例えば30秒間)、開放される。また、右誘導通路307aには、遊技球の通過を検出する入賞個数検出用通過センサ331aが設けられており、入賞個数検出用通過センサ331aが右大入賞口303aへの遊技球の入賞(入球)個数を所定数(例えば10個)に達すると、最大開放時間の途中であっても右羽根317aが閉鎖されて、第1大当たり状態の1のラウンドが終了する。
第2大当たり状態では、左羽根317bが最大開放時間(例えば30秒間)、開放される。また、左誘導通路307bには、遊技球の通過を検出する入賞個数検出用通過センサ331bが設けられており、入賞個数検出用通過センサ331bが左大入賞口303bへの遊技球の入賞(入球)個数を所定数(例えば10個)に達すると、最大開放時間の途中であっても右羽根317aを閉鎖して、第2大当たり状態の1のラウンドが終了する。
次に、振分動作機構315が行う振分動作について、第1大当たり状態において大入賞装置300に入球した遊技球の流れとともに、図9を参照して説明する。図9は、(a)乃至(d)は第1大当たり状態中の振分動作機構315の動作説明図である。
図9(a)に示すように、第1大当たり状態が発生する場合、回転体323は、右羽根317aの開放から5秒経過するまでの間、受入部321が右誘導通路307aの出口と一致する位置で停止している。受入部321が右誘導通路307aの出口と一致する位置を初期位置と呼ぶ。開状態に変化された右大入賞口303aから遊技球が入球すると、入球した遊技球のうち1球目が受入部321に受け入れられる。この期間中に右大入賞口303aに入球した遊技球のうち2球目以降は、右誘導通路307aに順次溜まっていく。
図9(b)に示す経路(二点鎖線で示す矢印、以下同じ)のように、右羽根317aの開放から5秒経過すると、回転体323は、反時計回りに回転し始める。回転体323の回転に伴って、受入部321に受け入れられた遊技球も受入部321に保持されたまま移動する。このとき、右誘導通路307aに停留していた遊技球は、右誘導通路307aの出口を塞いでいた1球目の遊技球がなくなるので、順次、普通孔313aに向かって落下し、普通孔313aに入球する。
右羽根317aの開放から10秒後に、受入部321とV入賞孔311aとが一致するとき、受入部321に受け入れられていた遊技球がV入賞孔311aすなわちV入賞領域311に入球する。
図9(c)に示す経路r2のように、右羽根317aの開放から10秒経過後も、回転体323は反時計回りに回転し続ける。受入部321と左誘導通路307bの出口とが一致するが、第1大当たり状態において左大入賞口303bが開状態に変化していないので、遊技球が受入部321に受け入れられることはない。
図9(d)に示す経路r3のように、右羽根317aの開放から20秒頃に、受入部321は、普通孔313aと一致する位置に到達する。右羽根317aの開放から20秒経過すると、回転体323は、受入部321と普通孔313aとが一致する位置から初期位置に逆回転すなわち時計回りに回転し始める。右羽根317aの開放から30秒後に、回転体323は初期位置に戻る。回転体323は、図9(d)に示す経路r4,図9(c)に示す経路r5,図9(b)に示す経路r6,図9(a)に示す初期位置の順番に逆回転する。右羽根317aの開放後、5秒から30秒までの間、新たに右大入賞口303aに入球して右誘導通路307aから排出される遊技球は、受入部321に受け入れられることなく、普通孔313aに入球する。
なお、ラウンドごとに回転体323を初期位置から回転させる場合は、回転体323の回転途中でV入賞孔311aへの入球分を除く9球の遊技球が普通孔313aに入球すれば、回転体323は初期位置に戻してもよい。回転体323が初期位置に戻る回転速度は、振分動作での回転速度よりも速くても構わない。第1ラウンドのみ回転体323を初期位置から回転させる場合は、回転体323の回転途中でV入賞孔311aへの入球分を除く9球の遊技球が普通孔313aに入球しても、そのまま回転体323を回転させ続ければよい。
次に、振分動作機構315が行う振分動作について、第2大当たり状態において大入賞装置300に入球した遊技球の流れとともに、図10を参照して説明する。図10は、(a)乃至(d)は第2大当たり状態中の振分動作機構315の動作説明図である。
図10(a)に示すように、第2大当たり状態が発生する場合も、回転体323は、右羽根317aの開放から5秒経過するまでの間、回転体323は上述した初期位置で停止している。このとき、左誘導通路307bの出口に受入部321が停止していないので、開状態に可変された左大入賞口303bから入球し左誘導通路307bから排出される遊技球は、普通孔313aに向けて落下し、普通孔313aに入球する。
図10(b)に示す経路r11のように、左羽根317bの開放から5秒経過すると、回転体323は、反時計回りに回転し始める。このとき受入部321には遊技球は受け入れられていない。
左羽根317bの開放から10秒後に、受入部321とV入賞孔311aとが一致するが、受入部321に遊技球が受け入れられていないので、V入賞孔311aすなわちV入賞領域311への入球はない。
図10(c)に示す経路r12のようにを参照する。左羽根317bの開放から10秒経過後も、回転体323は反時計回りに回転し続ける。
図10(d)に示す経路r13のように、左羽根317bの開放から20秒頃に、受入部321と普通孔313aとが一致する。ここまでで、左誘導通路307bから排出される遊技球は、受入部321に受け入れられることなく、または、受入部321に受け入れられるとしても、普通孔313aに排出される。左羽根317bの開放から20秒経過すると、回転体323は、受入部321と普通孔313aとが一致する位置から初期位置に向けて逆回転すなわち時計回りに回転し始める。回転体323は、図10(d)に示す経路r14,図10(c)に示す経路r15,図10(b)に示す経路r16,図10(a)に示す初期位置の順番に逆回転する。
図10(d)に示す経路r14のように、時計回り方向に回転する回転体323は、再び受入部321と左誘導通路307bの出口とが一致するタイミングで、左誘導通路307bから排出される遊技球があれば、そのタイミングで左誘導通路307bから排出される遊技球を受入部321に受け入る。そして、回転体323の時計回り方向への回転に伴って、受入部321に受け入れられた遊技球も受入部321に保持されたまま移動する。
図10(c)に示す経路r15のように、時計回り方向に回転する回転体323は、左羽根317bの開放から25秒経過するタイミング、すなわち受入部321とV入賞孔311aとが一致するタイミングで、受入部321に受け入れられていた遊技球をV入賞孔311aすなわちV入賞領域311に入球させる。その後も、回転体323は時計回り方向に回転し続けている。
