JP2011088484A - 車両用骨格部材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】強度剛性を確保しつつ軽量化及び構造の簡素化を達成できると共に、疲労による強度低下を抑制できる車両用骨格部材を提供する。
【解決手段】本発明のセンターピラーアウタ10は、焼入れされると共にプレス成形された鋼板により構成された本体パネル20と、本体パネル20の一部の表面に塗布されたろう材を介して本体パネル20の一部に互いに板厚方向に重ね合わされると共に、このろう材により本体パネル20の一部に面接合された増肉用鋼板により構成された増肉部22と、を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のセンターピラーアウタ10は、焼入れされると共にプレス成形された鋼板により構成された本体パネル20と、本体パネル20の一部の表面に塗布されたろう材を介して本体パネル20の一部に互いに板厚方向に重ね合わされると共に、このろう材により本体パネル20の一部に面接合された増肉用鋼板により構成された増肉部22と、を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用骨格部材及びその製造方法に関する。
特許文献1には、外側骨格部材と、内側骨格部材と、この外側骨格部材と内側骨格部材との間に配置された補強用骨格部材と、を備えた自動車のセンターピラー構造が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の例のように、補強用骨格部材(所謂、リインフォースメント)を用いて補強を行った場合、質量が増加すると共に構造が複雑化する。
また、特許文献1に記載の例において、補強用骨格部材が外側骨格部材や内側骨格部材とスポット溶接やアーク溶接により局所的に接合されていた場合、この溶接部に応力が集中し、これに起因して疲労による強度低下が懸念される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、強度剛性を確保しつつ軽量化及び構造の簡素化を達成できると共に、疲労による強度低下を抑制できる車両用骨格部材及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用骨格部材は、焼入れされると共にプレス成形された鋼板により構成された本体パネルと、前記本体パネルの一部の表面に塗布されたろう材を介して前記本体パネルの一部に互いに板厚方向に重ね合わされると共に前記ろう材により前記本体パネルの一部に面接合された増肉用鋼板により構成された増肉部と、を備えている。
この車両用骨格部材によれば、本体パネルは、焼入れされると共にその一部に増肉部が形成されている。そして、これにより、車両用骨格部材の全体の強度が向上されると共に必要な箇所だけ局所的に板厚が増加されている。従って、車両用骨格部材の強度剛性を確保しつつ軽量化及び構造の簡素化を達成することができる。
しかも、増肉部は、本体パネルの一部にろう材により面接合されている。従って、この接合部に応力が集中することを抑制することができるので、疲労による強度低下を抑制することができる。
請求項2に記載の車両用骨格部材は、請求項2に記載の車両用骨格部材において、前記車両用骨格部材が、センターピラーアウタとされ、前記増肉部が、前記本体パネルの一部としてのドアヒンジ取付部に形成された構成とされている。
この車両用骨格部材によれば、上述のように強度剛性が確保されているので、車両における側面衝突性能を確保することができる。しかも、ドアヒンジ取付部に増肉部が形成されているので、このドアヒンジ取付部の強度剛性、ひいては、ドアの取付剛性も確保することができる。
請求項3に記載の車両用骨格部材は、請求項1又は請求項2に記載の車両用骨格部材において、前記本体パネルを構成する前記鋼板が、質量%で、C:0.01%以上、0.5%以下、Si:0.01%以上、1.5%以下、Mn:0.1%以上、4.0%以下、Cr:0.01%以上、2.0%以下、B:0.0001%以上、0.01%以下、Ti:0.01%以上、0.3%以下を含有し、さらに、C+Si/24+Mn/6≧0.35%を満たし、且つ、残部が鉄及び不可避的不純物により構成されたものである。
発明者らは、鋭意検討を行った結果、本体パネルを構成する鋼板については、C(炭素)、Si(ケイ素)、Mn(マンガン)、Cr(クロム)、B(ホウ素)、Ti(チタン)を以下の質量%に設定されていると最適であることを見出した。
すなわち、鋼の強度を確保するためには、Cの質量%が0.01%以上である必要がある。一方、Cを過剰に添加すると、鋼板の溶接性が不利になるため、鋼板の溶接性を確保するためには、Cの質量%が0.5%以下である必要がある。従って、Cについては、質量%で0.01%以上、0.5%以下に設定されていると好適である。
