JP6806033B2 - 車両用骨格部材及び車両用骨格部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用骨格部材及び車両用骨格部材の製造方法に関する。
特許文献1には、車両用骨格部材としてのセンタピラーが開示されている。具体的には、プレス成形された鋼板によって本体パネルが形成され、この本体パネルの一部の表面にろう材を塗布し、このろう材を介して本体パネルに増肉用鋼板を接合することでセンタピラーが形成されている。特許文献2には、表面の一部に異なる材質の金属材料を局所的にクラッド加工した金属製品が開示されている。また、特許文献2では、超音波衝撃処理によってクラッド加工を行うことが記載されている。
特開2011−88484号公報 特開2004−167517号公報
特許文献1のようにセンタピラーの一部を増肉することで、必要な部位の強度を確保しつつ軽量化を図ることができる。一方、特許文献1では、ろう材の強度が母材よりも低くなるため、衝突時などせん断方向に外力が入力された場合に増肉用鋼板が本体パネルから剥離する可能性がある。同様に、特許文献2についても、クラッド加工された金属の接合面の状態によっては十分なせん断強度を確保できず衝突時に剥離する可能性がある。
本発明は上記事実を考慮し、複数の鋼板が接合された車両用骨格部材において、衝突時に鋼板の剥離を抑制することができる車両用骨格部材及び車両用骨格部材の製造方法を得ることを目的とする。
請求項1に記載の車両用骨格部材は、長尺板状に形成されて車両の骨格部材を構成する第1鋼板と、前記第1鋼板の一方の面に接合された第2鋼板と、を備え、前記第1鋼板の接合面及び前記第2鋼板の接合面はそれぞれ、前記第1鋼板の長手方向と交差する方向から見て波状に形成された凹凸面である。
請求項1に記載の車両用骨格部材では、車両の骨格部材を構成する長尺板状の第1鋼板の一方の面に第2鋼板が接合されている。そして、第1鋼板の接合面及び第2鋼板の接合面はそれぞれ、凹凸面となっている。ここで、凹凸面は、第1鋼板の長手方向と交差する方向から見て波状に形成されている。すなわち、凹凸面の波の方向が第1鋼板の長手方向とされている。これにより、接合面が平面状とされた構成と比較して長手方向のせん断強度を向上させることができ、衝突時など車両用骨格部材に対して曲げ変形が加えられて車両用骨格部材の長手方向にせん断力が生じた場合であっても、第2鋼板の剥離を抑制することができる。
請求項2に記載の車両用骨格部材は、請求項1に記載の構成において、前記第2鋼板は、前記第1鋼板よりも小さい鋼板で形成されている。
請求項2に記載の車両用骨格部材では、第1鋼板よりも小さい第2鋼板を接合することで、強度が必要な部位のみを補強することができる。すなわち、重量の増加を最小限に抑えることができる。
請求項3に記載の車両用骨格部材は、請求項1又は2に記載の構成において、前記第1鋼板は、長手方向から見た断面視で、一対の第1縦壁部と、前記第1縦壁部の一端部同士を連結する第1底部とを含んで構成されており、前記第2鋼板は、一対の前記第1縦壁部にそれぞれ接合された一対の第2縦壁部と、前記第2縦壁部の一端部同士を連結して前記第1底部に接合された第2底部とを含んで構成されている。
請求項3に記載の車両用骨格部材では、第2鋼板を構成する第2縦壁部が第1鋼板の第1縦壁部にそれぞれ接合されている。また、第2縦壁部の一端部同士を連結する第2底部が第1鋼板の第1底部に接合されている。これにより、第1鋼板と第2鋼板とを含む車両用骨格部材における稜線の部分を肉厚にすることができることができる。
請求項4に記載の車両用骨格部材は、請求項1〜3の何れか1項に記載の構造において、前記第1鋼板は、車両の側部を車両上下方向に延在されてセンタピラーを構成しており、前記第2鋼板は、少なくとも前記第1鋼板におけるベルトライン部分の位置に接合されている。
請求項4に記載の車両用骨格部材では、センタピラーにおいて強度が必要となるベルトライン部分を第2鋼板で補強することができる。なお、ここでいうベルトライン部分とは、厳密にサイドウインドウの下端の位置を指すものではなく、ドアヒンジの上側などベルトラインの近傍を広く含む概念である。