図10(a)に示すように、左羽根317bの開放から30経過後に、回転体323は初期位置に戻る。左誘導通路307bの出口と受入部321とが一致するタイミングを除き、回転体323の回転期間中、左大入賞口303bに入球して左誘導通路307bから排出される遊技球は、受入部321に受け入れられることなく、普通孔313aに入球する。
このように、振分動作機構315が行う振分動作は、左羽根317bの開放中に左大入賞口303bに入球して左誘導通路307bから排出される遊技球よりも、右羽根317aの開放中に右大入賞口303aに入球して右誘導通路307aから排出される遊技球の方が、受入部321に受け入れられる機会が多くなるような動作である。すなわち、振分動作機構315が行う振分動作は、右誘導通路307aから遊技球が排出される位置と受入部321の位置とが一致する時間が、左誘導通路307aから遊技球が排出される位置と受入部321の位置とが一致する時間よりも長い。
そのため、振分動作機構315が行う振分動作は、第1大当たり状態での振分動作と第2大当たり状態での振分動作とが同じであるが、第2大当たり状態において受入部321に受け入れさせることができる機会が第1大当たり状態において受入部321に受け入れさせることができる機会に比べて少ない。
以上のように振分動作を行えば、第1大当たり状態と第2大当たり状態とで振分動作が同じでも、大入賞装置300に入球した遊技球が右誘導通路307aを通過するか又は左誘導通路307bを通過するかの違いや、大当たり状態の開始時に右羽根317aが開放されるか又は左羽根317bが開放されるかという羽根317の開放態様の違いや、大当たり状態の開始時に右大入賞口303aが開状態に変化されるか又は左大入賞口303bが開状態に変化されるかという開状態に変化する大入賞口303の位置の違いに応じて、V入賞領域311への入球し易さ、すなわち確率変動状態が発生する確率が変わるという新たしい遊技性を実現できる。
また、左羽根317bが開放されて左大入賞口303bが開状態に変化される場合よりも、右羽根317aが開放されて右大入賞口303aが開状態に変化される場合の方が、大入賞装置300に入球しない無駄球が発生し難いので、振分動作機構315の振分動作が同じ動作のままでも、上述した違いに応じて、確率変動状態が発生する確率が変わるとともに、遊技球の減り方も変わるという新しい遊技性を実現できる。
ここで、メイン制御装置70について図11,13を用いてもう少し詳細に説明する。図11は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。図12は、図11の要部の構成を説明するためのブロック図である。
メイン制御装置70は、CPU72を中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPU72には電源を供給する電源回路73の他に、各種処理プログラムを記憶するROM74や一時的にデータを記憶するRAM76,時間計測を行うタイマ77,所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78,入出力処理回路80がバス79によって接続されている。メイン制御装置70には、大当たり判定用通過センサ231,V入賞センサ327,普通センサ328,入賞個数検出用通過センサ331からの検出信号などが入出力処理回路80を介して入力される。また、メイン制御装置70からは、回転バンパー211を回転駆動するバンパー駆動部212や、右羽根317a及び左羽根317bの開閉を駆動する羽根駆動部318への駆動信号や、回転体323を回転させる回転体駆動部324への駆動信号や、振分表示器275の表示制御を司る表示制御装置45への制御信号や、賞球の払い出しを司る払出制御装置46への制御信号や、スピーカ48が接続された音声制御装置47への制御信号や、図示しない各種ランプへの点灯信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。
メイン制御装置70は、以下に説明する遊技状態決定部233と、大当たり判定部234と、確率変更部235と、大当たり状態発生部305とを備えている。なお、遊技状態決定部233は、本発明の遊技状態決定手段に相当し、確率変更部235は、本発明の確率変動手段に相当し、大当たり状態発生部305は遊技状態制御手段や特別遊技状態発生手段に相当する。
遊技状態決定部233は、大当たり判定用通過センサ231での入球検出に基づいて発生する遊技状態を第1大当たり状態や第2大当たり状態や外れ状態のいずれかに決定する。
通常の遊技状態の場合、遊技状態決定部233は、予め、落下孔209aへの入球(つまり大当たり判定用通過センサ231aでの入球検出)がある場合に発生される遊技状態を第1大当たり状態と決定し、落下孔209b,209cへの入球(つまり大当たり判定用通過センサ231b,231cでの入球検出)がある場合に発生される遊技状態を第2大当たり状態と決定し、落下孔209d,209eへの入球(つまり大当たり判定用通過センサ231d,231eでの入球検出)がある場合に発生される遊技状態を外れ状態と決定している。また、通常の遊技状態の場合、遊技状態決定部233は、この予め決定されている内容に従って、振分表示器275aに第1大当たり情報271を表示し、振分表示器275b,275cに第2大当たり情報272を表示し、振分表示器275d,275eに外れ情報273を表示する指示を表示制御装置45に与える。
確率変動状態の場合、遊技状態決定部233は、予め、落下孔209a,209bへの入球(つまり大当たり判定用通過センサ231a,231bでの入球検出)がある場合に発生される遊技状態を第1大当たり状態と決定し、落下孔209c,209dへの入球(つまり大当たり判定用通過センサ231c,231dでの入球検出)がある場合に発生される遊技状態を第2大当たり状態と決定し、落下孔209e(つまり大当たり判定用通過センサ231eでの入球検出)への入球がある場合に発生される遊技状態を外れ状態と決定している。また、確率変動状態の場合、遊技状態決定部233は、この予め決定されている内容に従って、振分表示器275a,275bに第1大当たり情報271を表示し、振分表示器275c,275dに第2大当たり情報272を表示し、振分表示器275eに外れ情報273を表示する指示を表示制御装置45に与える。なお、通常の遊技状態や確率変動状態の場合で、上述したような、第1大当たり情報271,第2大当たり情報272,外れ情報273を表示する表示位置や表示数を異ならせたり、一定のパターンで変化させたり、ランダムに変化させたりする場合は、その表示位置や表示数、変化パターン、または、ランダムに変化させることが、予め遊技状態決定部233によって決定されている。