また、鋼の強度確保や焼入れ性確保のためには、Siの質量%が0.01%以上である必要がある。しかし、Siの過剰な添加は鋼板コストの上昇となることから、コストを抑えるためには、Siの質量%が1.5%以下である必要がある。従って、Siについては、質量%で0.01%以上、1.5%以下に設定されていると好適である。
また、鋼の強化効果や焼入れ性が現れるためには、Mnの質量%が0.1%以上である必要がある。しかし、Mnの過剰な添加は鋼板の延性に悪影響を及ぼすため、鋼板の延性を確保するためには、Mnの質量%が4.0%以下である必要がある。従って、Mnについては、質量%で0.1%以上、4.0%以下に設定されていると好適である。
特に、C+Si/24+Mn/6≧0.35%を満たすと、十分な冷却速度範囲で焼入れ性を確保することができ好適である。
また、鋼の強化効果や焼入れ性が現れるためには、Crの質量%が0.01%以上である必要がある。しかし、Crの過剰な添加は鋼板の加工性及び延性に悪影響を及ぼすため、鋼板の加工性及び延性を確保するためには、Crの質量%が2.0%以下である必要がある。従って、Crについては、質量%で0.01%以上、2.0%以下に設定されていると好適である。
また、鋼の焼入れ性を確保するためには、Bの質量%が0.0001%以上である必要がある。しかし、Bの過剰な添加は鋼板の強度を上昇させ、鋼板の加工性が低下するため、鋼板の加工性を確保するためには、Bの質量%が0.01%以下である必要がある。従って、Bについては、質量%で0.0001%以上、0.01%以下に設定されていると好適である。
また、Tiは鋼中で窒化物を形成し、Bが窒化物を形成しBの焼入れ性の効果が減じるのを抑制する。この効果を出現させるためには、Tiの質量%が0.01%以上である必要がある。しかし、Tiの過剰な添加は鋼板の延性を低下させるため、鋼板の延性を確保するためには、Tiの質量%が0.3%以下である必要がある。従って、Tiについては、質量%で0.01%以上、0.3%以下に設定されていると好適である。
請求項4に記載の車両用骨格部材は、請求項3に記載の車両用骨格部材において、前記本体パネルを構成する前記鋼板が、質量%でさらに、Al:0.003%以上、1.5%以下、Nb:0.01%以上、0.05%以下、V:0.001%以上、0.1%以下、
Mo:0.05%以上、0.5%以下を含有する構成とされている。
Mo:0.05%以上、0.5%以下を含有する構成とされている。
発明者らは、鋭意検討を行った結果、本体パネルを構成する鋼板については、Al(アルミニウム)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)、Mo(モリブデン)を以下の質量%に設定されていると最適であることを見出した。
すなわち、低Siとする場合、脱酸の目的では、Alの質量%が0.003%以上である必要がある。一方、Alを過剰に添加すると、鋼板の溶接性や溶融亜鉛めっき性を劣化させるため、これを抑制するためには、Alの質量%が1.5%以下である必要がある。従って、Alについては、質量%で0.003%以上、1.5%以下に設定されていると好適である。
さらに、本発明が対象とする鋼は、強度の更なる向上を目的として強炭化物形成元素であるNb、V、Moの1種又は2種以上を含有できる。
つまり、Nbは、微細な炭化物、窒化物又は炭窒化物を形成して、鋼板の強化に極めて有効であるため、これを達成するためには、Nbの質量%が0.01%以上である必要がある。一方、Nbを過剰に添加すると、鋼板の延性を劣化させるため、これを抑制するためには、Nbの質量%が0.05%以下である必要がある。従って、Nbについては、質量%で0.01%以上、0.05%以下に設定されていると好適である。
また、鋼の強度を確保するためには、Vの質量%が0.001%以上である必要がある。しかし、Vの過剰な添加は鋼板の延性を劣化させるため、これを抑制するためには、Vの質量%が0.1%以下である必要がある。従って、Vについては、質量%で0.001%以上、0.1%以下に設定されていると好適である。
また、鋼の強化効果や焼入れ性向上効果が現れるためには、Moの質量%が0.05%以上である必要がある。しかし、Moの過剰な添加は鋼板の延性を劣化させるため、これを抑制するためには、Moの質量%が0.5%以下である必要がある。従って、Moについては、質量%で0.05%以上、0.5%以下に設定されていると好適である。
請求項5に記載の車両用骨格部材は、請求項3又は請求項4に記載の車両用骨格部材において、前記本体パネルを構成する前記鋼板が、質量%でさらに、Ca、Zr、REMのうち1種又は2種以上を、0.005%以上、0.01%以下含有する構成とされている。
発明者らは、鋭意検討を行った結果、本体パネルを構成する鋼板については、Ca(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)、REM(希土類元素:原子番号57〜71)のうち1種又は2種以上を以下の質量%に設定されていると最適であることを見出した。