請求項5に記載の車両用骨格部材は、請求項1〜4の何れか1項に記載の構造において、前記第2鋼板における前記1鋼板が接合された面とは反対側の面には、前記第2鋼板よりも小さい第3鋼板が接合されており、前記第2鋼板における前記第3鋼板との接合面及び前記第3鋼板における前記第2鋼板との接合面は、前記第1鋼板の長手方向と交差する方向から見て何れも波状に形成された凹凸面とされている。
請求項5に記載の車両用骨格部材では、第2鋼板の接合面及び第3鋼板の接合面は、第1鋼板の長手方向と交差する方向から見て波状に形成された凹凸面とされている。これにより、衝突時など車両用骨格部材に対して曲げ変形が加えられて車両用骨格部材の長手方向にせん断力が生じた場合であっても、第3鋼板の剥離を抑制することができる。また、第3鋼板を接合した部位の断面耐力を向上させることができる。
請求項6に記載の車両用骨格部材の製造方法は、長尺板状の第1鋼板と、前記第1鋼板の一方の面に接合された第2鋼板と、を備え、前記第1鋼板の長手方向の一端側から爆発圧着することによって、接合面が前記第1鋼板の長手方向と交差する方向から見て波状の凹凸面となるように前記第2鋼板を接合する爆発圧着工程と、爆発圧着により接合された前記第1鋼板及び前記第2鋼板を熱間スタンプ成形する熱間スタンプ工程と、を有する。
請求項6に記載の車両用骨格部材の製造方法では、爆発圧着工程で第1鋼板の長手方向の一端側から第2鋼板を爆発圧着しているため、第1鋼板の接合面及び第2鋼板の接合面がそれぞれ、第1鋼板の長手方向と交差する方向から見て波状の凹凸面となる。これにより、衝突時など車両用骨格部材に対して曲げ変形が加えられて車両用骨格部材の長手方向にせん断力が生じた場合であっても、接合面が平面状とされた構成と比較して長手方向のせん断強度を向上させることができる。
また、爆発圧着後に熱間スタンプ工程によって熱間スタンプ(ホットスタンプ)を行うことで、せん断強度を維持したまま所望の形状に成形することができる。
請求項7に記載の車両用骨格部材の製造方法は、長尺板状の第1鋼板と、前記第1鋼板の一方の面に接合された第2鋼板と、を備え、前記第1鋼板の長手方向の一端側から爆発圧着することによって、接合面が前記第1鋼板の長手方向と交差する方向から見て波状の凹凸面となるように前記第2鋼板を接合する爆発圧着工程と、爆発圧着により接合された前記第1鋼板及び前記第2鋼板を冷間スタンプ成形する冷間スタンプ工程と、を有する。
請求項7に記載の車両用骨格部材の製造方法では、爆発圧着工程で第1鋼板の長手方向の一端側から第2鋼板を爆発圧着しているため、第1鋼板の接合面及び第2鋼板の接合面がそれぞれ、第1鋼板の長手方向と交差する方向から見て波状の凹凸面となる。これにより、衝突時など車両用骨格部材に対して曲げ変形が加えられて車両用骨格部材の長手方向にせん断力が生じた場合であっても、接合面が平面状とされた構成と比較して長手方向のせん断強度を向上させることができる。
また、爆発圧着後に冷間スタンプ工程によって冷間スタンプを行うことで、せん断強度を維持したまま所望の形状に成形することができる。このとき、第1鋼板と第2鋼板とが強固に接合されているため、冷間スタンプを行っても剥離しにくい。
以上説明したように、請求項1に記載の車両用骨格部材によれば、衝突時に鋼板の剥離を抑制することができる、という優れた効果を有する。
請求項2に記載の車両用骨格部材によれば、必要な断面耐力を確保しつつ軽量化を図ることができる、という優れた効果を有する。
請求項3に記載の車両用骨格部材によれば、耐衝突性能を向上させることができる、という優れた効果を有する。
請求項4に記載の車両用骨格部材によれば、センタピラーにおけるベルトライン部分の断面耐力を向上させることができる、という優れた効果を有する。
請求項5に記載の車両用骨格部材によれば、車両用骨格部材の部位ごとの断面耐力を細かく調整することができる、という優れた効果を有する。
請求項6及び7に記載の車両用骨格部材の製造方法によれば、衝突時に鋼板の剥離を抑制し、かつ、所望の形状に形成することができる、という優れた効果を有する。