このように、ある落下孔209に対応する振分表示器275に第1大当たり情報271が表示されている場合には、その落下孔209での入球検出がある場合に発生される遊技状態は第1大当たり状態であり、また、ある振分表示器275に第2大当たり情報271が表示されている場合には、その落下孔209での入球検出がある場合に発生される遊技状態は第2大当たり状態であり、また、ある振分表示器275に外れ情報273が表示されている場合には、その落下孔209での入球検出がある場合に発生される遊技状態は外れ状態であることが予め遊技状態決定部233によって決定されている。
大当たり判定部234は、遊技状態決定部233によって予め決定されている内容に従って、大当たり判定用通過センサ231での入球検出に基づき発生させる遊技状態を第1大当たり状態と第2大当たり状態と外れ状態のいずれにするかを判定する。すなわち、大当たり判定部234は、上述した予め決定されている内容に従って表示制御装置45に対して与えられる指示と、大当たり判定用通過センサ231での入球検出情報とを比較して、両者が一致する場合に、入球があった落下孔209に対応して設けられる振分表示器275に表示されている遊技状態を発生させると判定する。
具体的に、まず、落下孔209への入球検出に基づき発生される遊技状態が通常の遊技状態と確率変動状態とで変わらない場合について、落下孔209a,209c,209eへの入球を例に挙げて説明する。
大当たり判定部234は、遊技状態決定部233からの第1大当たり情報271を振分表示器275aに表示させることを示す表示制御装置45への指示を予め受けているので、落下孔209aでの入球検出があったことを示す入球検出情報を受け取る場合に、落下孔209aへの入球検出に対して第1大当たり状態を発生させると判定する。
また、大当たり判定部234は、遊技状態決定部233からの第2大当たり情報272を振分表示器275cに表示させることを示す表示制御装置45への指示を予め受けているので、落下孔209cでの入球検出があったことを示す入球検出情報を受け取る場合に、落下孔209cへの入球検出に対して第2大当たり状態を発生させると判定する。
また、大当たり判定部234は、遊技状態決定部233からの外れ情報273を振分表示器275eに表示させることを示す表示制御装置45への指示を予め受けているので、落下孔209eでの入球検出があったことを示す入球検出情報を受け取る場合に、落下孔209eへの入球検出に対して外れ状態を発生させると判定する。
次に、通常の遊技状態において落下孔209への入球があった場合の判定と、確率変動状態において落下孔209への入球があった場合の判定とが異なる場合について、落下孔209b,209dへの入球を例に挙げて説明する。
大当たり判定部234は、通常の遊技状態の場合、遊技状態決定部233から第1大当たり情報271を振分表示器275bに表示させることを示す表示制御装置45への指示を予め受けているので、大当たり判定用通過センサ231bからの入球検出情報を受け取る場合に、第1大当たり状態を発生させると判定する。他方、大当たり判定部234は、確率変動状態の場合、遊技状態決定部233から第2大当たり情報272を振分表示器275bに表示させることを示す表示制御装置45への指示を予め受けているので、大当たり判定用通過センサ231bからの入球検出情報を受け取る場合に、第2大当たり状態を発生させると判定する。
また、大当たり判定部234は、通常の遊技状態の場合、遊技状態決定部233から外れ情報273を振分表示器275dに表示させることを示す表示制御装置45への指示を予め受けているので、大当たり判定用通過センサ231dからの入球検出情報を受け取る場合に、落下孔209dへの入球検出に対して外れ状態を発生させると判定する。他方、大当たり判定部234は、確率変動状態の場合、遊技状態決定部233から第2大当たり情報272を振分表示器275dに表示させることを示す表示制御装置45への指示を予め受けているので、大当たり判定用通過センサ231dからの入球検出情報を受け取る場合に、落下孔209dへの入球検出に対して第2大当たり状態を発生させると判定する。
なお、大当たり判定部234は、確率変動状態から通常の遊技状態に戻す確率変更が行われる場合も同様に、遊技状態決定部233から表示制御装置45に与えられる指示と、大当たり判定用通過センサ231からの入球検出情報とを比較して、両者が一致する場合に、入球検出があった落下孔209に対する遊技価値を遊技者に付与すると判定する。
確率変更部235は、V入賞領域311への遊技球の入球がV入賞センサ327にV入賞検出され、V入賞センサ327からV検出信号を受信したことをもって、確率変更条件の成立と判断する。確率変更部235は、V入賞検出を契機として、第1大当たり状態又は第2大当たり状態の終了後、次に遊技状態決定部233が第1大当たり遊技状態を決定する確率が通常の遊技状態よりも高くなる確率変更を行う。具体的には、確率変更部235は、V入賞検出を契機として、大当たり判定用通過センサ231bでの入球検出に基づいて遊技状態決定部233によって決定される遊技状態を第2大当たり状態から第1大当たり状態に変えるとともに、大当たり判定用通過センサ231dでの入球検出に基づいて決定される遊技状態を外れ状態から第2大当たり状態に変えることによって確率変更を行う。
確率変更部235は、確率変動状態での大当たり状態において、V入賞領域311への遊技球がないこと、すなわちV入賞センサ327でのV入賞検出がないことを契機として、確率変動状態から通常の遊技状態へ戻す確率変更が行われる場合もある。この場合、確率変更部235は、大当たり判定用通過センサ231bでの入球検出に基づいて決定される遊技状態を第1大当たり遊技状態から第2大当たり遊技状態に戻すとともに、大当たり判定用通過センサ231dでの入球検出に基づいて決定される遊技状態を第2大当たり状態から外れ状態に戻すことによって確率変更を行う。
大当たり状態発生部305は、大当たり判定部234が第1大当たり状態又は第2大当たり状態のいずれかを判定すると、その判定結果に基づいて第1大当たり状態又は第2大当たり状態のいずれかを発生させる。具体的には、大当たり状態発生部305は、大当たり判定部234での判定結果が第1大当たり状態である場合は、羽根駆動部318へ右羽根317aを開放方向に駆動するための駆動信号を出力して右羽根317aを開放した後、所定時間の経過後に羽根駆動部318へ右羽根317aを閉鎖方向に駆動するための駆動信号を出力して右羽根317aを閉鎖するラウンドを所定回繰り返す。また、大当たり状態発生部305は、大当たり状態決定部233が第2大当たり状態を決定する場合は、羽根駆動部318へ左羽根317bを開放方向に駆動するための駆動信号を出力して、左羽根317bを開放した後、所定時間の経過後に羽根駆動部318へ左羽根317bを閉鎖方向に駆動するための駆動信号を出力して左羽根317bを閉鎖するラウンドを所定回繰り返す。