すなわち、めっき鋼板の場合、Ca、Zr、REMを、めっきの濡れ性を劣化させるSi系の内部粒界酸化相生成を抑制する目的で添加できる。Si系の酸化物のように粒界酸化物が形成するのではなく、比較的微細な酸化物を分散して形成することができる。そして、めっきの濡れ性を劣化させるSi系の内部粒界酸化相生成を抑制するには、Ca、Zr、REMのうち1種又は2種以上の質量%が0.0005%以上である必要がある。一方、Ca、Zr、REMのうち1種又は2種以上を過剰に添加すると、鋼板の鋳造性や熱間加工性などの製造性及び鋼板製品の延性を低下させるため、これを抑制するためには、Ca、Zr、REMのうち1種又は2種以上の質量%が0.01%以下である必要がある。従って、Ca、Zr、REMのうち1種又は2種以上については、質量%で0.005%以上、0.01%以下に設定されていると好適である。
請求項6に記載の車両用骨格部材は、請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の車両用骨格部材において、前記本体パネルを構成する前記鋼板のミクロ組織が、体積分率で、50%以上、100%未満のフェライト相、0%超、50%以下のパーライトを含む構成とされている。
発明者らは、鋭意検討を行った結果、本体パネルを構成する鋼板については、ミクロ組織が、体積分率で以下に設定されていると最適であることを見出した。
すなわち、フェライト相は、鋼板の加工性を確保するために必要であり、鋼板の加工性を確保するためは、フェライト相が体積分率で50%以上、100%未満である必要がある。一方、パーライトは、鋼板の強度確保に有効であるため、フェライトと共存させるが、パーライトを過多にすると、鋼板の延性低下が著しくなるため、これを抑制するためには、パーライトが体積分率で0%超、50%以下である必要がある。従って、鋼板のミクロ組織が、体積分率で、50%以上、100%未満のフェライト相、0%超、50%以下のパーライトを含んでいると好適である
請求項7に記載の車両用骨格部材は、請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の車両用骨格部材において、前記本体パネルを構成する前記鋼板のミクロ組織が、体積分率で、50%以上、100%未満のフェライト相、両組織の和が0%超、50%以下のベイトナイト及びマルテンサイトを含む構成とされている。
発明者らは、鋭意検討を行った結果、本体パネルを構成する鋼板については、ミクロ組織が、体積分率で以下に設定されていると最適であることを見出した。
すなわち、フェライト相は、鋼板の加工性を確保するために必要であり、鋼板の加工性を確保するためは、フェライト相が体積分率で50%以上、100%未満である必要がある。一方、ベイトナイト及びマルテンサイトは、鋼板の強度確保に有効であるため、フェライトと共存させるが、ベイトナイト及びマルテンサイトを過多にすると、鋼板の延性低下を招くため、これを抑制するためには、ベイトナイト及びマルテンサイトの両組織の和が体積分率で0%超、50%以下である必要がある。従って、鋼板のミクロ組織が、体積分率で、50%以上、100%未満のフェライト相、両組織の和が0%超、50%以下のベイトナイト及びマルテンサイトを含んでいると好適である
なお、鋼板の耐食性確保、及び、熱間プレス時の酸化防止のために、鋼板の表面に溶融亜鉛めっきや合金化溶融亜鉛めっきの処理を施すことも可能である。
また、前記課題を解決するために、請求項8に記載の車両用骨格部材の製造方法は、鋼板における増肉用領域の表面にろう材を塗布するろう材塗布工程と、前記鋼板を焼入れするために加熱すると共に前記ろう材を溶融させる加熱工程と、前記加熱工程によって溶融された前記ろう材を介して前記増肉用領域と増肉用鋼板とを互いに板厚方向に重ね合わせる重ね合わせ工程と、前記加熱工程によって加熱された前記鋼板を冷却して前記鋼板を焼入れすると共に前記ろう材を冷却固化させて前記増肉用領域に前記増肉用鋼板を面接合させながら、前記重ね合わせ工程において前記増肉用鋼板が重ね合わされた前記鋼板をプレス成形して、前記鋼板により車両用骨格部材の本体パネルを形成すると共に前記本体パネルの一部に前記増肉用鋼板により構成された増肉部を形成するプレス成形工程と、を備えている。
この車両用骨格部材の製造方法によれば、本体パネルを焼入れすると共にその一部に増肉部を形成している。そして、これにより、車両用骨格部材の全体の強度を向上させると共に必要な箇所だけ局所的に板厚を増加させている。従って、車両用骨格部材の強度剛性を確保しつつ軽量化及び構造の簡素化を達成することができる。
しかも、増肉部については、本体パネルの一部にろう材により面接合している。従って、この接合部に応力が集中することを抑制することができるので、疲労による強度低下を抑制することができる。