第1実施形態に係る車両用骨格部材を示す斜視図であり、成形前の状態を示す図である。 (A)は図1の2A−2A線で切断した状態を示す断面図であり、(B)はプレス成形後の状態を示す断面図である。 爆発圧着工程を説明するための概略図であり、(A)は爆発圧着前の状態を示す側断面図であり、(B)は爆発圧着時の状態を示す側断面図である。 爆発圧着工程を説明するための概略図であり、(A)は爆発圧着の方向を説明するための斜視図であり、(B)は図4(A)の4B−4B線で切断した切断面の一部を拡大して示す拡大断面図である。 第2実施形態に係る車両用骨格部材を示す斜視図であり、成形前の状態を示す図である。 (A)は図5の6A−6A線で切断した状態を示す断面図であり、(B)はプレス成形後の状態を示す断面図である。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る車両用骨格部材10について、図面を参照して説明する。なお、図1及び後述する第2実施形態の図5に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印INは、車両用骨格部材10が車両に搭載された状態における、車両の前方向、上方向、車両幅方向内側をそれぞれ示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、進行方向を向いた場合の車両幅方向の左右を示すものとする。
図1に示されるように、本実施形態に係る車両用骨格部材10は、車両の側部を車両上下方向に延在されるセンタピラーのピラーアウタパネルを構成する部材であり、主として、第1鋼板12と第2鋼板14と第3鋼板16とを含んで構成されている。第1鋼板12は、長尺板状に形成されて車両の骨格部材を構成する鋼板であり、本実施形態では車両へ組み付けた際に車両上下方向となる方向が長手方向とされている。
また、第1鋼板12の上端部12Uは、第1鋼板12の車両上下方向の中央部分よりも車両前後方向に広幅に形成されている。そして、この部分が図示しないルーフレールに接合される。一方、第1鋼板12の下端部12Lは、上端部12Uよりも車両前後方向に広幅に形成されており、この部分が図示しないロッカに接合される。このため、第1鋼板12は、ロッカとルーフレールとを上下に連結するセンタピラーのベース部分となっている。
第1鋼板12の一方の面(車両幅方向内側の面)には、第2鋼板14が圧着(接合)されている。第2鋼板14は、車両上下方向が長手方向となる長尺板状で、第1鋼板12よりも小さい略矩形状の鋼板で形成されている。また、第2鋼板14は、第1鋼板12の車両上下方向の中央部分に圧着されており、この第2鋼板14が圧着されている部分は、車両組付け状態におけるベルトライン部分を含んでいる。
第2鋼板14の上端部14Uは、第1鋼板12の上端部12Uの形状に合わせて車両前後方向に広幅に形成されている。一方、第2鋼板14の下端部14Lは、下端へ向かうにつれて徐々に狭幅となっている。なお、第2鋼板14の上端部14U及び下端部14Lの形状は、第2鋼板14に要求される強度に応じて適宜設定されるものであり、本実施形態の形状に限定されない。
第2鋼板14における第1鋼板12が接合された面とは反対側の面(車両幅方向内側の面)には、第3鋼板16が圧着(接合)されている。第3鋼板16は、第1鋼板12及び第2鋼板14よりも小さい略矩形状の鋼板で形成されており、第2鋼板14の車両上下方向の中央部分に圧着されている。そして、この第3鋼板16が圧着されている部分は、車両組付け状態におけるベルトライン部分を含んでいる。
図2(A)に示されるように、本実施形態では一例として、第1鋼板12の厚みが最も厚く、1.6mmとされている。また、第2鋼板14の厚みは、1.4mmとされている。さらに、第3鋼板16の厚みは、0.8mmとされている。そして、第1鋼板12、第2鋼板14及び第3鋼板16は全て炭素量0.2mass%のボロン鋼によって形成されており、引張強度が1.5GPaに設定されている。
図2(B)は、図2(A)の状態からプレス成形された状態を第1鋼板12の長手方向から見た断面図であり、本実施形態では一例として、熱間スタンプ(ホットスタンプ)によって成形された状態が示されている。この状態では、車両用骨格部材10を構成する第1鋼板12は、断面略ハット状に形成されている。具体的には、第1鋼板12は、間隔をあけて配置された一対の第1縦壁部12Aと、この一対の第1縦壁部12Aの一端部同士を連結する第1底部12Bと、第1縦壁部12Aの他端部から外側へ延出されたフランジ部12Cとを含んで構成されている。