回転体駆動部324は、回転体323を正方向又は逆方向に回転させる駆動信号を駆動モータ326に出力して、回転体323を正方向又は逆方向に回転させる。回転体駆動部324は、全てのラウンドについて同じ態様で回転体323を回転させることも可能であり、一部のラウンドと他のラウンドで異なる態様で回転体323を回転させることも可能であり、全てのラウンドで異なる態様で回転体323を回転させることも可能である。
次に、メイン制御装置70での大当たり判定処理について図13を参照して説明する。図13は、メイン制御装置70での大当たり判定処理を説明するフローチャートである。
大当たり判定処理は、メイン制御装置70のCPU72で行われ、具体的には遊技状態決定部233と大当たり判定部234と確率変更部235の機能として行われる。遊技状態決定部233は、確率変更部235によって確変フラグがオンされているか否かを判定する(ステップS01)。確変フラグは、遊技球がV入賞センサ327にて検出された場合にオンされる。遊技状態決定部233は、確変フラグがオンしていればステップS02に進み、確変フラグがオフしていればステップS08に進む。ステップS01では、遊技状態決定部233は、確変フラグがオンしている場合を確率変更条件の成立と判断する。
大当たり判定部234は、大当たり判定用通過センサ231a,231bへの入球検出があるか否かを判定し(ステップS02)、大当たり判定用通過センサ231a,231bへの入球検出があれば第1大当たりフラグをオンする(ステップS03)。ステップS03で大当たり判定用通過センサ231a,231bへの入球検出がなければステップS04に進む。ステップS04では、大当たり判定部234は、大当たり判定用通過センサ231c,231dへの入球検出があるか否かを判定し、大当たり判定用通過センサ231c,231dへの入球検出があれば第2大当たりフラグをオンする(ステップS05)。ステップS04で大当たり判定用通過センサ231c,231dへの入球検出がなければステップS06に進む。ステップS06では、大当たり判定部234は、大当たり判定用通過センサ231eへの入球検出があるか否かを判定し、大当たり判定用通過センサ231eへの入球確率変更があれば外れフラグをオンし(ステップS07)、確率変動時の大当たり判定処理を終了する。
遊技状態決定部233は、ステップS01で確変フラグがオフである場合、通常の状態と判断してステップS08に進む。ステップS08では、遊技状態決定部233は、確変フラグがオフしている場合を通常の遊技状態と判断する。
大当たり判定部234は、大当たり判定用通過センサ231aへの入球検出があるか否かを判定し(ステップS08)、大当たり判定用通過センサ231aへの入球検出があれば第1大当たりフラグをオンする(ステップS09)。ステップS08で大当たり判定用通過センサ231aへの入球検出がなければステップS10に進む。ステップS10では、大当たり判定部234は、大当たり判定用通過センサ231b,231cへの入球検出があるか否かを判定し、大当たり判定用通過センサ231b,231cへの入球検出があれば第2大当たりフラグをオンする(ステップS11)。ステップS10で大当たり判定用通過センサ231b,231cへの入球検出がなければステップS12に進む。ステップS12では、大当たり判定部234は、大当たり判定用通過センサ231d,231eへの入球検出があるか否かを判定し、大当たり判定用通過センサ231d,231eへの入球確率変更があれば外れフラグをオンし(ステップS13)、通常の遊技状態での大当たり判定処理を終了する。
次に、大当たり遊技処理について図14及び図15を参照して説明する。図14は、メイン制御装置70での大当たり状態処理について説明するフローチャートである。図15は、図14に記載の回転体処理について説明するフローチャートである。
大当たり状態処理は、メイン制御装置70のCPU72で行われ、具体的には、主に大当たり状態発生部305の機能として行われる。大当たり状態発生部305は、第1大当たりフラグがオンしているか判定する(ステップS21)。第1大当たりフラグがオンの場合は右羽根317aを開放する(ステップS22)。右羽根317aを開放して行う大当たり状態が上述の第1大当たり状態に相当する。ステップS21で第1大当たりフラグがオフの場合、大当たり状態発生部305は、第2大当たりフラグがオンしているか判定する(ステップS23)。第2大当たりフラグがオンの場合は左羽根317bを開放する(ステップS24)。左羽根317bを開放して行う大当たり状態が上述の第2大当たり状態に相当する。ステップS21で第1大当たりフラグがオフであり且つステップS23で第2大当たりフラグがオフである場合、本処理を終了する。ステップ22で右羽根317aが開放された場合や、ステップ24で左羽根317aが開放された場合には、後述する回転体323を回転させる回転体処理を行う(ステップS25)。
ステップS25で回転体処理を終了すると、右羽根317a又は左羽根317bのうち開放中の羽根317が閉鎖される(ステップS26)。ステップS27では、大当たり状態発生部305は、最終ラウンドを終了したか否かを判定する。最終ラウンドを終了していなければステップS22に戻り、最終ラウンドが終了するまで、ステップS22からステップS27までの処理を繰り返す。最終ラウンドを終了すると、第1大当たりフラグをオフする(ステップS28)。ステップS29では、大当たり状態発生部305は、当該大当たり状態においてV入賞センサ327がV入賞検出したか否かを判定する。当該大当たり状態においてV入賞センサ327がV入賞検出していなければ確変フラグをオフして第1大当たり状態を終了する(ステップS30)。また、当該大当たり状態にてV入賞センサ327がV入賞検出していれば、確変フラグをオンのまま第1大当たり状態処理を終了する。これにより、当該大当たり状態終了後の遊技状態が確率変動状態となる。
大当たり状態処理のステップS25で行われた回転体処理について説明する。回転体処理は、メイン制御装置70のCPU72で行われ、具体的には、主に大当たり状態発生部305の機能として行われる。なお、右羽根317aが開放された後に行われる回転体処理も、左羽根317bが開放された後に行われる回転体処理も同じ処理が行われる。