請求項9に記載の車両用骨格部材の製造方法は、請求項8に記載の車両用骨格部材の製造方法において、前記鋼板により車両用骨格部材としてのセンターピラーアウタの本体パネルを形成すると共に、前記本体パネルの一部としてのドアヒンジ取付部に前記増肉部を形成する方法である。
この車両用骨格部材の製造方法によれば、上述のように車両用骨格部材の強度剛性を確保することができるので、車両における側面衝突性能を確保することができる。しかも、ドアヒンジ取付部に増肉部を形成するので、このドアヒンジ取付部の強度剛性、ひいては、ドアの取付剛性も確保することができる。
以上詳述したように、本発明によれば、車両用骨格部材の強度剛性を確保しつつ軽量化及び構造の簡素化を達成できると共に、車両用骨格部材の疲労による強度低下を抑制できる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
先ず、図1,図2を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両用骨格部材としてのセンターピラーアウタ10の構成について説明する。
なお、図1,図2において示される矢印UP、矢印FR、矢印OUTは、このセンターピラーアウタ10が適用される車両の上下方向上側、前後方向前側、車幅方向外側をそれぞれ示している。
図1に示されるセンターピラーアウタ10は、センターピラーインナ12とで車両のセンターピラー14を構成するものである。このセンターピラーアウタ10は、互いの周縁部に形成されたフランジ16,18が互いに接合されることにより、センターピラーインナ12と一体的に結合される。
このセンターピラーアウタ10は、本体パネル20と、一対の増肉部22とを有して構成されている。本体パネル20は、鋼板により構成されており、この本体パネル20を構成する鋼板には、成分や組成が後述する好適な設定条件を満たすものが使用されている。
各増肉部22は、本体パネル20の一部としてのドアヒンジ取付部20Aに形成されている。この各増肉部22は、増肉用鋼板により構成されており、図2に示されるように、ドアヒンジ取付部20Aの表面(この場合、車体外側面)に塗布されたろう材31を介してこのドアヒンジ取付部20Aに互いに板厚方向に重ね合わされている。そして、この各増肉部22は、このろう材31によりドアヒンジ取付部20Aに面接合されている。
なお、図1に示される車両上下方向下側の他方の増肉部22についても、車両上下方向上側の一方の増肉部22と同様に、本体パネル20の一部としてのドアヒンジ取付部20Aに面接合されている。また、特に図示しないが、各ドアヒンジ取付部20Aには、リアドア用のドアヒンジが締結具によって本体パネル20及び増肉部22と共締めで締結される。
次に、図3を参照しながら、上述のセンターピラーアウタ10の製造方法について説明する。
なお、図3の紙面垂直方向は、センターピラーアウタ10の長手方向に相当する。また、図3においては、一方の増肉部22を構成する増肉用鋼板32についてのみ図示されているが、他方の増肉部22を構成する増肉用鋼板についても、一方の増肉部22を構成する増肉用鋼板32と同様の方法により製造される。
(鋼板セット工程)
先ず、図3(A)に示されるように、上述の本体パネル20を構成する鋼板30を図示しない製造ラインにセットする。このとき、鋼板30については、成分や組成が後述する好適な設定条件を満たすものを使用する。
先ず、図3(A)に示されるように、上述の本体パネル20を構成する鋼板30を図示しない製造ラインにセットする。このとき、鋼板30については、成分や組成が後述する好適な設定条件を満たすものを使用する。
(ろう材塗布工程)
そして、図3(B)に示されるように、鋼板30における増肉用領域30Aの表面にろう材31を塗布する。なお、この増肉用領域30Aは、上述の本体パネル20におけるドアヒンジ取付部20Aに相当する。また、本実施形態において、鋼板30における増肉用領域30Aの表面は、ドアヒンジ取付部20Aの車体外側面に相当する。
そして、図3(B)に示されるように、鋼板30における増肉用領域30Aの表面にろう材31を塗布する。なお、この増肉用領域30Aは、上述の本体パネル20におけるドアヒンジ取付部20Aに相当する。また、本実施形態において、鋼板30における増肉用領域30Aの表面は、ドアヒンジ取付部20Aの車体外側面に相当する。
(加熱工程)
続いて、図3(C)に示されるように、鋼板30を通電加熱すると共に、この鋼板30の通電加熱に伴ってろう材31を溶融させる。なお、鋼板30の加熱は、通電加熱以外の方法、例えば、ヒータにより行うことも可能である。また、このとき、鋼板30が溶融しないように、鋼板30の温度を例えば900℃以下とする。