第1縦壁部12Aはそれぞれ、第1底部12Bからフランジ部12Cへ向かうにつれて互いに離間する方向へ傾斜されており、この第1縦壁部12Aと第1底部12Bとの間が稜線となっている。第1底部12Bは、車両用骨格部材10を車両に組み付けた際に車両幅方向外側に位置するように配置されており、フランジ部12Cは、車両用骨格部材10を車両に組み付けた際に車両幅方向外側に位置するように配置されている。なお、フランジ部12Cに、図示しないピラーインナパネルのフランジ部が接合されることで、閉断面構造のセンタピラーが構成される。
第2鋼板14は、断面略U字状に形成されており、間隔をあけて配置された一対の第2縦壁部14Aと、この一対の第2縦壁部14Aの一端部同士を連結する第2底部14Bとを含んで構成されている。
第2縦壁部14Aはそれぞれ、第2底部14Bから反対側へ向かうにつれて互いに離間する方向へ傾斜されており、第1縦壁部12Aに圧着された状態を維持している。また、第2底部14Bは、第1底部12Bに圧着された状態を維持している。
第3鋼板16は、断面が扁平の略U字状に形成されており、間隔をあけて配置された一対の第3縦壁部16Aと、この一対の第3縦壁部16Aの一端部同士を連結する第3底部16Bとを含んで構成されている。また、第3縦壁部16Aはそれぞれ、第2縦壁部14Aに圧着された状態を維持しており、第3底部16Bは、第2底部14Bに圧着された状態を維持している。
ここで、第2鋼板14は、爆発圧着工程によって第1鋼板12に圧着されており、第3鋼板16は、爆発圧着工程によって第2鋼板14に圧着されている。以下、爆発圧着工程の概要について説明する。
(爆発圧着工程)
図3には、第1鋼板12の上に第2鋼板14を爆発圧着する爆発圧着工程の概略図が示されている。図3(A)に示されるように、初めに第1鋼板12の上に第2鋼板14を配置し、この第2鋼板14における第1鋼板12の長手方向の一端側(図中左側)のみを第1鋼板12に接触した状態とする。なお、図示はしないが、第1鋼板12は作業台の上に載置されている。
第2鋼板14の上面の全域には、粉末状の爆薬Eがセットされており、第2鋼板14の一端側には雷管Tがセットされている。そして、雷管Tによって第2鋼板14の一端側から爆薬Eを起爆させると、図3(B)に示されるように爆発のエネルギーによって第2鋼板14が第1鋼板12に対して高速で衝突し、衝突面から液化された金属M(メタルジェット)が発生する。この金属Mが第1鋼板12及び第2鋼板14の表面の酸化物、窒化物、及び吸着ガス等を除去することで、第1鋼板12に第2鋼板14が圧着される。
図4には、第1鋼板12に対して、第2鋼板14を爆発圧着した際の接合面の状態が示されている。なお、図4では説明の便宜上、第1鋼板12及び第2鋼板14の形状を略矩形状に図示している。図4(A)に示されるように、第1鋼板12の長手方向の一端側に着火点Pを設定した場合、着火点Pから図中矢印の方向に爆発圧着が進行し、接合面には進行方向に沿って凹凸状の波Wが形成される。なお、図4(A)において、第2鋼板14の外側からは波Wは視認できないが、説明の便宜上、接合面の波Wを図示している。
図4(B)に示されるように、爆発圧着後は、第1鋼板12における第2鋼板14との接合面12D及び第2鋼板14における第1鋼板12との接合面14Cは、第1鋼板12の長手方向から見て波状に形成された凹凸面とされている。図4(B)では一例として、凹凸のピッチ(波の波長)が0.3mmであり、波の高さ(一番低い場所から一番高い場所までの高さ)が0.2mmとなっている。
以上のように、第2鋼板14と第1鋼板12とは爆発圧着されているため、図2(A)において、第1鋼板12における第2鋼板14との接合面12D及び第2鋼板14における第1鋼板12との接合面14Cは、拡大して第1鋼板12の長手方向と交差する方向からみ見ると、何れも波状に形成された凹凸面とされている。
また、同様に第3鋼板16と第2鋼板14とが爆発圧着されているため、第2鋼板14における第3鋼板16との接合面14D及び第3鋼板16における第2鋼板14との接合面16Cは、拡大して第1鋼板12の長手方向と交差する方向から見ると、何れも波状に形成された凹凸面とされている。
(車両用骨格部材10の製造方法)