大当たり状態発生部305は、右羽根317a又は左羽根317bのいずれかが開放されると、タイマ77の機能によって、右羽根317a又は左羽根317bのいずれかの開放から5秒経過するまでの回転待ち時間を経過しているか否かを判定する(ステップS31)。第1ラウンドのみ回転待ち時間のあいだ回転体323を待機させる場合、第2ラウンド以降では回転待ち時間を経過していない場合であっても、大当たり状態発生部305は、すでに回転体323が回転しているか否かを判定する(ステップS32)。第2ラウンド以降では、回転体323を待機させることなく回転させ続ける。第1ラウンドにおいては回転体323が回転していないので、ステップS33へ進む。
ステップS33では、大当たり状態発生部305は、回転体駆動部324を駆動して回転体323を回転させる。回転体323が回転すると、大当たり状態発生部305は、普通センサ328がオンしているか否かを判定する(ステップS34)。普通センサ328がオンしていれば賞球の払い出しを指示し(ステップS35)、普通センサ328がオンしていなければステップS36に進む。ステップS36では、大当たり状態発生部305は、V入賞センサ327がオンしているか否かを判定する。V入賞センサ327がオンしていればステップS37へ進み、確変フラグをオンする。V入賞センサ327がオンしていなければステップS38へ進む。
ステップS38では、大当たり状態発生部305は、タイマ77の機能によって右羽根317aの最大開放時間(30秒)を経過しているか否かを判定する。最大開放時間を経過していればステップS41に進み、最大開放時間を経過していなければステップS39に進む。ステップS39では、入賞個数検出用通過センサ331によって上限球数の入球が検出されたか否かを判定する。上限球数(10球)の入球が検出されていれば、回転体323を後述する初期位置に戻す(ステップS40)。上限球数に達していなければ、ステップS38に戻る。回転体323が初期位置に戻るか、右羽根317a又は左羽根317bのうち開放中の羽根317の最大開放時間を経過すると、回転体処理が終了する。
以上の大当たり状態処理では、第1大当たり状態が発生する場合に行われる右羽根317aの開閉を含む第1大当たり状態処理プログラムと、第2大当たり状態が発生する場合に行われる左羽根317bの開閉を含む第2大当たり状態処理プログラムと、回転体323を回転させる回転体処理プログラムとが、それぞれ別モジュールとして記憶されている。そのため、大当たり状態発生部305が大当たり状態を発生させる場合には、大当たり状態の種類によって使用する大当たり状態処理プログラムを変えるが、回転体323の回転には、共通の回転体処理プログラムを設定するだけでよい。このように構成すれば、第1大当たり状態と第2大当たり状態とで回転体323を異なる動作で動かすような回転体処理プログラムを記憶させる必要がない。第1大当たり状態と第2大当たり状態とで回転体323に異なる態様で動作させなくても、羽根317の動作態様を変えるだけで、V入賞が発生する確率を変えることができる。
上述したように本実施例の遊技機は、遊技球が流下可能な遊技領域30aを有する遊技盤30と、遊技盤30に配設され、遊技領域30aを流下する遊技球が入球可能な入球装置200と、を備える。入球装置200は、入球した遊技球を内部に案内する案内通路201と、案内通路201を通過した遊技球を下流側に排出する複数の排出通路203と、案内通路201を通過した遊技球を排出通路203のうちのいずれかに振り分ける振分機構205と、を備える。振分機構205は、案内通路201を通過した遊技球が転がるクルーン207と、クルーン207に穿設され、複数の排出通路203に連設される複数の落下孔209と、落下孔209に向けて転がる遊技球の転がり態様に影響を与えるように動作する回転バンパー211と、を備えている。(例えば、上記(A1)に係る遊技機の構成に対応する。)
このような構成によれば、遊技領域30aを流下する遊技球は、遊技盤30に配設される入球装置200に入球する場合がある。入球装置200に入球した遊技球は、案内通路201を通過した後に、クルーン207を転がり、クルーン207に穿設された落下孔209のうちのいずれかの落下孔209に入球し、落下孔209に連接される排出通路203から下流側に排出される。クルーン207を転がる遊技球は、回転バンパー211の動作によってそのクルーン207での転がり態様に影響を受ける。そのため、案内通路201を通過した遊技球は、回転バンパー211の動作によってそのクルーン207での転がり態様に影響を受けた状態でクルーン207を転がった後に、排出通路203のうちのいずれかに振り分けられる。したがって、クルーン207を転がる遊技球が複数の落下孔209のうちのいずれの落下孔209に入るかがランダムに決まるので、クルーン207を利用した遊技の興趣性を向上させることができる。
また、クルーン207は、内側に向けて傾斜される領域であって且つ該領域を転動する遊技球が回転バンパー211による動作の影響を直接的に受ける外側転動領域207aと、外側転動領域207aの内側に設けられる領域であって落下孔209が穿設され且つ外側転動領域207aから入った球が転動する内側転動領域207bとを有する。(例えば、上記(A2)に係る遊技機の構成に対応する。)
このような構成によれば、案内通路201を通過した遊技球は、最初に外側転動領域207aを転動する。外側転動領域207aを転動する遊技球は、回転バンパー211による動作の影響を直接的に受けるので、案内通路201を通過した時点とは異なる勢いや進行方向で転動する。回転バンパー211による動作の影響を受けた遊技球は、回転バンパー211による動作の影響に応じて異なる勢いで、また、回転バンパー211による動作の影響に応じて異なる進入位置から内側転動領域207bに入る。内側転動領域207bを転動する遊技球は、回転バンパー211による動作の影響に応じて異なる勢いや進入位置で転動し、その勢いが弱まった時点で近くの落下孔に入球する。このように、内側転動領域207bを転動する遊技球の勢いは、外側転動領域207aでの回転バンパー211による動作の影響に応じて異なるので、いずれの落下孔209へ入球するかのランダム性を向上させることができる。
また、回転バンパー211は、外側転動領域207aの外周側に配設された状態で動作する部材であって、その動作中に外側転動領域207aを転がる遊技球と接触することで、内側転動領域207bでの落下孔209に向けて転がる遊技球の転がり態様に影響を与える部材である。(例えば、上記(A3)に係る遊技機の構成に対応する。)