続いて、図3(C)に示されるように、鋼板30を通電加熱すると共に、この鋼板30の通電加熱に伴ってろう材31を溶融させる。なお、鋼板30の加熱は、通電加熱以外の方法、例えば、ヒータにより行うことも可能である。また、このとき、鋼板30が溶融しないように、鋼板30の温度を例えば900℃以下とする。
(重ね合わせ工程)
そして、図3(D)に示されるように、加熱工程によって溶融されたろう材31を介して増肉用領域30Aに増肉用鋼板32を互いに板厚方向に重ね合わせる。また、このときには、鋼板30への加熱を停止して、鋼板30を除冷する。
そして、図3(D)に示されるように、加熱工程によって溶融されたろう材31を介して増肉用領域30Aに増肉用鋼板32を互いに板厚方向に重ね合わせる。また、このときには、鋼板30への加熱を停止して、鋼板30を除冷する。
(プレス成形工程)
続いて、増肉用鋼板32が重ね合わされた鋼板30を図示しないプレス成形機にセットする。そして、このプレス成形機を用いて、加熱工程によって加熱された鋼板30を急冷して鋼板30を焼入れすると共にろう材31を冷却固化させて増肉用領域30Aに増肉用鋼板32を面接合させながら、図3(D)に示される如く鋼板30及び増肉用鋼板32をプレス成形する。
続いて、増肉用鋼板32が重ね合わされた鋼板30を図示しないプレス成形機にセットする。そして、このプレス成形機を用いて、加熱工程によって加熱された鋼板30を急冷して鋼板30を焼入れすると共にろう材31を冷却固化させて増肉用領域30Aに増肉用鋼板32を面接合させながら、図3(D)に示される如く鋼板30及び増肉用鋼板32をプレス成形する。
つまり、プレス成形機の型内において、鋼板30の焼入れ(ハイテン化)と、ろう材31を用いた増肉用鋼板32の鋼板30への面接合と、鋼板30及び増肉用鋼板32のプレス成形とを同時に行う。
そして、これにより、鋼板30によりセンターピラーアウタ10の本体パネル20を形成すると共に、本体パネル20の一部であるドアヒンジ取付部20Aに増肉用鋼板32により構成された増肉部22を形成する。以上の要領で、上述のセンターピラーアウタ10は製造される。
次に、上述の鋼板30の組成成分の好適な設定例について説明する。
近年、自動車業界においては、車体安全性向上、燃費向上を目的とした、車体軽量化の観点から、高強度鋼板の需要が高まりつつある。中でも、鋼板を加熱した後に、成形と焼入れを同時に行う熱間プレスの利用が増加しつつある。熱間プレスにおいては、鋼板に安定して焼きが入り、高強度を達成することが重要である。
しかし、車体骨格部材によっては、車両の衝突時に十分な変形能が要求される部位があり、すなわち、その部位は焼きを入れずに低強度、高延性でありながら、その他の部位は変形抑制のため焼きを入れて高強度とする必要がある。
そして、今回、発明者らは、強度と延性を両立可能な鋼板の成分や組成を見出した。
つまり、発明者らは、鋭意検討を行った結果、上述の鋼板30については、C(炭素)、Si(ケイ素)、Mn(マンガン)、Cr(クロム)、B(ホウ素)、Ti(チタン)を以下の質量%に設定されていると最適であることを見出した。
すなわち、鋼の強度を確保するためには、Cの質量%が0.01%以上である必要がある。一方、Cを過剰に添加すると、鋼板の溶接性が不利になるため、鋼板の溶接性を確保するためには、Cの質量%が0.5%以下である必要がある。従って、Cについては、質量%で0.01%以上、0.5%以下に設定されていると好適である。なお、好ましくは、Cの質量%が0.05%以上に設定されていると良く、また、鋼板の溶接性とのバランスからCの質量%が0.3%以下に設定されていることが望ましい。
また、鋼の強度確保や焼入れ性確保のためには、Siの質量%が0.01%以上である必要がある。しかし、Siの過剰な添加は鋼板30コストの上昇となることから、コストを抑えるためには、Siの質量%が1.5%以下である必要がある。従って、Siについては、質量%で0.01%以上、1.5%以下に設定されていると好適である。なお、溶融亜鉛めっきを施す場合、Siはめっき性を劣化させるため、これを抑制するためには、Siの質量%が0.2%以下に設定されていることが望ましい。
また、鋼の強化効果や焼入れ性が現れるためには、Mnの質量%が0.1%以上である必要がある。しかし、Mnの過剰な添加は鋼板30の延性に悪影響を及ぼすため、鋼板の延性を確保するためには、Mnの質量%が4.0%以下である必要がある。従って、Mnについては、質量%で0.1%以上、4.0%以下に設定されていると好適である。
特に、C+Si/24+Mn/6≧0.35%を満たすと、十分な冷却速度範囲で焼入れ性を確保することができ好適である。
また、鋼の強化効果や焼入れ性が現れるためには、Crの質量%が0.01%以上である必要がある。しかし、Crの過剰な添加は鋼板30の加工性及び延性に悪影響を及ぼすため、鋼板の加工性及び延性を確保するためには、Crの質量%が2.0%以下である必要がある。従って、Crについては、質量%で0.01%以上、2.0%以下に設定されていると好適である。