次に、本実施形態に係る車両用骨格部材10の製造方法について説明する。図2(A)に示されるように、初めに爆発圧着工程では、第1鋼板12の上に第2鋼板14を載せ、第1鋼板12の車両下方側(長手方向の一端側)から爆発圧着により第2鋼板14を圧着(接合)する(図4参照)。次に、爆発圧着された第2鋼板14の上に第3鋼板16を載せ、車両下方側から爆発圧着により第3鋼板16を圧着(接合)する。
次に、熱間スタンプ工程では、第1鋼板12、第2鋼板14及び第3鋼板16が接合された車両用骨格部材10を熱間スタンプ工程によって熱間スタンプ成形する。これにより、図2(B)に示されるように、第1鋼板12が断面略ハット状に成形される。また、第2鋼板14が第1鋼板12に圧着された状態で断面略U字状に成形される。さらに、第3鋼板16が第2鋼板14に圧着された状態で断面が扁平の略U字状に成形される。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
本実施形態の車両用骨格部材10では、上述したように、第1鋼板12の接合面12D及び第2鋼板14の接合面14Cはそれぞれ、凹凸面となっている。ここで、凹凸面は、第1鋼板12の長手方向と交差する方向から見て波状に形成されている。すなわち、凹凸面の波の方向が第1鋼板12の長手方向(車両上下方向)とされている。これにより、接合面が平面状とされた構成と比較して長手方向のせん断強度を向上させることができ、衝突時など車両用骨格部材10に対して曲げ変形が加えられて車両用骨格部材10の長手方向にせん断力が生じた場合であっても、第2鋼板14の剥離を抑制することができる。このように、衝突時に鋼板の剥離を抑制することができる。
また、本実施形態では、第2鋼板14の接合面14D及び第3鋼板16の接合面16Cについても、第1鋼板12の長手方向と交差する方向から見て波状に形成された凹凸面とされている。これにより、衝突時など車両用骨格部材10に対して曲げ変形が加えられて車両用骨格部材10の長手方向にせん断力が生じた場合であっても、第3鋼板16の剥離を抑制することができる。また、第3鋼板16を接合した部位の断面耐力を向上させることができるため、車両用骨格部材10の部位ごとの断面耐力を細かく調整することができる。
また、本実施形態では、第1鋼板12よりも小さい第2鋼板14が接合されている。これにより、重量の増加を最小限に抑えて強度が必要な部位のみを補強することができる。すなわち、必要な断面耐力を確保しつつ軽量化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、図2(B)に示されるように、プレス成形(ホットスタンプ)後の状態で、第2鋼板14を構成する第2縦壁部14Aが第1鋼板12の第1縦壁部12Aにそれぞれ接合されている。また、第2縦壁部14Aの一端部同士を連結する第2底部14Bが第1鋼板12の第1底部12Bに接合されている。これにより、車両用骨格部材10における稜線の部分を肉厚にすることができることができ、耐衝突性能を向上させることができる。
さらにまた、本実施形態では、第2鋼板14及び第3鋼板16が圧着されている部分は、図示しないベルトライン部分を含んでいる。これにより、センタピラーにおいて強度が必要となるベルトライン部分を第2鋼板14及び第3鋼板16で補強することができるため、このベルトライン部分の断面耐力を向上させることができる。
また、本実施形態では、爆発圧着工程で第1鋼板12の長手方向の一端側から第2鋼板14を爆発圧着しているため、第1鋼板12の接合面12D及び第2鋼板14の接合面14Cがそれぞれ、第1鋼板12の長手方向と交差する方向から見て波状の凹凸面となる。これにより、衝突時に鋼板の剥離を抑制し、かつ、プレス成形によって所望の形状に形成することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る車両用骨格部材について図面を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構造については、同じ符号を付し適宜説明を省略する。
図5及び図6(A)に示されるように、本実施形態の車両用骨格部材60は、車両の側部を車両上下方向に延在されるセンタピラーのピラーアウタパネルを構成する部材であり、主として、第1鋼板12と第2鋼板62と一対の第3鋼板64とを含んで構成されている。また、第1鋼板12は、第1実施形態と同様の構成とされている。