このような構成によれば、外側転動領域207aを転動する遊技球は、クルーン207の外周側に配設された状態で動作する回転バンパー211に接触することで、内側転動領域207bでの落下孔209に向けて転がる転がり態様に影響を受ける。したがって、入球装置200に入球するタイミングや案内通路201を通過する遊技球の勢いの強弱が回転バンパー211と接触した後の遊技球の転がり態様に反映されるので、いずれの落下孔209へ入球するかのランダム性を向上させることができる。
また、内側転動領域207bは、外側から内側へ向かうに従って下り傾斜し、中央部に落下孔209が穿設された、平面視で略円形の皿状に形成される。回転バンパー211は、外側転動領域207aの外縁に沿って立設され、外側転動領域207aの外縁に沿って回転する壁状に形成される。(例えば、上記(A4)に係る遊技機の構成に対応する。)
このような構成によれば、外側転動領域207aから内側転動領域207bに進入して、内側転動領域207bを転動する遊技球は、平面視で略円形の皿状に形成される内側転動領域207bを旋回しながら、中央部に穿設された落下孔209のいずれかに入球する。外側転動領域207aの外縁には、外側転動領域207aに沿って回転する壁状の回転バンパー211が立設されている。したがって、案内通路201を通過する遊技球と、回転する壁状の回転バンパー211との接触のタイミングに応じて、外側転動領域207aを転動する遊技球の方向や勢いと内側転動領域207bを旋回する遊技球の方向や勢いとが変わるので、クルーン207での旋回運動の結果としていずれの落下孔へ入球するかのランダム性を向上させることができる。
また、振分機構205は、落下孔209ごとに対応して設けられ、落下孔209への遊技球の入球を検出する大当たり判定用通過センサ231を備える。メイン制御装置70は、大当たり判定用通過センサ231での入球検出に基づいて発生する遊技状態を、遊技者に第1遊技価値を付与する第1大当たり状態又は第1遊技価値よりも価値の低い第2遊技価値を付与する第2大当たり状態のいずれかに決定する遊技状態決定部233と、所定の確率変更条件の成立を契機として、前記大当たり判定用通過センサ231での入球検出に基づいて発生する遊技状態が第1大当たり状態に決定される確率を、通常の遊技状態での確率よりも高める確率変更を行う確率変更部235と、を備えている。また、入球装置200は、落下孔209への入球を契機として決定される遊技状態が第1大当たり状態又は第2大当たり状態のいずれであるかを落下孔209ごとに対応させて予め表示する振分表示を行う振分表示器275をクルーン207に備えている。振分表示器275は、確率変更部235によって確率変更が行われる場合には、該確率変更を振分表示に反映させて表示する。(例えば上記(B1)に係る遊技機の構成に対応する。)
このような構成によれば、遊技領域30aを流下する遊技球は、遊技盤30に配設される入球装置200に入球する場合がある。入球装置200に入球した遊技球は、案内通路203を通過した後に、クルーン207を転がり、クルーン207に穿設された複数の落下孔209のうちのいずれかの落下孔209に入球する。落下孔209に入球した遊技球は、落下孔209に対応して設けられる排出通路203を通過し、大当たり判定用通過センサ231によってその落下孔209への入球が検出される。大当たり判定用通過センサ231によって入球検出されると、入球検出に基づいて発生する遊技状態が遊技者に第1遊技価値を付与する第1大当たり状態又は第1遊技価値よりも価値の低い第2遊技価値を付与する第2大当たり状態のいずれかに決定される。所定の確率変更条件が成立すると、確率変更部235によって確率変更が行われ、第1大当たり状態に決定される確率が通常の遊技状態での確率よりも高められる状態、つまり確率変動状態が発生する。その結果、クルーン207を利用した遊技の興趣性を向上させることができる。
また、入球装置200のクルーン207には、落下孔209ごとに対応させて振分表示器275が備えられ、振分表示器275には落下孔209への入球を契機として決定される遊技状態が第1大当たり状態又は第2大当たり状態のいずれであるかを予め表示する振分表示が行われる。確率変更部235によって確率変更が行われる場合には、該確率変更を振分表示に反映させて表示されるので、確率変更部235によって確率変更が行われた場合にも、確率変更が行われた後の振分表示を見ることで、確率変更後の状況を容易に認識することができる。
また、遊技状態決定部233は、通常の遊技状態では、落下孔209のうち例えば落下孔209aでの入球検出に基づいて発生する遊技状態を第1大当たり状態に決定し、落下孔209のうち例えば落下孔209bでの入球検出に基づいて発生する大当たり状態を第2大当たり状態に決定するものであって、確率変更部235は、確率変更条件の成立を契機として、落下孔209bでの入球検出に基づいて発生する遊技状態を第2大当たり状態から第1大当たり状態に変えることによって確率変更を行う。(例えば、上記(B2)に係る遊技機に係る構成に対応する。)
このような構成によれば、落下孔209のうち例えば落下孔209aで遊技球が入球検出されると、その入球検出に基づいて発生する遊技状態が第1大当たり状態に決定され、落下孔209のうち例えば落下孔209bで遊技球が入球検出されると、その入球検出に基づいて発生する遊技状態が第2大当たり状態に決定される。確率変更条件が成立して、確率変更部235によって確率変更が行われると、落下孔209bでの入球検出に基づいて発生する大当たり状態が第2大当たり状態から第1大当たり状態に変わる。つまり、確率変更条件の成立が契機となって、第1大当たり状態が決定される落下孔209が増えることで、第1大当たり状態の発生確率が増える。これにより、第1大当たり状態を発生させる契機となる落下孔209へ遊技球が入球する確率だけを向上させる確率変動状態を好適に発生させることができる。
また、遊技盤30は、入球装置200とは異なる位置に配設され、遊技領域30aを流下する遊技球が入球可能な大入賞口303有し、大入賞口303を遊技球が入球し易い開状態と大入賞口303を遊技球が入球し難い閉状態とに可変する大入賞装置300を備え、メイン制御装置70は、大当たり判定用通過センサ231での入球検出に基づいて発生する遊技状態が第1大当たり状態に決定される場合に、大入賞装置300が通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な態様で開状態と閉状態とに可変される第1大当たり状態を発生させる大当たり状態発生部305を備え、確率変更部235は、第1大当たり状態において確率変更条件が成立することを契機として確率変更を行う。(例えば、上記(B4)に係る遊技機の構成に対応する。)