また、鋼の焼入れ性を確保するためには、Bの質量%が0.0001%以上である必要がある。しかし、Bの過剰な添加は鋼板30の強度を上昇させ、鋼板の加工性が低下するため、鋼板の加工性を確保するためには、Bの質量%が0.01%以下である必要がある。従って、Bについては、質量%で0.0001%以上、0.01%以下に設定されていると好適である。
また、Tiは鋼中で窒化物を形成し、Bが窒化物を形成しBの焼入れ性の効果が減じるのを抑制する。この効果を出現させるためには、Tiの質量%が0.01%以上である必要がある。しかし、Tiの過剰な添加は鋼板の延性を低下させるため、鋼板の延性を確保するためには、Tiの質量%が0.3%以下である必要がある。従って、Tiについては、質量%で0.01%以上、0.3%以下に設定されていると好適である。
また、発明者らは、鋭意検討を行った結果、上述の鋼板については、Al(アルミニウム)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)、Mo(モリブデン)を以下の質量%に設定されていると最適であることを見出した。
すなわち、低Siとする場合、脱酸の目的では、Alの質量%が0.003%以上である必要がある。一方、Alを過剰に添加すると、鋼板の溶接性や溶融亜鉛めっき性を劣化させるため、これを抑制するためには、Alの質量%が1.5%以下である必要がある。従って、Alについては、質量%で0.003%以上、1.5%以下に設定されていると好適である。
さらに、本発明が対象とする鋼は、強度の更なる向上を目的として強炭化物形成元素であるNb、V、Moの1種又は2種以上を含有できる。
つまり、Nbは、微細な炭化物、窒化物又は炭窒化物を形成して、鋼板の強化に極めて有効であるため、これを達成するためには、Nbの質量%が0.01%以上である必要がある。一方、Nbを過剰に添加すると、鋼板の延性を劣化させるため、これを抑制するためには、Nbの質量%が0.05%以下である必要がある。従って、Nbについては、質量%で0.01%以上、0.05%以下に設定されていると好適である。
また、鋼の強度を確保するためには、Vの質量%が0.001%以上である必要がある。しかし、Vの過剰な添加は鋼板の延性を劣化させるため、これを抑制するためには、Vの質量%が0.1%以下である必要がある。従って、Vについては、質量%で0.001%以上、0.1%以下に設定されていると好適である。
また、鋼の強化効果や焼入れ性向上効果が現れるためには、Moの質量%が0.05%以上である必要がある。しかし、Moの過剰な添加は鋼板の延性を劣化させるため、これを抑制するためには、Moの質量%が0.5%以下である必要がある。従って、Moについては、質量%で0.05%以上、0.5%以下に設定されていると好適である。
また、発明者らは、鋭意検討を行った結果、上述の鋼板については、Ca(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)、REM(希土類元素:原子番号57〜71)のうち1種又は2種以上を以下の質量%に設定されていると最適であることを見出した。
すなわち、めっき鋼板の場合、Ca、Zr、REMを、めっきの濡れ性を劣化させるSi系の内部粒界酸化相生成を抑制する目的で添加できる。Si系の酸化物のように粒界酸化物が形成するのではなく、比較的微細な酸化物を分散して形成することができる。そして、めっきの濡れ性を劣化させるSi系の内部粒界酸化相生成を抑制するには、Ca、Zr、REMのうち1種又は2種以上の質量%が0.0005%以上である必要がある。一方、Ca、Zr、REMのうち1種又は2種以上を過剰に添加すると、鋼板の鋳造性や熱間加工性などの製造性及び鋼板製品の延性を低下させるため、これを抑制するためには、Ca、Zr、REMのうち1種又は2種以上の質量%が0.01%以下である必要がある。従って、Ca、Zr、REMのうち1種又は2種以上については、質量%で0.005%以上、0.01%以下に設定されていると好適である。
次に、鋼板のミクロ組織について述べる。熱間プレスにおいて、鋼板に焼きを入れ高強度を達成するだけでなく、部品によっては部分的に焼きを入れずに低強度及び高延性とする必要がある。焼きを入れない場合、すなわち、母材のまま、あるいは組織変化の少ない熱処理を受けた場合に高延性を発揮する組織を発明者らは見出した。
すなわち、フェライト相は、鋼板の加工性を確保するために必要であり、鋼板の加工性を確保するためは、フェライト相が体積分率で50%以上、100%未満である必要がある。一方、パーライトは、鋼板の強度確保に有効であるため、フェライトと共存させるが、パーライトを過多にすると、鋼板の延性低下が著しくなるため、これを抑制するためには、パーライトが体積分率で0%超、50%以下である必要がある。従って、鋼板のミクロ組織が、体積分率で、50%以上、100%未満のフェライト相、0%超、50%以下のパーライトを含んでいると好適である