第1鋼板12の一方の面(車両幅方向内側の面)には、第2鋼板62が圧着(接合)されている。第2鋼板62は、車両上下方向が長手方向となる長尺板状で、第1鋼板12よりも小さい略矩形状の鋼板で形成されている。また、第2鋼板62は、第1鋼板12の車両上下方向の中央部分に圧着されており、この第2鋼板62が圧着されている部分は、車両組付け状態におけるベルトライン部分を含んでいる。
第2鋼板62の上端部62Uは、第1鋼板12の上端部12Uの形状に合わせて車両前後方向に広幅に形成されている。一方、第2鋼板62の下端部62Lは、第1鋼板12の下端部12Lの形状に合わせて下端へ向かうにつれて徐々に広幅となっている。なお、第2鋼板62の上端部62U及び下端部62Lの形状は、第2鋼板62に要求される強度に応じて適宜設定されるものであり、本実施形態の形状に限定されない。
第2鋼板62における第1鋼板12が接合された面とは反対側の面(車両幅方向内側の面)には、一対の第3鋼板64が圧着(接合)されている。第3鋼板64はそれぞれ、第1鋼板12及び第2鋼板62よりも小さい略矩形状の鋼板で形成されており、車両上下方向を長手方向とする長尺の鋼板とされている。
具体的には、第3鋼板64は、第2鋼板62の前端部及び後端部に間隔をあけて略平行に配置されており、それぞれ同じ長さに形成されている。また、第3鋼板64の上端部64Uはそれぞれ、第2鋼板62の上端部よりやや下方側にオフセットされた位置まで延在されている。さらに、第3鋼板64の下端部64Lはそれぞれ、第2鋼板62の下端部よりやや上方側にオフセットされた位置まで延在されており、第2鋼板12の下端部12L及び第2鋼板62の下端部62Lの形状に合わせて広幅に形成されている。
図6(B)に示されるように、第1鋼板12は、断面略ハット状に形成されている。また、第2鋼板62は、断面略U字状に形成されており、間隔をあけて配置された一対の第2縦壁部62Aと、この一対の第2縦壁部62Aの一端部同士を連結する第2底部62Bとを含んで構成されている。
第2縦壁部62Aはそれぞれ、第2底部62Bから反対側へ向かうにつれて互いに離間する方向へ傾斜されており、第1縦壁部62Aに圧着された状態を維持している。また、第2底部62Bは、第1底部12Bに圧着された状態を維持している。
第3鋼板64はそれぞれ、第2縦壁部62Aに圧着された第3縦壁部64Aと、第2底部62Bに圧着された第3底部64Bとを含んで断面略L字状に形成されている。すなわち、第3鋼板64は、車両用骨格部材60の稜線の部分に配置されており、この稜線を補強している。
ここで、第2鋼板62は、爆発圧着工程によって第1鋼板12に圧着されており、第3鋼板64は、爆発圧着工程によって第2鋼板62に圧着されている。爆発圧着工程は、第1実施形態で説明した通りである。
また、第1鋼板12、第2鋼板62及び第3鋼板64は、第1実施形態と同様に全て炭素量0.2mass%のボロン鋼によって形成されており、引張強度が1.5GPaに設定されている。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
本実施形態の車両用骨格部材60では、第3鋼板64によって車両用骨格部材60の稜線を補強することができる。また、第1実施形態のように第3鋼板16を1枚の鋼板で形成した構成と比較して、稜線を補強しつつ、軽量化を図ることができる。特に、第2鋼板12の底部12Bが長い構造では、底部12Bよりも稜線で過重を受けることとなるため、本実施形態のように稜線のみを補強した方が効果的に車両用骨格部材60を補強することができる。その他の作用については、第1実施形態と同様である。
以上、第1実施形態及び第2実施形態に係る車両用骨格部材について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、爆発圧着後の車両用骨格部材を熱間スタンプ工程によって成形したが、これに限定されず、成形温度が低い冷間スタンプ工程によって成形してもよい。この場合、熱間スタンプ工程よりも大きなせん断力が接合面に作用するが、本実施形態のように爆発圧着によって強固に鋼板同士が接合されており、かつ、接合面がそれぞれ、第1鋼板12の長手方向と交差する方向からみ見て波状に形成された凹凸面とされているため、冷間スタンプを行っても剥離しにくい。