このような構成によれば、大当たり判定用通過センサ231での入球検出に基づいて発生する大当たり状態が第1大当たり状態に決定されると、大入賞装置300において大当たり状態が発生する。大当たり状態では、通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な態様で大入賞装置300の大入賞口303が開状態と閉状態とに可変するので、遊技領域30aを流下する遊技球は、大入賞装置300に入球し易くなる。この大当たり状態において確率変更条件が成立することを契機として確率変更が行われる。これにより、第1大当たり状態において確率変更条件が成立すると、クルーン207の落下孔209のうちのいずれかへの入球検出に基づいて発生する大当たり状態が第1大当たり状態に決定される確率が通常の遊技状態よりも高くなる確率変動状態が発生するという新たな遊技性を遊技者に提供できる。
また、振分表示器275は、落下孔209への入球を契機として決定される遊技状態が第1大当たり状態であることを示す第1大当たり情報271と、落下孔209への入球を契機として決定される遊技状態が第2大当たり状態であることを示す第2大当たり情報272とを表示することが可能である。遊技状態決定部233は、振分機構205に対して、第1大当たり状態が決定される落下孔209に対応させて第1大当たり情報271を予め表示させ、第2大当たり状態が決定される落下孔209に対応させて第2大当たり情報を予め表示させるものであって、落下孔209への入球に基づく遊技球の入球検出と、当該落下孔209に対応させて振分表示器275に表示させる特定の情報が第1大当たり情報271又は第2大当たり情報272のいずれであるかと、に基づいて、大当たり判定用通過センサ231での入球検出に基づいて発生する遊技状態を、第1大当たり状態又は第2大当たり状態のいずれかに決定するかを決定するものである。確率変更部235は、確率変更を行う場合、遊技状態決定部233に対して、第2大当たり情報272の表示を減らすとともに第1大当たり情報271の表示を増やす表示変更を振分表示器275に行わせる。(例えば、上記(B5)に係る遊技機の構成に対応する。)
このような構成によれば、通常の遊技状態では、振分表示器275には落下孔209への入球を契機として決定される遊技状態が第1大当たり状態又は第2大当たり状態のいずれであるかを示す第1大当たり情報271又は第2大当たり情報272が所定の個数ずつ落下孔209ごとに対応させて予め表示されているので、ある落下孔209へ遊技球が入球しようとするとき、当該落下孔209によっていずれの遊技状態が発生するのかが容易に分かる。また、確率変更が行われる場合、振分表示器275に表示されている第2大当たり情報272の表示が減るとともに第1大当たり情報271の表示が増えるので、確率変更が行われた場合にどの落下孔209に入球すれば第1大当たり情報271が発生するのかが容易に分かる。その結果、遊技性を理解し易い遊技機を提供することができる。
また、大入賞装置300は、遊技領域30aを流下する遊技球が入球可能な大入賞口303を有し、大入賞口303を遊技球が入球し易い開状態と大入賞口303を遊技球が入球し難い閉状態とに可変する羽根317を有する。大入賞装置300は、第1大当たり当選が成立する場合に開状態中に入球する遊技球が誘導される右誘導通路307aと、第2大当たり当選が成立する場合に開状態中に入球する遊技球を誘導される左誘導通路307bと、右誘導通路307a又は左誘導通路307bから排出される遊技球が入球可能であり、当該入球に基づいて、大当たり状態の終了後、次に第1条件が成立する確率が通常の遊技状態よりも高い確率変動状態を発生させるV入賞領域311と、右誘導通路307a又は左誘導通路307bから排出される遊技球が入球可能であり、確率変動状態を発生させない普通領域313と、右誘導通路307a又は左誘導通路307bから排出される遊技球をV入賞領域311又は普通領域313のうちのいずれかに振り分ける振分動作を行う振分動作機構315と、を備える。振分動作機構315は、第1大当たり当選が成立する場合も第2大当たり当選が成立する場合も同じ振分動作を行い、且つ、左誘導通路307bから排出される遊技球よりも、右誘導通路307aから排出される遊技球の方がV入賞領域311に振り分けられ易い振分動作を行う。(例えば、上記(C1)に係る遊技機の構成に対応する。)
このような構成によれば、遊技領域30aを流下する遊技球は、所定条件の成立を契機として開状態に可変されている大入賞口303から大入賞装置300に入球する場合がある。この開状態中に大入賞装置300に入球する遊技球は、第1大当たり当選が成立する場合には右誘導通路307aに誘導され、第2大当たり当選が成立する場合には左誘導通路307bに誘導される。右誘導通路307a又は左誘導通路307bから排出される遊技球は、V入賞領域311に入球する場合と普通領域313に入球する場合とがある。V入賞領域311に入球すれば、大当たり状態の終了後、次に第1大当たり当選が成立する確率が通常の遊技状態よりも高い確率変動状態が発生するが、普通領域313に入球しても、確率変動状態は発生しない。右誘導通路307a又は左誘導通路307bから排出される遊技球は、振分動作機構315の振分動作によって、V入賞領域311又は普通領域313のうちのいずれかに振り分けられる。第1大当たり当選が成立して右誘導通路307aから排出される遊技球も、第2大当たり当選が成立して左誘導通路307bから排出される遊技球も、振分動作機構315から同じ振分動作を受けるが、左誘導通路307bから排出される遊技球よりも、右誘導通路307aから排出される遊技球の方がV入賞領域311に振り分けられ易い。つまり、振分動作機構315の振分動作を同じ動きのままでも、右誘導通路307a又は左誘導通路307bのいずれを通過するかに応じて、V入賞領域311への入球し易さ、すなわち確率変動状態が発生する確率が変わる。したがって、振分機構の動作によって確率変動状態が発生する否かが変わる場合であっても、確率変動状態が発生する確率を好適に高めることができる。
また、大入賞口303は、右誘導通路307aへ遊技球を導く右大入賞口303aと、左誘導通路307bへ遊技球を導く左大入賞口303bと、を備え、羽根317は、第1大当たり当選の成立を契機として右大入賞口303aを開状態と閉状態とに可変する右羽根317aと、第2大当たり当選の成立を契機として左大入賞口303bを開状態と閉状態とに可変する左羽根317bと、を備え、振分動作機構315は、右羽根317aが右大入賞口303aを可変する場合も左羽根317bが左大入賞口303bを可変する場合も同じ振分動作を行い、且つ、左羽根317bが左大入賞口303bを可変する期間中に入球する遊技球よりも、右羽根317aが右大入賞口303aを可変する期間中に入球する遊技球の方がV入賞領域311に振り分けられ易い振分動作を行うものである。(例えば、上記(C2)に係る遊技機の構成に対応する。)