なお、パーライトに替えて、強度確保のために、ベイナイトやマルテンサイトを共存させても良い。ただし、ベイトナイト及びマルテンサイトを過多にすると、鋼板の延性低下を招くため、これを抑制するためには、ベイトナイト及びマルテンサイトの両組織の和が体積分率で0%超、50%以下である必要がある。従って、パーライトに替えてベイナイトやマルテンサイトを含む場合には、両組織の和が0%超、50%以下とされていると好適である
なお、鋼板の耐食性確保、及び、熱間プレス時の酸化防止のために、鋼板の表面に溶融亜鉛めっきや合金化溶融亜鉛めっきの処理を施すことも可能である。
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
本発明の一実施形態に係るセンターピラーアウタ10によれば、本体パネル20は、焼入れされると共にその一部であるドアヒンジ取付部20Aに増肉部22が形成されている。そして、これにより、センターピラーアウタ10の全体の強度が向上されると共に必要な箇所だけ局所的に板厚が増加されている。従って、センターピラーアウタ10の強度剛性を確保しつつ軽量化及び構造の簡素化を達成することができる。
しかも、増肉部22は、ドアヒンジ取付部20Aにろう材31により面接合されている。従って、この接合部に応力が集中することを抑制することができるので、疲労による強度低下を抑制することができる。
また、このセンターピラーアウタ10によれば、上述のように強度剛性が確保されているので、車両における側面衝突性能を確保することができる。しかも、ドアヒンジ取付部20Aに増肉部22が形成されているので、このドアヒンジ取付部20Aの強度剛性、ひいては、ドアの取付剛性も確保することができる。
さらに、このセンターピラーアウタ10によれば、本体パネル20を構成する鋼板30に、その成分や組成が上述の好適な設定条件を満たすものが使用されているので、強度と延性を両立させることができ、また、加熱後のプレス成形機の型内においても、広い製造条件範囲で安定して鋼板30に焼きを入れる(例えば、1180MPa〜1800MPaの引張強さを得る)ことができる。
また、このセンターピラーアウタ10によれば、従来のリインフォースメントを備えた構造に比して、リインフォースメントを備えない分、部品点数及びコストを削減することができる。
また、このセンターピラーアウタ10の製造過程においても、リインフォースメントを別途成形するための型が不要となり、また、増肉部22を形成する増肉用鋼板32についても本体パネル20を構成する鋼板30と同時にプレス成形を行うので、このことによっても、コストを低減することができる。
また、このセンターピラーアウタ10の製造方法によれば、鋼板30を熱間成形するため、鋼板30がハイテンでありながら、成形時の精度を向上させることができる。
次に、図4,図5を参照しながら、複数の鋼板30について比較した実験結果について説明する。
ここでは、図4に示されるような組成の鋼を、真空溶解炉にて製造し、これを冷却凝固後1100℃以上に再加熱し、仕上げ圧延及び巻き取り処理を施した鋼帯を、酸洗した後に冷延して1.2mm厚とした。その後、所定の熱処理によって図5に示す組成を作り分けた。
なお、図4において、鋼種番号A〜F(発明鋼)は、本発明の条件を満たしており、鋼種番号GG〜KK(比較鋼)は、本発明の条件を満たしていない。
引張特性はJIS5号試験片にて評価し、強度と延性の優れた材質バランスを実現している基準として、引張強さTS(MPa)と全伸びEl(%)との積TS×El値が18000(MPa・%)以上を良好とした。なお、金属組織の同定、存在形態、占有率については、鋼板圧延方向断面を500倍〜1000倍の光学顕微鏡で観察することにより定量化可能である。
そして、この母材を熱間プレス工程に入れる。すなわち、Ac3変態点以上に加熱し、ほぼ一定の冷却速度20℃/sで室温まで冷却し、冷却後に鋼板の硬度を測定した。
ここで、鋼板に焼きが入る(組織全てがマルテンサイトに変態する)と、その硬度は、C量に依存することが知られており、下記式(1)で概算できる。
Hv=884C(1−0.3C^2)+294・・・(1)
そして、ここでは、焼入れ性の指標として、実際の硬度と式(1)の硬度の比が95%以上のものを、良好な焼入れ性を有すると判断した。
図5より、本発明の条件を満たす発明鋼は、母材の強度及び延性バランスに優れており、さらに焼入れ後の硬度が十分であった。
一方、本発明の条件を満たさない比較鋼は、強度及び延性バランスに劣り、あるいは、焼入れ後の硬度が不十分であった。
次に、本発明の一実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態において、本発明の一実施形態に係る車両用骨格部材は、センターピラーアウタ10とされていたが、センターピラーアウタ10以外でも良い。