また、上記実施形態では、第1鋼板、第2鋼板及び第3鋼板は全て引張強度が1.5GPaに設定されていたが、これに限定されない。例えば、第1鋼板及び第2鋼板を引張強度が1.5GPaの鋼材で形成し、第3鋼板を引張強度が2.0GPaの鋼材で形成してもよい。スポット溶接などの方法では十分な接合強度を確保できない異種金属の接合であっても、爆発圧着によって接合することで、引張強度が異なる鋼板を容易に接合することができる。
さらに、上記実施形態では、第1鋼板、第2鋼板及び第3鋼板の3枚の鋼板を接合して車両用骨格部材を構成したが、これに限定されない。例えば、さらに鋼板を接合して4枚以上の鋼板で車両用骨格部材を構成してもよい。また逆に、第1鋼板及び第2鋼板の2枚の鋼板で車両用骨格部材を構成してもよい。
10 車両用骨格部材
12 第1鋼板
12A 第1縦壁部
12B 第1底部
12D 接合面(第1鋼板の接合面)
14 第2鋼板
14A 第2縦壁部
14B 第2底部
14C 接合面(第2鋼板の接合面)
14D 接合面(第2鋼板の接合面)
16 第3鋼板
16C 接合面(第3鋼板の接合面)
60 車両用骨格部材
62 第2鋼板
62A 第2縦壁部
62B 第2底部
62C 接合面(第2鋼板の接合面)
64 第3鋼板
64A 第3縦壁部
64B 第3底部
64C 接合面(第3鋼板の接合面)

Claims (7)

  1. 長尺板状に形成されて車両の骨格部材を構成する第1鋼板と、
    前記第1鋼板の一方の面に接合された第2鋼板と、
    を備え、
    前記第1鋼板の接合面及び前記第2鋼板の接合面はそれぞれ、前記第1鋼板の長手方向と交差する方向から見て波状に形成された凹凸面である車両用骨格部材。
  2. 前記第2鋼板は、前記第1鋼板よりも小さい鋼板で形成されている請求項1に記載の車両用骨格部材。
  3. 前記第1鋼板は、長手方向から見た断面視で、一対の第1縦壁部と、前記第1縦壁部の一端部同士を連結する第1底部とを含んで構成されており、
    前記第2鋼板は、一対の前記第1縦壁部にそれぞれ接合された一対の第2縦壁部と、前記第2縦壁部の一端部同士を連結して前記第1底部に接合された第2底部とを含んで構成されている請求項1又は2に記載の車両用骨格部材。
  4. 前記第1鋼板は、車両の側部を車両上下方向に延在されてセンタピラーを構成しており、
    前記第2鋼板は、少なくとも前記第1鋼板におけるベルトライン部分の位置に接合されている請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用骨格部材。
  5. 前記第2鋼板における前記第1鋼板が接合された面とは反対側の面には、前記第2鋼板よりも小さい第3鋼板が接合されており、
    前記第2鋼板における前記第3鋼板との接合面及び前記第3鋼板における前記第2鋼板との接合面は、前記第1鋼板の長手方向と交差する方向から見て何れも波状に形成された凹凸面とされている請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用骨格部材。
  6. 長尺板状の第1鋼板と、
    前記第1鋼板の一方の面に接合された第2鋼板と、
    を備え、
    前記第1鋼板の長手方向の一端側から爆発圧着することによって、接合面が前記第1鋼板の長手方向と交差する方向から見て波状の凹凸面となるように前記第2鋼板を接合する爆発圧着工程と、
    爆発圧着により接合された前記第1鋼板及び前記第2鋼板を熱間スタンプ成形する熱間スタンプ工程と、
    を有する車両用骨格部材の製造方法。
  7. 長尺板状の第1鋼板と、
    前記第1鋼板の一方の面に接合された第2鋼板と、
    を備え、
    前記第1鋼板の長手方向の一端側から爆発圧着することによって、接合面が前記第1鋼板の長手方向と交差する方向から見て波状の凹凸面となるように前記第2鋼板を接合する爆発圧着工程と、
    爆発圧着により接合された前記第1鋼板及び前記第2鋼板を冷間スタンプ成形する冷間スタンプ工程と、
    を有する車両用骨格部材の製造方法。
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