このような構成によれば、第1大当たり当選が成立する場合に遊技領域30Rを流下する遊技球は、右羽根317aが開放状態での右大入賞口303aに入球し、右誘導通路307aへ案内される。第2大当たり当選が成立する場合に遊技領域30Lを流下する遊技球は、左羽根317bが開放状態での左大入賞口303bに入球し、左誘導通路307へ案内される。右羽根317aによって可変される右大入賞口303aに入球する遊技球も、左羽根317bによって可変される左大入賞口303bに入球する遊技球も、振分動作機構315から同じ振分動作を受けるが、左大入賞口303bに入球する遊技球よりも、右大入賞口303aに入球する遊技球の方がV入賞領域311に入球し易い。つまり、振分動作機構315の振分動作を同じ動きのままでも、右大入賞口303aが可変されるか左大入賞口303bが可変されるかに応じて、V入賞領域311に入球する確率、すなわち確率変動状態が発生する確率が変わる。したがって、振分動作機構315の振分動作が同じ動作のままでも、右大入賞口303a又は左大入賞口303bのいずれが可変されるかによって、確率変動状態が発生する確率が変わるという新しい遊技性を遊技者に提供できる。
また、遊技盤30は、遊技領域30aを流下する遊技球が大入賞装置300に入球し易く構成されている右遊技領域30Rと、遊技領域30aを流下する遊技球が第1領域よりも大入賞装置300に入球し難く構成されている左遊技領域30Lと、を有し、大入賞装置300は、右大入賞口303aを右遊技領域30R側に配置し、左大入賞口303bを左遊技領域30L側に配置している。(例えば、上記(C3)に係る遊技機の構成に対応する。)
このような構成によれば、右遊技領域30Rから大入賞装置300に向かって流下する遊技球は右大入賞口303aに入球し易いが、左遊技領域30Lから大入賞装置300に向かって流下する遊技球は、右遊技領域30Rを流下して右大入賞口303aに入球しようとする遊技球の入球し易さと比べて、左大入賞口303bに入球し難い。つまり、左大入賞口303bが可変される場合よりも、右大入賞口303aが可変される場合の方が、大入賞装置300に入球しない無駄球が発生し難い。したがって、振分動作機構315の振分動作が同じ動作のままでも、右大入賞口303a又は左大入賞口303bのいずれが可変されるかによって、確率変動状態が発生する確率が変わるとともに、遊技球の減り方も変わるという新しい遊技性を遊技者に提供できる。
また、振分動作機構315は、右誘導通路307a及び左誘導通路307bから遊技球が排出される場合にはその遊技球を受け入れ可能であり、その受け入れた遊技球がV入賞領域311に入球するように振分動作によって動作される受入部321を備え、振分動作機構315は、受入部321が左誘導通路307から排出される遊技球を受け入れる機会よりも、受入部321が右誘導通路307aから排出される遊技球を受け入れる機会の方が多くなるように振分動作を行う。(例えば、上記(C4)に係る遊技機の構成に対応する。)
このような構成によれば、右誘導通路307aから排出される遊技球は、受入部321で保持されてV入賞領域311に入球する場合があり、左誘導通路307から排出される遊技球も、受入部321で保持されてV入賞領域311に入球する場合があるが、左誘導通路307bから排出される遊技球よりも、右誘導通路307aから排出される遊技球の方が受入部321に受け入れられる機会が多くなるように、振分動作機構315の振分動作が行われる。そのため、左誘導通路307bから排出される遊技球よりも、右誘導通路307aから排出される遊技球の方が、V入賞領域311に入球する機会が多く与えられている。
振分動作において受入部321が右誘導通路307aから排出される遊技球を受け入れる機会が多くなるように行われる振分動作機構315の振分動作は、例えば、右誘導通路307aから遊技球が排出される位置と受入部321の位置とが一致する時間が、左誘導通路307bから遊技球が排出される位置と受入部321の位置とが一致する時間よりも長くなる振分動作である。
また、遊技盤30に配設され、遊技領域30aを流下する遊技球が入球可能であって、当該入球が大当たり状態を発生させる契機となる入球装置200と、入球装置200への遊技球の入球を契機として発生する大当たり状態を、遊技者に第1遊技価値を付与する第1大当たり状態又は遊技者に第2遊技価値を付与する第2大当たり状態のいずれかに決定する遊技状態決定部233と、を備え、所定条件とは、入球装置200への遊技球の入球を契機として発生する大当たり状態が第1大当たり状態に決定されることであり、所定条件の成立は、遊技状態決定部233が第1大当たり状態又は第2大当たり状態のいずれかを決定することであり、第1大当たり当選は、遊技状態決定部233が第1大当たり状態を決定することであり、第2大当たり当選は、遊技状態決定部233が第2大当たり状態を決定することであり、確率変動状態は、V入賞領域311への入球に基づいて、大当たり状態の終了後、次に遊技状態決定部233が第1大当たり状態を決定する確率が通常の遊技状態よりも高くなることである。(例えば、上記(C5)に係る遊技機の構成に対応する。)
このような構成によれば、第1大当たり当選として入球装置200への遊技球の入球を契機として発生する大当たり状態が第1大当たり状態に決定されると、大入賞装置300の右大入賞口303aが開状態と閉状態とに可変されて右誘導通路307aに遊技球が誘導される状態となる。第2大当たり当選として入球装置200への遊技球の入球を契機として発生する大当たり状態が第2大当たり状態に決定されると、大入賞装置300の左大入賞口303bが開状態と閉状態とに可変されて左誘導通路307に遊技球が誘導される状態となる。遊技球が大入賞装置300に入球し、V入賞領域311に振り分けられると、第1大当たり状態に決定される確率が通常の遊技状態よりも高くなる。つまり、第1大当たり状態に決定される場合と第2大当たり状態に決定される場合とでV入賞領域311への振り分けられ易さが異なるという構成において、確率変動状態が発生すると、大当たり状態の終了後に行われる次の遊技において、第1大当たり状態が発生し、その大当たり状態において再びV入賞領域311へ入球する確率、すなわち確率変動状態の発生確率が高くなる。したがって、入球装置200において第1大当たり状態に決定されるか、第2大当たり状態に決定されるかによって、大入賞装置300の振分動作機構315の振分動作において次に確率変動状態を発生する確率が変わるという新しい遊技性を遊技者に提供することができる。