また、上記実施形態において、増肉部22は、本体パネル20の一部としてのドアヒンジ取付部20Aに形成されていたが、本体パネル20におけるドアヒンジ取付部20A以外の部分に形成されても良い。
また、上記実施形態において、増肉部22は、ドアヒンジ取付部20Aの車体外側面にろう材31により面接合されていたが、ドアヒンジ取付部20Aの車体内側面にろう材31により面接合されても良い。つまり、この場合の製造過程においては、ドアヒンジ取付部20Aの車体内側面に相当する鋼板30における増肉用領域30Aの表面にろう材31が塗布される共に、このろう材31により鋼板30における増肉用領域30Aの表面に増肉用鋼板32が面接合されても良い。
また、上記実施形態では、プレス成形工程において、増肉用鋼板32が重ね合わされた鋼板30をプレス成形機にセットした状態で、鋼板30及び増肉用鋼板32の両方がプレス成形されていたが、増肉用鋼板32がプレス成形されずに、増肉用鋼板32のみがプレス成形されても良い。
以上、本発明の一実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
10 センターピラーアウタ(車両用骨格部材)
20 本体パネル
20A ドアヒンジ取付部(本体パネルの一部)
22 増肉部
30 鋼板
30A 増肉用領域
31 ろう材
32 増肉用鋼板
20 本体パネル
20A ドアヒンジ取付部(本体パネルの一部)
22 増肉部
30 鋼板
30A 増肉用領域
31 ろう材
32 増肉用鋼板
Claims (9)
- 焼入れされると共にプレス成形された鋼板により構成された本体パネルと、
前記本体パネルの一部の表面に塗布されたろう材を介して前記本体パネルの一部に互いに板厚方向に重ね合わされると共に前記ろう材により前記本体パネルの一部に面接合された増肉用鋼板により構成された増肉部と、
を備えた車両用骨格部材。 - 前記車両用骨格部材は、センターピラーアウタとされ、
前記増肉部は、前記本体パネルの一部としてのドアヒンジ取付部に形成されている、
請求項2に記載の車両用骨格部材。 - 前記本体パネルを構成する前記鋼板は、質量%で、
C:0.01%以上、0.5%以下、
Si:0.01%以上、1.5%以下、
Mn:0.1%以上、4.0%以下、
Cr:0.01%以上、2.0%以下、
B:0.0001%以上、0.01%以下、
Ti:0.01%以上、0.3%以下、
を含有し、さらに、
C+Si/24+Mn/6≧0.35%を満たし、
且つ、残部が鉄及び不可避的不純物により構成された、
請求項1又は請求項2に記載の車両用骨格部材。 - 前記本体パネルを構成する前記鋼板は、質量%でさらに、
Al:0.003%以上、1.5%以下、
Nb:0.01%以上、0.05%以下、
V:0.001%以上、0.1%以下、
Mo:0.05%以上、0.5%以下、
を含有する、
請求項3に記載の車両用骨格部材。 - 前記本体パネルを構成する前記鋼板は、質量%でさらに、
Ca、Zr、REMのうち1種又は2種以上を、0.005%以上、0.01%以下含有する、
請求項3又は請求項4に記載の車両用骨格部材。 - 前記本体パネルを構成する前記鋼板のミクロ組織が、体積分率で、50%以上、100%未満のフェライト相、0%超、50%以下のパーライトを含む、
請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の車両用骨格部材。 - 前記本体パネルを構成する前記鋼板のミクロ組織が、体積分率で、50%以上、100%未満のフェライト相、両組織の和が0%超、50%以下のベイトナイト及びマルテンサイトを含む、
請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の車両用骨格部材。 - 鋼板における増肉用領域の表面にろう材を塗布するろう材塗布工程と、
前記鋼板を焼入れするために加熱すると共に前記ろう材を溶融させる加熱工程と、
前記加熱工程によって溶融された前記ろう材を介して前記増肉用領域と増肉用鋼板とを互いに板厚方向に重ね合わせる重ね合わせ工程と、
前記加熱工程によって加熱された前記鋼板を冷却して前記鋼板を焼入れすると共に前記ろう材を冷却固化させて前記増肉用領域に前記増肉用鋼板を面接合させながら、前記重ね合わせ工程において前記増肉用鋼板が重ね合わされた前記鋼板をプレス成形して、前記鋼板により車両用骨格部材の本体パネルを形成すると共に前記本体パネルの一部に前記増肉用鋼板により構成された増肉部を形成するプレス成形工程と、
を備えた車両用骨格部材の製造方法。 - 前記鋼板により車両用骨格部材としてのセンターピラーアウタの本体パネルを形成すると共に、前記本体パネルの一部としてのドアヒンジ取付部に前記増肉部を形成する、
請求項8に記載の車両用骨格部材の製造方法。
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